JPH06319671A - 掃除機の吸口 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、使い勝手，吸込性能，騒音，
耐久性，吸口操作力，強度等に対処し、使用者の要求レ
ベルを満足する掃除機の吸口を提供することにある。 【構成】吸口の吸込底部をステンレス等の耐摩耗性，滑
り性に優れた材質で構成し、吸口底面より沈んだ部分に
ほぼ直線状に延在する吸込通路を設けるとともに、吸口
底部を床面に対して所定の間隔を保つ間隔保持手段を設
け、吸込通路内の長手方向に沿って合成樹脂等からなる
ベースを設置し、そのベースに吸口底部から床面に向か
ってほぼ垂直にかつ、長手方向に沿って可撓性の遮蔽板
を設けた構成、及び、ベースに吸口底部から床面に向か
ってワンタッチで上下に移動可能なブラシを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、掃除機の吸口に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】耐久性を重視した従来の吸口は、じゅう
たん等の床面を掃除した時に起こる摩擦熱による摩耗を
低減するため、吸口底部をステンレス等の耐摩耗性に優
れた材質を使用していた。しかし、板張り等の比較的堅
く，凹凸の少ない床面を掃除する場合、使用者が、床面
の損傷を防止するため吸口下面の周縁に取外し自在のブ
ラシ体を設置しなければならず、取外し自在のブラシを
紛失したり、不衛生である等の問題があった。また、ブ
ラシ植毛間の隙間があるため図３の（イ）のように、吸
込力が吸口の中央に集中してしまい吸口長さの全長にわ
たり有効な吸込力を保持することができなかった。特
に、掃除機本体内のフィルターに目詰まりが生じてくる
と吸込口を通る風量が低下し、図３の（ロ）のように、
吸口両端の吸込がほとんどなくなってしまうという欠点
があった。

【０００３】また、吸込風量が中央に集中したため吸込
音が大きく騒音も高くなっていた。吸込性能を重視した
従来の吸口は、板張り等の比較的堅く，凹凸の少ない床
面を掃除する場合、吸込力が吸口の中央に集中しないよ
うに、また、掃除機本体内のフィルターに目詰まりが生
じ、吸口を通る風量が低下した時でも、吸口長さの全長
にわたり有効な吸込力を保持できるように、可撓性の遮
蔽板を吸込底部に設け、その遮蔽板により遮蔽板の下端
側流路面積を吸込力で自動的に減少させ、床面における
吸込力を均一化し、吸口長さの全長にわたり有効な吸込
力を保持させるものであった。しかし、可撓性の遮蔽板
を吸込底部にほぼ直線状に延在させるには、下ケースの
材質を合成樹脂で形成し、可撓性の遮蔽板を保持するた
めの保持リブを設ける必要があるので、吸口を前後に摺
動させてじゅうたん等を掃除する場合、じゅうたんの毛
と吸口底部の摩擦により摩擦熱が発生し、ステンレス等
の耐摩耗性に優れた材質に比べ合成樹脂で形成された下
ケースは摩耗がはやく、耐久性に劣るという欠点があっ
た。

【０００４】また、ステンレス等の材質で構成した吸口
底部に比べ合成樹脂で構成した吸口底部の方が、摩擦係
数が高いため吸口操作力が大きくなり、使用者の負担に
なってしまうという欠点があった。

【０００５】また、吸口自体の強度を考えた場合、吸口
底部をステンレス等の材質で構成した吸口に比べ合成樹
脂で構成した吸口は外力に対して弱く、頑丈でないとい
う欠点があった。

【０００６】このように、上述の使い勝手，吸込性能，
騒音，耐久性，吸口操作力，強度における欠点すべてに
対処し、使用者の要求レベルを満足する掃除機の吸口が
強く望まれている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、最近
の、使い勝手，吸込性能，騒音，耐久性，吸口操作力，
強度等における欠点すべてに対処し、使用者の要求レベ
ルを満足する掃除機の吸口を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、吸口の
吸込底部をステンレス等の耐摩耗性，滑り性に優れた材
質で構成し、吸口底面より沈んだ部分にほぼ直線状に延
在する吸込通路を設けるとともに、吸口底部を床面に対
して所定の間隔を保つ間隔保持手段を設け、吸込通路内
の長手方向に沿って合成樹脂等からなるベースを設置
し、そのベースに吸口底部から床面に向かってほぼ垂直
にかつ、長手方向に沿って可撓性の遮蔽板を設けること
で達成できる。

