JPH0631847A - 熱接着性積層体及びその製造方法 - Google Patents

熱接着性積層体及びその製造方法

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JPH0631847A
JPH0631847A JP19071992A JP19071992A JPH0631847A JP H0631847 A JPH0631847 A JP H0631847A JP 19071992 A JP19071992 A JP 19071992A JP 19071992 A JP19071992 A JP 19071992A JP H0631847 A JPH0631847 A JP H0631847A
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ethylene
copolymer
heat
fabric
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JP19071992A
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English (en)
Inventor
Kunio Iwasaki
邦夫 岩崎
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
Shintaro Inasawa
伸太郎 稲沢
Katsuaki Tsutsumi
克明 堤
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着強度が優れるとともに、耐水洗濯性や耐
ドライクリーニング性に優れた熱接着性積層体及びその
製造方法を開発すること。 【構成】 (A)エチレンとラジカル重合性酸無水物と
からなるエチレン系二元共重合体及び(B)共重合ナイ
ロンを主成分とする樹脂組成物を布地に積層してなる熱
接着性積層体及び該樹脂組成物を布地に積層、融着する
熱接着性積層体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は熱接着性積層体及びその製造方法
に関し、さらに詳しくはカラーやカフス等の芯地、椅子
表地,防水シート,熱接着ラベル(衣料用)、その他カ
バー等に用いることができ、布地と布地との接着強度が
優れるとともに、耐水洗濯性や耐ドライクリーニング性
も優れた熱接着性積層体及び該熱接着性積層体を効率的
に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、衣料関係(例えば、芯地ほか)に
用いられてきたホットメルト型接着剤は、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)が主力であったが、接着強
度が低いことと、耐ドライクリーニング性が非常に悪い
ことから、その使用範囲は自ずから限定されていた。こ
れを改善するために、例えば、EVAを完全鹸化又は部
分鹸化したり、あるいはこのEVA鹸化物にアクリル
酸,マレイン酸などをグラフト重合させたり、またEV
A鹸化物の分子中の水酸基の一部をジカルボン酸と反応
させたりして、カルボキシル基を導入する方法等によっ
てEVAを変性改質したポリマーも使用されている。こ
のような極性基を導入する変性方法によって、接着力は
かなり改良されるが、耐溶剤性(耐ドライクリーニング
性)は未だ十分に改善されていない。このような接着剤
を用いて作製した衣服類は、ドライクリーニングをする
と、パークロロエチレンのような溶剤によって接着剤が
膨潤し、接着させた布が部分的に剥離する欠点がある。
また、接着強度の比較的高いポリアミド系の接着剤も用
いられているが、吸水率が高いために、耐水洗濯性に難
がある以外に、接着プレス時に樹脂の滲み出し等がおこ
り、縫製品の外観を悪くしたり、樹脂自体が硬すぎるた
めに布地の風合いを損なうこと、及び価格が極めて高く
なる欠点がある。この他、ポリエステル系接着剤も用い
られているが、ポリエステル系繊維を主とするものには
強固な接着力を示すが、その他の種類の天然繊維又は合
成繊維からなる布に対する接着力、耐洗濯性はまだ実用
に耐えるほど強固なものは得られていないため、この接
着剤も使用範囲が限定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、幅広い種類の布
