JPH06321902A - 抗菌活性を有する第四級アンモニウム塩化合物及びその製造法 - Google Patents

抗菌活性を有する第四級アンモニウム塩化合物及びその製造法

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JPH06321902A
JPH06321902A JP13948793A JP13948793A JPH06321902A JP H06321902 A JPH06321902 A JP H06321902A JP 13948793 A JP13948793 A JP 13948793A JP 13948793 A JP13948793 A JP 13948793A JP H06321902 A JPH06321902 A JP H06321902A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 既知の第四級アンモニウム塩化合物に比べ
て、極めて優れた殺菌効果と広い抗菌スペクトルを示
し、かつ、安全性の高い第四級アンモニウム塩化合物及
びその製造法を提供する。 【構成】 一般式(1)で表される抗菌活性を有する第
四級アンモニウム塩化合物及びその製造法。 [式中、Zはピリジン又はキノリンを;RはZの窒素
原子に結合したC6〜18−アルキル基を;R,R
はZの炭素原子に結合したC1〜3−アルキル基、水酸
基、アミノ基等を;RはC2〜18−アルキレン基あ
るいはC2〜18−アルケニレン基を;Xはアニオン
を;それぞれ示す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌活性を有する第四級
アンモニウム塩及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】細菌等に抗菌活性を発揮する第四級アン
モニウム塩化合物は古くから知られ現在も広く一般に用
いられている。しかしながら、このような化合物は通
常、抗菌活性と同時に人体に対する毒性も高く、使用上
の安全性に問題があるため、種々の改良がなされてい
る。
【0003】そこで、本発明者らは鋭意、研究を続けた
結果、抗菌活性に極めて優れ、かつ、人体に対する安全
性も高い第四級アンモニウム塩化合物を見出し、本発明
を完成するにいたつた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、既知
の第四級アンモニウム塩化合物に比べて、極めて優れた
殺菌効果と広い抗菌スペクトルを示し、かつ、安全性の
高い新規な第四級アンモニウム塩化合物及びその製造法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(1)で
表される抗菌活性を有する第四級アンモニウム塩化合物
及びその製造法に係る。
【0006】
【化8】 [式中、Zはピリジン又はキノリンを、R3は炭素数2
〜18のアルキレン基あるいはアルケニレン基を、R4
Zの窒素原子に結合した炭素数6〜18のアルキル基を示
し、いづれも置換基を含んでいてもよい。R1及びR2
同一または異なつて、Zの窒素原子以外の原子に結合し
た炭素数1〜3のアルキル基、水酸基、アミノ基、炭素
数1〜3のアルコキシ基あるいは水素原子を、Xはアニ
オンをそれぞれ示す。]
【0007】上記、一般式(1)の化合物において、R
4のアルキル基は炭素数が6〜18の範囲のものが用いら
れるが、殺菌力の観点から、8〜14がより好ましい。
【0008】尚、アニオンについては特に限定されずB
r-,Cl-,NO3 -,CH3COO-などを含む。尚、アニ
オンについては、予め希望するものを前述のR4Xの段
階で、選択することができる。或いは最終化合物を合成
したのち、公知の方法でアニオン交換できる。例えば、
該最終化合物を可溶性溶媒に溶解した後、希望するアニ
オンを含有する塩を加え、反応後、濃縮、乾燥、精製す
ることによつて、アニオン交換することも可能である。
【0009】次に本発明の第四級アンモニウム塩化合物
の製造方法の一例を反応式で示す。
【0010】
【化9】
【0011】上記一般式(1)の製造方法において化合
物(A)から(C)への反応は、化合物(B)に対し
て、化合物(A)を通常、約2.0〜4.0倍モル、好ましく
は約2.1〜2.5倍モル反応させるのが良い。
【0012】反応は有機溶媒中で行うのが好ましく、一
般に約60〜110℃の反応温度が好適である。反応生成物
(C)は再結晶等の方法により精製することができる。
尚、反応時間は約10〜48時間が好適である。
【0013】次に、化合物(C)から(D)への反応は
まず、化合物(C)を水に溶解した後、アルカリ性溶液
で約pH10〜12にて処理し、次に有機溶媒で抽出、乾燥
および濃縮することによつて化合物(D)を得ることが
できる。尚、アルカリ性溶液としては約0.5〜2.0NのN
aOH水溶液が好適である。
