JPH06318405A - 誘電体組成物とその製造方法および薄膜コンデンサ - Google Patents

誘電体組成物とその製造方法および薄膜コンデンサ

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JPH06318405A
JPH06318405A JP5197152A JP19715293A JPH06318405A JP H06318405 A JPH06318405 A JP H06318405A JP 5197152 A JP5197152 A JP 5197152A JP 19715293 A JP19715293 A JP 19715293A JP H06318405 A JPH06318405 A JP H06318405A
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JP
Japan
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compound
dielectric
dielectric composition
thin film
producing
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Application number
JP5197152A
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English (en)
Inventor
Kunio Saegusa
邦夫 三枝
Yutaka Suzuki
豊 鈴木
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06318405A publication Critical patent/JPH06318405A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の溶融を経由するガラス−セラミックスと
比べて結晶相の割合が高く、比誘電率の高い誘電体組成
物で、かつ、溶融のような高温処理を経ることなく得る
ことができる。 【構成】下記一般式で表される誘電体組成物。 (PbZrx Ti1-x 3 y −(aPbO−Z’
w z (式中、Z’はガラス形成性酸化物を与える元素を意味
し、B、As、Sb、Si、Ge、Te、Pより選ばれ
た1種または2種以上を表す。wは酸素数を表し、Z’
がB、As、Sbのときはw=1.5、Z’がSi、G
e、Teのときはw=2、Z’がPのときはw=2.5
である。x、y、z、aは0≦x≦1、0.3<y<
0.95、y+a×z=1、1≦a<19の範囲の実数
を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は誘電体組成物に関し、特
に絶縁特性が良好でかつ誘電損失が低く、低温度焼成が
可能な誘電体組成物とその製造方法および該誘電体を用
いた薄膜コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、チタン酸バリウム、チタン酸
鉛等の誘電体は、その誘電特性、圧電特性により磁器コ
ンデンサーやフィルターとして利用されている。これら
磁器では、一般に容量を大きくするために積層型にして
用いられている。積層型コンデンサーの製造方法におい
ては固相反応や溶液反応で得られた0.5〜5μmの誘
電体粉末をバインダーと溶剤とで混合してスラリーを製
造し、そのスラリーをドクターブレード法等で薄板状に
成形し、該薄板を10〜数10層積層して1200〜1
300℃で焼成するという工程をとっている。
【0003】このような方法では焼成温度が高く、銀や
銅等の比較的安価で低抵抗の金属を電極として用いるこ
とができなかった。焼成温度を低くするために、ガラス
フリットを誘電体粉末と混合する方法も試みられ、その
結果、焼成温度を1000℃程度にまで低下させること
は可能となったが、依然として銀の融点(965℃)か
らみると高く、しかもガラスフリットを大量に加えるこ
とにより誘電体の割合が下がり、誘電特性が低下した。
【0004】また、誘電体粉末およびガラスフリットは
粉砕して製造されるために、1μm以下の粒径にするこ
とは極めて困難であり、緻密なグリーン体が得られず、
膜厚を薄くすることが難しかった。すなわち、固相法や
液相法により得られた誘電体の粉末を用いドクターブレ
ード法で薄膜状誘電体を形成する場合には、誘電体粉末
が大きいために誘電体の膜厚を20μm以下にすること
は困難であった。
【0005】ところで、積層型セラミックコンデンサー
の小型化、高容量化のためには面積、厚みには限界があ
るため積層数を増してやれば良いわけであるが、膜厚の
厚い上記方法では自ずと高容量化には限界を生ずる。こ
の解決策のひとつとして誘電体層を薄膜化する方法があ
る。積層型コンデンサーの場合1層が約20〜40μm
