JPH06320253A - 深絞り性および加工時の耐界面破壊特性に優れた高耐食性クラッド鋼板の製造方法 - Google Patents

深絞り性および加工時の耐界面破壊特性に優れた高耐食性クラッド鋼板の製造方法

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JPH06320253A
JPH06320253A JP13240293A JP13240293A JPH06320253A JP H06320253 A JPH06320253 A JP H06320253A JP 13240293 A JP13240293 A JP 13240293A JP 13240293 A JP13240293 A JP 13240293A JP H06320253 A JPH06320253 A JP H06320253A
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JP13240293A
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Hidekuni Murakami
英邦 村上
Takehide Senuma
武秀 瀬沼
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高加工性と高耐食性とを有する軟質なステン
レスクラッド鋼板を得る。 【構成】 表層鋼成分を重量%でC:0.0800%以
下、Cr:3.0〜25.0%、N:0.0800%以
下とし、内層鋼成分を重量%でC:0.0040%以
下、N:0.02%以下、Al:0.3%以下、Si:
1.0%以下、P:0.05%以下とし、内層と表層の
Cr量を0.20≧(内層Cr/表層Cr)≧0.01
となるようにし、鋳込み法により複層構造をもたせ、表
層の全厚みに対する比率を片側2〜20%、両側4〜4
0%とするとともに、片側で全厚みの0.1〜10%、
両側で0.2〜20%の表内層の遷移層を形成する。更
に熱延、冷延後の焼鈍温度を720℃以上900℃以下
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建材、自動車、厨房器具
をはじめとする構造用、一般加工用材料として利用され
る深絞り性および加工時の耐界面破壊特性に優れた高耐
食性クラッド鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築、厨房器具、自動車などに使用され
る鋼板は、従来耐食性を高めるため表面に塗装、めっき
などを施し使用されてきたが、近年より耐食性を高める
ためステンレス鋼板の使用が多くなっている。例えば長
期にわたる美観が要求される建築外板や厨房器具、高温
環境にさらされるため腐食が激しい自動車のマフラー、
各種プラントにおけるタンク、配管などあらゆる分野で
ステンレス鋼板の需要が増大している。
【0003】たしかに、ステンレス鋼は耐食性の点では
優れているが、Cr、Ni等の添加を行うため普通鋼に
比し加工性が不良で、またコストが著しく高い。このた
め、耐食性が優れかつ製造コストの低い鋼板として、表
層を耐食性が良好なステンレス鋼またはCr、Ni添加
高耐食性鋼とし、内層を安価な普通鋼とするクラッド鋼
板が開発されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら高耐食
性クラッド鋼板には次の〜のような問題点がある。
【0005】 固溶C、Nが充分に低減されていない
場合には、熱処理中に表内層の界面に非常に脆くて硬い
マルテンサイト相が形成され、加工時に界面での破壊を
引き起こす。
【0006】 表層から内層への成分変化が界面で急
激に起きているため、界面を境として表層と内層の加工
性が大きく異なり、厳しい加工を受けた場合に界面が破
壊の起点となるため、鋼板としての加工性が単一板に比
較して劣る。
【0007】 表層鋼はCr等を含有しているため再
結晶温度が高い。加工性および耐界面破壊性を確保する
ために表層および内層ともに充分再結晶させた場合、内
層鋼が粗粒化し、加工後、オレンジピールと称する表面
欠陥が発生する場合がある。
【0008】 において甚だしい場合には内層鋼の
温度がAc3 変態点を越え、集合組織がランダムなもの