【0014】最後に化合物(D)から(1)への反応
は、化合物(D)に対して化合物(E)を通常約1.0〜
3.0倍モル、好ましくは約1.1〜1.5倍モル反応させるの
が良い。反応は有機溶媒中で行うのが好ましく一般に反
応温度約50〜100℃、圧力約100〜20,000ヘクトパスカ
ル、反応時間約20〜70時間が好適である。反応生成物
(1)は再結晶等により精製することができる。
【0015】本発明の第四級アンモニウム塩化合物を製
造するために用いる化合物(A)としては例えば、2−
メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、2−メ
ルカプト−5−メチルピリジン、2−キノリンチオール
などが使用できる。
【0016】次に、本発明の第四級アンモニウム塩化合
物を製造するために用いる化合物(B)としては、1,
2−ジクロルエタン、1,2−ジブロモエタン、1,2−
ジヨードエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジ
ブロモプロパン、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ジ
クロロブタン、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジクロ
ロペンタン、1,5−ジブロモペンタン、1,6−ジクロ
ロヘキサン、1,7−ジブロモヘプタン、1,8−ジブロ
モオクタン、1,10−ジブロモデカン、1,18−ジクロロ
オクタデカン、1,6−ジブロモヘキサン、1,5−ジク
ロロペンテン、1,6−ジブロモヘキセン、1,8−ジヨ
ードオクテンなどが使用できる。
【0017】本発明の第四級アンモニウム塩は種々の細
菌に対する殺菌試験を実施したところ、従来の市販第四
級アンモニウム塩等に比べて、1/10〜1/100の最小
殺菌濃度を示し、かつ、広い殺菌スペクトルをもつてい
ることがわかつた。従つて、従来の市販殺菌剤の1/10
〜1/100の濃度の使用量で従来の殺菌効果が期待でき
るため、経済的で人体に対する安全性も一段と向上す
る。尚、皮膚刺激試験の結果からみても、本発明の化合
物は、安全性が高いことが証明される。
【0018】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0019】実施例1 中間体2MHの合成 2−メルカプトピリジン(以下2MPと略す)22.2g
(0.20モル)をエチルアルコール 100mlに溶解し、室温
で撹拌下、1,6−ジブロモヘキサン(以下DBHと略
す)24.4g(0.10モル)を滴下し、引き続き80℃で24時
間加熱した。次に室温まで反応混合液を冷却し、生じた
白色沈殿物を濾過、エチルアルコールで再結晶、次いで
このものを真空ポンプで充分、減圧乾燥すると、白色粉
末状の1,6−ビス(2−メルカプトピリジン)ヘキサ
ン臭化水素酸塩(以下2MH・2HBrと略す)42.9gが
得られた(2MPに対する2MH・2HBrの収率92.1
%)。
【0020】次に2MH・2HBr 23.3g(0.050モル)
を水 200mlに溶解し、これに1N−NaOH水溶液を滴
下して溶液をpH11に調整した後、ジエチルエーテル 30
0mlを加えて、抽出した。エーテル層を分液したのち、
水層に更に、ジエチルエーテル300mlを加え抽出した。
本操作をもう一度繰り返し、合計3回抽出した。エーテ
ル層の合計約900mlにモレキユラーシーブ3A 1/16
(和光純薬工業)200gを加え、一昼夜放置後、濾過、濃
縮したところ、うすい黄色の溶液状2,2'−(1,6−
ジチオヘキサメチレン)−ジピリジル(以下2MHと略
す)15.0g(0.049モル)(2MH・2HBrに対する2
MHの収率98.7%)が得られた。出発原料2MPに対す
る中間体2MHの収率は90.9%であつた。結果を表1に
示す。
【0021】実施例2 最終化合物2MHLの合成 実施例1で得られた中間体2MH 12.2g(0.040モル)
をエチルアルコール 100mlに溶解後、ラウリルブロマイ
ド(以下LBと略す)24.8g(0.10モル)を加え、80℃
で、800気圧の加圧下で48時間反応させた。反応終了
後、反応混合物を室温まで冷却し、生じた白色沈殿物を
濾過、エチルアルコール/ジエチルエーテル/酢酸エチ
ル=6/2/2の混合溶媒で再結晶、次いでこのものを
真空ポンプで減圧乾燥すると白色粉末状の2,2'−
(1,6−ジチオヘキサメチレン)−ビス−(1−ドデ
シルピリジニウムブロマイド)(以下2MHLと略す)
31.2g(0.039モル)(2MHに対する2MHLの収率9
7.3%)が得られた。結果を表2に示す。表2において
収率は化合物(D)に対する化合物(1)の収率を示
す。得られた2MHLを分析して以下の結果を得た。1 H−NMR(CDCl3):2MHL(δppm) 0.81(t,6H)、1.20〜1.31(m,40H)、1.43〜1.
