JPH06320759A - インク保持用吸収体の製造方法、前記吸収体を用いるインクタンク、インクタンク一体型ヘッドカートリッジ、およびインクジェットプリント装置 - Google Patents

インク保持用吸収体の製造方法、前記吸収体を用いるインクタンク、インクタンク一体型ヘッドカートリッジ、およびインクジェットプリント装置

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JPH06320759A
JPH06320759A JP11193893A JP11193893A JPH06320759A JP H06320759 A JPH06320759 A JP H06320759A JP 11193893 A JP11193893 A JP 11193893A JP 11193893 A JP11193893 A JP 11193893A JP H06320759 A JPH06320759 A JP H06320759A
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ink
ink tank
absorber
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absorbing member
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JP11193893A
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English (en)
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Yoichi Tanetani
陽一 種谷
Takashi Saito
敬 斎藤
Noriya Ota
徳也 太田
Hiroshi Sugitani
博志 杉谷
Kazuaki Masuda
和明 益田
Jun Kawai
潤 河合
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Masahiko Hikuma
昌彦 日隈
Yohei Sato
陽平 佐藤
Torachika Osada
虎近 長田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットプリント装置のインクタンク
内にインク保持の為に収容される吸収体の加工工程にお
いて切屑や不純物の発生をおさえる。 【構成】 吸収体1の切断、またはインク供給円滑化の
ために穴2をあける等の加工にウォータージェットカッ
タを使用する。これにより、加工工程中に切屑や不純物
をほとんど発生させずに吸収体1を形成でき、吸収体な
いしこれを用いるインクタンク等の歩留りを向上させる
ことができる。また、切屑等によってインクの流れが阻
害されず、インク供給性の向上にともなってプリントヘ
ッドの高周波駆動にも対応でき、さらにプリント品位を
も高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク保持用吸収体の
製造方法、前記吸収体を収納したインクタンク、該タン
クとインクジェットプリントヘッドとを一体に構成して
なるインクタンク一体型ヘッドカートリッジ、および前
記インクタンクまたはヘッドカートリッジを具備したイ
ンクジェットプリント装置に関するものである。
【0002】プリントとしては、布,糸,紙,シート材
等の各種のインク付与を受けるインク支持体すべてへの
インク付与を含むもので、各種情報処理装置すべてある
いはその出力器としてのプリンタを含み、本発明はこれ
らへの用途が可能なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、この種インクタンクに収納される
吸収体としては、ウレタン樹脂の発泡体でなるものが多
い。ここに、かかるウレタン発泡体はその形成時に空洞
部(ポア)を含みこむように膜が形成されてしまい、多
数のポアが互いに隔絶されてそのままでは到底インク含
浸用吸収体としての機能を果し得なくなるので、加熱,
洗浄等の除膜処理を施している。
【0004】しかしながら、ウレタン発泡体をインクタ
ンク内の吸収体として用いる場合には、インクタンクの
収容空間に対して圧縮した状態で収納されたり、あるい
はインク導出用接続部材との連通部において適切な負圧
の勾配を設けるためにその部分が圧縮されることがある
が、上記除膜処理によっても膜の完全な除去は極めて困
難であって、実際にはポアにかなりの膜の残滓が付着し
ており、このために圧縮時に隣接するポア間で膜の残滓
が相補しあい、インクの消費に伴って生ずべき吸収体内
でのインクの流れを阻害し、すなわちインクタンク外部
へのインク供給性に支障を来すおそれがある。
【0005】
【関連技術】一方、かかるウレタン発泡体とは全く異な
る熱硬化メラミン縮合体で形成されてなる発泡体でなる
吸収体が国際公開番号WO91/02652に対応する
特許出願公表平4−501392号公報において提案さ
れている。その吸収体は、発泡材の回路網の隙間に薄膜
