JPH0631483A - ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ - Google Patents
ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤInfo
- Publication number
- JPH0631483A JPH0631483A JP18842492A JP18842492A JPH0631483A JP H0631483 A JPH0631483 A JP H0631483A JP 18842492 A JP18842492 A JP 18842492A JP 18842492 A JP18842492 A JP 18842492A JP H0631483 A JPH0631483 A JP H0631483A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高入熱溶接においても優れた強度と靱性を有
する溶接金属が得られるガスシールドアーク溶接用フラ
ックス入りワイヤを提供する。 【構成】 Cr:3%以下、Nb:0.3%以下、V:
0.3%以下のうち少なくとも1種以上を合計0.2〜
3%含む金属粉を70%以上95%未満含有し、C含有
量を0.3%以下としたフラックスを全ワイヤ重量比として
10〜30%包含させる。
する溶接金属が得られるガスシールドアーク溶接用フラ
ックス入りワイヤを提供する。 【構成】 Cr:3%以下、Nb:0.3%以下、V:
0.3%以下のうち少なくとも1種以上を合計0.2〜
3%含む金属粉を70%以上95%未満含有し、C含有
量を0.3%以下としたフラックスを全ワイヤ重量比として
10〜30%包含させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼構造物の溶接に用い
られるガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入
りワイヤに関するものであり、高溶接入熱で溶接した場
合でも安定した強度、靱性が得られる。
られるガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入
りワイヤに関するものであり、高溶接入熱で溶接した場
合でも安定した強度、靱性が得られる。
【0002】
【従来の技術】省力化および生産効率向上の面からメタ
ル系フラック入りワイヤによるガスシールドアーク溶接
が増加しつつある。メタル系複合ワイヤは鉄粉を主体と
した金属粉を主成分として、アーク安定成分と少量のス
ラグ形成剤を添加したものであり、同一径のソリッドワ
イヤに比べ同一溶接電流では溶融速度が高く、かつスパ
ッタなどの発生が少ない。そのため高溶着速度を必要と
する建設機械、鉄骨加工などの分野で広く用いられてい
る。特開昭63−183795号公報、特開昭63−2
15395号公報などに、金属粉を80%程度以上含有
し溶着量が大きくスパッタの少ないメタル系フラックス
入りワイヤが開示されているが、溶接金属の機械的性質
に関しては、具体的な実施例がなくほとんど関心が払わ
れていないのが現状である。高溶着速度を得るために溶
接入熱を高くすると、溶接部の冷却速度が小さくなり焼
き入れ不足となり、強度の低下や靱性の劣化が見られる
場合があった。焼き入れ性向上のために、例えば外皮も
しくはフラックス中のCを高めて溶接金属中のC量を上
げると、高温割れを生じたり、CO反応が激しくなりコ
アードワイヤの特徴である低スパッタ性が損なわれるな
どの問題があった。
ル系フラック入りワイヤによるガスシールドアーク溶接
が増加しつつある。メタル系複合ワイヤは鉄粉を主体と
した金属粉を主成分として、アーク安定成分と少量のス
ラグ形成剤を添加したものであり、同一径のソリッドワ
イヤに比べ同一溶接電流では溶融速度が高く、かつスパ
ッタなどの発生が少ない。そのため高溶着速度を必要と
する建設機械、鉄骨加工などの分野で広く用いられてい
る。特開昭63−183795号公報、特開昭63−2
15395号公報などに、金属粉を80%程度以上含有
し溶着量が大きくスパッタの少ないメタル系フラックス
入りワイヤが開示されているが、溶接金属の機械的性質
に関しては、具体的な実施例がなくほとんど関心が払わ
れていないのが現状である。高溶着速度を得るために溶
接入熱を高くすると、溶接部の冷却速度が小さくなり焼
き入れ不足となり、強度の低下や靱性の劣化が見られる
場合があった。焼き入れ性向上のために、例えば外皮も
しくはフラックス中のCを高めて溶接金属中のC量を上
げると、高温割れを生じたり、CO反応が激しくなりコ
アードワイヤの特徴である低スパッタ性が損なわれるな
どの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワ
イヤにおいて、高溶着速度を得るために溶接入熱を高く
した場合にしばしば問題となった強度の低下や靱性の劣
化を改善するガスシールドアーク溶接用メタル系フラッ
クス入りワイヤを提供することである。
のガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワ
イヤにおいて、高溶着速度を得るために溶接入熱を高く
した場合にしばしば問題となった強度の低下や靱性の劣
化を改善するガスシールドアーク溶接用メタル系フラッ
クス入りワイヤを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、C:0.05
%(重量%)以下の軟鋼製外皮中に、フラックス組成と
して、Cr:3%以下、Nb:0.3%以下、V:0.