91(m,4H)、3.19〜3.41(m,8H)、4.80(m,
4H)、7.01〜9.73(m,8H)
【0022】元素分析:2MHL
【0023】ハロゲン分析(酸素フラスコ燃焼法、分析
化学便覧、改訂三版、丸善、p228、1981):2MHL
【0024】実施例3 中間体2ME、2MDおよび2
MOの合成 実施例1において、DBHに代えて、1,2−ジブロモ
エタン(以下DBEと略す)18.8g(0.10モル)、1,10
−ジブロモデカン(以下DBDと略す)30.0g(0.10モ
ル)または1,8−ジブロモ−4−オクテン(以下DB
Oと略す)27.0g(0.10モル)を使用した以外は、実施
例1と同様に反応及び後処理をして、それぞれ中間体
2,2'−(1,2−ジチオジメチレン)−ジピリジル
(以下2MEと略す)、2,2'−(1,10−ジチオデカメ
チレン)−ジピリジル(以下2MDと略す)または2,
2'−(1,8−ジチオ−4−オクテニレン)−ジピリジ
ル(以下2MOと略す)を得た。結果を表1に示す。
【0025】実施例4 最終化合物2MEL,2MDL
及び2MOLの合成 実施例2において中間体2MHに代えて、2ME 9.92g
(0.04モル)、2MD14.4g(0.04モル)または2MO
13.2g(0.04モル)を使用した以外は、実施例2と同様
に反応及び後処理をして、それぞれ目的とする最終化合
物2,2'−(1,2−ジチオジメチレン)−ビス−(1
−ドデシルピリジニウムブロマイド)(以下2MELと
略す)、2,2'−(1,10−ジチオデカメチレン)−ビ
ス−(1−ドデシルピリジニウムブロマイド)(以下2
MDLと略す)または2,2'−(1,8−ジチオ−4−
オクテニレン)−ビス−(1−ドデシルピリジニウムブ
ロマイド)(以下2MOLと略す)を得た。結果を表2
に示す。得られた2MEL,2MDL及び2MOLを分
析して以下の結果を得た。1 H−NMR(CDCl3):2MEL(δppm) 0.82(t,6H)、1.21〜1.33(m,40H)、3.22
(m,4H)、4.85(m,4H)、7.02〜9.77(m,8
H)
【0026】元素分析:2MEL
【0027】ハロゲン分析(酸素フラスコ燃焼法):2
MEL
【0028】1H−NMR(CDCl3):2MDL(δp
pm) 0.83(t,6H)、1.19〜1.40(m,40H)、1.45〜2.
02(m,12H)、3.15〜3.44(m,8H)、4.81(m,
4H)、7.32〜9.01(m,8H)
【0029】元素分析:2MDL
【0030】ハロゲン分析(酸素フラスコ燃焼法):2
MDL
【0031】1H−NMR(CDCl3):2MOL(δp
pm) 0.80(t,6H)、1.20〜1.40(m,40H)、1.90
(m,4H)、3.20〜3.40(m,8H)、4.78〜4.90
(m,4H)、5.30(m,2H)、7.05〜9.80(m,8
H)
【0032】元素分析:2MOL
【0033】ハロゲン分析(酸素フラスコ燃焼法):2
MOL
【0034】実施例5 中間体4MHの合成 実施例1において、2MPに代えて、4−メルカプトピ
リジン(以下4MPと略す)22.2g(0.20モル)を使用
した以外は実施例1と同様に反応及び後処理をして、目
的とする中間体4,4'−(1,6−ジチオヘキサメチレ
ン)−ジピリジル(以下4MHと略す)を得た。結果を
表1に示す。
【0035】実施例6 最終化合物4MHH及び4MH
Sの合成 実施例2において中間体2MHに代えて、4MH 12.2g
(0.040モル)を、LBに代えてヘキシルクロライド
(以下HCと略す)6.0g(0.05モル)を、ステアリルク
ロライド(以下SCと略す)14.4g(0.05モル)を使用
した以外は、実施例2と同様に反応及び後処理をして、
それぞれ目的とする最終化合物4,4'−(1,6−ジチ
オヘキサメチレン)−ビス−(1−ヘキシルピリジニウ
ムクロライド)(以下4MHHと略す)及び4,4'−
(1,6−ジチオヘキサメチレン)−ビス−(1−オク
タデシルピリジニウムクロライド)(以下4MHSと略
す)を得た。結果を表2に示す。1 H−NMR(CDCl3):4MHH(δppm) 0.81(t,6H)、1.19〜1.40(m,16H)、1.42〜2.
