JPH06316771A - 溶接性、耐食性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板 - Google Patents

溶接性、耐食性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板

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JPH06316771A
JPH06316771A JP5128493A JP12849393A JPH06316771A JP H06316771 A JPH06316771 A JP H06316771A JP 5128493 A JP5128493 A JP 5128493A JP 12849393 A JP12849393 A JP 12849393A JP H06316771 A JPH06316771 A JP H06316771A
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epoxy resin
steel sheet
layer
chromate
organic
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JP5128493A
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Takahiro Kubota
隆広 窪田
Masaaki Yamashita
正明 山下
Yoshio Kikuta
佳男 菊田
Kimio Kobori
公夫 小堀
Yasuhiko Haruta
泰彦 春田
Yoshio Imazaki
善夫 今崎
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Kansai Paint Co Ltd
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車車体等の外板・外面側に要求される高
度な溶接性を有し、且つ優れた耐食性、鮮映性を有する
有機複合被覆鋼板を提供すること 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の片面側のめっき層上に、
第1層としてクロメート層を10〜60mg/m2
し、その上層に第2層として、エポキシ系樹脂にエポキ
シ系樹脂/防錆添加剤=90/10〜40/60(不揮
発分の重量比)の割合で防錆添加剤が添加された膜厚
0.2〜0.6μmの有機皮膜を有し、亜鉛系めっき鋼
板の他の片面側のめっき層上に、第1層としてクロメー
ト層を20〜200mg/m2有し、その上層に第2層
として、エポキシ系樹脂にエポキシ系樹脂/防錆添加剤
=90/10〜40/60(不揮発分の重量比)の割合
で防錆添加剤が添加された膜厚0.4〜2μmの有機皮
膜を有する有機複合被覆鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車車体に使用さ
れる溶接性、耐食性、鮮映性に優れ、且つ耐パウダリン
グ性、塗料密着性にも優れた有機複合被覆鋼板に関する
ものである。
【従来技術】近年、北米や北欧などの寒冷地では、冬期
に散布する道路凍結防止用の塩類による自動車車体の腐
食が大きな社会問題となっている。この自動車車体の防
錆対策の一つとして、従来の冷延鋼板に代って耐食性に
優れた表面処理鋼板の使用比率が高まりつつあるのが現
状である。
【0002】このような表面処理鋼板として、特開昭6
4−8033号公報や特開平2−15177号公報に示
されるような有機複合被覆鋼板を挙げることができる。
これらの鋼板は、亜鉛系めっき鋼板をベースとして、第
1層にクロメート皮膜を有し、その上層に第2層として
エポキシ樹脂の末端に1個以上の塩基性窒素原子と2個
以上の一級水酸基とを付加させた基体樹脂と、ポリイソ
シアネート化合物およびブロックイソシアネート化合物
とからなる有機樹脂に、シリカと難溶性クロム酸塩を特
定の比率で添加した有機樹脂皮膜を有することを特徴と
する、耐食性、溶接性、耐パウダリング性、塗料密着性
に優れた有機複合被覆鋼板である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近の自動車の高級化
・個性化志向に伴い、塗装後の仕上がり品質、特に鮮映
性が重要視されるようになってきた。しかし、上記のよ
うな有機複合被覆鋼板は、自動車車体の外板および内板
の内面側に要求される耐孔あき性に関しては優れた特性
を有しているものの、自動車車体の外板・外面側の耐外
面錆性向上を目的として外板の外面側に適用した場合に
は、従来使用されている亜鉛系めっき鋼板と比較して鮮
映性がやや劣るという問題がある。また、これらの有機
複合被覆鋼板は、耐外面錆性に関しても必ずしも十分な
特性を有しているとは言い難い。
【0004】また、自動車車体においてユーザーの目に
直接曝される部位では、溶接部の圧痕が顕著に認められ
ると外観が劣り商品価値が損われるため、そのような部
位の溶接では外面側にフラットな形状の電極を配置する
特殊な溶接法が採られ、圧痕を目立たなくする工夫がな
されている。このように自動車車体の特定の部位では溶
接部の外観性が重要視され、強度確保だけを目的とした
通常のダイレクトスポット溶接とは異なる溶接方法が採
られているが、先に述べた従来の有機複合被覆鋼板は溶
接部の強度を得るという面でしか溶接性を考慮しておら
ず、溶接部の圧痕が目立ちにくいという観点からの溶接
性については必ずしも十分なものではない。この発明
は、上記のような従来の問題点を解決するためになされ
たもので、自動車車体等の外板・外面側に要求される高
度な溶接性を有するとともに、優れた耐食性、鮮映性を
有する有機複合被覆鋼板を得ることをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明の有機複合被覆鋼板は次のような構成を
有する。 (1) 亜鉛系めっき鋼板の片面側のめっき層上に、第
1層としてクロメート層を金属クロム換算で10〜60
mg/m2有し、その上層に第2層として、エポキシ系
樹脂にエポキシ系樹脂/防錆添加剤=90/10〜40
/60(不揮発分の重量比)の割合で防錆添加剤が添加
された膜厚0.2〜0.6μmの有機皮膜を有し、亜鉛
系めっき鋼板の他の片面側のめっき層上に、第1層とし
てクロメート層を金属クロム換算で20〜200mg/
2有し、その上層に第2層として、エポキシ系樹脂に
エポキシ系樹脂/防錆添加剤=90/10〜40/60
(不揮発分の重量比)の割合で防錆添加剤が添加された
膜厚0.4〜2μmの有機皮膜を有してなる溶接性、耐
食性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板。
【0006】(2) 上記(1)の有機複合被覆鋼板に
おいて、少なくとも鋼板の片面側の有機皮膜を構成する
エポキシ系樹脂が、エポキシ樹脂、多官能アミンおよび
モノイソシアネートからなる変性エポキシ樹脂(A)に
対し、ポリオール、ポリイソシアネートおよびブロック
剤からなるブロックウレタン(B)をA/B=95/5