地に対して強固な接着性を有し、しかも耐水洗濯性,耐
ドライクリーニング性に優れた、カラーやカフス等の芯
地,椅子表地,防水シート,その他カバー等に用いられ
る安価な樹脂接着布,熱接着性積層体及びその製造方法
は、未だ確立されていないのが実状である。本発明はこ
れらの課題を解決した熱接着性積層体及び該熱接着性積
層体の製造方法を提供するものである。
【0004】
【発明を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の状況に鑑み、従来法の欠点を解消した、熱接着性
積層体を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定
のエチレン系二元共重合体及び共重合ナイロンを主成分
とする樹脂組成物を接着剤として用いることによって、
幅広い種類の布地に対して強固な接着力を有し、しかも
耐水洗濯性,耐ドライクリーニング性を有する熱接着性
積層体を得ることのできることを見出した。本発明はか
かる知見に基いて完成したものである。すなわち、本発
明は、(A)エチレンとラジカル重合性酸無水物とから
なるエチレン系二元共重合体であって、該エチレン系二
元共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位
の割合が0.1〜5重量%であるエチレン系二元共重合体
60〜99重量%及び(B)共重合ナイロンが40〜1
重量%からなる樹脂組成物を布地に積層、融着してなる
ことを特徴とする熱接着性積層体を提供するものであ
る。
【0005】本発明の熱接着性積層体を製造するのに供
せられる樹脂組成物は、前記(A)エチレン系二元共重
合体及び(B)共重合ナイロンを主成分とするものであ
る。先ず、本発明において、この樹脂組成物を構成する
(A)成分のエチレン系二元共重合体は、エチレンとラ
ジカル重合性酸無水物とからなる二元共重合体である。
ここで、ラジカル重合性酸無水物は、分子中にラジカル
重合可能な不飽和結合と酸無水物基を各々の1個以上を
有し、重合によって酸無水物基を分子中に導入できるよ
うな化合物である。このような化合物としては、具体的
には例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水エ
ンディック酸,無水シトラコン酸,1−ブテン−3,4
−ジカルボン酸無水物、炭素数が多くとも18である末
端に二重結合を有するアルカジエニル無水コハク酸等が
挙げられる。これらは単独で、あるいは2種類以上を組
み合わせて用いても差し支えない。これらの中では、無
水マレイン酸、無水イタコン酸が特に好ましい。そし
て、このエチレン系二元共重合体中のラジカル重合性酸
無水物に由来する単位の割合は、0.1〜5重量%の範囲
であり、より好ましくは0.5〜4.0重量%の範囲であ
る。ここで、ラジカル重合性酸無水物の割合が0.1重量
%未満では、接着性能が不足して良好な接着強度が得ら
れない。また、5重量%を超えると、接着強度の向上効
果はもはや殆ど無く、無意味であり、経済的でなくな
る。
【0006】このエチレン系二元共重合体を製造するに
あたっては、基本的には通常の低密度ポリエチレンの製
造設備及びその技術を利用することができる。一般的に
は、塊状重合法により、700〜3000気圧の圧力下
で、100〜300℃の温度範囲にてラジカル重合にて
製造される。好ましくは、重合圧力は1000〜250
0気圧、そして重合温度は、反応器内の平均温度150
〜270℃である。重合圧力が700気圧未満では、重
合体の分子量が低くなり、樹脂組成物の樹脂物性が悪化
する。また、3000気圧を超えると、製造コストを高
めるだけで、実質的には無意味である。そして、平均重
合温度が100℃未満では、重合反応が安定せず、共重
合体への転化率が低下し、経済的に問題がある。また、
300℃を超えると、共重合体の分子量が低下すると同
時に暴走反応の危険性が生じる。そして、重合装置とし
ては、ベッセル型の反応器を用いるのが好ましい。特
に、ラジカル重合性酸無水物は重合安定性が乏しいた
め、高度の反応器内の均一化が必要である。また、必要
に応じて、複数個の反応器を直列又は並列に接続し、多
段重合を行うこともできる。さらに、反応器の内部を複
数のゾーンに仕切ることによって、より緻密な温度コン
