JPH0631511A

JPH0631511A - 回転工作機械

Info

Publication number: JPH0631511A
Application number: JP18840292A
Authority: JP
Inventors: Taichi Okamoto; 太一岡本
Original assignee: Nabeya Kogyo Co Ltd
Current assignee: Nabeya Kogyo Co Ltd
Priority date: 1992-07-15
Filing date: 1992-07-15
Publication date: 1994-02-08

Abstract

(57)【要約】【目的】煩雑な軸心合わせ作業が不要であるにも関わ
らず、被加工物に形成された穴に所定の加工を精度良く
施すことができるボール盤を提供する。【構成】主軸７の先端と面取り用のドリル１７との間
に、軸心方向に分離することのないスリットタイプのカ
ップリング１２を介在させる。そして、回転するドリル
１７によって被加工物Ｏが備える穴Ｈに面取り加工を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はボール盤等に代表される
ような回転工作機械に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ボール盤等の回転工作機械を
用いることによって、被加工物に予め成形された穴に対
する種々の加工を行っている。例えば、前記穴に面取り
加工を施す場合、加工用の工具として面取り用のドリル
が選択される。また、前記ドリルは、ボール盤の主軸の
構造上、ボルト等によって主軸に直接的に取り付けられ
る。

【０００３】このようなボール盤では、回転するドリル
を前記穴の開口周縁に押圧することによって加工が行わ
れる。そして、このとき開口周縁が切削され、その結
果、当該部分がすり鉢状に拡開される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、面取り加工
を行う際には、一般に主軸とドリルとのアライメントを
調整しておく必要がある。そして、このアライメント調
整が適当でないと、偏心（両軸心の平行誤差）、偏角
（両軸心の角度誤差）またはエンドプレイ（軸心方向へ
のドリルの移動）等の不都合が生じ易くなる。その結
果、被加工物に対するドリルの当接位置及び角度が不適
切になり、穴の開口周縁を精度良く切削することが困難
になる。

【０００５】しかし、上述のようなアライメント調整は
大変煩雑で時間を要する作業であるにも関わらず、適切
な調整を行うことは困難であった。また、たとえ適切な
アライメント調整がなされていたとしても、ドリルと被
加工物の穴との軸心合わせを行う必要もあり、これらを
共に調節することは極めて困難であった。

【０００６】このように、従来においては、加工精度を
向上させかつ加工時間を短縮するにあたり、改善すべき
点が幾つかあった。本発明は上記の事情に鑑みて成され
たものであり、その目的は、アライメント調整や軸心合
わせ等の煩雑な作業が不要であるにも関わらず、被加工
物に形成された穴に所定の加工を精度良く施すことがで
きる回転工作機械を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、その先端に工具を備える主軸と、被
加工物を支持するための支持体とを有し、前記工具また
は支持体のうちの少なくとも何れかの回転によって、前
記被加工物が備える穴に加工を施す回転工作機械におい
て、前記主軸と前記工具との間に、カップリングを介在
させている。

【０００８】

【作用】この構成によると、工具の軸心と穴の軸心との
ズレが、前記カップリングの弾性変形によって吸収され
てしまうため、工具と穴との間での厳密な軸心合わせ作
業は不要になる。また、本構成によると、カップリング
を介して主軸と工具とを連結しているため、ミスアライ
メントが発生し難くなる。従って、上述のような煩雑な
調整作業が不要になるにも関わらず、被加工物に形成さ
れた穴に所定の加工を精度良く施すことが可能になる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を一軸タイプの直立ボール盤１
に具体化した一実施例について図面に基づき詳細に説明
する。

【００１０】図１に示すように、床面に設置されたベー
ス２には、垂直方向に延びるコラム３が立設支持されて
いる。コラム３の下部前方には、ニー４が突出形成され
ている。そのニー４の上面には、被加工物Ｏを載置する
ために、支持体としてのテーブル５が支持されている。
ニー４及びテーブル５には、それぞれハンドル４ａ，５
ａが設けられている。そして、これらのハンドル４ａ，
５ａを回動することにより、前記テーブル５が水平方向
に、即ち前後左右の２方向に移動できるようになってい
る。

【００１１】コラム３の上端前側には軸受け６が形成さ
れており、その軸受け６には主軸７が回転可能かつ上下
動可能に支承されている。一方、コラム３の上端後側に
はモータ８が配設されており、そのモータ８と主軸７と
は図示しない駆動伝達手段によって連結されている。

【００１２】図１に示すように、主軸７の下端部には主
軸頭９が固定されており、その側面には主軸７の下端部
及び主軸頭９を上下動させるためのハンドル１０が設け
られている。また、主軸頭９の後面は、コラム３の前面
に形成されたガイド溝１１に係合されており、このため
主軸頭９はガイド溝１１に案内されて上下動することが
可能である。

【００１３】次に、本実施例にて使用するカップリング
１２の構成及びその取り付け方法について説明する。図
１及び図２に示すように、このカップリング１２は、い
わゆる軸心方向に分離することのないスリットタイプの
カップリングである。また、前記カップリング１２は略
円筒形状を呈しており、その形成材料にはアルミニウム
合金が用いられている。

【００１４】このカップリング１２にはその軸線方向に
直交して複数のスリット１３が形成されている。また、
隣接するスリット１３同士では位相が互いに異なるよう
に設計されている。各スリット１３の間には、円板状で
弾性を有する弾性部１４が形成されており、各弾性部１
４は複数の連結部１８によって連結されている。

