JPH06318385A - テ−プカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により、不使用時には前面開口
部、テ−プ引出部材挿入用切欠部、位置決め基準孔を閉
塞でき、使用時には装置への装着により、露出すること
ができる、位置決め精度の高い、防塵性に優れた、磁気
テ−プを損傷することの少ない、操作性の良いテ−プカ
セットを提供することを目的とする。 【構成】 テ−プカセット１は、概略カセット筐体２
Ａ，カセット筐体２Ａと協働し摺動可能に設けられ第１
位置で切欠部１０、位置決め基準孔１２ａ，１２ｂを閉
塞し、第２位置で露出する摺動体３で構成される。位置
決め基準孔はカセット筐体２Ａと摺動体３のうち磁気テ
−プもつ方のみに設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はテ−プカセットに係り、
特にビデオテ−プレコ−ダ，オ−デイオテ−プレコ−
ダ，デ−タレコ−ダ等の磁気記録再生装置に好適なテ−
プカセットに関し、磁気記録再生装置の位置規制ピン及
びテ−プ引出部材が挿入される位置決め基準孔，切欠部
及び磁気テ−プが簡単な構成により、不使用時には外部
に露出しないようにして防塵効果を高め、且つ使用時に
は磁気テ−プの位置精度を高めたテ−プカセットを提供
することを目的とする。

【０００２】

【従来の技術】一般に、テ−プカセットより磁気テ−プ
を引き出して所定のテ−プパスに装填するテ−プロ−デ
イング機構を備えた磁気記録再生装置に装着されて使用
されるテ−プカセットは、磁気テ−プが走行する前面側
に臨む位置に装置側のテ−プ引出部材が挿入される切欠
部，位置規制ピンが挿入される位置決め基準孔及び磁気
テ−プが繰り出される前面開口部を有する。前面開口部
での磁気テ−プを保護するために蓋体が設けられている
が、テ−プ引出部材が挿入される切欠部，位置規制ピン
が挿入される位置決め基準孔及びリ−ル軸挿入用孔は、
テ−プカセットの不使用時にも外部に露出されており、
磁気テ−プの損傷，埃の侵入等の原因となるものであ
り、これを防ぐ為には、前面開口部，切欠部，リ−ル軸
挿入用孔の夫々の開閉機構が必要になる等複雑な機構と
する必要があつた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかるテ−プカセット
は、保管中，運搬中に（不使用時に）外部に露出されて
いる切欠部，位置決め基準孔，リ−ル軸挿入用孔等を通
して埃等が容易に侵入しうるため、防塵効果は不十分で
あり、記録の高密度化等には不適当であるという問題点
があつた。また、最近ではテ−プカセットを小型にして
磁気テ−プへの情報信号の記録の高密度化を図ること等
に伴ない、磁気テ−プは埃等が付着していないクリ−ン
な状態であることが不可欠となり，テ−プカセットとし
ては埃等が内部に侵入しにくく防塵効果の高いものが要
望されている。

【０００４】なお、テ−プカセットを化粧ケ−ス内に収
納すると防塵効果は高く非常に有効となるが、テ−プカ
セットを記録再生装置へ装着する使用時にはテ−プカセ
ットを化粧ケ−スより取り出し、使用後には化粧ケ−ス
に入れるという面倒があり、しかもこの操作には両手を
必要とし、使い勝手は良くないものであつた。本発明
は、簡単な構成により、保管中，運搬中等の不使用時に
は前面開口部，切欠部，位置決め基準孔，リ−ル軸挿入
用孔を閉塞でき、使用時には記録再生装置への装着によ
り簡単に露出させることができ、磁気テ−プの位置精度
を高め得る、防塵性に優れた、磁気テ−プを損傷するこ
との少ない、操作性の良いテ−プカセットを提供するも
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、請求項１の本発
明テ−プカセットは、磁気テ−プを巻回した供給リ−ル
及び巻取リ−ルと、供給リ−ルよりカセット前面及びテ
−プ引出部材挿入用切欠部を通り巻取リ−ルに案内され
る磁気テ−プを持つテ−プカセットにおいて、カセット
筐体と、前面を走行する磁気テ−プを保護するようカセ
ット筐体に回動可能に設けられた蓋体と、カセット筐体
に対し摺動可能に設けられ、カセット筐体と協働して第
１位置でテ−プ引出部材挿入用切欠部及び位置決め基準
孔を閉塞し、第２位置でテ−プ引出部材挿入用切欠部及
び位置決め基準孔を露出する摺動体とにより構成され、
該位置決め基準孔はカセット筐体と摺動体とのうち磁気
テ−プを載置している一方のみに設けられ、他方には設
けられていないことを特徴としたテ−プカセットであ
る。