トロールを行うこともできる。
【0007】エチレン系二元共重合体の製造は、前記の
反応条件にて少なくとも1種のフリーラジカル開始剤の
存在下で行われる。ここで、フリーラジカル開始剤とし
ては、具体的には例えば、酸素;ジ−t−ブチルパーオ
キシド,t−ブチルクミルパーオキシド,ジクミルパー
オキシド等のジアルキルパーオキシド、アセチルパーオ
キシド,i−ブチリルパーオキシド,オクタノイルパー
オキシド等のジアシルパーオキシド、ジ−i−プロピー
ルパーオキシカーボネート,ジ−2−エチルヘキシルパ
ーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート、t
−ブチル−パーオキシピバレート,t−プチルパーオキ
シラウレート等のパーオキシエステル、メチルエチルケ
トンパーオキシド,シクロヘキサノンパーオキシド等の
ケトンパーオキシド、1,1−ビス−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキサン;2,2−ビス−t−ブチルパーオ
キシオクタン等のパーオキシケタール、t−ブチルヒド
ロパーオキシド,クメンヒドロパーオキシド等のヒドロ
パーオキシド、2,2−アゾ−i−ブチロニトリル等の
アゾ化合物などが挙げられる。
【0008】また、重合にあたっては、分子量調節剤と
して、種々の連鎖移動剤を用いることができる。その連
鎖移動剤としては、具体的には例えば、プロピレン,ブ
テン,ヘキセン等のオレフィン類、エタン,プロパン,
ブタン等のパラフィン類、アセトン,メチルエチルケト
ン,酢酸メチル等のカルボニル化合物、トルエン,キシ
レン,エチルベンゼン等の芳香族炭化水素などが挙げら
れる。このように製造された、エチレン系二元共重合体
は、耐溶剤性が良好な上、各種基材との物理化学的相互
作用、反応性に富んでいるために、本発明に供される樹
脂組成物は良好な耐ドライクリーニング性を有し、かつ
高い接着力を発揮するのに大きな役割を果たす。
【0009】そして、本発明において、樹脂組成物を構
成する(B)成分の共重合ナイロンは、各種のものがあ
るが、好ましくは炭素数10以上の高級ナイロン塩,ω
−アミノ酸又はラクタムに由来する構造を含むナイロン
である。具体的には例えば、ナイロン6/66共重合
体,ナイロン6/12共重合体,ナイロン66/12共
重合体,ナイロン6/66/610共重合体,ナイロン
6/66/12共重合体,ナイロン6/612/12共
重合体,ナイロン6/610/12共重合体,ナイロン
6/66/11共重合体,ナイロン6/66/610/
12共重合体などが挙げられる。これらの共重合ナイロ
ンのうちでは、融点が150℃以下であることが好まし
い。融点が150℃より高い共重合ナイロンでは、本発
明の特徴の一つである低温接着性が損なわれ好ましくな
い。この共重合ナイロンは、接着力をさらに向上させる
効果を有する。
【0010】本発明において、樹脂組成物は、前記の
(A)成分及び(B)成分を主成分として構成される。
そして、それぞれ各成分の配合比率は、(A)成分のエ
チレン系二元共重合体60〜99重量%、好ましくは7
0〜98重量%、及び(B)成分の共重合ナイロン40
〜1重量%、好ましくは2〜30重量%からなる樹脂組
成物である。ここで、(B)成分の共重合ナイロンが1
重量%未満では、接着力の向上効果が期待できない。ま
た、40重量部を超えると、もはや接着力の向上には効
果がなく、共重合ナイロンが高価であるために経済的で
はなくなる。上述のような本発明の樹脂組成物は、比較
的低温の熱処理によって強力に接着するとともに、高温
での接着強度の保持の点で優れ、耐洗濯性,耐ドライク
リーニング性に優れたものである。
【0011】本発明において、樹脂組成物は、前記
(A)成分及び(B)成分を主成分とし、各成分を各配
合比率にしたがって混合することによって調製される。
各成分の混合にあたっては、通常知られている種々の方
法を用いることができる。具体的には例えば、各成分を
高温のトルエンのような溶媒に溶解、再沈させる方法、
各成分を溶融状態で混合する方法、すなわち一般的に用
いられている加圧ニーダー,ロール,バンバリーミキサ
ー,スタティックミキサー,スクリュー式押出機等を用
いる方法などが挙げられる。また、場合によっては、各
成分をドライブレンドし成形時に組成物化することもで
きる。そして、本発明において、樹脂組成物には、必要