〜50/50(不揮発分の重量比)の割合で混合したブ
ロックウレタン変性エポキシ樹脂である溶接性、耐食性
および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板。
【0007】(3) 上記(1)または(2)の有機複
合被覆鋼板において、鋼板の他の片面側の有機皮膜を構
成するエポキシ系樹脂が、エポキシ樹脂の末端に少なく
とも1個以上の塩基性窒素原子と少なくとも2個以上の
一級水酸基とを付加せしめてなる変性エポキシ樹脂
(C)に対し、ポリイソシアネート化合物(D)をC/
D=95/5〜55/45(不揮発分の重量比)の割合
で混合したアミン変性エポキシ樹脂である溶接性、耐食
性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板。
【0008】(4) 上記(1)、(2)または(3)
の有機複合被覆鋼板において、有機皮膜を構成する防錆
添加剤がシリカである溶接性、耐食性および鮮映性に優
れた有機複合被覆鋼板。 (5) 上記(1)、(2)または(3)の有機複合被
覆鋼板において、有機皮膜を構成する防錆添加剤が難溶
性クロム酸塩である溶接性、耐食性および鮮映性に優れ
た有機複合被覆鋼板。 (6) 上記(1)、(2)または(3)の有機複合被
覆鋼板において、有機皮膜を構成する防錆添加剤が、下
記割合からなるシリカおよび難溶性クロム酸塩である溶
接性、耐食性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板。 シリカ/難溶性クロム酸塩=90/10〜10/90
(不揮発分の重量比)
【0009】
【作用】以下、本発明の詳細とその限定理由を説明す
る。ベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっ
き鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金め
っき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−Al合金
めっき鋼板、Zn−Cr合金めっき鋼板、Zn−Co−
Cr合金めっき鋼板、また、上記各めっき成分に金属酸
化物(例えば、シリカ、アルミナ)、難溶性クロム酸塩
(例えば、クロム酸バリウム)、ポリマー等を分散めっ
きした亜鉛系複合めっき鋼板等を挙げることができる。
また、上記のようなめっきのうち同種または異種のもの
を2層以上めっきした複層めっき鋼板であってもよい。
めっき方法としては、電解法、溶融法、気相法のうち実
施可能ないずれの方法を採用することもできるが、下地
の冷延鋼板の選択性からは、電解法が有利である。
【0010】なお、以下の説明において有機複合被覆鋼
板のおもて面、裏面という場合、おもて面とは上述した
鋼板の片面側を、裏面とは鋼板の他の片面側を指すもの
とする。これら鋼板の各面は以下のような使用態様を前
提としている。 おもて面:自動車車体等の外板または内板の外面側に
使用される面 裏面:自動車車体等の外板または内板の内面側に使用
される面 上記の亜鉛系めっき鋼板の表面に形成されるクロメート
層は、6価クロムのクロム酸イオンによる自己修復作用
により亜鉛系めっき鋼板の腐食を抑制する。自動車車体
のおもて面のように3コート塗装が施されることを前提
とする鋼板面の場合、そのクロメート層の付着量が、金
属クロム換算で10mg/m2未満では十分な耐食性
(耐外面錆性)を期待することができず、一方、60m
g/m2を超えるとスポット溶接時の圧痕が顕著にな
り、溶接部の外観が劣化する。さらに高度な耐外面錆
性、溶接性(溶接部の外観性)を満足させるためには、
おもて面側のクロメート付着量は金属クロム換算で20
〜50mg/m2の範囲が好しい。以上の理由から、鋼
板のおもて面側のクロメート層の付着量は金属クロム換
算で10〜60mg/m2、好しくは20〜50mg/
2とする。
【0011】自動車車体の裏面側、特にドアのように袋
構造となっている部位では、スプレー塗装が行き届か
ず、電着塗装も十分には付き回らないことが多いため、
特に無塗装での耐食性(耐孔あき性)が重要となる。ク
ロメート層の付着量が金属クロム換算で20mg/m2
未満では、十分な耐孔あき性を期待することができな
い。また、裏面側は直接ユーザーの目に曝される機会が
少ないため、スポット溶接部の外観は特に重要ではな
く、むしろ溶接部の強度が重要になってくる。クロメー
ト層の付着量が200mg/m2を超えるとスポット溶
接を連続的に行った際の強度が不安定となり問題があ
る。さらに高度な耐外面錆性、溶接性を満足させるため
には、裏面側のクロメート付着量は金属クロム換算で2
5〜100mg/m2の範囲が好しい。以上の理由か
ら、鋼板の裏面側のクロメート層の付着量は金属クロム
換算で20〜200mg/m2、好しくは25〜100
mg/m2とする。クロメート層を形成するためのクロ
メート処理としては、反応型、電解型、塗布型のいずれ
の方法も適用可能である。耐食性の観点からは、クロメ
ート皮膜中に6価クロムのクロム酸イオンを多く含有す
る塗布型が好しい。
【0012】塗布型クロメート処理は、部分的に還元さ
れたクロム酸水溶液を主成分とし、 水溶性または水分散性のアクリル樹脂、ポリエステル
樹脂等の有機樹脂 シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の酸化物
コロイド類および/または粉末 モリブデン酸、タングステン酸、バナジン酸等の酸お
よび/またはその塩類 りん酸、ポリりん酸等のりん酸類 ジルコニウムフッ化物、ケイフッ化物、チタンフッ化
物等のフッ化物 亜鉛イオン等の金属イオン りん化鉄、アンチモンドープ型酸化錫等の導電性微粉
末 上記〜の成分の中から、必要に応じて1種以上を添
加された処理液を亜鉛系めっき鋼板に塗布し、水洗する
ことなく乾燥させる。塗布型クロメート処理は、通常、
ロールコーター法により処理液を塗布するが、浸漬法や
スプレー法により塗布した後に、エアナイフ法やロール
絞り法により塗布量を調整することも可能である。
【0013】上記のように、亜鉛系めっき鋼板の表面に
形成されたクロメート層の上層に、第2層として形成さ
れた有機皮膜は、クロメート層中の6価のクロム酸イオ
ンの腐食環境中への過剰な溶出を抑制し、防食効果を持
続させるとともに、有機皮膜中に添加されたシリカやク
ロム酸塩によりさらに耐食性を向上させる。鋼板のおも
て面側については、この有機皮膜の膜厚が0.2μm未
満では十分な耐外面錆性を期待することができず、一
方、0.6μmを超えると溶接部の圧痕の外観が劣化
し、また、鮮映性も十分ではない等の問題がある。ま
た、さらに高度な耐外面錆性、溶接性、鮮映性を満足さ
せるためには、0.25〜0.5μmの範囲が好しい。
以上の理由から、鋼板のおもて面側の有機皮膜の膜厚は
0.2〜0.6μm、好しくは0.25〜0.5μmと
する。これに対し鋼板の裏面側については、有機皮膜の
膜厚が0.4μm未満では十分な耐孔あき性を期待する
ことができず、一方、2μmを超えるとスポット溶接を
連続的に行った際の強度が不安定となる。また、さらに
高度な耐孔あき性、溶接性を満足させるためには、0.