であるが、1〜5μm程度に薄膜化できれば、大きな容
量が得られ、しかも小型化出来る。薄膜化の方法として
は、ドクターブレード法、印刷法の他に、スパッタ法、
真空蒸着法、CVD法等の気相法及びゾルーゲル法、有
機金属化合物の塗布、熱分解により薄膜状誘電体を製造
する方法等が知られている。
【0006】また、緻密な誘電体を得るために強誘電体
結晶化ガラスを用いる方法も知られている。この方法で
は、まずガラスを形成できるような組成に化合物を配合
後、1400℃程度の高温で溶融した後に急冷してガラ
スとし、次いでこれを600〜800℃で熱処理するこ
とにより結晶化させて結晶化ガラスを得る。この方法に
よれば、最初の粒子の大きさの制限を受けないために薄
膜化が可能であり、しかも緻密質の為に低誘電損失、高
耐電圧が実現できる。しかしながら、ガラス化しうる組
成は極めて限られていて、高誘電率結晶相の割合を30
%よりも多くすることは極めて困難であり、このために
高誘電率を得ることはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、従来の溶融を経由するガラス−セラミックスと比べ
て結晶相の割合が高く、比誘電率の高い誘電体組成物、
および該誘電体組成物を溶融のような高温処理を経るこ
となく得ることを特徴とする製造方法、並びに該誘電体
組成物からなる薄膜コンデンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは鉛を含有する誘電体組成物について鋭意検討を
重ねた結果、高誘電率結晶相をその特性を発揮させ、高
誘電率結晶相単独の場合よりも低温で緻密な組織を与
え、絶縁性の良好な誘電体組成物(ガラス−セラミック
ス)とその製造方法、および該誘電体組成物を用いた薄
膜コンデンサを見出し、本発明を完成させたものであ
る。
【0009】すなわち、本発明は下記に示す発明であ
る。 (1)下記一般式で表される誘電体組成物。 (PbZrx Ti1-x 3 y −(aPbO−Z’
w z (式中、Z’はガラス形成性酸化物を与える元素を意味
し、B、As、Sb、Si、Ge、Te、Pより選ばれ
た1種または2種以上を表す。wは酸素数を表し、Z’
がB、As、Sbのときはw=1.5、Z’がSi、G
e、Teのときはw=2、Z’がPのときはw=2.5
である。x、y、z、aは0≦x≦1、0.3<y<
0.95、y+a×z=1、1≦a<19の範囲の実数
を表す。) (2)Pb、Ti、Zr、Z’(B、As、Sb、S
i、Ge、Te、Pより選ばれた1種または2種以上)
の各酸化物または酸化物に転換し得る各化合物の占める
領域が直径0.1μm未満であるように混合し、ついで
該混合物が一体化または酸化物となる温度まで加熱焼成
することを特徴とする前記(1)記載の誘電体組成物の
製造方法。 (3)スパッタリング法において、Pb、Ti、Zr、
Z’(B、As、Sb、Si、Ge、Te、Pより選ば
れた1種または2種以上)の各酸化物を、前記(1)に
記載した範囲の組成物を与えるような割合にて含有する
酸化物焼結ターゲットを用いることを特徴とする誘電体
組成物の製造方法。 (4)有機溶媒に可溶な金属化合物を混合して得た液を
そのまま、あるいは加水分解、仮焼等の操作を行った
後、成形、焼成することにより成形体またはペーストを
製造する方法において、有機溶媒に可溶なPb化合物、
Ti化合物、Zr化合物、Z’(B、As、Sb、S
i、Ge、Te、Pより選ばれた1種または2種以上)
化合物を前記(1)に記載した範囲の組成物を与えるよ
うな割合にて用いることを特徴とする誘電体組成物の製
造方法。 (5)コロイダルゾルをそのまま、あるいは乾燥、仮焼
した粉末を成形、焼成することにより成形体またはペー
ストを製造する方法において、一次粒子の粒径が0.1
μm未満のPb化合物、Ti化合物、Zr化合物、Z’
(B,As,Sb,Si,Ge,Te,Pより選ばれた
1種または2種以上)化合物のコロイダルゾルを前記
(1)に記載した範囲の組成物を与えるような割合にて
用いることを特徴とする誘電体組成物の製造方法。 (6)水に可溶な金属化合物を混合して得た液をそのま
ま、あるいは共沈、仮焼等の操作を行った後、成形、焼
成することにより成形体またはペーストを製造する方法
において、Pb化合物、Ti化合物、Zr化合物、Z’
(B,As,Sb,Si,Ge,Te,Pより選ばれた
1種または2種以上)化合物を前記(1)に記載した範
囲の組成物を与えるような割合にて用いることを特徴と
する誘電体組成物の製造方法。 (7)ガラス基板、セラミック基板、金属薄膜あるいは
導電性酸化物で被覆されたガラスまたはセラミック基
板、金属箔または半導性基板上に前記(1)に記載の誘
電体組成物を薄膜状で形成してなることを特徴とする薄
膜コンデンサ。 (8)熱膨張係数が150×10-7以下の金属箔上に前
記(1)に記載の誘電体組成物を薄膜状で形成してなる
ことを特徴とする薄膜コンデンサ。