が存在しない全く骨組だけの回路網で形成されている本
来的に網状の構造を有するものであるので、除膜処理を
必要としないこと、回路網を構成する繊維が微細である
ためにウレタン発泡体に比しより大量のインクを充填し
うること、撥水性を呈するウレタン発泡体に対し浸水性
を有するものであるためにインクの初期充填処理が容易
であること、本来的に膜を有さないためにインク消費時
にウレタン発泡体のように膜もしくはその残滓によって
インクが取り残されず、従って効率的にインクを使い切
ることができること、等の利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された熱硬化メラミン縮合体でなる吸収体は基
本的に非圧縮状態で用いるのが好ましいとされており、
重力の作用によりインクタンク下方に設けられたインク
導出部に対してインクが供給されるものである。すなわ
ち、インク導出部に対するインク供給方向は鉛直方向下
方のみに固定されるために、インクタンク使用時の姿勢
が制限されるという問題がある。また、好ましいとされ
る非圧縮状態とした場合収納部内壁に対し吸収体を密接
させるのが困難であり、そのために吸収体と収納部内壁
との間に空隙部が生じ、収納部に設けられた大気連通口
あるいはプリントヘッドの吐出口から取込まれた空気が
その空隙部に滞留すると、インク吐出に伴ってプリント
ヘッドに供給されるインク中に気泡の混入が生じ、著し
く記録等の品位を乱すことになる。特に、インクタンク
部とプリントヘッドを一体化し、この一体化物をプリン
ト媒体等に対して往復走査することによりプリント等を
行う形態の装置にあっては、その往復走査によってイン
クタンク部が振られるためにそのような問題が生じ易
い。さらに、そのような振動の影響がある場合や、イン
ク導出部付近において吸収体に当接する部材が存在する
場合には、インク導出部付近において吸収体の経時劣化
が生じ、ここに空隙部が形成されるおそれもあり、空気
の滞留による悪影響は一層顕著となることが考えられ
る。さらに甚だしい場合には大気連通口と導出部付近の
空隙部とが大気連通してしまう事態も予測され、そのよ
うな事態が生ずると所期の吐出動作が不可能となるのみ
ならず、インク供給経路に存在するインクがインク吐出
口より漏出し、装置内等を汚損することになる。
【0007】さらに、インク導出部へのインク供給は重
力の作用を利用するものであるので、最近とくに望まれ
ている高周波数にてプリントヘッド等を駆動するとイン
ク供給がこれに追随できないおそれがある。そこでその
追随性を高めるべくポアサイズをある程度大とし、流れ
の抵抗を小とすることも考えられるが、この場合には吸
収体のインク保持能力が低下し、大気連通口等からのイ
ンク漏洩が生じるおそれがある。
【0008】上記公報には、非圧縮状態での有用または
好適な特性を維持する一方、構造体の隙間スペースを調
節するため特定の適用例においては圧縮力が望ましい場
合がる、とされている(上記公報第4頁右下欄第18行
〜第21行)。
【0009】かかる記載は、収納空間の内寸と吸収体の
外寸との兼ね合いに着目してなされたものと考えられる
が、本発明者らは熱硬化メラミン縮合体でなる吸収体の
利点を活かしつつ、インクタンクの姿勢等によらずイン
ク供給を円滑かつ確実に行う上で適切にその吸収体を圧
縮して使用すればよいことを見出した。しかしながら、
本発明者らは、その吸収体の構造に対応して円滑な供給
を行うには適切な方向に圧縮を行うべきこと、その吸収
体は繊維構造が比較的脆く被圧縮部分に所謂「ヘタリ」
もしくは破壊が生じうること、また「ヘタリ」が生じる
と圧縮状態を維持できず、非圧縮状態と同等となって上
述したような問題が生じうること等の技術課題をも見出
した。
【0010】加えて、一般に吸収体からのインク導出部
に異物除去用のフィルタが設けられ、その導出部開口面
積は所望の供給量に対応して定められるが、熱硬化メラ
ミン縮合体は構造が脆いために加工時、収納時ないしそ
の後の使用時に剥離が生じ、その剥離片がフィルタに詰
って所望の供給量を維持できなくなるおそれがあること
も技術課題として見出した。
【0011】これら技術課題はいずれも上記公報には示
唆すらなされていないものであって、本発明は、熱硬化
メラミン縮合体等、三次元網状構造を有する多孔質体に
してアミノ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの縮
合生成物をベースとする熱硬化性発泡体でなる吸収体の
利点を活用しつつ、上述した技術課題の少なくとも1つ
を解決せんとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明イン
ク保持用吸収体の製造方法は、多孔質の3次元的分岐回
路網を備え、アミノ基を有する化合物とホルムアルデヒ
ドとの縮合生成物をベースとする熱硬化性発泡体を、イ
ンクタンク内に収納しててインクを保持させるための吸
収体に加工するにあたり、ウォータージェットカッタを
用いることを特徴とする。
【0013】ここで、少なくとも前記インクタンクのイ
ンク導出部に対応した前記吸収体の部分の加工に前記ウ