【０００６】また、請求項２の本発明テ−プカセット
は、前述の請求項１のテ−プカセットにおいて、前述の
位置決め基準孔が、テ−プカセット前方の底面に、且つ
テ−プ引出部材挿入用切欠部の近傍の両側に設けられ、
更にテ−プカセット後方の底面に摺動体の摺動により閉
塞されない第２の位置決め基準孔を持つことを特徴とし
たテ−プカセットである。

【０００７】

【実施例】まず、図１（Ａ）乃至（Ｃ），図２（Ａ），
（Ｂ）を参照して、本発明になるテ−プカセットの一実
施例について、概略的に説明する。図１（Ａ）乃至
（Ｃ）は、テ−プカセット１の不使用時における状態を
示し、図２（Ａ），（Ｂ）は使用時における状態を示
す。図１（Ａ）乃至（Ｃ）に示すように、テ−プカセッ
ト１は、大略箱状のカセットケ−ス２と、このカセット
ケ−ス２内に矢印Ｘ１方向に摺動可能に収納されている
摺動体３とより構成される。

【０００８】カセットケ−ス２は、底板、天板、両側面
板、背面板とよりなるカセット筐体２Ａと、カセット筐
体２Ａに開閉可能に設けてあり通常は閉じてカセット筐
体２Ａの前面の矩形状開口を塞ぐ蓋体２Ｂとにより概略
構成されている。摺動体３は、基板４上に、供給側磁気
テ−プ巻回体５及び巻取側磁気テ−プ巻回体６を並置
し、且つ左右側に磁気テ−プ７を案内するテ−プガイド
ポ−ル８ａ，８ｂ及びテ−プガイドローラ９ａ，９ｂを
設けてなる構成である。基板４には、テ−プガイドロー
ラ９ａと９ｂとの間にテ−プ引出部材が嵌入するための
切欠部１０が形成してある。

