JPH0631851B2 - 放射性廃棄物の処理方法 - Google Patents

放射性廃棄物の処理方法

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JPH0631851B2
JPH0631851B2 JP9062585A JP9062585A JPH0631851B2 JP H0631851 B2 JPH0631851 B2 JP H0631851B2 JP 9062585 A JP9062585 A JP 9062585A JP 9062585 A JP9062585 A JP 9062585A JP H0631851 B2 JPH0631851 B2 JP H0631851B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、放射性廃棄物の処理方法に係り、特に再処理
工場から発生する放射性の硝酸ナトリウム廃液の減容化
にきわめて有効な放射性廃棄物の処理方法に関する。
〔発明の背景〕
核燃料再処理工場から発生する放射性廃棄物を減容し固
形化することは、再処理施設内の保管スペースを確保す
る上で重要であるばかりでなく、中間貯蔵方法としても
有効な方法である。
再処理工場から出てくる放射性廃液組成は、硝酸ナトリ
ウムが約25重量%含まれることが見込まれ、他の微量
の核分裂生成物であるFe,Ni,Co等の成分(3.5重量
%以下)及び水と考えられる。現在この廃液はタンク内
に貯蔵されているが、近い将来再処理工場が本格的に操
業するようになると放射性廃液が多量に発生することに
なるので、何らかの処理,処分を行う必要が出てくる。
そこで水分を蒸発させた後の硝酸ナトリウムを安定な形
に処理することができれば、約1/5に減容することが可
能となり所期の目的が達成される。
ところで、現在稼働している原子力発電所から発生する
濃縮廃液(主成分硫酸ナトリウムあるいはホウ酸ナトリ
ウム)あるいはイオン交換樹脂については技術的に確立
されている。その方法についてBWR発電所から発生する
濃縮廃液を例にとりあげて以下に説明する。
BWR発電所から発生する主要な廃棄物である濃縮廃液
(主成分Na2SO4)および使用済イオン交換樹脂のスラリ
ーを乾燥粉末化して放射性廃棄物の体積の大部分を占め
る水分を除去し、これをペレット化する方法が既に実施
されており、この方法では、廃液やスラリーを直接セメ
ント固化する従来の方法にくらべ約1/8に減容できるこ
とが確認されている。
しかしながら、このような減容効果の大きな方法におい
ても、固化体をつくるに当り水硬性固化材例えばセメン
トを用いたのでは安定な固化体を作成できないという欠
点がある。これは、Na2SO4またはイオン交換樹脂を主成
分とするペレットが水硬性固化材中の水分を吸収して膨
潤するため固化体が破壊するからである。
上記の欠点を解決する方法として、ケイ酸アルカリ溶液
(例えば水ガラス)を固化材として、これに吸水剤を添
加することにより安定なペレット固化体を作製する方法
(特開昭52-85699号、特開昭57-197500号参照)が提案
されており、この方法によって安定な固化体の作成が可
能である。
また、上記ペレット化を行なわずに乾燥粉末のままで固
化材と均質に混合して固化する方法も検討されており、
この均質固化方法として代表的なものは、(1)アスファ
ルト、(2)プラスチック、(3)無機材質による固化であ
る。
プラスチック固化については、固化材として熱硬化性樹
脂を用いるが、熱硬化性樹脂は、その中に微量の水分で
も混入すると、固化材として所定の性能が発揮できな
い。即ち、固化時に水分が持ち込まれると、熱硬化性樹
脂中の硬化促進剤(ナフテン酸コバルトなど)が分解さ
れ、熱硬化性樹脂が硬化しなくなるため、熱硬化性樹脂
の一部が添加時の状態(液体)のまま存在するためであ
る。
そして、使用済イオン交換樹脂又はNa2SO4は注意深く乾
燥しても、水分を完全に除去できない場合もあり得るか