となり、深絞り性が劣化する。
【0009】表層のマルテンサイト化を防止するものと
して特公昭58−15310号公報、特公平1−713
8号公報、特開昭62−54020号公報に示されるよ
うに普通鋼のC量低減をはかり、さらにTi、Nbなど
のC固定元素や各種の元素を添加するといった手段があ
るが、これらは表内層の加工性の急激な変化に対応した
界面破壊を解決することはできない。界面破壊を防止す
るために界面層にNiめっきしたり、Ni箔を挿入する
方法もあるが、Ni使用によるコストの上昇を招く。こ
れらの方法は表層ステンレスの再結晶完了を前提として
おり、そのための高温焼鈍が必須となり、上記のような
問題を引き起こしており、内層鋼も高温にさらされるた
め前記の変態による深絞り性の劣化を回避できない。
これをも含めた改善策として本発明者らは特願平4−2
15321号により内層にSi、P、Al等の変態点上
昇元素を添加する方法を開示した。しかし、この方法に
よるとSi、Pなど固溶強化元素が添加されるため鋼板
が硬質になり、用途によっては使用が制限される可能性
がある。また、従来の方法は通常鋼では考えられない高
温焼鈍を施すため、ステンレス専用焼鈍設備での通板が
必要となり、製造コストを上昇させることも問題とな
る。
【0010】本発明は、高耐食性と低コストを両立する
クラッド鋼板における問題点、すなわち、固溶C、N
が残存することによる界面でのマルテンサイト相の形成
に起因した界面での破壊、板厚方向の特性が急激に変
化する事に起因した界面での破壊、内層鋼の結晶粒の
粗大化に起因して加工時に発生する表面欠陥、高温焼
鈍時に内層が変態し、集合組織がランダムになることに
よる深絞り性の劣化、上記の問題解決のため内層に通
常以上の元素を添加した場合の硬質化、高温焼鈍に伴
う特別な設備での通板によるコスト上昇といった問題点
を回避し、軟質、高加工性、高耐食性を兼ね備えたクラ
ッド鋼板を製造する方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の
〜の通りである。
【0012】 表層鋼成分を重量%でC:0.080
0%以下、Cr:3.0〜25.0%、N:0.080
0%以下とし、内層鋼成分を重量%でC:0.0040
%以下、N:0.02%以下、Al:0.3%以下、S
i:1.0%以下、P:0.05%以下とし、内層と表
層のCr量を数13となるようにし、鋳込み法により複
層構造をもたせ、表層の全厚みに対する比率を片側2〜
20%、両側4〜40%とするとともに、片側で全厚み
の0.1〜10%、両側で0.2〜20%の表内層の遷
移層を形成し、更に熱延、冷延後の焼鈍温度を720℃
以上900℃以下とすることを特徴とする深絞り性およ
び加工時の耐界面破壊特性に優れた高耐食性クラッド鋼
板の製造方法。
【0013】
【数13】
【0014】 表層鋼成分を重量%でC:0.080
0%以下、Cr:3.0〜25.0%、N:0.080
0%以下とし、内層鋼成分を重量%でC:0.0150
%以下、N:0.02%以下、Al:0.3%以下、S
i:1.0%以下、P:0.05%以下とし、数14を
満たすTi、Nbの1種または2種を含有し、内層と表
層のCr量を数15となるようにし、鋳込み法により複
層構造をもたせ、表層の全厚みに対する比率を片側2〜
20%、両側4〜40%とするとともに、片側で全厚み
の0.1〜10%、両側で0.2〜20%の表内層の遷
移層を形成し、更に熱延、冷延後の焼鈍温度を720℃
以上900℃以下とすることを特徴とする深絞り性およ
び加工時の耐界面破壊特性に優れた高耐食性クラッド鋼
板の製造方法。
【0015】
【数14】
【0016】
【数15】
【0017】 表層鋼成分を重量%でC:0.080
0%以下、Cr:3.0〜25.0%、N:0.080
0%以下とし、数16を満たすTi、Nbの1種または
2種を含有し、内層鋼成分を重量%でC:0.0150
%以下、N:0.02%以下、Al:0.3%以下、S
i:1.0%以下、P:0.05%以下とし、数17を
満たすTi、Nbの1種または2種を含有し、内層と表
層のCr量を数18となるようにし、鋳込み法により複
層構造をもたせ、表層の全厚みに対する比率を片側2〜
20%、両側4〜40%とするとともに、片側で全厚み
の0.1〜10%、両側で0.2〜20%の表内層の遷
