JPH06320012A - キャビティ内における分子インプリント形態の選択性無機触媒 - Google Patents

キャビティ内における分子インプリント形態の選択性無機触媒

Info

Publication number
JPH06320012A
JPH06320012A JP6055624A JP5562494A JPH06320012A JP H06320012 A JPH06320012 A JP H06320012A JP 6055624 A JP6055624 A JP 6055624A JP 5562494 A JP5562494 A JP 5562494A JP H06320012 A JPH06320012 A JP H06320012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
molecule
imprinted
molecules
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6055624A
Other languages
English (en)
Inventor
Wilhelm F Maier
ビルヘルム・エフ・マイヤー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Studiengesellschaft Kohle gGmbH
Original Assignee
Studiengesellschaft Kohle gGmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Studiengesellschaft Kohle gGmbH filed Critical Studiengesellschaft Kohle gGmbH
Publication of JPH06320012A publication Critical patent/JPH06320012A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J37/00Processes, in general, for preparing catalysts; Processes, in general, for activation of catalysts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J21/00Catalysts comprising the elements, oxides, or hydroxides of magnesium, boron, aluminium, carbon, silicon, titanium, zirconium, or hafnium
    • B01J21/06Silicon, titanium, zirconium or hafnium; Oxides or hydroxides thereof
    • B01J21/08Silica
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J37/00Processes, in general, for preparing catalysts; Processes, in general, for activation of catalysts
    • B01J37/0009Use of binding agents; Moulding; Pressing; Powdering; Granulating; Addition of materials ameliorating the mechanical properties of the product catalyst
    • B01J37/0018Addition of a binding agent or of material, later completely removed among others as result of heat treatment, leaching or washing,(e.g. forming of pores; protective layer, desintegrating by heat)
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J37/00Processes, in general, for preparing catalysts; Processes, in general, for activation of catalysts
    • B01J37/02Impregnation, coating or precipitation
    • B01J37/03Precipitation; Co-precipitation
    • B01J37/036Precipitation; Co-precipitation to form a gel or a cogel
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/03Preparation of carboxylic acid esters by reacting an ester group with a hydroxy group

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高活性及び高安定性を有する合成触媒であり
ながら、天然触媒の特性である高選択性をも兼備する触
媒の提供。 【構成】 分子の3次元構造が触媒されるべき化学反応
の中間体または遷移状態類似体に適合しており、インプ
リントすべき分子の存在下において、無機または有機モ
ノマーユニットが重合され、インプリントすべき分子が
アンカー基に化学的に結合しており重合プロセスの開始
前または開始時に混合され、重合の後にインプリントさ
れた分子を引き続き除去してキャビティ形態の分子のイ
ンプリントを含む触媒としての無機固体の製造方法、こ
の方法により得られる触媒及びその使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビティ内における
分子インプリント形態の選択性無機触媒、更に無機およ
び有機性金属モノマーユニットを重合して製造される無
機物質内に分子インプリントを形成することおよび得ら
れる物質を触媒として使用することに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】多く