ら、かかる場合、わずかでも水分を含む使用済イオン交
換樹脂又はNa2SO4と熱硬化性樹脂を混合して固化する
と、強度の高い固化体を得ることができないこととな
る。
以上の実状に鑑み遠心薄膜乾燥機で乾燥された粉体は、
中性子水分計などの含水量測定器によって測定され、徹
底した水分の管理が行なわれているのが現状である。
本発明が対象としている硝酸ナトリウムは水に対する溶
解度が高く(180g/100ccH2O)水分を完全に除去
しコントロールすることがさらに困難であるため、硝酸
ナトリウムのペレットあるいは粉体プラスチックスで固
化するのは一層の困難を伴う。
アスファルト固化については、廃棄物粉体とアスファル
トを混合しながら加熱することにより水分を除去し固化
するため、上記水分管理が不用となるものの、アスファ
ルト自体は熱可塑性を有するため、40〜50℃で流動
化するという問題がある。したがって、アスファルト固
化体は安定な固化体とは言い難い。
無機材質の固化材は、陸地保管及び処分に対しては、土
壌及び岩石との整合性が良いため、望ましい固化材であ
り、セメント,ケイ酸ナトリウム(水ガラス)を固化材
とする固化方法が検討されている。これらの固化材は、
適当量の水及び廃棄物と混合して固化するが、廃棄物が
水に溶解性のものである場合、固化体内の微少な細孔を
通して水が内部に浸透するため廃棄物を溶解して外部に
漏出するおそれがあり、かかる漏出の際放射性核種も同
時に漏出することになる。上記の漏出現象は溶解性の廃
棄物を粉末のまま均質に混合した場合に一層顕著に現わ
れるが、廃棄物をペレットにした後固化した場合におい
ても無視できるものではない。したがって無機材質固化
材についても再処理工場から出てくる放射性廃棄物であ
る硝酸ナトリウムを固化するのに必らずしも適当ではな
い。
上記の問題を解決するためには、いずれの固化方法を硝
酸ナトリウムに適用するにしても、水に対して安定な形
にしておく必要がある。
原子力発電所から出てくる廃棄物については、廃棄物
(硫酸ナトリウム)の表面を樹脂でコーティングする方
法(放射性廃棄物フォーラム’84予稿集参照)が提案
されている。この方法は樹脂と混合した後、高速で攪拌
する装置が新たに必要であり、また廃棄物の容積が増大
するという欠点がある。その上、プラスチック(熱硬化
性樹脂)によるコーティングは、5×108radの照射を
受けると劣化が始まるものと考えられ(東芝レビュー3
3巻12号参照)、再処理工場から出る廃棄物の表面を
樹脂でコーティングした場合、水分完全除去の難問を解
決したとしても長期安定性に欠けるものと考えられる。
次に無機材質固化材(セメント,水ガラスなど)による
コーティングについてであるが、無機材質固化材の際に
水を用いる。そこで無機材質固化材の硬化速度k1と硝
酸ナトリウムの水への溶解速度k2とを比較すると、k2
≫k1であるから、水を用いる無機材質固化材でのコー
ティングは困難であることが理解されよう。
以上のように原子力発電所から出る廃棄物の処理、処
分、固化を目的とした概存の技術の中には、再処理工場
から出てくる放射性廃棄物の主成分である硝酸ナトリウ
ムを処理、固化できる技術として満足すべきものはな
い。
前記したように、再処理工場から発生する放射性廃液の
主成分は、25重量%を占める硝酸塩であり、他は微量
成分と大部分の水である。硝酸塩(特に硝酸ナトリウ
ム)は、BWR原子力発電所から濃縮廃液として出される
硫酸ナトリウムに比べて水に対する溶解度が表1に示す
とおり約1.7倍の値を持っており、非常に水に溶解し
易い性質がある。同じく、表1に示すとおり、硝酸ナト
リウムは、PWR原子力発電所から出てくるホウ酸ナトリ
ウムに比べると実に約6倍近い溶解度がある。
次に廃棄物をセメントあるいはセメントガラス固化材で
固化する場合は式(1)で示す化学反応により固化が進行
している。ここで、セメントガラスとは、ケイ酸ナトリ
ウム(水ガラス)、硬化剤及びセメントの混合物であ
る。
上記の反応式においては、水の介在を伴う無機材質固化
