JPH06315736A - 鋳造用模型および鋳物 - Google Patents
鋳造用模型および鋳物Info
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- JPH06315736A JPH06315736A JP6082890A JP8289094A JPH06315736A JP H06315736 A JPH06315736 A JP H06315736A JP 6082890 A JP6082890 A JP 6082890A JP 8289094 A JP8289094 A JP 8289094A JP H06315736 A JPH06315736 A JP H06315736A
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- parting plane
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高さのある通常の鋳物において、見切り面隅
角部の型締め性を向上する鋳造用模型と、この鋳造用模
型により鋳ばりの発生の少ない鋳物を得る。 【構成】 鋳造用模型は、見切り面隅角部近傍に、抜勾
配に続き、更に2〜10゜の範囲の多段抜勾配を1つ以
上付与する。 【効果】 本発明の鋳造用模型を使用することにより、
型抜き性を確保しつつ、鋳型の隅角部の型締め性を向上
して型壊れを防止する。そして、本発明の鋳造用模型に
より得られる鋳物は、先端の尖った鋳ばりは発生せず、
なだらかな凸状鋳ばりとなるので、除去加工が不要とな
り、後処理工程の低減が可能となる。
角部の型締め性を向上する鋳造用模型と、この鋳造用模
型により鋳ばりの発生の少ない鋳物を得る。 【構成】 鋳造用模型は、見切り面隅角部近傍に、抜勾
配に続き、更に2〜10゜の範囲の多段抜勾配を1つ以
上付与する。 【効果】 本発明の鋳造用模型を使用することにより、
型抜き性を確保しつつ、鋳型の隅角部の型締め性を向上
して型壊れを防止する。そして、本発明の鋳造用模型に
より得られる鋳物は、先端の尖った鋳ばりは発生せず、
なだらかな凸状鋳ばりとなるので、除去加工が不要とな
り、後処理工程の低減が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造用模型およびそれ
を用いた鋳物に関し、より詳しくは、模型の見切り面の
隅角部近傍に、模型に付けられる基本の抜勾配(以下、
「抜勾配」という)に続き、更にこの抜勾配より角度の
大きい抜勾配(以下、「多段抜勾配」という)を付した
鋳造用模型と、この鋳造用模型を用いて造型することに
より、鋳型の型抜き性を確保しつつ見切り面隅角部の型
締め性を向上して型壊れを少なくし、この鋳型で鋳造し
て不要な鋳ばりの発生のない鋳物に関する。
を用いた鋳物に関し、より詳しくは、模型の見切り面の
隅角部近傍に、模型に付けられる基本の抜勾配(以下、
「抜勾配」という)に続き、更にこの抜勾配より角度の
大きい抜勾配(以下、「多段抜勾配」という)を付した
鋳造用模型と、この鋳造用模型を用いて造型することに
より、鋳型の型抜き性を確保しつつ見切り面隅角部の型
締め性を向上して型壊れを少なくし、この鋳型で鋳造し
て不要な鋳ばりの発生のない鋳物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鋳造用模型を図5に、この従来の
鋳造用模型を用いて造型した鋳型により鋳造した鋳物を
図7に示す。図5において、模型1には造型時の型抜き
を容易にするため、一般的に1〜3°の抜勾配8が付さ
れている。ここで、主として型抜きを容易にするため設
ける抜勾配を、単に「抜勾配」と呼ぶ。模型1の見切り
面の隅角部9には、造型時の圧力が伝わり難いことから
生じる型締り不良や型抜き時の壊れを防ぐため、適当な
大きさの面取R(通常は1〜3mm)3が付されてい
る。
鋳造用模型を用いて造型した鋳型により鋳造した鋳物を
図7に示す。図5において、模型1には造型時の型抜き
を容易にするため、一般的に1〜3°の抜勾配8が付さ
れている。ここで、主として型抜きを容易にするため設
ける抜勾配を、単に「抜勾配」と呼ぶ。模型1の見切り
面の隅角部9には、造型時の圧力が伝わり難いことから
