JPH0631350Y2 - スライド式クラッカー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は指引き操作で爆発させるスライド式のクラッ
カーに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、クラッカー本体を片手で把持し、この本体把持指
で操作体を指引き操作して、火薬体を爆発させるように
構成した実公昭45-17199号公報の第１図及び第２図に開
示のピストル型のスライド式クラッカーは知られてい
る。

〔考案が解決しょうとする課題〕

前記従来のスライド式クラッカーは、火薬筒体に嵌挿し
た硬質ロッドと、該ロッドの摺動摩擦によって爆発され
る火薬体とを具備し、前記ロッドを操作体の指引き操作
で軸心方向に移動させて火薬体を爆発させるようになっ
ているので、硬質ロッドを備えた特殊構造の火薬体を製
作しなければならず、また火薬体の仕掛け構造も複雑に
なって、製品コストが高くなる等の問題があった。

この考案は前記従来の問題を解消するためになされたも
ので、その目的は引玉火薬体と引紐とからなる通常の引
玉をセット使用するものでありながら、この引玉を簡単
に仕掛けることができ、また筒体把持指で引紐挟着キャ
ップを筒体後端方向へスライド操作することにより、引
玉火薬体を簡単に、しかも確実に爆発させることができ
るように構成した製品コストの安いスライド式クラッカ
ーを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記の目的を達成するために、この考案のスライド式ク
ラッカーは、周側部に筒体長さ方向に向かう摺動係合溝
２を有し該摺動係合溝２の前端部位置に筒体内部の火薬
装填室３に連通する紐挿通孔４を設けた合成樹脂製のク
ラッカー筒体１と、このクラッカー筒体１の摺動係合溝
２に筒体後端方向へのスライド移動できるように嵌装さ
れる引紐挾持引具５及びこの引紐挾持引具５の紐止部６
に嵌着される引紐挾着キャップ７と、クラッカー筒体１
の火薬装填室３に収納される引玉火薬体８及び該火薬体
８を摺動摩擦によって爆発させる引紐９を有し該引紐９
を紐挿通孔４から筒体外部に延出させて引玉火薬体８が
筒体内部に支持されるように引紐挾持引具５に紐止め固
定される引玉10とを具備し、前記キャップ７の筒体把持
指によるスライド操作で引玉火薬体８を爆発させるよう
にしたことを特徴とするものである。

〔作用〕

前記構成のスライドクラッカーによれば、クラッカー筒
体１の外部に突出する引紐挟着キャップ７を筒体把持指
で筒体後端方向へスライド操作することにより、引玉火
薬体８を簡単に爆発させることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第４図に従い具体
的に説明する。図中１は合成樹脂で一体成形された前端
部が開口する細長い円錘形状のクラッカー筒体で、この
クラッカー筒体１は周側部の長さ方向中間位置に凹設し
た筒体長さ方向に向かうリップ溝型の摺動係合溝２を有
し、この摺動係合溝２の前端壁部に筒体内部の火薬装填
室３に連通する小径な紐挿通孔４を設けている。

そして、このクラッカー筒体１の摺動係合溝２には、割
ピン型の紐止部６を有する合成樹脂製の引紐挾持引具５
が筒体後端方向へスライド移動できるように嵌装され、
この引紐挾持引具５の紐止部６に引紐挟着キャップ７が
嵌着されるようになっている。10は前記クラッカー筒体
１に仕掛けられる引玉を示し、この引玉10はクラッカー
筒体１の火薬装填室３に収納される紙巻き型の引玉火薬
体８と、この引玉火薬体８の紙巻き被包火薬8aを摺動摩
擦によって爆発させる引紐９とからなり、この引紐９を
挿通通孔４から筒体外部に延出させ、この引紐延出部を
引紐挾持引具５の紐止部６の切溝6aに蛇行湾曲するよう
に挿入して、この紐止部６に引紐装着キャップ７を第１
図，第２図の如く嵌着することにより、引玉火薬体８が
筒体内部に第１図の如く支持されるように紐止め固定さ
れる。

また、前記クラッカー筒体１の内部には受圧板11が嵌装
され、この受圧板12と筒体前端開口部1aに嵌合された爆
発離脱蓋11との間の空室部には小巻テープ等の噴出物13
が収納されている。

従って、前記キャップ７の筒体把持指（親指）による第
４図のようなスライド操作で引玉火薬体８を爆発させる
と、その爆発力によって小巻テープ等の噴出物13が受圧
板12及び爆発離脱蓋11と共に空中発射されるようにな
る。

なお、前記実施例はクラッカー筒体１の周側部にリップ
溝型の摺動係合溝２を凹設した場合について述べたが、
クラッカー筒体１の周側部に筒体長さ方向に向かう一対
の鉤形突条2a,2bを第５図の如く対向させて一体的に突
設し、この鉤形突条2a,2bの間に引紐挾持引具５を摺動
可能に嵌装する摺動係合溝２を第５図に示すように形成
しても良く、この場合には摺動係合溝２の鉤形突条2a,2
bに接近した前端部位置に筒体内部の火薬装填室３に連
通する小径な紐挿通孔４を設ける。

〔考案の効果〕

以上説明したような構成のスライド式クラッカーによる
と、引玉火薬体８と引紐９とからなる通常の引玉10をセ
ット使用するものでありながら、この引玉10をクラッカ
ー筒体１に簡単に仕掛けることができ、また筒体把持指
で引紐挟着キャップ７を筒体後端方向へスライド操作す
ることにより、引玉火薬体８を簡単に、しかも確実に爆
発させることができる効果があり、従来公知のスライド
式クラッカーに比べて製品コストの大幅な低減を計るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係わるスライド式クラッカ
ーの要部断面図、第２図は第１図のII-II線に沿う横断
面図、第３図は第１図の平面図、第４図は前記クラッカ
ーの使用状態を示す斜視図、第５図は本考案の変形例を
示すクラッカー筒体の斜視図である。 １…クラッカー筒体、２…摺動係合溝、３…火薬装填
室、４…紐挿通孔、５…引紐挾持引具、６…紐止部、７
…引紐挟着キャップ、８…引玉火薬体、8a…火薬、９…
引紐、10…引玉、11…爆発離脱蓋、12…受圧板、13…小
巻テープ等の噴出物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周側部に筒体長さ方向に向かう摺動係合溝
   (2)を有し該摺動係合溝(2)の前端部位置に筒体内部の火
   薬装填室(3)に連通する紐挿通孔(4)を設けた合成樹脂製
   のクラッカー筒体(1)と、このクラッカー筒体の摺動係
   合溝(2)に筒体後端方向へスライド移動できるように嵌
   装される引紐挾持引具(5)及びこの引紐挾持引具(5)の紐
   止部(6)に嵌着される引紐挾着キャップ(7)と、クラッカ
   ー筒体(1)の火薬装填室(3)に収納される引玉火薬体(8)
   及び該火薬体(8)を摺動摩擦によって爆発させる引紐(9)
   を有し該引紐(9)を紐挿通孔(4)から筒体外部に延出させ
   て引玉火薬体(8)が筒体内部に支持されるように引紐挾
   持引具(5)に紐止め固定される引玉(10)とを具備し、前
   記キャップ(7)の筒体把持指によるスライド操作で引玉
   火薬体(8)を爆発させるようにしたことを特徴とするス
   ライド式クラッカー。