【0010】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の誘電体組成物中の鉛化合物、チタニウム化合物、ジ
ルコニウム化合物、Z’化合物の比は下記一般式(1)
で表される。 (PbZrx Ti1-x 3 y −(aPbO−Z’Ow z ・・・・・・(1) (式中、Z’はB、As、Sb、Si、Ge、Te、P
より選ばれた1種または2種以上を表す。wは酸素数を
表し、Z’がB、As、Sbのときはw=1.5、Z’
がSi、Ge、Teのときはw=2、Z’がPのときは
w=2.5である。x、y、z、aは、0≦x≦1、
0.3<y<0.95、y+a×z=1、1≦a<19
を満足する実数である。)(以下、一般式(1)と略称
する。)
【0011】ここでyは結晶相の割合を示し、これが
0.3以下の場合は望ましい誘電特性が得られない。
0.95以上では絶縁率および絶縁抵抗の高いものが得
られず、焼成温度も高温が必要となる。xは用途に応じ
て望ましい誘電特性を得るために0≦x≦1の範囲で変
え得る。aはガラス相中に存在する鉛の比を表し、Z’
化合物に対し1〜19倍のモル数が好ましく、更に好ま
しくは1〜10倍のモル数である。aが1よりも小さい
と、結晶相中の鉛化合物からの鉛の逃散が生じて結晶相
量が減少し、19よりも多いと、余分なPbOが析出し
てやはり結晶相が減少する。
【0012】また、誘電特性をコントロールするための
Sr、Ca、Mg、Bi、Ta、Nd等の化合物や還元
防止剤としてのMn、Al等の化合物を添加することも
できる。
【0013】本発明の実施に当たり、出発物質としての
各化合物の占める領域が直径0.1μm未満となるよう
に混合する方法としては、(イ)スパッタリング法、C
VD法、蒸着法等の真空プロセス法、(ロ)有機溶媒に
可溶な有機金属化合物を混合し、必要に応じて加水分解
等の処理をする方法、(ハ)シリカコロイド等のコロイ
ダルゾルを用いる方法、(ニ)水に可溶な金属化合物を
混合し、必要に応じて共沈させる方法等が挙げられる。
【0014】上記(イ)のスパッタリング法の場合には
PbO、TiO2 、ZrO2 、Z’(B、As、Sb、
Si、Ge、Te、Pより選ばれた1種または2種以上
を表す。)の酸化物の各ターゲットを用い、各ターゲッ
トのスパッタ時間により組成および膜厚を制御するマル
チターゲットスパッタリング法、または予め各酸化物を
混合して焼結したターゲットを用いて一般式(1)で表
される誘電体組成物を与えるようにする方法等が挙げら
れる。
【0015】上記(イ)のCVD法の場合には、出発物
質として4エチル鉛、ビスジピバロイルメタナト鉛等の
有機鉛化合物、チタニウムエトキシド、チタニウムイソ
プロポキシド、チタニウムブトキシドのような有機チタ
ニウム化合物、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウム
イソプロポキシド、ジルコニウムブトキシドのような有
機ジルコニウム化合物、ボラン、トリエチルほう素、ト
リメチルほう素等のほう素化合物、アルシン、トリエチ
ル砒素、トリメチル砒素等の砒素化合物、トリエチルア
ンチモン、トリメチルアンチモン等のアンチモン化合
物、シラン、ジシラン、テトラメチルシラン、テトラエ
チルシラン、四塩化珪素、テトラエトキシシラン、テト
ラメトキシシラン等の珪素化合物、水素化ゲルマニウ
ム、テトラメチルゲルマニウム、テトラエチルゲルマニ
ウム、四塩化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウ
ム、テトラメトキシゲルマニウム等のゲルマニウム化合
物、水素化テルル、テトラメチルテルル、テトラエチル
テルル、四塩化テルル、テトラエトキシテルル、テトラ
メトキシテルル等のテルル化合物、5塩化リン等のリン
化合物等が挙げられる。
【0016】これらの化合物を一般式(1)で表される
誘電体組成物になるように、アルゴン、窒素または酸素
等のガスとともに搬送し、基板上に析出させる。
【0017】上記(イ)の蒸着法の場合には、Pb、T
i、Zr、Z’(B、As、Sb、Si、Ge、Te、
Pより選ばれた1種または2種以上)の単体金属または
それらの合金を、電子ビーム等により加熱して基板に析
出させる。
【0018】上記(ロ)の有機溶媒に可溶な有機金属化
合物を混合し、必要に応じて加水分解等の処理をする方
法においては、有機溶媒に可溶な鉛化合物、チタニウム
化合物、ジルコニウム化合物、Z’(B、As、Sb、
Si、Ge、Te、Pより選ばれた1種または2種以
上)化合物を混合して得た液をそのまま、または必要に
応じて加水分解、仮焼等の操作を行った後、ペーストに
する等、成形、焼成して製造する。
【0019】ここで、有機溶媒に可溶な鉛化合物として
はジエトキシ鉛、ジイソプロポキシ鉛、ジメトキシエト
キシ鉛、鉛アセチルアセナート、蟻酸鉛、酢酸鉛等が挙
げられる。
【0020】有機溶媒に可溶なチタニウム化合物として
はテトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウ
ム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラブトキシ
チタニウム、四塩化チタン等が挙げられる。
【0021】有機溶媒に可溶なジルコニウム化合物とし
てはテトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジル
コニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ
ブトキシジルコニウム、四塩化ジルコニウム等が挙げら
れる。
【0022】有機溶媒に可溶なほう素化合物としてはほ
う酸トリエチル、ほう酸トリメチル、トリメトキシエト
キシほう素、ほう酸トリフェニル、ほう酸等が挙げられ
る。
【0023】有機溶媒に可溶な砒素化合物としては砒酸
トリエチル、砒酸トリメチル、トリメトキシエトキシ砒
素、砒酸トリフェニル等が挙げられる。
【0024】有機溶媒に可溶なアンチモン化合物として
はアンチモン酸トリエチル、アンチモン酸トリメチル、
トリメトキシエトキシアンチモン、アンチモン酸トリフ
ェニル等が挙げられる。
【0025】有機溶媒に可溶な珪素化合物としてはテト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソ
プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、四塩化珪素
等が挙げられる。
【0026】有機溶媒に可溶なゲルマニウム化合物とし
てはテトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲル
マニウム、テトライソプロポキシゲルマニウム、テトラ
ブトキシゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム等が挙げら
れる。
【0027】有機溶媒に可溶なテルル化合物としてはテ
トラメトキシテルル、テトラエトキシテルル、テトライ
ソプロポキシテルル、テトラブトキシテルル、四塩化テ
ルル等が挙げられる。
【0028】有機溶媒に可溶なリン化合物としてはトリ
メトキシフォスフォニル等が挙げられる。
【0029】本発明を実施するに当り用いられる有機溶
媒としては、前記鉛化合物、チタニウム化合物、ジルコ
ニウム化合物、ほう素化合物、砒素化合物、アンチモン
化合物、珪素化合物、ゲルマニウム化合物、テルル化合
物、リン化合物等を溶解するものならばどの様な物を用
いてもよいが、好ましくはメタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、ペンタノール、メトキシエタ
ノール、エトキシエタノール等のアルコール類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケ
トン類、酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸エチル等のカル
ボン酸エステル類、アセチルアセトン、ベンゾイルアセ
トン、ジベンゾイルアセトン等のβ−ジケトン類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類
等が挙げられ、これら溶媒を単独、あるいは2種以上を
組合せて用いることもできる。
【0030】化合物の溶液の調製方法としては、前記鉛
化合物、チタニウム化合物、ジルコニウム化合物、Z’
(B、As、Sb、Si、Ge、Te、Pより選ばれた
1種または2種以上)化合物を有機溶媒中に溶解して室
温で混合するか、または前記各化合物を有機溶媒中で加
熱下で反応せしめる方法が挙げられる。必要に応じて、
混合もしくは反応中に適当な量の水もしくは水を適当な
比で前述の有機溶媒中に希釈した溶液を添加して加水分
解してもよい。
【0031】本発明で用いられる誘電体形成用の溶液中
の前記各化合物の濃度はその種類によっても異なるが、
あまり希釈し過ぎると溶媒が多量に必要になって経済的
でないし、一方、濃すぎると作業性が低下することもあ
るので、一般には酸化物に換算して2〜80重量%、好
ましくは5〜50重量%で適用される。
【0032】本発明で用いられる誘電体形成用の溶液に
は安定化のための炭素数6〜20のカルボン酸、グリコ
ール、アミン等を添加することができる。具体的にはカ
プロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸等の1価カルボン酸、アジピン
酸、ピメリン酸、フタル酸セバシン酸等の2価カルボン
酸、エチレングリコール、プロピレングリコールジエチ
レングリコール等のグリコール類、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のア
ミン類等が挙げられる。