3%以下のうち少なくとも1種以上を添加しその合計が
0.2〜3%となるような金属粉を70%以上かつ95
%未満を含有するフラックスを全ワイヤ重量に対し10
〜30%包含することを特徴とするガスシールドアーク
溶接用メタル系フラックス入りワイヤであり、またC:
0.05%(重量%)以下の軟鋼製外皮中に、フラック
ス組成として、Cr:3%以下、Nb:0.3%以下、
V:0.3%以下のうち少なくとも1種以上を添加しそ
の合計が0.2〜3%となるような金属粉を70%以上
かつ95%以下含有し、さらに望ましくはCが0.3%
未満であるフラックスを全ワイヤ重量に対し10〜30
%包含することを特徴とするガスシールドアーク溶接用
メタル系フラックス入りワイヤである。
%(重量%)以下の軟鋼製外皮中に、フラックス組成と
して、Cr:3%以下、Nb:0.3%以下、V:0.
3%以下のうち少なくとも1種以上を添加しその合計が
0.2〜3%となるような金属粉を70%以上かつ95
%未満を含有するフラックスを全ワイヤ重量に対し10
〜30%包含することを特徴とするガスシールドアーク
溶接用メタル系フラックス入りワイヤであり、またC:
0.05%(重量%)以下の軟鋼製外皮中に、フラック
ス組成として、Cr:3%以下、Nb:0.3%以下、
V:0.3%以下のうち少なくとも1種以上を添加しそ
の合計が0.2〜3%となるような金属粉を70%以上
かつ95%以下含有し、さらに望ましくはCが0.3%
未満であるフラックスを全ワイヤ重量に対し10〜30
%包含することを特徴とするガスシールドアーク溶接用
メタル系フラックス入りワイヤである。
【0005】
【作用】外皮はフラックスが充填されてから伸線される
ことにより加工硬化する。そのため低合金鋼外皮を用い
ると、ワイヤの強度レベルが高くなりすぎるために焼鈍
工程が必要となる。内包フラックスは、ワイヤの軟化焼
鈍熱処理により焼結したり、変質する恐れがあり、焼鈍
することは好ましくない。そこで焼鈍工程を必要としな
いように、Cが0.05%以下の軟鋼製外皮を用いるこ
とが重要である。また、Cを0.05%以下とすること
は後述するフラックスのC量とあいまってスパッタの低
減および高温割れの防止に効果がある。なお、外皮は図
1の(a)や(b)に示すような軟鋼製フープを成形
し、合わせ目を成形のままにしたものや、(c)に示す
ような合わせ目をフラックスを充填前もしくは充填後に
溶接して閉じたものを用いることができる。
ことにより加工硬化する。そのため低合金鋼外皮を用い
ると、ワイヤの強度レベルが高くなりすぎるために焼鈍
工程が必要となる。内包フラックスは、ワイヤの軟化焼
鈍熱処理により焼結したり、変質する恐れがあり、焼鈍
することは好ましくない。そこで焼鈍工程を必要としな
いように、Cが0.05%以下の軟鋼製外皮を用いるこ
とが重要である。また、Cを0.05%以下とすること
は後述するフラックスのC量とあいまってスパッタの低
減および高温割れの防止に効果がある。なお、外皮は図
1の(a)や(b)に示すような軟鋼製フープを成形
し、合わせ目を成形のままにしたものや、(c)に示す
ような合わせ目をフラックスを充填前もしくは充填後に
溶接して閉じたものを用いることができる。
【0006】上記軟鋼製外皮に内包されるフラックス
は、金属粉(合金成分調整、脱酸剤)、アーク安定剤、
スラグ形成剤からなる。まず、金属粉としては、メタル
系フラックス入りワイヤの特徴である高溶着速度を達成
するためには、フラックス組成において70%以上の金
属粉を含有することが必要である。また、高溶着速度を
得るための高い溶接入熱においても十分な焼き入れ性を
確保し強度、靱性を向上させる必要がある。そのために
添加合金元素および添加量を鋭意検討したところCr、
V、Nbの添加が焼き入れ性向上に著しい効果を有する
ことを見いだした。その全金属粉量にたいし、Cr:3
%以下、Nb:0.3%以下、V:0.3%以下のうち