の化学的生成物は均一または不均一触媒を使用して調製
される。ポリプロテインからなる酵素、即ち生物学的触
媒は、温和な条件で作用して、高い活性および選択性を
有する。産業上重要な多くの不均一触媒は、大きな全表
面積を有し、それらの表面に微細に分布された活性サイ
トを高密度で含んでなる、化学的、熱的および物理的に
安定な無機担体物質(ほとんどの場合、金属酸化物)と
して記載されている(キャタリスト・ハンドブック(Cat
alyst Handbook)、編集者:エム・ヴィー・ツィッグス
(M. V. Twiggs)、ウォルフェ出版(Wolfe Publishing)、
クリーブランド、1989)。
【0003】これらの触媒は、酵素と比較して、実質的
に広い範囲の化学反応の触媒となることが可能である。
これらは特に安定であるため、高い転化率、比較的簡単
な頻回再生性能および容易な触媒回収を伴って、高温
(高空間−時間収率)において使用することができる。
これら全ての特性に関して、市販触媒は酵素触媒よりも
遥かに優れている。しかしながら、そのような市販触媒
によっては、酵素の高選択性および基質特異性がこれま
で達成できていない。前述の二つの系の特性の双方−市
販触媒の高い活性および安定性ならびに天然触媒の高選
択性を結合することができる不均一質触媒を開発するこ
とにより、不均質触媒に重要な寄与を行うことができ
る。
【0004】特異性は、酵素内における活性サイトの空
間的構造によりもたらされる。酵素は、反応の遷移状態
を安定化させることにより、反応を促進する。このこと
は、酵素の親和力が、反応の出発物質または最終物質に
対するよりも、遷移状態または分子の類似状態(遷移状
態類似体)に対する方が高いことを意味する(エル・ポ
ーリング(L. Pauling)、ケミカル・イングリッシュ・ニ
ューズ(Chemical English News)24号(1946)1
375)。酵素の触媒活性に関して仮定されたこの解釈
は、種々の酵素の結合サイトのX線構造解析によって、
かなり以前に確認されている。酵素の遷移状態類似体ま
たは構造的に類似する化合物への親和力を、酵素のブロ
ッキングに利用すること(酵素阻害剤)が増加しつつあ
る(ピー・エー・バートレット(P. A. Bartlett)、シー
・ケー・マーロウ(C. K. Marlowe)、バイオケミストリ
ー22、(1983)4618)。化学の分野において
酵素を使用することがしだいに増しているが、それは個
々の反応のために進化した触媒の入手可能性によって制
限されている。これまでかなりの期間、非天然の化学反
応を目的とする酵素が開発される可能性はなかった。
【0005】しかし、タンパク質に結合された遷移状態
類似体に対して製造された抗体を、酵素様触媒として使
用できることが示された(ラーナー(Lerner)、ベンコヴ
ィック(Venkovic)、シュルツ(Schultz)、サイエンス(Sc
ience)252(1991)659)。
【0006】選択的キャビティ(cavities(Hohlraeume))
を抗体内だけでなく有機物ポリマー内にも形成できると
いう事実は、クロマトグラフ分離法に既に使用されてい
る。即ち、適当なテンプレート(template)の存在下にお
いて有機モノマーを重合させることによりキラルポケッ
トが形成されるが、このポケットをクロマトグラフィー
においてラセミ体を分割するために使用することができ
た(ジー・ウルフ(G.Wulff)、エム・ミナリーク(M. Min
arik)、エス・シャウホッフ(S. Schauhoff)、GIT、
19991、10)。しかしながら、選択性触媒をつく
るために、遷移状態類似体は未だ使用されていない。
【0007】遷移状態類似体の熱的、化学的および物理
的に安定なインプリント(imprint(Abdruecken))を無機
酸化物の表面に形成することに最初に成功した試みは、
モリハラらによって1988年に最初に報告された(ケ
イ・モリハラ(K. Morihara)、エス・クリハラ(S. Kurih
ara)、ジェイ・スズキ(J. Suzuki)、ブルチン・オブ・
ザ・ケミカル・ソサイエティ・オブ・ジャパン(Bull. C
hem. Soc. Jpn.)、1988、3991)。彼らは、シリ
カゲル上に分子インプリントを残すことが可能であるこ
とを示した。触媒は、塩化アルミニウムを含むシリカゲ
ルから、インプリントする分子を埋設することにより調
製された。得られたゲルを室温で風乾し、化学的結合を
せずに埋設されているインプリント分子をメタノールに
より抽出した。このようにしてつくられたシリカゲル触
媒は、インプリント分子と相補的なキャビティを含んで
なり、このキャビティは触媒活性サイトとして酸性アル
ミニウム原子を含まなければならない。
【0008】そのような触媒が無水安息香酸のブタノリ
シス(butanolysis)に使用されており、塩化アルミニウ
ムを使用する一方でインプリントを用いない対照触媒に
比べて、反応速度のわずかな増加を示す。これらの物質
により、シリカゲルに形成されたインプリントがわずか
に化学的選択性および鏡像異性体選択性を有することを
示すことができるが(ケイ・モリハラ、エス・クリハ
ラ、ワイ・カマタ(Y. Kamata)、ティー・シマダ(T. Shi
mada)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ、
ケミカル・コミュニケーション(J. Chem. Soc. Chem. C
ommun. 1992、358頁)、達成される促進性および
選択性は、酵素により与えられる程度とは比較にならな
い。反応が、インプリントの不存在下においては全く進
行しないか、または測定できない程の遅い速度でしか進
行しないことを示すことのできる実施例もない。選択性
の効果が比較的低いこと、触媒の被毒感受性が大きいこ
と、熱的および化学的安定性が未知であることならび
に、空気中の湿分を排除し、55〜60℃の比較的温和
な反応条件において操作することが必要とされることの
で、モリハラ触媒を利用することは極端に限定される。
【0009】インプリントにより形成されたキャビティ
により、インプリントを相補する分子を選択的に吸着す
ることが達成できるので、無機物質中における分子イン
プリントは、実用上高い関心がもたれている。そのよう
な物質は、基本的に異なる二つの分野、即ち、選択的吸
着および不均一触媒において使用することができる。