00(m,4H)、3.20〜3.40(m,8H)、4.80〜4.85
(m,4H)、7.80(s,8H)
【0036】元素分析:4MHH
【0037】ハロゲン分析(酸素フラスコ燃焼法):4
MHH
【0038】1H−NMR(CDCl3):4MHS(δp
pm) 0.82(t,6H)、1.20〜1.30(m,64H)、1.43〜1.
20(m,4H)、3.19〜3.50(m,8H)、4.78〜4.82
(m,4H)、7.80(m,8H)
【0039】元素分析:4MHS
【0040】ハロゲン分析(酸素フラスコ燃焼法):4
MHS
【0041】実施例7 中間体3HHの合成 実施例1において、2MPに代えて、2−メルカプト−
3−ピリジオール(以下2M3Pと略す)25.4g(0.20
モル)を用いた以外は実施例1と同様に反応及び後処理
をして、目的とする中間体2,2'−(1,6−ジチオヘ
キサメチレン)−ビス−(3−ヒドロキシピリジル)
(以下3HHと略す)を得た。結果を表1に示す。
【0042】実施例8 最終化合物3HHLの合成 実施例2において中間体2MHに代えて、3HH 13.4g
(0.040モル)を使用した以外は、実施例2と同様に反
応及び後処理をして、目的とする最終化合物2,2'−
(1,6−ジチオヘキサメチレン)−ビス−(3−ヒド
ロキシ−2−ドデシルピリジニウムブロマイド)(3H
HL)を得た。結果を表2に示す。1 H−NMR(CDCl3):3HHL(δppm) 0.81(t,6H)、1.20〜1.30(m,42H)、1.44〜2.
02(m,4H)、3.20〜3.40(m,8H)、4.80〜4.85
(m,4H)、7.00〜9.50(m,6H)
【0043】元素分析:3HHL
【0044】ハロゲン分析(酸素フラスコ燃焼法):3
HHL
【0045】実施例9 中間体2QHの合成 実施例1において、2MPに代えて、2−メルカプトキ
ノリン(以下2MQと略す)32.2g(0.20モル)を使用
した以外は実施例1と同様に反応及び後処理をして、目
的とする中間体2,2'−(1,6−ジチオヘキサメチレ
ン)−ジキノリル(以下2QHと略す)を得た。結果を
表1に示す。
【0046】実施例10 最終化合物2QHLの合成 実施例2において中間体2MHに代えて、2QH 16.2g
(0.040モル)を使用した以外は、実施例2と同様に反
応及び後処理をして、目的とする最終化合物2,2'−
(1,6−ジチオヘキサメチレン)−ビス−(1−ドデ
シルキノリニウムブロマイド)(2QHL)を得た。結
果を表2に示す。1 H−NMR(CDCl3):2QHL(δppm) 0.80(t,6H)、1.20〜1.30(m,40H)、1.40〜1.
90(m,4H)、3.20〜3.40(m,8H)、4.80〜4.90
(m,4H)、7.50〜8.30(m,12H)
【0047】元素分析:2QHL
【0048】ハロゲン分析(酸素フラスコ燃焼法):2
QHL
【0049】実施例11 最終化合物2MHAの合成 実施例2で得られた化合物2MHL 8.0g(10ミリモ
ル)をメタノール/水=1/4(vol/vol)混合溶媒2
l中に溶解後、無水酢酸ソーダ 49.2g(0.60モル)を加
え、室温で24時間、撹拌を続けた。この溶液を濃縮した
のち、真空ポンプで室温下に、減圧乾燥したところ、白
色粉末状混合物が得られた。該混合物にクロロホルム 3
00mlを加え、ナトリウム塩を濾別した後、クロロホルム
溶液を濃縮し、析出した白色結晶を、一昼夜、加熱減圧
乾燥したところ、2,2'−(1,6−ジチオヘキサメチ
レン)−ビス−(1−ドデシルピリジニウムアセテー
ト)(以下2MHAと略す)が7.2g(9.0ミリモル)得
られた(2MHLに対する2MHAの収率90%)。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】比較例1〜2 BAC及びBIG ベンザルコニウムクロライド(以下、BACと略す)及
び1,6−ジ(N−p−クロロフエニルビグアナイド)
ヘキサンジグルコネート(以下BIGと略す)をそれぞ
れ、比較例1及び2とした。
【0054】試験例1 最小殺菌濃度(MBC)の測定 無菌蒸留水に薬剤(表2の8化合物及び比較例の2化合
物)をそれぞれ、2,000ppm(μg/ml)となるように溶
解した。この薬剤溶液を無菌蒸留水で2倍の段階希釈を
15回繰り返し、希釈系列を調製した。一方、NB(栄
