JPH0631708U - 歯科用ハンドピース装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯科用ハンドピースにおいて、汚染した空気
や水を口腔内に供給しないようにし、かつ治療中プルバ
ック制御弁によって吸引した患者の口腔内液を逆流した
場合に直接別の人に入らないようにする。 【構成】 タービン羽根へ圧縮空気を供給するタービン
用給気路、洗浄水を口腔内へ供給する吸水道路、及び切
削層の吹き飛ばし用空気を供給するチップエア用給気路
のいずれか１以上にフィルタを設置して上記圧縮空気等
を濾過するようにした歯科用ハンドピース装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、タービン用給気通路，洗浄水の給水通路およびチップエアの給気 通路などに清浄な空気や水を通過させて、衛生的に歯科治療を実施できるように するための歯科用ハンドピース装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、歯の治療には歯牙を研削または研磨するバー、ポイント，ディスク などの歯牙切削用器具を取り付けた歯科用ハンドピース装置が広く用いられてい る。この歯科用ハンドピース装置は、タービンヘッド先端部の内部に空気圧を受 けて駆動されるタービン羽根などの駆動手段が設けられるとともに、タービンヘ ッド後端部にはその空気圧を供給する給気通路，歯牙を洗浄する洗浄水の給水通 路および切削屑吹とばし用空気のチップエア用給気通路などが内部に設けられる 。また、上記駆動手段は、研磨端（研磨工具）を先端に有する歯牙切削用器具を 回転するようになっている。歯科治療では、治療部分の位置や形状，あるいはそ の他治療の目的に合わせて、所定形状，サイズの研磨端を持った歯牙切削用器具 が選択され、これをタービンヘッドの工具ヘッドに着け替えて用いられる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる従来の歯科用ハンドピースにあっては、治療室内の空気 や水道水を、直接、タービン用給気通路，チップエア用給気通路や給水通路に導 入して、口腔内へ導入するため、その空気や水が汚染されている場合や、上記通 路へ導く配管の内部が汚染されている場合には、上記歯科治療が不衛生になると いう問題点があった。

【０００４】 また、通常、歯科治療時に加圧流体としての水の供給を停止する際、この加圧 流体をプルバック制御弁などによって一時吸引し、流体の滴下を防止するように したものでは、患者の口腔洗浄水が上記給気通路内に逆流するなどして上記配管 の内部が汚染されてしまうなどの問題点があった。

【０００５】 この考案は上記のような従来の諸問題点に着目してなされたものであり、各患 者の口腔内には常に清浄な空気や洗浄水が供給され、衛生的に歯科治療すること ができる歯科用ハンドピース装置を得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案にかかる歯科用ハンドピース装置は、歯牙切削用器具を回転駆動する タービン羽根へ通じるタービン用給気通路，タービンヘッド先端部へ洗浄水を供 給する給水通路およびタービンヘッド先端部へ切削屑吹とばし用空気を供給する チップエア用給気通路のいずれか１つまたは２つ以上に、空気や水を濾過するフ ィルタを設置するようにしたものである。

【０００７】

【作用】

この考案におけるフィルタは、タービン用給気通路，給水通路，チップエア用 給気通路の少なくとも１つに設けられて、タービンヘッド先端部側へ送られる空 気や水を清浄化し、あるいは空気や水を濾過してこれに含まれる塵埃などの固形 物を除去し、口腔内へ供給する。これにより、歯科治療を衛生的に行えるように し、タービン羽根の上記固形物等による回転異常を回避可能にする。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図について説明する。図３はこの考案の歯科用ハ ンドピース装置の全体を示す正面図であり、図において、１は把手部としてのハ ンドピース軸部で、これの後端には給排気パイプ，給水パイプ，ランプ用電線な どが導出されている。２はこのハンドピース軸部１に連結されたタービンヘッド 部であり、このタービンヘッド部２のタービンヘッド先端部３内には着脱自在に 装着された歯牙切削用器具４を駆動する周知のタービン羽根が、空気圧を受けて 回転するように設置されている。