材の硬化速度と、廃棄物塩の溶解速度との差が問題とな
る。
そこで塩の溶解を考えるに、硫酸ナトリウムについて
は、下記の式(2)で表わされ、硝酸ナトリウムについて
は、下記の式(3)で表わされる。
塩の溶解 上記式(1)で示されるセメントの水和(硬化反応)速度
をk1とし、上記式(2),(3)でそれぞれ示される硫酸ナ
トリウムの溶解速度と硝酸ナトリウムの溶解速度を
2,k3とすると、k1,k2,k3の間には次式(4)で示
される関係がある。
3≫k1>k2 …(4) すなわち、硝酸ナトリウムの溶解速度k3は、k1,k2
に比較して非常に速いのであり、このことから硝酸ナト
リウム塩を無機材質固化材(セメントあるいはセメント
ガラス)で固化した場合、硝酸ナトリウム塩を主成分と
する廃棄物ペレットでは、第4図に示す如き現象が現出
する。この現象は図示のように、硝酸塩ペレット44が
無機材質固化材45中の水分と連続的に反応し、該ペレ
ット表面において溶解層46が拡大してゆくことであ
り、このため廃棄物ペレットは、きわめて崩壊しやすい
状態となる。
他方、無機材質固化材45は、硝酸塩ペレット44に水
を奪われて水不足状態におちいるため、十分な強度の発
現をみないまま、硝酸塩ペレットの吸水膨潤による圧力
を受けて破壊することになるのである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、放射性廃液中の固形成分を粉末状と
し、これを造粒ペレット化するに当り、該ペレットの表
面に速硬保護層を形成して、該ペレットをそのまま中間
貯蔵可能ならしめ、もしくは該ペレットを水硬性無機材
質固化材とともに貯蔵容器に充填して貯蔵容器充填固化
体に作ることを特徴とする放射性廃棄物、特に硝酸ナト
リウムが相当量含まれる再処理工場から出る放射性廃棄
物の減容化に有効な処理方法を提供することにある。
〔発明の概要〕
上記の目的を達成するため、本発明による放射性廃棄物
の処理方法は、第1として、放射性廃液中の固形成分を
粉末状とした放射性廃棄物と、無機材質固化材を硬化さ
せるための同じく粉末状の硬化剤とを均一に混合し、該
粉末状混合物をペレットに造粒し、該ペレット中の前記
硬化剤を水硬性の無機材質固化材と反応せしめ、前記ペ
レットの表面に耐水性速硬保護層を形成することを特徴
とするものである。
同じく第2として、放射性廃液中の固形成分を粉末状と
した放射性廃棄物と、無機材質固化材を硬化させるため
の同じく粉末状の硬化剤とを均一に混合し、該粉末状混
合物をペレットに造粒し、該ペレット中の前記硬化剤を
水硬性の無機材質固化材と反応せしめ、前記ペレットの
表面に耐水性速硬保護層を形成し、該速硬保護層を有す
るペレットをそのまま貯蔵容器に容れて中間貯蔵するこ
とを特徴とするものである。
同じく第3として、放射性廃液中の固形成分を粉末状と
した放射性廃棄物と、無機材質固化材を硬化させるため
の同じく粉末状の硬化剤とを均一に混合し、該粉末状混
合物をペレットに造粒し、該ペレットを水硬性の無機材
質固化材とともに貯蔵容器に充填してペレット中の前記
硬化剤と無機材質固化材とを反応せしめ、充填ペレット
の表面に耐水性速硬保護層が形成された貯蔵容器充填固
化体を作ることを特徴とするものである。
〔発明の実施例〕
本発明の実施例を説明するに先立って、まず本発明の原
理について説明する。
前記したように、硝酸塩ペレットに、無機材質固化材を
単に適用したのでは、ペレットの膨潤ひいては固化体の
破壊を招くことになるので、本発明では、廃棄物中に無
機材質固化材を硬化させる硬化剤を予め均一に混合した
後にペレットに成形し、該ペレットに無機材質固化材を
適用して固化するようにしている。このような実施態様
で固化すると、第5図に示されるように、廃棄物ペレッ
ト表面に硬化層が形成され、該硬化層によってペレット
内部が外部より遮断保護され、ペレット内部に溶解速度
がきわめて速い硝酸ナトリウムを含んでいても、もはや
膨潤を起すことはない。この状態は、第5図に示される
ように安定した固化体が作成された状態である。
