JPH06315389A - 植物および細菌における転写を促進する植物形質転換ベクター - Google Patents
植物および細菌における転写を促進する植物形質転換ベクターInfo
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- JPH06315389A JPH06315389A JP6073657A JP7365794A JPH06315389A JP H06315389 A JPH06315389 A JP H06315389A JP 6073657 A JP6073657 A JP 6073657A JP 7365794 A JP7365794 A JP 7365794A JP H06315389 A JPH06315389 A JP H06315389A
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- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 遺伝子工学と植物培養との分野に関し,特
に,植物と細菌の双方における転写の促進と選択マーカ
ーに対する手段を供給する。 【構成】 本発明の植物形質転換ベクターは,1つまた
はそれ以上の二元目的プロモーター領域/外来構造遺伝
子結合体を含み,このベクターによって形質転換された
植物および細菌細胞に同定し得る表現型を与えることが
でき,このベクターが,単数または複数の結合体を唯一
の手段としていて,この二元目的プロモーター領域がオ
クトピン型Tiプラスミドに由来することを特徴とする。
この植物形質転換ベクターによって,遺伝学的に修飾さ
れた細菌,植物細胞,植物組織および植物が得られる。
に,植物と細菌の双方における転写の促進と選択マーカ
ーに対する手段を供給する。 【構成】 本発明の植物形質転換ベクターは,1つまた
はそれ以上の二元目的プロモーター領域/外来構造遺伝
子結合体を含み,このベクターによって形質転換された
植物および細菌細胞に同定し得る表現型を与えることが
でき,このベクターが,単数または複数の結合体を唯一
の手段としていて,この二元目的プロモーター領域がオ
クトピン型Tiプラスミドに由来することを特徴とする。
この植物形質転換ベクターによって,遺伝学的に修飾さ
れた細菌,植物細胞,植物組織および植物が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,遺伝子工学と植物培養
との分野に関し,特に,植物と細菌の双方における転写
の促進と選択マーカーに対する手段を供給する。
との分野に関し,特に,植物と細菌の双方における転写
の促進と選択マーカーに対する手段を供給する。
【0002】
【従来の技術】本発明に密接に関係する技術的背景の情
報を開示する出版物を下記に示す。これらの出版物はこ
の従来技術の項で詳細に論議されている。M. W. Bevan
et al.(1983) Nature 304 : 184-187, R.T. Fraley et
al. (1983) Proc. Natl. Acad.Sci. USA 80 : 4803-480
7およびL. Herrera-Estrella et al. (1983) Nature 30
3 : 209-213,は細菌抗生物質耐性構造遺伝子の植物での
発現をもたらすような nosプロモーターの使用を開示し
た(TIPプラスミドの操作を参照)。R. F. Barker e
t al.(1983) Plant Molec. Biol. 2 : 335-350 および
R. F. Barker andJ. D. Kemp, U.S Patent application
ser. no.553,786はオクトピン型プラスミド pTi15955
由来のT−DNAの完全な配列を開示する;他のTiプラ
スミド遺伝子の相同性のある公にされた配列はそこに引
用されている(TIPプラスミド上の遺伝子)。 N. Mu
rai and J. D. Kemp (1982) Nucleic Acids Res. 10 :
1679-1689 は1600塩基の大きさを持ち,その配列のオー
プンリーディングフレーム(ORF)24をコードしてい
るとして,そこで同定された1450塩基転写物(1450bTx)
の存在とおよその位置を開示した。S. B. Gelvin et a
l.(1981) Plasmid 6:17-29は TRがアグロバクテリウ
ム細胞と植物細胞中で転写されると開示した(TIPプ
ラスミド上の遺伝子)。S. J. Karcher et al. (1984)
Mol. Gen. Genet., は,1450bTx の位置を決定した。2
元目的機能の特徴は,ここで開示され,教えられるの
で,前述の参考文献には報告されなかった。L. Herrera
-Estrellaetal.(1983) EMBO J. 2 : 987-995 はカナマ
イシンとメトトレキセートに対する耐性をコードする構
造遺伝子が,nosプロモーターの後に置かれると,細菌
および植物細胞の両方で発現したと,報告した。
報を開示する出版物を下記に示す。これらの出版物はこ
の従来技術の項で詳細に論議されている。M. W. Bevan
et al.(1983) Nature 304 : 184-187, R.T. Fraley et
al. (1983) Proc. Natl. Acad.Sci. USA 80 : 4803-480
7およびL. Herrera-Estrella et al. (1983) Nature 30
3 : 209-213,は細菌抗生物質耐性構造遺伝子の植物での
発現をもたらすような nosプロモーターの使用を開示し
た(TIPプラスミドの操作を参照)。R. F. Barker e
t al.(1983) Plant Molec. Biol. 2 : 335-350 および
R. F. Barker andJ. D. Kemp, U.S Patent application
ser. no.553,786はオクトピン型プラスミド pTi15955
由来のT−DNAの完全な配列を開示する;他のTiプラ
スミド遺伝子の相同性のある公にされた配列はそこに引
用されている(TIPプラスミド上の遺伝子)。 N. Mu
rai and J. D. Kemp (1982) Nucleic Acids Res. 10 :
1679-1689 は1600塩基の大きさを持ち,その配列のオー
プンリーディングフレーム(ORF)24をコードしてい
るとして,そこで同定された1450塩基転写物(1450bTx)
の存在とおよその位置を開示した。S. B. Gelvin et a
l.(1981) Plasmid 6:17-29は TRがアグロバクテリウ
ム細胞と植物細胞中で転写されると開示した(TIPプ
ラスミド上の遺伝子)。S. J. Karcher et al. (1984)
Mol. Gen. Genet., は,1450bTx の位置を決定した。2
元目的機能の特徴は,ここで開示され,教えられるの
で,前述の参考文献には報告されなかった。L. Herrera
-Estrellaetal.(1983) EMBO J. 2 : 987-995 はカナマ
イシンとメトトレキセートに対する耐性をコードする構
造遺伝子が,nosプロモーターの後に置かれると,細菌
および植物細胞の両方で発現したと,報告した。
【0003】シャトルベクター G. B. Ruvkun and F. M. Ausubel (1981) Nature 298
: 85-88 によって発明されたシャトルベクターは,外
来遺伝物質を巨大プラスミド,ウィルスあるいはゲノム
中の適切な位置へ挿入する方法を提供する。巨大プラス
ミドあるいはゲノムを扱う際に出会う2つの主な問題が
ある。初めに,巨大プラスミドはそれぞれの制限酵素に
対する多くの部位を持つであろう。独特な部位特異性開
裂反応は再現できず,複数の部位開裂反応,それに続く
結合は変わって欲しくない順序や方向の多くの断片の奪
い合いによる非常な困難さを導く。第2は,巨大DNA
プラスミドでの形質転換効率が大変低いことである。シ
ャトルベクターは外来遺伝物質のしばしばインビトロで
の小さいプラスミドへの挿入を促進し,次いで通常イン
ビボの技術による巨大プラスミドへの転移によりこれら
の困難さを克服することを可能にする。
: 85-88 によって発明されたシャトルベクターは,外
来遺伝物質を巨大プラスミド,ウィルスあるいはゲノム
中の適切な位置へ挿入する方法を提供する。巨大プラス
ミドあるいはゲノムを扱う際に出会う2つの主な問題が
ある。初めに,巨大プラスミドはそれぞれの制限酵素に
対する多くの部位を持つであろう。独特な部位特異性開
裂反応は再現できず,複数の部位開裂反応,それに続く
結合は変わって欲しくない順序や方向の多くの断片の奪
い合いによる非常な困難さを導く。第2は,巨大DNA
プラスミドでの形質転換効率が大変低いことである。シ
ャトルベクターは外来遺伝物質のしばしばインビトロで
の小さいプラスミドへの挿入を促進し,次いで通常イン
ビボの技術による巨大プラスミドへの転移によりこれら
の困難さを克服することを可能にする。
【0004】シャトルベクターは,最終宿主細菌へ導入
されることが可能で,そこで独立に維持されることがで
きるレプリコンを持つDNA分子,通常,プラスミドか
ら成る。また,シャトルベクターは,外来遺伝物質が挿
入されることができる宿主ゲノムの断片のコピーと,や
はり宿主ゲノム断片へ挿入される選択できる特徴をコー
ドするDNA小片を含む。選択できる特徴(マーカー)
はインビボでトランスポゾン突然変異によるか,あるい
は制限酵素とリガーゼのインビボでの使用によって,都
合のよいことに挿入される。
されることが可能で,そこで独立に維持されることがで
きるレプリコンを持つDNA分子,通常,プラスミドか
ら成る。また,シャトルベクターは,外来遺伝物質が挿
入されることができる宿主ゲノムの断片のコピーと,や
はり宿主ゲノム断片へ挿入される選択できる特徴をコー
ドするDNA小片を含む。選択できる特徴(マーカー)
はインビボでトランスポゾン突然変異によるか,あるい
は制限酵素とリガーゼのインビボでの使用によって,都
合のよいことに挿入される。
【0005】当核シャトルベクターは最終宿主細胞へ特
に(アグロバクテリウム属を含む)リゾビアッシー科の
細菌へ,次のような方法で導入されることが可能であ
る。三親交雑法(Ruvkin and Ausubel, 前出),二親交
雑における自律移動可能なベクターの直接転移,アグロ
バクテリウム細胞による外来DNAの直接取込み(“形
質転換”,M. Holsters et al. (1978) Molec. Gen. Ge
net. 163 : 181-187の条件を用いて)もうひとつの細菌
細胞とのアグロバクテリウムのスフェロプラスト融合リ
ポゾームで包括されたDNAの取込み,あるいはインビ
トロでパッケージされ得るウィルスに基づいたシャトル
ベクターでの感染。リゾビアッシー科の中で見つけられ
た巨大プラスミドの操作であり,当業者に良く知られて
いる技術である三親交雑は当該シャトルベクターを保持
する株と,プラスミド起動と接合伝達に対する遺伝子を
含む移動可能なプラスミドを保持する株との交雑を含
む。もし,当該シャトルベクターがプラスミド遺伝子に
よって起動することが可能なら,当該シャトルベクター
は巨大ゲノム,例えば,アグロバクテリウム株の Ti あ
るいは Riプラスミドを保持する宿主細胞へ転移され
る。
に(アグロバクテリウム属を含む)リゾビアッシー科の
細菌へ,次のような方法で導入されることが可能であ
る。三親交雑法(Ruvkin and Ausubel, 前出),二親交
雑における自律移動可能なベクターの直接転移,アグロ
バクテリウム細胞による外来DNAの直接取込み(“形
質転換”,M. Holsters et al. (1978) Molec. Gen. Ge
net. 163 : 181-187の条件を用いて)もうひとつの細菌
細胞とのアグロバクテリウムのスフェロプラスト融合リ
ポゾームで包括されたDNAの取込み,あるいはインビ
トロでパッケージされ得るウィルスに基づいたシャトル
ベクターでの感染。リゾビアッシー科の中で見つけられ
た巨大プラスミドの操作であり,当業者に良く知られて
いる技術である三親交雑は当該シャトルベクターを保持
する株と,プラスミド起動と接合伝達に対する遺伝子を
含む移動可能なプラスミドを保持する株との交雑を含
む。もし,当該シャトルベクターがプラスミド遺伝子に
よって起動することが可能なら,当該シャトルベクター
は巨大ゲノム,例えば,アグロバクテリウム株の Ti あ
るいは Riプラスミドを保持する宿主細胞へ転移され
る。
【0006】当該シャトルベクターが宿主細胞へ導入さ
れた後,可能な事象は,マーカーのどちらかの側でひと
つの組み換え事象を伴う2重交差を含む。このホモ部分
二倍体化事象は,挿入を欠いた相同小片の置き換えで,
マーカーを含むDNA小片の宿主ゲノムへの転移という
結果を招く。元のシャトルベクターを失った細胞の選択
をするため,当該シャトルベクターは,最終宿主細胞中
での複製不可能か,あるいは宿主細胞中で元より存在し
ている独立に選択可能なプラスミドと不和合性でなけれ
ばならない。このことを整えるひとつの一般的手段は,
第3の宿主に当該シャトルベクターと不和合性で違った
薬剤耐性マーカーを保持するもうひとつのプラスミドを
供給することである。したがって,両方の薬剤に対する
耐性を選択すると,生き残った細胞のみがその中で,当
該シャトルベクター上のマーカーが宿主ゲノムと組み換
えたものである。もし当該シャトルベクターが特別なマ
ーカーを保持していると,それで,当該シャトルベクタ
ーと宿主プラスミドとの間での一重交差事象の結果に由
来するプラスミドを含む細胞を排除でき,無傷の当該シ
ャトルベクターが宿主プラスミドと統合されるような結
果となる。もし外来遺伝物質が選択されるべきマーカー
へ挿入されるか,あるいは隣接すると,また同様の2重
組み換えの結果として宿主プラスミドへ統合されるであ
ろう。また,マーカー内や隣接した位置以外で相同性断
片へ挿入されると,いっしょに保持され,しかし,外来
遺伝物質をマーカーから分離している距離が大きくなる
につれて,外来遺伝物質とマーカーの間に組み換え事象
が起こりやすくなり,外来遺伝物質の転移を妨げる。
れた後,可能な事象は,マーカーのどちらかの側でひと
つの組み換え事象を伴う2重交差を含む。このホモ部分
二倍体化事象は,挿入を欠いた相同小片の置き換えで,
マーカーを含むDNA小片の宿主ゲノムへの転移という
結果を招く。元のシャトルベクターを失った細胞の選択
をするため,当該シャトルベクターは,最終宿主細胞中
での複製不可能か,あるいは宿主細胞中で元より存在し
ている独立に選択可能なプラスミドと不和合性でなけれ
ばならない。このことを整えるひとつの一般的手段は,
第3の宿主に当該シャトルベクターと不和合性で違った
薬剤耐性マーカーを保持するもうひとつのプラスミドを
供給することである。したがって,両方の薬剤に対する
耐性を選択すると,生き残った細胞のみがその中で,当
該シャトルベクター上のマーカーが宿主ゲノムと組み換
えたものである。もし当該シャトルベクターが特別なマ
ーカーを保持していると,それで,当該シャトルベクタ
ーと宿主プラスミドとの間での一重交差事象の結果に由
来するプラスミドを含む細胞を排除でき,無傷の当該シ
ャトルベクターが宿主プラスミドと統合されるような結
果となる。もし外来遺伝物質が選択されるべきマーカー
へ挿入されるか,あるいは隣接すると,また同様の2重
組み換えの結果として宿主プラスミドへ統合されるであ
ろう。また,マーカー内や隣接した位置以外で相同性断
片へ挿入されると,いっしょに保持され,しかし,外来
遺伝物質をマーカーから分離している距離が大きくなる
につれて,外来遺伝物質とマーカーの間に組み換え事象
が起こりやすくなり,外来遺伝物質の転移を妨げる。
【0007】もし,当該シャトルベクターが,表現型的
に優性な特徴(例えば,新しく発現可能な殺虫剤構造遺
伝子だが,不活性化された腫瘍性T−DNA遺伝子では
ない)を誘導するために使われると,二重相同組み換え
に頼る必要がなくなる。共同組み込みプラスミドをもた
らす一重組み換え事象により得られる細胞は,植物細胞
へ望む特徴を転移することができる(A. Caplan et al.
(1983) Science 222:815-821, R. B. Horsch et al.
(1984) Science 223 : 496-498)。単一の連続したT−
DNAの配列を持つ色々なシャトルベクターを用いるこ
とさえ可能かもしれない。しかし,その結果として得ら
れたT−DNAは,今や,繰り返し遺伝子重複を含むで
あろうから,アグロバクテリウムか植物細胞のどちらか
で2つの相同配列間で起こる一重相同組み換え事象によ
る当該シャトルベクターのまれに起こる欠失に気をつけ
て注目しなければならない。
に優性な特徴(例えば,新しく発現可能な殺虫剤構造遺
伝子だが,不活性化された腫瘍性T−DNA遺伝子では
ない)を誘導するために使われると,二重相同組み換え
に頼る必要がなくなる。共同組み込みプラスミドをもた
らす一重組み換え事象により得られる細胞は,植物細胞
へ望む特徴を転移することができる(A. Caplan et al.
(1983) Science 222:815-821, R. B. Horsch et al.
(1984) Science 223 : 496-498)。単一の連続したT−
DNAの配列を持つ色々なシャトルベクターを用いるこ
とさえ可能かもしれない。しかし,その結果として得ら
れたT−DNAは,今や,繰り返し遺伝子重複を含むで
あろうから,アグロバクテリウムか植物細胞のどちらか
で2つの相同配列間で起こる一重相同組み換え事象によ
る当該シャトルベクターのまれに起こる欠失に気をつけ
て注目しなければならない。
【0008】シャトルベクターはアグロバクテリウムプ
ラスミドの操作において効力を与えた。D. J. Garfinke
l et al. (1981) Cell 27 : 143-153, A. J. M. Matzke
andM.-D. Chilton (1981) J. Molec. Appl. Genet. 1
: 39-49, and J. Leemans etal. (1981) J. Molec. Ap
pl. Genet. 1 : 149-164 を参照せよ。彼らは,シャト
ルベクターを仲介ベクターあるいは“iV”という言葉
で称した。
ラスミドの操作において効力を与えた。D. J. Garfinke
l et al. (1981) Cell 27 : 143-153, A. J. M. Matzke
andM.-D. Chilton (1981) J. Molec. Appl. Genet. 1
: 39-49, and J. Leemans etal. (1981) J. Molec. Ap
pl. Genet. 1 : 149-164 を参照せよ。彼らは,シャト
ルベクターを仲介ベクターあるいは“iV”という言葉
で称した。
【0009】巨大DNA分子への変化の挿入に対するシ
ャトルベクター系の最近明らかにされた変形は“自殺ベ
クター”である。この系では Simon et al. 細菌−植物
相互作用の分子遺伝学 pp.98-106(ed.A.Puhler, (198
3))の“グラム陰性細菌のインビボおよびインビトロ操
作のためのベクタープラスミド”と R. Simon et al.(1
983) Biotechnol. 1 : 784-791 によって述べられたよ
うに,シャトルベクターレプリコンは宿主細胞内では独
立に維持され得ない。この特性は,一般に三親交雑中に
なされるようなシャトルベクターを排除するために,宿
主細胞へ不和合性のプラスミドを導入する必要を削除し
ている。すでに存在するDNAへ統合されないすべての
ベクター配列は複製されないことによって効率良く自殺
する。シャトルベクターの伝統的な型で成され得るよう
に,2つの相同領域の間にない抗生物質耐性遺伝子をス
クリーニングすることによって,二重と一重相同性の間
の区別ができるかもしれない。DNA配列をTiプラスミ
ドへ転移するための自殺ベクターの使用はE. VanHaute
et al. (1983)EMBO J.2:411- 417, L. Comai et al.(19
82) Plant. Molec. Biol. 1 : 291-300, L. Comai et a
l.(1983) Plasmid 10:21-30, P.Zambryski et al.(198
3)EMBO J. 2:2143-2150,および A. Caplan et al.,前
出,によって報告もされている。C.H.Shaw et al.(198
3)Gene 28:315-330,は,外来DNAを一重相同性組み換
えの選択の手段によって選択可能なマーカーの導入もせ
ずにTiプラスミドへ導入し,次いで二重相同組み換えに
対する選択することによる自殺ベクターの使用を報告し
ている。
ャトルベクター系の最近明らかにされた変形は“自殺ベ
クター”である。この系では Simon et al. 細菌−植物
相互作用の分子遺伝学 pp.98-106(ed.A.Puhler, (198
3))の“グラム陰性細菌のインビボおよびインビトロ操
作のためのベクタープラスミド”と R. Simon et al.(1
983) Biotechnol. 1 : 784-791 によって述べられたよ
うに,シャトルベクターレプリコンは宿主細胞内では独
立に維持され得ない。この特性は,一般に三親交雑中に
なされるようなシャトルベクターを排除するために,宿
主細胞へ不和合性のプラスミドを導入する必要を削除し
ている。すでに存在するDNAへ統合されないすべての
ベクター配列は複製されないことによって効率良く自殺
する。シャトルベクターの伝統的な型で成され得るよう
に,2つの相同領域の間にない抗生物質耐性遺伝子をス
クリーニングすることによって,二重と一重相同性の間
の区別ができるかもしれない。DNA配列をTiプラスミ
ドへ転移するための自殺ベクターの使用はE. VanHaute
et al. (1983)EMBO J.2:411- 417, L. Comai et al.(19
82) Plant. Molec. Biol. 1 : 291-300, L. Comai et a
l.(1983) Plasmid 10:21-30, P.Zambryski et al.(198
3)EMBO J. 2:2143-2150,および A. Caplan et al.,前
出,によって報告もされている。C.H.Shaw et al.(198
3)Gene 28:315-330,は,外来DNAを一重相同性組み換
えの選択の手段によって選択可能なマーカーの導入もせ
ずにTiプラスミドへ導入し,次いで二重相同組み換えに
対する選択することによる自殺ベクターの使用を報告し
ている。
【0010】T−DNAへの新しいDNA配列の導入に
対する相同性組み換えの使用に代わるものに細菌トラン
スポゾンがある。TIPプラスミド上のアグロバクテリ
ウム遺伝子の項で述べられるように,トランスポゾンは
TIPプラスミドのT−DNAへ飛び込むことができ
る。(例えば,D. J. Garfinkel et al. (1981) Cell 2
7:14-153を参照)。当該トランスポゾンは新しい配列の
挿入によってインビトロで修飾されるので,その新しい
DNAは,当該トランスポゾンによってTIPプラスミ
ドのT−DNAへ転移され得る。TIPは,それが安定
に組み込まれると,植物細胞へ新しいDNA/トランス
ポゾン/T−DNAの組合せを転移することができる。
対する相同性組み換えの使用に代わるものに細菌トラン
スポゾンがある。TIPプラスミド上のアグロバクテリ
ウム遺伝子の項で述べられるように,トランスポゾンは
TIPプラスミドのT−DNAへ飛び込むことができ
る。(例えば,D. J. Garfinkel et al. (1981) Cell 2
7:14-153を参照)。当該トランスポゾンは新しい配列の
挿入によってインビトロで修飾されるので,その新しい
DNAは,当該トランスポゾンによってTIPプラスミ
ドのT−DNAへ転移され得る。TIPは,それが安定
に組み込まれると,植物細胞へ新しいDNA/トランス
ポゾン/T−DNAの組合せを転移することができる。
【0011】アグロバクテリウムの外観 グラム陰性菌のリゾビアッシー科(リゾビウム属も含
む)に含まれるアグロバクテリウム属には,アグロバク
テリウム・チユーメファシエンスとアグロバクテリウム
・リゾゲネスがある。これらの種はそれぞれ,植物のク
ラウンゴール症と毛状根症の原因である。クラウンゴー
ルは脱分化組織のゴールの成長によって性格づけされ
る。毛状根は感染された組織において,根の不適当な誘
導によって性格づけされる奇形である。どちらの病症に
おいても,不適当に成長する植物組織が,正常には植物
によって生産されず,感染している細菌によって代謝さ
れる,オピンとして知られる,ひとつあるいはそれ以上
のアミノ酸誘導体を通常生産する。既知のオピンは,オ
クトピン,ノパリンおよびアグロピンという3つの主な
グループに分けられている。不適当に増殖する組織の細
胞は培養することで増殖させることができ,適当な条件
下で,ある形質転換された表現型を維持する完全な植物
へ再生することができる。
む)に含まれるアグロバクテリウム属には,アグロバク
テリウム・チユーメファシエンスとアグロバクテリウム
・リゾゲネスがある。これらの種はそれぞれ,植物のク
ラウンゴール症と毛状根症の原因である。クラウンゴー
ルは脱分化組織のゴールの成長によって性格づけされ
る。毛状根は感染された組織において,根の不適当な誘
導によって性格づけされる奇形である。どちらの病症に
おいても,不適当に成長する植物組織が,正常には植物
によって生産されず,感染している細菌によって代謝さ
れる,オピンとして知られる,ひとつあるいはそれ以上
のアミノ酸誘導体を通常生産する。既知のオピンは,オ
クトピン,ノパリンおよびアグロピンという3つの主な
グループに分けられている。不適当に増殖する組織の細
胞は培養することで増殖させることができ,適当な条件
下で,ある形質転換された表現型を維持する完全な植物
へ再生することができる。
【0012】アグロバクテリウムの病原性株は,アグロ
バクテリウム・チユーメファシエンスでは Ti(腫瘍誘
導)プラスミド,アグロバクテリウム・リゾゲネスでは
Ri(根誘導)プラスミドとして知られる巨大プラスミ
ドを保持する。これらのプラスミドを株から脱落させる
と,疾病性が失われる。Tiプラスミドは,T−DNA
(転移DNA)と呼ばれる領域を含み,そのT−DNA
は腫瘍中で宿主植物のゲノムへ取り込まれていることが
わかっている。当該T−DNAは,いくつかの転写物を
コードしている。突然変異の研究は,これらのいくつか
は腫瘍成長の誘導に含まれている,ことを示した。tm
l,tmrおよびtms に対する遺伝子における突然変異体は
それぞれ(タバコでの)巨大腫瘍,根を産する性質,茎
葉誘導の傾向という結果をもたらす。当該T−DNAは
少なくともひとつのオピン合成酵素の遺伝子もコードし
ており,当該 Tiプラスミドはそれらによって合成を引
き起こされるオピンによってしばしば分けられる。それ
ぞれのT−DNA遺伝子はT−DNAプロモーターの調
節下にある。T−DNAプロモーターは構造上真核生物
プロモーターと似ており,それらは形質転換された植物
細胞中でのみ機能するようである。当該Tiプラスミドは
T−DNA以外の遺伝子も保持する。これらの遺伝子は
オピン代謝,腫瘍性,アグロシン感受性,複製,および
細菌細胞への自律転移を含む機能に含まれる。Riプラス
ミドはTiプラスミドと同様の構造に組織されている。植
物細胞の形質転換に対応する遺伝子とDNA配列の組
は,以後,集中的に形質転換誘導原理(TIP)として
呼ぶ。したがって,TIPという名称は,制限されない
が,TiとRiプラスミドの両方を含む。TIPの組み込ま
れた小片は,Tiプラスミドに由来するかRiプラスミドに
由来するかにかかわらず,ここではT−DNA(転移D
NA)と呼ばれる。M.-D. Chilton (June 1983) Sci. A
mer. 248(6) : 50-59 は最近ベクターとしてのTiプラス
ミドの利用における紹介記事を示した。アグロバクテリ
ウムが原因となる疾病の最近の一般的総説にD. J. Merl
o (1982), Adv. Plant Pathol. 1 : 139-178 ; L. W.
Ream and M. P. Gordon (1982), Science 218 : 854-85
9 , and M. W. Bevan and M.-D. Chilton(1982) , Ann.
Rev. Genet. 16 :357-384 ; G. Kahl and J. Schell
(1982) Molecular Biology of Plant Tumor, K. A. Bar
ton and M.-D. Chilton (1983) Meth. Enzymol. 101 :
527-539, および A. Caplan et al. (1983) Science
222:815-821 によるものがある。
バクテリウム・チユーメファシエンスでは Ti(腫瘍誘
導)プラスミド,アグロバクテリウム・リゾゲネスでは
Ri(根誘導)プラスミドとして知られる巨大プラスミ
ドを保持する。これらのプラスミドを株から脱落させる
と,疾病性が失われる。Tiプラスミドは,T−DNA
(転移DNA)と呼ばれる領域を含み,そのT−DNA
は腫瘍中で宿主植物のゲノムへ取り込まれていることが
わかっている。当該T−DNAは,いくつかの転写物を
コードしている。突然変異の研究は,これらのいくつか
は腫瘍成長の誘導に含まれている,ことを示した。tm
l,tmrおよびtms に対する遺伝子における突然変異体は
それぞれ(タバコでの)巨大腫瘍,根を産する性質,茎
葉誘導の傾向という結果をもたらす。当該T−DNAは
少なくともひとつのオピン合成酵素の遺伝子もコードし
ており,当該 Tiプラスミドはそれらによって合成を引
き起こされるオピンによってしばしば分けられる。それ
ぞれのT−DNA遺伝子はT−DNAプロモーターの調
節下にある。T−DNAプロモーターは構造上真核生物
プロモーターと似ており,それらは形質転換された植物
細胞中でのみ機能するようである。当該Tiプラスミドは
T−DNA以外の遺伝子も保持する。これらの遺伝子は
オピン代謝,腫瘍性,アグロシン感受性,複製,および
細菌細胞への自律転移を含む機能に含まれる。Riプラス
ミドはTiプラスミドと同様の構造に組織されている。植
物細胞の形質転換に対応する遺伝子とDNA配列の組
は,以後,集中的に形質転換誘導原理(TIP)として
呼ぶ。したがって,TIPという名称は,制限されない
が,TiとRiプラスミドの両方を含む。TIPの組み込ま
れた小片は,Tiプラスミドに由来するかRiプラスミドに
由来するかにかかわらず,ここではT−DNA(転移D
NA)と呼ばれる。M.-D. Chilton (June 1983) Sci. A
mer. 248(6) : 50-59 は最近ベクターとしてのTiプラス
ミドの利用における紹介記事を示した。アグロバクテリ
ウムが原因となる疾病の最近の一般的総説にD. J. Merl
o (1982), Adv. Plant Pathol. 1 : 139-178 ; L. W.
Ream and M. P. Gordon (1982), Science 218 : 854-85
9 , and M. W. Bevan and M.-D. Chilton(1982) , Ann.
Rev. Genet. 16 :357-384 ; G. Kahl and J. Schell
(1982) Molecular Biology of Plant Tumor, K. A. Bar
ton and M.-D. Chilton (1983) Meth. Enzymol. 101 :
527-539, および A. Caplan et al. (1983) Science
222:815-821 によるものがある。
【0013】植物組織の感染 植物細胞は,当業者に知られる多くの方法で,アグロバ
クテリウムによって形質転換されることができ,その方
法とは,アグロバクテリウムと共に植物細胞を培養する
こと,アグロバクテリウムスフェロプラストとの植物プ
ロトプラストの融合,植物細胞プロトプラストでの遊離
T−DNAの取込みによる直接形質転換,完全な細菌で
の部分的に再生された細胞壁を持つプロトプラストの形
質転換,T−DNAを含むリポゾームによるプロトプラ
ストの形質転換,T−DNAを持つウィルスの使用,マ
イクロインジェクション,等を含むが,限定されない。
どの方法も,遺伝子が有糸分裂と減数分裂を通して安定
に伝達される限り充分である。
クテリウムによって形質転換されることができ,その方
法とは,アグロバクテリウムと共に植物細胞を培養する
こと,アグロバクテリウムスフェロプラストとの植物プ
ロトプラストの融合,植物細胞プロトプラストでの遊離
T−DNAの取込みによる直接形質転換,完全な細菌で
の部分的に再生された細胞壁を持つプロトプラストの形
質転換,T−DNAを含むリポゾームによるプロトプラ
ストの形質転換,T−DNAを持つウィルスの使用,マ
イクロインジェクション,等を含むが,限定されない。
どの方法も,遺伝子が有糸分裂と減数分裂を通して安定
に伝達される限り充分である。
【0014】アグロバクテリウムによる植物細胞の感染
は当業者に良く知られた簡単な技術である(例えば,D.
N. Butcher et al. (1980) in Tissue Culture Method
s for Plant Pathologists, eds. : D. S.Ingram and
J. P. Helgeson, pp.203-208を参照せよ)。典型的に
は,植物は多くのいかなる方法によっても傷つけられる
が,その方法とは,刃物で切ること,針で刺すこと,あ
るいは研磨剤でこすることを含む。次いで,その傷に腫
瘍誘導細菌を含む溶液を植菌する。完全な植物の感染に
代わるものはポテト茎ディスク(D. K. Anand and G.T.
Heberlein (1977) Amer. J. Bot. 64 : 153- 158)ある
いは,タバコの茎の逆位の小片(K. A. Barton, et al.
(1983) Cell 32 : 1033-1043)のような組織片の植菌が
ある。感染後,腫瘍は植物ホルモンを欠いた培地での組
織培養中に置かれる。ホルモンに依存しない増殖は形質
転換された組織の典型で,そのような組織培養の増殖の
通常の条件と非常に対照的である(A. C. Braun (1956)
Cancer Res. 16 : 53-56)。アグロバクテリウムは,分
離された細胞や,培養で増殖した細胞(L. Maton etal.
(1979)Nature 277 : 129-131)および,分離されたタバ
コ葉肉プロトプラストにも感染する能力を持つ。後者の
技術では,新しい細胞壁の部分再生をさせる時間の後,
アグロバクテリウム細胞がしばらくの間培養に加えら
れ,そして抗生物質の添加によって殺された。Tiプラス
ミドを保持するアグロバクテリウム・チユーメファシエ
ンス細胞にさらされた。これらの細胞のみが,ホルモン
を欠いた培地上においた際,カルスを形成する能力を持
った。たいていのカルスはオピン同化に関与する酵素活
性を含むことがわかった。他の研究者ら(R. B. Horsch
and R. T. Fraley (18 January 1983) 15th Miami Win
ter Symposium)は,ホルモンに依存しない増殖を示す
カルスを高い比率で(10%以上)導き,それらのカルス
の95%がオピンをつくる,共存培養による形質転換を報
告した。M. R. Davey et al.(1980) in Ingram and Hel
geson, 前出,pp.209-219, は,プロトプラストから再
生された古い細胞の感染を述べている。
は当業者に良く知られた簡単な技術である(例えば,D.
N. Butcher et al. (1980) in Tissue Culture Method
s for Plant Pathologists, eds. : D. S.Ingram and
J. P. Helgeson, pp.203-208を参照せよ)。典型的に
は,植物は多くのいかなる方法によっても傷つけられる
が,その方法とは,刃物で切ること,針で刺すこと,あ
るいは研磨剤でこすることを含む。次いで,その傷に腫
瘍誘導細菌を含む溶液を植菌する。完全な植物の感染に
代わるものはポテト茎ディスク(D. K. Anand and G.T.
Heberlein (1977) Amer. J. Bot. 64 : 153- 158)ある
いは,タバコの茎の逆位の小片(K. A. Barton, et al.
(1983) Cell 32 : 1033-1043)のような組織片の植菌が
ある。感染後,腫瘍は植物ホルモンを欠いた培地での組
織培養中に置かれる。ホルモンに依存しない増殖は形質
転換された組織の典型で,そのような組織培養の増殖の
通常の条件と非常に対照的である(A. C. Braun (1956)
Cancer Res. 16 : 53-56)。アグロバクテリウムは,分
離された細胞や,培養で増殖した細胞(L. Maton etal.