45〜1.5μmの範囲が好しい。以上の理由から、鋼
板の裏面側の有機皮膜の膜厚は0.4〜2μm、好しく
は0.45〜1.5μmとする。
【0014】鋼板のおもて面側は特に高度な鮮映性が要
求されるため、有機皮膜はエポキシ樹脂、多官能アミン
およびモノイソシアネートからなる変性エポキシ樹脂
(A)とポリオール、ポリイソシアネートおよびブロッ
ク剤とからなるブロックウレタン(B)をA/B=95
/5〜50/50の割合(不揮発分の重量比)で混合し
たブロックウレタン変性エポキシ樹脂を基体樹脂とし、
これに所定の割合で防錆添加剤を添加したものが好し
い。
【0015】以下、上記ブロックウレタン変性エポキシ
樹脂について説明する。エポキシ樹脂としては、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ノボラック等をグリシ
ジルエーテル化したエポキシ樹脂、ビスフェノールAに
プロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドを付加
しグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂等を用いるこ
とができる。さらに、脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポ
キシ樹脂、ポリエーテル系エポキシ樹脂も用いることが
でき、また、これらのエポキシ樹脂を2種以上併用する
ことも可能である。ここで、エポキシ樹脂のエポキシ当
量は400以上が耐食性の点から好しい。
【0016】これらのエポキシ樹脂のグリシジル基と多
官能アミンを反応させることで変性エポキシ樹脂(A)
を得ることができる。多官能アミンとしては、エタノー
ルアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミ
ン、ブタノールアミン等の1級のアルカノールアミン、
プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、デシ
ルアミン等の1級アルキルアミン、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、キ
シレンジアミン、アミノエチルピペラジン、ノルボルナ
ンジアミノメチル等の1分子中に活性水素を2個以上有
するもの等が挙げられ、また、これらアミンを2種以上
併用することも可能である。多官能アミンとしてはアル
カノールアミンが耐食性および塗料密着性の点から特に
好しい。
【0017】モノイソシアネートとしては、脂肪族モノ
アミンまたは芳香族モノアミンにホスゲンを反応させた
もの、また、ジイソシアネート化合物の一方のイソシア
ネート基と脂肪族アルコール、芳香族アルコールまたは
脂環族アルコールを反応させたものを用いることができ
る。ここで、アルコールとしては炭素数4以上のアルコ
ールが、エポキシ樹脂との相溶性の点から特に好しい。
ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等
の脂肪族イソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネー
トメチル等の脂環族イソシアネート等を用いることがで
き、また、これらを2種以上混合して使用することも可
能である。エポキシ樹脂をこれらのモノイソシアネート
で変性することにより耐食性が向上する。
【0018】変性エポキシ樹脂(A)の合成例として
は、エポキシ樹脂のグリシジル基に対し多官能アミンの
活性水素を1.1〜1.8倍当量となるように両者を混
合し、70〜150℃で4〜10時間反応させ、さらに
モノイソシアネートを残存するアミンの活性水素に対し
0.7〜2.0倍当量となるように添加し30〜100
℃で反応を継続する例が挙げられる。
【0019】本発明のブロックウレタン(B)とは、イ
ソシアネート化合物の活性の強いイソシアネート基を適
当な化合物で保護し不活性としたもので、加熱すればブ
ロック剤が解離し、容易にイソシアネート基の活性を再
生するものである。すなわち変性エポキシ樹脂の硬化剤
としての役割を持つ。ポリオールとしては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール等の
低分子ポリオール、さらにカプロラクトンあるいは低分
子ポリオールとジカルボン酸から得られるポリエステル
ポリオール、さらに分子量が400以上であるポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等の高分子ポリオールが例示で
き、これらのポリオールを2種以上併用することも可能
である。ここでポリオールとしては、高分子ポリオール
を用いると有機皮膜に適度な親水性が付与され、カチオ
ン電着塗料とのなじみが向上して平滑な電着塗装面が得
られ、中・上塗り塗装後の鮮映性に優れ好しい。
【0020】ポリイソシアネートとしては、前述したジ
イソシアネートの全て、およびこれらの混合物、多核体
を用いることができる。ブロック剤としてはフェノール
等のフェノール系化合物、ε−カプロラクタム等のラク
タム系化合物、メチルエチルケトオキシム等のオキシム
系化合物、エチレンイミン等のイミン系化合物等を用い
ることができ、また、これら2種以上の混合物を使用す
ることも可能である。ブロックウレタン(B)は、ポリ
イソシアネートのイソシアネート基がポリオールの水酸
基に対し過剰となるように両者を混合・反応させること
によりプレポリマーを合成し、さらにこのプレポリマー
の残存イソシアネート基をブロック剤で保護することで
得られる。なお、これらの反応温度は30〜100℃で
ある。
【0021】本発明で使用するブロックウレタン変性エ
ポキシ樹脂は、前述の変性エポキシ樹脂(A)とブロッ
クウレタン(B)とを混合し、得ることができる。混合
割合(不揮発分の重量比)は、A/B=95/5〜50
/50の範囲とする。A/Bが95/5を超えると中・
上塗り塗装後の鮮映性が劣化し、一方、A/Bが50/
50未満では耐食性が劣化する。また、さらに高度な鮮
映性、耐食性を得るためには、A/B=90/10〜6
0/40の範囲とすることが好しい。
【0022】鋼板の裏面側の有機皮膜についても、上記
と同様のブロックウレタン変性エポキシ樹脂、すなわ
ち、エポキシ樹脂、多官能アミン、モノイソシアネート
とからなる変性エポキシ樹脂(A)とポリオール、ポリ
イソシアネートおよびブロック剤からなるブロックウレ
タン(B)とをA/B=95/5〜50/50(不揮発
分の重量比)の割合で混合したブロックウレタン変性エ
ポキシ樹脂を用いることができる。しかし、鋼板裏面側
はそのクロメート付着量がおもて面よりも比較的多いた
めに、より高度の耐クロム溶出性が要求され、また一方
で、おもて面側に較べてそれほど高度な鮮映性を要求さ
れないことから、樹脂としては、エポキシ樹脂の末端に
少なくとも1個以上の塩基性窒素原子と少なくとも2個
以上の一級水酸基とを付加せしめてなる変性エポキシ樹
脂(C)に対し、ポリイソシアネート化合物(D)をC