【0033】作業性の向上のために、ポリオールやエチ
ルセルロース等の高分子物質、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、アセチルアセトン、グリセリンのような
高沸点化合物、ノニオン系またはアニオン系の界面活性
剤等を添加することができる。
【0034】このようにして得られる溶液もしくは該溶
液を部分加水分解して得られるコロイダルゾルを用いて
成形する方法としては、塗布液として基板上に製膜する
方法およびバルクに成形する方法が挙げられる。
【0035】基板への製膜方法としては浸漬法、スプレ
ー法、スピンナー法、刷毛塗り法等の公知の塗布方法を
用いることができる。このようにして得た薄膜を更に必
要に応じて乾燥する。
【0036】バルクの物体に成形するときは、前述で得
られた化合物溶液をスリップキャスティング、コロイダ
ルプレス、テープキャスト等の公知の方法で成形しても
よい。あるいは前述のようにして調整された化合物溶液
を更に過剰量の水で加水分解、乾燥して得られたゲル粉
末を必要に応じて粉砕、仮焼後、乾式プレス、スリップ
キャスティング、テープキャスティング等の方法で成形
する。加水分解は、該化合物溶液を溶液中に含まれる金
属モル数の少なくとも2倍以上の過剰量の水、または水
を含む溶液と反応させるか、単に空気中に放置して空気
中の水分と反応させても良い。
【0037】乾燥は公知の定温乾燥機などを用いて、1
00〜300℃程度の温度で行い、仮焼は必要であれば
電気炉、ガス炉等で300〜900℃程度の温度で行わ
れる。
【0038】乾燥または必要に応じて仮焼して得られた
粉末は、ボールミル、振動ミル、らいかい機、アトライ
ター等公知の方法で適宜粉砕し、ペーストの材料とされ
たり、乾式プレス、静水圧プレス、スリップキャスティ
ング等公知の方法で成形されたりする。
【0039】上記(ハ)のコロイダルゾルを用いる方法
において、Pb化合物、Ti化合物、Zr化合物、Z’
(B、As、Sb、Si、Ge、Te、Pより選ばれた
1種または2種以上)化合物等のコロイダルゾルは、例
えば該金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等水溶性
塩のアルカリによる沈澱、イオン交換等で調整される。
また、シリカについては市販のシリカゾル(デュポン
社、日産化学工業社、触媒化成工業社等で製造)も使用
可能である。
【0040】これらコロイダルゾルを所定の組成に混合
後、スリップキャスティング、コロイダルプレス、テー
プキャスト等の公知の方法で成形しても良い。あるいは
前述のようにして調整されたコロイダルゾルを乾燥し
て、得られたゲル粉末を必要に応じて粉砕、仮焼後、ペ
ーストにするとか、あるいは乾式プレス、スリップキャ
スティング、テープキャスティング等の方法で成形し、
焼結する。
【0041】乾燥は公知の定温乾燥機などを用いて、1
00〜200℃程度の温度で行い、仮焼は必要であれば
電気炉、ガス炉等で300〜900℃程度の温度で行
う。
【0042】乾燥または必要に応じて仮焼して得られた
粉末は、ボールミル、振動ミル、らいかい機、アトライ
ター等公知の方法で適宜粉砕し、ペーストの材料とされ
たり、乾式プレス、静水圧プレス、スリップキャスティ
ング等公知の方法で成形されたりする。
【0043】上記(ニ)の水に可溶な金属化合物を混合
し、必要に応じて共沈させる方法において、用い得る金
属化合物としては、鉛化合物として硝酸鉛、酢酸鉛等、
チタニウム化合物として硝酸チタニル、酢酸チタニル、
四塩化チタニウム、硫酸チタニル等、ジルコウム化合物
として硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニル、四塩化ジルコ
ニウム、硫酸ジルコニル等、ほう素化合物としてほう
酸、砒素化合物として砒酸、アンチモン化合物としてア
ンチモン酸、硝酸アンチモン、酢酸アンチモン、塩化チ
モン、硫酸アンチモン等、珪素化合物として四塩化珪
素、珪酸等、ゲルマニウム化合物として四塩化ゲルマニ
ウム、硝酸ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウム等、テルル
化合物としては四塩化テルル、硝酸テルル等、リン化合
物としてはリン酸、リン酸アンモニウム等が挙げられ
る。
【0044】必要に応じて上記化合物を混合し、pH調
整、難溶性塩の生成等により沈澱物を得、該沈澱物を乾
燥および/または仮焼してPb化合物、Ti化合物、Z
r化合物、Z’(B、As、Sb、Si、Ge、Te、
Pより選ばれた1種または2種以上)化合物が各化合物
の領域が0.1μm以下であるような、適度のサイズの
粉末を得、これをペーストにするとか、あるいはスリッ
プキャスティング、乾式プレス等で所望の形状に成形で
きる。
【0045】一般式(1)で表される誘電体組成物を形
成させる基板としては、平滑性があり、プロセス中の熱
処理時の所要の耐熱性があればばどのようなものでも用