【０００９】不使用時には、図１（Ａ）乃至（Ｃ）に示
すように、摺動体３は矢印Ｘ2 方向に最大摺動して（第
１位置）カセットケ−ス２内に完全に収納されており、
切欠部１０及び位置決め基準孔１２ａ，１２ｂはカセッ
ト筐体２Ａの底板により塞がれている。カセット筐体２
Ａの底板のリ−ル軸嵌入用孔１７ａ，１７ｂと基板４の
リ−ル軸嵌入用孔１８ａ，１８ｂとは完全にずれてお
り、底板のリ−ル軸嵌入用孔１７ａ，１７ｂは、基板４
により塞がれている。また蓋体２Ｂは閉じられている。
カセットケ−ス２は、蓋体２Ｂが閉じた状態では開口を
有しない無開口の密閉筐体となり、この内部への埃の侵
入が効果的に防止され、磁気テ−プ７は埃の付着より良
好に保護される。即ちテ−プカセット１は、優れた防塵
性を有する。 テ−プカセット１は、図２（Ａ），
（Ｂ）に示す状態で磁気記録再生装置の作動位置に装着
される。即ち、装着過程で、蓋体２Ｂが軸２Ｂｂに関し
て約９０度回転して開き、この蓋体２Ｂの開蓋動作に連
動して、摺動体３が矢印Ｘ1 方向に所定距離摺動し（第
２位置）カセット筐体２Ａより一部引き出され、切欠部
１０及び位置決め基準孔１２ａ，１２ｂがカセットケ−
ス２外に露出し、且つ基板４のリ−ル軸嵌入用孔１８
ａ，１８ｂがカセット筐体２Ａのリ−ル軸嵌入用孔１７
ａ，１７ｂと一致する。テ−プカセット１は、基板４の
左右の位置決め基準孔１２ａ，１２ｂが位置決めピン１
３ａ，１３ｂに嵌合し、且つカセット筐体２Ａの背面側
の左右の第２の位置決め基準孔１４ａ，１４ｂが位置決
めピン１５ａ，１５ｂに嵌合して、テ−プカセット１の
前面側と高面側（背面側）で、摺動体３とカセットケ−
ス２との両方について位置決めされて装着され、テ−プ
引出部材１６ａ，１６ｂが切欠部１０内に相対的に嵌入
しテ−プガイドロ−ラ９ａ，９ｂ間の磁気テ−プ７の内
側に対向する。この後テ−プ引出部材１６ａ，１６ｂが
移動してテ−プロ−デイング動作が行われ、磁気テ−プ
７は引き出されて所定のパスに装填され当該パスに沿っ
て走行して磁気記録再生が行われる。この時磁気テ−プ
が走行しているカセット前面側で、且つ磁気テ−プの装
置への出入り口近傍で、磁気テ−プを載置している摺動
体３を直接位置規制しているため、カセット筐体２Ａの
厚み等のバラツキに関係せず精度の高い位置規制を行う
ことができる。

【００１０】また記録再生後テ−プカセット１が記録再
生装置より排出されると、排出される過程で蓋体２Ｂが
閉じ、これに連動して摺動体３が矢印Ｘ2 方向に摺動し
てカセット筐体２Ａ内に収納され（第１位置）、更には
位置決め基準孔１２ａ，１２ｂ，リ−ル軸嵌入用孔１７
ａ，１７ｂが基板４により塞がれて、防塵性を有する状
態で排出される。この時カセット筐体２Ａの底面には、
位置決め基準孔１２ａ，１２ｂに対応する位置に孔が設
けられていないため、悪戯されて塞がれる等がない。前
述の記載では蓋体２Ｂの開蓋及び閉蓋動作に連動して摺
動体３が摺動しているが、当然に摺動体３の摺動動作に
連動させて蓋体２Ｂを開蓋及び閉蓋させても良い。

【００１１】次に上記構成のテ−プカセット１につい
て、図３以下を参照して更に詳細に説明する。各図中図
１（Ａ）乃至（Ｃ）、図２（Ａ），（Ｂ）に示す構成部
分と実質上対応する部分には同一符号を付す。図３乃至
図５及び図８はテ−プカセット１の不使用時の状態、図
６，図７，図９は使用時の状態を示す。

【００１２】カセットケ−ス２のうちカセット筐体２Ａ
は、図５に示すように、上ハ−フ２０と下ハ−フ２１と
を上下重ねて固定してなる構造である。上ハ−フ２０
は、図１０（Ａ），（Ｂ）に示す形状であり、開口を有
しない天板２０ａの下面には摺動体３の摺動をスム−ズ
にするためのリブ２０ｂ，２０ｃ，２０ｄが形成してあ
る。下ハ−フ２１は、図１１（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）に
示す形状であり、底板２１ａには、テ−プ引出部材が嵌
入するための切欠及び位置決め用基準孔は形成されてい
ず、リ−ル軸嵌入用孔１７ａ，１７ｂだけが穿設してあ
る。この孔１７ａ，１７ｂは、後述するように不使用時
には摺動体３により塞がれるように中心より前側寄りの
位置に形成してある。また底板２１ａの上面には、摺動
体３をこれがスム−ズに摺動しうる状態で支持するリブ
２１ｂ，２１ｃ，２１ｄ、下面にはテ−プカセット１が
誤った向きで装置内へ挿入されることを制限する誤挿入
防止用溝２１ｅが形成してある。