【0010】選択的吸着は、有毒物質の除去、対掌体の
分離、分子認識および分子検知に利用することができ
る。実際に適用される分野は、空気および水のモニタリ
ング、クロマトグラフ分離操作およびラセミ体分割の機
能である。選択性触媒として、これらの物質を、有機お
よび無機化合物ならびに化学的原料物質の選択的製造の
ために用いることができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、無機および有
機性金属モノマーユニットを重合して製造される無機物
質内に分子インプリントを形成することおよび得られる
物質を触媒として使用することに関する。無機固体中に
おける熱的、化学的および物理的に安定な分子インプリ
ントは、重合中に生成するマトリックス中にインプリン
トすべき分子を含ませることにより、重合プロセス(例
えば、ゾル−ゲルプロセス)の中で製造することができ
る。インプリントすべき分子が、無機モノマーと共重合
できるモノマー単位に化学的に結合されるならば、無機
マトリックス中への特に効率的な取込みが達成される。
取り込まれた分子の除去は、熱分解、加水分解、光分
解、抽出または酸化的分解により達成される。インプリ
ントすべき物質の外側形状が、反応の遷移状態または中
間物質に類似するならば、選択性触媒をこの方法により
製造できる。そのような触媒は、触媒が存在しなければ
進行することのない反応の触媒となることも判ってい
る。他方で、大きく変化した構造を有する反応体を使用
する場合は、類似反応の触媒となることはない。そのよ
うな選択性触媒を、適当な遷移状態類似体の存在下にお
ける有機重合により製造することもできるが、その場合
には、得られるキャビティの熱的安定性が制限されると
いう問題が存在する。
【0012】特許請求の範囲に記載した発明は、分子の
3次元構造が触媒される化学反応の中間体または遷移状
態に対応しているキャビティの形態の分子のインプリン
トを含む触媒として無機固体と、そのような固体を規定
されるように製造する方法に関する。該固体は、インプ
リントする分子の存在下において、無機または有機金属
モノマーユニットを重合して製造されるが、そこでイン
プリントすべき分子はモノマーユニットのアンカー(anc
hor)基に化学的に結合されており、重合プロセスに先だ
ってまたは開始時に混合される。インプリントされる分
子を重合後に除去すると、触媒の選択性に特徴的なキャ
ビティ形態のインプリントおよびアンカー基がポリマー
マトリックス中に残ることになる。モリハラプロセスと
の本質的な違いは、(1)モリハラは彼の触媒を、インプ
リントすべき分子および塩化アルミニウムの存在下にお
いて、重合ではなく、シリカゲルの加水分解により製造
していること、(2)モリハラの方法では、インプリント
される分子がポリマーマトリックス中のアンカー基を介
して化学的に含まれていないので、該分子は熱的感受性
を有しており、生成したキャビティは、熱的挙動および
拡散プロセスのために、本発明の方法よりも精密さが劣
るということである。
【0013】プロセスの態様の一つは、無機固体の製造
を、オルトエステル、好ましくはメチル、エチル、プロ
ピル、ブチルもしくはイソブチルエステルまたはそれら
の混合物ならびに、好ましくは(60%以上を越える)
Si、Ti、Zr、Al、P、Vの元素および追加として
(40%未満の)La、Mn、Y、Ba、Mg、Pb、Fe、
Nb、Sn、Znおよびそれらの混合物を使用し、中性、
酸性、塩基性もしくはその他の触媒の存在下において、
ゾル−ゲル法に従って行われる。また、適当な固体は金
属亜硝酸塩または炭化物であり、湿式で化学的に重合し
て調製する。
【0014】重合が完了し、所望により乾燥および粉砕
した後、インプリント分子を除去するが、この除去は、
蒸発、加水分解もしくは高温での分解または化学的に酸
化もしくは還元または抽出法を使用してまたは熱的、光
分解、加水分解により、アンカー基に対する化学結合を
湿式で化学的に分裂させることにより行う。
【0015】このようにして調製された触媒は、その5
0%を越える部分、主にその100%が無定形であり、
5%を越える多孔度を有する。これらは、選択性を10
%以上失うことなく、少なくとも250℃に加熱するこ
とができる。
【0016】触媒の調製は、広い表面積を有する坦持物
質、例えば金属酸化物の粉末またはそれらの混合物をキ
ャビティを含む触媒物質と共に配合しても行える。多段
階反応の数種の遷移状態類似体のインプリントが触媒物
質内に形成されている場合、該物質は合成の幾つかの工
程を触媒することができる。
【0017】続いて物質に、例えばサブグループ金属酸
化物もしくは貴金属などの触媒活性サイトを充填する場
合は、これらを被坦持触媒として使用することができ、
それにより通常使用されるような非選択的坦持物質を置
換し、不均質に触媒される化学的プロセスの選択性およ
び活性を著しく向上させることができる。
【0018】別の触媒活性サイトを遷移状態類似体に化
学的に結合させた後、続いて重合系に添加することもで
きるし、遷移状態類似体に加えて重合系に混合すること
もできる。追加する触媒活性サイトとして適するのは、
所望する反応の触媒作用を相互に作用して促進する任意
の原子、クラスターまたはその他の構造である。これら
の追加のサイトがインプリントの中または近傍に存在し
ているか、或いは遷移状態類似体に直接結合されている
場合には、これらサイトはインプリントによってのみ制
御される反応の構造選択性に影響を及ぼさない。追加の
活性サイトを無機重合にのみ添加する場合、これらはイ
ンプリントの外部の反応の触媒としても作用するので、
選択性を減少させることにしかならない。そのような追
加の触媒活性サイトは、貴金属原子、貴金属クラスタ
ー、非金属または金属酸化物により構成される。その目
的の大部分は、一種またはそれ以上の反応成分(例えば
2、O2など)を活性化し、またはルイス酸もしくはブレ
ンステッド酸(Al原子を含む)もしくは塩基サイト
(P原子を含む)を無機表面に生じさせることにある。
【0019】選択性触媒は、不均一触媒の全ての領域に
おいて使用することができる。分子インプリントが高温
安定性であるため、通常は塩基性、酸性または金属助触
媒の存在が必要とされる反応を、もっぱら選択性キャビ
ティによって触媒する。
【0020】本発明は、再配置、異性化、環化、加水分
解、縮合反応、交換反応、付加反応、ペリ環状反応、脱
離反応、酸化および還元反応などの分子間および分子内
反応の選択性触媒として適する。