/D=95/5〜55/45(不揮発分の重量比)の割
合で混合したアミン変性エポキシ樹脂を用いる方が有利
である。
【0023】以下、上記アミン変性エポキシ樹脂ついて
説明する。変性エポキシ樹脂(C)を構成するエポキシ
樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン
とを縮合反応させた縮合物を主体としたものが好しい。
エポキシ樹脂としては、例えばエポキシ化油、エポキシ
ポリブタジエンのような脂肪族構造或いは脂環族構造の
みからなるものがあるが、優れた耐食性を得るために
は、上記縮合物を主体としたエポキシ樹脂を用いるのが
好しい。このエポキシ樹脂としては、エピコート82
8、1001、1004、1007、1009、101
0(いずれも油化シェルエポキシ(株)製)等を用いるこ
とができる。このエポキシ樹脂は、特に低温での硬化を
必要とする場合には、数平均分子量1500以上のもの
が好しい。なお、上記のエピコートは単独または異なる
種類のものを混合して使用することができる。これらの
エポキシ樹脂に塩基性窒素原子と一級水酸基とを付加す
ることにより、変性エポキシ樹脂(C)を得ることがで
きる。
【0024】エポキシ樹脂に塩基性窒素原子と一級水酸
基とを導入するには、例えばアルカノールアミンおよび
/またはアルキルアルカノールアミンをエポキシ樹脂の
オキシラン基に付加せしめる方法を採ることができる。
これらのアミンとしては、例えばモノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、
モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブ
タノールアミン等があり、これらのアミンを単独または
混合して使用する。また、エポキシ樹脂1分子中に平均
2モル以上の一級水酸基を含有させることができれば、
エポキシ樹脂を部分的に他の化合物で変性してもよい。
部分的変性の方法としては、(1)モノカルボン酸によ
るエステル化、(2)脂肪族または芳香族アミンによる
変性、(3)オキシ酸類による変性、等がある。その
他、ジカルボン酸による変性方法もあるが、分子量のコ
ントロールが困難となるため本発明の樹脂組成物には適
さない。
【0025】上記のようなエポキシ樹脂は、その塩基を
低分子酸で中和し、水分散若しくは水溶型組成物として
使用することも可能であるが、このようにして使用する
と低温で焼付けた場合などに強固な皮膜を得ることがで
きない。この結果、水溶化のため用いられる酸性化合物
が皮膜中で塩を形成し、湿潤環境下で水分を皮膜中に呼
びこみ易いため、耐食性、密着性を劣化させる。加え
て、このような水系組成物を使用した場合、クロメート
皮膜中の6価クロムが樹脂液中に溶出して液がゲル化し
易く、作業性が悪くなる。以上の点から樹脂組成物は溶
剤型のものが用いられる。
【0026】有機溶剤種としては、炭化水素系、ケトン
系、エステル系、エーテル系、低分子C4以下のアルコ
ール類、若しくは2、3級の水酸基を有するアルコール
類の1種または2種以上を混合して使用できるが、高沸
点のアルコール系溶媒は樹脂皮膜の硬化反応を阻害する
ため好しくない。樹脂組成物皮膜を形成する場合の硬化
方法は、イソシアネートと基体樹脂中の水酸基との間の
ウレタン化反応を主反応とすることが好適ではあるが、
皮膜形成前の樹脂組成物を安定に保存せしめるために
は、硬化剤のイソシアネートを保護する必要がある。イ
ソシアネート化合物の保護方法としては、加熱時に保護
基が脱離し、イソシアネート基が再生する保護方法を採
用できる。
【0027】本発明で使用するポリイソシアネート化合
物(D)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネー
ト基を有する脂肪族、脂環族(複素環を含む)または芳
香族イソシアネート化合物、若しくはそれらの化合物を
多価アルコールで部分反応せしめた化合物である。例え
ば、以下のものを挙げることができる。 (1)m−またはp−フェニレンジイソシアネート、
2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、p
−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート (2)上記(1)の化合物の単独または混合と多価アル
コール(エチレングリコール、プロピレングリコール等
の2価アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロ
パン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール等の4
価アルコール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール
等の6価アルコール等)との反応生成物で1分子中に少
なくとも2個のイソシアネートが残存する化合物
【0028】また、この保護剤(ブロック剤)として
は、例えば、 (1)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、オクチルアルコール等の脂肪族モノアルコール類 (2)エチレングリコールおよび/またはジエチレング
リコールのモノエーテル類、例えばメチル、エチル、プ
ロピル(n−,iso)、ブチル(n−,iso,se
c)等のモノエーテル (3)フェノール、グレゾール等の芳香族アルコール (4)アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム等
のオキシム 等があり、これらの1種または2種以上と前記イソシア
ネート化合物とを反応させることにより、少なくとも常
温下で安定に保護されたイソシアネート化合物を得る。
【0029】このようなポリイソシアネート化合物
(D)は、硬化剤として変性エポキシ樹脂(C)に対
し、C/D=95/5〜55/45(不揮発分の重量
比)、好しくはC/D=90/10〜65/35の割合
で配合する。ポリイソシアネート化合物は吸水性があ
り、C/Dが55/45未満ではポリイソシアネート化
合物が過剰となり、密着性を劣化させてしまう。さら
に、自動車用表面処理鋼板として電着塗装やスプレー塗
装を行った場合、未反応のポリイソシアネート化合物が
塗膜中に移動し、塗膜の硬化阻害や密着性不良を起して
しまう。このような観点から、C/Dは55/45以
上、好しくは65/35以上とする。一方、C/Dが9
5/5を超えると樹脂の架橋度が不十分となり、耐水
性、密着性を劣化させる。さらに高度な耐水性、密着性
を確保するためには、C/Dを90/10以下とするこ
とが好しい。
【0030】さらに、架橋剤として、メラミン、尿素及
びベンゾグアナミンの中から選ばれた1種以上にホルム
アルデヒドを反応させたメチロール化合物の一部若しく
は全部に炭素数1〜5の1価アルコールを反応させてな
るアルキルエーテル化アミノ樹脂をイソシアネート化合
物と併用してもよい。なお、樹脂は以上のような架橋剤