に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲で、前記
(A)及び(B)成分以外に、各種の添加剤,配合剤,
充填剤等を配合することができる。具体的には例えば、
酸化防止剤(耐熱安定性),紫外線吸収剤(光安定
剤),帯電防止剤,防曇剤,難燃剤,滑剤(スリップ
剤,アンチブロッキング剤),ガラスフィラー等の無機
充填剤,有機充填剤,補強剤,着色剤(染料,顔料),
発泡剤,香料などが挙げられる。
【0012】本発明の熱接着性積層体は、前記の樹脂組
成物を用い、種々の方法を利用して布地に積層すること
によって製造される。ここで、樹脂組成物は多くの場合
実質的に固体状で得られ、各適用方法にしたがって、布
地に積層した後、該樹脂組成物の融点以上に加熱、加圧
して布地に含浸させることによって本発明の熱接着性積
層体は得られる。例えば、粉末として利用する場合、適
当な粉砕装置、例えば、冷凍粉砕機等で粉砕し、分級機
で平均粒径500μm(35メッシュ)以下の粉末とし
て用いる。この場合、例えば、平均粒径が800μmよ
り大きい粒子が、10%を超えると布地の微細な布目内
にこれら樹脂粉末を均一に混在させることが困難とな
り、十分な効果が得られない。また、フィルムとして利
用する場合には、インフレーション成形,Tダイ成形等
によって、10〜500μmのフィルムとした後、布地
に積層する。ここで、フィルムの厚さが10μm未満で
は、接着強度が不十分であり、また、500μmを超え
ると、布目を通して表面に滲出することもあり好ましく
ない。そして、樹脂組成物を布地,芯地等に溶融状態で
コーティングすることもできる。この場合、メルトコー
ト層の厚さは、10〜500μmとするのが好ましい。
厚さが10μm未満では、接着強度が不十分であり、ま
た、500μmを超えると、布目を通して表面に滲出す
ることがあり好ましくない。このようにして布地に積層
された樹脂組成物は、その後アイロン,プレス機等によ
って布地に含浸させ、糊付芯地用として供することがで
きる熱接着性積層体が得られる。
【0013】本発明において、樹脂組成物を積層するに
あたり、布地としては、特に制限はない。例えば、ナイ
ロン,ポリエステル,ポリウレタン,アクリル等の合成
繊維、レーヨン,アセテート等の再生繊維、ガラス等の
無機質繊維や、木綿,麻,絹,羊毛等の天然繊維及びこ
れらを混紡してなる各種布地等が挙げられる。また、布
地としては、織物,編物,不織布等の公知のものを任意
に選択することができる。これらの布地には、前記の通
り、樹脂組成物を粉末の場合には、振りかけ、フィルム
の場合には、挟み、他の布地と合わせて加熱融着され
る。そして、加熱融着する場合、樹脂組成物の融点以上
の90〜180℃で、1〜30秒間、0.1〜2kg/c
2 程度加圧して行えばよい。また、加熱,加圧方法
は、熱プレス,熱ロール等の公知の方法を用いることが
できる。
【0014】このように樹脂組成物を布地に積層、融着
した本発明の熱接着性積層体は、幅広い種類の布地に対
し接着強度が極めて高く、耐水洗濯性,耐ドライクリー
ニング性に優れるものである。これは、本発明におい
て、樹脂組成物を構成する各成分の総合された相乗効果
によるものと判断される。強いてその作用を推定すれ
ば、各成分の化学的性質からエチレン系二元共重合体
が、主として耐ドライクリーニング性を付与するための
成分であり、共重合ナイロンは、樹脂組成物の強度及び
接着力向上の特性を有するものと理解される。本発明の
熱接着性積層体は、衣料用の芯地としては勿論のこと、
この他に椅子表地,防水シート,熱接着性ラベル(衣料
用),カバー等に用いられる樹脂接着布等の素材に供す
ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって、
さらに具体的に説明する。 実施例1 エチレン系二元共重合体として、エチレン−無水マレイ
ン酸二元共重合体を用いた。このエチレン系二元共重合
体ののMFR(JIS−K7210,表1,条件4にて
測定、以下、MFRはすべてこの条件を使用)は12g
/10分、無水マレイン酸に由来する単位の含量は2.8
重量%であった。一方、共重合ナイロンとして、市販品
〔富士化成工業(株)製,軟化点135℃〕を用いた。
上記の2成分を、表1に示した配合比率、すなわちエチ