【0021】基底状態にある分子を遷移状態類似体の代
わりにインプリントに使用する場合には、形成されるイ
ンプリント物質を分子認識のために用いることができ
る。そのような物質は、有毒物質の選択的吸着および選
択的クロマトグラフ分離法に用いることができる。これ
らは、表面における揮発性分子の滞留時間を増大させ、
従って、そのような揮発性分子とより大きい反応体との
接触反応を向上させるために適する。目的分子によりキ
ャビティが占有されることによって薄膜の物理的特性が
変化することを利用して、そのような物質を、微量分析
における分子選択センサーとして使用することもできる
(ワイ・ヤン(Y. Yan)、ティー・ベイン(T. Bein)、
「シンセシス・キャラクタリゼーション・アンド・ノヴ
ェル・アプリケーションズ・オブ・モレキュラー・シー
ブ・マテリアルズ(Synthesis, Characterizarion and N
ovel Applications of Molecular Sieve Material
s)」、エム・アール・エス・シンポジウム・シリーズ(M
RS Symposium Series) 233(1991)、175
頁;ティー・ベイン、ケイ・ブラウン(K. Brown)、ジー
・シー・フライ(G. C. Frye)、ジェイ・シー・ブリンカ
ー(J. C. Brinker)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカ
ン・ケミカル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc.)11
1(1989)7641)。
【0022】本発明において、インプリントすべき分子
は、化学的合成により、無機マトリックス中に包含され
る一種またはそれ以上の適するモノマーユニットに結合
される。その後、これは無機物質を製造するためにモノ
マー混合物に添加され、温和な条件下において重合に付
される。付加されるモノマーユニットM(アンカー)は
無機マトリックス中に化学的に包含されるように設計さ
れているので、重合が進行すると、インプリントすべき
分子が重合した無機物質により完全に包囲される。続い
て、温和かつ注意深く乾燥することにより、無機構造か
ら、重合中に放出された水、アルコールまたはその他の
物質などの揮発性分子が大量に除去され、その結果、主
としてまたは完全に無機ポリマーおよび密閉されたイン
プリント分子からなる固体(前駆生成物)が製造され
る。
【0023】そこで後者の物質を可能な限り温和に乾燥
し、粉砕する。得られる粉末を高温でベークすると、含
有されている有機分子が定量的に揮発させられ、あるい
は可能ならば分解され、それによって含有物のないイン
プリントが生成する。または、包囲された分子が、温和
な化学的酸化、加水分解、還元または抽出法により、キ
ャビティから除去される。インプリントされる分子を、
光に対して不安定な基を介してモノマーユニットに結合
させることも可能であり、それによればインプリント分
子を更に容易に脱離させることができる。一度インプリ
ント分子を可能な限り完全に除去すると、自由な選択性
キャビティを含んでなる完成した触媒種(catalysator)
が得られる。該キャビティ内においては、最初のモデル
分子またはそれと類似する構造的特徴を有する分子が吸
着されることが好ましく、これらの分子はその寸法のお
かげでこのようにして形成された結合サイト内に適合す
ることができる。
【0024】反応の遷移状態または中間体に類似する分
子をインプリント形成に使用する場合、インプリントに
より反応の遷移状態または中間体が安定化され、従って
反応が促進される。この場合、キャビティが反応のため
の選択性触媒である。そのような触媒は基本的に、制限
を伴わずに使用することができる。いずれかの手段によ
り失活した後、この触媒の再活性化を、他のベーキング
工程によって行うことができる。
【0025】
【化1】
【0026】この方法では、遷移状態類似体または中間
体化合物類似体を合成し、目的マトリックスのモノマー
ユニットに結合することができさえすれば、いずれの反
応用の選択性触媒をも調製することができる。所望の反
応を促進するため、例えば貴金属原子などの助触媒を、
選択性触媒の近傍または内部に付着させる場合、該助触
媒により触媒される反応の選択性および活性をかなり向
上させることができる。
【0027】このように、原則として、全ての既知の化
学反応の選択性を向上させることができる。しかし、通
常は起らないような所望の反応が有利であるならば、更
に、これまでに認識されていない反応でさえ実施するこ
とができる。
【0028】熱的、化学的および物理的に安定な物質を
この触媒の無機マトリックスとして使用するならば、こ
の方法において、最高900℃までの反応温度で使用可
能な選択性触媒を製造することができ、そのような温度
で物質の無定形構造を保持することができる。触媒の官
能性の最も重要な予備的要件は無定形構造を形成するこ
とであるが、それはこのような無定形構造のみが任意の
最適なインプリント分子への十分正確な適合を行わせる
ことができるためである。結晶領域が形成されると、分
子認識、従って選択性のための能力が損なわれる。
【0029】
【実施例】
実施例1a フェニル酢酸エチルエステルをn−ヘキサノールによっ
てエステル交換し、フェニル酢酸ヘキシルエステルを得
るための選択性触媒(I)の純粋な二酸化ケイ素からの調
【0030】
【化2】
【0031】表題の反応は、通常、酸または塩基触媒に
よってのみ、遷移状態または反応中間体a〜cを介し
て、測定可能な速度で進行する。
【0032】
【化3】
【0033】遷移状態類似体として、トリエトキシシリ
ロキシ基に連結されたホスホネート1がモノマーユニッ
トとして合成された。合成は、NaOHによりモノナト
リウム塩に転化された市販のジエチルホスファイトによ
って開始した。テトラブチルアンモニウムカチオンによ
りNaイオンを置換し、ヨウ化n−ヘキシルと反応させ
ると、混合エチルヘキシルホスファイトが得られた。後
者の化合物は、CsIの存在下において、ベンズアルデ
ヒドとカップリングして、1−ヒドロキシベンジル亜リ
ン酸ヘキシルエチルエステルを形成するが、これを続い
て、ピリジンおよびクロロトリエトキシシランと反応さ
せて、それ自体に連結されたモノマーユニットを有する
遷移状態類似体を形成した。
【0034】無定形無機固体としてそれ自体は触媒とし
て不活性であるので、二酸化ケイ素が触媒として選ばれ