【００１３】また下ハ−フ２１には、底板２１ａの前縁
より背面方向に延在する腕部２１ｆ，左右の側壁より突
出した案内リブ２１ｇ，２１ｈが形成してある。これら
は後述するように、協働して摺動体３の摺動を案内する
と共に摺動体３を高さ方向について位置規制する。また
下ハ−フ２１の左右の側壁には、細長開口２１ｉ，２１
ｊが、案内リブ２１ｇ，２１ｈに隣接してこれと同じ高
さ位置に形成してある。上記の上下ハ−フ２０，２１
は、蓋体２Ｂと併せて組合わされて、背面側の左右の二
箇所と前面開口２２側の中央の一箇所をねじ止め固定さ
れている。

【００１４】蓋体２Ｂは、図３，図４，図８に示すよう
に、両側の軸２Ｂa,２Ｂb を下ハ−フ２１の凹部２１
ｋ，２１ｌに嵌合させて矢印Ａ1,Ａ2 方向に回動可能に
設けてあり、通常は図３乃至図５に示すように前面開口
２２を覆つている。また蓋体２Ｂは、左右側の扇形ギヤ
２Ｂｃ，２Ｂｄを一体に有する。この扇形ギヤ２Ｂｃ，
２Ｂｄに関連して、上ハ−フ２０には、蓋体２Ｂの開蓋
を可能とする切欠２０ｅ，２０ｆが形成してある。

【００１５】摺動体３は、図５に示すように、図１２
（Ａ）に示す基板（下側スライド板）４と図１３に示す
天板（上側スライド板）２３との間にリ−ルハブ２４，
２５等を設けてなる構造である。基板４と天板２３と
は、図１４に示すように重ね合わせることにより組み立
てられ、基板４の爪４ａ〜４ｄが天板２３の垂下リブ２
３ａ〜２３ｄの開口23a-1 〜23d-1 に嵌合して、垂下リ
ブ２３ａ〜２３ｄ等により上下離間寸法を定められて固
定されている。

【００１６】基板４及び天板２３には、リ−ル軸嵌入用
孔１８ａ，１８ｂ，２３ｅ，２３ｆが対応して形成して
ある。一のリ−ルハブ２４は、上下端側を基板４及び天
板２３の環状溝４ｅ，２３等に嵌合させて、リ−ル軸嵌
入用孔１８ａ，２３ｅに対向して回転可能に設けてあ
り、別のリ−ルハブ２５は、上下端側を基板４及び天板
２３の環状溝４ｆ，２３ｈに嵌合させて、リ−ル軸嵌入
用孔１８ｂ，２３ｆに対向して回転可能に設けてある。
また基板４及び天板２３の前面には、切欠部１０及び２
３ｉが形成してある。

【００１７】また基板４には、切欠部１０の両側の張出
部４ｇ，４ｈに、図８に示すように上記扇形ギヤ２Ｂ
ｃ，２Ｂｄと噛合する図１２（Ｂ）に示すラツク４ｉ，
４ｊ（扇形ギヤ２Ｂｃ，２Ｂｄと噛合するラツク４ｉ，
４ｊで伝達部材を構成する。）、図１２（Ｃ）に示すポ
−ル４ｋ，４ｌ、及び図１２（Ｄ）に示す中空柱状のテ
−プガイドポ−ル８ａ，８ｂが形成してある。このテ−
プガイドポ−ル８ａ，８ｂの中空部分は位置決め基準孔
１２ａ，１２ｂとして機能する。ポ−ル４ｋ，４ｌに
は、カラ−２６ａ，２６ｂが回転可能に設けてある。ま
た基板４の上面には、図１２（Ａ）に示すように、縦方
向及び斜めにクロスする方向に延在する複数のリブ４ｍ
が形成してある。リブ４ｍは、図１２（Ｅ）に示すよう
に、突出高さの大なる高リブ部４ｍ-1( 図１２（Ａ）中
梨地で示す）と、突出高さの小さい低リブ部４ｍ-2とよ
りなる。