レン系二元共重合体及び共重合ナイロンを90/10の
配合比率でドライブレンドした後、37mmφ同方向二
軸押出機を用い180℃で溶融混練し、樹脂組成物のペ
レットを得た。次いで、得られたペレットを冷凍粉砕機
で粉砕後、分級機で500μm(35メッシュ)以下に
粉砕した樹脂組成物を用いて接着テストを行った。接着
テストは、表地、芯地ともにテトロン/コットン(65
/35)ブロードを用い、芯地の上に25g/m2 の割
合で均一に散布してから表地を重ね、低温接着テスト
は、上板120℃、下板120℃に加熱したプレスに挟
み、実質面圧1kg/cm2 で3秒間圧着した。プレス
板のサイズは10cm×10cmとした。接着後、23
℃,相対湿度50%で24時間状態調節した後、15m
m幅の試験片に切断し、引張試験機で引張速度300m
m/分でT形剥離試験(23℃)を行い接着強度を測定
した。なお、接着強度は試験片5個の平均値である。ま
た、高温テストは、上記低温テストのプレス温度を14
0℃とした以外は、すべて同様にして接着強度を測定し
た。そして、耐ドライクリーニング性のテストとして、
同様の条件でプレス後、常温でテトラクロロエチレン溶
液中に24時間浸漬後、試験片を目視観察し、樹脂組成
物が溶解して布地から失われたものは「×」、ほぼ樹脂
組成物が残っているものは「○」として評価した。ま
た、24時間浸漬後の試験片をアセトン洗浄し、23
℃,相対湿度50%で24時間状態調節した後、接着強
度を測定した。作業性は非常に良好であり、接着強度及
び耐ドライクリーニング性も良好であった。その測定結
果を表2に示す。
【0016】実施例2 実施例1で調製した樹脂組成物のペレットを用い、45
mmφの押出機を有するインフレーションフィルム成形
機で30μmの厚さで成膜し、開封することによって8
0cm幅のフィルムを得た。このフィルムと、表地,芯
地ともにテトロン/コットン(65/35)ブロードを
用い、芯地,接着フィルム,表地の順に重ね、低温接着
テストは、上板120℃,下板120℃に加熱されたヒ
ートシーラーに挟み、ヒートシールゲージ圧2kg/c
2 で3秒間圧着した。布地のサイズは10cm×10
cmとした。接着後、23℃,相対湿度50%で24時
間状態調節した後、以後実施例1と同様にして接着強度
を測定した。また、高温接着テストは、プレス温度を1
40℃とした以外は、同様にして接着強度を測定した。
そして、耐ドライクリーニング性のテストも実施例1と
同様にして、品質評価した。作業性は非常に良好で、接
着強度及び耐ドライクリーニング性も良好であった。そ
の測定結果を表2に示す。
【0017】実施例3 実施例1で調製した樹脂組成物のペレットを用い、25
mmφの押出機を有するラミネーションフィルム成形機
で、芯地としてテトロン/コットン(65/35)ブロ
ードを用い、該樹脂組成物のラミネート積層物を得た。
この積層物を用い、テトロン/コットンブロードに樹脂
面を重ね、実施例2と同様に接着し、また品質評価し
た。作業性は非常に良好で、接着強度及び耐ドライクリ
ーニング性も良好であった。その測定結果を表2に示
す。
【0018】実施例4 エチレン系二元共重合体として、MFRが100g/1
0分、無水マレイン酸に由来する単位が0.8重量%の二
元共重合体を用い、また、共重合ナイロンは実施例1と
同じものを用いた。そして、表地、裏地はウールギャバ
ジンを用いた。上記の2成分を、表1に示した配合比
率、すなわちエチレン系二元共重合体及び共重合ナイロ
ンの配合比率を65/35とした以外は、以後実施例1
と同様にして測定した。作業性は非常に良好で、接着強
度及び耐ドライクリーニング性も良好であった。その測
定結果を表2に示す。
【0019】実施例5 実施例1と同じエチレン系二元共重合体及び軟化点が1
15℃の共重合ナイロン〔東レ(株)製〕を用いた。上
記の2成分を、表1に示した配合比率、すなわちエチレ
ン系二元共重合体及び共重合ナイロンを95/5の配合
比率とした以外は、以後実施例1と同様にして測定し
た。作業性は非常に良好で、接着強度及び耐ドライクリ
ーニング性も良好であった。その測定結果を表2に示
す。
【0020】実施例6 エチレン系二元共重合体として、MFRが55g/10
分、無水マレイン酸に由来する単位が2.6重量%のエチ
レン系二元共重合体を用い、また軟化点が120℃の共
重合ナイロン〔富士化成工業(株)製〕を用いた。そし