ォータージェットカッタを使用することができる。
【0014】また、前記吸収体内の負圧を調整し、また
は前記導出部に向かうインクの流れを円滑化するための
部分を前記吸収体に形成する加工に、前記ウォータージ
ェットカッタを使用することができる。ここで、その部
分は、前記導出部に向かうインクの流れの方向に延在す
る穴またはスリットとすることができる。
【0015】また、本発明インクタンクは、上記のいず
れかの製造方法で製造されたインク保持用吸収体を収納
して成ることを特徴とする。
【0016】また、本発明インクジェットプリント装置
は、そのインクタンクと、プリント媒体に対し前記イン
クタンクから供給されたインクを吐出することによりプ
リントを行うプリントヘッドと、該プリントヘッドとプ
リント媒体とを相対的に移動させる手段とを具えたこと
を特徴とする。
【0017】また、本発明ヘッドカートリッジは、上記
インクタンクと、プリント媒体に対し前記インクタンク
から供給されたインクを吐出することによりプリントを
行うプリントヘッドとを一体に具備して成ることを特徴
とする。
【0018】また、本発明インクジェットプリント装置
は、そのインクタンク一体型ヘッドカートリッジと、該
インクタンク一体型ヘッドカートリッジとプリント媒体
とを相対的に移動させる手段とを具えたことを特徴とす
る。
【0019】以上において、前記プリントヘッドは、イ
ンクを吐出するために利用されるエネルギとして、イン
クに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子を有
するものとすることができる。
【0020】
【作用】本発明によれば、インク保持用吸収体体の切断
または穴あけもしくはスリット入れ等の加工にウォータ
ージェットカッタを使用することにより、加工工程中に
切屑や不純物をほとんど発生させずにインクタンク内に
収納すべき吸収体を形成でき、吸収体ないしこれを用い
るインクタンク等の歩留りを向上させることができる。
また、切屑等によってインクの流れが阻害されず、イン
ク供給性の向上にともなってプリントヘッドの高周波駆
動にも対応でき、さらにプリント品位をも高めることが
できる。また、ウォータージェットカッタは加工工程に
水を使用するものであるため、僅かな費用で配管を追加
するだけで同時に発泡体の洗浄が行なうことができるの
で、吸収体の形成工程を簡略化できる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0022】図1は本発明の1実施例として、ウォータ
ージェットカッタによって発泡体素材に対し切断・穴あ
け加工を施して形成した吸収体の斜視図であり、1は吸
収体、2は穴、10は吸収体1からのインク導出部に設
けたフィルタである。
【0023】図2は発泡体1を収納したインクタンクと
プリントヘッドとを一体に構成して成るヘッドカートリ
ッジ外観構成例を示す斜視図であり、3はインクタン
ク、4はヘッド、5はヘッド4のプリント媒体対向面に
複数形成されてインクを吐出する吐出口、6はヘッドを
支える支持板、7はヘッド4および支持板6等を含むヘ
ッドユニットを被う蓋部材である。
【0024】図1に示す吸収体1に形成された穴2は、
吸収体内の負圧を調整し、同時にインク導出部に設けた
フィルタ10に向かうインクの流れをスムーズにする作
用を持つ。すなわち、穴2をインク導出部から最も遠い
面よりインク導出部に最も近い面に向かって延在させる
ことによりインクの流れが円滑なものとなり、インクタ
ンク3内に残るインクの量を最小とする作用が最大とな
るので、図1における各面A,B,C,D,EおよびF
を、それぞれ、図2のヘッドカートリッジの面A,B,
C,D,EおよびFと一致させてある。つまり、穴2は
面Cと面Dとをつなぐように設けてある。
【0025】表1はポリウレタン発泡体およびメラミン
ホルムアルデヒド縮合体発泡体の素材に対しウォーター
ジェットカッタおよび金属刃(プレス)によって切断・
穴あけ加工を施して図1に示す形状と同一形状の吸収体
を各50個形成し、ヘッドカートリッジに挿入後、抜き
出してインクタンク部内に付着した発泡体の屑を目視、
および顕微鏡で観察して、その屑の付着量を評価、比較
した表である。
【0026】
【表1】
【0027】表1中の記号はそれぞれ、○:少ない、
△:やや多い、×:多い、を表す。表1から明かなよう
に、従来吸収体として用いられているポリウレタンは金
属刃による加工によっても比較的良好な加工結果がえら
れており、ウォータージェットカッタでの加工によって
もそれほど顕著な屑の低減効果が見られないが、メラミ
ンホルムアルデヒド縮合体を用いた吸収体においては金
属刃による加工を施したものでは屑が大量に発生してお
り、ウォータージェットカッタで加工を行うことによっ
て切屑の発生が激減することがわかる。
【0028】従来、インク保持用発泡体の製造において
切断または穴あけもしくはスリット入れ等の加工は、金
属やセラミックの刃で切断またはプレスにより行い、場
合によってはさらに熱処理によって所望の形状に加工し
た上でインクタンク内に挿入していた。上記実験結果よ