すなわち、本発明によれば、硝酸塩ペレット(他の塩の
ペレットでも可)47中の硬化剤が、無機材質固化材4
8と急速に反応を起こすことにより速硬保護層49を形
成する。ここで形成される速硬保護層49は、例えば水
ガラスを用いた場合はSiO2の網目構造をもつ層となり、
耐水性,耐衝撃性を有することになる。このように耐水
性の速硬保護層49が形成された後は、内部の硝酸塩ペ
レットは安定した形で固化体中にとりこまれることにな
る。ここでペレット成形前に廃棄物中に均一に添加され
る硬化剤としては、リン酸ケイ素等リン酸塩が望ましい
が、無機材質固化材の硬化剤であれば何んでも良い。
あらかじめ添加する硬化剤の添加量については第6図に
したがって選定すればよいが、おおむね10〜30重量
%添加することが望ましい。第6図はペレット成形前に
添加する硬化剤の添加量と得られる固化体強度との関係
とともに固化体中の廃棄物充填量との関係を求めたもの
である。固化体強度を海洋投棄の基準値である150kg
/cm2を越える範囲でかつ廃棄物充填量130kg/200
以上の範囲を求めると、硬化剤添加量の適用領域はお
おむね20〜30重量%が望ましい範囲になる。
以上本発明の基本原理に従えば、概在の設備あるいは簡
単な設備を追加することにより、処理が困難であると推
定される再処理工場から出る放射性廃棄物を安定した形
で減容,固化することが可能である。
以下、本発明を実施するに効果的な装置フローを示し、
本発明の実施例を具体的に述べる。
実施例1 本実施例は、再処理工場から排出される硝酸ナトリウム
を主成分とする廃液中の硝酸ナトリウムをペレット固化
した後無機材質固化材を用いることにより固化するもの
である。
第1図は本実施例に用いた処理システムの系統図を示
す。硝酸ナトリウムを主成分とする廃液(以下廃液と略
記す。)1は再処理工場から排出されたものであり、硝
酸ナトリウム濃度は約25重量%である。廃液はバルブ
1を介して反応器5に供給される。その後、リン酸塩
(例えばリン酸ケイ素)の硬化剤(以下硬化剤と略記
す。)2がバルブ32を介して所定量反応容器5に供給
される。反応容器5には電動機4によって回転する攪拌
用回転羽6が組まれ、該反応容器5内での攪拌時間は約
1時間ほどで十分である。反応容器5内で廃液と硬化剤
は均一になるように十分に攪拌された後バルブ33を介
して乾燥粉末成造機7に導入され乾燥粉末化される。
乾燥粉末化した粉体(以下粉体と略記す。)は貯蔵用タ
ンク8に一時貯められる。続いて粉体はバルブ34を通
してペレット造粒機9へ一定量連続的に導入される。ペ
レット造粒機9では連続的に硬化剤含有のペレット12
が製造され固化体用外わく(例えばコンクリート容器や
ドラム缶など)内に次々と充填される。
一方タンク10内には無機材質固化材(この場合はセメ
ントガラス)がバルブ35を通してペレット12の入っ
ている容器11内に導入される。無機材質固化材のpHは
約13を示すアルカリ性である。
無機材質固化材が導入されるとペレット12の表面には
ただちに速硬性保護層が形成(第5図における層49)
されペレットは層外に存在する水分に対して安定となり
ペレット内部は保護される。続いてペレットをタンク1
0内よりバルブ36を通して容器11に導入された無機
材質固化材で固化するためにタンク14内より硬化剤
(この場合はリン酸塩系硬化剤)をバルブ3を通して容
器11内に導入しセメントガラス固化体13を形成した
後、廃棄物ペレット含有固化体として作製するものであ
る。
なお実施例1では廃棄物、廃液1が再処理工場から出て
くる硝酸ナトリウムであったが、本発明はこれに限られ
るものではなく原子力発電所から出てくる他の濃縮廃液
に対しても等しく適用することができる。いずれの場合
も本システムは廃棄物処理,処分の有効な方法であり適
用が可能である。
さらに実施例1において最終的に廃棄物ペレット12の
セメントガラス固化体13を作る際無機材質固化材と硬
化剤を逐次添加方式について説明したが、あらかじめ無