(1979)Nature 277 : 129-131)および,分離されたタバ
コ葉肉プロトプラストにも感染する能力を持つ。後者の
技術では,新しい細胞壁の部分再生をさせる時間の後,
アグロバクテリウム細胞がしばらくの間培養に加えら
れ,そして抗生物質の添加によって殺された。Tiプラス
ミドを保持するアグロバクテリウム・チユーメファシエ
ンス細胞にさらされた。これらの細胞のみが,ホルモン
を欠いた培地上においた際,カルスを形成する能力を持
った。たいていのカルスはオピン同化に関与する酵素活
性を含むことがわかった。他の研究者ら(R. B. Horsch
and R. T. Fraley (18 January 1983) 15th Miami Win
ter Symposium)は,ホルモンに依存しない増殖を示す
カルスを高い比率で(10%以上)導き,それらのカルス
の95%がオピンをつくる,共存培養による形質転換を報
告した。M. R. Davey et al.(1980) in Ingram and Hel
geson, 前出,pp.209-219, は,プロトプラストから再
生された古い細胞の感染を述べている。
【0015】植物プロトプラストはTIPプラスミドの
直接取込みによって形質転換され得る。M. R. Davey et
al. (1980) Plant Sci. Lett. 18:307-313 および M.
R.Davey et al. (1980) in Ingram and Helgeson, 前
出,は,ペチュニア・プロトプラストをポリ−L−α−
オルニチンの存在下にTiプラスミドで,オピン合成の表
現型および培養でのホルモンに依存しない増殖という状
態に形質転換できた。ポリエチレングリコールがTiプラ
スミドの取込みを刺激すること,およびT−DNA配列
がゲノムへ取り込まれることが,後に示された。(J.Dr
aper et al.(1982) Plant and Cell Physiol.23 : 451
-458, M. R. Davey et al. (1982) inPlant Tissue Cul
ture 1982, ed : A. Fujiwara, pp.515-516)。F. A. K
rens etal.(1982) Nature 296 : 72-74 は,彼らのデー
タは,組み込まれたT−DNAが隣接するTiプラスミド
配列を含むことを示唆するが,カルシウムショックを伴
うポリエチレングリコールを用いる同様の結果を報告し
た。
直接取込みによって形質転換され得る。M. R. Davey et
al. (1980) Plant Sci. Lett. 18:307-313 および M.
R.Davey et al. (1980) in Ingram and Helgeson, 前
出,は,ペチュニア・プロトプラストをポリ−L−α−
オルニチンの存在下にTiプラスミドで,オピン合成の表
現型および培養でのホルモンに依存しない増殖という状
態に形質転換できた。ポリエチレングリコールがTiプラ
スミドの取込みを刺激すること,およびT−DNA配列
がゲノムへ取り込まれることが,後に示された。(J.Dr
aper et al.(1982) Plant and Cell Physiol.23 : 451
-458, M. R. Davey et al. (1982) inPlant Tissue Cul
ture 1982, ed : A. Fujiwara, pp.515-516)。F. A. K
rens etal.(1982) Nature 296 : 72-74 は,彼らのデー
タは,組み込まれたT−DNAが隣接するTiプラスミド
配列を含むことを示唆するが,カルシウムショックを伴
うポリエチレングリコールを用いる同様の結果を報告し
た。
【0016】DNA取込みを得る他の方法はリポゾーム
の使用を含む。DNAを含むリポゾームの調製は当業者
に良く知られている。リポゾームを介するTiーDNAの
導入に対する調製が報告されている(T.Nagata et al.
(1982) in Fujiwara, 前出,pp. 509-510,および T. Na
gata (1981) Mol. Gen. Genet. 184 : 161-165)。類似
した系に細胞壁除去後の植物と細菌細胞の融合がある。
この技術の実施例は S.Hasezawa et al. (1981) Mol. G
en.Genet. 182 : 206-210によって報告されたアグロバ
クテリウムスフェロプラストによるビンカ・プロトプラ
ストの形質転換である。植物プロトプラストは,細胞壁
が境界を定めているアグロバクテリウム細胞を取り込む
ことができる(S. Hasezawa et al. (1982) in Fujiwar
a,前出 pp.517-518)。
の使用を含む。DNAを含むリポゾームの調製は当業者
に良く知られている。リポゾームを介するTiーDNAの
導入に対する調製が報告されている(T.Nagata et al.
(1982) in Fujiwara, 前出,pp. 509-510,および T. Na
gata (1981) Mol. Gen. Genet. 184 : 161-165)。類似
した系に細胞壁除去後の植物と細菌細胞の融合がある。
この技術の実施例は S.Hasezawa et al. (1981) Mol. G
en.Genet. 182 : 206-210によって報告されたアグロバ
クテリウムスフェロプラストによるビンカ・プロトプラ
ストの形質転換である。植物プロトプラストは,細胞壁
が境界を定めているアグロバクテリウム細胞を取り込む
ことができる(S. Hasezawa et al. (1982) in Fujiwar
a,前出 pp.517-518)。
【0017】T−DNAは,二つのプロトプラストの融
合から再生される組織に伝達されうる。これら二つのプ
ロトプラストのうちの一方のみがすでに形質転換されて
いた(G.J. Wullems et al.(1980) Theor.Appl. Genet.
56 : 203-208)。植物の再生の項で詳述するように,T
−DNAは減数分裂を経,そして単純なメンデル形質と
して子孫に伝達されうる。
合から再生される組織に伝達されうる。これら二つのプ
ロトプラストのうちの一方のみがすでに形質転換されて
いた(G.J. Wullems et al.(1980) Theor.Appl. Genet.
56 : 203-208)。植物の再生の項で詳述するように,T
−DNAは減数分裂を経,そして単純なメンデル形質と
して子孫に伝達されうる。
【0018】植物の再生 正常な形態での脱分化植物組織は,クラウンゴール腫瘍
から得られる。A. C.Braun and H. N. Wood(1976) Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 73 : 496-500,は正常植物上
へタバコ奇形を移植して,花を着け得る正常に現れる葉
茎を得ることができた。この葉茎は培養されると,オピ
ンを作る能力と植物ホルモンに依存せず増殖する能力を
得た。スクリーニングされた植物では,これらの腫瘍表
現型は減数分裂の間に失われたらしく子孫への伝達は観
察されなかった。(R. Turgeon et al. (1976) Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 73 : 3562-3564)。自然に腫瘍特
性を失ったかあるいは奇形種から由来した植物が,最初
はそれらのT−DNAをすべて失ったと示された。(F.
-M. Yang et al.(1980) In Vitro 16 : 87-92, F.Yang
etal. (1980) Molec. Gen. Genet. 177 : 707-714,M. L
emmers et al. (1980) J. Mol. Biol. 144:353-376)。
しかし,ホルモン処理(1mg/リットルカイネチン)後,復
帰突然変異となった植物での後の研究は形質転換された
表現型に対するT−DNA遺伝子を失っているが,減数
分裂を経験した植物がT−DNAの両端に相同性のある
配列を保持することができたことを示した(F.Yang and
R.B.Simpson(1981) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:
4151-4155)。G.J.Wullems etal.(1981) Cell24 : 719-7
24, はさらにオピン同化系に含まれる遺伝子が当該植物
が雄性不念であるが減数分裂を経験する能力を持ち,表
面上不変のT−DNAがメンデル則で遺伝され得ること
を示した(G.Wullems et al.(1982) in Fujiwara,前
出)。L. Otten et al.(1981) Molec. Gen. Genet. 183
:209-213,は茎葉を増殖さす腫瘍を形成するtms (茎葉
誘導)部位で Tn7トランスポゾンで作成したTiプラスミ
ドの変異体を用いた。これらの葉茎が植物へ再生する
と,自家受粉花を形成することがわかった。その結果,
得られた種は出芽してT−DNAを含みオピンを作る植
物へとなった。さらに行われた実験で,H. DeGreve et
al.(1982)Nature 300 :752-755,は,オクトピン合成
が,一重優性メンデルの遺伝子として遺伝され得ること
を見つけた。しかし,当該T−DNAは,カルスからの
再生を行っている間ocs以外の機能の広範な欠失を受け
た。tmr(根誘導)変異体での同様の実験は,完全な長
さのT−DNAが減数分裂を通して子孫へ伝達され得た
ことを示し,その子孫では,ノパリン遺伝子が様々なレ
ベルだが発現し,ともに形質転換された酵母アルコール
デヒドロゲナーゼI遺伝子は発現されないことを示した
(K. A. Bartonet al.(1983) Cell 32 : 1033-1043)。
他の実験は,ノパリンT−DNAが再生の間維持され,
雄性不念性花はメンデル則でT−DNA上を伝えるとい
うことを示した(J. Memelink et al.(1983) Mol. Gen.
Genet.190: 516-522) 。機能する外来遺伝子も,優性
メンデル則で遺伝される(R. B.Horsch et al.(1984)Sc
ience 223: 496-498)。今や,T−DNA配列を欠いた
再生組織は,腫瘍に“混在している”非形質転換細胞由
来であり(G. Ooms et al.(1982) Cell 30:589-597)。
初めに形質転換された植物細胞の後成説的な状態が,再
生の可能性に影響する(G. M. S. vanSlogteren et al.
(1983) Plant Mol.Biol.2 : 321-333)ことが明らかであ
る。A. N. Binns (1983) Planta 158 : 272-279による
最近の研究は,腫瘍性遺伝子,この場合tmr,は再生の
間“止める”ことができ,再生組織を培養に置くことに
よって,“再び開始する”ことができると示している。
から得られる。A. C.Braun and H. N. Wood(1976) Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 73 : 496-500,は正常植物上
へタバコ奇形を移植して,花を着け得る正常に現れる葉
茎を得ることができた。この葉茎は培養されると,オピ
ンを作る能力と植物ホルモンに依存せず増殖する能力を
得た。スクリーニングされた植物では,これらの腫瘍表
現型は減数分裂の間に失われたらしく子孫への伝達は観
察されなかった。(R. Turgeon et al. (1976) Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 73 : 3562-3564)。自然に腫瘍特
性を失ったかあるいは奇形種から由来した植物が,最初
はそれらのT−DNAをすべて失ったと示された。(F.
-M. Yang et al.(1980) In Vitro 16 : 87-92, F.Yang
etal. (1980) Molec. Gen. Genet. 177 : 707-714,M. L
emmers et al. (1980) J. Mol. Biol. 144:353-376)。
しかし,ホルモン処理(1mg/リットルカイネチン)後,復
帰突然変異となった植物での後の研究は形質転換された
表現型に対するT−DNA遺伝子を失っているが,減数
分裂を経験した植物がT−DNAの両端に相同性のある
配列を保持することができたことを示した(F.Yang and
R.B.Simpson(1981) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:
4151-4155)。G.J.Wullems etal.(1981) Cell24 : 719-7
24, はさらにオピン同化系に含まれる遺伝子が当該植物
が雄性不念であるが減数分裂を経験する能力を持ち,表
面上不変のT−DNAがメンデル則で遺伝され得ること
を示した(G.Wullems et al.(1982) in Fujiwara,前
出)。L. Otten et al.(1981) Molec. Gen. Genet. 183
:209-213,は茎葉を増殖さす腫瘍を形成するtms (茎葉
誘導)部位で Tn7トランスポゾンで作成したTiプラスミ
ドの変異体を用いた。これらの葉茎が植物へ再生する
と,自家受粉花を形成することがわかった。その結果,
得られた種は出芽してT−DNAを含みオピンを作る植
物へとなった。さらに行われた実験で,H. DeGreve et
al.(1982)Nature 300 :752-755,は,オクトピン合成
が,一重優性メンデルの遺伝子として遺伝され得ること
を見つけた。しかし,当該T−DNAは,カルスからの
再生を行っている間ocs以外の機能の広範な欠失を受け
た。tmr(根誘導)変異体での同様の実験は,完全な長
さのT−DNAが減数分裂を通して子孫へ伝達され得た
ことを示し,その子孫では,ノパリン遺伝子が様々なレ
ベルだが発現し,ともに形質転換された酵母アルコール
デヒドロゲナーゼI遺伝子は発現されないことを示した
(K. A. Bartonet al.(1983) Cell 32 : 1033-1043)。
他の実験は,ノパリンT−DNAが再生の間維持され,
雄性不念性花はメンデル則でT−DNA上を伝えるとい
うことを示した(J. Memelink et al.(1983) Mol. Gen.
Genet.190: 516-522) 。機能する外来遺伝子も,優性
メンデル則で遺伝される(R. B.Horsch et al.(1984)Sc
ience 223: 496-498)。今や,T−DNA配列を欠いた
再生組織は,腫瘍に“混在している”非形質転換細胞由
来であり(G. Ooms et al.(1982) Cell 30:589-597)。
初めに形質転換された植物細胞の後成説的な状態が,再
生の可能性に影響する(G. M. S. vanSlogteren et al.
(1983) Plant Mol.Biol.2 : 321-333)ことが明らかであ
る。A. N. Binns (1983) Planta 158 : 272-279による
最近の研究は,腫瘍性遺伝子,この場合tmr,は再生の
間“止める”ことができ,再生組織を培養に置くことに
よって,“再び開始する”ことができると示している。
【0019】アグロバクテリウム・リゾゲネスからの形
質転換の結果として得た根は栽培植物へ直接再生するこ
とが比較的簡単なことを証明した(M.−D. Chi
lton et al.(1982) Nature
295 : 432−434),そして簡単にクローン
化された。再生能力はT−DNAのコピー数に依存する
ようである(C. David et al. (1984) Biotechnol.2 :
73-76)。
質転換の結果として得た根は栽培植物へ直接再生するこ
とが比較的簡単なことを証明した(M.−D. Chi
lton et al.(1982) Nature
295 : 432−434),そして簡単にクローン
化された。再生能力はT−DNAのコピー数に依存する
ようである(C. David et al. (1984) Biotechnol.2 :
73-76)。
【0020】TIPプラスミドにおける遺伝子 ATCC15955で見つけられたオクトピン型プラスミドの pT
i15955のT−DNAの完全な配列が報告されており,真
核生物の転写制御配列に隣接している14のオープンリー
ディングフレーム(ORFs)が含まれている(R. F.
Barker and J.D.Kemp, U.S. Patent application ser.
no.553,786, これは参考文献,R. F. Barker et al.(19
83) Plant Molec. Biol. 2 : 335-350に編入されてい
る)。
i15955のT−DNAの完全な配列が報告されており,真
核生物の転写制御配列に隣接している14のオープンリー
ディングフレーム(ORFs)が含まれている(R. F.
Barker and J.D.Kemp, U.S. Patent application ser.
no.553,786, これは参考文献,R. F. Barker et al.(19
83) Plant Molec. Biol. 2 : 335-350に編入されてい
る)。
【0021】多くの遺伝子がTIPプラスミドのT−D
NA内に同定されている。オクトピンプラスミドT−D
NA転写物の多くの地図が作られており(S. B. Gelvin
etal.(1982) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79 : 76-8
0, L. Willmitzer et al.(1982) EMBO J. 1 : 139-146,
N. Murai and J. D. Kemp(1982) Nuclei Acids Res.10
: 1679- 1689, S. J. Karcher et al.(1984) Mol. Ge
n. Genet.),いくつかの機能が認められている(J.Leem
ans et al. (1982) EMBO J. 1 : 147-152)。これらの領
域のうちのいくつか,特にtmrやtmsをコードしているも
のも原核細胞で転写される(G. Schroder et al. (198
3) EMBO J. 2 : 403-409)。トランスポゾンを用いた
変異により充分明らかになっているオクトピン型プラス
ミドの遺伝子は,tms,tmr,tml,そしてocsを含んでい
る(D.J. Garfinkel et al.(1981)Cell 27 : 143-15
3)。これらの遺伝子にそれぞれ変異を持つTiプラスミ
ドは,シュートを生じ,根を発育させ,そして正常より
も大きいニコチナタバカムの腫瘍カルスを刺激する。他
の宿主では,これらの遺伝子の突然変異体は異なる表現
型を誘導することができる(M. W. Bevan and M.-D. Ch
ilton (1982) Ann. Rev.Genet. 16 : 357-384)。tmrとt
msの表現型は,腫瘍に存在する植物ホルモンレベルの違
いに相関する。サイトカイニン:オーキシン比の違い
は,形質転換されてないカルス組織の葯あるいは根の形
成を培地で誘導できるそれに似ている(D.E. Akiyoshi
et al.(1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80 : 407-4
11, A. N.Binns(1983) Planta 158 : 272-279, A. Capl
an et al.(1983) Science 222 :815-821, R. M. Amasin
o and C. O. Miller(1982) Plant Physiol. 69 : 389-3
92)。機能を有するtmlだけではなく,tmsかtmrのどち
らかの機能を有する遺伝子を含むT−DNAは重要な腫
瘍の成長を促進することができる。シュートや根の促進
はそれぞれ機能を有するtmlにより刺激されたり,阻害
されたりする(L. W.Ream etal.(1983) Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 80 : 1660-1664)。T−DNA遺伝子の
変異は,T−DNAの植物ゲノムへの挿入に影響を及ぼ
したりしないようである(Leemans et al.(1982) 前
出,Reamet al.(1983) 前出)。T−DNA遺伝子はホ
ルモンに非依存性の成長を促進させるために,境界の配
列(TIPプラスミドDNAを参照)の間に位置する必
要がない(H. Joos et al.(1983) EMBO J. 2 :2151-216
0)。
NA内に同定されている。オクトピンプラスミドT−D
NA転写物の多くの地図が作られており(S. B. Gelvin
etal.(1982) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79 : 76-8
0, L. Willmitzer et al.(1982) EMBO J. 1 : 139-146,
N. Murai and J. D. Kemp(1982) Nuclei Acids Res.10
: 1679- 1689, S. J. Karcher et al.(1984) Mol. Ge
n. Genet.),いくつかの機能が認められている(J.Leem
ans et al. (1982) EMBO J. 1 : 147-152)。これらの領
域のうちのいくつか,特にtmrやtmsをコードしているも
のも原核細胞で転写される(G. Schroder et al. (198
3) EMBO J. 2 : 403-409)。トランスポゾンを用いた
変異により充分明らかになっているオクトピン型プラス
ミドの遺伝子は,tms,tmr,tml,そしてocsを含んでい
る(D.J. Garfinkel et al.(1981)Cell 27 : 143-15
3)。これらの遺伝子にそれぞれ変異を持つTiプラスミ
ドは,シュートを生じ,根を発育させ,そして正常より
も大きいニコチナタバカムの腫瘍カルスを刺激する。他
の宿主では,これらの遺伝子の突然変異体は異なる表現
型を誘導することができる(M. W. Bevan and M.-D. Ch
ilton (1982) Ann. Rev.Genet. 16 : 357-384)。tmrとt
msの表現型は,腫瘍に存在する植物ホルモンレベルの違
いに相関する。サイトカイニン:オーキシン比の違い
は,形質転換されてないカルス組織の葯あるいは根の形
成を培地で誘導できるそれに似ている(D.E. Akiyoshi
et al.(1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80 : 407-4
11, A. N.Binns(1983) Planta 158 : 272-279, A. Capl
an et al.(1983) Science 222 :815-821, R. M. Amasin
o and C. O. Miller(1982) Plant Physiol. 69 : 389-3
92)。機能を有するtmlだけではなく,tmsかtmrのどち
らかの機能を有する遺伝子を含むT−DNAは重要な腫
瘍の成長を促進することができる。シュートや根の促進
はそれぞれ機能を有するtmlにより刺激されたり,阻害
されたりする(L. W.Ream etal.(1983) Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 80 : 1660-1664)。T−DNA遺伝子の
変異は,T−DNAの植物ゲノムへの挿入に影響を及ぼ
したりしないようである(Leemans et al.(1982) 前
出,Reamet al.(1983) 前出)。T−DNA遺伝子はホ
ルモンに非依存性の成長を促進させるために,境界の配
列(TIPプラスミドDNAを参照)の間に位置する必
要がない(H. Joos et al.(1983) EMBO J. 2 :2151-216
0)。
【0022】オクトピンTiプラスミドは,オクトピンシ
ンターゼ(リゾピンデヒドロゲナーゼ)をコードするoc
s遺伝子を有する。ocs遺伝子はイントロン(真核生物の
遺伝子にふつうに見られる介在配列で,mRNAの成熟
時にメッセンジャー前駆体から転写後に切り出される)
を含まない。それは,真核生物の転写信号(“TAT
A”ボックス)やポリA付加部位に似ている配列を持っ
ている。ocs遺伝子の発現に必要なすべての信号は,ocs
転写開始部位の 295bp内に見出される(C. Konczet a
l.(1983) EMBO J. 2 : 1597-1603)。P. Dhaese etal.
(1983) EMBO J. 2:419-426は,“転写物7”(Barker e
t al.のORF3,前出)とocsによる様々なポリA付加
部位の利用について報告した。組織内の酵素オクトピン
シンターゼが存在することにより,様々なアミノ酸類似
物の毒性効果からその組織を保護することができる(G.
A. Dahl and J. Tempe(1983) Theor. Appl. Genet. 6
6:233-239, G. A. Dahl et al., US Pat. application
ser. no.532,280,ここで参考文献に編入している)。
ンターゼ(リゾピンデヒドロゲナーゼ)をコードするoc
s遺伝子を有する。ocs遺伝子はイントロン(真核生物の
遺伝子にふつうに見られる介在配列で,mRNAの成熟
時にメッセンジャー前駆体から転写後に切り出される)
を含まない。それは,真核生物の転写信号(“TAT
A”ボックス)やポリA付加部位に似ている配列を持っ
ている。ocs遺伝子の発現に必要なすべての信号は,ocs
転写開始部位の 295bp内に見出される(C. Konczet a
l.(1983) EMBO J. 2 : 1597-1603)。P. Dhaese etal.
(1983) EMBO J. 2:419-426は,“転写物7”(Barker e
t al.のORF3,前出)とocsによる様々なポリA付加
部位の利用について報告した。組織内の酵素オクトピン
シンターゼが存在することにより,様々なアミノ酸類似
物の毒性効果からその組織を保護することができる(G.
A. Dahl and J. Tempe(1983) Theor. Appl. Genet. 6
6:233-239, G. A. Dahl et al., US Pat. application
ser. no.532,280,ここで参考文献に編入している)。
【0023】ノパリンTiプラスミドはノパリンシンタ
ーゼ(nos)をコードしており,その配列は A. Depicke
ret al.(1982) J. Mol. Appl. Genet. 1 : 561- 573に
より決められている。ocs遺伝子で見られたように,nos
はイントロンで中断されていない。それは,2つのポリ
A付加部位と重要な“TATA”ボックス転写開始信号
を持つ。ocsと比べて,nosは“CAT”ボックスとして
知られている転写開始信号であるかもしれない配列が前
にある。nos遺伝子の発現に必要な信号のすべてがnos転
写開始部位の261bp内に見られる(C. Koncz et al.,前
出)。アグロシノピンシンターゼの遺伝子や,tms とtm
r に等価な遺伝子がノパリン型プラスミド上で同定され
ており(H. Joos et al.(1983) Cell 32 : 1057-106
7),多くの転写物が地図上で決められている(L. Willm
itzer et al.(1983) Cell 32 : 1045-1056)。J. C. McP
herssonet al.(1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77
:2666-2670 は,クラウンゴール腫瘍からT−DNA
にコードされているmRNAのインビトロでの転写を報
告した。
ーゼ(nos)をコードしており,その配列は A. Depicke
ret al.(1982) J. Mol. Appl. Genet. 1 : 561- 573に
より決められている。ocs遺伝子で見られたように,nos
はイントロンで中断されていない。それは,2つのポリ
A付加部位と重要な“TATA”ボックス転写開始信号
を持つ。ocsと比べて,nosは“CAT”ボックスとして
知られている転写開始信号であるかもしれない配列が前
にある。nos遺伝子の発現に必要な信号のすべてがnos転
写開始部位の261bp内に見られる(C. Koncz et al.,前
出)。アグロシノピンシンターゼの遺伝子や,tms とtm
r に等価な遺伝子がノパリン型プラスミド上で同定され
ており(H. Joos et al.(1983) Cell 32 : 1057-106
7),多くの転写物が地図上で決められている(L. Willm
itzer et al.(1983) Cell 32 : 1045-1056)。J. C. McP
herssonet al.(1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77
:2666-2670 は,クラウンゴール腫瘍からT−DNA
にコードされているmRNAのインビトロでの転写を報
告した。
【0024】根毛のT−DNAの転写が検出されている
(L.Willmitzer et al.(1982) Mol.Gen. Genet. 186 :
16-22)。機能上,根毛症候群は,tms 内に突然変異のあ
るTiプラスミドとRiプラスミドは互いに相補できる(G.
M. S. van Slogteren(1983)Ph. D. thesis, Rijksuniv
ersiteit te Leiden, Netherlands)ように,tmr内に突
然変異のあるTiプラスミド(F. F. White and E. W. Ne
ster(1980) J. Bacteriol. 144 : 710-720)により刺激
されたクラウンゴール腫瘍と等価のようである。真核生
物では,DNAのメチル化(とりわけシトシン残基)は
転写の不活性化と相関関係があるが,比較的メチル化の
少ない遺伝子はmRNAに転写される。S. B. Gelvin e
t al.(1983) Nucleic Acids Res. 11 : 159-174 は,ク
ラウンゴール腫瘍におけるT−DNAはいつも少なくと
もメチル化されてない1コピー内に存在しているという
ことを見出した。同じゲノムがメチル化されているT−
DNAの多くの他のコピーを含むかもしれないというこ
とから,1個より多いT−DNAのコピーは生物学的に
不活性であるかもしれないということを示唆している。
(G. Ooms et al.(1982)Cell 30 : 589-597 も参照)5
−アザシチジンで腫瘍系列を処理すると転写の増大に並
行しているT−DNA遺伝子の脱メチル化をもたらす
(A. G. Hepburn et al.(1983) J. Mol. Appl. Genet.
2 :315-329 )。5−アザシチジン処理あるいは細胞移
植は,休眠オピン遺伝子を活性化することが示されてい
る(G. M. S. van Slogteren(1983) Ph.D. thesis, Rij
ksuniversiteit te Leiden, Netherlands)。
(L.Willmitzer et al.(1982) Mol.Gen. Genet. 186 :
16-22)。機能上,根毛症候群は,tms 内に突然変異のあ
るTiプラスミドとRiプラスミドは互いに相補できる(G.
M. S. van Slogteren(1983)Ph. D. thesis, Rijksuniv
ersiteit te Leiden, Netherlands)ように,tmr内に突
然変異のあるTiプラスミド(F. F. White and E. W. Ne
ster(1980) J. Bacteriol. 144 : 710-720)により刺激
されたクラウンゴール腫瘍と等価のようである。真核生
物では,DNAのメチル化(とりわけシトシン残基)は
転写の不活性化と相関関係があるが,比較的メチル化の
少ない遺伝子はmRNAに転写される。S. B. Gelvin e
t al.(1983) Nucleic Acids Res. 11 : 159-174 は,ク
ラウンゴール腫瘍におけるT−DNAはいつも少なくと
もメチル化されてない1コピー内に存在しているという
ことを見出した。同じゲノムがメチル化されているT−
DNAの多くの他のコピーを含むかもしれないというこ
とから,1個より多いT−DNAのコピーは生物学的に
不活性であるかもしれないということを示唆している。
(G. Ooms et al.(1982)Cell 30 : 589-597 も参照)5
−アザシチジンで腫瘍系列を処理すると転写の増大に並
行しているT−DNA遺伝子の脱メチル化をもたらす
(A. G. Hepburn et al.(1983) J. Mol. Appl. Genet.
2 :315-329 )。5−アザシチジン処理あるいは細胞移
植は,休眠オピン遺伝子を活性化することが示されてい
る(G. M. S. van Slogteren(1983) Ph.D. thesis, Rij
ksuniversiteit te Leiden, Netherlands)。
【0025】Tiプラスミドは,T−DNA領域の外側に
ある他の遺伝子をコードしており,感染過程に必要であ
る。(ノパリンプラスミドについては,M. Holsters e
t al. (1980) Plasmid 3 : 212-230, オクトピンプラス
ミドについては,H. DeGreveet al.(1981) Plasmid 6
: 235-248, D. J. GarfinkelとE. W. Nester (1980)J.
Bacteriol.144:732-743とG. Ooms (1980) J. Bacterio
l. 144:82-91 を参照)最も重要なのはonc遺伝子であっ
て,変異を起こすと腫瘍形成不能なTiプラスミドを生じ
る(ヴィルレンスに対して,これらの場所はvirとして
知られる)。いくつかのonc 遺伝子は正確に位置づけら
れており,様々なTiプラスミド間で保存された領域内に
あることが見出されている(H. J. Klee et al. (1983)
J. Bacteriol.153 : 878-883, V. N. Iyer et al. (19
82) Mol.Gen. Genet. 188 : 418-424)。onc遺伝子は,
異なるプラスミド型のT−DNAを持つ植物細胞を形質
転換し,しかも物理的に別のプラスミドにあるという,
トランスに機能する(J.Hille et al.(1982) Plasmid.
7 : 107-118, H. J. Klee et al.(1982) J. Bacteriol.
150 : 327-331, A. J. de Framond et al.(1983) Bio
technol. 1 : 262-269)。ノパリンTiDNAは,Tiプラ
スミドから切除したりあるいは宿主ゲノムへの組み込み
のどちらかに関与しているであろうT−DNAの左右の
境界にすぐ隣接している約25ベースペアーの同方向反復
配列を持ち(N. S. Yadav et al.(1982) Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 79 : 6322-6326),類似配列がオクトピ
ンT−DNAの境界に隣接して認められている(R. B.
Simpson et al.(1982)Cell 29 : 1005-1014)。オピン
分解は,オクトピン型プラスミドやノパリン型プラスミ
ドのocc 遺伝子やnoc遺伝子のそれぞれに特異づけられ
ている。Tiプラスミドも複製の開始点を含む自身の再生
産に必要な機能をコードしている。
ある他の遺伝子をコードしており,感染過程に必要であ
る。(ノパリンプラスミドについては,M. Holsters e
t al. (1980) Plasmid 3 : 212-230, オクトピンプラス
ミドについては,H. DeGreveet al.(1981) Plasmid 6
: 235-248, D. J. GarfinkelとE. W. Nester (1980)J.
Bacteriol.144:732-743とG. Ooms (1980) J. Bacterio
l. 144:82-91 を参照)最も重要なのはonc遺伝子であっ
て,変異を起こすと腫瘍形成不能なTiプラスミドを生じ
る(ヴィルレンスに対して,これらの場所はvirとして
知られる)。いくつかのonc 遺伝子は正確に位置づけら
れており,様々なTiプラスミド間で保存された領域内に
あることが見出されている(H. J. Klee et al. (1983)
J. Bacteriol.153 : 878-883, V. N. Iyer et al. (19
82) Mol.Gen. Genet. 188 : 418-424)。onc遺伝子は,
異なるプラスミド型のT−DNAを持つ植物細胞を形質
転換し,しかも物理的に別のプラスミドにあるという,
トランスに機能する(J.Hille et al.(1982) Plasmid.
7 : 107-118, H. J. Klee et al.(1982) J. Bacteriol.
150 : 327-331, A. J. de Framond et al.(1983) Bio
technol. 1 : 262-269)。ノパリンTiDNAは,Tiプラ
スミドから切除したりあるいは宿主ゲノムへの組み込み
のどちらかに関与しているであろうT−DNAの左右の
境界にすぐ隣接している約25ベースペアーの同方向反復
配列を持ち(N. S. Yadav et al.(1982) Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 79 : 6322-6326),類似配列がオクトピ
ンT−DNAの境界に隣接して認められている(R. B.
Simpson et al.(1982)Cell 29 : 1005-1014)。オピン
分解は,オクトピン型プラスミドやノパリン型プラスミ
ドのocc 遺伝子やnoc遺伝子のそれぞれに特異づけられ
ている。Tiプラスミドも複製の開始点を含む自身の再生
産に必要な機能をコードしている。
【0026】Tiプラスミドの転写物は S. B. Gelvin et
al.(1981)Plasmid 6:17-29 により, アグロバクテ
リウム・チューメファシエンス内で検出され,彼はT−
DNA領域が非T−DNA配列より微弱ながら転写され
ることを見出した。Tiプラスミドに指定されている特徴
がMerlo,上記(特にTable II参照)と, ReamとGordon,
上記により概説されている。
al.(1981)Plasmid 6:17-29 により, アグロバクテ
リウム・チューメファシエンス内で検出され,彼はT−
DNA領域が非T−DNA配列より微弱ながら転写され
ることを見出した。Tiプラスミドに指定されている特徴
がMerlo,上記(特にTable II参照)と, ReamとGordon,
上記により概説されている。
【0027】TIP プラスミドDNA DNAハイブリダイゼーション(T. C. Currier and E.
W. Nester(1976)J.Bacteriol. 126:157-165 )ある
いは制限酵素分析(D. Sciaky etal.( 1978)Plasmid
1:238-253 )により調べると, 異なるオクトピン型Ti
プラスミドが殆ど100 %互いに類似している。ノパリン
型Tiプラスミドは互いにはたかだか67%の類似しか持っ
ていない(Currier and Nester, 前出)。概観すると異
なるRiプラスミドは互いに非常に類似しているというこ
とが明らかになった(P. Costantino et al.(1981)P
lasmid 5:170-182)。N. H. DrummondとM. -D. Chilto
n(1978)J. Bacteriol. 136:1178-1183 はオクトピン
型やノパリン型Tiプラスミドの比較的小さな部分が互い
に類似しているということを示した。こういった類似性
は, G. Engler et al.(1981)J. Mol. Biol. 152 :18
3-208により詳細に地図上に位置づけられている。彼ら
は四つの類似領域のうちの三つが, 三つ(部分的にT−
DNAを重複している), 四つ(いくつかのonc遺伝子
を含む),および九つ(onc遺伝子を持つ)の類似配列に
細分化されることを見出した。連続した類似性は少なく
とも一つのtra 遺伝子(Tiプラスミドを他の細菌の細胞
への接合伝達のため)と, 複製と不和合性に関する遺伝
子を含む。この連続した領域は, リゾビウム科の異なる
遺伝子であるリゾビウム属のある種由来のSymプラスミ
ド(共生窒素固定に関係する)と類似性がある(R.K.Pr
akash et al.(1982)Plasmid 7:271-280 )。四つの
領域の順序は保存されていないが, それらはすべて同方
向に並んでいる。T−DNA配列のある部分はノパリン
プラスミドとオクトピンプラスミド間で非常によく保存
されている(M. -D. Chilton et al.(1978)Nature 2
75 :147-149, A. Depicker et al.(1978)Nature 27
5:150-153 )。Riプラスミドは自身の間で, オクトピ
ンTiプラスミド(F. F. White and E. W. Nester(198
0)J.Bacteriol.144 :710-720 )やノパリンTiプラス
ミド(G. Risuleoet al.(1982)Plasmid 7 :45-51 )
の両方に対 して, 主として onc遺伝子をコードしてい
る領域について, 広い類似性を有していることが示され
ている。RiT−DNAはTiプラスミドの両型からT−D
NAへ広いけれども, 弱い類似性を有している(L. Wil
lmitzer et al.(1982)Mol. Gen. Genet.186 :16-22
)。未感染のニコチアナ・グラウカ由来の植物DNA
は, cT−DNA(細胞性T−DNA)と呼ばれるが,
RiT−DNAの部分に類似性を示している(F. F. Whit
e et al.(1983)Nature 301:348-350, L. Spano et
al. (1982)Plant Molec. Biol. 1:291-300 )。G.A.