て、表地,芯地はウールギャバジンを用いた。上記の2
成分を、表1に示した配合比率、すなわちエチレン系二
元共重合体及び共重合ナイロンを80/20の配合比率
とした以外は、以後実施例2と同様にして測定した。作
業性は非常に良好で、接着強度及び耐ドライクリーニン
グ性も良好であった。その測定結果を表2に示す。 実施例7 エチレン系二元共重合体として、MFRが120g/1
0分、無水マレイン酸に由来する単位が3.6重量%のエ
チレン系二元共重合体を用い、また、共重合ナイロン
は、実施例6と同じものを用いた。上記の2成分を、表
1に示した配合比率、すなわちエチレン系二元共重合体
及び共重合ナイロンを98/2の配合比率とした以外
は、以後実施例1と同様にして測定した。作業性は非常
に良好で、接着強度及び耐ドライクリーニング性も良好
であった。その測定結果を表2に示す。
【0021】比較例1 実施例1において、エチレン系二元共重合体のみを用い
た以外は、以後実施例1と同様にして測定した。耐ドラ
イクリーニングテスト後、接着はしていたものの接着強
度は著しく低下していた。その測定結果を表2に示す。 比較例2 エチレン系二元共重合体として、MFRが12g/10
分、酢酸ビニルに由来する単位の含量が15重量%のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体を用い、また、軟化点10
0℃の共重合ナイロン〔東レ(株)製〕を用いた。上記
の2成分を、表1に示した配合比率、すなわちエチレン
−酢酸ビニル共重合体及び共重合ナイロンを90/10
の配合比率とした以外は、以後実施例1と同様にして測
定した。初期接着強度は十分であったが、耐ドライクリ
ーニング特性は得られなかった。その測定結果を表2に
示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】以上、本発明によれば、特定のエチレン
系二元共重合体及び共重合ナイロンを主成分とする樹脂
組成物を布地に積層、融着することによって、接着強度
が優れるとともに、耐水洗濯性,耐ドライクリーニング
性にも優れた熱接着性積層体を得ることができる。それ
故、本発明の熱接着性積層体は、カラーやカフス等の芯
地、椅子表地、防水シート、熱接着ラベル(衣料品
等)、その他カバー等の素材として、有効に利用され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 23/08 LCV 7107−4J (72)発明者 堤 克明 大分県大分市大字中ノ洲2番地 昭和電工 株式会社大分工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレンとラジカル重合性酸無水
    物とからなるエチレン系二元共重合体であって、該エチ
    レン系二元共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由来
    する単位の割合が0.1〜5重量%であるエチレン系二元
    共重合体60〜99重量%及び(B)共重合ナイロン4
    0〜1重量%からなる樹脂組成物を布地に積層、融着し
    てなることを特徴とする熱接着性積層体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物が実質的に固
    体状で、布地に積層した後、該樹脂組成物の融点以上に
    加熱、加圧して該布地に含浸させることを特徴とする熱
    接着性積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物が、平均粒径500μm以下
    の粉末であることを特徴とする請求項2記載の熱接着性
    積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂組成物が、厚さ10〜500μmの
    フィルムであることを特徴とする請求項2記載の熱接着
    性積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の樹脂組成物を、溶融状態
    で布地にコーティングし、該布地に含浸させることを特
    徴とする熱接着性積層体の製造方法。
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