機材質固化材と硬化剤を混合しておいた後、廃棄物ペレ
ット12の充填された容器11に導入することも可能で
あるし、無機材質固化材と硬化剤とを容器11にあらか
じめ導入しておいた後にペレット造粒機9より容器11
内に廃棄物ペレットを充填していっても良い。
実施例2 本実施例は、実施例1と同様に再処理工場から出てくる
硝酸ナトリウム含有廃液を速硬保護層を有するペレット
に造粒した後、無機材質固化材で固化することにより処
理するものである。本実施例の処理システムを第2図に
示す。
第2図においてタンク15内の廃液は実施例1と同様な
硝酸ナトリウムを25重量%含むものである。廃液は貯
蔵タンク15内よりバルブ161を通して攪拌槽19へ
導入される。攪拌槽19は電動機17に直結した回転羽
根18が装着されており廃液を均一に攪拌する。廃液が
タンク15貯蔵状態で均一と見られる場合は攪拌槽19
を省いても良い。続いて攪拌槽からバルブ162を通し
て乾燥粉末成造機20へ導入され粉末化した後粉体貯蔵
タンク21へ貯められる。次にタンク21よりバルブ1
3を通し乾燥粉末が、又タンク22内の硬化剤がバル
ブ164を介して乾燥粉末と同時にペレット造粒機23
へ連続的に送られ硬化剤混合のペレットが造粒される。
第2図ではタンク21より乾燥粉体がタンク22より硬
化剤が別々の系を通って造粒機23へ導入されている
が、均一に混合するために造粒機の前へ粉体どうしの混
合工程を加えても良い。造粒機から出たペレットは固化
容器27(コンクリート製あるいは複合コンクリート容
器又はドラム缶)に充填される。
以上に続いてタンク24より無機材質固化材がバルブ1
5を介して、硬化剤がタンク28よりバルブ166を通
して導入され無機材質固化材26が形成される。ここで
用いられる廃棄物15は実施例1と同様に原子力発電所
から出る廃棄物(濃縮廃液)でも可能である。また無機
材質固化材の導入と硬化剤、成形ペレット25の容器2
7への導入手順も実施例1と同様に変えることができる
のは勿論である。
本実施例においてもペレット25は表面に水に対して安
定である速硬保護層が形成され、長期間安定は廃棄物固
化体を作製することができる。
実施例3 本実施例は、実施例1と同様に再処理工場から出てくる
硝酸ナトリウム含有廃液を速硬保護層を有するペレット
に造粒した後、容器内で固化処理して固化体とする実施
例1,2とは異なり、速硬保護層を有するペレットのま
ま中間貯蔵することを目的としたものである。この実施
例の処理システムを第3図に示す。
第3図においてタンク29内の廃液は実施例1と同様に
硝酸ナトリウム25重量%を含む水溶液である。廃液は
貯蔵タンク29に貯められておりバルブ301を介して
攪拌槽(反応容器)33に導入される。また硬化剤もタ
ンク31よりバルブ302を介して攪拌槽33に導入さ
れる。攪拌槽33は電動機32により回転する攪拌羽根
34が設置されており、攪拌羽根34が回転することに
より廃液と硬化剤とが均一に混合される。続いて攪拌槽
33についているバルブ303を介して、均一に混合し
た混合溶液が、乾燥機35へ連続的に送られる。乾燥機
35では混合溶液の脱水乾燥粒末化を行ない生成した粉
末は一時貯蔵タンク36へ送られる。次に貯蔵タンク3
6よりバルブ30を介してペレット造粒機37へ一定量
連続的に導入される。
一方速硬保護層形成槽39(以下槽39と略記す。)へ
は無機材質固化材貯蔵タンク38よりバルブ305を介
して無機材質固化材40(本実施例の場合は水ガラス)
があらかじめ導入されている。ペレット造粒機37から
は連続的に硬化剤を均一に混合含有する造粒ペレットが
槽39へ投入される。硬化剤混合ペレットは無機材質固
化材40へ入ったとたん表面に耐水性に富んだ速硬保護
層が形成し安定したペレットとなる。槽39内ではベル
トコンベア41に速硬保護層形成ペレット42を受けさ
せ、直接中間貯蔵容器43へ運び込む。本実施例で作っ
た速硬保護層形成ペレットは耐水性に優れ、強度も十分
であるのでそのまま中間貯蔵することが可能である。