り明らかなように、吸収体をポリウレタン発泡体で形成
する場合には切り屑の発生はさほど問題とならない。し
かしメラミンホルムアルデヒド縮合体等、多孔質の3次
元的分岐回路網を備え、アミノ基を有する化合物とホル
ムアルデヒドとの縮合生成物をベースとする熱硬化性発
泡体を金属やセラミックの刃で加工をする際には、切屑
が発生することがあり、熱加工の際にはすすが発生した
り、不純物の溶出が起こったりする。そしてこれによっ
てプリントヘッドの吐出口ないし液路が目詰まりを起こ
したり、インクタンクのフィルタが目詰まりを起こして
圧力損失が増大し、インク流量が低下するなどの問題が
発生し得る。また、不純物の溶出によりインクが化学的
に変化し、印字特性に悪影響を及ぼすおそれもある。
【0029】従って本例のごとく上記熱硬化性発泡体を
ウォータージェットカッタで加工することは、そのよう
な問題点の発生を抑え、加工後の洗浄処理等の工程を省
く上で顕著な効果があるのである。
【0030】なお、ウォータージェットカッタを使用す
る際は発泡体の使用効率の高さおよび加工速度を良くす
るためにノズル径は0.05〜2.50mm、水圧は1
000〜4000kgf/cmの範囲であることが好ま
しく、より無駄を省き、加工を効率良く行なうため、よ
り好ましくはノズル径は0.1〜0.2mm、水圧は2
000〜3000kgf/cmの範囲である。
【0031】(他の実施例)図3は本発明の第2の実施
例として、ウォータージェットカッタによって吸収対素
材に対し切断・スリット入れ加工を施して形成した吸収
体の斜視図であり、8は吸収体、9はスリットである。
【0032】スリット9は、上述した第1の実施例にお
ける穴2と同様、負圧を調整し、インクの流れをスムー
ズにする作用を持つ。本図示の吸収体8も図2のヘッド
カートリッジに適用できる。すなわち、スリット9はイ
ンク導出部から最も遠い面よりインク導出部に最も近い
面に向かって延在させることによりインクの流れが円滑
なものとなり、インクタンク3内に残るインクの量を最
小とする作用が最大となるので、図3における各面A,
B,C,D,EおよびFを、それぞれ、図2のヘッドカ
ートリッジの面A,B,C,D,EおよびFと一致させ
てある。つまり、穴2は面Cと面Dとをつなぐように設
けてある。
【0033】表2は、ポリウレタン発泡体およびメラミ
ンホルムアルデヒド縮合体発泡体でそれぞれウォーター
ジェットカッタおよび金属刃(プレス)によって切断・
スリット入れ加工を施して図3に示す形状と同一形状の
発泡体を各50個形成し、ヘッドカートリッジに挿入
し、インクを注入して、A4サイズ・印字面積6%のプ
リント物を実際に印字した際に、平均で何枚目から印字
が薄くなるかを測定した結果である。
【0034】
【表2】
【0035】ベタ部分の通常の反射濃度がマクベス反射
濃度計RD−918で1.3以上であり、1.2以下に
なると印字が薄くなったことが目視で判るため、ベタ部
分の反射濃度が1.2以下になった時点で印字が薄くな
ったと判断した。印字が薄くなる原因を調べるためにイ
ンクタンク部から発泡体を取り除いたところ、フィルタ
に発泡体の屑が付着してインク流量が低下していたこと
が判明した。
【0036】表2から、特にメラミンホルムアルデヒド
縮合体発泡体の使用においてウォータージェットカッタ
の使用がプリント品位の維持ないし向上にきわめて顕著
な効果をもたらすことが確認された。
【0037】(装置の実施例)図4は、図1または図3
に示す吸収体を吸収して構成した図2のようなヘッドカ
ートリッジを適用するインクジェット装置の実施例を示
す。
【0038】ここで109は図2に示したヘッドカート
リッジ、111はこれを搭載して図中S方向に走査する
ためのキャリッジである。113はヘッドカートリッジ
109をキャリッジ111に取付けるためのフック、1
15はフック113を操作するためのレバーである。こ
のレバー115には、プリント装置の不図示のカバーに
設けられた目盛等を指示してヘッドカートリッジのプリ
ントヘッドによる印字位置や設定位置等を読取り可能と
するためのマーカ117が設けられている。119はヘ
ッドカートリッジ109に対する電気接続部を支持する
支持板である。121はその電気接続部と本体制御部と
を接続するためのフレキシブルケーブルである。
【0039】123は、キャリッジ111をS方向に案
内するためのガイド軸であり、キャリッジ111の軸受
125に挿通されている。127はキャリッジ111が
固着され、これをS方向に移動させるための動力を伝達
するタイミングベルトであり、装置両側部に配置された
プーリ129A,129Bに張架されている。一方のプ
ーリ129Bには、ギヤ等の伝導機構を介してキャリッ
ジモータ131より駆動力が伝達される。
【0040】133は紙等のプリント媒体の被プリント
面を規制するとともにプリント等に際してこれを搬送す
るための搬送ローラであり、搬送モータ135によって
駆動される。137はプリント媒体を給紙トレー104
側よりプリント位置に導くためのペーパーパン、139
はプリント媒体の送給経路途中に配設されてプリント媒