る。触媒Iは、触媒が存在せず、対照二酸化ケイ素IIが
存在しており、反応が進行しないような条件下において
エステル交換を触媒する。
【0035】触媒Iの調製:テトラエトキシシラン55
ml、エタノール50mlおよび8N HCl 9mlを、孔寸
法10nmの酸化アルミニウム膜を通して濾過し、塵、微
生物およびオリゴマーを除去した。Si(OEt)427.5
mlおよび上記ホスホネート1の231mgを、100mlポ
リプロピレンビーカーに入れ、かき混ぜながら、まずE
tOH25ml、次いで塩酸4.5mlを混合すると、それに
より試料は50℃まで昇温した。温められた溶液に覆い
をせず、ヒュームフード下で4日間放置した。その間
に、脆いガラス状の固体(前駆生成物)が生成した。この
固体を粉砕して微粉末とし、1.5℃/分の昇温速度で
250℃に加熱して、その温度に5時間保持した後、約
2.5℃/分の冷却速度で室温まで冷却すると、すぐに
使用可能(ready-to-use)な触媒Iが得られた。遷移状態
類似体1を経ないこと以外は正確に同じ操作を行って、
残りの濾過物質から対照シリカIを調製した。
【0036】分析実験:高解像度電子顕微鏡で調べる
と、触媒が完全に無定形であり、純粋な二酸化ケイ素か
らなることが示された。固体状態NMRにより測定する
と、遷移状態類似体が前駆生成物中にしっかりと取り込
まれており、吸着状態では全く存在せず、一方、最終の
触媒内には遷移状態類似体が全く検出されなかった。こ
の観察結果は、温度依存性マススペクトロメトリーによ
り確認されたが、そこでは、無モノマー遷移状態類似体
は前駆生成物から放出されるが、それに対して、最終触
媒および対照生成物はいずれかの付着生成物(depositio
n product)の放出を持続しなかった。
【0037】フェニル酢酸エチルエステル10ミリモル
およびn−ヘキサノール100ミリモル(両者共、痕跡
量の酸を除去するために酸化アルミニウム(中性)を通し
て濾過したばかりのもの)を、混合しても、140℃で
2時間の間は検出可能な反応を全く示さなかったが、2
時間後には自触媒作用が認められた。対照シリカIa1
gが存在する場合には、反応は48時間以上検出されな
かった。触媒I 1gを使用すると、即座に、エステル
0.07ミリモル/時間・触媒1gの反応速度で進行す
る転化が観察された。これにより、それらの条件下にお
いて無キャビティSiO2が存在すると進行しない反応
が、キャビティが存在すると触媒されることが示され
た。
【0038】比較例1b:Iにおいて、生成されたキャ
ビティは分子認識の原則に従って作用する。最初のモデ
ル基質は認識され、エステル交換の触媒作用は最初の基
質に類似する化合物のみ行われる。
【0039】実施例1aと同様にして、1−ナフチル酢
酸エステル5ミリモルおよび2−フェニルエタノール5
0ミリモルを、触媒1gの存在下で140℃に加熱した
が、何の反応も認められなかった。反応混合物を140
℃で12時間保持した後、これにフェニル酢酸エチルエ
ステル5ミリモルおよびn−ヘキサノール50ミリモル
を添加した。2時間後、フェニル酢酸ヘキシルエステル
の生成が既に検出されたが、他に可能な3種のエステル
交換生成物は痕跡量でさえも認められなかった。この実
験は、触媒の基質選択性を実証する。触媒は、最初のモ
デル反応と異なるナフチル酢酸エチルおよび2−フェニ
ルエチルアルミニウムの基質のエステル交換を明らかに
行わない。
【0040】比較例1c Iにおいて、生成したキャビティは、分子認識の原則に
従って作用し、即ち、このキャビティは、最初のモデル
基質を認識し、最初のエステルが使用されてエステル交
換されたアルコールのみがモデルのアルコールより多少
高い構造的違いを示す場合であってもエステル交換を触
媒することがない。
【0041】実施例1aと同様にして、フェニル酢酸エ
チルエステル10ミリモルを、n−オクタノール100
ミリモル、n−ヘキサノール100ミリモルおよび2−
フェニルエタノール100ミリモルの1:1:1混合物
に、触媒(自触媒作用)を存在させずに反応させた。新
たに生成しうる三種の全てのエステルはかなりの速度で
(非選択的に)生成した。対照シリカIaを使用して、
この実験を繰り返した。24時間後、エステル交換生成
物は全く検出されなかった。触媒Iを使用してこの実験
を繰り返すと、n−オクタノールおよびn−ヘキサノー
ルはかなりの速度で反応するのに対し、フェニルエタノ
ールについては検出可能な反応が起らないことが示され
た。この実験は、触媒の高い基質選択性を示す。触媒
は、ヘキサノールの代りにオクタノールを明らかに許容
するが、最初のフェニル酢酸エチルエステルと、n−ヘ
キサノールと構造的に異なる2−フェニルエタノールと
のエステル交換とのエステル交換を行わせない。
【0042】比較例1d:Iのキャビティは触媒として
作用するばかりでなく、助触媒としても作用する。フェ
ニル酢酸エチルエステル100ミリモルおよびn−ヘキ
サノール100ミリモルを加えた沸騰している無水トル
エン60ml中に、アルゴンによるガスシール下で、撹拌
しながら100.1mgの濃硫酸を添加した。ここで、フ
ェニル酢酸ヘキシルエステルの生成速度は、硫酸1gあ
たり18±1ミリモル/時であった。同様に行うのであ
るが、触媒I400mgを添加すると、反応は硫酸1gあ
たり27±1ミリモル/時へ促進された。触媒を存在さ
せず、比較の二酸化ケイ素400mgを存在させて類似の
反応を行うと、反応速度は硫酸1gあたり10ミリモル
/時に低下した。従って、フェニル酢酸エチルエステル
とn−ヘキサノールとの酸触媒によるエステル交換は、
110℃において、Iを添加することにより促進され
る。対照シリカIaに比べて、これは2〜3倍促進され
ている。類似の実験において、Iはナフチル酢酸エチル
エステルのエステル交換を促進せず、この反応において
対照物質Iaが行うのと同様の軽い抑制作用を行う。こ
の研究により、二酸化ケイ素Iが目的の反応の触媒とし
ての活性サイトを含むことが確認される。
【0043】比較例Ie:試験した反応を自触媒作用的
に進行させることができるので、触媒Iの観察された反
応挙動を、遷移状態類似体を分解して二酸化ケイ素上に
リン酸を生成させることに帰することができるか否かを
試験することが残されている。そのため、対照シリカI
a(450mg)にリン酸50mgを負荷し、n−ヘキサノ
ール100ミリモル、オクタノール100ミリモル、2
−フェニルエタノール100ミリモルおよびフェニル酢
酸エチルエステル10ミリモルと混合し、混合物を撹拌