Huffman et al.(1983)J.Bacteriol., はクロスハイブ
リダイゼーションの領域を地図上に位置づけ, Riプラス
ミドpRiA4bはpTiT37よりもpTiA6(オクトピン型)によ
く似ていることおよびこのRiプラスミドは tmrでなくtm
sに類似している領域を有するように見えることを示し
ている。彼らの結果もRiT−DNAは不連続でオクトピ
ンT−DNAの場合に似ているということを示唆してい
る。Tiプラスミド(M.-D. Chilton et al.(1977)Cell
11 :263-271 )あるいはRiプラスミド(M.-D. Chilto
n (1982)Nature 295:432-434, F. F.White et al.
(1982)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:3193- 3197,
L. Willmitzer(1982)Mol.Gen. Genet. 186 :16-22
)の一部は腫瘍植物細胞のDNA内に見出されるとい
うことが示された。転送されたDNAはT−DNAとし
て知られている。T−DNAは, 核内の(M. P. Nuti e
t al.(1980)Plant Sci. Lett. 18 :1-6, L. Willmit
zer et al.(1980)Nature 287:359-361, M.-D. Chilt
on et al.(1980)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:40
60-4064), 多くの部位で(D. Ursic et al.(1983)Mo
l. Gen. Genet.190:494-503, J. Memelink et al.(19
83)Mol.Gen. Genet. 190:516-522), 宿主DNAに
組み込まれている(M. F. Thomashow et al.(1980)Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA77:6448-6452, N. S. Yadav
et al. (1980)Nature287 :458-461)。多くの非T
−DNA TiプラスミドDNAが, T−DNAの組み込
み前に植物細胞に転送されるようである(H. Joos et a
l.(1983)EMBO J. 2 :2151-2160)。 M. F. Thomash
ow et al.(1980)Proc. Natl. Acad. Sci. USA77:644
8-6452 およびM. F. Thomashow et al.(1980)Cell 19
:729-739 は, オクトピン型Tiプラスミド由来のT−
DNAが, 二つの異なる部分のTL −DNAとTR −D
NA, それぞれ左側T−DNAと右側T−DNAである
が, に組み込まれていることを見出した。TR とTL の
コピー数は異なる腫瘍系列で変化し得る(D. J. Merlo
et al.(1980)Molec. Gen. Genet.177 :637-643 )。
T−DNAの芯はノパリンT−DNAに非常に類似して
おり(Chilton et al.(1978)前出, Depicker et al.
(1978)前出),腫瘍維持に必要であり,TL の中にあ
り,一般に細胞あたり1コピー存在しており,そしてtm
s,tmr,およびtmlの遺伝子をコードしている。他方では,
TR は全体として省くことができるが(M.De.Beuckelee
r et al.(1981)Molec. Gen. Genet.183 :283-288,
G. Ooms et al.(1982)Cell 30 :589-597 ), ふつう
高いコピー数で見られる(Merlo et al.(1980)前
出)。G. Ooms et al.(1982)Plasmid 7 :15-29 は,
彼らはTR がTiプラスミドから欠失すると, アグロバク
テリウム・チューメファシエンスあるヴィルレンスを持
つことを認めているが, TR はT−DNAの組み込みに
関係しているという仮説を立てた。G.Ooms et al.(19
82)Cell 30 :589-597 は植物ゲノムに組み込まれた後
T−DNAはしばしばTiプラスミドにより欠失するが,
一般に安定であるということ, およびT−DNA形成の
点において異なる細胞の混合液を含む腫瘍は, 多様な形
質転換が生じた結果であることを示した。 ocs遺伝子は
TL 内で見出されているが, 腫瘍成長に似た表現型を失
うことなく植物ゲノムより欠失され得る。TL の左側と
右側の境界およびTR の左側と右側の境界は, ここでは
TL LB(A),TL RB(B),TR LB(C),TR RB(D) とそれぞれ
表すが, 配列が決定されており(R. F. Barker et al.
(1983)Plant Mol.Biol. 2:335-350,およびR. F. Ba
rker and J. D. Kemp, U.S. Patent application ser.
no. 532,280 ), 各々が24ベースペアの不完全な同方向
反復配列であり, そしてノパリンT−DNAのどちらか
の末端で見られる同方向反復配列に類似している。組み
込まれたTL LB(A) の周辺にある植物DNAが, 同方向
あるいは逆方向のどちらかであるT−DNA配列の繰り
返しから成っていると観察されている(R.B. Simpsonet
al. (1982)Cell 29 :1005-1014)。M. Holsters et
al.(1983)Mol. Gen. Genet.190 :35-41 は, TL
が, 植物とT−DNA配列の両方から生じる約400bpの
“リンカー”により隔てられた一列に並ぶコピーに組み
込まれていることを見出した。
W. Nester(1976)J.Bacteriol. 126:157-165 )ある
いは制限酵素分析(D. Sciaky etal.( 1978)Plasmid
1:238-253 )により調べると, 異なるオクトピン型Ti
プラスミドが殆ど100 %互いに類似している。ノパリン
型Tiプラスミドは互いにはたかだか67%の類似しか持っ
ていない(Currier and Nester, 前出)。概観すると異
なるRiプラスミドは互いに非常に類似しているというこ
とが明らかになった(P. Costantino et al.(1981)P
lasmid 5:170-182)。N. H. DrummondとM. -D. Chilto
n(1978)J. Bacteriol. 136:1178-1183 はオクトピン
型やノパリン型Tiプラスミドの比較的小さな部分が互い
に類似しているということを示した。こういった類似性
は, G. Engler et al.(1981)J. Mol. Biol. 152 :18
3-208により詳細に地図上に位置づけられている。彼ら
は四つの類似領域のうちの三つが, 三つ(部分的にT−
DNAを重複している), 四つ(いくつかのonc遺伝子
を含む),および九つ(onc遺伝子を持つ)の類似配列に
細分化されることを見出した。連続した類似性は少なく
とも一つのtra 遺伝子(Tiプラスミドを他の細菌の細胞
への接合伝達のため)と, 複製と不和合性に関する遺伝
子を含む。この連続した領域は, リゾビウム科の異なる
遺伝子であるリゾビウム属のある種由来のSymプラスミ
ド(共生窒素固定に関係する)と類似性がある(R.K.Pr
akash et al.(1982)Plasmid 7:271-280 )。四つの
領域の順序は保存されていないが, それらはすべて同方
向に並んでいる。T−DNA配列のある部分はノパリン
プラスミドとオクトピンプラスミド間で非常によく保存
されている(M. -D. Chilton et al.(1978)Nature 2
75 :147-149, A. Depicker et al.(1978)Nature 27
5:150-153 )。Riプラスミドは自身の間で, オクトピ
ンTiプラスミド(F. F. White and E. W. Nester(198
0)J.Bacteriol.144 :710-720 )やノパリンTiプラス
ミド(G. Risuleoet al.(1982)Plasmid 7 :45-51 )
の両方に対 して, 主として onc遺伝子をコードしてい
る領域について, 広い類似性を有していることが示され
ている。RiT−DNAはTiプラスミドの両型からT−D
NAへ広いけれども, 弱い類似性を有している(L. Wil
lmitzer et al.(1982)Mol. Gen. Genet.186 :16-22
)。未感染のニコチアナ・グラウカ由来の植物DNA
は, cT−DNA(細胞性T−DNA)と呼ばれるが,
RiT−DNAの部分に類似性を示している(F. F. Whit
e et al.(1983)Nature 301:348-350, L. Spano et
al. (1982)Plant Molec. Biol. 1:291-300 )。G.A.
Huffman et al.(1983)J.Bacteriol., はクロスハイブ
リダイゼーションの領域を地図上に位置づけ, Riプラス
ミドpRiA4bはpTiT37よりもpTiA6(オクトピン型)によ
く似ていることおよびこのRiプラスミドは tmrでなくtm
sに類似している領域を有するように見えることを示し
ている。彼らの結果もRiT−DNAは不連続でオクトピ
ンT−DNAの場合に似ているということを示唆してい
る。Tiプラスミド(M.-D. Chilton et al.(1977)Cell
11 :263-271 )あるいはRiプラスミド(M.-D. Chilto
n (1982)Nature 295:432-434, F. F.White et al.
(1982)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:3193- 3197,
L. Willmitzer(1982)Mol.Gen. Genet. 186 :16-22
)の一部は腫瘍植物細胞のDNA内に見出されるとい
うことが示された。転送されたDNAはT−DNAとし
て知られている。T−DNAは, 核内の(M. P. Nuti e
t al.(1980)Plant Sci. Lett. 18 :1-6, L. Willmit
zer et al.(1980)Nature 287:359-361, M.-D. Chilt
on et al.(1980)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:40
60-4064), 多くの部位で(D. Ursic et al.(1983)Mo
l. Gen. Genet.190:494-503, J. Memelink et al.(19
83)Mol.Gen. Genet. 190:516-522), 宿主DNAに
組み込まれている(M. F. Thomashow et al.(1980)Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA77:6448-6452, N. S. Yadav
et al. (1980)Nature287 :458-461)。多くの非T
−DNA TiプラスミドDNAが, T−DNAの組み込
み前に植物細胞に転送されるようである(H. Joos et a
l.(1983)EMBO J. 2 :2151-2160)。 M. F. Thomash
ow et al.(1980)Proc. Natl. Acad. Sci. USA77:644
8-6452 およびM. F. Thomashow et al.(1980)Cell 19
:729-739 は, オクトピン型Tiプラスミド由来のT−
DNAが, 二つの異なる部分のTL −DNAとTR −D
NA, それぞれ左側T−DNAと右側T−DNAである
が, に組み込まれていることを見出した。TR とTL の
コピー数は異なる腫瘍系列で変化し得る(D. J. Merlo
et al.(1980)Molec. Gen. Genet.177 :637-643 )。
T−DNAの芯はノパリンT−DNAに非常に類似して
おり(Chilton et al.(1978)前出, Depicker et al.
(1978)前出),腫瘍維持に必要であり,TL の中にあ
り,一般に細胞あたり1コピー存在しており,そしてtm
s,tmr,およびtmlの遺伝子をコードしている。他方では,
TR は全体として省くことができるが(M.De.Beuckelee
r et al.(1981)Molec. Gen. Genet.183 :283-288,
G. Ooms et al.(1982)Cell 30 :589-597 ), ふつう
高いコピー数で見られる(Merlo et al.(1980)前
出)。G. Ooms et al.(1982)Plasmid 7 :15-29 は,
彼らはTR がTiプラスミドから欠失すると, アグロバク
テリウム・チューメファシエンスあるヴィルレンスを持
つことを認めているが, TR はT−DNAの組み込みに
関係しているという仮説を立てた。G.Ooms et al.(19
82)Cell 30 :589-597 は植物ゲノムに組み込まれた後
T−DNAはしばしばTiプラスミドにより欠失するが,
一般に安定であるということ, およびT−DNA形成の
点において異なる細胞の混合液を含む腫瘍は, 多様な形
質転換が生じた結果であることを示した。 ocs遺伝子は
TL 内で見出されているが, 腫瘍成長に似た表現型を失
うことなく植物ゲノムより欠失され得る。TL の左側と
右側の境界およびTR の左側と右側の境界は, ここでは
TL LB(A),TL RB(B),TR LB(C),TR RB(D) とそれぞれ
表すが, 配列が決定されており(R. F. Barker et al.
(1983)Plant Mol.Biol. 2:335-350,およびR. F. Ba
rker and J. D. Kemp, U.S. Patent application ser.
no. 532,280 ), 各々が24ベースペアの不完全な同方向
反復配列であり, そしてノパリンT−DNAのどちらか
の末端で見られる同方向反復配列に類似している。組み
込まれたTL LB(A) の周辺にある植物DNAが, 同方向
あるいは逆方向のどちらかであるT−DNA配列の繰り
返しから成っていると観察されている(R.B. Simpsonet
al. (1982)Cell 29 :1005-1014)。M. Holsters et
al.(1983)Mol. Gen. Genet.190 :35-41 は, TL
が, 植物とT−DNA配列の両方から生じる約400bpの
“リンカー”により隔てられた一列に並ぶコピーに組み
込まれていることを見出した。
【0028】オクトピン型腫瘍内の状況と比べて, ノパ
リンT−DNAはある連続した断片内の宿主ゲノムに組
み込まれている(M. Lemmers et al.(1980)J. Mol. B
iol.144 :353-376, P. Zambryski et al.(1980)Scie
nce 209 :1385-1391 )。同向縦列繰り返しが観察され
た。奇形種から再生した植物のT−DNAは挿入された
DNAの境界の断片に小数の修飾を持っていた(Lemmer
s et al., 前出)。右と左の境界の間の接点の配列分析
により多くの同方向繰り返しと一つの逆方向繰り返しが
明らかとなった(Zambryski et al.(1980)前出)。左
側の接点は少なくとも70bpにまでわたり多様であること
が示されているが, 右側の接点は単一のヌクレオチド以
外の変化はない(P. Zambryskiet al.(1982)J. Mol.
Appl. Genet.1 :361-370 )。縦列した中の接点の左側
と右側の境界は 130bpを越えるであろう間隙により隔て
られている。間隙は未知の起原のものであり, いくつか
のT−DNA配列を含んでいた。T−DNAは, 反復し
ており,低分子数の宿主の配列に組み込まれていること
が見出された。H. Joos et al.(1983)Cell 32:1057-
1067 によると, ヴィルレンスは通常のノパリンT−D
NA境界配列のどちらかの一つの欠失後に引き起こされ
るものではないことが示されている。
リンT−DNAはある連続した断片内の宿主ゲノムに組
み込まれている(M. Lemmers et al.(1980)J. Mol. B
iol.144 :353-376, P. Zambryski et al.(1980)Scie
nce 209 :1385-1391 )。同向縦列繰り返しが観察され
た。奇形種から再生した植物のT−DNAは挿入された
DNAの境界の断片に小数の修飾を持っていた(Lemmer
s et al., 前出)。右と左の境界の間の接点の配列分析
により多くの同方向繰り返しと一つの逆方向繰り返しが
明らかとなった(Zambryski et al.(1980)前出)。左
側の接点は少なくとも70bpにまでわたり多様であること
が示されているが, 右側の接点は単一のヌクレオチド以
外の変化はない(P. Zambryskiet al.(1982)J. Mol.
Appl. Genet.1 :361-370 )。縦列した中の接点の左側
と右側の境界は 130bpを越えるであろう間隙により隔て
られている。間隙は未知の起原のものであり, いくつか
のT−DNA配列を含んでいた。T−DNAは, 反復し
ており,低分子数の宿主の配列に組み込まれていること
が見出された。H. Joos et al.(1983)Cell 32:1057-
1067 によると, ヴィルレンスは通常のノパリンT−D
NA境界配列のどちらかの一つの欠失後に引き起こされ
るものではないことが示されている。
【0029】Simpson et al.(1982)前出やZambryski
et al.(1980)前出では, 境界領域の同方向反復は植物
DNAへのT−DNAの組み込みに関係していると示唆
されている。二つの異なるTiプラスミド由来のT−DN
Aの持つ境界は類似した境界ほど特異的に組み込まれな
いということは, この示唆を支持している(G. Oomset
al.(1982)Plant Molec. Biol.1 :265-276 )。
et al.(1980)前出では, 境界領域の同方向反復は植物
DNAへのT−DNAの組み込みに関係していると示唆
されている。二つの異なるTiプラスミド由来のT−DN
Aの持つ境界は類似した境界ほど特異的に組み込まれな
いということは, この示唆を支持している(G. Oomset
al.(1982)Plant Molec. Biol.1 :265-276 )。
【0030】N. S. Yadav et al.(1982)Proc. Natl.
Acad. Sci. USA79:6322-6326 は,バクテリオ・ファー
ジλ内で10キロベースも離れた周囲のDNAにおける普
遍的組み換えを増加させるchi 部位がT−DNAの左側
末端のちょうど外側のノパリンTiプラスミドにあること
を見つけた。R. B. Simpson et al.(1982)Cell 29:10
05-1014によれば, オクトピンTiプラスミド内の同様の
位置にchi 配列が見つけられなかった。Tiプラスミド内
のchiの重要性は知られていない。
Acad. Sci. USA79:6322-6326 は,バクテリオ・ファー
ジλ内で10キロベースも離れた周囲のDNAにおける普
遍的組み換えを増加させるchi 部位がT−DNAの左側
末端のちょうど外側のノパリンTiプラスミドにあること
を見つけた。R. B. Simpson et al.(1982)Cell 29:10
05-1014によれば, オクトピンTiプラスミド内の同様の
位置にchi 配列が見つけられなかった。Tiプラスミド内
のchiの重要性は知られていない。
【0031】TIP プラスミドの操作 シャトルベクターに関する節の中で詳述したように, 改
造したDNA配列をTIPプラスミド上の所望の場所に導
入するための技術が開発された。この技術を用いればト
ランスポゾンを容易に挿入することができる(D. J. Ga
rfinkel et al.(1981)Cell27:143-153 )。J.-P. He
rnalsteen et al.(1980)Nature 287:654-656 はTiプ
ラスミド中のT−DNAに挿入されたDNA配列(ここ
では細菌のトランスポゾン)が受容植物のゲノム中に転
移そして組み込まれることを示した。M.Holsters et a
l. (1982)Mol. Gen. Genet. 185:283-289 は, T−
DNAに挿入された細菌のトランスポゾン(Tn7)が植
物ゲノム中に組み込まれた後も, 完全に機能的で外観上
は不変な形で再分離され得ることを示した。異なる起原
からのいくつかの遺伝子を用いて外来DNAの挿入が行
われたが, 現在までは, 外来遺伝子は植物細胞中におい
て通常はそれ自身のプロモーター制御下で発現されてい
ない。これらの遺伝子の起原は, ウサギβ- グロビン
(C. H. Shaw etal. (1983)Gene23:315-330), 酵母
アルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)(K.A. Barton et
al.(1983)Cell32:1033-1043), トウモロコシAdhI
(J. Bennetzen, 未発表)およびゼイン, 哺乳動物イン
ターフェロンおよびグロビン, および哺乳動物ウィルス
SV40(J. Schell,未発表)が含まれる。しかし,ノパリ
ンシンターゼ遺伝子をオクトピンT−DNAに挿入し植
物組織を形質転換した場合は, それは完全に機能的であ
ることが分かった(C. L. Fink(1982)M. S. thesis,
ウィスコンシン- マディソン大学)。豆ファゼオラス・
ブルガリス(Phaseolus vulgaris L.)の種子中に見ら
れる貯蔵蛋白であるファセオリンをコードする遺伝子
は, ヒマワリの腫瘍へ導入され, そこで発現した。転写
は正しい位置で開始および終結され, そしてイントロン
は転写後に正しくプロセッシングを受けた( N. Murai
et al.(1983)Science 222 :476-482,およびT. C. Ha
ll et al.US application ser. no. 485,613 , これは
ここで文献に編入されている)。A.Caplan et al.(198
3)Science 222 :815-821 は, エンドウ リブロース-
1,5-ビスホスフェート カルボキシラーゼの小さいサブ
ユニット遺伝子の5'側上流領域由来のDNA900 bpの断
片により, タバコの光誘導性発現が細菌クロラムフェニ
コール アセチルトランスフェラーゼ構造遺伝子に授与
されるのに充分であることを主張している。
造したDNA配列をTIPプラスミド上の所望の場所に導
入するための技術が開発された。この技術を用いればト
ランスポゾンを容易に挿入することができる(D. J. Ga
rfinkel et al.(1981)Cell27:143-153 )。J.-P. He
rnalsteen et al.(1980)Nature 287:654-656 はTiプ
ラスミド中のT−DNAに挿入されたDNA配列(ここ
では細菌のトランスポゾン)が受容植物のゲノム中に転
移そして組み込まれることを示した。M.Holsters et a
l. (1982)Mol. Gen. Genet. 185:283-289 は, T−
DNAに挿入された細菌のトランスポゾン(Tn7)が植
物ゲノム中に組み込まれた後も, 完全に機能的で外観上
は不変な形で再分離され得ることを示した。異なる起原
からのいくつかの遺伝子を用いて外来DNAの挿入が行
われたが, 現在までは, 外来遺伝子は植物細胞中におい
て通常はそれ自身のプロモーター制御下で発現されてい
ない。これらの遺伝子の起原は, ウサギβ- グロビン
(C. H. Shaw etal. (1983)Gene23:315-330), 酵母
アルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)(K.A. Barton et
al.(1983)Cell32:1033-1043), トウモロコシAdhI
(J. Bennetzen, 未発表)およびゼイン, 哺乳動物イン
ターフェロンおよびグロビン, および哺乳動物ウィルス
SV40(J. Schell,未発表)が含まれる。しかし,ノパリ
ンシンターゼ遺伝子をオクトピンT−DNAに挿入し植
物組織を形質転換した場合は, それは完全に機能的であ
ることが分かった(C. L. Fink(1982)M. S. thesis,
ウィスコンシン- マディソン大学)。豆ファゼオラス・
ブルガリス(Phaseolus vulgaris L.)の種子中に見ら
れる貯蔵蛋白であるファセオリンをコードする遺伝子
は, ヒマワリの腫瘍へ導入され, そこで発現した。転写
は正しい位置で開始および終結され, そしてイントロン
は転写後に正しくプロセッシングを受けた( N. Murai
et al.(1983)Science 222 :476-482,およびT. C. Ha
ll et al.US application ser. no. 485,613 , これは
ここで文献に編入されている)。A.Caplan et al.(198
3)Science 222 :815-821 は, エンドウ リブロース-
1,5-ビスホスフェート カルボキシラーゼの小さいサブ
ユニット遺伝子の5'側上流領域由来のDNA900 bpの断
片により, タバコの光誘導性発現が細菌クロラムフェニ
コール アセチルトランスフェラーゼ構造遺伝子に授与
されるのに充分であることを主張している。
【0032】TIP プラスミドにおいて,いくつかの方法
により欠失を引き起こすことができる。標準的な組み換
えDNA技術により造り出された欠失を導入するのにシ
ャトルベクターを用いることができる。すでに決定され
ている一つの末端をもつ欠失は, トランスポゾンの不適
当な切り出しにより作成することができる(B. P. Koek
man et al.(1979)Plasmid 2 :347-357,およびG. Oom
s et al.(1982)Plamid 7:15-29 )。J. Hilleおよび
R. Schilperoot (1981)Plasmid 6 :151-154は, 前も
って決められた位置に両端をもつ欠失は二つのトランス
ポゾンの使用により引き起こすことができることを証明
した。この技術はまた, “組み換えDNA”分子をイン
ビボで構築するのに用いることができる。P. Zambryski
et al.(1983)EMBO J.2:2143-2150は,タバコにおい
て非常に小さなカルスの形成を促進し, 普通の形態をも
つ植物の再生に導くような, nos および転写a以外のノ
パリンT−DNA遺伝子のすべてを欠失したベクターの
使用を報告している。
により欠失を引き起こすことができる。標準的な組み換
えDNA技術により造り出された欠失を導入するのにシ
ャトルベクターを用いることができる。すでに決定され
ている一つの末端をもつ欠失は, トランスポゾンの不適
当な切り出しにより作成することができる(B. P. Koek
man et al.(1979)Plasmid 2 :347-357,およびG. Oom
s et al.(1982)Plamid 7:15-29 )。J. Hilleおよび
R. Schilperoot (1981)Plasmid 6 :151-154は, 前も
って決められた位置に両端をもつ欠失は二つのトランス
ポゾンの使用により引き起こすことができることを証明
した。この技術はまた, “組み換えDNA”分子をイン
ビボで構築するのに用いることができる。P. Zambryski
et al.(1983)EMBO J.2:2143-2150は,タバコにおい
て非常に小さなカルスの形成を促進し, 普通の形態をも
つ植物の再生に導くような, nos および転写a以外のノ
パリンT−DNA遺伝子のすべてを欠失したベクターの
使用を報告している。
【0033】ノパリンシンターゼ遺伝子は,形質転換さ
れた植物細胞の選別に用いることができる薬剤耐性をコ
ードするDNA小片の挿入のために用いられている。植
物細胞では,Tn5 からのバクテリアカナマイシン耐性遺
伝子はそれ自身のプロモーター制御下では転写されない
(J. D. Kemp et al.(1983)in Genetic Engineering
:Applicationsto Agriculture, (Beltsville Symp.
Agric. Res. 7),ed.:L. D. Owens,pp.215-228;およ
びC. L. Fink(1982)前出)。M. W. Bevan etal.(198
3)Nature 304:184-187, R. T. Fraley etal. (198
3)Proc. Natl.Acad. Sci. USA 80 :4803-4807,および
L. Herrera- Estrella et al.(1983)EMBO J. 2 :987
-995, は, Tn5 由来のカナマイシン耐性遺伝子(ネオ
マイシンフォスフォトランスフェラーゼII)をノパリン
シンターゼのプロモーターの後に挿入した。その構築物
は植物細胞の形質転換に用いられ, その植物細胞は培養
下においてカナマイシンおよびG418のようなそのアナロ
グに対する耐性を示した。Herrera-Estrella et al. 前
出, はTn7 由来のメトトレキセート耐性遺伝子(ジヒド
ロ葉酸リダクターゼ)がノパリンシンターゼ プロモー
ターの後ろに置かれたような, 類似の構造を報告した。
形質転換細胞は, 葉酸の拮抗アナログであるメトトレキ
セートに耐性であった。同様に, L.Herrera- Estrella
et al.(1983)Nature 303:209-213 は, オクトピンシ
ンターゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼ(細菌においてクロラムフェニコール耐性を
賦与する)の酵素活性の発現を, これらの二つの酵素の
構造遺伝子をnos プロモーターの制御下に置くことによ
り, 植物細胞において獲得した。
れた植物細胞の選別に用いることができる薬剤耐性をコ
ードするDNA小片の挿入のために用いられている。植
物細胞では,Tn5 からのバクテリアカナマイシン耐性遺
伝子はそれ自身のプロモーター制御下では転写されない
(J. D. Kemp et al.(1983)in Genetic Engineering
:Applicationsto Agriculture, (Beltsville Symp.
Agric. Res. 7),ed.:L. D. Owens,pp.215-228;およ
びC. L. Fink(1982)前出)。M. W. Bevan etal.(198
3)Nature 304:184-187, R. T. Fraley etal. (198
3)Proc. Natl.Acad. Sci. USA 80 :4803-4807,および
L. Herrera- Estrella et al.(1983)EMBO J. 2 :987
-995, は, Tn5 由来のカナマイシン耐性遺伝子(ネオ
マイシンフォスフォトランスフェラーゼII)をノパリン
シンターゼのプロモーターの後に挿入した。その構築物
は植物細胞の形質転換に用いられ, その植物細胞は培養
下においてカナマイシンおよびG418のようなそのアナロ
グに対する耐性を示した。Herrera-Estrella et al. 前
出, はTn7 由来のメトトレキセート耐性遺伝子(ジヒド
ロ葉酸リダクターゼ)がノパリンシンターゼ プロモー
ターの後ろに置かれたような, 類似の構造を報告した。
形質転換細胞は, 葉酸の拮抗アナログであるメトトレキ
セートに耐性であった。同様に, L.Herrera- Estrella
et al.(1983)Nature 303:209-213 は, オクトピンシ
ンターゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼ(細菌においてクロラムフェニコール耐性を
賦与する)の酵素活性の発現を, これらの二つの酵素の
構造遺伝子をnos プロモーターの制御下に置くことによ
り, 植物細胞において獲得した。
【0034】N. Murai et al.(1983)Science 222 :4
76-482,およびT. C. Hall et al. US application ser.
no.485,614 , ここでは文献に編入される, は ocsプロ
モーターおよびオクトピンシンターゼ構造遺伝子の5'末
端のマメ種子蛋白のファセオリンの構造遺伝子への融合
を報告している。オクトピンシンターゼのアミノ末端を
保持し,ファセオリンのアミノ末端を欠失する融合蛋白
が, T−DNAプロモーター制御下において生産され
た。ファセオリン配列により与えられたイントロンは,
転写後に正しくプロセッシングを受けた。
76-482,およびT. C. Hall et al. US application ser.