体を搬送ローラ133に向けて押圧し、これを搬送する
ためのフィードローラである。134はヘッドカートリ
ッジ109の吐出口に対向しプリント媒体のプリント面
を規制するためのプラテンである。141はプリント媒
体搬送方向上、プリント位置より下流側に配置され、プ
リント媒体を不図示の排紙口へ向けて排紙するための排
紙ローラである。142は排紙ローラ141に対応して
設けられる拍車であり、プリント媒体を介してローラ1
41を押圧し、排紙ローラ141によるプリント媒体の
搬送力を生じさせる。143はプリント媒体のセット等
に際してフィードローラ139,押え板145,拍車1
42それぞれの付勢を解除するための解除レバーであ
る。
【0041】145はプリント位置近傍においてプリン
ト媒体の浮上り等を抑制し、搬送ローラ133に対する
密着状態を確保するための押え板である。本例において
は、インク吐出を行うことによりプリントを行うプリン
トヘッドを採用している。従ってプリントヘッドのイン
ク吐出口形成面とプリント媒体の被プリント面との距離
は比較的微少であり、かつプリント媒体と吐出口形成面
との接触を避けるべくその間隔が厳しく管理されなけれ
ばならないので、押え板145の配設が有効である。1
47は押え板145に設けた目盛、149はこの目盛に
対応してキャリッジ111に設けられたマーカであり、
これらによってもプリントヘッドの印字位置や設定位置
が読取り可能である。
【0042】151はホームポジションにおいてプリン
トヘッドのインク吐出口形成面と対向するゴム等の弾性
材料で形成したキャップであり、プリントヘッドに対し
当接/離脱が可能に支持されている。このキャップ15
1は、非プリント時等のプリントヘッドの保護や、プリ
ントヘッドの吸引回復処理に際して用いられる。吸引回
復処理とは、キャップ151を吐出口形成面に対向さ
せ、インク吐出口内方に設けられてインク吐出のために
利用されるエネルギ発生素子を駆動することにより全吐
出口からインクを吐出させ、これによって気泡や塵埃,
増粘してプリントに適さなくなったインク等の吐出不良
要因を除去する処理予備吐出)や、これとは別に吐出口
形成面とキャップ151で覆った状態で吐出口よりイン
クを強制的に排出させることにより吐出不良要因を除去
する処理である。
【0043】153はインクの強制排出のために吸引力
を作用するとともに、かかる強制排出による吸引回復処
理や予備吐出による吸引回復処理に際してキャップ15
1に受容されたインクを吸引するために用いられるポン
プである。155はこのポンプ153によって吸引され
た廃インクを貯留するための廃インクタンク、157は
ポンプ153と廃インクタンク155とを連通するチュ
ーブである。
【0044】159はプリントヘッドの吐出口形成面の
ワイピングを行うためのブレードであり、プリントヘッ
ド側に突出してヘッド移動の過程でワイピングを行うた
めの位置と、吐出口形成面に係合しない後退位置とに移
動可能に支持されている。161はモータ、163はモ
ータ161から動力の伝達を受けてポンプ153の駆動
およびキャップ151やブレード159の移動をそれぞ
れ行わせるためのカム装置である。
【0045】前記インクタンクおよび吸収体は吸収体切
断面と吸収体内部処理がともに施された場合について説
明したが、吸収体の切断面のみ本発明のウォータージェ
ットカット処理が施された場合もフィルタに目詰まりす
る塵埃の量が格段に少なくなるため、安定的なインク供
給を満足する。特に、最近望まれる高周波駆動に対して
は、インク量の増加に伴ないフィルタ部でのインクの圧
力損失が極めて大きいために塵埃の目詰まりがインクの
供給不足を引き起こし良好な印字を損なうこととなるの
で、本発明は特に重要となる。
【0046】また、前記インク導出部とは、インクタン
クもしくは吸収体自身からインク吐出口に向けてインク
を供給するための出口であり、そのインク導出口に対応
してウォータージェットカッタによる加工が施される吸
収体の部分とは、インク導出口またはそこにあるフィル
タが圧接される部分である。
【0047】本発明のヘッドカートリッジとしては、ヘ
ッドのインク供給管とその端部にあるフィルタとを有
し、この供給管のフィルタ部分が当接するインク吸収体
の部分が、あるいはその当接部分を含む全体がウォータ
ージェットカット処理されていることが好ましい例の1
つとなる。
【0048】(その他)以上ではインクタンク一体型ヘ
ッドカートリッジおよびこれを用いるインクジェットプ
リント装置に本発明を適用した場合について説明した
が、インクタンクとプリントヘッドとが別体に設けられ
た装置にも本発明が有効に適用できるのは勿論であり、
またプリントヘッドをプリント媒体に対して移動走査す
ることにより記録を行ういわゆるシリアルプリンタのみ
ならず、プリント媒体のプリント可能幅に対応して記録
素子を整列させて成るいわゆるラインプリンタにも本発
明が適用できるのは言うまでもない。
【0049】また、ウォータージェットカッタにて加工
される吸収体の部位についても、必ずしも吸収体の全側
面でなくてもよく、金属カッタによる加工で生じる切屑