いることが出来るが、例えばガラス基板、セラミック基
板、金属薄膜あるいは導電性酸化物で被覆されたガラス
またはセラミック基板、金属箔、半導性基板等が挙げら
れる。
【0046】具体的には石英ガラス、アルミナ、ジルコ
ニア、マイカ、シリコン等の基板、金、白金、パラジウ
ム、銀、銅、クロム、チタニウム、アルミニウム、タン
タル、金−クロム、パラジウム−銀、白金−タンタル、
白金−チタニウム、スズまたはアンチモンをドープした
酸化インジウム等薄膜で被覆された石英ガラス、アルミ
ナ、ジルコニア、マイカ、シリコン等の基板、金、白
金、パラジウム、銀、銅、ニッケル、ニッケル−クロ
ム、アルミニウム、チタニウム、ステンレス等の金属基
板が挙げられる。
【0047】熱膨張係数が150×10-7以下の金属と
しては金、銅、ニッケル、チタニウム、パラジウム、タ
ンタル、鉄等が挙げられ、コストや熱処理条件を考慮す
れば、銅、ニッケル、チタニウムが特に好ましい。熱膨
張係数が150×10-7より大きいと誘電体との熱膨張
係数の差が大きすぎてクラック等の欠陥が入りやすくな
る。
【0048】上述のように、基板へ塗布して得られた
膜、または成形品の加熱方法としては、電気抵抗加熱、
プラズマ、高周波、レーザー等既知の手段を用い得る。
加熱温度は製造方法によって異なるが、スパッタリング
法、CVD法等の場合は基板を200〜700℃位に加
熱しながら製膜し、後の熱処理は不要の場合もあるし、
更に500〜900℃程度の熱処理をしても良い。蒸着
法の場合は一般に空気中もしくは酸化雰囲気で500〜
900℃程度の熱処理を行う。有機溶媒に可溶な金属化
合物、水に可溶な金属化合物、コロイダルゾルを用いる
方法の場合は、溶媒中の金属化合物の濃度、溶媒の種
類、基板の種類等により異なるが、誘電体の結晶化以上
の温度にする必要があり通常約400〜1200℃、好
ましくは約500〜1000℃である。400℃未満で
は有機物が分解しなかったり、結晶化が進行せず、また
1200℃を超えると元素の蒸発等による組成の変動を
来し、好ましくない。バルク粉末、成形体においては緻
密に焼結させるために、組成にもよるが、500〜10
00℃の焼結が熱処理として行われる。
【0049】熱処理は電気炉、ガス炉、イメージ炉、レ
ーザー加熱等公知の方法によって行われる。熱処理雰囲
気は空気中、不活性ガス中、還元雰囲気中、もしくは誘
電体が還元され易い場合は酸素雰囲気中でも焼成するこ
とが出来る。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明の範囲は下記実施例により、何ら限定さ
れるものではない。
【0051】実施例1 鉛ジエトキシドとチタニウムテトライソプロポキシドと
テトラエトキシシランを、xPbTiO3 −(1−x)
(PbO−SiO2 )に換算して表1に示すような割合
に調合し、イソプロパノールートルエンの1:1(重量
比)混合溶媒中に溶解し、酸化物換算で15重量%の誘
電体形成液を合成した。この液をPt/Ti(0.5μ
m/0.05μm)膜で被覆されたSi基板上に250
0回転の条件でスピンナーにより塗布後450℃で30
分間、酸素中での焼成を行い、上記の塗布焼成を3回繰
り返し、最終的に700℃で1時間、大気中で焼成して
膜厚が0.5μmの緻密で透明な薄膜状誘電体を得た。
この膜に金の電極をスパッターにより100個形成した
後、1KHz、25℃での誘電率と誘電損失を横河ヒュ
ーレットパッカード社製のLCRメーター4262Aに
より測定した。絶縁率は100個の電極の内短絡してい
ない電極の数とした。また超絶縁抵抗計YHP4329
Aを用いて直流10V印加時の絶縁抵抗を測定した。そ
の結果を表1に示す。xが1では、結晶化および緻密化
が充分でなかった。
【0052】
【表1】
【0053】実施例2 酢酸鉛3水塩0.5モルをメトキシエタノール4モル中
に70℃加熱下で溶解後120℃で2時間脱水を行いそ
の後90℃に冷却し、ジルコニウムテトラブトキシド
0.25モルとチタニウムテトライソプロポキシド0.
25モルを添加して更にジエタノールアミン0.5モル
を添加し、更にメトキシエタノールに溶解した水を0.
5モル加えて部分加水分解を行った後濃縮して、Pb換
算で0.5モル/リットルの濃度の誘電体形成液を合成
しA液とした。この液に、別に用意した鉛メトキシエト
キシドとほう酸トリメチル、およびテトラエトキシシラ
ンを、Pb:B:Si=a:1:0.5かつPb換算で
0.5モル/リットルの濃度となるようにメトキシエタ
ノールに溶解した液(B液)を、A液に、表2のように
添加した。混合後の液組成は下記のように表される。 0.6(PbZr0.5 Ti0.5 3 )−0.2(aPb
O−B2 3 )−0.1(aPbO−SiO2 ) この液をAu/Ti(0.5μm/0.06μm)膜で
被覆されたアルミナ基板上に表2に示すような膜厚にな
るようにスピンナ−の回転数および塗布回数を調節し、