【００１８】またリ−ルハブ２４，２５の上下には、図
３及び図５に示すように繭形状のライナ２７，２８が嵌
合してあり、下側のライナ２８は高リブ部４ｍ-1及びブ
レ−キ部材２９により分散的に支持されている。図５に
示すように、上側のライナ２７の周縁は上向きのカ−ル
部２７ａ、下側のライナ２８の周縁は下向きのカ−ル部
２８ａとしてある。これにより、後述する記録再生時、
磁気テ−プ７は上下側縁（幅方向側縁）をカ−ル部２７
ａ，２８ａにより案内されてライナ２７，２８間にスム
−ズに進入することになり、テ−プ走行は安定となる。

【００１９】磁気テ−プ巻回体５，６は、夫々リ−ルハ
ブ２４，２５の周囲に、上下側をライナ２７，２８によ
り支持された状態で形成してある。またブレ−キ部材２
９は、図３及び図５に示すように、棒状部材２９ａとこ
の両端側のＶ字状腕部２９ｂ，２９ｃとよりなる樹脂形
成部材であり、低リブ部４ｍ-2上に載置されてこれとラ
イナ２８との間の偏平空間３３内に、Ｖ字状腕部２９
ｂ，２９ｃが夫々リ−ルハブ２４，２５に対向する向き
で、組込まれている。また基板４の左右側にはロック部
材３０ａ，３０ｂが取付けられている。

【００２０】次に上記構成のテ−プカセット１の不使用
時の状態及び使用に際しての動作等について、特に図３
乃至図９を参照して説明する。不使用時には、図３乃至
図５に示すように、蓋体２Ｂが閉じており、前面開口２
２は塞がれており、摺動体３はカセット筐体２Ａの最奥
部（収納位置，第１位置）に位置してカセット筐体２Ａ
内に完全に収納されている。切欠部１０及び位置決め基
準孔１２ａ，１２ｂは下ハ−フ２１の底板２１ａの前側
寄りの無切欠部分により覆われている。基板４のリ−ル
軸嵌入用孔１８ａ，１８ｂは下ハ−プ２１の底板２１ａ
ののリ−ル軸嵌入用孔１７ａ，１７ｂに対してカセット
筐体２Ａの奥方に偏倚して完全に食い違った状態にあ
り、孔１７ａ，１７ｂは基板４により塞がれている。更
には、孔１７ａ，１７ｂの周りには環状の防塵部材３１
ａ，３１ｂが設けてある。また更には、細長開口２１
ｉ，２１ｊはロック部材３０ａ，３０ｂの爪部３０ａ-
1，３０ｂ-1により塞がれている。

【００２１】これによりテ−プカセット１は、前面開口
２２を通しての埃の侵入及び切欠部１０、位置決め基準
孔１２ａ，１２ｂ、リ−ル軸嵌入用孔１７ａ，１７ｂを
通しての埃の侵入、更には細長開口２１ｉ，２１ｊを通
しての埃の侵入を共に十分に制限された防塵構造とな
り、磁気テ−プ７は埃悪戯等より十分に保護される。ま
た爪部３０ａ-1，３０ｂ-1が細長開口２１ｉ，２１ｊに
係合しており、摺動体３はカセットケ−ス２に対して摺
動不可能にロツクされている。摺動体３の基板４のラッ
ク４ｉ，４ｊには図８に示すように蓋体２Ｂの扇形ギヤ
２Ｂｃ，２Ｂｄが歯合しており、蓋体２Ｂも閉蓋位置に
間接的にロックされている。従って、取扱い中に、蓋体
２Ｂが不要に開いてしまい防塵性が損なわれるという不
都合は起こらない。