等が吸収体の繊維構造や吸収体とインクタンク内側面と
の当接部分に阻まれてインク導出部部分には至らず、か
つその場合インクの供給性にも問題が生じないのであれ
ば、必要部分、例えばインク導出部に対向する面もしく
はその部分のみをウォータージェットカッタにて加工
し、他の部分については金属カッタ等による公知の加工
を施しても良い。また、穴やスリット等、吸収体内の負
圧を調整し、あるいはインク導出部に向かうインクの流
れを円滑化するための部分は、図1もしくは図3に示し
たもののみならず、必要に応じて適宜の個数、適宜の部
位に、適宜の寸法、適宜の形状にて設け得るものである
のは勿論である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インク保持用発泡体の切断または穴あけもしくはスリッ
ト入れ等の加工にウォータージェットカッタを使用する
ことにより、加工工程中に切屑や不純物をほとんど発生
させずにインクタンク内に収納すべき吸収体を形成で
き、吸収体ないしこれを用いるインクタンク等の歩留り
を向上させることができるのみならず、インク供給性の
向上にともなってプリントヘッドの高周波駆動にも対応
でき、さらにプリント品位をも高めることができる。ま
た、ウォータージェットカッタは加工工程に水を使用す
るものであるため、僅かな費用で配管を追加するだけで
同時に発泡体の洗浄が行なうことができるので、吸収体
の形成工程を簡略化できるという効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインク保持用吸収体の
斜視図である。
【図2】図1に示した吸収体を適用して構成したインク
タンク一体型ヘッドカートリッジの実施例を示す斜視図
である。
【図3】本発明の他の実施例によるインク保持用吸収体
の斜視図である。
【図4】図1または図3に示した吸収体を適用して構成
したインクタンク一体型ヘッドカートリッジを用いるイ
ンクジェットプリント装置の実施例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 吸収体 2 穴 3 インクタンク 4 ヘッド 5 吐出口 6 支持板 7 蓋部材 8 吸収体 9 スリット 10 フィルタ 109 ヘッドカートリッジ 111 キャリッジ 133 搬送ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉谷 博志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 益田 和明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河合 潤 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 石永 博之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 日隈 昌彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 陽平 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長田 虎近 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質の3次元的分岐回路網を備え、ア
    ミノ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの縮合生成
    物をベースとする熱硬化性発泡体を、インクタンク内に
    収納してインクを保持させるための吸収体に加工するに
    あたり、ウォータージェットカッタを用いることを特徴
    とするインク保持用吸収体の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記インクタンクのインク導
    出部に対応した前記吸収体の部分の加工に前記ウォータ
    ージェットカッタを使用することを特徴とする請求項1
    に記載のインク保持吸収体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記吸収体内の負圧を調整し、または前
    記導出部に向かうインクの流れを円滑化するための部分
    を前記吸収体に形成する加工に、前記ウォータージェッ
    トカッタを使用することを特徴とする請求項1または2
    に記載のインク保持用吸収体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記部分は、前記導出部に向かうインク
    の流れの方向に延在する穴またはスリットであることを
    特徴とする請求項3に記載のインク保持用吸収体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の製
    造方法で製造されたインク保持用吸収体を収納して成る
    ことを特徴とするインクタンク。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクタンクと、プリ