養)培地で、18時間前培養した供試菌(表3)を106cel
ls/mlとなるように無菌蒸留水で希釈し、希釈菌液とし
た。希釈薬剤溶液1mlと希釈菌液1mlを混合し、37℃で
10分間接触後、それぞれの試験溶液から、0.1mlを3回
採取し、各々、NB培地中に接種した。接種後、24時
間、37℃で培養し、増殖の有無を濁度で判定し、MBC
とした。結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】試験例2 急性皮膚刺激性試験 表2の化合物を用い、OECD化学品テストガイドライ
ン2(財団法人 化学品検査協会編)404に基づいて、
ニユージーランドホワイト種の雌性ウサギ3匹を用い
て、急性皮膚刺激性試験を実施した。
【0057】ウサギの皮膚の小部分に前記化合物の粉末
を投与しガーゼパツチでおおいテープで固定した。1,
24,48及び72時間後、パツチを除去し、皮膚を検査した
結果を表5に示す。尚、表5中の数字は以下の状態を意
味する。又、表5の同一カラム中の数字は上が紅斑、下
が浮腫の結果を示す。
【0058】
【0059】
【表5】
【0060】
【発明の効果】本発明の抗菌活性を有する第四級アンモ
ニウム塩化合物は既知の第四級アンモニウム塩化合物に
比べて、極めて優れた殺菌効果と広い抗菌スペクトルを
示し、かつ、安全性も高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[化1]で表される抗菌活性を有
    する第四級アンモニウム塩化合物。 【化1】 [式中、Zはピリジン又はキノリンを、R3は炭素数2
    〜18のアルキレン基あるいはアルケニレン基を、R4
    Zの窒素原子に結合した炭素数6〜18のアルキル基を示
    し、いづれも置換基を含んでいてもよい。R1及びR2
    同一または異なつて、Zの窒素原子以外の原子に結合し
    た炭素数1〜3のアルキル基、水酸基、アミノ基、炭素
    数1〜3のアルコキシ基あるいは水素原子を、Xはアニ
    オンをそれぞれ示す。]
  2. 【請求項2】 一般式[化2]で表されるビスメルカプ
    ト化合物(D)と一般式R4X(R4は炭素数6〜18のア
    ルキル基を示し、置換基を含んでいてもよい。Xはアニ
    オンを示す。)で表される化合物(E)を反応させるこ
    とを特徴とする一般式[化3]で表される第四級アンモ
    ニウム塩化合物の製造法。 【化2】 【化3】 [式中、Zはピリジン又はキノリンを、R3は炭素数2
    〜18のアルキレン基あるいはアルケニレン基を、R4
    Zの窒素原子に結合した炭素数6〜18のアルキル基を示
    し、いづれも置換基を含んでいてもよい。R1及びR2
    同一または異なつて、Zの窒素原子以外の原子に結合し
    た炭素数1〜3のアルキル基、水酸基、アミノ基、炭素
    数1〜3のアルコキシ基あるいは水素原子を、Xはアニ
    オンをそれぞれ示す。]
  3. 【請求項3】 一般式[化4]で表されるメルカプト化
    合物(A)と一般式X−R3−Xで表される化合物
    (B)を反応させて一般式[化5]で表される化合物
    (C)を得、次いでアルカリ性溶液で処理して一般式
    [化6]で表されるビスメルカプト化合物(D)を得、
    これと一般式R4X(R4は炭素数6〜18のアルキル基を
    示し、置換基を含んでいてもよい。Xはアニオンを示
    す。)で表される化合物(E)を反応させることを特徴
    とする一般式[化7]で表される第四級アンモニウム塩
    化合物の製造法。 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 [式中、Zはピリジン又はキノリンを、R3は炭素数2
    〜18のアルキレン基あるいはアルケニレン基を、R4
    Zの窒素原子に結合した炭素数6〜18のアルキル基を示
    し、いづれも置換基を含んでいてもよい。R1及びR2
    同一または異なつて、Zの窒素原子以外の原子に結合し
    た炭素数1〜3のアルキル基、水酸基、アミノ基、炭素
    数1〜3のアルコキシ基あるいは水素原子を、Xはアニ
    オンをそれぞれ示す。]
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