して150℃に加熱した。触媒Iはフェニルエタノール
とのエステル交換を触媒することはないが、ここで使用
した酸性二酸化ケイ素は完全に非選択性で、これらの可
能な全てのエステルが同じ速度で新たに生成した。それ
によって、Iに観測されたような選択性が、微孔質の二
酸化ケイ素上における任意の吸着効果または種々の基質
のその他の表面相互作用によって生じるものではないこ
とが示された。
【0044】実施例2 この実施例では、選択性触媒として使用可能なキャビテ
ィを、ここに示されたプロセスに従って混合金属酸化物
内に形成できることを示す。数種の金属酸化物を含んで
なるモノマー混合物が、モノマーの構造の種類が増すた
め、形成されるキャビティの遷移状態類似体に対する適
応性を向上させ、それが向上した触媒活性を生じる。
【0045】実施例1aと同様にして、EtOH25m
l、Si(OEt)412.5ml、Zr(O-nPr)4、Ti(O-n
Pr)4、Al(O-sBu)3 5ml、8N HCl 4.5mlおよ
びホスホネート1 308mgを含んでなる混合物から触
媒IIを調製した。n−ヘキサノール100ミリモルを、
フェニル酢酸エチルエステル10ミリモルおよび140
℃で得られる触媒1gと反応させた。この触媒は0.7
7ミリモル/h・gの反応速度を示し、活性は純粋なS
iO2製の触媒Iよりも10倍高かった。この実験は、混
合金属酸化物製の触媒も、純粋なSiO2触媒と同様に使
用できることを示す。
【0046】実施例3:テトラエトキシシランとフェニ
ルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシランおよ
び遷移状態類似体との共重合により選択性触媒を調製し
た。この実施例では、選択性触媒として使用可能なキャ
ビティを混合有機−無機触媒中に形成することもできる
ことを示す。
【0047】テトラエトキシシラン90ミリモル、トリ
エトキシメチルシラン10ミリモル、トリエトキシフェ
ニルシラン10ミリモル、ホスホネート1 484mgを
エタノール400ミリモル中に室温で溶解させた。この
溶液に、水4mlに溶解させたフッ化アンモニウム10mg
を直ちに添加した。10分後、ゲル化が観察された。続
いて、0.1℃/分の昇温速度で102℃に加熱してゲ
ルを乾燥させ、120℃に6時間保持した後、0.5℃
/分の昇温速度で加熱して、250℃に6時間保持し
た。続いて、この物質を1.5℃の冷却速度で室温に冷
却した。粉砕した触媒IIIは、フェニル酢酸エチルエス
テルをヘキシルエステルにするエステル交換を触媒し
た。選択的ではあるが、この触媒は、実施例1に記載し
た純粋なシリカ触媒よりも選択性が低かった。
【0048】次の実施例では、酸触媒の代りに、フッ素
を有する有機アルコキシドにより、オルトエステルを共
重合させて、選択性触媒を調製することも可能であるこ
とを示す。
【0049】実施例4 ヒドロキシエステルからラクトンを生成させるための選
択性シリカ触媒VIの調製。 ここでは触媒を、好ましくない反応を促進し、通常は
好ましい重合反応を抑制するために使用する。好ましい
反応:
【0050】
【化4】
【0051】好ましくない反応:
【0052】
【化5】
【0053】酸または塩基触媒の存在下におけるこの反
応によりポリエステルが生成する。好ましくない7員環
ラクトンの生成を式で表すと、中間体dを経て進行する
とすることができる。遷移状態類似体として、ホスホネ
ート2を合成した。
【0054】
【化6】
【0055】実施例1aと同様に、選択性触媒の調製
を、2とテトラエトキシシランとを共重合させた後、乾
燥および焼成して行った。テトラエトキシシラン14m
l、エタノール12.5ml、0.4N HCl 2.5ml(こ
れらは塵、微生物およびオリゴマーを除去するために孔
寸法10nmの酸化アルミニウム膜を通して濾過されてい
る)およびホスホネート2を、100mlポリプロピレン
ビーカーに入れ、4日間撹拌した。その間に、脆いガラ
ス状の固体(前駆生成物)が生成した。この固体を粉砕し
て微粉末とし、0.5℃/分の昇温速度で250℃に加
熱し、その温度に6時間保持した後、約1.5℃/分の
冷却速度で室温まで冷却すると、すぐに使用可能な触媒
VIが得られた。遷移状態類似体2を経ないこと以外は正
確に同じ操作を行って、対照シリカVIaを調製した。
【0056】m−キシレン2.5g中の触媒粉末149m
gに、140℃において撹拌しながら、フェニル−6−
ヒドロキシヘプタノエート104mgをキシレン0.5g
に溶解した溶液を添加した。140℃の反応温度におい
て、反応をガスクロマトグラフィーによりモニターし
た。検出可能な生成物は、6−メチル−ε−ラクトンお
よびフェノールのみであった。2つの生成物が1:1で
生成することにより、ラクトンの生成が選択的に行われ
たことが示された。ポリエステルの生成は検出されなか
った。酸の存在およびシリカ触媒の不存在において同じ
反応を行うと、唯一の生成物としてポリエステルが生成
する一方、インプリントを有しない対照シリカVIaは活
性を全く示さない結果が得られた。次の実施例は、イン
プリントされたシリカ触媒を7員環環状化合物のような
好ましくない反応を促進するために使用することができ
ることを示す。
【0057】実施例5 ブタジエンおよびノルボナジエンの環状付加のための選
択性シリカ触媒の調製。
【0058】
【化7】
【0059】遷移状態類似体4は、遷移状態eとほぼ同
様の空間的広がりを有する。4は以下に示す操作により
合成される。
【0060】
【化8】
【0061】触媒の調製を、4と、テトラエトキシシラ
ンおよびメチルトリエトキシシランとを共重合して行っ
た。テトラエトキシシラン4.75ml、メチルトリエト
キシシラン0.75mlおよび4 0.5mlを、55℃にお
いて、0.4N塩酸2.5mlのエタノール5ml中溶液に添
加した。溶液をこの温度に24時間保持した。得られた
ガラス状触媒Vを粉砕して1℃/分の昇温速度で65℃
に加熱し、この温度に5時間保持した後、250℃に
0.1℃/分の昇温速度で加熱した。物質を250℃に
5時間保持した後、室温まで冷却した。
【0062】上記の触媒V190mgをボールミル内で粉
砕し、Ar雰囲気において、きれいなオートクレーブ内
に入れた。−22℃の温度においてブタジエン5mlおよ
びノルボナジエン1mlを添加した。オートクレーブを封
じて80℃に加熱した。5日後、オートクレーブを開け
ると、ノルボナジエンの45%がトリシクロ[4.