で十分架橋するが、さらに低温架橋性を増大させるた
め、公知の硬化促進触媒を使用することが望ましい。こ
の硬化促進触媒としては、例えば、N−エチルモルホリ
ン、ジブチルスズラウレート、ナフテン酸コバルト、塩
化第1スズ、ナフテン酸亜鉛、硝酸ビスマス等がある。
また、付着性等の若干の物性向上を狙いとして、上記樹
脂組成物に公知のアクリル、アルキッド、ポリエステル
等の樹脂を併用することもできる。
【0031】以上のような変性エポキシ樹脂(C)とポ
リイソシアネート化合物(D)からなるアミン変性エポ
キシ樹脂が、先に述べたブロックウレタン変性エポキシ
樹脂よりも鋼板裏面側の有機皮膜用の樹脂として好しい
のは、以下のような理由による。すなわち、鋼板の裏面
側はクロメート付着量がおもて面側よりも比較的多いこ
とから、より高度な耐クロム溶出性が要求される。耐ク
ロム溶出性を改善するためには有機皮膜の水やイオンの
透過性を抑制する必要があるが、上述した変性エポキシ
樹脂(A)およびブロックウレタン(B)からなるブロ
ックウレタン変性エポキシ樹脂は、有機皮膜に対する水
やイオンの透過が比較的自由であり、このため平滑な電
着塗膜が得られ、外板の外面側に要求される高度な鮮映
性が得られる反面、耐クロム溶出性についてはやや劣
る。これに対し、変性エポキシ樹脂(C)とポリイソシ
アネート化合物(D)からなるアミン変性エポキシ樹脂
は、有機皮膜の水やイオンの透過性が低く、上記のブロ
ックウレタン変性エポキシ樹脂に較べ優れた耐クロム溶
出性が得られる。また、鋼板裏面側はそれほど高度な鮮
映性を要求されないため、優れた鮮映性が得られる上記
のブロックウレタン変性エポキシ樹脂を用いる必要性が
乏しく、耐クロム溶出性に優れた上記のアミン変性エポ
キシ樹脂を用いることが可能となる。
【0032】本発明では、上述したブロックウレタン変
性エポキシ樹脂またはアミン変性エポキシ樹脂等のエポ
キシ系樹脂に、樹脂/防錆添加剤=90/10〜40/
60(不揮発分の重量比)の割合で防錆添加剤が添加さ
れ、これにより優れた耐食性が得られる。この防錆添加
剤としては、シリカまたは/および難溶性クロム酸塩が
添加される。シリカは、亜鉛系めっき鋼板の腐食生成物
のうち腐食の抑制に有効な塩基性塩化亜鉛の生成を促進
する効果を有するほか、腐食環境中に微量に溶解するこ
とにより、ケイ酸イオンが皮膜形成型腐食抑制剤として
機能することにより、防食効果が発揮されるものと推定
される。ここで、エポキシ系樹脂中へのシリカの添加量
としては、エポキシ系樹脂/シリカの不揮発分の重量比
が90/10を超えると、シリカによる防食効果が十分
に発揮されず耐食性が劣る。一方、40/60未満であ
ると、エポキシ系樹脂のバインダーとしての効果が不十
分となり、塗料密着性が劣化する。
【0033】本発明で使用するシリカとしては、乾式シ
リカ(例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSI
L 130、AEROSIL 200、AEROSIL
300、AEROSIL 380、AEROSIL R9
72、AEROSIL R811、AEROSIL R8
05等)、オルガノシリカゾル(例えば、日産化学工業
(株)製のMA−ST、IPA−ST、NBA−ST、
IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、ETC−S
T、DMAC−ST等)、沈降法湿式シリカ(例えば、
徳山曹達(株)製のT−32(S)、K−41、F−8
0等)、ゲル法湿式シリカ(例えば、富士デヴィソン化
学(株)製のサイロイド244、サイロイド150、サ
イロイド72、サイロイド65、SHIELDEX等)
等を使用することができる。また、上記のシリカを2種
以上混合して使用することも可能である。
【0034】シリカ表面のシラノール基をメチル基等で
置換することにより表面を疎水化した疎水性シリカをエ
ポキシ系樹脂に添加した場合には、有機皮膜とカチオン
電着塗料とのなじみが悪くなり、平滑な電着塗装面が得
られないことから、中・上塗り塗装後の鮮映性が劣る。
したがって、優れた鮮映性を得るためには、表面を疎水
化していないシリカの方が好しい。
【0035】また、有機皮膜中に添加された難溶性クロ
ム酸塩は、腐食環境中で微量に溶解することにより、6
価のクロム酸イオンを放出し、クロメート層と同様の機
構で亜鉛系めっき鋼板の腐食を抑制するものと考えられ
る。ここで、エポキシ系樹脂中への難溶性クロム酸塩の
添加量としては、エポキシ系樹脂/難溶性クロム酸塩の
不揮発分の重量比が90/10を超えると、難溶性クロ
ム酸塩による防食効果が十分に発揮されず耐食性が劣
る。一方、40/60未満であると、エポキシ系樹脂の
バインダーとしての効果が不十分となり、塗料密着性が
劣化する。
【0036】本発明で使用する難溶性クロム酸塩として
は、クロム酸バリウム(BaCrO4)、クロム酸スト
ロンチウム(SrCrO4)、クロム酸カルシウム(C
aCrO4)、クロム酸亜鉛(ZnCrO4・4Zn(O
H)2)、クロム酸亜鉛カリウム(K2O・4ZnO・4
CrO3・3H2O)、クロム酸鉛(PbCrO4)等の
微粉末を使用することができる。また、上記の難溶性ク
ロム酸塩を2種以上混合して使用することも可能であ
る。但し、クロム酸亜鉛やクロム酸亜鉛カリウムは水に
対する溶解度が比較的大きいため、耐食性の観点から
は、長期にわたってクロム酸イオンによる自己修復効果
の期待できるクロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウ
ムを使用することが好しい。また、自動車の塗装前処理
工程において、有機皮膜中からの水可溶性クロムの溶出
をできるだけ少なくするという観点からは、水に対する
溶解度の小さいクロム酸バリウムが好しい。
【0037】本発明では、エポキシ系樹脂にシリカおよ
び難溶性クロム酸塩を特定の比率で配合することによ
り、双方の防食効果の相乗効果により、最も優れた耐食
性を実現できる。すなわち、シリカおよび難溶性クロム
酸塩が不揮発分の重量比で、 エポキシ系樹脂/(シリカ+難溶性クロム酸塩)=9
0/10〜40/60 シリカ/難溶性クロム酸塩=90/10〜10/90 の割合で配合された場合に、最も優れた耐食性を得るこ
とが可能となる。ここで、エポキシ系樹脂/(シリカ+
難溶性クロム酸塩)が90/10を超えると、シリカお
よび難溶性クロム酸塩による防食効果が十分に発揮され
ず耐食性が劣る。一方、40/60未満であると、エポ
キシ系樹脂のバインダーとしての効果が不十分となり、
塗料密着性が劣化する。また、シリカ/難溶性クロム酸
塩が90/10を超えても、10/90未満でも相乗効
果が不十分となり、耐食性がやや劣る。
【0038】なお、本発明では、上記のシリカおよび/
または難溶性クロム酸塩がエポキシ系樹脂中への主な添
加剤成分となるが、その他にもシランカップリング剤、
着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニ
ン系有機顔料等)、着色染料(例えば、アゾ系染料、ア