【００１５】また、カップリング１２の上端面には、取
り付け孔１５が形成されている。前記取り付け孔１５に
は主軸７の下端部が挿入され、その主軸７はセットスク
リュー１９によって締め付け固定されている。

【００１６】一方、カップリング１２の下端面にも同様
の取り付け孔１６が形成されている。前記取り付け孔１
６には工具としての面取り用のドリル１７の軸部１７ａ
が挿入され、同様にセットスクリュー２０によって締め
付け固定されている。尚、上記の各取り付け孔１５，１
６の軸心は、共にカップリング１２の軸心に等しくなる
ように設計されている。従って、この構成によると、従
来とは異なり煩雑なアライメント調整を行わなくとも、
好適なアライメントを容易に得ることが可能である。

【００１７】さて、このように構成されたボール盤１を
使用する場合、先ずテーブル５の上にて加工を施すべき
穴Ｈが上側になるように、被加工物Ｏを載置する。次い
で、各ハンドル４ａ，５ａ，１０を操作することによ
り、ドリル１７の刃部１７ｂを穴Ｈの上方の位置にセッ
トする。このとき、必ずしもドリル１７と穴Ｈとの厳密
な軸心合わせ作業を行う必要はない。

【００１８】ドリル１７に回転を与えた状態でドリル１
７を下降させると、ドリル１７先端が穴Ｈの開口周縁に
均一に当接し、刃部１７ｂが開口周縁を切削する。この
動作によって当該部分がすり鉢状に拡開され、穴Ｈの開
口周縁が均一にかつ精度良く面取りされた状態となる
（図２参照）。

【００１９】そして、図３に示すように、ドリル１７と
穴Ｈとの軸心が一致していない場合であっても、カップ
リング１２の弾性部１４の弾性変形によって、ドリル１
７の先端が若干穴Ｈの軸心方向に移動する。そのため、
ドリル１７の先端が穴Ｈの開口周縁に対して比較的均一
に当接した状態で切削を行うことができる。よって、従
来とは異なり、開口周縁に対する刃部１７ｂの当接位置
及び角度が不適切になることはなく、当該部分を均一に
かつ精度良く面取りすることができる。

【００２０】上述したように、本実施例のボール盤１の
構成によると、従来のような煩雑なアライメント調整も
軸心合わせをも不要になるという利点がある。しかも、
このような調整作業を省略したとしても、短い加工時間
で精度良く穴Ｈの開口周縁を面取りすることができると
いう点で有利である。

【００２１】尚、本発明は上記実施例のみに限定される
ことはなく、以下のような構成に変更することが可能で
ある。例えば、（ａ）前記実施例のように一軸式のボール盤１に限ら
ず、多軸式のボール盤に具体化しても勿論良い。そし
て、アライメント調整や軸心合わせ作業をすべき箇所の
多い多軸ボール盤にあっては、煩雑な調整作業が解消さ
れることの意義は大きい。

【００２２】（ｂ）前記実施例のような直立ボール盤１
のほかに、ラジアルボール盤に適用しても勿論良い。（ｃ）前記スリットタイプのカップリングに代えて、別
のフレキシブルカップリングを用いることが可能であ
る。この種のものとしては、例えば、一対のハブとスペ
ーサとからなり、それらの間にディスクを配置しかつ各
部材間をピンで連結した板バネタイプのカップリングが
適用可能である。また、一対のハブの間に金属製のベロ
ーズを備えたベローズタイプのカップリングも同様に適
用可能である。但し、同じフレキシブルカップリングで
あっても、ケーシングとスリーブとからなり、セレーシ
ョンの噛み合いでトルクを伝達するタイプのものは不適
である。

【００２３】（ｄ）前記実施例のようなセットスクリュ
ータイプのほか、クランピングタイプやキータイプのカ
ップリングを採用しても良い。（ｅ）本発明は前記実施例のような面取り加工用ボール
盤のみに限定されることはない。例えば、座ぐり加工
用、段付け穴加工用、タッピング用、ホーニング用、バ
フ加工用などの加工を行うための回転工作機械に応用す
ることが可能である。

【００２４】（ｆ）工具側を回転させる前記実施例とは
異なり、工具側を固定させかつ被加工物側を回転させる
ような構成にすることも可能である。勿論、工具側と被
加工物側との両方をそれぞれ反対方向に回転させるよう
な構成であっても良い。

【００２５】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の回転工作
機械の構成によれば、工具と主軸との間に好適なカップ
リングを介在させているため、煩雑な軸心合わせ作業が
不要であるにも関わらず、被加工物に形成された穴に所
定の加工を精度良く施すことができるという優れた効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のボール盤１を示す概略図である。

【図２】図１におけるボール盤１の使用状態を説明する
ための要部拡大図である。

【図３】図１におけるボール盤１の使用状態を説明する
ための要部拡大図である。

【符号の説明】

１回転工作機械としての（直立）ボール盤、５支持
体としてのテーブル、７主軸、１２カップリング、
１７工具としての（面取り用の）ドリル、Ｏ被加工
物、Ｈ穴。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】その先端に工具（１７）を備える主軸
（７）と、被加工物（Ｏ）を支持するための支持体
（５）とを有し、前記工具（１７）または支持体（５）
のうちの少なくとも何れかの回転によって、前記被加工
物（Ｏ）が備える穴（Ｈ）に加工を施す回転工作機械
（１）において、前記主軸（７）と前記工具（１７）との間に、カップリ
ング（１２）を介在させることを特徴とする回転工作機
械。