1 ,6.22,5.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン(3)に転
化して得られた。シリカ触媒を用いない対照実験では、
生成物はなかった。次の実施例は、インプリントされた
シリカ触媒を、環状付加反応に使用することができるこ
とを示す。
【0063】実施例6 (−)−2−ボルネオールを吸着するための選択性吸着体
のシリカからの調製。インプリントに使用する化合物:
【0064】
【化9】
【0065】100mlポリエチレン(PE)製ビーカー中
で、テトラエトキシシラン45ミリモル、メチルトリエ
トキシシラン5ミリモルおよびボルニロキシトリエトキ
シシラン2.5ミリモルをエタノール10mlに溶解し、
室温で5分間撹拌した。直ちに0.4N塩酸5mlを添加
し、撹拌せずに、混合物を55℃に48時間加熱した。
ガラス状物質を粉砕し、室温に冷却した後、0.1℃/
分の昇温速度で65℃に加熱し、この温度に5時間保持
し、同じ0.1℃/分の昇温速度で250℃に加熱し、
更に5時間250℃に保持した。乾燥および活性化した
ガラス状物質IVを2℃/分の冷却速度で室温まで冷却
し、ボールミル中で30分間粉砕し、0.1torr未満の
真空に5時間保持した。
【0066】次の実施例により、無定形金属酸化物中に
分子インプリントを行うことにより、吸着のための非常
に高い基質特異性が得られることが示される。
【0067】実施例7 (−)−ボルネオールの対掌体の選択的吸着 インプリントしたガラス状触媒IV200mgを、(−)−ボ
ルネオール600mgおよび(+)−ボルネオール600mg
のデシルベンゼン125ml中溶液2ml中に、密閉フラス
コ中で撹拌した。時間による組成の変化を、キラルキャ
ピラリーカラムを備えたガスクロマトグラフィーにうよ
りモニターした。150時間後、(−)−ボルネオールの
濃度が10%減少する一方、(+)−ボルネオールの濃度
は一定に保たれ、対掌体を選択的に吸着することが証明
された。この実施例により、キラル分子を無定形金属酸
化物にインプリントすることにより、対掌体の選択的吸
着が観察されることが観察される。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ形態の分子のインプリントを
    含む触媒としての無機固体を製造する方法において、こ
    の分子の3次元構造が触媒されるべき化学反応の中間体
    または遷移状態に適合しており、インプリントすべき分
    子の存在下において、無機または有機金属モノマーユニ
    ットが重合され、インプリントすべき分子が、共重合可
    能なアンカー基(モノマーユニット)に化学的に結合して
    おり重合プロセスの開始前または開始時に混合され、重
    合の後にインプリントされた分子を引き続き除去する方
    法。
  2. 【請求項2】 オルトエステル、好ましくはRがメチ
    ル、エチル、プロピル、ブチルもしくはイソブチルのア
    ルコキシドまたはアルコキシド混合物である、一般式: (RO)M または (RO)xMR' [式中、y=0−2であり、R'は任意の所望の有機基
    またはそれらの混合物であり、Mが(60%以上を越え
    る)Si、Ti、Zr、Al、P、Vの元素であることが好
    ましく、更に追加として(40%未満の)La、Mn、
    Y、Ba、Mg、Pb、Fe、Nb、Sn、Znおよびそれら
    の混合物である。]のものを用い、中性、酸性、塩基性
    もしくはその他の触媒の存在下において、ゾル−ゲル法
    に従って行われる無機固体を製造する方法。
  3. 【請求項3】 無機固体が、金属亜硝酸塩または炭化物
    であり、湿式で化学的に重合して調製される請求の範囲
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】 インプリントされた分子の除去を、重合
    の完了後、所望により乾燥および粉砕した後、高温にお
    いて蒸発もしくは分解し、または化学的酸化もしくは還
    元または抽出法により行う請求の範囲1記載の方法。
  5. 【請求項5】 インプリントされた分子の除去が、熱分
    解、光分解、加水分解、またはアンカー基に対する化学
    的結合を湿式で化学的に分解する請求の範囲1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 キャビティ形態の分子のインプリントを
    含み、該分子の3次元構造が触媒すべき化学反応の中間
    体または遷移状態に適合する触媒としての無機固体。
  7. 【請求項7】 請求の範囲1〜5のいずれかに記載の方
    法により製造される無機固体。
  8. 【請求項8】 その50%を越える部分、好ましくはそ
    の100%が無定形であり、高い(5%を越える)多孔
    度を有する請求の範囲7記載の触媒。
  9. 【請求項9】 助触媒が更に、酸もしくは塩基または遷
    移金属もしくは遷移金属錯体の形態の主触媒により触媒
    される反応を促進する請求の範囲7記載の助触媒。
  10. 【請求項10】 触媒が、酸、塩基もしくは遷移金属の
    形態の接触活性サイトを有し、更に中間体または遷移状
    態のインプリントに加えて、該サイトがインプリントす
    べき分子に一種またはそれ以上の化学結合を介して結合
    される分子に結合されており、この状態で、重合系に添
    加され、またはインプリントすべき分子に加えて重合バ
    ッチに混合され、該追加の触媒活性サイトは、固体重合
    生成物からインプリントされた分子を除去する際に、キ
    ャビティ内またはその周辺のマトリックス固体内または
    上に残存する請求の範囲7記載の触媒。
  11. 【請求項11】 インプリントが、多段階接触合成の中
    間工程または遷移工程に対応する数種の異なる化学化合
    物から生成される請求の範囲7記載の触媒。
  12. 【請求項12】 インプリントされる分子の10%を越
    える分子が無機固体から除去される請求の範囲7記載の
    触媒。
  13. 【請求項13】 多孔度を10%以上失うことなく、少
    なくとも250℃に加熱することができる請求の範囲7
    記載の触媒。
  14. 【請求項14】 大きな表面積を有する支持物質、好ま
    しくは金属酸化物粉末またはそれらの混合物の存在下に
    おいて、重合が行われ、触媒の製造後、坦持物質の表面
    がキャビティ含有触媒の薄層により占められる請求の範
    囲1または2に記載の触媒。
  15. 【請求項15】 3次元構造が、触媒のキャビティ内に
    インプリントされた分子に対応する分子が中間体または
    遷移状態として現れる反応の選択性触媒としての、請求
    の範囲7〜14のいずれかに記載の触媒の使用。
JP6055624A 1993-03-25 1994-03-25 キャビティ内における分子インプリント形態の選択性無機触媒 Pending JPH06320012A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4309660-3 1993-03-25
DE19934309660 DE4309660A1 (de) 1993-03-25 1993-03-25 Selektive anorganische Katalysatoren in Form von molekularen Abdrücken in Hohlräumen

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06320012A true JPH06320012A (ja) 1994-11-22

Family

ID=6483793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6055624A Pending JPH06320012A (ja) 1993-03-25 1994-03-25 キャビティ内における分子インプリント形態の選択性無機触媒

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP0619141A1 (ja)
JP (1) JPH06320012A (ja)
CA (1) CA2119845A1 (ja)
DE (1) DE4309660A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2308369B (en) * 1995-12-20 2000-05-17 Marconi Gec Ltd Imprinted materials