    ント媒体に対し前記インクタンクから供給されたインク
    を吐出することによりプリントを行うプリントヘッド
    と、該プリントヘッドとプリント媒体とを相対的に移動
    させる手段とを具えたことを特徴とするインクジェット
    プリント装置。
  7. 【請求項7】 前記プリントヘッドは、インクを吐出す
    るために利用されるエネルギとして、インクに膜沸騰を
    生じさせる熱エネルギを発生する素子を有することを特
    徴とする請求項6に記載のインクジェットプリント装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のインクタンクと、プリ
    ント媒体に対し前記インクタンクから供給されたインク
    を吐出することによりプリントを行うプリントヘッドと
    を一体に具備して成ることを特徴とするインクタンク一
    体型ヘッドカートリッジ。
  9. 【請求項9】 前記プリントヘッドは、インクを吐出す
    るために利用されるエネルギとして、インクに膜沸騰を
    生じさせる熱エネルギを発生する素子を有することを特
    徴とする請求項8に記載のインクタンク一体型ヘッドカ
    ートリッジ。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載のインクタン
    ク一体型ヘッドカートリッジと、該インクタンク一体型
    ヘッドカートリッジとプリント媒体とを相対的に移動さ
    せる手段とを具えたことを特徴とするインクジェットプ
    リント装置。
JP11193893A 1993-05-13 1993-05-13 インク保持用吸収体の製造方法、前記吸収体を用いるインクタンク、インクタンク一体型ヘッドカートリッジ、およびインクジェットプリント装置 Pending JPH06320759A (ja)

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DE69417468T DE69417468T2 (de) 1993-05-13 1994-05-11 Tintenbehälter, Druckkopfkassette und Tintenstrahldrucker
EP94107359A EP0624475B1 (en) 1993-05-13 1994-05-11 Ink tank, head cartridge and ink jet printing apparatus
EP97121965A EP0839657B1 (en) 1993-05-13 1994-05-11 Ink tank, head cartridge and ink-jet printing apparatus
DE69431168T DE69431168T2 (de) 1993-05-13 1994-05-11 Tintenbehälter, Druckkopfkassette und Tintenstrahldrucker
EP97121966A EP0839658B1 (en) 1993-05-13 1994-05-11 Ink tank, head cartridge and ink-jet printing apparatus
DE69429024T DE69429024T2 (de) 1993-05-13 1994-05-11 Tintenbehälter, Druckkopfkassette und Tintenstrahldrucker
US08/487,544 US6325498B1 (en) 1993-05-13 1995-06-07 Ink tank with ink absorbing member
US08/905,831 US6109742A (en) 1993-05-13 1997-08-04 Ink tank, head cartridge and ink jet printing apparatus
US08/937,302 US6224200B1 (en) 1993-05-13 1997-09-22 Ink tank with ink absorbing member having particular holes or slits
US09/027,726 US6174053B1 (en) 1993-05-13 1998-02-23 Ink tank, head cartridge and ink jet printing apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107951549A (zh) * 2017-11-29 2018-04-24 惠州海卓科赛医疗有限公司 一次性人流管

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107951549A (zh) * 2017-11-29 2018-04-24 惠州海卓科赛医疗有限公司 一次性人流管
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