JPH0631846Y2 - 走行農作業機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、収穫や摘技等中腰状態で行なう農作業に適し
た走行農作業機に関する。

従来の技術 野菜類や豆類等の比較的背の低い農作物の摘技、摘葉、
除草、施肥、収穫等の農作業は、大規模農場においては
機械化が行なわれているが、小規模農場やハウス栽培等
においては専ら手作業で行なっているのが現状である。
これらの作業を手作業で行なう場合、殆ど中腰状態で行
なうので、腰痛になり易く長時間連続して行なうことは
できなかった。また、例えば収穫作業の場合、収穫した
農産物を収穫するために籠等にひきづりながら行なって
いるので、重労働である半面作業効率が悪るい欠点があ
った。

考案が解決しようとする問題点 本考案は、上記実状に鑑み創案されたものであって、比
較的背の低い農作物の摘技、摘葉、除草、施肥、収穫等
の農作業を腰掛けた状態で移動して継続して行なうこと
ができ、しかも収穫物等も搬送することができる簡易な
走行農作業機を提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成する本願考案の走行農作業機は、幅方向
中心部に沿って前輪を有する腰掛台車フレームに座板を
支持させてなる腰掛台車部と、幅方向の両側部に後輪を
有する荷台車フレームに荷台を支持させてなる荷台車部
とからなり、前記前輪は外周中心部に沿ってレール係合
凹みが形成され、前記荷台車フレームは幅方向に適宜間
隔をおいて平行に配置した２本の棒から構成され、該棒
はそれぞれ前端が前記座板の後端に固定され、該座板か
ら後方に平行に伸び途中から下方斜めに屈曲して傾斜し
ており、前記後輪は前記前輪よりも小径の車輪を幅方向
に適宜間隔で前記荷台車フレームの後端に配置され、前
記荷台は枠状に形成されて前端部が前記荷台車フレーム
の傾斜部に支持され後端部が前記棒の後端部から立ち上
がった二本の立上り杆に支持されて、前記腰掛台車部の
座台よりも低い位置に設けられてなり、前記前輪がレー
ルに係合し、前記後輪が前記レールを跨いで接地して全
体として３輪車状になっていることを特徴とする構成を
採用したものである。

作用 腰掛台車部に腰かけた状態で足で地面を蹴ることによ
り、作業機はレール上を簡単に走行するので、腰掛けた
状態で継続して作業を行なうことができる。従って。従
来の中腰状態の作業と比べて長時間の作業でも楽に出来
る。又、収穫物等も同時に楽に搬送することができる。
そして腰掛けて重量のかかる腰掛台車部のみを進行方向
に１列にレールに支持させ、比較的軽い荷重が加わる荷
台部は地面上を走行させるので、レールは１本で済むか
らレールを単に地面に置くだけで簡易に布設できる。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

図は本考案の走行農作業機の実施例を示している。図
中、１は作業機であり、腰掛台車部２と荷台車部３とか
らなる。腰掛台車部２は、レールであるパイプと係合し
てレールから脱落しないように外周中心部に沿って円弧
形状のレール係合凹みが形成された２個の前輪４，５を
進行方向に間隔をおいて一列に連結した腰掛台車フレー
ム６に板状の座板７を支持させている。なお、８は該座
板に腰掛けた場合の尻の滑り止めである。

また、荷台車部３は、鉄パイプからなる２本の平行な棒
９_１、９_２で形成された荷台車フレーム９の後端部に、
前輪４，５よりも小径であり且つレール１３を跨いで走
行するように幅方向に適宜間隔で配置された左右一対の
後輪を設けると共に、籠や箱などの容器が載置できるよ
うに枠状に形成された荷台１２を設けてなる。前記荷台
車フレーム９を構成する２本の棒９_１、９_２は、前端が
座板７の後端に固定されて後方に伸び途中から下方斜め
に屈曲して傾斜しており、後端に後輪１０、１１の車軸
に連結されている。また前記荷台１２は、前端が２本の
棒９_１、９_２の傾斜部に支持され後端部が前記棒９_１、
９_２の後端部から立ち上がっている二本の立上り杆１４
_１、１４_２に支持されて、荷台に載置した籠に収穫物を
投入し易いように、座板７よりも若干低い位置に設けら
れている。