650℃で30分間、空気中で焼成して透明な薄膜状誘
電体を得た。この膜の電気特性を実施例1と同様の方法
で測定した。(電極面積1mm2 )結果を表2に示す。
aが0.3では結晶化が遅れ、絶縁率も不十分であっ
た。
【0054】
【表2】
【0055】実施例3 Ti箔(厚さ50μm)にマグネトロンスパッタリング
により、焼結した0.6PbTiO3 −0.4(PbO
−0.3B2 3 −0.3SiO2 )の組成のターゲッ
トを用いて厚さ1μmの薄膜を形成後、結晶性向上のた
めに500℃で5分間、酸素中でアニールをした。この
後やはりスパッタリングにより100nm厚みの金を上
部電極として形成し、誘電率及び誘電損失を実施例1と
同様にして測定したところ、誘電率200、誘電損失2
%、絶縁率100%という結果が得られ、低温での結晶
化および高絶縁率が確かめられた。
【0056】実施例4 アルミニウム箔(厚さ50μm)にマグネトロンスパッ
タリングにより、焼結した0.6PbTiO3 −0.4
(PbO−0.3B2 3 −0.3SiO2 )の組成の
ターゲットを用いて厚さ1μmの薄膜を形成後、結晶性
向上のために500℃で5分間、酸素中でアニールをし
た。ついでスパッタリングにより厚さが100nmの金
を上部電極として形成し、誘電率及び誘電損失を実施例
1と同様にして測定したところ、誘電率80、誘電損失
0.1%、絶縁率100%という結果が得られた。
【0057】実施例5 実施例2でa=4の条件で調整した溶液を空気中120
℃で加熱乾燥後、トルエン中でジルコニアボールにて8
時間ボールミルにかけて粉砕後減圧乾燥して、乾燥ゲル
を得た。これを乾式プレスで、直径10mm厚み1mm
の円板状に成形後、800℃で1時間焼成した。この円
板の電気特性を実施例1と同様の方法で測定した(電極
面積6mm2 )。その結果、誘電率は650、誘電損失
0.8%であった。また相対密度は99%であった。
【0058】比較例1 A液のみを実施例4と同様に乾燥、粉砕、焼成したもの
の相対密度は80%であり、X線粉末回折では結晶相の
生成は確認されたが、試料が多孔質のため、信頼できる
誘電率の値は測定できなかった。
【0059】比較例2 粒径1μmの酸化鉛粉末1.5モル、粒径0.3μmの
酸化チタン粉末0.5モル、粒径0.8μmの酸化ジル
コニウム粉末0.5モル、粒径2μmのシリカ粉末0.
5モルをエタノール中でボールミル混合した後、乾燥し
て粉末を得た。これを直径10mm、厚さ1mmのペレ
ットに成形した後、800℃で焼成した。X線では結晶
相はわずかにしか認められず、組織も緻密化せず、気孔
率は25%であった。信頼できる誘電率値は得られなか
った。
【0060】実施例6 酢酸鉛3水塩0.5モルをメトキシエタノール4モル中
に70℃加熱下で溶解後120℃で2時間脱水を行いそ
の後90℃に冷却し、ジルコニウムテトラブトキシド
0.25モルとチタニウムテトライソプロポキシド0.
25モルを添加して更にジエタノールアミン0.5モル
を添加した。この溶液を、水を4モル溶解したメトキシ
エタノール中に滴下して加水分解を行い、コロイダルゾ
ルを得、A液とした。この液に、別に用意した酢酸鉛と
ほう酸、および酸性シリカゾルを、Pb:B:Si=
3:2:1、かつPb換算で0.5モル/リットルの濃
度となるようにメトキシエタノールに溶解した液(B
液)を、A液に添加した。混合後の液組成は、下記のよ
うに表される。 0.6(PbZr0.5 Ti0.5 3 )−0.1(2Pb
O−B2 3 )−0.1(PbO−SiO2 ) この液にエチルセルロースを0.5重量%添加した液を
Ag/Ti(0.5μm/0.06μm)膜で被覆され
た銅板上に、約1μmの厚みになるようにディップコー
ティングを5回繰り返して行った。次いで、650℃で
30分間、空気中で焼成して透明な薄膜状誘電体を得
た。この膜の電気特性を実施例1と同様の方法で測定し
た。(電極面積1mm2 )この結果、誘電率500、誘
電損失2.5%、絶縁率100%であった。
【0061】実施例7 硝酸鉛0.1モル、四塩化チタン0.1モル、蓚酸0.
2モルを水500ml中に、同時に撹拌化滴下し、沈澱
を得た。この沈澱をろ過、乾燥して蓚酸鉛チタニルを得
た。粉末の1次粒子の粒径は20nmであった。これ
を、硝酸鉛0.05モル、ほう酸0.02モル、酸性シ
リカゾル(SiO2 として0.01モル)をこの順番に
溶解した水溶液中に分散し、アンモニアでpH8に調整
し後、乾燥して粉末を得た。この粉末を500℃で3時
間焼成して、酸化物粉末を得た。得られた酸化物粉末を
乳鉢で磨砕後、プレス機で直径10mm、厚み1mmの
ペレットに成形した。このペレットを大気中800℃で
30分間焼成した。このペレットの電気特性を実施例1
と同様の方法で測定した。(電極面積1mm2 )この結
果、誘電率180、誘電損失1.5%、絶縁率100
%、相対密度99%であった。
【0062】比較例3 硝酸鉛0.1モル、四塩化チタン0.1モル、蓚酸0.