移層を形成し、更に熱延、冷延後の焼鈍温度を720℃
以上900℃以下とすることを特徴とする深絞り性およ
び加工時の耐界面破壊特性に優れた高耐食性クラッド鋼
板の製造方法。
【0018】
【数16】
【0019】
【数17】
【0020】
【数18】
【0021】 表層鋼成分を重量%でC:0.080
0%以下、Cr:3.0〜25.0%、Ni:3.0〜
15.0%、N:0.0800%以下とし、内層鋼成分
を重量%でC:0.0040%以下、N:0.02%以
下、Al:0.3%以下、Si:1.0%以下、P:
0.05%以下とし、内層と表層のCr量を数19とな
るようにし、鋳込み法により複層構造をもたせ、表層の
全厚みに対する比率を片側2〜20%、両側4〜40%
とするとともに、片側で全厚みの0.1〜10%、両側
で0.2〜20%の表内層の遷移層を形成し、更に熱
延、冷延後の焼鈍温度を720℃以上900℃以下とす
ることを特徴とする深絞り性および加工時の耐界面破壊
特性に優れた高耐食性クラッド鋼板の製造方法。
【0022】
【数19】
【0023】 表層鋼成分を重量%でC:0.080
0%以下、Cr:3.0〜25.0%、Ni:3.0〜
15.0%、N:0.0800%以下とし、内層鋼成分
を重量%でC:0.0150%以下、N:0.02%以
下、Al:0.3%以下、Si:1.0%以下、P:
0.05%以下とし、数20を満たすTi、Nbの1種
または2種を含有し、内層と表層のCr量を数21とな
るようにし、鋳込み法により複層構造をもたせ、表層の
全厚みに対する比率を片側2〜20%、両側4〜40%
とするとともに、片側で全厚みの0.1〜10%、両側
で0.2〜20%の表内層の遷移層を形成し、更に熱
延、冷延後の焼鈍温度を720℃以上900℃以下とす
ることを特徴とする深絞り性および加工時の耐界面破壊
特性に優れた高耐食性クラッド鋼板の製造方法。
【0024】
【数20】
【0025】
【数21】
【0026】 表層鋼成分を重量%でC:0.080
0%以下、Cr:3.0〜25.0%、Ni:3.0〜
15.0%、N:0.0800%以下とし、数22を満
たすTi、Nbの1種または2種を含有し、内層鋼成分
を重量%でC:0.0150%以下、N:0.02%以
下、Al:0.3%以下、Si:1.0%以下、P:
0.05%以下とし、数23を満たすTi、Nbの1種
または2種を含有し、内層と表層のCr量を数24とな
るようにし、鋳込み法により複層構造をもたせ、表層の
全厚みに対する比率を片側2〜20%、両側4〜40%
とするとともに、片側で全厚みの0.1〜10%、両側
で0.2〜20%の表内層の遷移層を形成し、更に熱
延、冷延後の焼鈍温度を720℃以上900℃以下とす
ることを特徴とする深絞り性および加工時の耐界面破壊
特性に優れた高耐食性クラッド鋼板の製造方法。
【0027】
【数22】
【0028】
【数23】
【0029】
【数24】
【0030】
【作用】本発明は前記の問題点を解決するクラッド鋼板
の表層鋼および内層鋼の成分、複層化の方法、および焼
鈍条件について検討の結果得られたもので、鋼板表層の
再結晶が不十分な場合、加工時に界面からの破壊が起き
加工性は著しく劣化するが、表層から内層への成分変化
を巨視的に連続的にすることで界面からの破壊を回避す
ればクラッド鋼板の加工性はそれほど低下しないという
知見を基にしている。
【0031】以下、本発明を詳細に説明する。なお、成
分はすべて重量%である。
【0032】まず、表層の成分に関して述べる。
【0033】Cの低減は表層自体の加工性を向上させる
とともに、界面でのマルテンサイト相の発生を抑止する
ことで界面での破壊を抑止し、クラッド鋼板の加工性を
向上させる。また、Cr炭化物の析出を抑制することで
耐食性を向上させるためにも低いほど好ましい。これら
の理由により上限を0.0800%とする。
【0034】Nも加工性に関してCと同様に作用する元
素で、低いほど特性は良好となる。従って上限を0.0
800%とする。
【0035】Crは本発明で重要な表層の耐食性を向上
させるために必須の元素である。耐食性の発現、用途お
よび要求される特性とコストに応じて最適な添加量が決
定される。これらの理由により3.0〜25.0%と限
定した。
【0036】NiもCrと同様の作用を持つ元素で必要