生じる型締り不良や型抜き時の壊れを防ぐため、適当な
大きさの面取R(通常は1〜3mm)3が付されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】面取R3を付した場
合、隅角部9の鋳型の型締りはかなり改善される。しか
し、隅角部9をR形状とするため、図7に示すように、
この模型を用いて造型した鋳型で鋳造した鋳物11は、
模型の面取りRの形状に沿い、先端がシャープな尖った
鋳ばり6となる。尖った鋳ばり6が有ると、鋳物11の
取扱作業者が手を怪我する恐れがあり、また、後工程の
加工や組立の搬送装置や治工具に引っ掛かってトラブル
等を起こす。このため、これら工程の前に尖った鋳ばり
6を除去する必要があり、多大の工数を要している。こ
のように、鋳造用模型の面取Rは鋳物の本来の製品形状
からは全く不要のものである。
合、隅角部9の鋳型の型締りはかなり改善される。しか
し、隅角部9をR形状とするため、図7に示すように、
この模型を用いて造型した鋳型で鋳造した鋳物11は、
模型の面取りRの形状に沿い、先端がシャープな尖った
鋳ばり6となる。尖った鋳ばり6が有ると、鋳物11の
取扱作業者が手を怪我する恐れがあり、また、後工程の
加工や組立の搬送装置や治工具に引っ掛かってトラブル
等を起こす。このため、これら工程の前に尖った鋳ばり
6を除去する必要があり、多大の工数を要している。こ
のように、鋳造用模型の面取Rは鋳物の本来の製品形状
からは全く不要のものである。
【0004】鋳物形状の面から、図6のように、隅角部
9に面取Rなしで直角に近いエッジとして模型1を形成
することもできる。しかし、この模型1を用いて造型す
る鋳型の見切り面近傍の隅角部の型締りは決して満足の
いくものではない。このため、鋳型を型抜き時または搬
送中に型壊れを生じ易く、この鋳型を用いて鋳造した鋳
物には、型壊れ部に溶湯がはみ出して鋳ばりが発生し、
これまた鋳ばり除去作業が必要となる。
9に面取Rなしで直角に近いエッジとして模型1を形成
することもできる。しかし、この模型1を用いて造型す
る鋳型の見切り面近傍の隅角部の型締りは決して満足の
いくものではない。このため、鋳型を型抜き時または搬
送中に型壊れを生じ易く、この鋳型を用いて鋳造した鋳
物には、型壊れ部に溶湯がはみ出して鋳ばりが発生し、
これまた鋳ばり除去作業が必要となる。
【0005】一方、実公昭53−50728号公報に
は、図4の管継手およびバルブを鋳造する鋳型の開示が
ある。このものは、横断面が円形で胴部外面より見切り
面5にかけ接線10を交わして抜勾配を設けることで、
見切り面5近傍での抜勾配が垂直にならず、鋳型隅角部
9の型壊れを防止し、かつ隅角部9の型締め性を向上し
ようとするものである。しかし、管継手およびバルブ等
高さの低い鋳物には適用できるが、略垂直で高さのある
通常の鋳物には適用することは難しい。また、実公昭5
3−50728号公報は、接線部から上部の抜勾配角度
より、見切り面に近い抜勾配角度が小さくなり、見切り
面近傍の隅角部の型締め性がもうひとつ不足し、型壊れ
防止を完全に図ることが難かしい。
は、図4の管継手およびバルブを鋳造する鋳型の開示が
ある。このものは、横断面が円形で胴部外面より見切り
面5にかけ接線10を交わして抜勾配を設けることで、
見切り面5近傍での抜勾配が垂直にならず、鋳型隅角部
9の型壊れを防止し、かつ隅角部9の型締め性を向上し
ようとするものである。しかし、管継手およびバルブ等
高さの低い鋳物には適用できるが、略垂直で高さのある
通常の鋳物には適用することは難しい。また、実公昭5
3−50728号公報は、接線部から上部の抜勾配角度
より、見切り面に近い抜勾配角度が小さくなり、見切り
面近傍の隅角部の型締め性がもうひとつ不足し、型壊れ
防止を完全に図ることが難かしい。
【0006】本発明は、高さのある通常の鋳物において
も、模型の抜勾配と隅角部近傍の形状寸法および角度の
限界を見極めることにより、見切り面隅角部の型締め性
を向上する鋳造用模型と、この鋳造用模型により鋳ばり
の発生の少ない鋳物を得ることを目的とする。
も、模型の抜勾配と隅角部近傍の形状寸法および角度の
限界を見極めることにより、見切り面隅角部の型締め性
を向上する鋳造用模型と、この鋳造用模型により鋳ばり