以上のように構成された実施例の作業機の使用例を説明
する。

まず作業を行なう場所である例えば作物の畦間に、鉄パ
イプや塩化ビニールパイプを１本に連結して地面に置く
ことにより、レール１３を布設する。該レール１３に作
業機の前輪４，５を載せると、第２図に示すように、後
輪はレールを跨いで接地して３輪車のごとく安定する。
荷台車部３に籠１５を載せ、腰掛台車部２に籠を向いた
状態で腰掛ける。このように腰掛台車部２に腰掛た状態
で左右の畦から収穫作業を行ない、収穫した作物は荷台
に積載した籠に入れる。移動する場合は、後ろ向きのま
ま両足で地面を蹴ることによって、作業機はレール上を
後向きに進んで、座した状態で継続して収穫を行なう事
ができる。

なお、上記実施例では、レールを走行する車輪を２個設
けたが、１個でも良い。

効果 本考案の走行農作業機は、以上のように構成され、腰掛
台車部に腰かけた状態で足で地面を蹴ることにより、作
業機はレール上を簡単に走行するので、腰掛けた状態で
継続して作業を行なうことができ、従来の中腰状態の作
業と比べて長時間の作業でも楽に出来ると共に、収穫物
等も同時に楽に搬送することができる。また、腰掛けて
重量のかかる腰掛台車部のみをレールに支持させ、比較
的軽い荷重が加かる荷台部は地面上を走行させるので、
レールは１本でも安定して容易に走行させることができ
る。そして、レールは１本だけであるから、単に地面に
置くだけで簡易に布設できる。

特に、本考案では腰掛台車部の座板に２本の棒からなる
荷台車フレームの先端が固定されて腰掛台車部と荷台車
部とが一体となって３輪車を構成するから、腰掛台車部
が左右に揺れることなく座板に腰掛けた状態で後向きに
安定してレールに沿って直進させることができ、楽に収
穫作業を行なうことができる。また、荷台車部は、フレ
ーム及び荷台の構造が非常に単純で簡易であり、安価に
製造できる。しかも、荷台は枠状に形成されて籠を安定
して載置することができ、且つ、後輪は前輪よりも小径
であるから荷台車フレームの後端部を低くして荷台を座
板より低い位置に設けることができ、籠に収穫物を投入
し易い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る走行農作業機の実施例を示し、第１
図はその側面図、第２図は斜視図である。 １：作業機、２：腰掛台車部、３：荷台車部、４，５：
前輪、６：腰掛台車フレーム、９：荷台車フレーム、
７：座板、１２：荷台、１３：レール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】幅方向中心部に沿って前輪を有する腰掛台
   車フレームに座板を支持させてなる腰掛台車部と、軸方
   向の両側部に後輪を有する荷台車フレームに荷台を支持
   させてなる荷台車部とからなり、 前記前輪は外周中心部に沿ってレール係合凹みが形成さ
   れ、 前記荷台車フレームは幅方向に適宜間隔をおいて平行に
   配置した２本の棒で構成され、該棒はそれぞれ前端が前
   記座板の後端に固定され、該座板から後方に平行に伸び
   途中から下方斜めに屈曲して傾斜しており、前記後輪は
   前記前輪よりも小径の車輪を幅方向に適宜間隔で前記荷
   台車フレームの後端に配置され、 前記荷台は枠状に形成されて前端部が前記荷台車フレー
   ムの傾斜部に支持され後端部が前記棒の後端部から立ち
   上がった二本の立上り杆に支持されて、前記腰掛台車部
   の座台よりも低い位置に設けられてなり、 前記前輪がレールに係合し、前記後輪が前記レールを跨
   いで接地して全体として３輪車状になっていることを特
   徴とする走行農作業車。