の少なくとも1種以上を添加し、その合計が全金属粉量
の0.2〜3%が好適である。0.2%未満では、溶接
金属中の合金量が少なく焼入れ性向上の効果を期待でき
ない。一方全金属粉量にたいしCr:3%越え、Nb:
0.3%越え、V:0.3%3%越え、およびそれらの
うち1種または2種以上の合計で3%を越えて添加する
と、溶接金属中の合金量が高くなり、強度の著しい上昇
と靱性劣化を招くため3%以下とした。なおCr、V、
Nbは、合金粉末として添加できるほか水アトマイズ法
により合金鉄粉の形で添加しても効果は同じである。
は、金属粉(合金成分調整、脱酸剤)、アーク安定剤、
スラグ形成剤からなる。まず、金属粉としては、メタル
系フラックス入りワイヤの特徴である高溶着速度を達成
するためには、フラックス組成において70%以上の金
属粉を含有することが必要である。また、高溶着速度を
得るための高い溶接入熱においても十分な焼き入れ性を
確保し強度、靱性を向上させる必要がある。そのために
添加合金元素および添加量を鋭意検討したところCr、
V、Nbの添加が焼き入れ性向上に著しい効果を有する
ことを見いだした。その全金属粉量にたいし、Cr:3
%以下、Nb:0.3%以下、V:0.3%以下のうち
の少なくとも1種以上を添加し、その合計が全金属粉量
の0.2〜3%が好適である。0.2%未満では、溶接
金属中の合金量が少なく焼入れ性向上の効果を期待でき
ない。一方全金属粉量にたいしCr:3%越え、Nb:
0.3%越え、V:0.3%3%越え、およびそれらの
うち1種または2種以上の合計で3%を越えて添加する
と、溶接金属中の合金量が高くなり、強度の著しい上昇
と靱性劣化を招くため3%以下とした。なおCr、V、
Nbは、合金粉末として添加できるほか水アトマイズ法
により合金鉄粉の形で添加しても効果は同じである。
【0007】全ワイヤ重量に対するフラックス量は10
%未満では、外皮に電流が集中することによる溶着量の
向上が期待できず、かつアーク安定剤およびスラグ生成
剤量が十分でなくスパッタ発生量が多くなってしまう。
また30%を越えて添加すると、伸線時に内包フラック
スが多いため断線の恐れがあり、また溶接時に外皮に電
流が集中しすぎて外皮が選択的に溶融し内包フラックス
が未溶融のまま溶融池に短絡し、スパッタ発生量が増加
する。
%未満では、外皮に電流が集中することによる溶着量の
向上が期待できず、かつアーク安定剤およびスラグ生成
剤量が十分でなくスパッタ発生量が多くなってしまう。
また30%を越えて添加すると、伸線時に内包フラック
スが多いため断線の恐れがあり、また溶接時に外皮に電
流が集中しすぎて外皮が選択的に溶融し内包フラックス
が未溶融のまま溶融池に短絡し、スパッタ発生量が増加
する。
【0008】金属粉として添加されるものは、溶着量の
観点から鉄粉を全金属粉量に対して好ましくは50%以
上とするほか、Mn、Si、Al、Tiやそれらの合金
鉄に代表される脱酸剤と、Cu、Niなどの合金元素で
ある。また、K、Na、Fを最低1種以上含むアーク安
定剤を全金属粉量の0.5〜5%の範囲で添加すること
が好ましい。
観点から鉄粉を全金属粉量に対して好ましくは50%以
上とするほか、Mn、Si、Al、Tiやそれらの合金
鉄に代表される脱酸剤と、Cu、Niなどの合金元素で
ある。また、K、Na、Fを最低1種以上含むアーク安
定剤を全金属粉量の0.5〜5%の範囲で添加すること
が好ましい。
【0009】アーク安定剤は、スパッタの低減に寄与す
るが全金属粉量の0.5%未満ではその効果は十分でな
く、また5%を越えて添加するとアークが不安定になり
かえってスパッタ量が増える。アーク安定剤の例として
はチタン酸カリウム、珪酸チタンカリウム、珪弗化カリ
ウム、珪酸ソーダ、弗化リチウム、弗化ナトリウムなど
が上げられる。
るが全金属粉量の0.5%未満ではその効果は十分でな
く、また5%を越えて添加するとアークが不安定になり