ゾ系金属錯塩染料等)、潤滑剤(例えば、ポリエチレン
系ワックス、テフロン、グラファイト、二硫化モリブデ
ン等)、防錆顔料(例えば、トリポリりん酸二水素アル
ミニウム、りんモリブデン酸アルミニウム、りん酸亜鉛
等)、導電顔料(例えば、りん化鉄、アンチモンドープ
型酸化錫等)、界面活性剤などから1種以上をさらに配
合することも可能である。
【0039】次に、塗料組成物を構成する有機溶剤の好
しい条件を説明する。塗料組成物は、上述した各成分を
有機溶剤に溶解または分散させることにより得られる
が、この塗料組成物中の有機溶剤の割合は70〜95w
t%とすることが好しい。塗料中の溶剤分が70%未満
では塗料の粘度が高く、チキソトロピック性も強いため
に、塗料の均一な薄膜塗布が困難となり、塗装作業性に
問題を生じる。また、塗料中の溶剤分が95%を超える
と、必要以上に塗料の固形分濃度が低くなるため、ロー
ルコーター等で塗布する際に所定の付着量を得ることが
困難となる。
【0040】また、有機樹脂としてブロックウレタン変
性エポキシ樹脂を用いる場合には、ジアセトンアルコー
ルおよび/またはジエチレングリコールモノブチルエー
テルを50wt%以上含有する有機溶剤を用いることが
好しい。この理由は以下の通りである。すなわち、本発
明では優れた鮮映性を得るために、特定のブロックウレ
タン変性エポキシ樹脂と表面を疎水化していないシリカ
(親水性シリカ)を用いることが好しいが、表面を疎水
化していないシリカを塗料組成物中に多量に添加すると
塗料の粘度が著しく高くなり、ロールコーター等で薄膜
塗布を行う際にムラが発生し易いという問題を生じる。
塗料の粘度を下げる方法として、一般的には水素結合性
の高い溶媒、例えば水やアルコール系溶剤等の使用が考
えられるが、これらは本発明で使用するブロックウレタ
ン変性エポキシ樹脂に対しては極性が高過ぎるため溶解
性がなく、使用できない。また、ブロックウレタン変性
エポキシ樹脂に対する溶解性を付与することを目的とし
て、ケトン系有機溶剤を水やアルコール系溶剤と併用し
た場合でも、溶解性を維持可能な範囲内での水やアルコ
ール系溶剤の使用量は限定されているため、粘度を低下
させるためには効果が不十分である。
【0041】溶剤種について検討した結果、ジアセトン
アルコールおよび/またはジエチレングリコールモノブ
チルエーテルが、本発明で使用するブロックウレタン変
性エポキシ樹脂に対して溶解性を有し、且つ塗料の粘度
上昇を防止できることを見出した。すなわち、これらの
溶剤を用いることにより、表面を疎水化していないシリ
カを塗料組成物中に多量に添加した場合でも塗料の粘度
が上昇することなく、ロールコーター等による薄膜の均
一な塗布が可能となる。この理由としては、これらの溶
剤が分子内にカルボニル基またはエーテル基を有してい
るため、本発明で使用するブロックウレタン変性エポキ
シ樹脂に対する溶解性を有し、且つ一級水酸基がシリカ
表面のシラノール基に水素結合し、これらの溶剤分子が
立体障害となることによって、シリカの凝集による3次
元的編み目状構造の形成を抑制することによるものと考
えられる。
【0042】ここで、上記のジアセトンアルコールおよ
び/またはジエチレングリコールモノブチルエーテル
は、塗料組成物を構成する有機溶剤中に50wt%以上
含まれることが好しい。50wt%未満では塗料の粘度
上昇を抑制する効果が不十分となり、ロールコーター等
で薄膜塗布を行う際にムラが発生し易い。経済性を考慮
して、他の安価な有機溶剤(例えば、キシレン、シクロ
ヘキサノン、イソプロピルグリコール)を50wt%未
満の範囲で併用することが可能である。
【0043】上記の塗料組成物を亜鉛系めっき鋼板に塗
布する方法としては、通常、ロールコーター法により塗
料組成物を塗布するが、浸漬法やスプレー法により塗布
した後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量を
調整することも可能である。また、塗料組成物を塗布し
た後の加熱処理方法としては、熱風炉、高周波誘導加熱
炉、赤外線炉等を用いることができる。加熱処理は、到
達板温で50〜300℃、好しくは60〜250℃の範
囲で行われる。さらに本発明をBH鋼板に適用する場合
には、150℃以下の加熱処理が好しい。
【0044】
【実施例】自動車車体用の表面処理鋼板として、亜鉛系
めっき鋼板をアルカリ脱脂後、水洗・乾燥し、次いでク
ロメート処理を施した後、塗料組成物をロールコーター
により塗布し、焼き付けた。得られた有機複合被覆鋼板
について、耐外面錆性、耐孔あき性、鮮映性、塗料密着
性、溶接性(溶接部の圧痕に関する外観性、連続打点
性)、耐クロム溶出性を評価した。本実施例の製造条件
は、以下の通りである。 (1)亜鉛系めっき鋼板 厚さ0.8mm、表面粗さ(Ra)1.0μmの冷延鋼
板に表1に示すような各種亜鉛系めっきを施し、処理原
板として用いた。
【0045】(2)クロメート処理 塗布型クロメート処理 下記に示す液組成のクロメート処理液をロールコーター
により塗布し、水洗することなく乾燥させた。クロメー
ト層の付着量は、ロールコーターのピックアップロール
とアプリケーターロールの周速比を変化させ調整した。 無水クロム酸:20g/l りん酸イオン:4g/l ジルコニウムフッ化物イオン:1g/l 亜鉛イオン:1g/l 6価クロム/3価クロム:3/3(重量比) 無水クロム酸/ジルコニウムフッ化物イオン:20/1
(重量比)
【0046】電解クロメート処理 無水クロム酸:30g/l、硫酸:0.2g/l、浴
温:40℃の処理液を用いて、電流密度:10A/dm
2で、亜鉛系めっき鋼板に陰極電解処理を施し、水洗・
乾燥した。クロメート層の付着量は、陰極電解処理の通
電量を制御することにより調整した。 反応型クロメート処理 無水クロム酸:30g/l、りん酸:10g/l、Na
F:0.5g/l、K2TiF6:4g/l、浴温:60
℃の処理液を用いて、亜鉛系めっき鋼板にスプレー処理
し、水洗・乾燥した。クロメート層の付着量は、処理時
間を変化させることで調整した。
【0047】(3)有機樹脂 表2に、本実施例で用いたブロックウレタン変性エポキ
シ樹脂(No.1〜14)およびアミン変性エポキシ樹
脂(No.15〜20)を示す。なお、同表に示したブ
ロックウレタン変性エポキシ樹脂およびアミン変性エポ
キシ樹脂については、下記に示す方法で作成した。 変性エポキシ樹脂(A) コンデンサー、撹拌機、温度計を備えた反応器に、エポ
キシ当量が1500であるビスフェノールA型エポキシ
樹脂500部、キシレン385部、シクロヘキサノン3
85部を入れ、撹拌下に加熱・溶解した。さらに、イソ
プロパノールアミン20部を加え、100℃で5時間反
応させ、さらにNCO%(イソシアネート%)が13%
である2,4−トリレンジイソシアネートとオクチルア
ルコール付加物のモノイソシアネート65部を加え、6
0℃で5時間反応させ、樹脂分が40%の変性エポキシ
樹脂(A)を得た。
【0048】ブロックウレタン(B) コンデンサー、撹拌機、温度計を備えた反応器に、分子