no.485,614 , ここでは文献に編入される, は ocsプロ
モーターおよびオクトピンシンターゼ構造遺伝子の5'末
端のマメ種子蛋白のファセオリンの構造遺伝子への融合
を報告している。オクトピンシンターゼのアミノ末端を
保持し,ファセオリンのアミノ末端を欠失する融合蛋白
が, T−DNAプロモーター制御下において生産され
た。ファセオリン配列により与えられたイントロンは,
転写後に正しくプロセッシングを受けた。
【0035】A. J. de Framond et al.(1983)Biotech
nol. 1 :262-269 は“ミニ- Tiプラスミド”の構築に
関してそのことを報告している。ノパリンT−DNAに
おいて, 制限酵素Kpn I により切断される部位は通常た
だ一つのみ存在する。その部位を欠失する突然変異を作
成し, 全ノパリンT−DNAを含むKpn I 断片が分離さ
れた。この断片はカナマイシン耐性遺伝子と共にpRK290
中に挿入され,その結果, アグロバクテリウム・チュー
メファシエンス(A. tumefaciens)中で保持可能で,
非T−DNAのTi配列のほとんどすべてを欠失するプラ
スミドとなった。単独では, このプラスミドは植物細胞
を形質転換することができなかった。しかし,オクトピ
ンTiプラスミドを保持するアグロバクテリウム・チュー
メファシエンス中に置かれると, 腫瘍は誘導されてオク
トピンおよびノパリンの両方を合成した。ミニTiプラス
ミドもまた,それ自身のT−DNAを欠失するTiプラス
ミドで相補された場合に植物細胞に導入されている。こ
れらの結果は, 非T−DNAの機能がT−DNAとトラ
ンスに働くこと, 欠失ノパリンTiプラスミドの機能がオ
クトピンTiプラスミドにより相補されること, およびノ
パリン“ミニ- Tiプラスミド”が植物細胞の形質転換に
おいて機能することを示した。各々オクトピンT−DN
Aもしくは onc遺伝子を有し, 相補性のあるこれに似た
対がA. Hoekemaet al.(1983)Nature 303:179-180 に
より構築されている。
nol. 1 :262-269 は“ミニ- Tiプラスミド”の構築に
関してそのことを報告している。ノパリンT−DNAに
おいて, 制限酵素Kpn I により切断される部位は通常た
だ一つのみ存在する。その部位を欠失する突然変異を作
成し, 全ノパリンT−DNAを含むKpn I 断片が分離さ
れた。この断片はカナマイシン耐性遺伝子と共にpRK290
中に挿入され,その結果, アグロバクテリウム・チュー
メファシエンス(A. tumefaciens)中で保持可能で,
非T−DNAのTi配列のほとんどすべてを欠失するプラ
スミドとなった。単独では, このプラスミドは植物細胞
を形質転換することができなかった。しかし,オクトピ
ンTiプラスミドを保持するアグロバクテリウム・チュー
メファシエンス中に置かれると, 腫瘍は誘導されてオク
トピンおよびノパリンの両方を合成した。ミニTiプラス
ミドもまた,それ自身のT−DNAを欠失するTiプラス
ミドで相補された場合に植物細胞に導入されている。こ
れらの結果は, 非T−DNAの機能がT−DNAとトラ
ンスに働くこと, 欠失ノパリンTiプラスミドの機能がオ
クトピンTiプラスミドにより相補されること, およびノ
パリン“ミニ- Tiプラスミド”が植物細胞の形質転換に
おいて機能することを示した。各々オクトピンT−DN
Aもしくは onc遺伝子を有し, 相補性のあるこれに似た
対がA. Hoekemaet al.(1983)Nature 303:179-180 に
より構築されている。
【0036】Chilton et al.(18 January 1983 )15th
Miami Winter Symp.は, ノパリンシンターゼ遺伝子お
よび左右の境界以外の実質的にすべてのT−DNAを欠
失させるために, Sma Iを用いた“ミニ- Ti”の再区分
により作成した“ミクロ- Ti”の構築について報告し
た。ミクロ- Tiは, SmaI部位を欠失する修飾pRK290プ
ラスミドに挿入され, ミニ- Tiプラスミドに類似した方
法で用いられ, 同等の結果が得られた。G. A. Dahl et
al. US application ser. no. 532,280は, オクトピン
型プラスミドpTi15955のTL 領域から構築されたocs 遺
伝子を所持するミクロ- Tiプラスミドを発表している。
Miami Winter Symp.は, ノパリンシンターゼ遺伝子お
よび左右の境界以外の実質的にすべてのT−DNAを欠
失させるために, Sma Iを用いた“ミニ- Ti”の再区分
により作成した“ミクロ- Ti”の構築について報告し
た。ミクロ- Tiは, SmaI部位を欠失する修飾pRK290プ
ラスミドに挿入され, ミニ- Tiプラスミドに類似した方
法で用いられ, 同等の結果が得られた。G. A. Dahl et
al. US application ser. no. 532,280は, オクトピン
型プラスミドpTi15955のTL 領域から構築されたocs 遺
伝子を所持するミクロ- Tiプラスミドを発表している。
【0037】
【発明の要旨】本発明の遺伝的に細胞を修飾する方法
は,(a)二元目的プロモーター領域/外来構造遺伝子結
合体を有するDNA分子で原核生物細胞を形質転換し,
結果として生じた原核生物株でのこの結合体の発現を検
知する工程;および(b)二元目的プロモーター領域/外
来構造遺伝子結合体を有するDNA分子で植物細胞を形
質転換し,結果として生じた植物組織でのこの結合体の
発現を検知する工程,を包含する。
は,(a)二元目的プロモーター領域/外来構造遺伝子結
合体を有するDNA分子で原核生物細胞を形質転換し,
結果として生じた原核生物株でのこの結合体の発現を検
知する工程;および(b)二元目的プロモーター領域/外
来構造遺伝子結合体を有するDNA分子で植物細胞を形
質転換し,結果として生じた植物組織でのこの結合体の
発現を検知する工程,を包含する。
【0038】本発明の植物は,(a)二元目的プロモータ
ー領域/外来構造遺伝子結合体を有するDNA分子で原
核生物細胞を形質転換し,結果として生じた原核生物株
でのこの結合体の発現を検知する工程;および(b)二元
目的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体を有する
DNA分子で植物細胞を形質転換し,結果として生じた
植物組織でのこの結合体の発現を検知する工程,を包含
する遺伝的に細胞を修飾する方法により遺伝的に修飾さ
れる。
ー領域/外来構造遺伝子結合体を有するDNA分子で原
核生物細胞を形質転換し,結果として生じた原核生物株
でのこの結合体の発現を検知する工程;および(b)二元
目的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体を有する
DNA分子で植物細胞を形質転換し,結果として生じた
植物組織でのこの結合体の発現を検知する工程,を包含
する遺伝的に細胞を修飾する方法により遺伝的に修飾さ
れる。
【0039】本発明のDNAベクターは,同定し得る表
現型を与え得る1つまたはそれ以上の二元目的プロモー
ター領域/外来構造遺伝子結合体を有するDNAベクタ
ーであって,該結合体が該ベクターにより形質転換され
た細菌株に同定し得る表現型を与える該ベクターに対し
唯一の手段である。
現型を与え得る1つまたはそれ以上の二元目的プロモー
ター領域/外来構造遺伝子結合体を有するDNAベクタ
ーであって,該結合体が該ベクターにより形質転換され
た細菌株に同定し得る表現型を与える該ベクターに対し
唯一の手段である。
【0040】本発明の植物組織は,DNAベクターが同
定し得る表現型を与え得る1つまたはそれ以上の二元目
的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体を有し,該
結合体が該ベクターにより形質転換された細菌株に同定
し得る表現型を与える該ベクターに対し唯一の手段であ
る,DNAベクターに由来するDNAを含む。
定し得る表現型を与え得る1つまたはそれ以上の二元目
的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体を有し,該
結合体が該ベクターにより形質転換された細菌株に同定
し得る表現型を与える該ベクターに対し唯一の手段であ
る,DNAベクターに由来するDNAを含む。
【0041】本発明の植物はまた,DNAベクターが同
定し得る表現型を与え得る1つまたはそれ以上の二元目
的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体を有し,該
結合体が該ベクターにより形質転換された細菌株に同定
し得る表現型を与える該ベクターに対し唯一の手段であ
る,DNAベクターに由来するDNAを含む植物組織に
由来する。
定し得る表現型を与え得る1つまたはそれ以上の二元目
的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体を有し,該
結合体が該ベクターにより形質転換された細菌株に同定
し得る表現型を与える該ベクターに対し唯一の手段であ
る,DNAベクターに由来するDNAを含む植物組織に
由来する。
【0042】さらに,本発明の細菌株は,同定し得る表
現型を与え得る1つまたはそれ以上の二元目的プロモー
ター領域/外来構造遺伝子結合体を有するDNAベクタ
ーを含む細菌株であって,該結合体は該株に該同定し得
る表現型を与える唯一の手段である,DNAベクターを
含む。
現型を与え得る1つまたはそれ以上の二元目的プロモー
ター領域/外来構造遺伝子結合体を有するDNAベクタ
ーを含む細菌株であって,該結合体は該株に該同定し得
る表現型を与える唯一の手段である,DNAベクターを
含む。
【0043】本発明の目的の一つは,その遺伝子がその
細胞に対して外来であり他の方法では発現されないとい
う場合の,植物および細菌の両方の細胞中での構造遺伝
子の発現を促進させるための方法を供することである。
この目的の遂行において,二元目的プロモーター領域/
外来構造遺伝子結合体が供される。それは,その結合体
によって形質転換される細胞に対して同定可能な表現型
を授与する外来構造遺伝子に結合した,植物および細菌
の細胞中での構造遺伝子の転写の制限可能なDNA配列
である。
細胞に対して外来であり他の方法では発現されないとい
う場合の,植物および細菌の両方の細胞中での構造遺伝
子の発現を促進させるための方法を供することである。
この目的の遂行において,二元目的プロモーター領域/
外来構造遺伝子結合体が供される。それは,その結合体
によって形質転換される細胞に対して同定可能な表現型
を授与する外来構造遺伝子に結合した,植物および細菌
の細胞中での構造遺伝子の転写の制限可能なDNA配列
である。
【0044】もう一つの目的は,外来構造遺伝子にコー
ドされたタンパク,そしてもしそれが酵素である場合に
は,その遺伝子が挿入された細胞中に,挿入されていな
い時には見られない,または見られる代謝産物もしくは
化合物をそれぞれ保持する,もしくは欠失する,特殊な
植物組織および植物を供することである。
ドされたタンパク,そしてもしそれが酵素である場合に
は,その遺伝子が挿入された細胞中に,挿入されていな
い時には見られない,または見られる代謝産物もしくは
化合物をそれぞれ保持する,もしくは欠失する,特殊な
植物組織および植物を供することである。
【0045】他の目的には,真核生物で発現するために
設計された構造の,原核生物中における予備実験の,そ
してまた他には選択の,方法を供すること,そしてそれ
によって,真核と原核の両方の形質転換細胞を同定し得
るような方法を供することである。それ以外の目的およ
び利点は,以下の記述から明らかとなるであろう。
設計された構造の,原核生物中における予備実験の,そ
してまた他には選択の,方法を供すること,そしてそれ
によって,真核と原核の両方の形質転換細胞を同定し得
るような方法を供することである。それ以外の目的およ
び利点は,以下の記述から明らかとなるであろう。
【0046】本発明は,導入され,発現される外来構造
遺伝子を保持する,遺伝学的に修飾された植物細胞から
成る植物を供する。そしてその外来構造遺伝子は,分り
易く言えば,T−DNAの1450bTx由来の植物で発現可
能な転写制御配列の制御下で発現される。さらに本発明
は,T−DNA由来の植物で発現可能な転写制御配列に
関して,それらの配列の制御下において植物細胞内で発
現可能なような方向および間隔で挿入された,外来構造
遺伝子を含むゲノムを有する植物細胞から成る植物組織
を供する。また,T−DNAを保持し,そして複製する
細菌の新しい株が供される。そしてそのT−DNAは,
T−DNA由来の植物および細菌で発現可能なプロモー
ター領域に関して,植物または細菌の細胞内で上記プロ
モーター領域の制御下で発現可能であるような方向およ
び間隔で挿入された外来構造遺伝子を保持するように修
飾されている。それに加えて,本発明は細菌内での複製
能力を保持し,T−DNAを含むように,植物を形質転
換するという努力において便利な新しいベクターを供す
る。さらにそのベクターは,T−DNA由来のプロモー
ター領域の制御下における植物細胞または細菌内で発現
可能であるように,ベクターに含まれるT−DNA中に
挿入された外来構造遺伝子を含む。さらにまた,上記ベ
クターを保持する細菌の株を開示する。
遺伝子を保持する,遺伝学的に修飾された植物細胞から
成る植物を供する。そしてその外来構造遺伝子は,分り
易く言えば,T−DNAの1450bTx由来の植物で発現可
能な転写制御配列の制御下で発現される。さらに本発明
は,T−DNA由来の植物で発現可能な転写制御配列に
関して,それらの配列の制御下において植物細胞内で発
現可能なような方向および間隔で挿入された,外来構造
遺伝子を含むゲノムを有する植物細胞から成る植物組織
を供する。また,T−DNAを保持し,そして複製する
細菌の新しい株が供される。そしてそのT−DNAは,
T−DNA由来の植物および細菌で発現可能なプロモー
ター領域に関して,植物または細菌の細胞内で上記プロ
モーター領域の制御下で発現可能であるような方向およ
び間隔で挿入された外来構造遺伝子を保持するように修
飾されている。それに加えて,本発明は細菌内での複製
能力を保持し,T−DNAを含むように,植物を形質転
換するという努力において便利な新しいベクターを供す
る。さらにそのベクターは,T−DNA由来のプロモー
ター領域の制御下における植物細胞または細菌内で発現
可能であるように,ベクターに含まれるT−DNA中に
挿入された外来構造遺伝子を含む。さらにまた,上記ベ
クターを保持する細菌の株を開示する。
【0047】ここで紹介する実験作業は,真核および原
核生物の両方において構造遺伝子の単一コピーの転写を
生じるプロモーター活性を有するDNA分子を記述す
る。二元目的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体
の有効性は,植物の形質転換の当業者が外来構造遺伝子
を発現させるのを,そしてDNA配列の他の操作を行う
のを容易にする。真核生物への形質転換前に,原核生物
中で外来構造遺伝子を発現できることは,その構造が正
しく組み立てられているかどうかを確認するために,組
み換えDNA構造を機能的に調べることを可能にする。
遺伝的マーカーの発現を制御するのに用いられた場合,
このプロモーター領域のさらに他の効用が明らかとな
る。マーカーが植物と細菌の両方に毒性を持つ選択薬
剤,例えば抗生物質,に対して抵抗性もしくは耐性を与
える場合,プロモーター領域および外来構造遺伝子を含
む単一DNA配列は形質転換細胞が細菌かまたは植物由
来かを同定または選択するのに用いることができる。二
元目的プロモーター領域/構造遺伝子結合体は,その結
合体が,その構造遺伝子により授与される同定可能な表
現型の細胞内での発現にとって唯一の方法である場合
に,特に有用である。2つの目的,すなわち植物におけ
る選別(または選択)および細菌における選別(または
選択),のために単一DNA配列を用いることは,その
ようなマーカーを所持するDNA分子の大きさを小さく
することを可能とし,それによって組み換えDNA操作
および細胞形質転換手順を容易にする。
核生物の両方において構造遺伝子の単一コピーの転写を
生じるプロモーター活性を有するDNA分子を記述す
る。二元目的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体
の有効性は,植物の形質転換の当業者が外来構造遺伝子
を発現させるのを,そしてDNA配列の他の操作を行う
のを容易にする。真核生物への形質転換前に,原核生物
中で外来構造遺伝子を発現できることは,その構造が正
しく組み立てられているかどうかを確認するために,組
み換えDNA構造を機能的に調べることを可能にする。
遺伝的マーカーの発現を制御するのに用いられた場合,
このプロモーター領域のさらに他の効用が明らかとな
る。マーカーが植物と細菌の両方に毒性を持つ選択薬
剤,例えば抗生物質,に対して抵抗性もしくは耐性を与
える場合,プロモーター領域および外来構造遺伝子を含
む単一DNA配列は形質転換細胞が細菌かまたは植物由
来かを同定または選択するのに用いることができる。二
元目的プロモーター領域/構造遺伝子結合体は,その結
合体が,その構造遺伝子により授与される同定可能な表
現型の細胞内での発現にとって唯一の方法である場合
に,特に有用である。2つの目的,すなわち植物におけ
る選別(または選択)および細菌における選別(または
選択),のために単一DNA配列を用いることは,その
ようなマーカーを所持するDNA分子の大きさを小さく
することを可能とし,それによって組み換えDNA操作
および細胞形質転換手順を容易にする。
【0048】本発明は,二元目的プロモーター領域の制
御下における外来構造遺伝子およびポリアデニル化部位
から成り,上記プロモーター/遺伝子/ポリアデニル化
部位の結合は,当業者には知られたどんな方法によって
でも細胞に挿入される。もっと明確に,分り易く言え
ば,ここで発表される本発明はT−DNAを介した導入
の後に,すなわち外来構造遺伝子をT−DNAの1450bT
xPRの制御下およびポリアデニル化部位の前に挿入し,
既知の方法を用いて挿入物を含むT−DNAを植物細胞
に導入することにより,あるT−DNA由来の植物内で
発現可能な転写制御配列,すなわち1450bTxPRの制御下
での外来構造遺伝子の植物および細菌内での発現をさら
に含む。ひとたび,二元目的プロモーター領域の制御下
で外来構造遺伝子を発現する植物細胞が得られれば,当
業者にはよく知られた方法および技術を用いて,そこか
ら植物組織および植物全体を再生することができる。再
生した植物はその後,普通の方法により増殖させられ,
導入された遺伝子は,普通の植物育種技術により他の株
および栽培種へ移すことができる。本発明は原則とし
て,外来DNA(分り易く言えばT−DNA)をどのよ
うにかして導入でき,上記DNAが安定に複製されて存
在し得るようなどんな植物への,外来構造遺伝子のあら
ゆる導入に対して適用される。一般的に,これらの分類
には現在,これだけに限定されないが,ヒマワリ(コン
ポジタエ科),タバコ(ソラナサエ科),ムラサキウマ
ゴヤシ,ダイズ,そして他のマメ科植物(レグミノッセ
科),綿(マルバッセー科),およびほとんどの植物を
含む。
御下における外来構造遺伝子およびポリアデニル化部位
から成り,上記プロモーター/遺伝子/ポリアデニル化
部位の結合は,当業者には知られたどんな方法によって
でも細胞に挿入される。もっと明確に,分り易く言え
ば,ここで発表される本発明はT−DNAを介した導入
の後に,すなわち外来構造遺伝子をT−DNAの1450bT
xPRの制御下およびポリアデニル化部位の前に挿入し,
既知の方法を用いて挿入物を含むT−DNAを植物細胞
に導入することにより,あるT−DNA由来の植物内で
発現可能な転写制御配列,すなわち1450bTxPRの制御下
での外来構造遺伝子の植物および細菌内での発現をさら
に含む。ひとたび,二元目的プロモーター領域の制御下
で外来構造遺伝子を発現する植物細胞が得られれば,当
業者にはよく知られた方法および技術を用いて,そこか
ら植物組織および植物全体を再生することができる。再
生した植物はその後,普通の方法により増殖させられ,
導入された遺伝子は,普通の植物育種技術により他の株
および栽培種へ移すことができる。本発明は原則とし
て,外来DNA(分り易く言えばT−DNA)をどのよ
うにかして導入でき,上記DNAが安定に複製されて存
在し得るようなどんな植物への,外来構造遺伝子のあら
ゆる導入に対して適用される。一般的に,これらの分類
には現在,これだけに限定されないが,ヒマワリ(コン
ポジタエ科),タバコ(ソラナサエ科),ムラサキウマ
ゴヤシ,ダイズ,そして他のマメ科植物(レグミノッセ
科),綿(マルバッセー科),およびほとんどの植物を
含む。
【0049】本発明は,他の種,生物,株からの有用な
構造遺伝子を挿入することにより,細菌,植物細胞,植
物組織,および植物全体を遺伝学的に修飾するのに有益
である。そのような有用構造遺伝子には,これらに限定
されるわけではないが,次のような同定可能な表現型を
伝達する遺伝子が含まれる:極端な暑さまたは寒さに対
する改良された耐性;嫌気的条件(例えば浸水),旱
魃,または浸透圧に対する改良された耐性;昆虫(例え
ばバチルス・チューリンゲンシスの結晶性タンパクのよ
うな殺虫性毒素),くも,線虫,または寄生害虫,およ
びカビ,細菌,またはウィルス性の病気に対する改良さ
れた抵抗性または耐性;通常は上記組織または植物に存
在しない酵素もしくは二次代謝産物の生産;改良された
栄養性(例えばレクチン,またはゼインもしくはファセ
オリンのような貯蔵タンパク),香味(例えばタウマチ
ンのような甘味タンパク),または繊維もしくは人や動
物の食糧に用いられる場合の加工処理における特性;変
化した形態学上の特徴もしくは生育における様式(例え
ば昆虫から植物を保護する葉毛,美的にとって喜ばしい
変色,変化した植物の生育習性,矮性植物,成熟するま
でにかかる短縮された時間,組織中での遺伝子の発現,
もしくは,通常は発現されない時期における発現,な
ど;雄性不稔;改良された光合成能(低下した光呼吸を
含む);改良した窒素固定能;改良された栄養物の摂
取;植物に対する有害物に対する改良された耐性(例え
ばグリフォセートまたはトリアジン);増加した穀物の
収率;他の植物に対する改良された競争力;遺伝学的に
修飾された細胞に対して新しい遺伝マーカー;など。遺
伝マーカーは,1つもしくはそれ以上の特徴的な核酸配
列,タンパク,遺伝子産物,もしくはどうにかして同定
された表現型,の存在による生殖細胞の同定を改良する
のに用いることができる。遺伝マーカーは,遺伝学的に
連鎖の,もしくは同時形質転換された,人工的導入DN
A配列,もしくは他の(例えば性的の)方法による,他
の遺伝型への表現型の移動を促進するように,もしく
は,特許または植物系統保護証明書により保護された植
物の同定を促進するように,は修飾されていない植物,
植物細胞,または細菌から,本発明における遺伝学的に
修飾された植物,植物細胞,または細菌細胞を区別する
ことができる。細胞もしくは組織の培養における選択薬
剤に対する抵抗性(または耐性)(すなわち選択可能マ
ーカー),および選択中に容易に認識できるマーカー
(例えば明確な細胞表面抗原もしくは酵素のような,も
しくは視覚的に容易に認識できるβ−ガラクトシダゼの
ような選択マーカー)もまた,有用な遺伝マーカーであ
る。Tn5由来のネオマイシンフォスフォトランスフェラ
ーゼII(NPTII)をコードし,カナマイシンおよびそ
のアナログ化合物の効果に対して耐性である表現型を授
与する構造遺伝子(kan遺伝子)を,自然には1450bTxの
発現を制御するプロモーター領域の制御下に置くことに
より,本発明は例証される。プロモーター/kan結合体
は,この結合体により形質転換された細胞の検出および
選択に用いることができる。当業者には理解されるよう
に,真核および原核生物において,この結合体に連鎖し
たDNA配列は何でも選択され,連鎖したDNA配列に
より形質転換された細胞はそれゆえ同定されるであろ
う。レクチンの構造遺伝子を 1450bTxプロモーター領域
の制御下に置くことにより,本発明はさらに例証され
る。レクチンは,栄養上重要な,ファセオラス・ブルガ
リス(マメ)の種子の子葉タンパクである。レクチン構
造遺伝子の導入および発現は,タンパク含有量を増加
し,いろいろな穀物の栄養価を変化させるのに用いるこ
とができる。本発明の他の利用,いろいろな植物種に導
入された他の構造遺伝子の特性を開発すること,は当業
者には容易に明らかとなるだろう。
構造遺伝子を挿入することにより,細菌,植物細胞,植
物組織,および植物全体を遺伝学的に修飾するのに有益
である。そのような有用構造遺伝子には,これらに限定
されるわけではないが,次のような同定可能な表現型を
伝達する遺伝子が含まれる:極端な暑さまたは寒さに対
する改良された耐性;嫌気的条件(例えば浸水),旱
魃,または浸透圧に対する改良された耐性;昆虫(例え
ばバチルス・チューリンゲンシスの結晶性タンパクのよ
うな殺虫性毒素),くも,線虫,または寄生害虫,およ
びカビ,細菌,またはウィルス性の病気に対する改良さ
れた抵抗性または耐性;通常は上記組織または植物に存
在しない酵素もしくは二次代謝産物の生産;改良された
栄養性(例えばレクチン,またはゼインもしくはファセ
オリンのような貯蔵タンパク),香味(例えばタウマチ
ンのような甘味タンパク),または繊維もしくは人や動
物の食糧に用いられる場合の加工処理における特性;変
化した形態学上の特徴もしくは生育における様式(例え
ば昆虫から植物を保護する葉毛,美的にとって喜ばしい
変色,変化した植物の生育習性,矮性植物,成熟するま
でにかかる短縮された時間,組織中での遺伝子の発現,
もしくは,通常は発現されない時期における発現,な
ど;雄性不稔;改良された光合成能(低下した光呼吸を
含む);改良した窒素固定能;改良された栄養物の摂
取;植物に対する有害物に対する改良された耐性(例え
ばグリフォセートまたはトリアジン);増加した穀物の
収率;他の植物に対する改良された競争力;遺伝学的に
修飾された細胞に対して新しい遺伝マーカー;など。遺
伝マーカーは,1つもしくはそれ以上の特徴的な核酸配
列,タンパク,遺伝子産物,もしくはどうにかして同定
された表現型,の存在による生殖細胞の同定を改良する
のに用いることができる。遺伝マーカーは,遺伝学的に
連鎖の,もしくは同時形質転換された,人工的導入DN
A配列,もしくは他の(例えば性的の)方法による,他
の遺伝型への表現型の移動を促進するように,もしく
は,特許または植物系統保護証明書により保護された植
物の同定を促進するように,は修飾されていない植物,
植物細胞,または細菌から,本発明における遺伝学的に
修飾された植物,植物細胞,または細菌細胞を区別する
ことができる。細胞もしくは組織の培養における選択薬
剤に対する抵抗性(または耐性)(すなわち選択可能マ
ーカー),および選択中に容易に認識できるマーカー
(例えば明確な細胞表面抗原もしくは酵素のような,も
しくは視覚的に容易に認識できるβ−ガラクトシダゼの
ような選択マーカー)もまた,有用な遺伝マーカーであ
る。Tn5由来のネオマイシンフォスフォトランスフェラ
ーゼII(NPTII)をコードし,カナマイシンおよびそ
のアナログ化合物の効果に対して耐性である表現型を授
与する構造遺伝子(kan遺伝子)を,自然には1450bTxの
発現を制御するプロモーター領域の制御下に置くことに
より,本発明は例証される。プロモーター/kan結合体
は,この結合体により形質転換された細胞の検出および
選択に用いることができる。当業者には理解されるよう
に,真核および原核生物において,この結合体に連鎖し
たDNA配列は何でも選択され,連鎖したDNA配列に
より形質転換された細胞はそれゆえ同定されるであろ
う。レクチンの構造遺伝子を 1450bTxプロモーター領域
の制御下に置くことにより,本発明はさらに例証され
る。レクチンは,栄養上重要な,ファセオラス・ブルガ
リス(マメ)の種子の子葉タンパクである。レクチン構
造遺伝子の導入および発現は,タンパク含有量を増加
し,いろいろな穀物の栄養価を変化させるのに用いるこ
とができる。本発明の他の利用,いろいろな植物種に導
入された他の構造遺伝子の特性を開発すること,は当業
者には容易に明らかとなるだろう。
【0050】本発明は,さらに1450bTxプロモーター支
配下に転写される外来構造遺伝子を有するサブ−Tiプ
ラスミドを含んでいる。
配下に転写される外来構造遺伝子を有するサブ−Tiプ
ラスミドを含んでいる。
【0051】T−DNAの植物ゲノムへの取込みに関与
する直接反復配列と1つ以上のオピン合成遺伝子を有す
るサブ−Tiプラスミドの利用は,以下の利点を有してい
る:1,onc遺伝子が欠失しているため,形質転換した
組織培養物やプロトプラストから再生植物体が得やすい
こと。2,オピン合成遺伝子が,T−DNAが組み込ま
れた植物細胞や組織を同定するために用いることができ
る(したがってさらに組み込まれている他の連接したあ
るいは共同形質転換されている遺伝子も)。3,植物細
胞は,TL−DNAのみでも,TR−DNAのみでも,ま
たTL ,TR−DNA両方でも形質転換される。形質転
換植物細胞中では,TR−DNAが多コピー見られ,活
発に転写されているので,TL−DNAの全体または一
部の欠失は,種々のonc遺伝子が存在せず,外来遺伝子
を効率的に発現させる。4,サブ−Tiプラスミドは,小
さいので,形質転換の際に要求される多くの操作が簡略
化できる。
する直接反復配列と1つ以上のオピン合成遺伝子を有す
るサブ−Tiプラスミドの利用は,以下の利点を有してい
る:1,onc遺伝子が欠失しているため,形質転換した
組織培養物やプロトプラストから再生植物体が得やすい
こと。2,オピン合成遺伝子が,T−DNAが組み込ま
れた植物細胞や組織を同定するために用いることができ
る(したがってさらに組み込まれている他の連接したあ
るいは共同形質転換されている遺伝子も)。3,植物細
胞は,TL−DNAのみでも,TR−DNAのみでも,ま
たTL ,TR−DNA両方でも形質転換される。形質転
換植物細胞中では,TR−DNAが多コピー見られ,活
発に転写されているので,TL−DNAの全体または一
部の欠失は,種々のonc遺伝子が存在せず,外来遺伝子
を効率的に発現させる。4,サブ−Tiプラスミドは,小
さいので,形質転換の際に要求される多くの操作が簡略
化できる。
【0052】図1は,S. J. Karcher et al.(1984) Mo
l.Gen. Genet.よりとったオクトピン型Tiプラスミドの
T−DNA領域の制限酵素地図である。
l.Gen. Genet.よりとったオクトピン型Tiプラスミドの
T−DNA領域の制限酵素地図である。
【0053】BamHI断片30’は,BamHI断片8と30の間に
位置する。制限酵素地図の下にひかれている線は,E9
タバコ腫瘍細胞系列の中に含まれているDNA領域を示
している。
位置する。制限酵素地図の下にひかれている線は,E9
タバコ腫瘍細胞系列の中に含まれているDNA領域を示
している。
【0054】図2は,Karcher et al.前出の論文よりと
ったTR DNAの制限酵素地図であり,5つのTR 転写
産物の地図上の位置と極性を示している。示されている
制限酵素は, BamHI,EcoRI,Hinc II,Xba I,Sst I,
Cla I,Hind III,Pst I,およびSal Iである。上の酵
素によるTR内のすべての切断部位が本地図中に含まれ
ているわけではない。
ったTR DNAの制限酵素地図であり,5つのTR 転写
産物の地図上の位置と極性を示している。示されている
制限酵素は, BamHI,EcoRI,Hinc II,Xba I,Sst I,
Cla I,Hind III,Pst I,およびSal Iである。上の酵
素によるTR内のすべての切断部位が本地図中に含まれ
ているわけではない。
【0055】図3は,実施例2.2から3.4までに用いたD
NA実験操作の概略図であり,大きさは正確ではない。
制限酵素によって切断される部位は,酵素名を示した。
制限酵素によってもはや切断されなくなった部位は,制
限酵素名の前後にカッコをおくことにより示した。プロ
モーターまたは構造遺伝子の大きさと極性は,矢印によ
って示した。プラスミドの名前は,プラスミドを環状に
表記する時その内に記した。“Ex" は,実施例を意味
し,特殊な操作について記している。これらの用法は,
図5においても用いた。
NA実験操作の概略図であり,大きさは正確ではない。
制限酵素によって切断される部位は,酵素名を示した。
制限酵素によってもはや切断されなくなった部位は,制
限酵素名の前後にカッコをおくことにより示した。プロ
モーターまたは構造遺伝子の大きさと極性は,矢印によ
って示した。プラスミドの名前は,プラスミドを環状に
表記する時その内に記した。“Ex" は,実施例を意味
し,特殊な操作について記している。これらの用法は,
図5においても用いた。
【0056】図4は, 1450bTxプロモーター領域とNP
TII構造遺伝子の結合体を有している細菌細胞の増殖特
性を示すグラフである。このプロモーター領域は,アグ
ロバクテリウム・チューメファシエンス中で活性があ
り,この構造遺伝子との組合せは,カナマイシン耐性を
賦与している。
TII構造遺伝子の結合体を有している細菌細胞の増殖特
性を示すグラフである。このプロモーター領域は,アグ
ロバクテリウム・チューメファシエンス中で活性があ
り,この構造遺伝子との組合せは,カナマイシン耐性を
賦与している。
【0057】図5は,実施例 6.1に記されているDNA
実験操作の概略図である。
実験操作の概略図である。
【0058】
【発明の構成】本発明の植物形質転換ベクターは,1つ
またはそれ以上の二元目的プロモーター領域/外来構造
遺伝子結合体を含む植物形質転換ベクターであって,該
ベクターによって形質転換された植物および細菌細胞に
同定し得る表現型を与えることができ,(a)このベクタ
ーによって形質転換された植物および細菌細胞に同定し
得る表現型を与えるために,このベクターが単数あるい
は複数の結合体を唯一の手段としていること,および
(b)この単数あるいは複数の二元目的プロモーター領域
が,アグロバクテリウム・チューメファシエンス ATCC
15955に由来するT−DNA断片d1,cおよびb5を含
む1450塩基の転写産物あるいはこれとハイブリダイズし
得る任意のオクトピン型Tiプラスミドに由来すること,
を特徴とする。
またはそれ以上の二元目的プロモーター領域/外来構造
遺伝子結合体を含む植物形質転換ベクターであって,該
ベクターによって形質転換された植物および細菌細胞に
同定し得る表現型を与えることができ,(a)このベクタ
ーによって形質転換された植物および細菌細胞に同定し
得る表現型を与えるために,このベクターが単数あるい
は複数の結合体を唯一の手段としていること,および
(b)この単数あるいは複数の二元目的プロモーター領域
が,アグロバクテリウム・チューメファシエンス ATCC
15955に由来するT−DNA断片d1,cおよびb5を含
む1450塩基の転写産物あるいはこれとハイブリダイズし
得る任意のオクトピン型Tiプラスミドに由来すること,
を特徴とする。
【0059】好適な実施態様においては,上記プロモー
ター領域はアグロバクテリウム・チューメファシエンス
A6NCに由来する。
ター領域はアグロバクテリウム・チューメファシエンス
A6NCに由来する。
【0060】好適な実施態様においては,上記Tiプラス
ミドはpTiA6またはpTi15955に由来する。
ミドはpTiA6またはpTi15955に由来する。
【0061】好適な実施態様においては,上記構造遺伝
子は該構造遺伝子を含むように形質転換された植物細胞
で同定し得る表現型を与える。
子は該構造遺伝子を含むように形質転換された植物細胞
で同定し得る表現型を与える。
【0062】好適な実施態様においては,上記同定し得
る表現型はカナマイシン,ネオマイシン,G418,また
はそのアナログの耐性である。
る表現型はカナマイシン,ネオマイシン,G418,また
はそのアナログの耐性である。
【0063】好適な実施態様においては,上記構造遺伝
子はTn5由来のネオマイシンフォスフォトランスフェラ
ーゼIIをコードする。
子はTn5由来のネオマイシンフォスフォトランスフェラ
ーゼIIをコードする。
【0064】好適な実施態様においては,上記ベクター
はpRK290Kan-1(NRRL-15736)であるか,またはpRK290K
an-1から構築される。
はpRK290Kan-1(NRRL-15736)であるか,またはpRK290K
an-1から構築される。
【0065】好適な実施態様においては,リゾビアッシ
ー科の細菌内で独立に維持され得ないレプリコンをさら
に含む。
ー科の細菌内で独立に維持され得ないレプリコンをさら
に含む。
【0066】好適な実施態様においては,リゾビアッシ
ー科の細菌内で独立に維持され得るレプリコンをさらに
含む。
ー科の細菌内で独立に維持され得るレプリコンをさらに
含む。
【0067】好適な実施態様においては,TLあるいは