なお、本実施例もまた、実施例1と同様に原子力発電所
から出て来る濃縮廃液に対しても等しく適用が可能であ
る。
また、本実施例は速硬保護層形成ペレット42をベルト
コンベア41で連続的に受け中間貯蔵容器に運び込むシ
ステムをとっているが、本システムはかご状の容器で造
粒ペレットを受け無機材質固化材40に通した後中間貯
蔵容器43へペレットの形のまま導入するシステムをと
っても良い。
以上実施例1〜3のシステムをとることにより再処理工
場から排出される硝酸ナトリウム含有廃棄物を効率よく
かつ安定した形に処理処分することができる。
最後に本システムを実動させるにあたっての硬化剤充填
量について第6図を用いて説明する。速硬保護層を形成
したペレットを充填した無機材質固化体の強度を、海洋
投棄の際の基準となる150kg/cm2をクリヤするものと決
め、また廃棄物充填量を200ドラム缶あたり約13
0kg以上とした場合、ペレット成形ぜに混合する硬化剤
の添加量は15〜30重量%硬化剤が含まれるように調
整すれば良い。
〔発明の効果〕
本発明によれば、放射性硝酸塩含有廃液を効率良く処
理,処分することが可能であり、かつ耐久性にすぐれた
固化体あるいはペレットを作製できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明を実施する場合の効果的な処理固化シス
テムの一例を示した図である。 第2図は本発明実施例の一つであり、硬化剤添加工程を
ペレット造粒工程の前にもってきたシステムの例を示し
た図である。 第3図は本発明を用いて速硬保護層形成ペレットを作成
することにより、簡便に中間貯蔵をするシステムの例を
示した図である。 第4図は硬化剤無添加で成形したペレットを固化した際
に起こる現象を模式化した図である。 第5図は硬化剤添加後に成形したペレットを固化した際
に起こる現象を模式化した図である。 第6図は硬化剤添加量と固化体強度及び200ドラム
缶を使用した場合の廃棄物充填量との関係を示したグラ
フである。 1……硝酸塩含有廃液貯蔵タンク、 2……硬化剤用タンク、3……バルブ、 4……電動機(モータ)、5……攪拌槽(反応容器)、 6……回転羽根、7……乾燥粉末成造機、 8……乾燥粉体貯蔵タンク、 9……ペレット造粒機、 10……無機材質固化剤用タンク、 11……コンクリートあるいは複合コンクリート貯蔵容
器、 12……速硬保護層形成ペレット、 13……無機材質固化体、14……硬化剤用タンク、 15……硝酸塩含有廃液貯蔵タンク、 16……バルブ、17……電動機(モータ)、 18……回転羽根、 19……攪拌槽(反応容器)、 20……乾燥粉末成造機、 21……乾燥粉体貯蔵タンク、 22……硬化剤用タンク、23……ペレット造粒機、 24……無機材質固化剤用タンク、 25……速硬保護層形成ペレット、 26……無機材質固化体、 27……コンクリートあるいは複合コンクリート貯蔵容
器、 28……硬化剤用タンク、 29……硝酸塩含有廃液貯蔵タンク、 30……バルブ、31……硬化剤用タンク、 32……電動機(モータ)、 33……攪拌槽(反応容器)、 34……回転羽根、35……乾燥粉末成造機、 36……乾燥粉体貯蔵タンク、 37……ペレット造粒機、 38……無機材質固化剤用タンク、 39……速硬保護層形成槽、 40……無機材質固化剤、41……ベルトコンベア、 42……速硬保護層形成ペレット、 43……中間貯蔵容器、44……ペレット、 45……無機材質固化体、46……溶解層、 47……ペレット、48……無機材質固化体、 49……速硬保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 恒夫 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−71499(JP,A) 特開 昭54−144600(JP,A)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射性廃液中の固形成分を粉末状とした放