の発生の少ない鋳物を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本第1の発明は、適宜の抜勾配を有する鋳造用模型に
おいて、見切り面隅角部近傍に、前記抜勾配に続き、前
記見切り面に向け前記抜勾配より角度が大きく、2〜1
0゜の範囲の多段抜勾配を1つ以上付与することを特徴
とする。
に本第1の発明は、適宜の抜勾配を有する鋳造用模型に
おいて、見切り面隅角部近傍に、前記抜勾配に続き、前
記見切り面に向け前記抜勾配より角度が大きく、2〜1
0゜の範囲の多段抜勾配を1つ以上付与することを特徴
とする。
【0008】上記第1の発明において、前記多段抜勾配
の始点は、見切り面から2〜10mmの間に設け、見切
り面から抜勾配が始まる高さ(H)で、多段抜勾配の高
さ(a)を除した値〔(a/H)×100(%)〕は、
1〜50%とする。
の始点は、見切り面から2〜10mmの間に設け、見切
り面から抜勾配が始まる高さ(H)で、多段抜勾配の高
さ(a)を除した値〔(a/H)×100(%)〕は、
1〜50%とする。
【0009】次に、本第2の発明は、第1の発明の鋳造
用模型を用いて得られる鋳物であり、見切り面隅角部近
傍に、抜勾配に続き、前記見切り面に向け前記抜勾配よ
り角度が大きく、2〜10゜の範囲の多段抜勾配を1つ
以上有することを特徴とする。
用模型を用いて得られる鋳物であり、見切り面隅角部近
傍に、抜勾配に続き、前記見切り面に向け前記抜勾配よ
り角度が大きく、2〜10゜の範囲の多段抜勾配を1つ
以上有することを特徴とする。
【0010】
【作用】第1の発明の鋳造用模型で、抜勾配の部分は模
型と鋳型間の型抜き性を確保する。抜勾配に続き、見切
り面に向け抜勾配より角度が大きく、2〜10゜の範囲
の多段抜勾配は、鋳型の角隅部の型締め性を向上する。
多段抜勾配の角度が2°未満であると型締め性の効果が
小さい。一方、多段抜勾配の角度が10°を越えると、
この鋳造用模型による鋳型で鋳造した鋳物の寸法的なは
み出しが大きくなる。従って、多段抜勾配の角度の範囲
は2〜10゜とする。
型と鋳型間の型抜き性を確保する。抜勾配に続き、見切
り面に向け抜勾配より角度が大きく、2〜10゜の範囲
の多段抜勾配は、鋳型の角隅部の型締め性を向上する。
多段抜勾配の角度が2°未満であると型締め性の効果が
小さい。一方、多段抜勾配の角度が10°を越えると、
この鋳造用模型による鋳型で鋳造した鋳物の寸法的なは
み出しが大きくなる。従って、多段抜勾配の角度の範囲
は2〜10゜とする。
【0011】上記多段抜勾配を1つ以上付与することに
より、角隅部の型締め性は従来の面取Rを付さない場合
に比べて大幅に改善され、面取Rを1〜3mmに付した
場合に比べても、同等またはそれ以上の型締め性を得る
ことができる。
より、角隅部の型締め性は従来の面取Rを付さない場合
に比べて大幅に改善され、面取Rを1〜3mmに付した
場合に比べても、同等またはそれ以上の型締め性を得る
ことができる。
【0012】第1の発明において、多段抜勾配の始点を
見切り面から2〜10mmの間、および抜勾配が始まる
高さ(H)で、多段抜勾配の高さ(a)を除した値
〔(a/H)×100(%)〕を1〜50%としたの
は、多段抜勾配の始点が2mmより低い場合および
〔(a/H)×100(%)〕が1%未満では、型締め
性向上の効果がない。一方、多段抜勾配の始点が10m
mおよび〔(a/H)×100(%)〕が50%を越え
る場合は、大きな抜勾配となって所望の鋳物形状からの
寸法的なはみ出しが大きくなるためである。
見切り面から2〜10mmの間、および抜勾配が始まる
高さ(H)で、多段抜勾配の高さ(a)を除した値
〔(a/H)×100(%)〕を1〜50%としたの
は、多段抜勾配の始点が2mmより低い場合および
〔(a/H)×100(%)〕が1%未満では、型締め
性向上の効果がない。一方、多段抜勾配の始点が10m
mおよび〔(a/H)×100(%)〕が50%を越え
る場合は、大きな抜勾配となって所望の鋳物形状からの
寸法的なはみ出しが大きくなるためである。
【0013】次に、本第2の発明の鋳物は、第1の発明
の鋳造用模型を用いて得られる。即ち、従来の面取Rと
して1〜3mmを付した鋳造用模型による得られる鋳物
は、図7に示すように、鋳込後の鋳物11に先端がシャ