かえってスパッタ量が増える。アーク安定剤の例として
はチタン酸カリウム、珪酸チタンカリウム、珪弗化カリ
ウム、珪酸ソーダ、弗化リチウム、弗化ナトリウムなど
が上げられる。
【0010】スラグ形成剤は、溶接ビードの保護、溶接
ビード形状保持のために重要な作用を有する。全金属粉
量に対する添加量としては、少なくとも1%以上の添加
が好ましいが、20%を越えるとスラグ生成量が多くな
り、メタル系フラックス入りワイヤの特徴である高溶着
量の効果があまり期待できない。スラグ形成剤の例とし
ては、TiO2 、SiO2 、Al2 O3 、MnO、Mg
O、CaO、ZrO2などがあげられる。 金属粉量と
しては、フラックス量にたいして70%以上であれば、
高溶着量を確保できるが、95%未満に添加量を制限し
残部をアーク安定剤、スラグ形成剤とすることによりさ
らに、スパッタ発生量を低減することが可能である。
ビード形状保持のために重要な作用を有する。全金属粉
量に対する添加量としては、少なくとも1%以上の添加
が好ましいが、20%を越えるとスラグ生成量が多くな
り、メタル系フラックス入りワイヤの特徴である高溶着
量の効果があまり期待できない。スラグ形成剤の例とし
ては、TiO2 、SiO2 、Al2 O3 、MnO、Mg
O、CaO、ZrO2などがあげられる。 金属粉量と
しては、フラックス量にたいして70%以上であれば、
高溶着量を確保できるが、95%未満に添加量を制限し
残部をアーク安定剤、スラグ形成剤とすることによりさ
らに、スパッタ発生量を低減することが可能である。
【0011】本発明のガスシールドアーク溶接用メタル
系フラックス入りワイヤを用いて溶接を行う場合に使用
するガスとしてはガスのコスト面からはCO2 が好まし
いがよりスパッタの少ない溶接を必要とする場合には、
Ar−CO2 、Ar−O2 などの使用も可能である。以
下具体的に実施例により、本発明の効果を明らかにす
る。
系フラックス入りワイヤを用いて溶接を行う場合に使用
するガスとしてはガスのコスト面からはCO2 が好まし
いがよりスパッタの少ない溶接を必要とする場合には、
Ar−CO2 、Ar−O2 などの使用も可能である。以
下具体的に実施例により、本発明の効果を明らかにす
る。
【0012】
【実施例】鋼製外皮として表1に示す化学組成をもつフ
ープ(板厚0.8mm)と表2に示す組成のフラックス
と外皮を組合わせた直径1.2mmのワイヤを用い、板
厚20mmのSM400鋼板を図2に示す開先形状と
し、溶接条件としては直流逆極性:300A−35V−
30cm/分、シールドガス:100%CO2 、流量2
0l/分、ワイヤ突き出し長さ:20mmで下向き多層
溶接を行った。その結果を表3に示す。
ープ(板厚0.8mm)と表2に示す組成のフラックス
と外皮を組合わせた直径1.2mmのワイヤを用い、板
厚20mmのSM400鋼板を図2に示す開先形状と
し、溶接条件としては直流逆極性:300A−35V−
30cm/分、シールドガス:100%CO2 、流量2
0l/分、ワイヤ突き出し長さ:20mmで下向き多層
溶接を行った。その結果を表3に示す。
【0013】試験項目としては単位時間当たりの溶着
量、スパッタ発生量、0℃におけるフルサイズ2mmV
ノッチシャルピー衝撃試験、A2号丸棒引張試験を行っ
た。溶着量は同一条件でのソリッドワイヤの溶着量を参
考にして、120g/分以上を、またスパッタ量は3g
/分以下を良好と判定した。機械的性質における判定は
vE≧100J、引張強さ≧490MPaを良好と判定
した。
量、スパッタ発生量、0℃におけるフルサイズ2mmV
ノッチシャルピー衝撃試験、A2号丸棒引張試験を行っ
た。溶着量は同一条件でのソリッドワイヤの溶着量を参
考にして、120g/分以上を、またスパッタ量は3g
/分以下を良好と判定した。機械的性質における判定は
vE≧100J、引張強さ≧490MPaを良好と判定