に応じて添加するが、Crと同じ観点から3.0〜1
5.0%と限定した。
【0037】Ti、NbはTiまたはNbの炭化物、窒
化物を形成させ、鋼板中の固溶C、固溶Nを低減し、鋼
板の特性を向上させるため必要に応じて添加する。すな
わち添加により表層自体の加工性が向上し、かつ内層へ
のC、N拡散を抑制し、内層の加工性劣化を回避するこ
とでクラッド鋼板の加工性を向上させるばかりでなく、
界面でのマルテンサイト生成を抑えることにより界面で
の破壊を抑止し、クラッド鋼板の加工性を向上させる。
さらにCをTi炭化物として固定するためCr炭化物が
析出しにくくなり、耐食性も向上する。添加コストも考
え添加量を数25とする。
【0038】
【数25】
【0039】次に、内層の成分に関して述べる。
【0040】Cの低減は内層自体の加工性を向上させる
とともに、界面でのマルテンサイト相の発生を抑止する
ことで界面での破壊を抑止し、クラッド鋼板の加工性を
向上させる。Ti、Nbなど炭化物形成元素を添加しな
い場合の上限を0.0040%、Ti、Nbの添加を行
う場合でも多量の炭化物形成が鋼板の加工性を劣化させ
ることとTi、Nbの添加コストを考え、上限を0.0
150%とする。特に加工性が重視される用途について
は上限を0.0030%とする。
【0041】NもCと同様に作用する元素で、低いほど
特性は良好となるため上限を0.0020%とする。
【0042】又、内層材の加工性を確保するため、Al
0.3%以下、Si1.0%以下、P0.05%以下と
する。
【0043】Ti、NbはC拡散抑制、高加工性確保の
ために添加する。その必要量はC、N量に依存してお
り、内層のCが0.0050%以下と少ない場合には添
加の必要はない。しかし、内層Cがこれ以上になると界
面での硬質層の発生が顕著になるため添加の必要があ
る。また、内層Cが少ない場合でも固溶Cを析出物とし
て固定し加工性を向上させる目的で積極的に添加するこ
とができるが、過剰な添加はコストの上昇をもたらし、
かつ加工性も劣化させるため添加量を数26とする。
【0044】
【数26】
【0045】本発明においては、焼鈍温度を低目とす
る。これは内層の変態を回避し、かつ界面でのマルテン
サイトの発生を押さえるのに有効であるが、表層が十分
に再結晶しない状況となる。表層はCrや必要によりN
iを多量に含んでいるため十分に再結晶させた場合でも
内層より硬質となり、加工時の表内層に成形能の違いに
より界面から破壊が起きる場合がある。本発明のように
表層を未再結晶組織とした場合、表内層の成形能の差は
拡大し、界面での破壊が起き易くなる。焼鈍温度の低下
は後に示す耐界面破壊性を向上させる方策を講じて初め
て達成できるものであるが、内層鋼が未再結晶の場合ク
ラッド鋼の加工性も劣化するので下限を720℃とし、
また内層鋼がAr3 変態点を越えると深絞り性が劣化す
るので上限を900℃とする。
【0046】次に、耐界面破壊性を向上させる手段につ
いて述べる。
【0047】これまで複層鋼板の製造方法として、鋳ぐ
るみ法、鋳込み法(2本ノズル鋳造法)、熱延圧着法、
爆着法などがある。これらの製造方法と界面での特性変
化の状態、および強加工時の界面からの破壊現象につい
て検討した結果、鋳込み法以外の製法による複層鋼板
は、界面での特性変化、すなわち成分の分離が急激なた
め強加工時に界面からの破壊が起き易く、特に表層が十
分に再結晶していない低温焼鈍材においてはそれが顕著
となることが分かった。また、鋳込み法によったもので
も、表内層の成分分離が完全に行われた場合はやはり界
面からの破壊が起きる例が見られた。この結果より、低
温焼鈍を実施する場合に目的とする耐界面破壊性を実現
するためには、製法を鋳込み法に限定する必要があり、
さらに表層鋼と内層鋼の若干の混合を必須とする。即ち
遷移層の厚みの最小を片側で全厚の0.1%以上(両側
で0.2%以上)とする必要がある。この遷移層が大き
すぎる場合、耐食性を具備する表層の量および良加工性
を有する内層の量が不足する。このため遷移層の上限を
片側で全厚の10%以下(両側で20%以下)とする。
【0048】又、表内層の材質にそれぞれの機能(表
層:耐食性、内層:加工性)を具備させるため、内層C
r/表層Crの上限は0.2以下でなければならない。
しかし、表内層の成分に過度に差がつくと界面破壊が生