量1000のポリエチレングリコール440部、キシレ
ン125部を入れ、撹拌下に60℃で加熱し、2,6−
トリレンジイソシアネート153部を添加した。この中
間体のNCO%は4.8%であった。さらに、ε−カプ
ロラクタム106部を加え反応を継続し、NCO%が0
であることを確認した後にブタノール175部を加え、
樹脂分が70%のブロックウレタン(B1)を得た。同
様の装置、反応条件で分子量4000のポリプロピレン
グリコール500部、キシレン300部とヘキサメチレ
ンジイソシアネート42部よりNCO%が1.2%の中
間体を得た。さらに、メチルエチルケトオキシム23部
を加えて反応を継続し、NCO%が0であることを確認
した後にブタノール77部を加え、樹脂分が60%のブ
ロックウレタン(B2)を得た。
【0049】変性エポキシ樹脂(C) 撹拌装置、還流冷却器、温度計、液体滴下装置を備えた
反応装置にエピコート1009(シェル化学(株)製エ
ポキシ樹脂:分子量3750)1880g(0.5モ
ル)とメチルイソブチルケトン/キシレン=1/1(重
量比)の混合溶媒1000gを加えた後、撹拌加熱し、
溶媒の沸点下で均一に溶解した。その後70℃まで冷却
し、液体滴下装置に分取したジ(n−プロパノール)ア
ミン70gを30分間を要して滴下した。この間、反応
温度を70℃に保持した。滴下終了後120℃で2時間
保持し、反応を完結させた。得られた反応物を変性エポ
キシ樹脂(C)とする。この変性エポキシ樹脂(C)の
有効成分は66%である。
【0050】ポリイソシアネート化合物(D) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を備えた
反応容器にイソホロンジイソシアネート222部を取
り、これにメチルイソブチルケトン100部を加え均一
に溶解した後、50%のトリメチロールプロパンのメチ
ルイソブチルケトン溶液88部を、前記滴下ロートから
70℃に保持した撹拌状態のイソシアネート溶液中に1
時間を要して滴下した。この後さらに1時間、70℃に
保持した後、90℃で1時間保持した。その後、n−ブ
チルアルコール230部を加え、90℃で3時間反応さ
せてブロック化イソシアネートを得た。この硬化剤をポ
リイソシアネート化合物(D)とする。このポリイソシ
アネート化合物(D)の有効成分は76%であった。
【0051】上記のようにして得られた基体樹脂および
硬化剤を表2に示す配合比で配合することで、ブロック
ウレタン変性エポキシ樹脂およびアミン変性エポキシ樹
脂を作成し、これら樹脂に表3および表4に示す各種添
加剤を分散させ、表5〜表8に示すような塗料組成物を
作成した。製造された有機複合被覆鋼板の構成を表9〜
表15に、また、それらの各特性の評価結果を表16〜
表18に示す。なお、本実施例では鋼板のおもて面側に
ついては耐外面錆性、鮮映性、塗料密着性、溶接部の圧
痕に関する外観性および耐クロム溶出性を、また、鋼板
裏面側については耐孔あき性、塗料密着性および耐クロ
ム溶出性をそれぞれ評価し、さらに、鋼板両面トータル
の試験として溶接性(連続打点性)を評価した。各特性
の評価方法は以下の通りである。
【0052】(a)耐食性(耐外面錆性) 供試材に日本ペイント(株)製U−600で電着塗装
(25μm)を行い、次いで、関西ペイント(株)製K
PX−36で中塗り塗装(30μm)し、さらに関西ペ
イント(株)製ルーガベークB−531で上塗り塗装
(35μm)を行った。これらの試験片にカッターナイ
フでクロスカットを入れて、〔塩水噴霧試験・1時間→
乾燥・6時間→湿潤試験・1時間〕を1サイクルとする
複合腐食試験を180サイクル行い、クロスカット部か
らの腐食の膨れ幅で耐食性(耐外面錆性)を評価した。
その評価基準は以下の通りである。 ◎:2mm未満 ○:2mm以上、4mm未満 △:4mm以上、6mm未満 ×:6mm以上
【0053】(b)耐孔あき性 供試材を日本パーカライジング(株)製FC−L446
0でアルカリ脱脂し、水洗した後、鋼板裏面および端部
をテープシールした。これらの試験片について〔塩水噴
霧試験・4時間→乾燥・2時間→湿潤試験・2時間〕を
1サイクルとする複合腐食試験を300サイクル行い、
腐食生成物を除去した後、最大孔あき深さを測定し、耐
食性(耐孔あき性)を評価した。その評価基準は以下の
通りである。 ◎:0.2mm未満 ○:0.2mm以上、0.4mm未満 △:0.4mm以上、0.6mm未満 ×:0.6mm以上
【0054】(c)鮮映性 供試材に上記(a)と同様の電着塗装・中塗り塗装・上
塗り塗装を行い、スガ試験機(株)製の写像性測定器
(ICM−2DP)を用い、0.5mmのスリットを使
用した場合の像鮮明度Cにより評価した。その評価基準
は以下の通りである。 ◎:80以上 ○:80未満、75以上 △:75未満、70以上 ×:70未満
【0055】(d)塗料密着性 供試材に上記(a)と同様の電着塗装・中塗り塗装・上
塗り塗装を行い、これらの試験片を40℃のイオン交換
水中に240時間浸漬した。次いで、試験片を取り出
し、24時間・室温で放置した後、塗膜に2mm間隔の
碁盤目を100個刻み、接着テープを粘着・剥離して塗
膜の残存率で評価した。その評価基準は以下の通りであ
る。 ◎:剥離なし ○:3%未満 △:3%以上、10%未満 ×:10%以上
【0056】(e)溶接性(溶接部の圧痕の外観) おもて面がそれぞれの電極に接するように2枚の板を配
置し、上側の電極としてCF型・16mmφ、先端径:
4.5mm、先端角:120°のものを用い、下側の電
極としてF型・40mmφのものを用いた。加圧力:2
50kgf、通電時間:12サイクル/50Hz、溶接
電流:8kAで350点連続溶接を行い、F型・40m
mφの溶接後外観を目視で判定した。その評価基準は以
下の通りである。 ◎:スパークや分流痕が全く認められない ○:スパークは認められないが、分流痕がわずかに認め
られる △:スパークは認められないが、分流痕が明らかに認め
られる ×:スパークが認められる
【0057】(f)溶接性(連続打点性) 上側の板はおもて面が上側の電極と接するように、下側
の板は裏面が下側の電極と接するように2枚の板を配置
し、上下ともCF型電極、加圧力:200kgf、通電
時間:10サイクル/50Hz、溶接電流:10kAで
連続打点性の試験を行い、連続打点数で評価した。その
評価基準は以下の通りである。 ◎:5000点以上 ○:4000点以上、5000点未満 △:3000点以上、4000点未満 ×:3000点未満
【0058】(g)耐クロム溶出性 供試材を日本パーカライジング(株)製PB−L302
0でりん酸塩処理を施し、処理前後のクロム付着量を蛍
光X線分析で測定し、その付着量差からりん酸塩処理工
程でのクロム溶出量を求めた。その評価基準は以下の通
りである。 ◎:1mg/m2未満 ○:1mg/m2以上、2mg/m2未満 △:2mg/m2以上、4mg/m2未満 ×:4mg/m2以上