TRの右あるいは左の境界の繰り返し配列,または1つ
以上の該繰り返し配列をさらに有する。
TRの右あるいは左の境界の繰り返し配列,または1つ
以上の該繰り返し配列をさらに有する。
【0068】好適な実施態様においては,上記構造遺伝
子は,図面の図2に示すように,T−DNA断片d2の
左端に連結されている。
子は,図面の図2に示すように,T−DNA断片d2の
左端に連結されている。
【0069】好適な実施態様においては,上記構造遺伝
子は,図面の図2に示すように,T−DNA断片b4の
右端に連結されている。
子は,図面の図2に示すように,T−DNA断片b4の
右端に連結されている。
【0070】本発明の植物または植物組織は,植物形質
転換ベクターを含む複数の形質転換植物細胞を含む,植
物または植物組織であって,該植物形質転換ベクター
が,1つまたはそれ以上の二元目的プロモーター領域/
外来構造遺伝子結合体を含む,植物形質転換ベクターで
あって,該ベクターによって形質転換された植物および
細菌細胞に同定し得る表現型を与えることができ,(a)
前記ベクターによって形質転換された植物および細菌細
胞に同定し得る表現型を与えるために,前記ベクターが
単数あるいは複数の結合体を唯一の手段としているこ
と,および(b)該単数あるいは複数の二元目的プロモー
ター領域が,アグロバクテリウム・チューメファシエン
ス ATCC 15955に由来するT−DNA断片d1,cおよび
b5を含む1450塩基の転写産物あるいはこれとハイブリ
ダイズし得る任意のオクトピン型Tiプラスミドに由来す
ること,を特徴とする。
転換ベクターを含む複数の形質転換植物細胞を含む,植
物または植物組織であって,該植物形質転換ベクター
が,1つまたはそれ以上の二元目的プロモーター領域/
外来構造遺伝子結合体を含む,植物形質転換ベクターで
あって,該ベクターによって形質転換された植物および
細菌細胞に同定し得る表現型を与えることができ,(a)
前記ベクターによって形質転換された植物および細菌細
胞に同定し得る表現型を与えるために,前記ベクターが
単数あるいは複数の結合体を唯一の手段としているこ
と,および(b)該単数あるいは複数の二元目的プロモー
ター領域が,アグロバクテリウム・チューメファシエン
ス ATCC 15955に由来するT−DNA断片d1,cおよび
b5を含む1450塩基の転写産物あるいはこれとハイブリ
ダイズし得る任意のオクトピン型Tiプラスミドに由来す
ること,を特徴とする。
【0071】本発明の細菌株は,植物形質転換ベクター
を含む細菌株であって,該植物形質転換ベクターが,1
つまたはそれ以上の二元目的プロモーター領域/外来構
造遺伝子結合体を含む,植物形質転換ベクターであっ
て,該ベクターによって形質転換された植物および細菌
細胞に同定し得る表現型を与えることができ,(a)前記
ベクターによって形質転換された植物および細菌細胞に
同定し得る表現型を与えるために,前記ベクターが単数
あるいは複数の結合体を唯一の手段としていること,お
よび(b)該単数あるいは複数の二元目的プロモーター領
域が,アグロバクテリウム・チューメファシエンス ATC
C 15955に由来するT−DNA断片d1,cおよびb5を
含む1450塩基の転写産物あるいはこれとハイブリダイズ
し得る任意のオクトピン型Tiプラスミドに由来するこ
と,を特徴とする。
を含む細菌株であって,該植物形質転換ベクターが,1
つまたはそれ以上の二元目的プロモーター領域/外来構
造遺伝子結合体を含む,植物形質転換ベクターであっ
て,該ベクターによって形質転換された植物および細菌
細胞に同定し得る表現型を与えることができ,(a)前記
ベクターによって形質転換された植物および細菌細胞に
同定し得る表現型を与えるために,前記ベクターが単数
あるいは複数の結合体を唯一の手段としていること,お
よび(b)該単数あるいは複数の二元目的プロモーター領
域が,アグロバクテリウム・チューメファシエンス ATC
C 15955に由来するT−DNA断片d1,cおよびb5を
含む1450塩基の転写産物あるいはこれとハイブリダイズ
し得る任意のオクトピン型Tiプラスミドに由来するこ
と,を特徴とする。
【0072】以下の用語の定義は本願特許明細書および
特許請求の範囲中のこれら用語の趣旨および意味の範囲
のあいまいさを除去するためのものである。
特許請求の範囲中のこれら用語の趣旨および意味の範囲
のあいまいさを除去するためのものである。
【0073】プロモーター;本語は,構造遺伝子の5’
末端に位置する転写開始に関与する配列を意味する。本
発明は,2つのプロモーター活性(真核プロモーター活
性と原核プロモーター活性)が,T−DNA配列のプロ
モーター領域に存在することから成っている。その結果
として,目的の外来構造遺伝子DNA配列の転写が,真
核生物と原核生物において,すなわちある特定の植物と
グラム陰性細菌において可能となった。自然には,ここ
に例示しているT−DNAプロモーター領域配列は,14
50bTxのクラウンゴール中の転写を引きおこす。プロモ
ーター支配下の発現は,直接発現かまたは融合蛋白発現
の型をとるであろう。前者の型では,正常にプロモータ
ー支配をうけている構造遺伝子を一部または全部除去
し,外来構造遺伝子の挿入によって置換する。そして開
始コドンは,T−DNA構造遺伝子の残っている部分の
もの,または,挿入された構造遺伝子のものが用いられ
る。後者の型では,既在のT−DNA構造遺伝子内にリ
ーディングフレームが合うように構造遺伝子の全体また
は一部が挿入される。この時,翻訳産物は,融合蛋白に
なっている。真核プロモーター配列は,mRNAの5’
末端(キャップ部位)の約10〜30ベースペアー(bp)
5’側にある 5'・・・TATAA・・・3'という基本配列と相同性
のあるDNA配列の存在によって共通的に認識される。
TATAA 配列の約30bp5’側には,基本配列 5'・・・CCAAT・
・・3'の別のプロモーター配列が見られる。翻訳開始は,
一般的にキャップ部位の3’側にある最初のAUGから
が最も効率的である。
末端に位置する転写開始に関与する配列を意味する。本
発明は,2つのプロモーター活性(真核プロモーター活
性と原核プロモーター活性)が,T−DNA配列のプロ
モーター領域に存在することから成っている。その結果
として,目的の外来構造遺伝子DNA配列の転写が,真
核生物と原核生物において,すなわちある特定の植物と
グラム陰性細菌において可能となった。自然には,ここ
に例示しているT−DNAプロモーター領域配列は,14
50bTxのクラウンゴール中の転写を引きおこす。プロモ
ーター支配下の発現は,直接発現かまたは融合蛋白発現
の型をとるであろう。前者の型では,正常にプロモータ
ー支配をうけている構造遺伝子を一部または全部除去
し,外来構造遺伝子の挿入によって置換する。そして開
始コドンは,T−DNA構造遺伝子の残っている部分の
もの,または,挿入された構造遺伝子のものが用いられ
る。後者の型では,既在のT−DNA構造遺伝子内にリ
ーディングフレームが合うように構造遺伝子の全体また
は一部が挿入される。この時,翻訳産物は,融合蛋白に
なっている。真核プロモーター配列は,mRNAの5’
末端(キャップ部位)の約10〜30ベースペアー(bp)
5’側にある 5'・・・TATAA・・・3'という基本配列と相同性
のあるDNA配列の存在によって共通的に認識される。
TATAA 配列の約30bp5’側には,基本配列 5'・・・CCAAT・
・・3'の別のプロモーター配列が見られる。翻訳開始は,
一般的にキャップ部位の3’側にある最初のAUGから
が最も効率的である。
【0074】ポリアデニル化部位;本語は,真核生物に
おいて,伝達RNA(mRNA)のポリアデニル化を誘
起し得る核酸の配列を意味する。すなわち,転写終了
後,ポリアデニル酸“末尾”が,mRNA前駆体の3’
末端に付加される。ポリアデニル化部位のDNA配列
は,天然または人工,原核または真核の遺伝子DNAま
たはmRNA由来cDNA等の多くの情報から導かれる
配列の混合物である。ポリアデニル化部位は,基本型
5'・・・AATAAA・・・3'に相同性のあるDNA配列の存在によ
って認識される。ところが,転写産物の5’から3’末
端までの距離のばらつき部分的“読み越し”と基本配列
の縦列重複は珍しくない。“ポリアデニル化部位”の基
本型は,ポリアデニル化それ自体の位置ではなくて,m
RNAの3’末端の位置を決定していると考えられるべ
きである(N. Proudfoot (1984) Nature307 :412-41
3)。
おいて,伝達RNA(mRNA)のポリアデニル化を誘
起し得る核酸の配列を意味する。すなわち,転写終了
後,ポリアデニル酸“末尾”が,mRNA前駆体の3’
末端に付加される。ポリアデニル化部位のDNA配列
は,天然または人工,原核または真核の遺伝子DNAま
たはmRNA由来cDNA等の多くの情報から導かれる
配列の混合物である。ポリアデニル化部位は,基本型
5'・・・AATAAA・・・3'に相同性のあるDNA配列の存在によ
って認識される。ところが,転写産物の5’から3’末
端までの距離のばらつき部分的“読み越し”と基本配列
の縦列重複は珍しくない。“ポリアデニル化部位”の基
本型は,ポリアデニル化それ自体の位置ではなくて,m
RNAの3’末端の位置を決定していると考えられるべ
きである(N. Proudfoot (1984) Nature307 :412-41
3)。
【0075】転写調節配列;本語は,構造遺伝子に隣接
して存在するプロモーター/ポリアデニル化部位の組合
せを意味する。特定の外来構造遺伝子に隣接しているプ
ロモーターとポリアデニル化DNA配列は,同一起源の
遺伝子(例えば,2つのT−DNA転写産物の一組)ま
たは同一分類上の起源の遺伝子(例えば,T−DNA由
来の配列と植物,動物,カビ,酵母,真核性ウィルス,
細菌と合成配列等のような非T−DNA由来のDNA配
列の一組)由来である必要はない。
して存在するプロモーター/ポリアデニル化部位の組合
せを意味する。特定の外来構造遺伝子に隣接しているプ
ロモーターとポリアデニル化DNA配列は,同一起源の
遺伝子(例えば,2つのT−DNA転写産物の一組)ま
たは同一分類上の起源の遺伝子(例えば,T−DNA由
来の配列と植物,動物,カビ,酵母,真核性ウィルス,
細菌と合成配列等のような非T−DNA由来のDNA配
列の一組)由来である必要はない。
【0076】外来構造遺伝子;本語はここでの用法は,
外来RNA,蛋白質,ポリペプチドをコードするDNA
配列を含む遺伝子の一部または,翻訳開始コドンを含む
遺伝子の一部を意味する。外来構造遺伝子は,その遺伝
子が導入された細胞では普通見出せない遺伝子産物をコ
ードしている場合もある。さらに本語は,天然にその細
胞内に存在する遺伝子の場合でも,人為的に導入された
構造遺伝子のコピーをも意味する。外来遺伝子は,原核
DNA,真核DNA,エピソームDNA,プラスミドD
NA,プラスティッドDNA,遺伝子DNA,cDN
A,ウィルスDNA,ウィルスcDNA,化学合成DN
A等から一部または全体が由来している。外来構造遺伝
子は,コーディング部位または非翻訳部位に一つ以上の
修飾を有するものも考慮している。この修飾は,発現産
物の生物活性や化学構造,発現の速度や発現調節の様式
に影響を及ぼすだろうと考えられる。この修飾は,一つ
またはそれ以上の核酸の変異,挿入,欠失,置換,およ
び発現産物の化学構造は変えずに,発現産物の細胞間局
在化,転送,分泌または安定性に影響をおよぼす“サイ
レント”修飾を含むが,これに限らない。構造遺伝子
は,コーディング部のみから成っているかもしれない
し,また化学合成したものであれ天然のものであれ,1
つ以上のイントロンを含んでいるかもしれない。本イン
トロンは,適正な機能スプライス部を両端に有してい
る。構造遺伝子は,化学合成したものであれ天然のもの
であれ,構成蛋白質をコードする部位からなっている。
この構成蛋白質は,本遺伝子が導入され,発現している
細胞にとって外来性であるかまたは,一部が外来蛋白質
由来のものである。外来構造遺伝子は,融合蛋白質,特
に転写調節配列が由来している構造遺伝子の一部または
全部と融合しているものでもよい。
外来RNA,蛋白質,ポリペプチドをコードするDNA
配列を含む遺伝子の一部または,翻訳開始コドンを含む
遺伝子の一部を意味する。外来構造遺伝子は,その遺伝
子が導入された細胞では普通見出せない遺伝子産物をコ
ードしている場合もある。さらに本語は,天然にその細
胞内に存在する遺伝子の場合でも,人為的に導入された
構造遺伝子のコピーをも意味する。外来遺伝子は,原核
DNA,真核DNA,エピソームDNA,プラスミドD
NA,プラスティッドDNA,遺伝子DNA,cDN
A,ウィルスDNA,ウィルスcDNA,化学合成DN
A等から一部または全体が由来している。外来構造遺伝
子は,コーディング部位または非翻訳部位に一つ以上の
修飾を有するものも考慮している。この修飾は,発現産
物の生物活性や化学構造,発現の速度や発現調節の様式
に影響を及ぼすだろうと考えられる。この修飾は,一つ
またはそれ以上の核酸の変異,挿入,欠失,置換,およ
び発現産物の化学構造は変えずに,発現産物の細胞間局
在化,転送,分泌または安定性に影響をおよぼす“サイ
レント”修飾を含むが,これに限らない。構造遺伝子
は,コーディング部のみから成っているかもしれない
し,また化学合成したものであれ天然のものであれ,1
つ以上のイントロンを含んでいるかもしれない。本イン
トロンは,適正な機能スプライス部を両端に有してい
る。構造遺伝子は,化学合成したものであれ天然のもの
であれ,構成蛋白質をコードする部位からなっている。
この構成蛋白質は,本遺伝子が導入され,発現している
細胞にとって外来性であるかまたは,一部が外来蛋白質
由来のものである。外来構造遺伝子は,融合蛋白質,特
に転写調節配列が由来している構造遺伝子の一部または
全部と融合しているものでもよい。
【0077】二元目的プロモーター領域/外来構造遺伝
子結合体;本語は,複数のプロモーター活性,例えば,
真核プロモーター活性および原核プロモーター活性,に
より調節されている外来構造遺伝子を意味する。このプ
ロモーター活性部位は,重複する必要はない,すなわ
ち,真核および原核プロモーター活性は,物理的に同一
のところになくてもよいし,あってもよい。例えば,真
核プロモーター活性および原核プロモーター活性が,異
なったDNA配列上にあってもよい。両プロモーター活
性間の距離は,本発明においては,原核プロモーター活
性と構造遺伝子間に原核性の転写終止点が存在しない限
り,またキャップ部位とコーディング配列との間に真核
性のmRNA転写終止シグナルが存在しない限りにおい
ては,重要ではない。
子結合体;本語は,複数のプロモーター活性,例えば,
真核プロモーター活性および原核プロモーター活性,に
より調節されている外来構造遺伝子を意味する。このプ
ロモーター活性部位は,重複する必要はない,すなわ
ち,真核および原核プロモーター活性は,物理的に同一
のところになくてもよいし,あってもよい。例えば,真
核プロモーター活性および原核プロモーター活性が,異
なったDNA配列上にあってもよい。両プロモーター活
性間の距離は,本発明においては,原核プロモーター活
性と構造遺伝子間に原核性の転写終止点が存在しない限
り,またキャップ部位とコーディング配列との間に真核
性のmRNA転写終止シグナルが存在しない限りにおい
ては,重要ではない。
【0078】植物組織;本語は,植物の分化,未分化組
織を含む。これは,根,茎葉,花粉,種子,クラウンゴ
ールのような腫瘍組織のみならず,胚およびカルスのよ
うな植物培養細胞の種々の集合体をも意味する。植物組
織は,植物体中,または器官,組織中または培養細胞中
のものをいう。
織を含む。これは,根,茎葉,花粉,種子,クラウンゴ
ールのような腫瘍組織のみならず,胚およびカルスのよ
うな植物培養細胞の種々の集合体をも意味する。植物組
織は,植物体中,または器官,組織中または培養細胞中
のものをいう。
【0079】植物細胞;本語は,植物体中の植物細胞,
植物培養物中の植物細胞およびプロトプラストを意味す
る。
植物培養物中の植物細胞およびプロトプラストを意味す
る。
【0080】細菌細胞;ここでの使用は生物学的に純粋
な培養および環境中に分散したものを含み,かつこれに
限定されない培養中の細胞を含む。
な培養および環境中に分散したものを含み,かつこれに
限定されない培養中の細胞を含む。
【0081】DNA断片の定義は図1,図2で規定され
ている。二元目的のプロモーター領域/外来遺伝子結合
体を発現する遺伝的に修飾された細胞の生成は,ここに
開示される特殊な知識と,当該分野の種々の技術および
手段を組み合わせたものである。大部分の例において,
全体のプロセスの各段階に他の手段が存在する。手段の
選択は二元目的の結合体の導入と安定な維持のための基
本的なベクター系の選択,修飾される植物種および望ま
れる再生手段,そして用いられる特別の外来構造遺伝子
またはプロモーター配列などの変数に依存し,それらす
べてに当業者が望む結果を得るために選択し,用いるこ
とができる別のプロセス段階がある。例えば,二元目的
のプロモーター領域を得るための出発点は,本応用にお
いては pTiA6から単離されたT−DNAに例証されてい
るが,他の相同性TiプラスミドのDNA配列で,適切な
修飾がプロモーター領域の単離および操作手順に施され
る限り,置き換えても良い。(しばしば,pTi15955が修
飾なしに用いられる。)ここで示された 1450bTx遺伝子
由来以外の二元目的プロモーター領域が発見または構築
されるであろう。相同性遺伝子は当業者により,適切な
厳密さの条件下で相同性核酸の交差ハイブリダイズ能に
より,または当該分野で熟知の核酸または蛋白質の配列
により同定されるだろう。本適用で利用されるまたは開
示される遺伝子配列内でのわずかな配列の変動があるこ
とは理解されるだろう。これらの変動は当業者が操作し
得る標準技術により決定され,そのような相同性遺伝子
のプロモーター領域を利用できるであろう。外来遺伝子
の植物細胞への安定な挿入に対する新しい手段が開発さ
れれば,当業者は望みの結果を達成するために,これら
他のプロセス段階の中で選択できるであろう。
ている。二元目的のプロモーター領域/外来遺伝子結合
体を発現する遺伝的に修飾された細胞の生成は,ここに
開示される特殊な知識と,当該分野の種々の技術および
手段を組み合わせたものである。大部分の例において,
全体のプロセスの各段階に他の手段が存在する。手段の
選択は二元目的の結合体の導入と安定な維持のための基
本的なベクター系の選択,修飾される植物種および望ま
れる再生手段,そして用いられる特別の外来構造遺伝子
またはプロモーター配列などの変数に依存し,それらす
べてに当業者が望む結果を得るために選択し,用いるこ
とができる別のプロセス段階がある。例えば,二元目的
のプロモーター領域を得るための出発点は,本応用にお
いては pTiA6から単離されたT−DNAに例証されてい
るが,他の相同性TiプラスミドのDNA配列で,適切な
修飾がプロモーター領域の単離および操作手順に施され
る限り,置き換えても良い。(しばしば,pTi15955が修
飾なしに用いられる。)ここで示された 1450bTx遺伝子
由来以外の二元目的プロモーター領域が発見または構築
されるであろう。相同性遺伝子は当業者により,適切な
厳密さの条件下で相同性核酸の交差ハイブリダイズ能に
より,または当該分野で熟知の核酸または蛋白質の配列
により同定されるだろう。本適用で利用されるまたは開
示される遺伝子配列内でのわずかな配列の変動があるこ
とは理解されるだろう。これらの変動は当業者が操作し
得る標準技術により決定され,そのような相同性遺伝子
のプロモーター領域を利用できるであろう。外来遺伝子
の植物細胞への安定な挿入に対する新しい手段が開発さ
れれば,当業者は望みの結果を達成するために,これら
他のプロセス段階の中で選択できるであろう。
【0082】本発明の基本面は二元目的プロモーター領
域の性質と外来構造遺伝子の単一コピーの原核および真
核再生物内での発現をもたらすためのその利用である。
他の面として外来構造遺伝子の性質と構造,および細菌
および植物ゲノムへの挿入と発現のための手段がある。
遺伝的に修飾された植物を得るために望まれる具体化の
残された段階として,T−DNAへの1450bTx PR/構造
遺伝子結合体の挿入,細菌での発現の監視,修飾T−D
NAが植物細胞ゲノムの一部として安定に取り込まれる
植物細胞への修飾T−DNAの移送,形質転換植物細胞
の選抜と検出の段階,および最初に形質転換された株か
ら実用的な栽培物への導入遺伝子と他の共存した,また
は同時に転移したDNA配列の移送の段階を含むインビ
トロ培養と完全植物体への再生の技術,および形質転換
植物での発現の監視がある。
域の性質と外来構造遺伝子の単一コピーの原核および真
核再生物内での発現をもたらすためのその利用である。
他の面として外来構造遺伝子の性質と構造,および細菌
および植物ゲノムへの挿入と発現のための手段がある。
遺伝的に修飾された植物を得るために望まれる具体化の
残された段階として,T−DNAへの1450bTx PR/構造
遺伝子結合体の挿入,細菌での発現の監視,修飾T−D
NAが植物細胞ゲノムの一部として安定に取り込まれる
植物細胞への修飾T−DNAの移送,形質転換植物細胞
の選抜と検出の段階,および最初に形質転換された株か
ら実用的な栽培物への導入遺伝子と他の共存した,また
は同時に転移したDNA配列の移送の段階を含むインビ
トロ培養と完全植物体への再生の技術,および形質転換
植物での発現の監視がある。
【0083】本発明のその望まれる具体化での基本面は
挿入外来構造遺伝子が1450bTxPRの支配下にある,すな
わち二元目的プロモーター領域とポリアデニル化部位の
間にある,T−DNA誘導体の構築であり,これらの用
語は上で定義した。構造遺伝子はプロモーター領域に関
して正しい位置と方向に挿入されねばならない。位置に
は2つの観点がある。第1はプロモーターのどちら側に
構造遺伝子が挿入されるかに関するものである。大多数
のプロモーターは転写と翻訳の開始をDNAに沿って唯
一の方向に支配することが知られている。プロモーター
支配下にあるDNA領域はプロモーターの“下流に”,
または他の表現として“後に”または“3’側に”ある
と言われる。したがって,プロモーターに支配されるた
めには外来構造遺伝子の正しい挿入の位置は,プロモー
ターの“下流に”なければならない。位置についての第
2の観点は,プロモーターの既知機能要素,例えば転写
開始部位,と構造遺伝子の翻訳開始部位間の塩基対での
距離に関するものである。プロモーターによりこの距離
に関して実質上の変動が存在するらしい。したがって,
これに関する構造上の要求は機能的という言葉により最
もよく表現される。第一次近似として,理にかなった作
用能はプロモーターと挿入外来構造遺伝子間の距離が,
正常に支配しているプロモーターと遺伝子間の距離に近
い場合に得られる。向きとは構造遺伝子の方向性に関す
るものである。最終的には外来蛋白質のアミノ末端をコ
ードする構造遺伝子の部分を構造遺伝子の5’末端と呼
び,一方,蛋白質のカルボキシル末端付近のアミノ酸を
コードする端を構造遺伝子の3’末端と呼ぶ。外来構造
遺伝子の正しい向きは,その5’末端をプロモーターの
近くに有する。融合蛋白質発現をもたらす構築の場合に
さらに要求されることは,2つの構造遺伝子の融合は,
2つの遺伝子のコード配列が同じリーディングフレーム
フェーズになければならないことであり,この構造上の
要求性は当該分野に熟知されている。このフェーズの要
求性の例外はイントロンが2つの構造遺伝子由来のコー
ド配列を分断している場合に存在する。その場合,両構
造遺伝子は適合するスプライス部位を保有しなければな
らず,そしてイントロンスプライス部位は正しいリーデ
ィングフレームが,イントロンが転写後のプロセッシン
グにより除去された後,同じフェーズに保存されるよう
な位置になければならない。発現速度または発達の制御
の差は別の外来構造遺伝子が 1450bTxPR誘導体または他
の二元目的プロモーター領域の支配下に挿入されるとき
に観察されるであろう。発現速度はまた生じるmRNA
の2次構造,特にステム−ループ構造の細部により大き
く影響される。当該分野で熟知の如く,原核細胞におけ
る翻訳速度はAUG翻訳開始部位の5’側のリボゾーム
RNA結合配列(J. Shine and L. Dalgarno (1974) Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 71 : 1342-1346)の存在によ
り影響されるであろうし,また真核細胞内での翻訳速度
はAUG近傍の特別のヌクレオチド(M. Kozak(1981) N
ucl. Acids Res. 9 : 5233-5252)により影響されるで
あろう。発現蛋白質自身の安定性,細胞間または細胞内
局在性または分泌,溶解性,標的特異性,および他の機
能上の性質を含み,またそれに限定されない性質の差は
融合蛋白質の場合に,挿入部位,融合蛋白質に含まれる
外来蛋白質の部分の長さと性質,およびその折りたたみ
構造の効果に依存することが観察されるであろう,そし
てそれらのすべてに,植物細胞,植物組織および完全植
物体で要求される生理的性質に依存して,外来蛋白質産
物の機能上の性質を操作する,および制御する多数の機
会が存在する。プロモーター領域に似て,ポリアデニル
化部位もコード配列の3’末端に関して正しい位置と方
向に位置しなければならない。外来構造遺伝子蛋白質の
3’末端とポリアデニル化部位の起源を提供するDNA
にコードされるポリペプチド間の融合蛋白質もまた可能
である。
挿入外来構造遺伝子が1450bTxPRの支配下にある,すな
わち二元目的プロモーター領域とポリアデニル化部位の
間にある,T−DNA誘導体の構築であり,これらの用
語は上で定義した。構造遺伝子はプロモーター領域に関
して正しい位置と方向に挿入されねばならない。位置に
は2つの観点がある。第1はプロモーターのどちら側に
構造遺伝子が挿入されるかに関するものである。大多数
のプロモーターは転写と翻訳の開始をDNAに沿って唯
一の方向に支配することが知られている。プロモーター
支配下にあるDNA領域はプロモーターの“下流に”,
または他の表現として“後に”または“3’側に”ある
と言われる。したがって,プロモーターに支配されるた
めには外来構造遺伝子の正しい挿入の位置は,プロモー
ターの“下流に”なければならない。位置についての第
2の観点は,プロモーターの既知機能要素,例えば転写
開始部位,と構造遺伝子の翻訳開始部位間の塩基対での
距離に関するものである。プロモーターによりこの距離
に関して実質上の変動が存在するらしい。したがって,
これに関する構造上の要求は機能的という言葉により最
もよく表現される。第一次近似として,理にかなった作
用能はプロモーターと挿入外来構造遺伝子間の距離が,
正常に支配しているプロモーターと遺伝子間の距離に近
い場合に得られる。向きとは構造遺伝子の方向性に関す
るものである。最終的には外来蛋白質のアミノ末端をコ
ードする構造遺伝子の部分を構造遺伝子の5’末端と呼
び,一方,蛋白質のカルボキシル末端付近のアミノ酸を
コードする端を構造遺伝子の3’末端と呼ぶ。外来構造
遺伝子の正しい向きは,その5’末端をプロモーターの
近くに有する。融合蛋白質発現をもたらす構築の場合に
さらに要求されることは,2つの構造遺伝子の融合は,
2つの遺伝子のコード配列が同じリーディングフレーム
フェーズになければならないことであり,この構造上の
要求性は当該分野に熟知されている。このフェーズの要
求性の例外はイントロンが2つの構造遺伝子由来のコー
ド配列を分断している場合に存在する。その場合,両構
造遺伝子は適合するスプライス部位を保有しなければな
らず,そしてイントロンスプライス部位は正しいリーデ
ィングフレームが,イントロンが転写後のプロセッシン
グにより除去された後,同じフェーズに保存されるよう
な位置になければならない。発現速度または発達の制御
の差は別の外来構造遺伝子が 1450bTxPR誘導体または他
の二元目的プロモーター領域の支配下に挿入されるとき
に観察されるであろう。発現速度はまた生じるmRNA
の2次構造,特にステム−ループ構造の細部により大き
く影響される。当該分野で熟知の如く,原核細胞におけ
る翻訳速度はAUG翻訳開始部位の5’側のリボゾーム
RNA結合配列(J. Shine and L. Dalgarno (1974) Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 71 : 1342-1346)の存在によ
り影響されるであろうし,また真核細胞内での翻訳速度
はAUG近傍の特別のヌクレオチド(M. Kozak(1981) N
ucl. Acids Res. 9 : 5233-5252)により影響されるで
あろう。発現蛋白質自身の安定性,細胞間または細胞内
局在性または分泌,溶解性,標的特異性,および他の機
能上の性質を含み,またそれに限定されない性質の差は
融合蛋白質の場合に,挿入部位,融合蛋白質に含まれる
外来蛋白質の部分の長さと性質,およびその折りたたみ
構造の効果に依存することが観察されるであろう,そし
てそれらのすべてに,植物細胞,植物組織および完全植
物体で要求される生理的性質に依存して,外来蛋白質産
物の機能上の性質を操作する,および制御する多数の機
会が存在する。プロモーター領域に似て,ポリアデニル
化部位もコード配列の3’末端に関して正しい位置と方
向に位置しなければならない。外来構造遺伝子蛋白質の
3’末端とポリアデニル化部位の起源を提供するDNA
にコードされるポリペプチド間の融合蛋白質もまた可能
である。
【0084】当業者には理解されるであろうが,他の部
位が,連結部の配列が翻訳と転写の機能に適合性を保持
するようにより具体的に用いられるCla Iプロモーター
/構造遺伝子構造に置き換えられる。構造遺伝子を荷な
う断片の5’および3’末端の制限部位は同じであるか
も知れないし,異なるかも知れない。遺伝子断片の両末
端で特異性の異なる粘着末端を有する部位の利用は,自
動的に構造遺伝子を 1450bTxPRの後に正しい方向で位置
させることになる。制限部位が適合性のない末端を有す
る場合,当該分野で熟知の方法により,それらを平滑末
端に変換し,平滑末端は共に結合される。適当なリンカ
ー,アダプターあるいはカップラーの使用もまた,1450
bTxPRと構造遺伝子間の連結部の形成に,ある場合には
有効であり,これは当業者には証明されており,ここで
も示される。
位が,連結部の配列が翻訳と転写の機能に適合性を保持
するようにより具体的に用いられるCla Iプロモーター
/構造遺伝子構造に置き換えられる。構造遺伝子を荷な
う断片の5’および3’末端の制限部位は同じであるか
も知れないし,異なるかも知れない。遺伝子断片の両末
端で特異性の異なる粘着末端を有する部位の利用は,自
動的に構造遺伝子を 1450bTxPRの後に正しい方向で位置
させることになる。制限部位が適合性のない末端を有す
る場合,当該分野で熟知の方法により,それらを平滑末
端に変換し,平滑末端は共に結合される。適当なリンカ
ー,アダプターあるいはカップラーの使用もまた,1450
bTxPRと構造遺伝子間の連結部の形成に,ある場合には
有効であり,これは当業者には証明されており,ここで
も示される。
【0085】植物形質転換を実際に行っている人々は構
造遺伝子が細菌宿主内で,植物細胞内と同様有利に発現
するといういくつもの状況に気づくだろう。しかし,形
質転換細胞の同定および/または選択のための遺伝マー
カーとして機能する遺伝子の発現をもたらすための1450
bTxPRの使用は特に有効であり,そしてここで例証され
る(実施例4)。原核,真核生物に拘らず,細胞の形質
転換はマーカーおよび連接したDNA配列を保持する特
別の組み換えDNA分子により形質転換された細胞を容
易に同定する方法をもつ場合に,最も簡単に達成され
る。単一マーカーの効果的な発現のための1450bTxPR の
使用は当業者に形質転換ベクターへの第2のマーカーを
導入する手間を省かせる。さらに,第2のマーカーが不
要なことは形質転換ベクターを作成するのに小型化がで
き,それによりDNA操作の容易性,形質転換効率の上
昇などをもたらす。しかし,特別のマーカーを1450bTxP
Rの後に置く場合,当該分野で既知の如く,遺伝子の再
配置をもたらすプラスミド内の他の部分との相同配列に
気をつけねばならない。例えば,TL onc遺伝子とTRの
1450bTxPR/kan 組合せを欠失したホモ部分2倍体を選
択するのに用いるkan遺伝子は組み換えを起こし,介在
T−DNA配列の欠失あるいは逆転を生ずる。1コピー
以上の1450bTxPRを似たような数の種々の外来構造遺伝
子の発現をもたらすために用いる場合に注意を払わねば
ならないことは同様である。
造遺伝子が細菌宿主内で,植物細胞内と同様有利に発現
するといういくつもの状況に気づくだろう。しかし,形
質転換細胞の同定および/または選択のための遺伝マー
カーとして機能する遺伝子の発現をもたらすための1450
bTxPRの使用は特に有効であり,そしてここで例証され
る(実施例4)。原核,真核生物に拘らず,細胞の形質
転換はマーカーおよび連接したDNA配列を保持する特
別の組み換えDNA分子により形質転換された細胞を容
易に同定する方法をもつ場合に,最も簡単に達成され
る。単一マーカーの効果的な発現のための1450bTxPR の
使用は当業者に形質転換ベクターへの第2のマーカーを
導入する手間を省かせる。さらに,第2のマーカーが不
要なことは形質転換ベクターを作成するのに小型化がで
き,それによりDNA操作の容易性,形質転換効率の上
昇などをもたらす。しかし,特別のマーカーを1450bTxP
Rの後に置く場合,当該分野で既知の如く,遺伝子の再
配置をもたらすプラスミド内の他の部分との相同配列に
気をつけねばならない。例えば,TL onc遺伝子とTRの
1450bTxPR/kan 組合せを欠失したホモ部分2倍体を選
択するのに用いるkan遺伝子は組み換えを起こし,介在
T−DNA配列の欠失あるいは逆転を生ずる。1コピー
以上の1450bTxPRを似たような数の種々の外来構造遺伝
子の発現をもたらすために用いる場合に注意を払わねば
ならないことは同様である。
【0086】当業者には明らかなように,二元目的プロ
モーター領域/外来構造遺伝子結合体は,それが乗って
いるプラスミドからその組合せを除去するのに都合の良
い何らかの制限部位と,植物形質転換体または選んだシ
ャトルベクターへの挿入に都合の良い制限部位の間に置
かれるだろう。T−DNA内の二元目的組合せの挿入部
位の位置は,近接するT−DNA境界の配列の転移機能
が損なわれない限り,厳密なものではない。何故なら,
以前の研究において,これらの領域は修飾T−DNAの
植物ゲノムへの挿入に本質的なもののようである。望ま
しい挿入部位は最も活発に転写されている領域,特にT
R ,および1450bTxを含む領域にあるものである。二元
目的組合せが挿入されるT−DNAは何らかのTIPプ
ラスミドから得られ,そしてこの結合体は当業者に熟知
の標準技術により挿入される。内在T−DNAまたはベ
クター遺伝子の転写,翻訳の方向に関する挿入植物遺伝
子の向きは厳密ではなく,2つの可能な方向のどちらも
機能的である。植物での発現速度の差は,ある遺伝子が
T−DNA内の異なった位置に挿入される場合に生ずる
だろうし,それはDNAメチル化およびクロマチン構造
などの因子によるものである。
モーター領域/外来構造遺伝子結合体は,それが乗って
いるプラスミドからその組合せを除去するのに都合の良
い何らかの制限部位と,植物形質転換体または選んだシ
ャトルベクターへの挿入に都合の良い制限部位の間に置
かれるだろう。T−DNA内の二元目的組合せの挿入部
位の位置は,近接するT−DNA境界の配列の転移機能
が損なわれない限り,厳密なものではない。何故なら,
以前の研究において,これらの領域は修飾T−DNAの
植物ゲノムへの挿入に本質的なもののようである。望ま
しい挿入部位は最も活発に転写されている領域,特にT
R ,および1450bTxを含む領域にあるものである。二元
目的組合せが挿入されるT−DNAは何らかのTIPプ
ラスミドから得られ,そしてこの結合体は当業者に熟知
の標準技術により挿入される。内在T−DNAまたはベ
クター遺伝子の転写,翻訳の方向に関する挿入植物遺伝
子の向きは厳密ではなく,2つの可能な方向のどちらも
機能的である。植物での発現速度の差は,ある遺伝子が
T−DNA内の異なった位置に挿入される場合に生ずる
だろうし,それはDNAメチル化およびクロマチン構造
などの因子によるものである。
【0087】二元目的結合体と何らかの望まれる連接し
たDNAをT−DNAに挿入する簡便な方法に,背景の
項で述べたように,エセリシア・コリー内で複製できる
プラスミドに取り込まれたT−DNAの小片(これらの
小片間に挿入が望まれる)を有するシャトルベクターの
利用がある。このT−DNA小片は1つの制限部位,で
きればシャトルベクター内で特別な部位,を含む。二元
目的結合体はT−DNA配列の特別の部位に挿入される
ことができ,そしてこのシャトルベクターは適当なアグ
ロバクテリウム株,できればそのT−DNAがシャトル
ベクターのT−DNA小片と相同性を有する,の細胞へ