ずる場合があり、この比は0.01以上でなければなら
ない。即ち、数27に限定する必要がある。
【0049】
【数27】
【0050】次に、表層の厚みについては、鋼板表層の
厚みは製造時の冷延加工または製品の成形加工時に表層
の高耐食性鋼が破れて鉄面が露出し、耐食性が損なわれ
ることを考えると、全厚の2%以上(両表層計で4%以
上)とする。また、高価なCr、Niの使用量の削減や
低コスト化のため、さらに本発明の場合には表層の再結
晶が不十分で加工性が著しく劣っているので表層厚の増
加と共にクラッド鋼板の加工性が低下するため、上限に
ついては全厚の20%以下(両表層計で40%以下)と
する。なお、表層は表裏両面に有するが、両表層の厚み
が異なる非対称な場合もあるので、片側と両側の厚みを
規定した。
【0051】本発明方法により製造した鋼板は、鋳造後
熱延、必要に応じて熱延板焼鈍、冷延、焼鈍ラインを通
板され使用される。また、本発明方法で製造した鋼板は
亜鉛、錫、クロム、アルミ等でめっきする表面処理鋼板
の素材としても利用できる。さらに、通常の無垢材と同
様に耐食性、切削性、耐熱性、二次加工性などを改善す
る目的で表層、内層、またはこれら両層にMo、Cu、
W、Bなどを添加しても本発明の効果を損なうものでは
ない。
【0052】
【実施例】表層および内層用溶鋼を表1に示す成分に調
整し、2本ノズル鋳込み法により複層鋳片を得た。これ
らの鋳片を熱延して4mm厚とし、冷延して0.8mm
厚として焼鈍をし、特性評価を行った。鋼板の表層比
率、焼鈍温度、特性を表2、表3に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】本発明法により製造した鋼板は軟質(低Y
S)、高加工性(高El、高外1)を達成しているのに
対し、比較鋼は表内層の界面よりの亀裂発生が認められ
たり、表層から内層への過度なCrの混合または内層へ
のSi、PなどのAr3 変態温度上昇元素の添加のため
硬質、加工性不良である。また、焼鈍温度が外れるもの
は内層鋼の未再結晶、または焼鈍時の変態のため外2が
低下し、深絞り性が良好でない。また表層比率が小さい
試料番号25は表層が破れ、内層が露出しており耐食性
が劣る。
【0057】
【外1】
【0058】
【外2】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、深絞り性が良好で、軟
質かつ界面からの破壊を起こしにくく加工性に優れた高
耐食性クラッド鋼板を低コストで製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 302 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層鋼成分を重量%でC:0.0800
    %以下、Cr:3.0〜25.0%、N:0.0800
    %以下とし、内層鋼成分を重量%でC:0.0040%
    以下、N:0.02%以下、Al:0.3%以下、S
    i:1.0%以下、P:0.05%以下とし、内層と表
    層のCr量を数1となるようにし、鋳込み法により複層
    構造をもたせ、表層の全厚みに対する比率を片側2〜2
    0%、両側4〜40%とするとともに、片側で全厚みの
    0.1〜10%、両側で0.2〜20%の表内層の遷移
    層を形成し、更に熱延、冷延後の焼鈍温度を720℃以
    上900℃以下とすることを特徴とする深絞り性および
    加工時の耐界面破壊特性に優れた高耐食性クラッド鋼板
    の製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 表層鋼成分を重量%でC:0.0800
    %以下、Cr:3.0〜25.0%、N:0.0800
    %以下とし、内層鋼成分を重量%でC:0.0150%
    以下、N:0.02%以下、Al:0.3%以下、S
    i:1.0%以下、P:0.05%以下とし、数2を満
    たすTi、Nbの1種または2種を含有し、内層と表層
    のCr量を数3となるようにし、鋳込み法により複層構
    造をもたせ、表層の全厚みに対する比率を片側2〜20
    %、両側4〜40%とするとともに、片側で全厚みの