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】*1 表2に記載された有機樹脂のNo. *2 表3に記載されたシリカのNo. *3 表4に記載された難溶性クロム酸塩のNo. *4 不揮発分の重量比 *5 不揮発分の重量比 *6 塗料組成物中の有機溶剤に占める割合(wt%) *7 有機溶剤が塗料組成物中に占める割合(wt%)
【0068】
【表9】
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】
【0073】
【表14】
【0074】
【表15】
【0075】*8 発:本発明例 比:比較例 *9 表1に記載された亜鉛系めっき鋼板のNo. *10 金属クロム換算のクロメート付着量 *11 表5〜表8に記載された塗料組成物のNo.
【0076】
【表16】
【0077】
【表17】
【0078】
【表18】
【0079】*12 おもて面を対象とした試験結果 *13 裏面を対象とした試験結果 *14 両面トータルの試験結果
【0080】
【発明の効果】以上述べた本発明の有機複合被覆鋼板
は、鋼板の各面が自動車車体等の外面側および内面側の
各要求特性を十分に満足し、特に、鋼板のおもて面側の
有機皮膜にブロックウレタン変性エポキシ樹脂を適用
し、裏面側の有機皮膜にアミン変性エポキシ樹脂を適用
した有機複合被覆鋼板は、おもて面においては優れた鮮
映性、耐外面錆性および溶接部の外観性が得られ、裏面
においては優れた耐孔あき性、耐クロム溶出性が得ら
れ、さらに、塗料密着性および溶接性にも優れているこ
とから、自動車および家電用表面処理鋼板として極めて
有用なものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 11/38 305 (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 菊田 佳男 神奈川県横浜市栄区笠間町1900番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 小堀 公夫 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 春田 泰彦 神奈川県平塚市東八幡4丁目17−1 関西 ペイント株式会社内 (72)発明者 今崎 善夫 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の片面側のめっき層上
    に、第1層としてクロメート層を金属クロム換算で10
    〜60mg/m2有し、その上層に第2層として、エポ
    キシ系樹脂にエポキシ系樹脂/防錆添加剤=90/10
    〜40/60(不揮発分の重量比)の割合で防錆添加剤
    が添加された膜厚0.2〜0.6μmの有機皮膜を有
    し、亜鉛系めっき鋼板の他の片面側のめっき層上に、第
    1層としてクロメート層を金属クロム換算で20〜20
    0mg/m2有し、その上層に第2層として、エポキシ
    系樹脂にエポキシ系樹脂/防錆添加剤=90/10〜4
    0/60(不揮発分の重量比)の割合で防錆添加剤が添
    加された膜厚0.4〜2μmの有機皮膜を有してなる溶
    接性、耐食性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板。
  2. 【請求項2】 少なくとも鋼板の片面側の有機皮膜を構
    成するエポキシ系樹脂が、エポキシ樹脂、多官能アミン
    およびモノイソシアネートからなる変性エポキシ樹脂
    (A)に対し、ポリオール、ポリイソシアネートおよび
    ブロック剤からなるブロックウレタン(B)をA/B=
    95/5〜50/50(不揮発分の重量比)の割合で混
    合したブロックウレタン変性エポキシ樹脂である請求項
    1に記載の溶接性、耐食性および鮮映性に優れた有機複
    合被覆鋼板。
  3. 【請求項3】 鋼板の他の片面側の有機皮膜を構成する
    エポキシ系樹脂が、エポキシ樹脂の末端に少なくとも1
    個以上の塩基性窒素原子と少なくとも2個以上の一級水
    酸基とを付加せしめてなる変性エポキシ樹脂(C)に対
    し、ポリイソシアネート化合物(D)をC/D=95/
    5〜55/45(不揮発分の重量比)の割合で混合した
    アミン変性エポキシ樹脂である請求項1または2に記載
    の溶接性、耐食性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼
    板。
  4. 【請求項4】 有機皮膜を構成する防錆添加剤がシリカ
    である請求項1、2または3に記載の溶接性、耐食性お
    よび鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板。
  5. 【請求項5】 有機皮膜を構成する防錆添加剤が難溶性
    クロム酸塩である請求項1、2または3に記載の溶接
    性、耐食性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板。
  6. 【請求項6】 有機皮膜を構成する防錆添加剤が、下記
    割合からなるシリカおよび難溶性クロム酸塩である請求
    項1、2または3に記載の溶接性、耐食性および鮮映性
    に優れた有機複合被覆鋼板。 シリカ/難溶性クロム酸塩=90/10〜10/90
    (不揮発分の重量比)
JP5128493A 1993-04-30 1993-04-30 溶接性、耐食性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板 Pending JPH06316771A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997003226A1 (fr) * 1995-07-10 1997-01-30 Nippon Paint Co., Ltd. Traitements de surface de metaux, procede de traitement de surface de metaux et materiau metallique ayant subi un traitement de surface
KR100765056B1 (ko) * 2002-12-27 2007-10-09 주식회사 포스코 자동차외판용 이종 수지피복 강판

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WO1997003226A1 (fr) * 1995-07-10 1997-01-30 Nippon Paint Co., Ltd. Traitements de surface de metaux, procede de traitement de surface de metaux et materiau metallique ayant subi un traitement de surface
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