【００２２】更には、リ−ルハブ２４，２５は、ブレ−
キ部材２９の腕部２９ｂ，２９ｃにより押圧されて共に
制動されている。また更には、摺動体３は基板４の左右
両側を案内リブ２１ｇ，２１ｈにより係止されて、カセ
ットケ−ス２内で高さ方向にガタつくことも制限されて
いる。なお、上下ハ−フ２０，２１の突起２０ｇ，２１
ｍが突き合わされてポ−ル３２を形成している。このポ
−ル３２は、切欠部１０の前面に沿う部分の磁気テ−プ
７が弛緩した場合にも切欠部１０内に入り込むことを制
限するフェンスとして、且つカセットケ−ス２のうち強
度的に弱い前面開口２２側が押しつぶされないように補
強する補強支柱として機能する 上記のテ−プカセット１は蓋体２Ｂを前面として磁気記
録再生装置のカセットホルダ（共に図示せず）内に挿入
され、カセットホルダと共に移動してカセット装着位置
に至り装着される。カセット装着位置へ移動する過程
で、まず、図６に示すように、装置側のロック解除部材
３４ａ，３４ｂがカセットケ−ス２の細長開口２１ｉ，
２１ｊ内に進入する。これにより、ロック部材３０ａ，
３０ｂが弾性変形し、爪部３０ａ-1，３０ｂ-1が開口２
１ｉ，２１ｊより抜け出し、摺動体３はカセットケ−ス
２に対するロックを解除され、蓋体２Ｂも間接的なロッ
クを解除されて開蓋可能となる。次いで、蓋体２Ｂが開
蓋機構（図示せず）により矢印Ａ１方向に約９０度回動
して図７に示すように開く。

【００２３】蓋体２Ｂが開く方向に回動すると、図９に
示すように扇形ギヤ２Ｂｃ，２Ｂｄ，ラック４ｉ，４ｊ
（伝達部材）を介して、摺動体３は左右の両側を矢印Ｘ
１方向に駆動されてカセットケ−ス２に対して同方向
に、第２位置へ移動する。即ち、摺動体３は、蓋体２Ｂ
の開蓋動作に連動して矢印Ｘ１方向に所定ストロ−クＬ
摺動し、前面部分が開いた開口２２より出る。なお、摺
動体３は、左右の両側を駆動されて基板４の左右両端を
案内リブ２１ｇ，２１ｈにより案内されつつリブ２１ｂ
〜２１ｄ上を移動し、摺動体３はスム−ズに摺動する。
この実施例では、蓋体２Ｂの開蓋動作に連動して摺動体
３を摺動させているが、反対に摺動体３の摺動動作によ
り蓋体２Ｂを開蓋させることもできる。

【００２４】これにより、テ−プカセット１は、図６及
び図７に示すように、摺動体３の一部がカセット筐体２
Ａより引き出され、切欠部１０，２３ｉ及び位置決め基
準孔１２ａ，１２ｂが露出し、且つ、リ−ル軸嵌入用孔
１８ａ，１８ｂが夫々リ−ル軸嵌入用孔１７ａ，１７ｂ
と一致して露出した状態となる。テ−プカセット１はこ
の状態で装着位置に至り、摺動体３の位置決め基準孔１
２ａ，１２ｂが位置決めピン１３ａ，１３ｂに嵌合し、
且つカセット筐体２Ａの第２の位置決め基準孔１４ａ，
１４ｂが位置決めピン１５ａ，１５ｂに嵌合して、テ−
プカセット１の前面及び後面側で互いに水平垂直方向矢
印Ｘ１，Ｘ２方向について位置規制された状態で装着さ
れる。この時テ−プカセット１の装置側前面で、且つ装
置への出入り口近傍で直接磁気テ−プ７が載置されてい
る摺動体３を位置規制しているため、精度の高い位置規
制を行うことができる。リ−ルハブ２４，２５が、一致
した孔１７ａ，１８ａ及び１７ｂ，１８ｂを通してリ−
ルハブ２４，２５内に相対的に進入するリ−ル軸３５
ａ，３５ｂと嵌合し、且つ切欠部１０，２３ｉ内にテ−
プ引出部材１６ａ，１６ｂが相対的に進入する。なお、
摺動体３は、基板４の三箇所を案内リブ２１ｇ，２１ｈ
及び腕部２１ｆにより係止されてカセット筐体２Ａに対
する高さ方向についても規制されている。 更に、摺動
体３の上記摺動に関連してブレ−キ部材２９は、図６に
示すように、棒状部分２９ａが中央を腕部２１ｆにより
係止され、この左右側を高リブ４ｍ-1と一体の係止突起
４ｎ，４ｏにより係止されて弾性的に湾曲し、腕部２９
ｂ，２９ｃがリ−ルハブ２４、２５より離れる。これに
より、リ−ルハブ２４、２５が制動を解除される。