移される。形質転換アグロバクテリウム株は,Tiプラス
ミドの既存の小片をシャトルベクターのT−DNA小片
で置換させるような二重相同組み換え(ホモ部分二倍体
化)現象の選択を許す条件下でできれば増殖させる。し
かし,本発明は二元目的結合体のT−DNAへの導入が
二重相同組み換え機構に限定されないことに注意すべき
である;シャトルベクター(恐らくT−DNAと相同性
の唯一の連続した領域を有する)と単一部位での単一相
同組み換え(共同組み込み),あるいはプロモーター領
域/構造遺伝子保有細菌トランスポゾンの挿入もまたこ
の結合体のT−DNAへの挿入に有効な手段である。
たDNAをT−DNAに挿入する簡便な方法に,背景の
項で述べたように,エセリシア・コリー内で複製できる
プラスミドに取り込まれたT−DNAの小片(これらの
小片間に挿入が望まれる)を有するシャトルベクターの
利用がある。このT−DNA小片は1つの制限部位,で
きればシャトルベクター内で特別な部位,を含む。二元
目的結合体はT−DNA配列の特別の部位に挿入される
ことができ,そしてこのシャトルベクターは適当なアグ
ロバクテリウム株,できればそのT−DNAがシャトル
ベクターのT−DNA小片と相同性を有する,の細胞へ
移される。形質転換アグロバクテリウム株は,Tiプラス
ミドの既存の小片をシャトルベクターのT−DNA小片
で置換させるような二重相同組み換え(ホモ部分二倍体
化)現象の選択を許す条件下でできれば増殖させる。し
かし,本発明は二元目的結合体のT−DNAへの導入が
二重相同組み換え機構に限定されないことに注意すべき
である;シャトルベクター(恐らくT−DNAと相同性
の唯一の連続した領域を有する)と単一部位での単一相
同組み換え(共同組み込み),あるいはプロモーター領
域/構造遺伝子保有細菌トランスポゾンの挿入もまたこ
の結合体のT−DNAへの挿入に有効な手段である。
【0088】ちょうどここで述べた方針に従い,修飾T
−DNAを当該分野の何らかの技術により植物細胞へ移
すことができる。例えばこの転移はT−DNA内に組み
込まれた外来構造遺伝子を有する新規アグロバクテリウ
ム株での植物の直接感染,あるいは植物細胞とこのアグ
ロバクテリウム株との共存培養のどちらかにより,最も
容易に達成される。前者の技術,直接感染,は感染部位
に腫瘍体またはクラウンゴールの出現をもたらす。クラ
ウンゴール細胞は次いで培養で増殖させることができ,
そして当業者に既知の適切な環境下で挿入T−DNA小
片を含む完全植物体へ再生できる。共存培養の技術によ
り,植物細胞のある部分は形質転換される,すなわち,
転移したT−DNAを有し,植物細胞ゲノムに挿入され
る。どちらの場合も,形質転換細胞は非形質転換細胞と
選別,または区別されねばならない。選別はT×CS/
外来構造遺伝子に加えてT−DNAに取り込まれた選択
マーカーを用意することにより最も容易に達成される。
公表されたマーカーの例として,メトトレキセート−耐
性ジハイドロフォレートリダクターゼまたはノパリンシ
ンターゼのプロモーターの支配下で発現するネオマイシ
ンフォスフォトランスフェラーゼII(NPTII)があ
る。これらのマーカーはそれぞれメトトレキセートまた
はカナマイシンあるいはそのアナログ含有培地での増殖
により選別される。重金属イオンの毒性効果はメタロチ
オネインの存在により軽減され得る。事実,本発明は形
質転換植物組織の選択に適した選択マーカー, 1450bTx
PR/NPTII構造遺伝子結合体,の作成について例を示
した。さらにT−DNAは,培養でTi−誘導腫瘍のホル
モン非依存増殖を制御する遺伝子,Ri−誘導腫瘍根の異
常な形態を制御する遺伝子,およびアミノ酸アナログの
ような有毒物質に対する耐性を制御する遺伝子,そのよ
うな耐性はオピン合成酵素(例えばocs )により与えら
れるが,のような内在マーカーを保有する。当業者に熟
知の選択法にはオピン生産の分析,特徴的な核酸配列に
対する特異的ハイブリダイゼーション,あるいはELI
SA(“エンザイムリンクドイムノソーバント アッセ
イ”の略),ラジオイムノアッセイ,および“ウエスタ
ン”ブロットなどを含む特異蛋白質の免疫的分析などが
あるが,これに限らない。さらに発現外来遺伝子の表現
型も形質転換組織の同定に用いることができる(例えば
抗生物質耐性またはバチルス・チューリンゲンシス結晶
蛋白質の殺虫能)。
−DNAを当該分野の何らかの技術により植物細胞へ移
すことができる。例えばこの転移はT−DNA内に組み
込まれた外来構造遺伝子を有する新規アグロバクテリウ
ム株での植物の直接感染,あるいは植物細胞とこのアグ
ロバクテリウム株との共存培養のどちらかにより,最も
容易に達成される。前者の技術,直接感染,は感染部位
に腫瘍体またはクラウンゴールの出現をもたらす。クラ
ウンゴール細胞は次いで培養で増殖させることができ,
そして当業者に既知の適切な環境下で挿入T−DNA小
片を含む完全植物体へ再生できる。共存培養の技術によ
り,植物細胞のある部分は形質転換される,すなわち,
転移したT−DNAを有し,植物細胞ゲノムに挿入され
る。どちらの場合も,形質転換細胞は非形質転換細胞と
選別,または区別されねばならない。選別はT×CS/
外来構造遺伝子に加えてT−DNAに取り込まれた選択
マーカーを用意することにより最も容易に達成される。
公表されたマーカーの例として,メトトレキセート−耐
性ジハイドロフォレートリダクターゼまたはノパリンシ
ンターゼのプロモーターの支配下で発現するネオマイシ
ンフォスフォトランスフェラーゼII(NPTII)があ
る。これらのマーカーはそれぞれメトトレキセートまた
はカナマイシンあるいはそのアナログ含有培地での増殖
により選別される。重金属イオンの毒性効果はメタロチ
オネインの存在により軽減され得る。事実,本発明は形
質転換植物組織の選択に適した選択マーカー, 1450bTx
PR/NPTII構造遺伝子結合体,の作成について例を示
した。さらにT−DNAは,培養でTi−誘導腫瘍のホル
モン非依存増殖を制御する遺伝子,Ri−誘導腫瘍根の異
常な形態を制御する遺伝子,およびアミノ酸アナログの
ような有毒物質に対する耐性を制御する遺伝子,そのよ
うな耐性はオピン合成酵素(例えばocs )により与えら
れるが,のような内在マーカーを保有する。当業者に熟
知の選択法にはオピン生産の分析,特徴的な核酸配列に
対する特異的ハイブリダイゼーション,あるいはELI
SA(“エンザイムリンクドイムノソーバント アッセ
イ”の略),ラジオイムノアッセイ,および“ウエスタ
ン”ブロットなどを含む特異蛋白質の免疫的分析などが
あるが,これに限らない。さらに発現外来遺伝子の表現
型も形質転換組織の同定に用いることができる(例えば
抗生物質耐性またはバチルス・チューリンゲンシス結晶
蛋白質の殺虫能)。
【0089】シャトルベクター戦術の別法に二元目的結
合体が挿入されるT−DNAまたは修飾T−DNAを含
み,アグロバクテリウム株で独立に複製できるプラスミ
ドの利用がある。背景で述べた最近の証拠は,アグロバ
クテリウム株はT−DNAの植物細胞への転移を促進す
る機能がある,あるトランスに作用する遺伝子を含み,
そのようなプラスミドをアグロバクテリウム株から植物
細胞へ移し得ることを示した。T−DNAを含み,アグ
ロバクテリウム株の中で独立に複製できるプラスミド
を,ここで“サブ−TIP”またはサブ−Tiプラスミド
と呼ぶ。サブ−TIPプラスミドはそれが含有するT−
DNAの量に差があるという変動は存在する。この変動
の一方の極端はTIPプラスミドからのT−DNAのす
べてを残しているもので,時々“ミニ−TIP”または
ミニ−Tiプラスミドと呼ばれる。もう一方の極端は,T
−DNA境界付近のDNA量以外のすべてが欠失し,残
存部分はサブ−TIPプラスミドが宿主細胞へ移り,取
り込まれるのに必要最小である,ものである。このよう
なプラスミドを“ミクロ−TIP”またはミクロ−Tiと
呼ぶ。サブ−TIPプラスミドはそれが小さく直接操作
が比較的容易であり,相同組み換えによりシャトルベク
ターからT−DNAへ遺伝子と移す必要性がないという
利点がある。望みの構造遺伝子を挿入した後,T−DN
Aの転移を促進するトランスに作用するvir遺伝子を含
む植物細胞へ容易に直接導入ができる。アグロバクテリ
ウム株への導入は,当業者に熟知の技術,すなわちアグ
ロバクテリウム株の形質転換または供与細菌細胞からの
接合伝達のいずれかにより容易に達成される。新規DN
A配列の植物ゲノムへの導入の目的のために,TIPプ
ラスミドおよびサブ−TIPプラスミドは機能的に等価
であると見なされるべきである。実施例6は一般にTR
に基づく,サブ−TIPプラスミドを開示し,そしてさ
らに詳細な考察を行う。
合体が挿入されるT−DNAまたは修飾T−DNAを含
み,アグロバクテリウム株で独立に複製できるプラスミ
ドの利用がある。背景で述べた最近の証拠は,アグロバ
クテリウム株はT−DNAの植物細胞への転移を促進す
る機能がある,あるトランスに作用する遺伝子を含み,
そのようなプラスミドをアグロバクテリウム株から植物
細胞へ移し得ることを示した。T−DNAを含み,アグ
ロバクテリウム株の中で独立に複製できるプラスミド
を,ここで“サブ−TIP”またはサブ−Tiプラスミド
と呼ぶ。サブ−TIPプラスミドはそれが含有するT−
DNAの量に差があるという変動は存在する。この変動
の一方の極端はTIPプラスミドからのT−DNAのす
べてを残しているもので,時々“ミニ−TIP”または
ミニ−Tiプラスミドと呼ばれる。もう一方の極端は,T
−DNA境界付近のDNA量以外のすべてが欠失し,残
存部分はサブ−TIPプラスミドが宿主細胞へ移り,取
り込まれるのに必要最小である,ものである。このよう
なプラスミドを“ミクロ−TIP”またはミクロ−Tiと
呼ぶ。サブ−TIPプラスミドはそれが小さく直接操作
が比較的容易であり,相同組み換えによりシャトルベク
ターからT−DNAへ遺伝子と移す必要性がないという
利点がある。望みの構造遺伝子を挿入した後,T−DN
Aの転移を促進するトランスに作用するvir遺伝子を含
む植物細胞へ容易に直接導入ができる。アグロバクテリ
ウム株への導入は,当業者に熟知の技術,すなわちアグ
ロバクテリウム株の形質転換または供与細菌細胞からの
接合伝達のいずれかにより容易に達成される。新規DN
A配列の植物ゲノムへの導入の目的のために,TIPプ
ラスミドおよびサブ−TIPプラスミドは機能的に等価
であると見なされるべきである。実施例6は一般にTR
に基づく,サブ−TIPプラスミドを開示し,そしてさ
らに詳細な考察を行う。
【0090】本発明の望ましい具体化は二元目的プロモ
ーター領域/外来構造遺伝子結合体を,形質転換される
べき植物のゲノムへの導入のためのT−DNAに基づく
アグロバクテリウム仲介系にあるが,この結合体の転移
と組み込みのための他の手段もまた本発明の展望に含ま
れる。二元目的結合体の植物ゲノムへの安定な組み込み
のための別の手段には,さらに,ウィルスゲノム,ミニ
クロモゾーム,トランスポゾンおよび植物染色体への相
同あるいは非相同組み換えに基づくベクターの利用があ
るが,これに限らない。植物細胞へのこれらベクターの
導入の別の方式に,ベクター含有リポゾームあるいは細
菌スフェロプラストとの融合,顕微注射,ウィルスコー
ト蛋白質への封入とそれに続く感染に似た過程,およ
び,電気パルス,レーザー,あるいは,化学剤による原
形質膜透過性の誘導後のDNAの直接取込みがあり,ま
たこれに限らない。移行取込みおよび/または発現の手
段もまた本発明の展望に含まれる。アグロバクテリウム
細胞およびTIPに基づく系は,細菌から植物細胞への
DNAの転移により双子葉植物を形質転換するのに用い
得る;他のベクターに基づく系,あるいはベクター伝達
手段が単子葉および双子葉植物を含むすべての裸子植物
およびすべての被子植物の形質転換に使用し得る。
ーター領域/外来構造遺伝子結合体を,形質転換される
べき植物のゲノムへの導入のためのT−DNAに基づく
アグロバクテリウム仲介系にあるが,この結合体の転移
と組み込みのための他の手段もまた本発明の展望に含ま
れる。二元目的結合体の植物ゲノムへの安定な組み込み
のための別の手段には,さらに,ウィルスゲノム,ミニ
クロモゾーム,トランスポゾンおよび植物染色体への相
同あるいは非相同組み換えに基づくベクターの利用があ
るが,これに限らない。植物細胞へのこれらベクターの
導入の別の方式に,ベクター含有リポゾームあるいは細
菌スフェロプラストとの融合,顕微注射,ウィルスコー
ト蛋白質への封入とそれに続く感染に似た過程,およ
び,電気パルス,レーザー,あるいは,化学剤による原
形質膜透過性の誘導後のDNAの直接取込みがあり,ま
たこれに限らない。移行取込みおよび/または発現の手
段もまた本発明の展望に含まれる。アグロバクテリウム
細胞およびTIPに基づく系は,細菌から植物細胞への
DNAの転移により双子葉植物を形質転換するのに用い
得る;他のベクターに基づく系,あるいはベクター伝達
手段が単子葉および双子葉植物を含むすべての裸子植物
およびすべての被子植物の形質転換に使用し得る。
【0091】形質転換細胞および組織の再生は既知技術
により達成される。再生段階の目的は正常に,しかし組
み込まれたT−DNAを保持して,発育,増殖する完全
植物体を得ることである。再生の技術は当該分野の原理
に従い,T−DNAの起源,修飾の性質および形質転換
された植物種によりある程度変わる。Ri型T−DNAに
より形質転換された植物細胞は当業者に熟知の技術によ
り,余分の実験なしに容易に再生され得る。Ti型T−D
NAにより形質転換された植物細胞は,ある場合には,
培養のホルモン準位を適当に操作することにより再生さ
れ得る。しかし,望ましくは,Ti−形質転換組織は,も
しT−DNAがtmrおよびtms遺伝子の一方または両方に
変異を受けていれば,最も容易に再生される。これら遺
伝子の不活化は形質転換組織のホルモンバランスを正常
に向け,培養での組織のホルモン準位を極めて容易に操
作できるようにするため,その,より正常なホルモン生
理のゆえに容易に再生する植物となる。もしtmrおよびt
msでの変異がシャトルベクターを用いた二重相同組み換
えによりT−DNAに導入されるならば,その変異の導
入は二元目的プロモーター領域/構造遺伝子結合体の導
入とは別の様式で選択されねばならないことに注意する
のは重要である。例えば,前者の例においてはtmrおよ
びtms不活化をクロラムフェニコール耐性により選択す
るが,一方プロモーター領域/外来遺伝子選択はカナマ
イシン耐性で行われる。tmsおよびtmr部位の不活化は,
これら遺伝子のコード領域あるいはプロモーター内の1
つまたはそれ以上の塩基の挿入,欠失,または置換,す
なわちプロモーターの不活性化あるいは蛋白質の構造の
破壊を計る変異,により達成されるだろう。(適当な変
異の作成は T. C. Hall et al., US application ser.
nos. 485,613 and 485,614および背景で挙げた文献に例
が述べられている。)ある例では,腫瘍細胞は組み込ま
れたT−DNAを有し,ノパリンシンターゼのようなT
−DNA遺伝子を発現する,そしてそれはさらに挿入さ
れた植物構造遺伝子を発現する,シュートを再生するこ
とができる。このシュートは根を有する植物に継ぎ木す
ることにより栄養細胞で維持でき,そして稔性花を生ず
ることができる。このシュートはこのようにしてT−D
NAを有し,そこに挿入された外来構造遺伝子を発現す
る正常な子孫植物のための親植物材料を提供する。
により達成される。再生段階の目的は正常に,しかし組
み込まれたT−DNAを保持して,発育,増殖する完全
植物体を得ることである。再生の技術は当該分野の原理
に従い,T−DNAの起源,修飾の性質および形質転換
された植物種によりある程度変わる。Ri型T−DNAに
より形質転換された植物細胞は当業者に熟知の技術によ
り,余分の実験なしに容易に再生され得る。Ti型T−D
NAにより形質転換された植物細胞は,ある場合には,
培養のホルモン準位を適当に操作することにより再生さ
れ得る。しかし,望ましくは,Ti−形質転換組織は,も
しT−DNAがtmrおよびtms遺伝子の一方または両方に
変異を受けていれば,最も容易に再生される。これら遺
伝子の不活化は形質転換組織のホルモンバランスを正常
に向け,培養での組織のホルモン準位を極めて容易に操
作できるようにするため,その,より正常なホルモン生
理のゆえに容易に再生する植物となる。もしtmrおよびt
msでの変異がシャトルベクターを用いた二重相同組み換
えによりT−DNAに導入されるならば,その変異の導
入は二元目的プロモーター領域/構造遺伝子結合体の導
入とは別の様式で選択されねばならないことに注意する
のは重要である。例えば,前者の例においてはtmrおよ
びtms不活化をクロラムフェニコール耐性により選択す
るが,一方プロモーター領域/外来遺伝子選択はカナマ
イシン耐性で行われる。tmsおよびtmr部位の不活化は,
これら遺伝子のコード領域あるいはプロモーター内の1
つまたはそれ以上の塩基の挿入,欠失,または置換,す
なわちプロモーターの不活性化あるいは蛋白質の構造の
破壊を計る変異,により達成されるだろう。(適当な変
異の作成は T. C. Hall et al., US application ser.
nos. 485,613 and 485,614および背景で挙げた文献に例
が述べられている。)ある例では,腫瘍細胞は組み込ま
れたT−DNAを有し,ノパリンシンターゼのようなT
−DNA遺伝子を発現する,そしてそれはさらに挿入さ
れた植物構造遺伝子を発現する,シュートを再生するこ
とができる。このシュートは根を有する植物に継ぎ木す
ることにより栄養細胞で維持でき,そして稔性花を生ず
ることができる。このシュートはこのようにしてT−D
NAを有し,そこに挿入された外来構造遺伝子を発現す
る正常な子孫植物のための親植物材料を提供する。
【0092】形質転換される植物組織の遺伝子型は,そ
の細胞がインビトロ培養で発育再生でき,用いる選択剤
に感受性であるように,容易にするために,しばしば選
ばれる。農業的に興味のある栽培物はこの操作には不適
であり,もっとやりやすい変種が最初に形質転換され
る。再生後,新しく導入された二元目的プロモーター領
域/外来構造遺伝子結合体および何らかの連接したおよ
び/あるいは共同転移したDNAは容易に望まれる農業
栽培物へ,植物育種および植物遺伝学の当業者に熟知の
技術により,移される。農業栽培物と形質転換植物の有
性交配により最初の雑種ができる。これら雑種は次いで
望ましい遺伝的背景をもつ植物と戻し交配される。子孫
は常に,挿入外来DNAの連続した存在,あるいは挿入
外来DNAによりもたらされる遺伝子の発現の結果とし
ての新しい表現型について,選択および/または選別を
行われる。このようにして,多数回の戻し交配と選別の
後に,農業的に望ましい親と本質的に同じ遺伝子型を持
ち,挿入外来DNA配列を併せ持った植物がつくり出さ
れ得る。
の細胞がインビトロ培養で発育再生でき,用いる選択剤
に感受性であるように,容易にするために,しばしば選
ばれる。農業的に興味のある栽培物はこの操作には不適
であり,もっとやりやすい変種が最初に形質転換され
る。再生後,新しく導入された二元目的プロモーター領
域/外来構造遺伝子結合体および何らかの連接したおよ
び/あるいは共同転移したDNAは容易に望まれる農業
栽培物へ,植物育種および植物遺伝学の当業者に熟知の
技術により,移される。農業栽培物と形質転換植物の有
性交配により最初の雑種ができる。これら雑種は次いで
望ましい遺伝的背景をもつ植物と戻し交配される。子孫
は常に,挿入外来DNAの連続した存在,あるいは挿入
外来DNAによりもたらされる遺伝子の発現の結果とし
ての新しい表現型について,選択および/または選別を
行われる。このようにして,多数回の戻し交配と選別の
後に,農業的に望ましい親と本質的に同じ遺伝子型を持
ち,挿入外来DNA配列を併せ持った植物がつくり出さ
れ得る。
【0093】
【実施例】次に述べる実施例は,TIPとアグロバクテ
リウムの分子生物学および操作に習熟した当業者にとっ
て,よく知られた,そして行い易い技術の多くを利用し
ている;これらの方法は,ここで詳述されていない場合
は,引用された参考資料の1つまたはそれ以上のものに
詳述されている。酵素は市販品を購入し,販売者の勧め
る方法または当該分野の他の変法により用いられる。試
薬,緩衝液および培養条件も,当業者に知られている。
そのような標準的技術を含む参考資料には,次に述べる
ものが含まれる: R. Wu, 編(1979) Meth. Enzymol. 6
8,R. Wu et al.編(1983)Meth.Enzymol. 100および 10
1,L. Grossman およびK. Moldave,編(1980) Meth. Enz
ymol. 65, J. H. Miller(1972) Experiments in Molecu
lar Genetics, R. Davis et al. (1980) Advanced Bact
erial Genetics, R. F. Schleifおよび P. C. Wensink
(1982) Practical Methods in Molecular Biology, お
よびT. Maniatis et al. (1982) Molecular Cloning.
それに加えて,R. F. Latheet al.(1983) Genet. Engi
n. 4 : 1-56,はDNA操作についての有用な説明をして
いる。
リウムの分子生物学および操作に習熟した当業者にとっ
て,よく知られた,そして行い易い技術の多くを利用し
ている;これらの方法は,ここで詳述されていない場合
は,引用された参考資料の1つまたはそれ以上のものに
詳述されている。酵素は市販品を購入し,販売者の勧め
る方法または当該分野の他の変法により用いられる。試
薬,緩衝液および培養条件も,当業者に知られている。
そのような標準的技術を含む参考資料には,次に述べる
ものが含まれる: R. Wu, 編(1979) Meth. Enzymol. 6
8,R. Wu et al.編(1983)Meth.Enzymol. 100および 10
1,L. Grossman およびK. Moldave,編(1980) Meth. Enz
ymol. 65, J. H. Miller(1972) Experiments in Molecu
lar Genetics, R. Davis et al. (1980) Advanced Bact
erial Genetics, R. F. Schleifおよび P. C. Wensink
(1982) Practical Methods in Molecular Biology, お
よびT. Maniatis et al. (1982) Molecular Cloning.
それに加えて,R. F. Latheet al.(1983) Genet. Engi
n. 4 : 1-56,はDNA操作についての有用な説明をして
いる。
【0094】単離されている制限エンドヌクレアーゼと
いう名称についての本文での使用,例えば“Bcl I”,
は,図表中におけるその酵素の作用を受けやすい配列部
位,例えば制限部位,を表す場合以外は,酵素反応にお
けるその酵素の使用を表す。本文では,制限部位は“部
位”という用語,例えば“Bcl I部位”という用語の付
加的な使用により表示される。“断片”という言葉の付
加的な使用,例えば“Bcl I断片”,はその命名酵素の
作用により生成した末端を保持する直線二本鎖DNA分
子を表す(例えば制限断片)。“Bcl I/Sma I断片”の
ような語句は,2つの異なる酵素,ここではBcl Iおよ
びSma I,の作用により,制限断片が生成したことを示
し,それは,2つの異なった酵素の作用の結果生成した
2つの末端を有する。その末端は,“粘着性で”あるこ
と(すなわち,相補的な一本鎖オリゴヌクレオチドと対
合することのできる,一本鎖の突起を持つこと)もしく
は“平滑で”あることの特徴を有すること,および粘着
性末端の特異性は,それを生成する酵素の特異性により
決定されること,に留意しておく。
いう名称についての本文での使用,例えば“Bcl I”,
は,図表中におけるその酵素の作用を受けやすい配列部
位,例えば制限部位,を表す場合以外は,酵素反応にお
けるその酵素の使用を表す。本文では,制限部位は“部
位”という用語,例えば“Bcl I部位”という用語の付
加的な使用により表示される。“断片”という言葉の付
加的な使用,例えば“Bcl I断片”,はその命名酵素の
作用により生成した末端を保持する直線二本鎖DNA分
子を表す(例えば制限断片)。“Bcl I/Sma I断片”の
ような語句は,2つの異なる酵素,ここではBcl Iおよ
びSma I,の作用により,制限断片が生成したことを示
し,それは,2つの異なった酵素の作用の結果生成した
2つの末端を有する。その末端は,“粘着性で”あるこ
と(すなわち,相補的な一本鎖オリゴヌクレオチドと対
合することのできる,一本鎖の突起を持つこと)もしく
は“平滑で”あることの特徴を有すること,および粘着
性末端の特異性は,それを生成する酵素の特異性により
決定されること,に留意しておく。
【0095】プラスミド,および唯一プラスミドのみ
が,例えば pTi15955 または pUC13のように“p”の頭
文字が付けられ,株の名称は,例えばアグロバクテリウ
ム・チユーメファシエンス( pTi15955 )またはエセリ
シア・コリー JM83 (pUC13)のように,括弧を付けてプ
ラスミドがそれに保持されていることを示す。
が,例えば pTi15955 または pUC13のように“p”の頭
文字が付けられ,株の名称は,例えばアグロバクテリウ
ム・チユーメファシエンス( pTi15955 )またはエセリ
シア・コリー JM83 (pUC13)のように,括弧を付けてプ
ラスミドがそれに保持されていることを示す。
【0096】次に示す株は寄託されている: エセリシ
ア・コリー K12 RRI (pRK290Kan-1)NRRL B-15736(本菌
株は、ブダペスト条約に基づく国際寄託である), アグロバクテリウム・チユーメファシエンス(pTi15955)
ATCC 15955 エセリシア・コリー C600 (pKS4)NRRL B-15394 エセリシア・コリー HB101 (pPVL134)ATCC 39181 他のプラスミドおよび株は当業者に広く利用でき,そし
て入手し易い。
ア・コリー K12 RRI (pRK290Kan-1)NRRL B-15736(本菌
株は、ブダペスト条約に基づく国際寄託である), アグロバクテリウム・チユーメファシエンス(pTi15955)
ATCC 15955 エセリシア・コリー C600 (pKS4)NRRL B-15394 エセリシア・コリー HB101 (pPVL134)ATCC 39181 他のプラスミドおよび株は当業者に広く利用でき,そし
て入手し易い。
【0097】<実施例1>この実施例は,1450塩基転写
物(1450bTx)の位置を決定する転写マッピング実験の
結果を発表, 討論し, そしてまた前記の結果を得るため
用いられた方法を教示する。これらの実験結果は, 本質
的にはS. J. Karcher et al.(1984)Molec.Gen. Gene
t.,から抜粋され, そしてここでは本発明を理解するの
に必要な背景として含まれる。
物(1450bTx)の位置を決定する転写マッピング実験の
結果を発表, 討論し, そしてまた前記の結果を得るため
用いられた方法を教示する。これらの実験結果は, 本質
的にはS. J. Karcher et al.(1984)Molec.Gen. Gene
t.,から抜粋され, そしてここでは本発明を理解するの
に必要な背景として含まれる。
【0098】1.1 結果 図1は,植物DNA(T−DNA)中に安定して組み込
まれるTiプラスミドの領域を示すpTiA6の部分の制限エ
ンドヌクレアーゼ地図を示す。Bam HI断片2の副断片
(図2の地図を参照)はプラスミドpBR325, pMK2004,も
しくはpUC13 中にクローン化され, T−DNAのTR 領
域にコードされていて, 植物腫瘍中で転写されるRNA
の局在化のためのハイブリダイゼーション試料として用
いられた。E9懸濁腫瘍細胞系列, すなわち当業者によく
知られたアグロバクテリウム・チューメファシエンス
(pTiB6806)(M. F. Thomashow et al.(1980)Cell 19
:729-739 )により刺激されたニコチアナ・タバカム
系列, より分離された全細胞RNAもしくはポリA+ R
NAのノーザンブロット分析により, 試料b5, Cおよ
びd1 にハイブリダイズする,約1450塩基の大きさのR
NAが発見された。このRNAは試料b4 及びb3 にも
低い程度にハイブリダイズしているようである(図
2)。
まれるTiプラスミドの領域を示すpTiA6の部分の制限エ
ンドヌクレアーゼ地図を示す。Bam HI断片2の副断片
(図2の地図を参照)はプラスミドpBR325, pMK2004,も
しくはpUC13 中にクローン化され, T−DNAのTR 領
域にコードされていて, 植物腫瘍中で転写されるRNA
の局在化のためのハイブリダイゼーション試料として用
いられた。E9懸濁腫瘍細胞系列, すなわち当業者によく
知られたアグロバクテリウム・チューメファシエンス
(pTiB6806)(M. F. Thomashow et al.(1980)Cell 19
:729-739 )により刺激されたニコチアナ・タバカム
系列, より分離された全細胞RNAもしくはポリA+ R
NAのノーザンブロット分析により, 試料b5, Cおよ
びd1 にハイブリダイズする,約1450塩基の大きさのR
NAが発見された。このRNAは試料b4 及びb3 にも
低い程度にハイブリダイズしているようである(図
2)。
【0099】1450bTxの境界および方向性をより正確に
決定するためにS1ヌクレアーゼマッピング実験が行わ
れた。S1ヌクレアーゼ保護実験の試料として用いられ
た断片は, 一本鎖バクテリオファージM13 由来のベクタ
ー中に両方向でクローン化された。(実施例1.3bを参
照)このようなM13由来の一本鎖DNAを使用すること
は, S1ヌクレアーゼ分析の試料としては, 二本鎖DN
Aを使用するよりも有効であった。DNAとRNAのハ
イブリダイゼーションは, 65℃で, 水溶液中において,
比較的短時間で実施可能であった。それに加えて, M13
でのクローニングではDNAの両鎖は分離されるので,
S1 ヌクレアーゼ分解からのRNAによる保護につい
て, 各々の鎖は別々に試験することが可能であった。ど
ちらのクローン化DNA鎖が保護されているのかという
こと,およびM13の多様性クローニング部位中にクロー
ン化した挿入物の方向性を決定することにより, RNA
の転写の方向性を推論することが可能であった。与えら
れた領域の両鎖が保護されたので, 両方向での転写が示
された。
決定するためにS1ヌクレアーゼマッピング実験が行わ
れた。S1ヌクレアーゼ保護実験の試料として用いられ
た断片は, 一本鎖バクテリオファージM13 由来のベクタ
ー中に両方向でクローン化された。(実施例1.3bを参
照)このようなM13由来の一本鎖DNAを使用すること
は, S1ヌクレアーゼ分析の試料としては, 二本鎖DN
Aを使用するよりも有効であった。DNAとRNAのハ
イブリダイゼーションは, 65℃で, 水溶液中において,
比較的短時間で実施可能であった。それに加えて, M13
でのクローニングではDNAの両鎖は分離されるので,
S1 ヌクレアーゼ分解からのRNAによる保護につい
て, 各々の鎖は別々に試験することが可能であった。ど
ちらのクローン化DNA鎖が保護されているのかという
こと,およびM13の多様性クローニング部位中にクロー
ン化した挿入物の方向性を決定することにより, RNA
の転写の方向性を推論することが可能であった。与えら
れた領域の両鎖が保護されたので, 両方向での転写が示
された。
【0100】E9全細胞RNAを用いたこのような分析の
結果が図2に示される。d1+d2をS1ヌクレアーゼ保
護試料として用いることにより, 1450bTxがCおよびd
1 の間のHind IIIの右側の約240bpより始まることが決
定された。Cおよびb5の両断片は,この転写物により
S1ヌクレアーゼ分解から完全に保護されていた。b5
がS1ヌクレアーゼ保護試料として用いられた場合に,
約280 bpの断片が回収された。b4+b5が用いられた場
合には, 約20bp以上の断片がS1ヌクレアーゼ分解から
保護された。このデータから, 1450bTxは, b4とb5の
間のCla I部位のちょうど左側のb4で終結することが示
された。
結果が図2に示される。d1+d2をS1ヌクレアーゼ保
護試料として用いることにより, 1450bTxがCおよびd
1 の間のHind IIIの右側の約240bpより始まることが決
定された。Cおよびb5の両断片は,この転写物により
S1ヌクレアーゼ分解から完全に保護されていた。b5
がS1ヌクレアーゼ保護試料として用いられた場合に,
約280 bpの断片が回収された。b4+b5が用いられた場
合には, 約20bp以上の断片がS1ヌクレアーゼ分解から
保護された。このデータから, 1450bTxは, b4とb5の
間のCla I部位のちょうど左側のb4で終結することが示
された。
【0101】1.2 考察 ノーザンブロッティングおよびS1ヌクレアーゼ分析を
用いることにより,オクトピン型クラウンゴール腫瘍由
来のT−DNAのTR 領域によりコードされた五つの転
写物が局在化された。ポリアデニル化されたRNAは宿
主植物プロモーターからではなく,T−DNA内部のプ
ロモーターより転写された。ノーザンブロット分析によ
り,E9腫瘍系列においては, 1450bTx を含むTR にコー
ドされた最も多量の転写物は, TL によりコードされた
転写物よりも相当多かった。それゆえTR は植物遺伝子
工学実験での利用において興味が持たれる。というの
は, それは強力なプロモーターを含み, それでいて直接
には腫瘍化に含まれていないからである。
用いることにより,オクトピン型クラウンゴール腫瘍由
来のT−DNAのTR 領域によりコードされた五つの転
写物が局在化された。ポリアデニル化されたRNAは宿
主植物プロモーターからではなく,T−DNA内部のプ
ロモーターより転写された。ノーザンブロット分析によ
り,E9腫瘍系列においては, 1450bTx を含むTR にコー
ドされた最も多量の転写物は, TL によりコードされた
転写物よりも相当多かった。それゆえTR は植物遺伝子
工学実験での利用において興味が持たれる。というの
は, それは強力なプロモーターを含み, それでいて直接
には腫瘍化に含まれていないからである。
【0102】これらのRNAの転写方向の決定, および
5'および3'末端の局在化を, ブロッティング実験よりも
もっと正確に行えるように, S1ヌクレアーゼマッピン
グ操作が用いられた。S1ヌクレアーゼ保護データか
ら, 1450塩基RNAをコードする遺伝子は検出可能の介
在配列を一つも含まないことが示された。ノーザンブロ
ッティング分析により決定された転写の大きさは, S1
ヌクレアーゼ分析により示された大きさよりも大きかっ
た。大きさにおけるこの違いは, 転写後のポリ(A)配
列の付加により容易に説明される。
5'および3'末端の局在化を, ブロッティング実験よりも
もっと正確に行えるように, S1ヌクレアーゼマッピン
グ操作が用いられた。S1ヌクレアーゼ保護データか
ら, 1450塩基RNAをコードする遺伝子は検出可能の介
在配列を一つも含まないことが示された。ノーザンブロ
ッティング分析により決定された転写の大きさは, S1
ヌクレアーゼ分析により示された大きさよりも大きかっ
た。大きさにおけるこの違いは, 転写後のポリ(A)配
列の付加により容易に説明される。
【0103】ノーザンブロットおよびS1 ヌクレアーゼ
保護のデータは,他の人たちにより推論されたこの領域
のDNA配列のデータ(R. F. Barker et al.(1983)P
lantMolec. Biol. 2:335-350, R. F.Barker およびJ.
D. Kemp,US Patent Applicationser. no.553,786)と
よく一致した。上記の転写マッピング実験により予想さ
れた方向性および長さを持つオープンリーディングフレ
ーム(その中にORF24が存在)が一つ存在した。それに
加えて1450bTxPR中に, 真核生物の転写の促進に関係し
ているTATAAもしくはゴールドバーグ−ホグネスボ
ックス(Goldberg-Hogness box)(J. E. Darnell(198
2)Nature 297:365-371)に類似した配列が存在した。
TATAAボックスは正確なインビトロ転写に必要であ
ることが示されている(B. Wasylyk et al.(1980)Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA77:7024-7028 )が, TAT
AAの上流の配列はインビボでの有効な転写に必要であ
ることが知られている。CCAATという配列はTAT
AAボックスの上流によく見られ(C. Benoist et al.