した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】No.1からNo.5は、いずれも本発明
の範囲内のものであり十分な強度、靱性を有し、また溶
着量は多く、スパッタ発生量は少ない。また、フラック
ス中のCが0.3%未満でフラックス中の全金属粉量が
90%未満のNo.1〜3ではNo.4および5に比べ
さらにスパッタ発生量が少なくなっていることがわか
る。No.6は、外皮に0.072%Cのものを用いた
場合で伸線時に硬化し、断線が起こったため中間焼鈍を
650℃1時間の条件で行った。Cが高いためおよび熱
処理によりフラックスが変質しており溶接時にスパッタ
の発生が多く、作業性の劣化が見られた。
の範囲内のものであり十分な強度、靱性を有し、また溶
着量は多く、スパッタ発生量は少ない。また、フラック
ス中のCが0.3%未満でフラックス中の全金属粉量が
90%未満のNo.1〜3ではNo.4および5に比べ
さらにスパッタ発生量が少なくなっていることがわか
る。No.6は、外皮に0.072%Cのものを用いた
場合で伸線時に硬化し、断線が起こったため中間焼鈍を
650℃1時間の条件で行った。Cが高いためおよび熱
処理によりフラックスが変質しており溶接時にスパッタ
の発生が多く、作業性の劣化が見られた。
【0018】No.7はCr量が、No.8はNb量、
No.9はV量がそしてNo.11はCr、Nb、Vの
合計が上限を越えるもので、強度が著しく上昇し、靱性
が劣化した。No.10はCr、Nb、Vの添加量合計
が0.2%未満で焼入れ性が不足しており、強度、靱性
とも低い。No.12はフラックス中の全金属粉量が7
0%未満のもので溶着金属量が少ない。No.13はフ
ラックス中の全金属粉量が95%を越えるものでスパッ
タ発生量が多い。No.14は全ワイヤ重量にたいする
フラックス重量が10%未満のものであり、スパッタ発
生量が多くまた溶着量が少ない。No.15はフラック
ス重量が30%を越えるものであり、スパッタ発生量が
多い。
No.9はV量がそしてNo.11はCr、Nb、Vの
合計が上限を越えるもので、強度が著しく上昇し、靱性
が劣化した。No.10はCr、Nb、Vの添加量合計
が0.2%未満で焼入れ性が不足しており、強度、靱性
とも低い。No.12はフラックス中の全金属粉量が7
0%未満のもので溶着金属量が少ない。No.13はフ
ラックス中の全金属粉量が95%を越えるものでスパッ
タ発生量が多い。No.14は全ワイヤ重量にたいする
フラックス重量が10%未満のものであり、スパッタ発
生量が多くまた溶着量が少ない。No.15はフラック
ス重量が30%を越えるものであり、スパッタ発生量が
多い。
【0019】
【発明の効果】以上実施例により具体的に例示したごと
く本発明は、高入熱溶接時においても、十分な焼き入れ
性を有し、強度、靱性に優れ、かつソリッドワイヤに比
べ溶着量が多く、しかもスパッタ量の少ないガスシール
ドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤを提供す
るものであり、構造物の高能率溶接にたいする信頼性を
著しく高めるものである。
く本発明は、高入熱溶接時においても、十分な焼き入れ
性を有し、強度、靱性に優れ、かつソリッドワイヤに比
べ溶着量が多く、しかもスパッタ量の少ないガスシール
ドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤを提供す
るものであり、構造物の高能率溶接にたいする信頼性を
著しく高めるものである。
【図1】種々のタイプのフラックス入りワイヤの断面形
状を示す説明図。
状を示す説明図。
【図2】フラックス入りワイヤの溶接評価試験に用いた
試験片の開先形状の断面図。
試験片の開先形状の断面図。