ープな尖った鋳ばり6が生じる。これに対し、第1の発
明の鋳造用模型により得られる本発明の鋳物は、図8に
示すように、鋳込後の鋳物11は凸状鋳ばり7となる。
この凸状鋳ばり7は、寸法的には若干突き出した形状と
なるが、先端の尖った鋳ばりとはならず、実質的に後工
程で何ら除去しなくても使用し得る鋳物となる。
の鋳造用模型を用いて得られる。即ち、従来の面取Rと
して1〜3mmを付した鋳造用模型による得られる鋳物
は、図7に示すように、鋳込後の鋳物11に先端がシャ
ープな尖った鋳ばり6が生じる。これに対し、第1の発
明の鋳造用模型により得られる本発明の鋳物は、図8に
示すように、鋳込後の鋳物11は凸状鋳ばり7となる。
この凸状鋳ばり7は、寸法的には若干突き出した形状と
なるが、先端の尖った鋳ばりとはならず、実質的に後工
程で何ら除去しなくても使用し得る鋳物となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図3、および第1表
により、一方、比較例を図5、図6および第1表により
説明する。本発明の実施例として、 図3に示す、幅100mm、長さ150mm、抜勾
配が始まる最高部高さ(H)150mm、2段目高さ8
0mmで、抜勾配が1°の模型1を使用した。次に、1
゜の抜勾配に続き見切り面5から高さ(a1 )が10m
mの隅角部9近傍の位置から、見切り面5に向け抜勾配
より角度が大きい、4°(角度b1 )の多段抜勾配を付
与した鋳造用模型、 同じく図3に示す、1゜の抜勾配に続き見切り面5
から高さ(a2 )が3mmの隅角部9近傍の位置から、
見切り面5に向け抜勾配より角度が大きい、8°(角度
b2 )の多段抜勾配を付与した鋳造用模型、 比較例として、 図6に示す、面取りRの全く付されていない鋳造用
模型、 図5に示す、面取R3を1mm付した鋳造用模型、 図5に示す、面取R3を2mmを付した鋳造用模
型、 図5に示す、面取R3を3mm付した鋳造用模型 を製作した。
により、一方、比較例を図5、図6および第1表により
説明する。本発明の実施例として、 図3に示す、幅100mm、長さ150mm、抜勾
配が始まる最高部高さ(H)150mm、2段目高さ8
0mmで、抜勾配が1°の模型1を使用した。次に、1
゜の抜勾配に続き見切り面5から高さ(a1 )が10m
mの隅角部9近傍の位置から、見切り面5に向け抜勾配
より角度が大きい、4°(角度b1 )の多段抜勾配を付
与した鋳造用模型、 同じく図3に示す、1゜の抜勾配に続き見切り面5
から高さ(a2 )が3mmの隅角部9近傍の位置から、
見切り面5に向け抜勾配より角度が大きい、8°(角度
b2 )の多段抜勾配を付与した鋳造用模型、 比較例として、 図6に示す、面取りRの全く付されていない鋳造用
模型、 図5に示す、面取R3を1mm付した鋳造用模型、 図5に示す、面取R3を2mmを付した鋳造用模
型、 図5に示す、面取R3を3mm付した鋳造用模型 を製作した。
【0015】これら6個の鋳造用模型について、同一の
鋳物砂によって各20枠を造型および鋳込みを行い、
(イ)型抜き時の鋳型の角隅部の型壊れ、(ロ)鋳込み
後の平均鋳ばり長さを調べた。
鋳物砂によって各20枠を造型および鋳込みを行い、
(イ)型抜き時の鋳型の角隅部の型壊れ、(ロ)鋳込み
後の平均鋳ばり長さを調べた。
【0016】その結果を第1表に示す。 (第1表) 隅 角 部 区分 No. a b R 型壊れ数 鋳ばり長さ(*) 除去加工 本発明 1 10 4° − 1 0.7 不要 〃 2 3 8° − 2 0.5 〃 比較例 3 − − 0 12 1.5 要 〃 4 − − 1 6 1.3 〃 〃 5 − − 2 2 1.9 〃 〃 6 − − 3 1 2.5 〃 (注) *:鋳ばり長さは全周の鋳ばりのうち最大の個所での値
を測定し、それを20枠について平均を求めたものであ
る。また型壊れによって生じた鋳ばりも含めている。
を測定し、それを20枠について平均を求めたものであ
る。また型壊れによって生じた鋳ばりも含めている。
【0017】第1表で示すように、本発明例のNo.1 お
よびNo.2 の鋳造用模型によれば、鋳型の隅角部の型締
め性が向上するため、型壊れが少なくなる。しかも、本
発明例の鋳造用模型による得られる鋳物は、図8に示す
ように、鋳ばりの長さが短く、先端が尖った鋳ばりとな