(1980)Nucleic Acids Res. 8:127-142,A. Efstratia
diset al.(1980)Cell21:653-668,T. Shenk(1981)C
urr. Topics Microbiol. Immunol.93:25-46 ), 1450b
TxPR中に類似配列が存在した。転写物の3'末端付近に
は, 多くのmRNAの3'末端の適当な決定に必要な配
列信号である(N.Proudfoot(1984)Nature 307:412-4
13), AATAAAというヘキサヌクレオチドに三つの
類似した配列が存在する。
保護のデータは,他の人たちにより推論されたこの領域
のDNA配列のデータ(R. F. Barker et al.(1983)P
lantMolec. Biol. 2:335-350, R. F.Barker およびJ.
D. Kemp,US Patent Applicationser. no.553,786)と
よく一致した。上記の転写マッピング実験により予想さ
れた方向性および長さを持つオープンリーディングフレ
ーム(その中にORF24が存在)が一つ存在した。それに
加えて1450bTxPR中に, 真核生物の転写の促進に関係し
ているTATAAもしくはゴールドバーグ−ホグネスボ
ックス(Goldberg-Hogness box)(J. E. Darnell(198
2)Nature 297:365-371)に類似した配列が存在した。
TATAAボックスは正確なインビトロ転写に必要であ
ることが示されている(B. Wasylyk et al.(1980)Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA77:7024-7028 )が, TAT
AAの上流の配列はインビボでの有効な転写に必要であ
ることが知られている。CCAATという配列はTAT
AAボックスの上流によく見られ(C. Benoist et al.
(1980)Nucleic Acids Res. 8:127-142,A. Efstratia
diset al.(1980)Cell21:653-668,T. Shenk(1981)C
urr. Topics Microbiol. Immunol.93:25-46 ), 1450b
TxPR中に類似配列が存在した。転写物の3'末端付近に
は, 多くのmRNAの3'末端の適当な決定に必要な配
列信号である(N.Proudfoot(1984)Nature 307:412-4
13), AATAAAというヘキサヌクレオチドに三つの
類似した配列が存在する。
【0104】1.3 実験材料および方法 1.3a 培養条件 クラウンゴール腫瘍系列は, 1.0 %ファイトアガー(M.
F. Thomashow et al.(1980)Cell 19:729-739)を加
えない(懸濁培養用)または加えた(カルス培養用)MS
3培地上で, 光の連続照射下で25℃で培養された。対照
として用いられた非腫瘍性タバコ系列であるXSR は, 1.
0 mg/リットルのナフタレン酢酸および0.1mg/リットルのベン
ジルアミノプリンを補足したMS3 培地で培養した。
F. Thomashow et al.(1980)Cell 19:729-739)を加
えない(懸濁培養用)または加えた(カルス培養用)MS
3培地上で, 光の連続照射下で25℃で培養された。対照
として用いられた非腫瘍性タバコ系列であるXSR は, 1.
0 mg/リットルのナフタレン酢酸および0.1mg/リットルのベン
ジルアミノプリンを補足したMS3 培地で培養した。
【0105】組み換えプラスミドを保持するエセリシア
・コリー株は0.2 %のカザミノ酸を補足したL液体培地
で培養された。用いられた抗生物質濃度は, エセリシア
・コリーに対しては:アンピシリン,50-100 μg / m
l;テトラサイクリン,10 μg/ml;カナマイシン,20 μ
g / ml;およびアグロバクテリウム・チューメファシ
エンスに対しては:カルベニシリン,100μg / ml;テ
トラサイクリン5 μg/ ml;カナマイシン,100μg / m
l;リファンピシン, 10μg / ml;ゲンタマイシン, 10
0 μg / ml,であった。
・コリー株は0.2 %のカザミノ酸を補足したL液体培地
で培養された。用いられた抗生物質濃度は, エセリシア
・コリーに対しては:アンピシリン,50-100 μg / m
l;テトラサイクリン,10 μg/ml;カナマイシン,20 μ
g / ml;およびアグロバクテリウム・チューメファシ
エンスに対しては:カルベニシリン,100μg / ml;テ
トラサイクリン5 μg/ ml;カナマイシン,100μg / m
l;リファンピシン, 10μg / ml;ゲンタマイシン, 10
0 μg / ml,であった。
【0106】1.3b 組み換えDNAプラスミドおよびM1
3 の構築 Bam HI断片2(図1)は,通常の当業者に知られた標準
的操作によりアグロバクテリウム・チューメファシエン
ス プラスミドpTiB6806(A277株中で培養)からpBR322
中へクローン化された。Bam HI断片2の副断片は,pBR3
25, pMK2004,もしくはpUC13(各々F. Bolivar et al.
(1977)Gene 2:95-113, M. Kahn et al.(1979)Met
h. Enzymol.68:268-280,およびJ. Messing(1983)Met
h. Enzymol.101:20-78 )にクローン化された。制限エ
ンドヌクレアーゼ反応のすべては,供給元(Bethesda Re
search Laboratories(BRL ), P. L. Biochemicals,
もしくはNew England Biolabs )の示唆の通りに実施さ
れた。T4DNAリガーゼはBRLより購入した。組み換え
プラスミドは, クリアード・ライゼート操作(D. G. Bl
air et al.(1972)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69 :
2518-2522 )もしくはアルカリ溶菌操作(N. C. Birnbo
imおよびJ. Doly (1979)Nucleic Acids Res.7:1513-
1523)を用いてエセリシア・コリーから分離された。
3 の構築 Bam HI断片2(図1)は,通常の当業者に知られた標準
的操作によりアグロバクテリウム・チューメファシエン
ス プラスミドpTiB6806(A277株中で培養)からpBR322
中へクローン化された。Bam HI断片2の副断片は,pBR3
25, pMK2004,もしくはpUC13(各々F. Bolivar et al.
(1977)Gene 2:95-113, M. Kahn et al.(1979)Met
h. Enzymol.68:268-280,およびJ. Messing(1983)Met
h. Enzymol.101:20-78 )にクローン化された。制限エ
ンドヌクレアーゼ反応のすべては,供給元(Bethesda Re
search Laboratories(BRL ), P. L. Biochemicals,
もしくはNew England Biolabs )の示唆の通りに実施さ
れた。T4DNAリガーゼはBRLより購入した。組み換え
プラスミドは, クリアード・ライゼート操作(D. G. Bl
air et al.(1972)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69 :
2518-2522 )もしくはアルカリ溶菌操作(N. C. Birnbo
imおよびJ. Doly (1979)Nucleic Acids Res.7:1513-
1523)を用いてエセリシア・コリーから分離された。
【0107】S1ヌクレアーゼ保護反応に用いられたBa
m HI断片2の領域は,当業者によく知られている技術に
より,複製可能な型のDNAであるM13mp8およびM13mp9
(N.Jones博士から入手), もしくはM13mp10 およびM13
mp11(P. L. Biochemicalsにより供給)中へ両方向にお
いてクローン化された。
m HI断片2の領域は,当業者によく知られている技術に
より,複製可能な型のDNAであるM13mp8およびM13mp9
(N.Jones博士から入手), もしくはM13mp10 およびM13
mp11(P. L. Biochemicalsにより供給)中へ両方向にお
いてクローン化された。
【0108】1.3c RNAの分離, 電気泳動, ブロッテ
ィング, およびハイブリダイゼーション 腫瘍RNAは, フェノール抽出後に1.5 倍量の冷蔵した
100%エタノールを加え, 15分氷上で定温に保つことに
より多糖類を沈澱させたこと以外は, 以前に記述された
(S. B. Gelvin et al. (1981)Plasmid 6 :17-29)
通りに分離された。10,000×g, 10分間の遠心分離の後,
RNAを沈澱させるために上澄みに2倍量の100 %エ
タノールを加えた。
ィング, およびハイブリダイゼーション 腫瘍RNAは, フェノール抽出後に1.5 倍量の冷蔵した
100%エタノールを加え, 15分氷上で定温に保つことに
より多糖類を沈澱させたこと以外は, 以前に記述された
(S. B. Gelvin et al. (1981)Plasmid 6 :17-29)
通りに分離された。10,000×g, 10分間の遠心分離の後,
RNAを沈澱させるために上澄みに2倍量の100 %エ
タノールを加えた。
【0109】変性ホルムアルデヒドゲルによるアガロー
スゲル電気泳動,ニトロセルロース上でのブロッティン
グ, およびハイブリダイゼーションは記述された通りで
あり(Gelvin et al.(1981)前出),変更された所は次
の通りであった:ゲルは,2%アガロース含有, 洗浄液
は1×SSC(0.15M塩化ナトリウム,0.015Mクエン酸ナト
リウム),0.1%SDS,および10mMNa2EDTA含有であっ
た。ニック・トランスレーションは,Amershamのニック
・トランスレーション・キットを用いて実施された。
スゲル電気泳動,ニトロセルロース上でのブロッティン
グ, およびハイブリダイゼーションは記述された通りで
あり(Gelvin et al.(1981)前出),変更された所は次
の通りであった:ゲルは,2%アガロース含有, 洗浄液
は1×SSC(0.15M塩化ナトリウム,0.015Mクエン酸ナト
リウム),0.1%SDS,および10mMNa2EDTA含有であっ
た。ニック・トランスレーションは,Amershamのニック
・トランスレーション・キットを用いて実施された。
【0110】1.3d E9腫瘍RNAのヌクレアーゼ保護分
析 組み換えM13 一本鎖DNAおよびE9懸濁RNAの間のハ
イブリダイゼーションは5×SSC 20-30μl, 20mM Tris-
HCl(pH7.4)中で65℃において実施された。典型的に,
500 ngの組み換えファージDNAが, E9懸濁培養液から
分離された全RNA20μgとハイブリダイズした。5時
間後に冷蔵S1ヌクレアーゼ分解用緩衝液(280mM塩化
ナトリウム, 50mM酢酸ナトリウム, 4.5mM硫酸亜鉛, 20
μg / ml変性子牛胸腺DNA, pH4.6)で全量を150 μ
lにし, 100単位のS1ヌクレアーゼ(Sigma)を加え
た。この試料は37℃で45分間保温された。50μlの冷蔵
S1終結混合液(2.5M酢酸ナトリウム, 50mMNa2 EDTA)
を加え, 保護された断片は20μgの酵母tRNAおよび
2.5倍量の100%エタノールの添加により沈澱させた。
析 組み換えM13 一本鎖DNAおよびE9懸濁RNAの間のハ
イブリダイゼーションは5×SSC 20-30μl, 20mM Tris-
HCl(pH7.4)中で65℃において実施された。典型的に,
500 ngの組み換えファージDNAが, E9懸濁培養液から
分離された全RNA20μgとハイブリダイズした。5時
間後に冷蔵S1ヌクレアーゼ分解用緩衝液(280mM塩化
ナトリウム, 50mM酢酸ナトリウム, 4.5mM硫酸亜鉛, 20
μg / ml変性子牛胸腺DNA, pH4.6)で全量を150 μ
lにし, 100単位のS1ヌクレアーゼ(Sigma)を加え
た。この試料は37℃で45分間保温された。50μlの冷蔵
S1終結混合液(2.5M酢酸ナトリウム, 50mMNa2 EDTA)
を加え, 保護された断片は20μgの酵母tRNAおよび
2.5倍量の100%エタノールの添加により沈澱させた。
【0111】−20℃の保温の後, 沈澱を集め, 20μlの
アルカリ緩衝液(30mM水酸化ナトリウム, 2mM Na2 EDT
A)に溶解し,そして断片を1.2 %もしくは2.0 %のア
ルカリアガロースゲルの電気泳動(M. W. McDonnell et
al.(1977)J. Mol. Biol.110:119-146 )にかけた。
DNAのニトロセルロースへの移動, ブロットのハイブ
リダイゼーションおよび洗浄は,試料の濃度は通常50ng
/ml以下で, ブロットは慣例的に0.3×SSCで5時間洗う
だけであった以外は, 以前に記述された通り(M. F. Th
omashow et al.(1980)前出)であった。
アルカリ緩衝液(30mM水酸化ナトリウム, 2mM Na2 EDT
A)に溶解し,そして断片を1.2 %もしくは2.0 %のア
ルカリアガロースゲルの電気泳動(M. W. McDonnell et
al.(1977)J. Mol. Biol.110:119-146 )にかけた。
DNAのニトロセルロースへの移動, ブロットのハイブ
リダイゼーションおよび洗浄は,試料の濃度は通常50ng
/ml以下で, ブロットは慣例的に0.3×SSCで5時間洗う
だけであった以外は, 以前に記述された通り(M. F. Th
omashow et al.(1980)前出)であった。
【0112】<実施例2>この実施例は,pTiA6およびp
Ti15955のようなオクトピン型プラスミドのTRへのホモ
部分二倍体化に適した1450bTxPR プロモーターの媒介物
の構築を教示する。
Ti15955のようなオクトピン型プラスミドのTRへのホモ
部分二倍体化に適した1450bTxPR プロモーターの媒介物
の構築を教示する。
【0113】2.1 T Rのクローニング pBR322のBam HI部位中のpTiA6のT−DNAのBam HI断
片2の組み換えDNAクローンを,Eco RIにより完全分
解した(ATCC15955より分離されたpTi15955と高い相同
性のあるpTiA6はアグロバクテリウム・チューメファシ
エンスA6NCより分離される)。5.4キロベースペア(Kb
p)のDNA断片, Eco RI13を含む分解混合物を, Eco R
Iにより直線化されたpRK290DNA(G. Ditta et al.
(1980)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:7347- 735
7)と混合および連結し,そしてその混合物をエセリシ
ア・コリーK12PR1中へ形質転換した。プラスミドDNA
をテトラサイクリン耐性の形質転換体より分離し, pRK2
90Eco13と名付けた, Eco RI13T−DNA断片を含むプ
ラスミドを保持するコロニーを制限酵素分析により同定
した。2.2 1450bTx 構造遺伝子の欠失 pRK290Eco13 DNAを,Cla Iにより完全分離し, 再結
合し,そしてPR1中へ形質転換した。テトラサイクリン
耐性形質転換体から分離されたプラスミドDNAを制限
分析により特徴づけ, そしてpRK290Eco13 ΔClaと名付
けられたプラスミドを保持するコロニーが同定され,そ
れは図2のb5, Cおよびd1 断片を包含するCla I断片
を欠失していた。外来構造遺伝子は,1450bTxプロモー
ター領域の後方にある,pRK290Eco13 ΔClaの唯一のCla
I部位に容易に挿入することができる(図3)。Cla I
断片の欠失により,1450bTxの3'側の最初のポリアデニ
ル化部位が取り除かれた;しかし,他の二つのポリアデ
ニル化部位の配列は,残っている唯一のCla I部位の下
流に保有されている。
片2の組み換えDNAクローンを,Eco RIにより完全分
解した(ATCC15955より分離されたpTi15955と高い相同
性のあるpTiA6はアグロバクテリウム・チューメファシ
エンスA6NCより分離される)。5.4キロベースペア(Kb
p)のDNA断片, Eco RI13を含む分解混合物を, Eco R
Iにより直線化されたpRK290DNA(G. Ditta et al.
(1980)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:7347- 735
7)と混合および連結し,そしてその混合物をエセリシ
ア・コリーK12PR1中へ形質転換した。プラスミドDNA
をテトラサイクリン耐性の形質転換体より分離し, pRK2
90Eco13と名付けた, Eco RI13T−DNA断片を含むプ
ラスミドを保持するコロニーを制限酵素分析により同定
した。2.2 1450bTx 構造遺伝子の欠失 pRK290Eco13 DNAを,Cla Iにより完全分離し, 再結
合し,そしてPR1中へ形質転換した。テトラサイクリン
耐性形質転換体から分離されたプラスミドDNAを制限
分析により特徴づけ, そしてpRK290Eco13 ΔClaと名付
けられたプラスミドを保持するコロニーが同定され,そ
れは図2のb5, Cおよびd1 断片を包含するCla I断片
を欠失していた。外来構造遺伝子は,1450bTxプロモー
ター領域の後方にある,pRK290Eco13 ΔClaの唯一のCla
I部位に容易に挿入することができる(図3)。Cla I
断片の欠失により,1450bTxの3'側の最初のポリアデニ
ル化部位が取り除かれた;しかし,他の二つのポリアデ
ニル化部位の配列は,残っている唯一のCla I部位の下
流に保有されている。
【0114】2.3 Cla I部位の他の制限部位による代用 次に示すことは,pRK290Eco13 ΔClaの唯一のCla I部位
の Hind III部位による代用を記述している。pRK290Eco
13 ΔCla DNAを分離し, そしてCla Iにより完全分解
する。その結果生じるCla Iの粘着性末端を, E. Coli
DNAポリメラーゼIのクレノー断片を加えて保温する
ことにより埋め, そしてHind III 5'CCAAGCTTGG3' 3'G
GTTCGAACC5'という構造を持つ二本鎖リンカーを, すで
に平滑末端化されたCla I部位中に, 平滑末端間結合す
る。その結果生じた混合物を Hind IIIで完全分解し,
再結合し,そしてPR1 中へ形質転換する。テトラサイク
リン耐性形質転換体から分離されたプラスミドDNA
を, 欠失した1450bTx 構造遺伝子の場所におけるCla I
部位の欠如および Hind III部位の存在による制限分析
によって選択し, そのようなプラスミドをpRK290Eco13
ΔClaHindと名付ける。
の Hind III部位による代用を記述している。pRK290Eco
13 ΔCla DNAを分離し, そしてCla Iにより完全分解
する。その結果生じるCla Iの粘着性末端を, E. Coli
DNAポリメラーゼIのクレノー断片を加えて保温する
ことにより埋め, そしてHind III 5'CCAAGCTTGG3' 3'G
GTTCGAACC5'という構造を持つ二本鎖リンカーを, すで
に平滑末端化されたCla I部位中に, 平滑末端間結合す
る。その結果生じた混合物を Hind IIIで完全分解し,
再結合し,そしてPR1 中へ形質転換する。テトラサイク
リン耐性形質転換体から分離されたプラスミドDNA
を, 欠失した1450bTx 構造遺伝子の場所におけるCla I
部位の欠如および Hind III部位の存在による制限分析
によって選択し, そのようなプラスミドをpRK290Eco13
ΔClaHindと名付ける。
【0115】当業者には明らかになるだろうが, Cla I
部位をHind III以外の制限酵素の所望の特異的配列に変
えることにより, 上記のリンカーを他のリンカーで代用
することができる。例えば,Bam HI 5'CCGGATCCGG3'
3'GGCCTAGGCC5'という配列を持つBam HIリンカー(BRL
から入手)で Hind IIIリンカーを代用し,他は本質的
に上記通りの実験手順中に組み込まれた。ここではpRK2
90Eco13 ΔClaBamと名付けられた, 欠失した1450bTx構
造遺伝子の場所にBam HI部位を持つプラスミドを保持す
るRR1株が同定された。
部位をHind III以外の制限酵素の所望の特異的配列に変
えることにより, 上記のリンカーを他のリンカーで代用
することができる。例えば,Bam HI 5'CCGGATCCGG3'
3'GGCCTAGGCC5'という配列を持つBam HIリンカー(BRL
から入手)で Hind IIIリンカーを代用し,他は本質的
に上記通りの実験手順中に組み込まれた。ここではpRK2
90Eco13 ΔClaBamと名付けられた, 欠失した1450bTx構
造遺伝子の場所にBam HI部位を持つプラスミドを保持す
るRR1株が同定された。
【0116】<実施例3>この実施例は,図3に示され
ているように,抗生物質であるカナマイシンおよびその
アナログ物質,例えばネオマイシンおよびG418に対す
る, 植物と細菌の両方で耐性を賦与する選択可能マーカ
ーの構築を教示する。
ているように,抗生物質であるカナマイシンおよびその
アナログ物質,例えばネオマイシンおよびG418に対す
る, 植物と細菌の両方で耐性を賦与する選択可能マーカ
ーの構築を教示する。
【0117】3.1 kan 遺伝子の調製 ネオマイシン フォスフォトランスフェラーゼIIいう酵
素をコードする細菌のトランスポゾンT5由来のカナマ
イシン耐性(kan)遺伝子は, そのDNA配列はE.Beck
et al.(1982)Gene 19:327-336 により報告されたが,
プラスミドpKS4上に存在し, それはエセリシア・コリ
ー(pKS4)NRRL B-15394より分離される。pKS4DNAを
Bgl IIおよびSma Iにより完全分解し,その結果生じる
1キロベースペアの,NPTII含有の断片を, すでにSma I
とBam HIにより分解されたpUC13と混合および結合し
た。Bam HIおよびBgl IIの粘着性末端は同じ特異的配列
(5'GATC・・・3')を持ち, そして両方を容易に結合でき
るが, しかしその結果生じるBamHI/Bgl IIの縫合部位,
すなわち5'・・・GGATCT・・・3' 3'・・・CCTAGA・・・5'はどち
らの酵素の作用も受けない。結合混合物をエセリシア・
コリーK12 JM83に形質転換し(J. Messing(1979)Reco
mb.DNATech.Bull.2(2):43-48,NIH Publ. No.79-99),
そして白色を呈するコロニーを選別した。プラスミド
DNAを, 選別された形質転換体から分離し, そして制
限部位マッピングによる特徴づけを行った。pUC13KanBg
l/Smaと名付けられたプラスミドを含むコロニーが同定
された。
素をコードする細菌のトランスポゾンT5由来のカナマ
イシン耐性(kan)遺伝子は, そのDNA配列はE.Beck
et al.(1982)Gene 19:327-336 により報告されたが,
プラスミドpKS4上に存在し, それはエセリシア・コリ
ー(pKS4)NRRL B-15394より分離される。pKS4DNAを
Bgl IIおよびSma Iにより完全分解し,その結果生じる
1キロベースペアの,NPTII含有の断片を, すでにSma I
とBam HIにより分解されたpUC13と混合および結合し
た。Bam HIおよびBgl IIの粘着性末端は同じ特異的配列
(5'GATC・・・3')を持ち, そして両方を容易に結合でき
るが, しかしその結果生じるBamHI/Bgl IIの縫合部位,
すなわち5'・・・GGATCT・・・3' 3'・・・CCTAGA・・・5'はどち
らの酵素の作用も受けない。結合混合物をエセリシア・
コリーK12 JM83に形質転換し(J. Messing(1979)Reco
mb.DNATech.Bull.2(2):43-48,NIH Publ. No.79-99),
そして白色を呈するコロニーを選別した。プラスミド
DNAを, 選別された形質転換体から分離し, そして制
限部位マッピングによる特徴づけを行った。pUC13KanBg
l/Smaと名付けられたプラスミドを含むコロニーが同定
された。
【0118】pUC13KanBgl/Sma のkan 遺伝子含有断片
は, kan構造遺伝子に対して, Bam HI/Bgl II縫合部位
のすぐ上流のpUC13のポリリンカー(ポリリンカーとは,
いくつかの制限酵素の作用を受ける部位を含む, 短い
配列のことである)中にAcc I部位を持っている。kan
遺伝子は, Sma IおよびAcc Iによる1KbpDNA断片にお
ける分解により, pUC13KanBgl/Sma より取り除かれ
る。特にこのAcc I切断部位は, 5'CG・・・3'という粘着性
末端を持ち, これは酵素Cla Iにより生成した末端と容
易に結合しうる。
は, kan構造遺伝子に対して, Bam HI/Bgl II縫合部位
のすぐ上流のpUC13のポリリンカー(ポリリンカーとは,
いくつかの制限酵素の作用を受ける部位を含む, 短い
配列のことである)中にAcc I部位を持っている。kan
遺伝子は, Sma IおよびAcc Iによる1KbpDNA断片にお
ける分解により, pUC13KanBgl/Sma より取り除かれ
る。特にこのAcc I切断部位は, 5'CG・・・3'という粘着性
末端を持ち, これは酵素Cla Iにより生成した末端と容
易に結合しうる。
【0119】3.2 1450bTx PRプロモーターの後ろへのk
anの挿入 pUC13KanBgl/SmaおよびpRK290Eco13 ΔClaを, 各々Acc
IおよびCla Iを用いた完全分解により直線状にし, 互
いに混合, 結合し, そしてE.Coli RR1へ形質転換した。
アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性(各々pUC13
およびpRK290の配列を選別する)の形質転換体から分離
されたプラスミドDNAは制限酵素分析により特徴づけ
がなされた。pRK290Kan-1と名付けられた, プラスミド
を含むコロニーが同定され, そのプラスミドは, 1450bT
xプロモーターの後ろに, 以前そこにあった1450bTxのコ
ード配列と同じ方向性および位置に挿入されたkan遺伝
子を保持していた。pRK290Kan-1のkan遺伝子が転写され
る場合には, RNAポリメラーゼIIは, kan遺伝子の3'
側にある最初のT−DNAのポリアデニル化部位に到達
する前に, Tn5の全ておよびpUC13配列のすべてを転写し
なければならない。しかし, kan/pUC13縫合部位の3'側
に, ポリアデニル化部位として働く他の配列が存在す
る。
anの挿入 pUC13KanBgl/SmaおよびpRK290Eco13 ΔClaを, 各々Acc
IおよびCla Iを用いた完全分解により直線状にし, 互
いに混合, 結合し, そしてE.Coli RR1へ形質転換した。
アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性(各々pUC13
およびpRK290の配列を選別する)の形質転換体から分離
されたプラスミドDNAは制限酵素分析により特徴づけ
がなされた。pRK290Kan-1と名付けられた, プラスミド
を含むコロニーが同定され, そのプラスミドは, 1450bT
xプロモーターの後ろに, 以前そこにあった1450bTxのコ
ード配列と同じ方向性および位置に挿入されたkan遺伝
子を保持していた。pRK290Kan-1のkan遺伝子が転写され
る場合には, RNAポリメラーゼIIは, kan遺伝子の3'
側にある最初のT−DNAのポリアデニル化部位に到達
する前に, Tn5の全ておよびpUC13配列のすべてを転写し
なければならない。しかし, kan/pUC13縫合部位の3'側
に, ポリアデニル化部位として働く他の配列が存在す
る。
【0120】3.3 pRK290のpRK290Kan-1からの欠失 pRK290が基礎になっているプラスミドはかなり大きく
(20Kbp 以上), それゆえ組み換えDNA操作を行うと
き, 扱うのが難しいことが多い。pUC13のレプリコンに
より複製される二つのプラスミドの構築がこの後に記述
され, そして図3に概略的に図解されている。
(20Kbp 以上), それゆえ組み換えDNA操作を行うと
き, 扱うのが難しいことが多い。pUC13のレプリコンに
より複製される二つのプラスミドの構築がこの後に記述
され, そして図3に概略的に図解されている。
【0121】pRK290Kan-1 DNAをEco RVで完全分解
し,それ自身を連結し, JM83中に形質転換した。アンピ
シリン耐性およびテトラサイクリン感受性形質転換体か
らプラスミドが分離され, 制限分析によって特徴づけら
れ, そしてpVic1と名付けられたプラスミドを含むコロ
ニーが同定され, そのプラスミドは, pUC13, kan, およ
びEco RV T−DNA断片を保持し, 1450bTxプロモー
ター(図2にあるように断片d2の一部)および1450bT
x に関連したポリアデニル化部位(b4およびb3の一
部)を所持する1450bTx構造遺伝子を欠失していた。145
0bTx構造遺伝子の両側のT−DNAと相同性のあるpVic
1は, アグロバクテリウム・チューメファシエンス細胞
の直接形質転換およびカルベニシリン耐性による選別の
後の, 二重相同性組み換えによるオクトピン型Tiプラス
ミド中への組み込みに適している。ホモ部分二倍体化の
後, T−DNAは機能的な1450bTx遺伝子を保持せず,
そして形質転換された植物細胞に, オピンであるマンノ
ピンもしくはアグロピンを生成することはない。共存取
り込み後, この構造物は細菌にカルベニシリン耐性を賦
与し,植物細胞中ではアグロピンおよびマンノピンの合
成を行わせる。
し,それ自身を連結し, JM83中に形質転換した。アンピ
シリン耐性およびテトラサイクリン感受性形質転換体か
らプラスミドが分離され, 制限分析によって特徴づけら
れ, そしてpVic1と名付けられたプラスミドを含むコロ
ニーが同定され, そのプラスミドは, pUC13, kan, およ
びEco RV T−DNA断片を保持し, 1450bTxプロモー
ター(図2にあるように断片d2の一部)および1450bT
x に関連したポリアデニル化部位(b4およびb3の一
部)を所持する1450bTx構造遺伝子を欠失していた。145
0bTx構造遺伝子の両側のT−DNAと相同性のあるpVic
1は, アグロバクテリウム・チューメファシエンス細胞
の直接形質転換およびカルベニシリン耐性による選別の
後の, 二重相同性組み換えによるオクトピン型Tiプラス
ミド中への組み込みに適している。ホモ部分二倍体化の
後, T−DNAは機能的な1450bTx遺伝子を保持せず,
そして形質転換された植物細胞に, オピンであるマンノ
ピンもしくはアグロピンを生成することはない。共存取
り込み後, この構造物は細菌にカルベニシリン耐性を賦
与し,植物細胞中ではアグロピンおよびマンノピンの合
成を行わせる。
【0122】pRK290Kan-1 DNAをSst I, Eco RIおよ
び Hind IIIで分解した。pUC13 DNAをSst IおよびEc
o RIで分解した。分解されたpRK290Kan-1およびpUC13
DNAを混合, および互いに結合させた後, 結合混合物
をJM83中へ形質転換した。プラスミドDNAを白色の,
アンピシリン耐性コロニーから分離し,制限酵素分析に
より特徴づけを行い, そしてpUC13Kan-1と名付られたプ
ラスミドを含むコロニーが同定され, そのプラスミドは
pUC13,kan,および1450bTxを所持するT−DNA断片d2
(図2にあるように)の配列を保持していた。1450bTx
構造遺伝子の片側についてT−DNAと相同性のあるpU
C13Kan-1は,アグロバクテリウム・チューメファシエン
ス細胞の直接形質転換およびカルベニシリン耐性による
選別の後に, 単一相同性組み換えによる, オクトピン型
Tiプラスミド中への組み込みに適している。共存取り込
みの後, T−DNAは断片d2の複製物を含み, カルベ
ニシリンの選別下で維持される必要があり, 機能的1450
bTx遺伝子を保有し, 形質転換された植物細胞に対し,
オピンであるマンノピンおよび/もしくはアグロピンを
生成させる。
び Hind IIIで分解した。pUC13 DNAをSst IおよびEc
o RIで分解した。分解されたpRK290Kan-1およびpUC13
DNAを混合, および互いに結合させた後, 結合混合物
をJM83中へ形質転換した。プラスミドDNAを白色の,
アンピシリン耐性コロニーから分離し,制限酵素分析に
より特徴づけを行い, そしてpUC13Kan-1と名付られたプ
ラスミドを含むコロニーが同定され, そのプラスミドは
pUC13,kan,および1450bTxを所持するT−DNA断片d2
(図2にあるように)の配列を保持していた。1450bTx
構造遺伝子の片側についてT−DNAと相同性のあるpU
C13Kan-1は,アグロバクテリウム・チューメファシエン
ス細胞の直接形質転換およびカルベニシリン耐性による
選別の後に, 単一相同性組み換えによる, オクトピン型
Tiプラスミド中への組み込みに適している。共存取り込
みの後, T−DNAは断片d2の複製物を含み, カルベ
ニシリンの選別下で維持される必要があり, 機能的1450
bTx遺伝子を保有し, 形質転換された植物細胞に対し,
オピンであるマンノピンおよび/もしくはアグロピンを
生成させる。
【0123】3.4 起動性ベクターの構築 pUC 系列のプラスミド(例えばpUC13を基礎とするプラ
スミド)はpRK2013によるエセリシア・コリーからアグ
ロバクテリウム・チューメファシエンスへの接合伝達に
対し起動性とは成り得ず, よって宿主アグロバクテリウ
ム細胞中へ直接形質転換されなければならない。しか
し,pBR322を基礎とするプラスミドはpRK2013により起
動性と成り得るが, アグロバクテリウム中では複製され
ないので, このようなプラスミドは, 1450bTxPR/kan選
択可能マーカーの, オクトピン型Tiプラスミドへの伝達
において有用な自殺ベクターである。 各々 Hind III
およびEcoRIにより分解されたpVic1およびpBR322DNA
を, 混合し, 互いに結合し, PR1中へ形質転換し, アン
ピシリン耐性形質転換体より分離されたプラスミドDN
Aは, 制限マッピングにより特徴づけが行われ, pVic2
と名付けられたプラスミドを保持するコロニーが同定さ
れ, そのプラスミドはpVic1のpUC13配列の代用としてpB
R322のコピーを保持していた。pVic2は, 共存取り込み
またはTRへのホモ部分二倍体化が可能な起動性自殺ベ
クターである。
スミド)はpRK2013によるエセリシア・コリーからアグ
ロバクテリウム・チューメファシエンスへの接合伝達に
対し起動性とは成り得ず, よって宿主アグロバクテリウ
ム細胞中へ直接形質転換されなければならない。しか
し,pBR322を基礎とするプラスミドはpRK2013により起
動性と成り得るが, アグロバクテリウム中では複製され
ないので, このようなプラスミドは, 1450bTxPR/kan選
択可能マーカーの, オクトピン型Tiプラスミドへの伝達
において有用な自殺ベクターである。 各々 Hind III
およびEcoRIにより分解されたpVic1およびpBR322DNA
を, 混合し, 互いに結合し, PR1中へ形質転換し, アン
ピシリン耐性形質転換体より分離されたプラスミドDN
Aは, 制限マッピングにより特徴づけが行われ, pVic2
と名付けられたプラスミドを保持するコロニーが同定さ
れ, そのプラスミドはpVic1のpUC13配列の代用としてpB
R322のコピーを保持していた。pVic2は, 共存取り込み
またはTRへのホモ部分二倍体化が可能な起動性自殺ベ
クターである。
【0124】各々 Hind IIIおよびEco RIで分解されたp
UC13 Kan-1 DNAおよびpBR322DNAを, 混合し, 互
いに結合し, そしてRR1中へ形質転換した。アンピシリ
ン耐性形質転換体より分離されたプラスミドDNAは制
限マッピングにより特徴づけが行われ, pBR322Kan-1と
名付けられたプラスミドを保持するコロニーが同定さ
れ,そのプラスミドはpUC13kan-1のpUC13 配列の代用と
してpBR322のコピーを保持している。pBR322Kan-1はTR
中への共存取り込み可能な起動性自殺ベクターである。
UC13 Kan-1 DNAおよびpBR322DNAを, 混合し, 互
いに結合し, そしてRR1中へ形質転換した。アンピシリ
ン耐性形質転換体より分離されたプラスミドDNAは制
限マッピングにより特徴づけが行われ, pBR322Kan-1と
名付けられたプラスミドを保持するコロニーが同定さ
れ,そのプラスミドはpUC13kan-1のpUC13 配列の代用と
してpBR322のコピーを保持している。pBR322Kan-1はTR
中への共存取り込み可能な起動性自殺ベクターである。
【0125】<実施例4>この実施例は,1450bTxプロ
モーター領域の後に置くとカナマイシン耐性の細菌の構
造遺伝子は真核細胞,特に植物細胞, と原核細胞,特に