    0.1〜10%、両側で0.2〜20%の表内層の遷移
    層を形成し、更に熱延、冷延後の焼鈍温度を720℃以
    上900℃以下とすることを特徴とする深絞り性および
    加工時の耐界面破壊特性に優れた高耐食性クラッド鋼板
    の製造方法。 【数2】 【数3】
  3. 【請求項3】 表層鋼成分を重量%でC:0.0800
    %以下、Cr:3.0〜25.0%、N:0.0800
    %以下とし、数4を満たすTi、Nbの1種または2種
    を含有し、内層鋼成分を重量%でC:0.0150%以
    下、N:0.02%以下、Al:0.3%以下、Si:
    1.0%以下、P:0.05%以下とし、数5を満たす
    Ti、Nbの1種または2種を含有し、内層と表層のC
    r量を数6となるようにし、鋳込み法により複層構造を
    もたせ、表層の全厚みに対する比率を片側2〜20%、
    両側4〜40%とするとともに、片側で全厚みの0.1
    〜10%、両側で0.2〜20%の表内層の遷移層を形
    成し、更に熱延、冷延後の焼鈍温度を720℃以上90
    0℃以下とすることを特徴とする深絞り性および加工時
    の耐界面破壊特性に優れた高耐食性クラッド鋼板の製造
    方法。 【数4】 【数5】 【数6】
  4. 【請求項4】 表層鋼成分を重量%でC:0.0800
    %以下、Cr:3.0〜25.0%、Ni:3.0〜1
    5.0%、N:0.0800%以下とし、内層鋼成分を
    重量%でC:0.0040%以下、N:0.02%以
    下、Al:0.3%以下、Si:1.0%以下、P:
    0.05%以下とし、内層と表層のCr量を数7となる
    ようにし、鋳込み法により複層構造をもたせ、表層の全
    厚みに対する比率を片側2〜20%、両側4〜40%と
    するとともに、片側で全厚みの0.1〜10%、両側で
    0.2〜20%の表内層の遷移層を形成し、更に熱延、
    冷延後の焼鈍温度を720℃以上900℃以下とするこ
    とを特徴とする深絞り性および加工時の耐界面破壊特性
    に優れた高耐食性クラッド鋼板の製造方法。 【数7】
  5. 【請求項5】 表層鋼成分を重量%でC:0.0800
    %以下、Cr:3.0〜25.0%、Ni:3.0〜1
    5.0%、N:0.0800%以下とし、内層鋼成分を
    重量%でC:0.0150%以下、N:0.02%以
    下、Al:0.3%以下、Si:1.0%以下、P:
    0.05%以下とし、数8を満たすTi、Nbの1種ま
    たは2種を含有し、内層と表層のCr量を数9となるよ
    うにし、鋳込み法により複層構造をもたせ、表層の全厚
    みに対する比率を片側2〜20%、両側4〜40%とす
    るとともに、片側で全厚みの0.1〜10%、両側で
    0.2〜20%の表内層の遷移層を形成し、更に熱延、
    冷延後の焼鈍温度を720℃以上900℃以下とするこ
    とを特徴とする深絞り性および加工時の耐界面破壊特性
    に優れた高耐食性クラッド鋼板の製造方法。 【数8】 【数9】
  6. 【請求項6】 表層鋼成分を重量%でC:0.0800
    %以下、Cr:3.0〜25.0%、Ni:3.0〜1
    5.0%、N:0.0800%以下とし、数10を満た
    すTi、Nbの1種または2種を含有し、内層鋼成分を
    重量%でC:0.0150%以下、N:0.02%以
    下、Al:0.3%以下、Si:1.0%以下、P:
    0.05%以下とし、数11を満たすTi、Nbの1種
    または2種を含有し、内層と表層のCr量を数12とな
    るようにし、鋳込み法により複層構造をもたせ、表層の
    全厚みに対する比率を片側2〜20%、両側4〜40%
    とするとともに、片側で全厚みの0.1〜10%、両側
    で0.2〜20%の表内層の遷移層を形成し、更に熱
    延、冷延後の焼鈍温度を720℃以上900℃以下とす
    ることを特徴とする深絞り性および加工時の耐界面破壊
    特性に優れた高耐食性クラッド鋼板の製造方法。 【数10】 【数11】 【数12】
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