DE19637365A1 (de) * 1996-09-13 1998-03-19 Studiengesellschaft Kohle Mbh Verwendung von mikroporösen anorganischen Membrankatalysatoren
DE19743165A1 (de) * 1997-09-30 1999-04-01 Studiengesellschaft Kohle Mbh Selektive Alkylierung von Aromaten mit oberflächenmodifizierten mikroporösen Mischoxiden
FR2770153B1 (fr) * 1997-10-29 1999-11-19 Commissariat Energie Atomique Gels hybrides inorganiques-organiques pour l'extraction d'especes chimiques telles que les lanthanides et les actinides, et leur preparation
DE19901815A1 (de) * 1999-01-19 2000-07-20 Volkswagen Ag Verfahren zur Bestimmung der Ölqualität sowie Ölqualitätssensor
FR2866341B1 (fr) * 2004-02-12 2006-04-28 Commissariat Energie Atomique Gel hybride organique-inorganique imprime comprenant un complexant organique mettant en jeu des interactions pi - pi et/ou pi-nu
FR2875232B1 (fr) 2004-09-13 2006-11-03 Eastman Kodak Co Materiau a empreintes moleculaires et materiau destine a la formation d'images par impression par jet d'encre comprenant ledit materiau a empreintes moleculaires

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3983055A (en) * 1974-03-14 1976-09-28 Mobil Oil Corporation Synthetic amorphous silicas of predetermined pore distribution method of producing same
US4301034A (en) * 1980-05-21 1981-11-17 Phillips Petroleum Company Silica from single phase controlled hydrolysis of silicate ester
US4414137A (en) * 1982-03-09 1983-11-08 Union Oil Company Of California Catalytically active amorphous silica
SE459731B (sv) * 1987-06-29 1989-07-31 Eka Nobel Ab Silikapartiklar, foerfarande foer deras framstaellning samt anvaendning av partiklarna
IT1244478B (it) * 1990-12-21 1994-07-15 Eniricerche Spa Gel cataliticamente attivo e procedimento per la sua preparazione

Also Published As

Publication number Publication date
DE4309660A1 (de) 1994-09-29
CA2119845A1 (en) 1994-09-26
EP0619141A1 (en) 1994-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jiang et al. Self-assembled single-walled metal-helical nanotube (M-HN): creation of efficient supramolecular catalysts for asymmetric reaction
EP1856113B1 (en) Chiral bisoxazoline catalysts
Schleth et al. Stereoselective synthesis of (+)‐nephrosteranic acid,(+)‐trans‐cognac lactone, and (+)‐trans‐whisky lactone using a chiral cyclohexadienyl Ti compound
Malkov et al. Molybdenum (II)-and tungsten (II)-catalyzed allylic substitution
Hunnius et al. Selective surface adsorption versus imprinting in amorphous microporous silicas
JP5214609B2 (ja) イソプレゴールの製造中におけるビス(ジアリールフェノール)配位子の回収
Gamez et al. “Molecular imprinting effect” in the synthesis of immobilized rhodium complex Catalyst (IRC cat)
EP1056756A1 (en) Asymmetric ring-closing metathesis reactions
EP2279992A1 (en) Aluminum complex and use thereof
JPH06320012A (ja) キャビティ内における分子インプリント形態の選択性無機触媒
Huang et al. Polymeric salen-Ti (IV) or V (V) complex catalyzed asymmetric synthesis of O-acetylcyanohydrins from KCN, Ac2O and aldehydes
CN114588949A (zh) 一种用于烯烃氢甲酰化反应的蛋壳型催化剂及其制备和应用
Chen et al. Zeolite-encapsulated Ru (III) tetrahydro-Schiff base complex: An efficient heterogeneous catalyst for the hydrogenation of benzene under mild conditions
CN107746452A (zh) 基于微‑介孔酚醛树脂的钯负载异相催化剂及其制备方法
JP2010522749A (ja) 光学活性シアノヒドリン誘導体の製造方法
JP3782149B2 (ja) 不斉合成用の金属錯体、触媒及びこれを用いた不斉化合物の製造方法
EP2726202B1 (en) Method for the preparation of palladium(i) tri-tert-butylphosphine bromide dimer
Bordoloi et al. [Ru (salen)(NO)] complex encapsulated in mesoporous SBA-16 as catalyst for hydrogenation of ketones
JP4176022B2 (ja) 実用的キラルジルコニウム触媒
JP6883257B2 (ja) 還元反応用固体触媒
Yan et al. Crystal structure of chiral binaphthol lanthanide complexes and their catalysis in asymmetric transfer hydrogenation of acetophenone
WO2004033093A1 (ja) 基板結合型遷移金属触媒、及びその製造方法
WO2012004352A2 (en) Mesoporous diphosphine-transition metal complex catalyst for hydroformylation
CN115073399B (zh) 一种金鸡纳碱催化剂及由其制备手性β-丁内酯化合物的方法
CN114632551B (zh) 一种双功能手性催化剂及其制备方法和应用