アグロバクテリウムとエセリシア・コリー細胞の両方で
発現されたという予期しなかった結果を明らかにしてお
り,それゆえに二元目的プロモーター領域と外来構造遺
伝子の結合体の一部として1450bTx PRが使えるかも知れ
ないという,以前に明らかにしていなかった事実を説明
している。
モーター領域の後に置くとカナマイシン耐性の細菌の構
造遺伝子は真核細胞,特に植物細胞, と原核細胞,特に
アグロバクテリウムとエセリシア・コリー細胞の両方で
発現されたという予期しなかった結果を明らかにしてお
り,それゆえに二元目的プロモーター領域と外来構造遺
伝子の結合体の一部として1450bTx PRが使えるかも知れ
ないという,以前に明らかにしていなかった事実を説明
している。
【0126】4.1 原核生物内でのカナマイシン耐性 当該分野で以前に知られているアグロバクテリウム・チ
ューメファシエンスA348は, オクトピン型プラスミドpT
iA6をノパリン型株C58の熱により脱落した無毒性の誘導
体A114(NTI)のリファンピシン耐性誘導体A136に導入
することにより産み出した。pRK290Kan-1を形質転換す
ることによりA348に導入したが, その際にはpTiA6には
ホモ部分二倍体化しなかった。結果として生じた株であ
るA348-pRK290-Kan-1はカナマイシン100 μg/mlを含む
培地に置くと成育することが観察された。液体培地(YE
P 培地, 30℃)でこの株の増殖曲線は一般に試したすべ
てのカナマイシン濃度で同等の増殖を示したが, 最高濃
度の200 μg/mlでは曲線は低薬剤濃度で観察されるよ
り早く頭打ちした(図4)。
ューメファシエンスA348は, オクトピン型プラスミドpT
iA6をノパリン型株C58の熱により脱落した無毒性の誘導
体A114(NTI)のリファンピシン耐性誘導体A136に導入
することにより産み出した。pRK290Kan-1を形質転換す
ることによりA348に導入したが, その際にはpTiA6には
ホモ部分二倍体化しなかった。結果として生じた株であ
るA348-pRK290-Kan-1はカナマイシン100 μg/mlを含む
培地に置くと成育することが観察された。液体培地(YE
P 培地, 30℃)でこの株の増殖曲線は一般に試したすべ
てのカナマイシン濃度で同等の増殖を示したが, 最高濃
度の200 μg/mlでは曲線は低薬剤濃度で観察されるよ
り早く頭打ちした(図4)。
【0127】4.2 真核生物でのカナマイシン耐性 A348-pRK290-Kan-1は,pTiA6にホモ部分二倍体化し,植
物細胞を形質転換するのに用いた。逆位のヒマワリの胚
軸部の切片の上面の端(K. A. Barton et al.(1983)C
ell 32:1033-1043 を参照)に接種し, 2−4週間後生
じたカルスをホルモンを欠く固体MS3 培地に置いた(実
施例1.3a)。アグロバクテリウム細胞は, 1mg/mlのカ
ルベニシリンおよび200 μg/mlバンコマイシンで死滅
し, カルスは直径約2.5 cmになるまで成長した。カルス
の小断片をホルモンを欠く固体MS3 培地に移しカルベニ
シリン, バンコマイシン, そして25μg/mlのG418カナ
マイシンのアナログを付加した。断片の多くは緑色のま
まで成長し続けるが, おそらくカルスが混入した未形質
転換細胞に由来している他の断片は死滅した。kan構造
遺伝子とどちらかの方向で代用したゼイン配列からなる
すべての対照物はG418で死滅した。このことから1450bT
x PR/kan 構造遺伝子結合物で形質転換した植物細胞は
カナマイシン作用に耐性であり得ることを示した。
物細胞を形質転換するのに用いた。逆位のヒマワリの胚
軸部の切片の上面の端(K. A. Barton et al.(1983)C
ell 32:1033-1043 を参照)に接種し, 2−4週間後生
じたカルスをホルモンを欠く固体MS3 培地に置いた(実
施例1.3a)。アグロバクテリウム細胞は, 1mg/mlのカ
ルベニシリンおよび200 μg/mlバンコマイシンで死滅
し, カルスは直径約2.5 cmになるまで成長した。カルス
の小断片をホルモンを欠く固体MS3 培地に移しカルベニ
シリン, バンコマイシン, そして25μg/mlのG418カナ
マイシンのアナログを付加した。断片の多くは緑色のま
まで成長し続けるが, おそらくカルスが混入した未形質
転換細胞に由来している他の断片は死滅した。kan構造
遺伝子とどちらかの方向で代用したゼイン配列からなる
すべての対照物はG418で死滅した。このことから1450bT
x PR/kan 構造遺伝子結合物で形質転換した植物細胞は
カナマイシン作用に耐性であり得ることを示した。
【0128】<実施例5>この実施例は,1450bTxプロ
モーター領域の後に置いた真核生物の構造遺伝子は真核
および原核細胞の両方で発現するという予期しない結果
を教示する。
モーター領域の後に置いた真核生物の構造遺伝子は真核
および原核細胞の両方で発現するという予期しない結果
を教示する。
【0129】レクチンは栄養的にも重要な種子蛋白質で
あり,豆科植物とリゾビウム共生を確立する間で重要で
あると考えられている。エセリシア・コリーHB101(pPL
V134), ATCC39181より得られるpPVL134は, フォゼオラ
ス ブルガリスL.の種子のレクチンのcDNA構造遺
伝子を含む(L. M. Hoffman et al.(1982)Nucl. Acid
s Res. 10 :7819-7828)。cDNAをコードしている
配列はイントロンにより分断されない遺伝子と同じく,
遺伝子自身のそれと同じである。
あり,豆科植物とリゾビウム共生を確立する間で重要で
あると考えられている。エセリシア・コリーHB101(pPL
V134), ATCC39181より得られるpPVL134は, フォゼオラ
ス ブルガリスL.の種子のレクチンのcDNA構造遺
伝子を含む(L. M. Hoffman et al.(1982)Nucl. Acid
s Res. 10 :7819-7828)。cDNAをコードしている
配列はイントロンにより分断されない遺伝子と同じく,
遺伝子自身のそれと同じである。
【0130】5.1 発現ベクターの構築 エセリシア・コリーHB101はDNAをメチル化するので,
DNAは酵素Bcl Iでは切断されないが, エセリシア・
コリーGM33と当業者に知られている他の株はメチル化に
よりBcl I部位は保護されない。HB101(pPVL134)より
単離したpPVL134DNAはGM33を形質転換し, テトラサ
イクリン耐性形質転換体が同定される。GM33(pPVL13
4)より単離したpPVL134 DNAはBcl Iで完全分解によ
り線状化し,BAP 処理を行い, Bam HI分解したpRK290Eco
13 ΔClaBamと混合し連結し, RR1へ形質転換する。テト
ラサイクリン耐性形質転換体より単離したプラスミドD
NAが特徴づけられ, レクチンをコードしている配列の
すぐ上流に1450bTx PRがあるような方向にpPVL134 挿入
体を持ち, pRK290Lec-1と表されるプラスミドを持つコ
ロニーを選別する。レクチン遺伝子の方向性は, 挿入体
の5'末端と3'末端からそれぞれ0.09kbp と0.78kbp のCl
a I部位の存在により決められる。両末端は, pRK290Eco
13 ΔClaBamに連結後, Bam HIとBcl Iで分解できない縫
合部を形づくる。pRK290Lec-1 DNAは形質転換あるい
は接合のどちらかによりA348(pTiA6)に転換され,次
いで独立のpRK290レプリコンやテトラサイクリン耐性細
胞の選別を除外するためにpPH1J1を導入される。レクチ
ン遺伝子の発現のためにはホモ部分二倍体を単離する必
要はないが, もし必要なら, 制限酵素分析によりテトラ
サイクリン耐性共同組込体の子孫を選抜することにより
同定できる。pRK290Lec-1とpTiA6との共同組込体あるい
はホモ部分二倍体のどちらかにより生じるTIPプラスミ
ドをここではpTiA6Lec-1と表す。
DNAは酵素Bcl Iでは切断されないが, エセリシア・
コリーGM33と当業者に知られている他の株はメチル化に
よりBcl I部位は保護されない。HB101(pPVL134)より
単離したpPVL134DNAはGM33を形質転換し, テトラサ
イクリン耐性形質転換体が同定される。GM33(pPVL13
4)より単離したpPVL134 DNAはBcl Iで完全分解によ
り線状化し,BAP 処理を行い, Bam HI分解したpRK290Eco
13 ΔClaBamと混合し連結し, RR1へ形質転換する。テト
ラサイクリン耐性形質転換体より単離したプラスミドD
NAが特徴づけられ, レクチンをコードしている配列の
すぐ上流に1450bTx PRがあるような方向にpPVL134 挿入
体を持ち, pRK290Lec-1と表されるプラスミドを持つコ
ロニーを選別する。レクチン遺伝子の方向性は, 挿入体
の5'末端と3'末端からそれぞれ0.09kbp と0.78kbp のCl
a I部位の存在により決められる。両末端は, pRK290Eco
13 ΔClaBamに連結後, Bam HIとBcl Iで分解できない縫
合部を形づくる。pRK290Lec-1 DNAは形質転換あるい
は接合のどちらかによりA348(pTiA6)に転換され,次
いで独立のpRK290レプリコンやテトラサイクリン耐性細
胞の選別を除外するためにpPH1J1を導入される。レクチ
ン遺伝子の発現のためにはホモ部分二倍体を単離する必
要はないが, もし必要なら, 制限酵素分析によりテトラ
サイクリン耐性共同組込体の子孫を選抜することにより
同定できる。pRK290Lec-1とpTiA6との共同組込体あるい
はホモ部分二倍体のどちらかにより生じるTIPプラスミ
ドをここではpTiA6Lec-1と表す。
【0131】5.2 原核生物での発現 RR1(pRK290Lec-1)とA348(pTiA6Lec-1)を, 電気泳動
とハイブリダイゼーション法により選別し, 適当な植物
RNA配列を含むことが観察される。
とハイブリダイゼーション法により選別し, 適当な植物
RNA配列を含むことが観察される。
【0132】5.3 真核生物での発現 A348(pTiA6Lec-1)を逆にしたヒマワリの軸に接種し,
生じたクラウンゴール腫瘍は, レクチンmRNAと蛋白
質の配列を含んでいることを,当業者でふつうに知られ
ているハイブリダイゼーション,電気泳動,免疫的各手
法により観察した。
生じたクラウンゴール腫瘍は, レクチンmRNAと蛋白
質の配列を含んでいることを,当業者でふつうに知られ
ているハイブリダイゼーション,電気泳動,免疫的各手
法により観察した。
【0133】<実施例6>この実施例はすべてのTRを
含むサブ−Tiプラスミドの構築を教示する。TRは形質
転換細胞のホルモン非依存性の増殖の表現型を示す遺伝
子は一つも持たない。また,ocsがここで論じたプラス
ミドのいくつかにある選択可能なマーカーとして機能し
得ると, 選択可能なマーカー(例えば,kan)の発現を
促進するために1450bTxPR を用いる必要が排除されると
いうことを注記しておく。
含むサブ−Tiプラスミドの構築を教示する。TRは形質
転換細胞のホルモン非依存性の増殖の表現型を示す遺伝
子は一つも持たない。また,ocsがここで論じたプラス
ミドのいくつかにある選択可能なマーカーとして機能し
得ると, 選択可能なマーカー(例えば,kan)の発現を
促進するために1450bTxPR を用いる必要が排除されると
いうことを注記しておく。
【0134】6.1 T Rサブ- Tiプラスミドの構築 pRK290Kan-1を形質転換によりA348(pTiA6)に転移させ
た。1450bTx構造遺伝子を欠失し, オピン合成欠損表現
型となるホモ部分二倍体化後, カナマイシン耐性アグロ
バクテリウム細胞より単離したTiプラスミドを制限酵素
分析で特徴づける。共同組込よりもホモ部分二倍体化の
結果であるDNA試料をBam HIで分解し,自身で連結さ
せた。生じた混合物をJM83へ形質転換する。カナマイシ
ンおよび/もしくはアンピシリン耐性形質転換体のプラ
スミドDNAを制限酵素分析により特徴づけ,非伝達性
で, エセリシア・コリーに保持され, pUC13Bam2Kan-1と
表されるプラスミドを保持するコロニーを同定する(図
5)。
た。1450bTx構造遺伝子を欠失し, オピン合成欠損表現
型となるホモ部分二倍体化後, カナマイシン耐性アグロ
バクテリウム細胞より単離したTiプラスミドを制限酵素
分析で特徴づける。共同組込よりもホモ部分二倍体化の
結果であるDNA試料をBam HIで分解し,自身で連結さ
せた。生じた混合物をJM83へ形質転換する。カナマイシ
ンおよび/もしくはアンピシリン耐性形質転換体のプラ
スミドDNAを制限酵素分析により特徴づけ,非伝達性
で, エセリシア・コリーに保持され, pUC13Bam2Kan-1と
表されるプラスミドを保持するコロニーを同定する(図
5)。
【0135】pUC13Bam2Kan-1とpRK290DNAをそれぞれ
Bam HI Bgl IIとで分解し, それぞれを混ぜ, 連結す
る。連結した混合液をBam HIとBgl IIで分解して非混成
物分子を線条化し, RR1 を形質転換した。(もしプラス
ミドをBam HIで部分分解し線状化すると, pBR322Bam2Ka
n-1 はpUC13Bam2Kan-1と置き換え得る。)アンピシリン
および/もしくはカナマイシン, およびテトラサイクリ
ンに耐性形質転換体より分離したプラスミドDNAは制
限分析により特徴づけられる。二つのハイブリッドBgl
II/Bam HI部位でどちらかの方向で縫合された二つの親
プラスミドのそれぞれの単一コピーを持ち,pRK290Bam2K
an-1(図5)プラスミドを持つコロニーを同定する。pR
K290Bam2Kan-1をアグロバクテリウム(vir)株, エセリ
シア・コリーRR1(pRK290Bam2Kan-1)そしてエセリシア
・コリー(pRK2013)の三親交雑によりvir 遺伝子を含
むアグロバクテリウム株に転移させる。正常な三親交雑
過程の変形で, pPH1J1は, アグロバクテリウム(vir)
株内で独立に複製するように設計されているpRK290レプ
リコン, pRK290Bam2Kan-1とは不和合性であるので,導入
されない。
Bam HI Bgl IIとで分解し, それぞれを混ぜ, 連結す
る。連結した混合液をBam HIとBgl IIで分解して非混成
物分子を線条化し, RR1 を形質転換した。(もしプラス
ミドをBam HIで部分分解し線状化すると, pBR322Bam2Ka
n-1 はpUC13Bam2Kan-1と置き換え得る。)アンピシリン
および/もしくはカナマイシン, およびテトラサイクリ
ンに耐性形質転換体より分離したプラスミドDNAは制
限分析により特徴づけられる。二つのハイブリッドBgl
II/Bam HI部位でどちらかの方向で縫合された二つの親
プラスミドのそれぞれの単一コピーを持ち,pRK290Bam2K
an-1(図5)プラスミドを持つコロニーを同定する。pR
K290Bam2Kan-1をアグロバクテリウム(vir)株, エセリ
シア・コリーRR1(pRK290Bam2Kan-1)そしてエセリシア
・コリー(pRK2013)の三親交雑によりvir 遺伝子を含
むアグロバクテリウム株に転移させる。正常な三親交雑
過程の変形で, pPH1J1は, アグロバクテリウム(vir)
株内で独立に複製するように設計されているpRK290レプ
リコン, pRK290Bam2Kan-1とは不和合性であるので,導入
されない。
【0136】6.2 T Rサブ-Tiプラスミドの変型 実施例6.1に述べられたベクターはBam HI断片2に基づ
き, したがってTLの両境界(TR LB(C)およびTR RB
(D))に加えてTL右境界(TL RB(B))を含む。オクト
ピン型プラスミドpTi15955のTR を開裂せず, サブ-Ti
プラスミドの構築に有効性を示す他の酵素は, Apa IとS
ma I(ocs とtml の一部), Mlu IとHpa I(ocs の一
部)およびKpn I(ocs , tml , ORF9)を含む。(括弧
で示されたTL構造遺伝子あるいはオープンリーディン
グフレーム(ORFs)は, 前述の酵素によって生成する断
片上に含まれる。)正常にTR DNAを切る他の酵素,
例えば,Hind III(ocs, tml, ORF9, tmr, ORF5 /tms
の一部)およびBgl I(ocs )は, 図2の断片b5 ,
C,およびd1 をおおっているCla I 断片由来のTR誘
導体を切らない。当業者は,kan配列がBgl I部位を含む
ことと,pBR322とpUC1系のプラスミドにHind III部位が
あることを知るであろう。部分的Bgl IもしくはHind II
Iの制限酵素分解条件の賢明な使用法は, 当業者によく
知られているように, ここで述べられた選択マーカー構
築に基づくサブ- Tiプラスミドの構築の際に必要とされ
るであろう。
き, したがってTLの両境界(TR LB(C)およびTR RB
(D))に加えてTL右境界(TL RB(B))を含む。オクト
ピン型プラスミドpTi15955のTR を開裂せず, サブ-Ti
プラスミドの構築に有効性を示す他の酵素は, Apa IとS
ma I(ocs とtml の一部), Mlu IとHpa I(ocs の一
部)およびKpn I(ocs , tml , ORF9)を含む。(括弧
で示されたTL構造遺伝子あるいはオープンリーディン
グフレーム(ORFs)は, 前述の酵素によって生成する断
片上に含まれる。)正常にTR DNAを切る他の酵素,
例えば,Hind III(ocs, tml, ORF9, tmr, ORF5 /tms
の一部)およびBgl I(ocs )は, 図2の断片b5 ,
C,およびd1 をおおっているCla I 断片由来のTR誘
導体を切らない。当業者は,kan配列がBgl I部位を含む
ことと,pBR322とpUC1系のプラスミドにHind III部位が
あることを知るであろう。部分的Bgl IもしくはHind II
Iの制限酵素分解条件の賢明な使用法は, 当業者によく
知られているように, ここで述べられた選択マーカー構
築に基づくサブ- Tiプラスミドの構築の際に必要とされ
るであろう。
【0137】Ata IIとCla I のような他の酵素は, TL
RB(B) を含まないpTi15955に基づくTRサブ- Tiプラス
ミドの構築に対して利用されるかも知れない。特に, 適
切にメチル化されている宿主, 例えばエセリシア・コリ
ーK802(W. B. Wood(1966)J. Mol. Biol. 16:118)
中での増殖の際, pRK290Kan-1, pVic1 およびpVic2のホ
モ部分二倍体化されたT−DNA誘導体は, TR 内にメ
チル化されておらず,開裂できるCla I部位を持たず, し
かしTR LB(C)とTL RB(B)間に開裂できるClaI部位を持
つ, (図5を参照)。K802中で増殖したpUC13Bam2Kan-1
あるいはpBR322Bam2Kan-1 DNAはBam HIおよびCla I
で制限酵素分解される。このDNAは適当なリンカーの
使用あるいはエセリシア・コリーDNAポリメラーゼI
のクレノー断片での粘着末端の平滑末端化によって連結
され, その結果としてTL RB(B)の欠失となる。ヌクレ
アーゼBa131によるBam HIで線状化されたpUC13Bam2Kan-
1の制御条件下での分解で, TL RB(B)の除去も可能にな
る。
RB(B) を含まないpTi15955に基づくTRサブ- Tiプラス
ミドの構築に対して利用されるかも知れない。特に, 適
切にメチル化されている宿主, 例えばエセリシア・コリ
ーK802(W. B. Wood(1966)J. Mol. Biol. 16:118)
中での増殖の際, pRK290Kan-1, pVic1 およびpVic2のホ
モ部分二倍体化されたT−DNA誘導体は, TR 内にメ
チル化されておらず,開裂できるCla I部位を持たず, し
かしTR LB(C)とTL RB(B)間に開裂できるClaI部位を持
つ, (図5を参照)。K802中で増殖したpUC13Bam2Kan-1
あるいはpBR322Bam2Kan-1 DNAはBam HIおよびCla I
で制限酵素分解される。このDNAは適当なリンカーの
使用あるいはエセリシア・コリーDNAポリメラーゼI
のクレノー断片での粘着末端の平滑末端化によって連結
され, その結果としてTL RB(B)の欠失となる。ヌクレ
アーゼBa131によるBam HIで線状化されたpUC13Bam2Kan-
1の制御条件下での分解で, TL RB(B)の除去も可能にな
る。
【0138】6.3 ミニTiプラスミド ミニTiプラスミドは酵素Eco KとMst IIとを用いて同様
に構築される。このEcoKはpTi15955T−DNAを開裂し
ない。Mst IIはb5 ,cおよびd1断片をおおうCla I断
片の欠失によって除去される単一pTi15955T−DNA開
裂部位を持つ。Mst I粘着末端はDNAポリメラーゼI
のクレノー断片での連結の前に平滑化されなければなら
ず,Eco K末端はクレノー断片とT4DNAポリメラーゼ
の両方の反応によって平滑化されなければならない。
に構築される。このEcoKはpTi15955T−DNAを開裂し
ない。Mst IIはb5 ,cおよびd1断片をおおうCla I断
片の欠失によって除去される単一pTi15955T−DNA開
裂部位を持つ。Mst I粘着末端はDNAポリメラーゼI
のクレノー断片での連結の前に平滑化されなければなら
ず,Eco K末端はクレノー断片とT4DNAポリメラーゼ
の両方の反応によって平滑化されなければならない。
【0139】ここで論議されたサブ- Tiプラスミドの大
きさを小さくするため, より小さいベクターがpRK290の
代わりに代用され得る。従来技術の項でアグロバクテリ
ウムで維持され得るシャトルベクターに言及したもの以
外のプラスミドは,R. C. Tait et al.(1982)Gene 2
0:39-49, J. Leemans et al.(1982)Gene 19:361-36
4 およびJ. Hille and R. Schilperoort(1981)Plasmi
d 6:360-362 によって述べられたものを含む。しか
し,これに限定されない。
きさを小さくするため, より小さいベクターがpRK290の
代わりに代用され得る。従来技術の項でアグロバクテリ
ウムで維持され得るシャトルベクターに言及したもの以
外のプラスミドは,R. C. Tait et al.(1982)Gene 2
0:39-49, J. Leemans et al.(1982)Gene 19:361-36
4 およびJ. Hille and R. Schilperoort(1981)Plasmi
d 6:360-362 によって述べられたものを含む。しか
し,これに限定されない。
【0140】<実施例7>三親交雑は,下記の手順で行
った;当業者に既知の他の変法も可能である。E.Coli R
R1(pRK290に基づくシャトルベクターを有する)または
E. Coli K802(pRK290に基づくシャトルベクターを有す
る)と,E. Coli RR1(pRK2013を有する)とA348(Tiプ
ラスミドを有するリファンピシン耐性のアグロバクテリ
ウム・チューメファシエンスの菌株)とを交雑させる。
pRK2013は, 菌株を有するシャトルベクターへ転移し,
シャトルベクターをアグロバクテリウムへ転移させる。
E. Coliの増殖できない最小培地(つまり, ABグルコー
ス)での菌の生育によって,シャトルベクター配列を有
するアグロバクテリウム細胞が選択される。この培地
は, リファンピシンとシャトルベクターが耐性である薬
剤との両者, しばしばカナマイシンまたはカルベニシリ
ン(アンピシリンアナログ)のいずれかを含む。これら
の細胞のE. Coli(pPH1J1)2104菌株との交雑は, pPH1J
1のアグロバクテリウム細胞への転移を引き起こす。pPH
1J1とpRK290に基づくシャトルベクターは, 同一細胞中
に長時間共存できない。ゲンタマイシンとカナマイシン
を含む培地での生育により, Tiプラスミドを有する細胞
が選別される。このTiプラスミドは,一重または二重相
同組み換え(それぞれ共同取り込みまたは, ホモ部分二
倍体化)をシャトルベクターとの間に起こし, そして所
望の構造を有している。選別に用いる抗生物質の濃度
は, 実施例1.3aに記したとおりである。E. Coli の菌株
は, 平常0.2%カザアミノ酸を補足するL-培地で, 37℃
生育させ, また, アグロバクテリウム・チューメファシ
エンスは,YEP 培地で30℃で生育させている。pRK290と
pRK2013は, G. Ditta et al.(1980)Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 77 :7347-7357に, またpPH1J1はP. R. Hi
rs(1978)Thesis, Univ. E. Anglia に開示されてい
る。
った;当業者に既知の他の変法も可能である。E.Coli R
R1(pRK290に基づくシャトルベクターを有する)または
E. Coli K802(pRK290に基づくシャトルベクターを有す
る)と,E. Coli RR1(pRK2013を有する)とA348(Tiプ
ラスミドを有するリファンピシン耐性のアグロバクテリ
ウム・チューメファシエンスの菌株)とを交雑させる。
pRK2013は, 菌株を有するシャトルベクターへ転移し,
シャトルベクターをアグロバクテリウムへ転移させる。
E. Coliの増殖できない最小培地(つまり, ABグルコー
ス)での菌の生育によって,シャトルベクター配列を有
するアグロバクテリウム細胞が選択される。この培地
は, リファンピシンとシャトルベクターが耐性である薬
剤との両者, しばしばカナマイシンまたはカルベニシリ
ン(アンピシリンアナログ)のいずれかを含む。これら
の細胞のE. Coli(pPH1J1)2104菌株との交雑は, pPH1J
1のアグロバクテリウム細胞への転移を引き起こす。pPH
1J1とpRK290に基づくシャトルベクターは, 同一細胞中
に長時間共存できない。ゲンタマイシンとカナマイシン
を含む培地での生育により, Tiプラスミドを有する細胞
が選別される。このTiプラスミドは,一重または二重相
同組み換え(それぞれ共同取り込みまたは, ホモ部分二
倍体化)をシャトルベクターとの間に起こし, そして所
望の構造を有している。選別に用いる抗生物質の濃度
は, 実施例1.3aに記したとおりである。E. Coli の菌株
は, 平常0.2%カザアミノ酸を補足するL-培地で, 37℃
生育させ, また, アグロバクテリウム・チューメファシ
エンスは,YEP 培地で30℃で生育させている。pRK290と
pRK2013は, G. Ditta et al.(1980)Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 77 :7347-7357に, またpPH1J1はP. R. Hi
rs(1978)Thesis, Univ. E. Anglia に開示されてい
る。
【0141】オクトピン型クラウンゴール腫瘍中で1450
ベースのTR転写物の発現をもたらすプロモーター領域
はまた,細菌内で外来構造遺伝子の発現をも促進するこ
とができることを開示した。植物,細菌双方で外来構造
遺伝子の1コピーの発現をもたらすためのこの二元目的
プロモーター領域の利用が教示される。真核および原核
生物で機能する選択マーカーの構築が植物を形質転換す
る試みに有効なベクターとして例証される。
ベースのTR転写物の発現をもたらすプロモーター領域
はまた,細菌内で外来構造遺伝子の発現をも促進するこ
とができることを開示した。植物,細菌双方で外来構造
遺伝子の1コピーの発現をもたらすためのこの二元目的
プロモーター領域の利用が教示される。真核および原核
生物で機能する選択マーカーの構築が植物を形質転換す
る試みに有効なベクターとして例証される。
【図1】オクトピン型TiプラスミドのT−DNA領域の
制限酵素地図である。
制限酵素地図である。
【図2】TR DNAの制限酵素地図である。
【図3】実施例2.2から3.4までに用いたDNA実験操作
の概略図である。
の概略図である。
【図4】1450bTxプロモーター領域とNPTII構造遺伝
子の結合体を有している細菌細胞の増殖特性を示すグラ
フである。
子の結合体を有している細菌細胞の増殖特性を示すグラ
フである。
【図5】実施例6.1に記されているDNA実験操作の概
略図である。
略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/10 15/65 //(C12N 1/21 C12R 1:01) (71)出願人 594068826 パーデュー リサーチ ファウンデーショ ン,インコーポレイテッド PURDUE RESEARCH FOU NDATION,INC. アメリカ合衆国 インディアナ 47907, ウェストラファイエット,フレデリック エル.ホブド ホール オブ アドミニス トレーション(番地なし) (72)発明者 スタントン ビー.ゲルビン アメリカ合衆国 インディアナ 47906, ウェストラファイエット,ムアーズ ベイ ロード 5251
Claims (14)
- 【請求項1】 1つまたはそれ以上の二元目的プロモー
ター領域/外来構造遺伝子結合体を含む植物形質転換ベ
クターであって,該ベクターによって形質転換された植
物および細菌細胞に同定し得る表現型を与えることがで
き,(a)前記ベクターによって形質転換された植物およ
び細菌細胞に同定し得る表現型を与えるために,前記ベ
クターが単数あるいは複数の結合体を唯一の手段として
いること,および(b)該単数あるいは複数の二元目的プ
ロモーター領域が,アグロバクテリウム・チューメファ
シエンス ATCC 15955に由来するT−DNA断片d1,c
およびb5を含む1450塩基の転写産物あるいはこれとハ
イブリダイズし得る任意のオクトピン型Tiプラスミドに
由来すること,を特徴とする,植物形質転換ベクター。 - 【請求項2】 前記プロモーター領域がアグロバクテリ
ウム・チューメファシエンス A6NCに由来する、請求項
1に記載のベクター。 - 【請求項3】 前記TiプラスミドがpTiA6またはpTi1595
5に由来する,請求項1に記載のベクター。 - 【請求項4】 前記構造遺伝子が該構造遺伝子を含むよ
うに形質転換された植物細胞で同定し得る表現型を与え
る,請求項1〜請求項3に記載のベクター。 - 【請求項5】 前記同定し得る表現型がカナマイシン,
ネオマイシン,G418,またはそのアナログの耐性であ
る,請求項4に記載のベクター。 - 【請求項6】 前記構造遺伝子がTn5由来のネオマイシ
ンフォスフォトランスフェラーゼIIをコードする,請求
項5に記載のベクター。 - 【請求項7】 前記ベクターが pRK290Kan-1(NRRL-157
36)であるか,またはpRK290Kan-1から構築される,請
求項6に記載のベクター。 - 【請求項8】 リゾビアッシー科の細菌内で独立に維持
され得ないレプリコンをさらに含む,請求項1〜請求項
6のいずれかに記載のベクター。 - 【請求項9】 リゾビアッシー科の細菌内で独立に維持
され得るレプリコンをさらに含む,請求項1〜請求項6
のいずれかに記載のベクター。 - 【請求項10】 TLあるいはTRの右あるいは左の境界
の繰り返し配列,または1つ以上の該繰り返し配列をさ
らに有する,請求項1〜請求項6のいずれかに記載のベ
クター。 - 【請求項11】 前記構造遺伝子が,T−DNA断片d
2の左端に連結されている,請求項1に記載のベクタ
ー。 - 【請求項12】 前記構造遺伝子が,T−DNA断片b
4の右端に連結されている,請求項11に記載のベクタ
ー。 - 【請求項13】 植物形質転換ベクターを含む複数の形
質転換植物細胞を含む,植物または植物組織であって,
該植物形質転換ベクターが,1つまたはそれ以上の二元
目的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体を含む,
植物形質転換ベクターであって,該ベクターによって形
質転換された植物および細菌細胞に同定し得る表現型を
与えることができ,(a)前記ベクターによって形質転換
された植物および細菌細胞に同定し得る表現型を与える
ために,前記ベクターが単数あるいは複数の結合体を唯
一の手段としていること,および(b)該単数あるいは複
数の二元目的プロモーター領域が,アグロバクテリウム
・チューメファシエンス ATCC 15955に由来するT−D
NA断片d1,cおよびb5を含む1450塩基の転写産物あ
るいはこれとハイブリダイズし得る任意のオクトピン型
Tiプラスミドに由来すること,を特徴とする,植物また
は植物組織。 - 【請求項14】 植物形質転換ベクターを含む細菌株で
あって,該植物形質転換ベクターが,1つまたはそれ以
上の二元目的プロモーター領域/外来構造遺伝子結合体
を含む,植物形質転換ベクターであって,該ベクターに
よって形質転換された植物および細菌細胞に同定し得る
表現型を与えることができ,(a)前記ベクターによって
形質転換された植物および細菌細胞に同定し得る表現型
を与えるために,前記ベクターが単数あるいは複数の結
合体を唯一の手段としていること,および(b)該単数あ
るいは複数の二元目的プロモーター領域が,アグロバク
テリウム・チューメファシエンス ATCC 15955に由来するT−DNA
断片d1,cおよびb5を含む1450塩基の転写産物あるい
はこれとハイブリダイズし得る任意のオクトピン型Tiプ
ラスミドに由来すること,を特徴とする,細菌株。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US06/584,244 US4771002A (en) | 1984-02-24 | 1984-02-24 | Transcription in plants and bacteria |
US584,244 | 1984-02-27 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60-36263A Division JP2992291B2 (ja) | 1984-02-27 | 1985-02-25 | 植物および細菌における転写 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06315389A true JPH06315389A (ja) | 1994-11-15 |
JPH07112433B2 JPH07112433B2 (ja) | 1995-12-06 |
Family
ID=24336531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6073657A Expired - Fee Related JPH07112433B2 (ja) | 1984-02-24 | 1994-04-12 | 植物および細菌における転写を促進する二元目的プロモーター |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4771002A (ja) |
EP (1) | EP0159779B1 (ja) |
JP (1) | JPH07112433B2 (ja) |
AT (1) | ATE64756T1 (ja) |
AU (1) | AU581877B2 (ja) |
CA (1) | CA1340765C (ja) |
DE (1) | DE3583303D1 (ja) |
Families Citing this family (73)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6774283B1 (en) | 1985-07-29 | 2004-08-10 | Calgene Llc | Molecular farming |
US4956282A (en) * | 1985-07-29 | 1990-09-11 | Calgene, Inc. | Mammalian peptide expression in plant cells |
US5453566A (en) * | 1986-03-28 | 1995-09-26 | Calgene, Inc. | Antisense regulation of gene expression in plant/cells |
US5107065A (en) * | 1986-03-28 | 1992-04-21 | Calgene, Inc. | Anti-sense regulation of gene expression in plant cells |
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US5004863B2 (en) * | 1986-12-03 | 2000-10-17 | Agracetus | Genetic engineering of cotton plants and lines |
US5266474A (en) * | 1987-06-24 | 1993-11-30 | Genentech, Inc. | Balanced inducible transcription system |
JP2769541B2 (ja) * | 1987-06-24 | 1998-06-25 | ジェネンテク,インコーポレイテッド | 平衡型構成誘導性転写系 |
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