【０００９】 また、上記タービンヘッド先端部３は図１および図２に示すように構成されて いる。同図において、６はハンドピース軸部１の先端外周に嵌合する継ぎ筒、７ はこの継ぎ筒６内にねじ部６ａでねじ込まれた筒状のジョイント止めねじで、こ のジョイント止めねじ７の後端内周にはフランジ部８が突設されている。

【００１０】 さらに、９はジョイント止めねじ７内に大径の基部９ａが嵌挿された透明部材 からなる着脱自在のタービン側ジョイントで、その後部の小径部９ｂ外周に形成 した複数のリング溝１０内にはそれぞれ、空気や水の通路を仕切るためのシール リング１１が嵌挿されている。１２は継ぎ筒６の先端に突出するジョイント止め ねじ７の先端に、ねじ部１２ａでねじ込まれたスリーブで、これがジョイント止 めねじ７の内周に予め嵌め込んだカラー２７を介して、タービン側ジョイント９ を、このジョイント止めねじ７に対し抜けないように固定している。なお、この スリーブ１２の内周には、上記タービンヘッド先端部３を先端に有するヘッド軸 部１３の後端がねじ部１２ｂでねじ結合されるようになっている。

【００１１】 一方、上記タービン側ジョイント９の後端部には、外周のリング溝２８内にシ ールリング２９を嵌挿したファイバ保持筒１４がねじ込まれ、この保持筒１４に 一端部が保持された光ファイバ１６が、タービン側ジョイント９の中心孔１５内 およびヘッド軸部１３内を介してタービンヘッド先端部３外へ臨むように配置さ れている。１７は保持筒１４の後端に形成された円錐状のランプの集光部で、継 ぎ筒６に嵌合されるハンドピース軸部１内に設けたランプ（図示しない）と多少 隙間をあけて配置されており、光を光ファイバ１６の後端へ入射させるようにな っている。

【００１２】 また、１８はタービン側ジョイント９内に形成したタービン用給気通路として の給気孔であり、この給気孔１８端の大径部１８ａには、給気用のフィルタ１９ を介してタービン用給気通路の一部を構成する給気パイプ２０端がシールコネク タ２１を介して取り付けられている。なお、このフィルタ１９として水は通さな いが空気を通すポリテトラフロロエチレンなどの多孔質材料などが用いられる。 そして、この給気パイプ２０はヘッド軸部１３内からタービンヘッド先端部３内 のタービン（図示しない）部まで延長され、さらに、このタービンを回転駆動さ せてから戻る空気を給気パイプ２０に並設した排気パイプ（図示しない）を通じ てタービン側ジョイント９内に形成した排気孔（図示しない）へ導出するように なっている。

【００１３】 さらに、２２は上記タービン側ジョイント９内に形成した給水通路としての給 水孔であり、この給水孔２２の大径部２２ａには、給水用のフィルタ２３を介し て給水通路の一部を構成する給水パイプ２４端がシールコネクタ２５を介して取 り付けられている。そして、この給水パイプ２４はヘッド軸部１３内からタービ ンヘッド先端部の噴出孔（図示しない）に連結されている。また、図示しないが 、給水孔２２の図上裏側にはチップエア用給気通路としてのチップエア用給気孔 が設けられ、このチップエア用給気孔にも、上記同様に給気用のフィルタを介し てチップエア用給気通路の一部を構成するチップエアパイプ２６が連結され、こ れの先端がタービンヘッド先端部３外へ臨むように配置されている。

【００１４】 さらに、３０は給水孔２２に連通する給水口、３１は上記チップエア用給気孔 に連通する給気口であり、ハンドピース軸部１をタービンヘッド部２に装着した 際には、シーリング１１，２９間の給気孔１８端にはハンドピース軸部１側の給 気パイプが、図示しない排気孔にはハンドピース軸部１側の排気パイプが、一対 のシーリング１１間の給水口３０が同じく給水パイプに、さらに他の一対のシー リング１１間の給水口３１が同じくチップエア用の給気パイプに接続されるよう になっている。なお、このとき、ハンドピース軸部１側のランプがランプ集光部 １７にわずかの隙間をあけて配置される。