らず、なだらかな凸状鋳ばり7となる。このため、除去
加工が減少または不要となる。
よびNo.2 の鋳造用模型によれば、鋳型の隅角部の型締
め性が向上するため、型壊れが少なくなる。しかも、本
発明例の鋳造用模型による得られる鋳物は、図8に示す
ように、鋳ばりの長さが短く、先端が尖った鋳ばりとな
らず、なだらかな凸状鋳ばり7となる。このため、除去
加工が減少または不要となる。
【0018】一方、比較例No.3 の面取Rが付されてい
ないものは、鋳型の型壊れ数も多く、また鋳ばり長さも
1.5mmと本発明の2〜3倍大きく、その除去加工が
必要となる。また、従来の鋳造用模型の面取Rを付した
比較例No.4 〜6は、面取Rが小さいと、鋳ばりは小さ
いが型壊れ数が多い。そして、面取Rが大きくなると、
型壊れ数は少ないが、鋳ばりは大きくなり、型壊れおよ
び鋳ばりのどちらかが問題となる。
ないものは、鋳型の型壊れ数も多く、また鋳ばり長さも
1.5mmと本発明の2〜3倍大きく、その除去加工が
必要となる。また、従来の鋳造用模型の面取Rを付した
比較例No.4 〜6は、面取Rが小さいと、鋳ばりは小さ
いが型壊れ数が多い。そして、面取Rが大きくなると、
型壊れ数は少ないが、鋳ばりは大きくなり、型壊れおよ
び鋳ばりのどちらかが問題となる。
【0019】上記は、図1に示す雄形の模型1について
の実施例であるが、図2に示す雌形の模型1において
も、抜勾配に続き、多段抜勾配4を配設することによ
り、全く同様の効果を出すことができる。そして、本発
明の鋳造用模型は、通常、抜勾配に続き、多段抜勾配を
1つ付与する2段の抜勾配であるが、2段で製作しにく
い場合、それ以上でも効果を妨げるものではない。
の実施例であるが、図2に示す雌形の模型1において
も、抜勾配に続き、多段抜勾配4を配設することによ
り、全く同様の効果を出すことができる。そして、本発
明の鋳造用模型は、通常、抜勾配に続き、多段抜勾配を
1つ付与する2段の抜勾配であるが、2段で製作しにく
い場合、それ以上でも効果を妨げるものではない。
【0020】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本第1の
発明の鋳造用模型は、見切り面隅角部近傍に、抜勾配に
続き、更に2〜10゜の範囲の多段抜勾配を1つ以上付
与するので、この鋳造用模型を使用することにより、型
抜き性を確保しつつ、鋳型の隅角部の型締め性を向上し
て型壊れを防止する。そして、本発明の鋳造用模型によ
り得られる本第2の発明の鋳物は、先端の尖った鋳ばり
は発生せず、なだらかな凸状鋳ばりとなるので、除去加
工が不要となり、後処理工程の低減が可能となる。
発明の鋳造用模型は、見切り面隅角部近傍に、抜勾配に
続き、更に2〜10゜の範囲の多段抜勾配を1つ以上付
与するので、この鋳造用模型を使用することにより、型
抜き性を確保しつつ、鋳型の隅角部の型締め性を向上し
て型壊れを防止する。そして、本発明の鋳造用模型によ
り得られる本第2の発明の鋳物は、先端の尖った鋳ばり
は発生せず、なだらかな凸状鋳ばりとなるので、除去加
工が不要となり、後処理工程の低減が可能となる。
【図1】本発明の一実施例の雄形の鋳造用模型の断面を
示す図である。
示す図である。
【図2】本発明の別の実施例の雌形の鋳造用模型の断面
を示す図である。
を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に用いた鋳造用模型の寸法図
である。
である。
【図4】従来の管継手およびバルブ用の接線抜勾配を設
けた鋳造用模型の部分断面図である。
けた鋳造用模型の部分断面図である。
【図5】比較例の隅角部に面取Rを付した鋳造用模型の
断面を示す図である。
断面を示す図である。
【図6】比較例の隅角部に面取Rを付さない鋳造用模型
の断面を示す図ぜある。
の断面を示す図ぜある。
【図7】従来法による尖った鋳ばりの発生状況を示す鋳
物の側面図である。
物の側面図である。
【図8】本発明による凸状鋳ばりの発生状況を示す鋳物
の側面図である。
の側面図である。
1:模型、 2:模型定盤、 3:面取R、
4:多段抜勾配、5:見切り面、 6:尖った鋳ばり、
7:凸状鋳ばり、8:抜勾配、9:隅角部、 10:接
線、 11:鋳物。
4:多段抜勾配、5:見切り面、 6:尖った鋳ばり、