2モルを水500ml中に同時に撹拌化滴下し、沈澱を
得た。この沈澱をろ過、乾燥して蓚酸鉛チタニルを得
た。粉末の1次粒子の粒径は20nmであった。この粉末
を500℃で3時間焼成して、酸化物粉末を得た。得ら
れた酸化物粉末を乳鉢で磨砕後、プレス機で直径10m
m、厚み1mmのペレットに成形した。このペレットを
大気中800℃で30分間焼成した。このペレットの電
気特性を実施例1と同様の方法で測定した(電極面積1
mm2 )。この結果、相対密度85%、誘電率100、
誘電損失5.5%であり、実施例6のようには緻密化し
なかった。
【0063】
【発明の効果】本発明の誘電体は、従来の誘電体粉末を
スラリー化しドクターブレード法等で得る方法に比較し
て製造コストが廉価であると共に絶縁性が高く、信頼性
の高いものが得られる。また、従来の溶融を経由するガ
ラスセラミックスと比べて結晶相の割合が高く、比誘電
率の高いものが溶融のような高温処理を経ないで得られ
るために高容量化が可能である。これにより特に、従来
信頼性及び絶縁率に難点があるために応用が進まなかっ
た薄膜コンデンサに実用化の道を開くもので、薄膜コン
デンサ、DRAMメモリ用コンデンサ、積層コンデン
サ、誘電体ペースト等の誘電製品、アクチュエータ、共
振子、フィルタ、超音波モータ等の圧電製品等への応用
が挙げられ、その工業的価値は大きいものがある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で表される誘電体組成物。 (PbZrx Ti1-x 3 y −(aPbO−Z’
    w z (式中、Z’はガラス形成性酸化物を与える元素を意味
    し、B、As、Sb、Si、Ge、Te、Pより選ばれ
    た1種または2種以上を表す。wは酸素数を表し、Z’
    がB、As、Sbのときはw=1.5、Z’がSi、G
    e、Teのときはw=2、Z’がPのときはw=2.5
    である。x、y、z、aは0≦x≦1、0.3<y<
    0.95、y+a×z=1、1≦a<19の範囲の実数
    を表す。)
  2. 【請求項2】Pb、Ti、Zr、Z’(B、As、S
    b、Si、Ge、Te、Pより選ばれた1種または2種
    以上)の各酸化物または酸化物に転換し得る各化合物の
    占める領域が直径0.1μm未満であるように混合し、
    ついで該混合物が一体化または酸化物となる温度まで加
    熱焼成することを特徴とする請求項1記載の誘電体組成
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】スパッタリング法において、Pb、Ti、
    Zr、Z’(B、As、Sb、Si、Ge、Te、Pよ
    り選ばれた1種または2種以上)の各酸化物を、請求項
    1に記載した範囲の組成物を与えるような割合にて含有
    する酸化物焼結ターゲットを用いることを特徴とする誘
    電体組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】有機溶媒に可溶な金属化合物を混合して得
    た液をそのまま、あるいは加水分解、仮焼等の操作を行
    った後、成形、焼成することにより成形体またはペース
    トを製造する方法において、有機溶媒に可溶なPb化合
    物、Ti化合物、Zr化合物、Z’(B、As、Sb、
    Si、Ge、Te、Pより選ばれた1種または2種以
    上)化合物を請求項1に記載した範囲の組成物を与える
    ような割合にて用いることを特徴とする誘電体組成物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】コロイダルゾルをそのまま、あるいは乾
    燥、仮焼した粉末を成形、焼成することにより成形体ま
    たはペーストを製造する方法において、一次粒子の粒径
    が0.1μm未満のPb化合物、Ti化合物、Zr化合
    物、Z’(B,As,Sb,Si,Ge,Te,Pより
    選ばれた1種または2種以上)化合物のコロイダルゾル
    を請求項1に記載した範囲の組成物を与えるような割合
    にて用いることを特徴とする誘電体組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】水に可溶な金属化合物を混合して得た液を
    そのまま、あるいは共沈、仮焼等の操作を行った後、成
    形、焼成することにより成形体またはペーストを製造す
    る方法において、Pb化合物、Ti化合物、Zr化合
    物、Z’(B,As,Sb,Si,Ge,Te,Pより
    選ばれた1種または2種以上)化合物を請求項1に記載
    した範囲の組成物を与えるような割合にて用いることを
    特徴とする誘電体組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】ガラス基板、セラミック基板、金属薄膜あ
    るいは導電性酸化物で被覆されたガラスまたはセラミッ
    ク基板、金属箔または半導性基板上に請求項1に記載の
    誘電体組成物を薄膜状で形成してなることを特徴とする
    薄膜コンデンサ。
  8. 【請求項8】熱膨張係数が150×10-7以下の金属箔
    上に請求項1に記載の誘電体組成物を薄膜状で形成して
    なることを特徴とする薄膜コンデンサ。
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