【００２５】この状態で、既に述べたように、テ−プ引
出部材１６ａ，１６ｂによりテ−プロ−デング動作が行
われ、続いて磁気記録再生が行われる。テ−プ巻回体
５，６は、上下のライナ２７，２８に対して滑りつつ安
定に回転し、下側のライナ２８上に支持されつつ形成さ
れる。また、テ−プカセット１が記録再生装置より排出
される過程で、蓋体２Ｂが矢印Ａ２方向に回動して閉
じ、摺動体３はこれに連動して、第１位置より第２位置
へ矢印Ａ２方向に摺動してカセット筐体２Ａ内に完全に
収納される。この排出時にも前述と同様に、まず摺動体
３が摺動しその動きに連動させて蓋体２Ｂを回動させて
閉蓋させることもできる。テ−プカセット１は、図３乃
至図５に示す元の状態でカセットホルダより排出され
る。なお、図６に示すように撓んだブレ−キ部材２９
は、摺動体３をカセット筐体２Ａ内に押し戻すようにも
作用しており、摺動体３の上記摺動はスム−ズとなる。

【００２６】

【発明の効果】前述の如く、本発明のテ−プカセットに
よれば、保管，運搬等の不使用時には、テ−プ引出手段
挿入用切欠部，位置決め基準孔及び磁気テ−プが外部に
露出していずに、カセット筐体内に完全に密閉されてい
る為、この切欠部，位置決め基準孔及び磁気テ−プへの
埃の侵入，更にはこの切欠部，位置決め基準孔を介して
のカセット内部への埃の侵入が確実に制限され、収納さ
れている磁気テ−プに外部の埃等が付着することを効果
的に防止することができ、優れた防塵性を有し、埃の付
着をきらう例えば高密度記録再生装置用カセットとし
て、最適なものとなり、また悪戯等により切欠部，位置
決め基準孔が塞がれる等を防止できる。使用時には、記
録再生装置への装着により摺動体の摺動でテ−プ引出手
段挿入用切欠部，位置決め基準孔及び磁気テ−プを外部
に自動的に露出し、磁気テ−プが走行しているカセット
前面側、且つ装置への出入り口近傍で、磁気テ−プを載
置している方を直接位置規制しているため、精度の高い
位置規制を行うことができる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本発明の一実施例のテ−プカセットの
不使用時の状態を概略的に示す平面図、（Ｂ）は側面
図、（Ｃ）は図１（Ａ）中ＩＣ−ＩＣ線に沿う断面矢視
図である。