1 軟鋼製外皮 2 フラックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田畑 綽久 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 松山 隼也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内
Claims (2)
- 【請求項1】 C:0.05%(重量%)以下の軟鋼製
外皮中に、フラックス組成として、Cr:3%以下、N
b:0.3%以下、V:0.3%以下のうち少なくとも
1種以上を添加しその合計が0.2〜3%となるような
金属粉を70%以上かつ95%未満を含有するフラック
スを全ワイヤ重量に対し10〜30%包含することを特
徴とするガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス
入りワイヤ。 - 【請求項2】 C:0.05%(重量%)以下の軟鋼製
外皮中に、フラックス組成として、Cr:3%以下、N
b:0.3%以下、V:0.3%以下のうち少なくとも
1種以上を添加しその合計が0.2〜3%となるような
金属粉を70%以上95%以下含有し、さらにCが0.
3%未満であるフラックスを全ワイヤ重量に対し10〜
30%包含することを特徴とするガスシールドアーク溶
接用メタル系フラックス入りワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18842492A JPH0631483A (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18842492A JPH0631483A (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0631483A true JPH0631483A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=16223431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18842492A Pending JPH0631483A (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0631483A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0866792A (ja) * | 1994-08-30 | 1996-03-12 | Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd | 亜鉛めっき鋼板用メタル系フラックス入りワイヤおよびガスシールドアーク溶接方法 |
JP2016526486A (ja) * | 2013-07-08 | 2016-09-05 | リンカーン グローバル,インコーポレイテッド | 厚肉ワークピースにおける高破壊靱性の溶接部 |
-
1992
- 1992-07-15 JP JP18842492A patent/JPH0631483A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0866792A (ja) * | 1994-08-30 | 1996-03-12 | Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd | 亜鉛めっき鋼板用メタル系フラックス入りワイヤおよびガスシールドアーク溶接方法 |
JP2016526486A (ja) * | 2013-07-08 | 2016-09-05 | リンカーン グローバル,インコーポレイテッド | 厚肉ワークピースにおける高破壊靱性の溶接部 |
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