【００１５】 かかる構成になる歯科用ハンドピース装置では、歯科治療に当ってタービンヘ ッド部２にハンドピース軸部１を上記のように連結し、起動操作を行う。これに より、上記ランプはランプ集光部１７にあって点灯し、その光を光ファイバ１６ を通してタービンヘッド先端部３外へ導出する。このため、口腔内の歯牙を照明 することができる。

【００１６】 一方、上記給気孔１８には圧縮空気が導入され、これがフィルタ１９および給 気パイプ２０を介してタービン羽根へ送り込まれ、このタービン羽根を駆動する 。また、このタービン羽根からの空気（排気）は図示しない排気孔を通じて、ハ ンドピース軸部１側の排気パイプへ送出される。このとき、フィルタは治療室内 の空気中の塵埃などの固形物や雑菌を除去して、上記口腔内に導入するため、歯 科治療が衛生的になされる。

【００１７】 また、通水口３０からは洗浄用の水が通水孔２２内に送り込まれ、この水はフ ィルタ２３によって汚濁物や雑菌が除去されて、給水パイプ２４を経て口腔内の 歯牙に吐出される。このため、歯牙に付着した切削屑が除去されるとともに、歯 牙や歯科材料の冷却が行われる。さらに、給気口からは空気が図示しないチップ エア用給気孔，フィルタおよびチップエアパイプ２６を介して歯牙に放出され、 汚染物質や雑菌のない圧縮空気により、切削屑などを瞬時にして周辺へ吹きとば し、治療効率を上げることができる。

【００１８】 このように、上記各フィルタ１９，２３などは空気中に存在する塵埃，固形物 ，汚濁物や雑菌を除去するため、口腔内には常に清浄な空気や水が供給され、ヘ ッド先端部から逆流する水や空気で汚れた通路から送られる空気や水を浄化する ことができる。そして、上記タービン側ジョイント９は透明部材からなり、スリ ーブ１２をジョイント止めねじ７から外してカラー２７とともに取り外すことに より、外部からフィルタ１９，２３の汚れを確認でき、適時新しいものと交換す ることができる。また、上記固形物によるタービン軸受の破損を招く心配がない ので、ハンドピース装置の耐久性が向上することとなる。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば、歯牙切削用器具を回転駆動するタービン羽 根へ通じるタービン用給気通路，タービンヘッド先端部へ洗浄水を供給する給水 通路およびタービンヘッド先端部へ切削屑吹とばし用空気を供給するチップエア 用給気通路のいずれか１つまたは２つ以上に、空気や水を濾過するフィルタを設 置するような構成としたので、歯科治療中に口腔内に導入される空気や水を清浄 で塵埃などを含まないものとすることができるほか、タービンヘッド先端部にお ける給気パイプや給水パイプの詰まり、タービン軸受の破損，故障を未然に防止 できるものが得られる効果があり、しかもこれを極めて経済的に実現できるとい う利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による歯科用ハンドピース
装置の要部を示す断面図である。

【図２】図１における歯科用ハンドピース装置の要部を
示す分解斜視図である。

【図３】この考案の歯科用ハンドピース装置の全体を示
す正面図である。

【符号の説明】

３ タービンヘッド先端部 ４ 歯牙切削用器具 １８ 給気孔（タービン用給気通路） １９，２３ フィルタ ２２ 給水孔（給水通路）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 歯牙切削用器具を回転駆動するタービン
   羽根へ圧縮空気を供給するタービン用給気通路，タービ
   ンヘッド先端部へ洗浄水を供給する給水通路およびター
   ビンヘッド先端部へ切削屑吹とばし用空気を供給するチ
   ップエア用給気通路のいずれか１つまたは２つ以上に、
   空気や水を濾過するフィルタを設置した歯科用ハンドピ
   ース装置。