    射性廃棄物と、無機材質固化材を硬化させるための同じ
    く粉末状の硬化剤とを均一に混合し、該粉末状混合物を
    ペレットに造粒し、該ペレット中の前記硬化剤を水硬性
    の無機材質固化材と反応せしめ、前記ペレットの表面に
    耐水性速硬保護層を形成することを特徴とする放射性廃
    棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】前記放射性廃液は、硫酸塩,ホウ酸塩,硝
    酸塩のいずれか一つ、もしくは二種以上の混合物を主成
    分とした水溶液であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】前記水硬性の無機材質固化材として、水ガ
    ラス,セメントあるいはセメントガラスのいずれか一
    つ、もしくは二つ以上を用いることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】前記無機材質固化材を硬化させるための粉
    末状硬化剤は、リン酸塩類(例えばリン酸ケイ素等)で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の放
    射性廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】前記粉末状放射性廃棄物に対して均一に混
    合されるべき前記粉末状硬化剤の添加量を、15〜30
    重量%にしたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載の放射性廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】放射性廃液中の固形成分を粉末状とした放
    射性廃棄物と、無機材質固化材を硬化させるための同じ
    く粉末状の硬化剤とを均一に混合し、該粉末状混合物を
    ペレットに造粒し、該ペレット中の前記硬化剤を水硬性
    の無機材質固化材と反応せしめ、前記ペレットの表面に
    耐水性速硬保護層を形成し、該速硬保護層を有するペレ
    ットをそのまま貯蔵容器に容れて中間貯蔵することを特
    徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】前記造粒後のペレット表面における耐水性
    速硬保護層の形成は、造粒後のペレットを水硬性無機材
    質固化材に浸漬することにより行なうことを特徴とする
    特許請求の範囲第6項に記載の放射性廃棄物の処理方
    法。
  8. 【請求項8】前記造粒後のペレット表面における耐水性
    速硬保護層の形成は、造粒後のペレットに水硬性無機材
    質固化材を散布することにより行なうことを特徴とする
    特許請求の範囲第6項に記載の放射性廃棄物の処理方
    法。
  9. 【請求項9】放射性廃液中の固形成分を粉末状とした放
    射性廃棄物と、無機材質固化材を硬化させるための同じ
    く粉末状の硬化剤とを均一に混合し、該粉末状混合物を
    ペレットに造粒し、該ペレットを水硬性の無機材質固化
    材とともに貯蔵容器に充填してペレット中の前記硬化剤
    と無機材質固化材とを反応せしめ、充填ペレットの表面
    に耐水性速硬保護層が形成された貯蔵容器充填固化体を
    作ることを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  10. 【請求項10】前記貯蔵容器充填固化体を作るのに用い
    る前記水硬性の無機材質固化材として、セメント,水ガ
    ラス,セメントガラスのいずれか一つ、もしくは二つ以
    上を用いることを特徴とする特許請求の範囲第9項に記
    載の放射性廃棄物の処理方法。
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