【０００９】本発明の他の目的は、ベースに吸口底部か
ら床面に向かってワンタッチで上下に移動可能なブラシ
を設けることで達成できる。

【００１０】

【作用】吸口の吸込底部をステンレス等の耐摩耗性，滑
り性に優れた材質で構成し、吸口底面より沈んだ部分に
ほぼ直線状に延在する吸込通路を設けるとともに、吸口
底部を床面に対して所定の間隔を保つ間隔保持手段を設
け、吸込通路内の長手方向に沿って合成樹脂等からなる
ベースを設置し、そのベースに吸口底部から床面に向か
ってほぼ垂直にかつ、長手方向に沿って可撓性の遮蔽板
を設けてあり、またそのベースに吸口底部から床面に向
かってワンタッチで上下に移動可能なブラシを設けてあ
る。このため、耐久性については、吸込底部がステンレ
ス等の耐摩耗性に優れているので、じゅうたん等の床面
を掃除した時に起こる摩擦熱による摩耗を低減でき、使
い勝手の面では、ブラシがワンタッチで上下に移動可能
なため、ブラシの紛失がなくなり、衛生的であり、性能
の面では、吸口底部から床面に向かってほぼ垂直にか
つ、長手方向に沿って可撓性の遮蔽板を設けてあるの
で、その遮蔽板により遮蔽板の下端側流路面積を吸込力
で自動的に減少させ、床面における吸込力を均一化し、
吸口長さの全長にわたり有効な吸込力が保持できるた
め、吸込力が吸口の中央に集中することなく吸口長さの
全長にわたり有効な吸込力を保持でき、また、吸込音が
分散され騒音低減でき、吸口操作性においては、吸口底
部を摩擦係数の低いステンレス等の材質で構成してある
ので吸口操作力は小さく、使用者の負担を少なくでき、
強度の面では、吸口底部をステンレス等の剛性に優れた
材質で構成してあるので外力に対して強く、頑丈であ
る。

【００１１】また、上述により、使い勝手，吸込性能，
騒音，耐久性，吸口操作力，強度に対し、使用者の要求
レベルを満足する掃除機の吸口を提供できる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図１０によ
り説明する。

【００１３】１は合成樹脂からなる上ケースで、上ケー
ス１の後部には、抜け止め金具３が穴になるよう一体で
成型されている。２は合成樹脂からなる継手で、外周に
抜け止め金具４が一体で成型されている。抜け止め金具
３，４にはそれぞれキー溝が設けてあり、抜け止めリン
グ５が、抜け止め金具３，４それぞれのキー溝にはまる
ことにより上ケース１と継手２は、回転自在でかつ、外
れないように組み込みこまれる。６は床等の傷つきを防
ぐためゴム等の材質で構成された車輪で、吸口底面を床
面に対して所定の間隔を保つようになっている。７はス
テンレス等の材質からなる耐摩耗性，滑り性に優れた吸
口底で、ほぼ直線状に延在する吸込通路８を吸口底７を
凹にして設けてある。

【００１４】９は合成樹脂からなるベースで、吸込口１
０と、ダクト１１との嵌合部１２と、遮蔽板１３が突出
する長穴１４，１５と、ブラシ１６が突出する長穴１７
を備え、吸込通路８内の長手方向に沿って配置してあり
上ケース１にねじ止めしてある。１３はゴム等の可撓性
を有する遮蔽板で、ベース９のリブ１８，１９，２０，
２１と上ケースよりのリブ２２，２３で挾み込んで固定
している。遮蔽板１３の薄板部２４はベース９の長穴１
４，１５から突出し、床面に向かってほぼ垂直に、長手
方向に沿って設けてある。この遮蔽板１３の薄板部２４
は掃除機本体の風量が大きい場合は吸込通路８側にたわ
み、吸込力が吸口の中央に集中することなく吸口長さｌ
の全長にわたり有効な吸込力を保持できる。また、掃除
機本体が目詰まりしてきて風量が低下した場合には、下
端側流路すきまが自動的に減少するため、床面における
吸込力を均一化し、吸口長さｌの全長にわたり有効な吸
込力が保持できる。さらに、吸込音が吸口長さｌの全長
にわたり分散されるので騒音が低減できる。