7:凸状鋳ばり、8:抜勾配、9:隅角部、 10:接
線、 11:鋳物。
Claims (6)
- 【請求項1】 適宜の抜勾配を有する鋳造用模型におい
て、見切り面隅角部近傍に、前記抜勾配に続き、前記見
切り面に向け前記抜勾配より角度が大きく、2〜10゜
の範囲の多段抜勾配を1つ以上付与することを特徴とす
る鋳造用模型。 - 【請求項2】 前記多段抜勾配の始点を前記見切り面か
ら2〜10mmの間に設けることを特徴とする請求項1
記載の鋳造用模型。 - 【請求項3】 前記見切り面から抜勾配が始まる高さ
(H)で、前記多段抜勾配の高さ(a)を除した値
〔(a/H)×100(%)〕が、1〜50%であるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載の鋳造用模
型。 - 【請求項4】 請求項1記載の鋳造用模型により製造さ
れる適宜の抜勾配を有する鋳物であって、見切り面隅角
部近傍に、前記抜勾配に続き、前記見切り面に向け前記
抜勾配より角度が大きく、2〜10゜の範囲の多段抜勾
配を1つ以上有することを特徴とする鋳物。 - 【請求項5】 前記多段抜勾配の始点を前記見切り面か
ら2〜10mmの間に有することを特徴とする請求項4
記載の鋳物。 - 【請求項6】 前記見切り面から抜勾配が始まる高さ
(H)で、前記多段抜勾配の高さ(a)を除した値
〔(a/H)×100(%)〕が、1〜50%であるこ
とを特徴とする請求項5または請求項6記載の鋳物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06082890A JP3049346B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 鋳造用模型および鋳物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06082890A JP3049346B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 鋳造用模型および鋳物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06315736A true JPH06315736A (ja) | 1994-11-15 |
JP3049346B2 JP3049346B2 (ja) | 2000-06-05 |
Family
ID=13786875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06082890A Expired - Lifetime JP3049346B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 鋳造用模型および鋳物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3049346B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3504621B2 (ja) | 2001-03-02 | 2004-03-08 | 京セラ株式会社 | バッテリーモジュールとその位置決め構造 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5350728U (ja) * | 1976-09-30 | 1978-04-28 |
-
1994
- 1994-04-21 JP JP06082890A patent/JP3049346B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
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JPS5350728U (ja) * | 1976-09-30 | 1978-04-28 |
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JP3049346B2 (ja) | 2000-06-05 |
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