【図２】（Ａ）は図１のテ−プカセットの使用時の状態
を概略的に示す平面図、（Ｂ）は図２（Ａ）中IIＢ−II
Ｂ線に沿う断面矢視図である。

【図３】本発明テ−プカセットの一実施例の不使用時の
状態を上ハ−フ及び天板等を省略して示す平面図であ
る。

【図４】図３の部分拡大平面図である。

【図５】図３中Ｖ−Ｖ線に沿う断面矢視図である。

【図６】図３のテ−プカセットの使用時の状態を示す平
面図である。

【図７】図６中VII −VII 線に沿う断面矢視図である。

【図８】蓋体の扇形ギヤとラツクとの関係を示す図４中
VIII−VIII線に沿う断面矢視図である。

【図９】テ−プカセットの使用時における図８に対応す
る図である。

【図１０】（Ａ），（Ｂ）は筐体の上ハ−フの平面図及
び側面図である。

【図１１】（Ａ）は筐体の下ハ−フの平面図、（Ｂ），
（Ｃ）は夫々下ハ−フの各部の形状を示す図１１（Ａ）
中ＸＩＢ−ＸＩＢ線，ＸＩＣ−ＸＩＣ線に沿う断面矢視
図である。

【図１２】（Ａ）は摺動体の基板の平面図、（Ｂ），
（Ｃ），（Ｄ），（Ｅ）は夫々基板の各部の形状を示す
図１２（Ａ）中ＸIIＢ−ＸIIＢ線，ＸIIＣ−ＸIIＣ線，
ＸIIＤ−ＸIIＤ線，ＸIIＥ−ＸIIＥ線に沿う断面矢視図
である。

【図１３】摺動体の天板の平面図である。

【図１４】摺動体の基板と天板とを相対向させて示す立
面図である。

【符号の説明】

１…テ−プカセット、 ２…カセットケ−
ス、２Ａ…カセット筐体、 ２Ｂ…蓋体、
２Ｂａ，２Ｂｂ…軸、 ２Ｂｃ，２Ｂｄ…
扇形ギア、３…摺動体、 ４…基
板、４ｉ，４ｊ…ラック、 ５…供給側磁
気テ−プ巻回体、６…巻取側磁気テ−プ巻回体、
７…磁気テ−プ、８ａ，８ｂ…テ−プガイドポ−ル、
９ａ，９ｂ…テ−プガイドロ−ラ、１０…切欠部、
１２ａ，１２ｂ…位置決め基準孔、１
３ａ，１３ｂ，１５ａ，１５ｂ…位置決めピン（位置規
制ピン） １４ａ，１４ｂ…第２の位置決め基準孔 １６ａ，１６ｂ…テ−プ引出部材、 １７ａ，１７ｂ…
筐体のリ−ル軸嵌入用孔、（筐体のリ−ル軸挿入用孔）
１８ａ，１８ｂ…基板のリ−ル軸嵌入用孔、（基板
のリ−ル軸挿入用孔） ２０…上ハ−フ、２１…下ハ
−フ、 ２１ａ…底板、２２…前面開
口、 ２３…天板（上側スライド
板）、２４，２５…リ−ルハブ、 ３５ａ，３
５ｂ…リ−ル軸、

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気テ−プを巻回した供給リ−ル及び巻取
   リ−ルと、供給リ−ルよりカセット前面及びテ−プ引出
   部材挿入用切欠部を通り巻取リ−ルに案内される磁気テ
   −プを持つテ−プカセットにおいて、カセット筐体と、
   前面を走行する磁気テ−プを保護するようカセット筐体
   に回動可能に設けられた蓋体と、カセット筐体に対し摺
   動可能に設けられ、カセット筐体と協働して第１位置で
   テ−プ引出部材挿入用切欠部及び位置決め基準孔を閉塞
   し、第２位置でテ−プ引出部材挿入用切欠部及び位置決
   め基準孔を露出する摺動体とにより構成され、該位置決
   め基準孔はカセット筐体と摺動体とのうち磁気テ−プを
   載置している一方のみに設けられ、他方には設けられて
   いないことを特徴としたテ−プカセット。
2. 【請求項２】請求項１に記載されている位置決め基準孔
   は、テ−プカセット前方の底面に、且つテ−プ引出部材
   挿入用切欠部の近傍の両側に設けられ、更にテ−プカセ
   ット後方の底面に摺動体の摺動により閉塞されない第２
   の位置決め基準孔を持つことを特徴とした請求項１のテ
   −プカセット。