【００１５】１６はブラシで、ばね２５を設けてある。
２６は切替レバーで、カバー２７のリブ２８とベース１
１のリブ２９とで回動自在に挾まれ設置してある。切替
レバー２６には連結棒３０を上下させるためのリブ３１
と連結棒３０を長手方向に移動させるための凹部３２が
設けてある。上ケース１には連結棒３０を上下させるた
めの傾斜部を備えたリブ３３が設けてある。切替レバー
２６を動かすと、凹部３２により連結棒３０が長手方向
に移動する。このとき連結棒３０は、上ケース１に設置
されたリブ３３の傾斜部を上下するので連結棒３０に接
したブラシ１６は吸口底面から床面に向かってワンタッ
チで上下に移動可能になる。

【００１６】１１はダクトで、給気が滑らかに吸い込ま
れるようにベース嵌合部の入口断面積を大きくしてあ
る。３４はバンパーで、吸口底７の外周に取付けてあり
家具あるいは壁等の傷つきを防止している。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、耐久性については、吸
込底部がステンレス等の耐摩耗性に優れているので、じ
ゅうたん等の床面を掃除した時に起こる摩擦熱による摩
耗を低減できる。

【００１８】また、使い勝手の面では、ブラシがワンタ
ッチで上下に移動可能なため、ブラシの紛失がなくな
り、衛生的である。

【００１９】また、性能の面では、吸口底部から床面に
向かってほぼ垂直にかつ、長手方向に沿って可撓性の遮
蔽板を設けてあるので、その遮蔽板により遮蔽板の下端
側流路面積を吸込力により自動的に減少させ、床面にお
ける吸込力を均一化し、吸口長さの全長にわたり有効な
吸込力が保持できるため、図３の（ハ）のように、吸込
力が吸口の中央に集中することなく吸口長さの全長にわ
たり有効な吸込力を保持できる。特に、掃除機本体内の
フィルターに目詰まりが生じ吸込口を通る風量が低下し
た場合でも、図３の（ニ）のように、吸口長さの全長に
わたり有効な吸込力を保持できる。また、吸込音が分散
され騒音低減できる。

【００２０】また、吸口操作性においては、吸口底部を
摩擦係数の低いステンレス等の材質で構成してあるので
吸口操作力は小さく、使用者の負担を少なくできる。

【００２１】また、強度の面では、吸口底部をステンレ
ス等の剛性に優れた材質で構成してあるので外力に対し
て強く、頑丈である。

【００２２】さらに、使い勝手，吸込性能，騒音，耐久
性，吸口操作力，強度に対し、使用者の要求レベルを満
足する掃除機の吸口を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】吸口の縦断面図である。

【図２】図１の下面図である。

【図３】吸口の特性図である。

【図４】ブラシ突出時の構造図である。

【図５】ブラシ収納時の構造図である。

【図６】床面の掃除状態を示す吸口の縦断面図である。

【図７】じゅうたん前進時の掃除状態を示す吸口の縦断
面図である。

【図８】じゅうたん後進時の掃除状態を示す吸口の縦断
面図である。

【図９】他の実施例を示す図である。

【図１０】他の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１…上ケース、２…継手、３…抜け止め金具ａ、４…抜
け止め金具ｂ、５…抜け止めリング、６…車輪、７…吸
口底、８…吸込通路、９…ベース、１０…吸込口、１１
…ダクト、１２…嵌合部、１３…遮蔽板、１４…長穴、
１５…長穴、１６…ブラシ、１７…長穴、１８，１９，
２０，２１，２２，２３，２８，２９，３１，３３…リ
ブ、２４…薄板部、２５…ばね、２６…切替レバー、２
７…カバー、３０…連結棒、３２…凹部、３４…バンパ
ー。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑 征夫 茨城県日立市東多賀町一丁目１番１号 日 立多賀テクノロジー株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】吸口の吸込底部がステンレス等の耐摩耗
   性，滑り性に優れた材質からなり、吸口底面より沈んだ
   部分にほぼ直線状に延在する吸込通路を設けるととも
   に、吸口底部を床面に対して所定の間隔を保つ間隔保持
   手段を設けたものにおいて、吸込通路内の長手方向に沿
   って合成樹脂等からなるベースを設置し、そのベースに
   吸口底部から床面に向かってほぼ垂直にかつ、長手方向
   に沿って可撓性の遮蔽板を設けたことを特徴とする掃除
   機の吸口。
2. 【請求項２】請求項１において、ベースに吸口底部から
   床面に向かってワンタッチで上下に移動可能なブラシを
   設けたことを特徴とする掃除機の吸口。