JPH06313159A - 灯具用ホットメルト型シ−ル剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スチレン系ブロックコポリマ−を主成分とす
るホットメルト型シ−ル剤に、高軟化点のポリフェニレ
ンオキシドを添加することにより、車両用灯具のレンズ
とハウジングのシ−ル及び分離を容易にする。 【構成】 スチレン系ブロックコポリマ−（例、ＳＥＢ
Ｓブロック共重合体）１００重量部に、ポリフェニレン
オキシド１０〜１００重量部を必須成分とする灯具用ホ
ットメルト型シ−ル剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、灯具、特に自動車用灯
具のレンズとハウジングボディ−とのシ−ル及び分離を
容易にすることができる灯具用ホットメルト型シ−ル剤
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、車両用灯具のレンズとハウジ
ングボディ−との接合シ−ル法としては、エポキシ系、
ウレタン系、シリコ−ン系などの高性能の接着剤やエチ
レン酢酸ビニル系、ポリアミド系、熱可塑性ゴム系など
のホットメルト型シ−ル剤を使用して完全に接着してシ
−ルする方法であり、レンズのみ交換することは不可能
であり、廃車時の分別回収も困難であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の接着シ−ル剤による、レンズとハウジングを完全に接
着する方法ではなく、必要に応じて取り付け及び取外し
ができて、しかも、シ−ル性能が充分に成されて、か
つ、現在最も生産性の高いホットメルト型シ−ル剤と同
等の生産性を有する灯具用ホットメルト型シ−ル剤を提
供することである。

【０００４】

【問題を解決するための手段】本発明は、スチレン系ブ
ロックコポリマ−及びポリフェニレンオキシド（ＰＰ
Ｏ）を必須成分としてなることを特徴とする灯具用ホッ
トメルト型シ−ル剤である。

【０００５】本発明での必須成分としてのスチレン系ブ
ロックコポリマ−としては、スチレン−イソプレン−ス
チレン（ＳＩＳ）共重合体、スチレン−エチレン−ブチ
レン−スチレン（ＳＥＢＳ）ブロック共重合体、ポリ
（α−メチル−スチレン）−ポリブタジエン−ポリ（α
−メチル−スチレン）、ポリ（α−メチル−スチレン）
−ポリイソプレン−ポリ（α−メチル−スチレン）なら
びにこれらの水素可変性物、たとえばポリスチレン−ポ
リ（エチレン−ブチレン）−ポリスチレンがある。市販
品としては、シェル化学社のクレイトンＧ−１６５０な
ど、カリフレックス１１０７など、クラレ社のセプトン
２０４３など、がある。

【０００６】また、ポリフェニレンオキシドは、２，６
キシレノ−ルを酸化して得られる熱変形温度が１８５〜
１９３℃の熱可塑性樹脂からなるエンジニアリングプラ
スチックであり、市販品としてはゼネラル・エレクトリ
ック社のノリルＰＰＯ５３４、ＣＲＮ５２０などがあ
る。

【０００７】次に、上記の必須成分の配合割合（重量
部）としては、スチレン系ブロックコポリマ−１００部
に対して、ポリフェニレンオキシド１０〜１００部が適
当であり、１０部以下では耐熱性が悪くて、高温でのゴ
ム弾性が悪い。１００部以上では常温での硬度が高くな
りすぎ、シ−ル剤としての性能が劣る。

【０００８】上記の必須成分の他に、可塑剤としてのポ
リブテン、ナフテン系オイル、イソブチレンなど。粘着
付与剤として炭化水素樹脂または石油樹脂、ロジン類ま
たはロジン誘導体。粘度低下剤として、マイクロクリス
タルワックス、パラフィンワックス、低分子量ポリエチ
レン等のワックスなど。及び酸化防止剤として、イルガ
ノックス（チバガイギ−社）など。さらに充填剤とし
て、炭カル、シリカ等の無機質フイラ−などを必要に応
じて適宜配合することができる。

【０００９】本発明のシ−ル剤の製造法は、上記各配合
物を、バンバリ−ミキサ−、加圧ニ−ダ−、２軸エクス
トル−ダ−等で混練しペレット化することにより得られ
る。

【００１０】また、本発明のシ−ル剤の使用法として
は、例えば、ノ−ドソン社製のエクストル−ダ−型アプ
リケ−タ−を使用して、ハウジングボディ−に塗布し、
その後、レンズ圧着や、ばねかけをしてヘッドランプを
作成する。

【００１１】

【作用】スチレン系ブロックコポリマ−は、そのままで
は架橋することなくゴム弾性を有し、熱可塑性であるの
で成形が容易である。しかし、物理的架橋点であるスチ
レン相のガラス転移点が９０〜１００℃と低く、高温で
ゴム弾性を失う。そこで該スチレン相に任意の割合で相
溶し、熱変形温度を向上させるポリフェニレンオキシド
を配合することにより、高温でのゴム弾性を維持する作
用がある。

【００１２】

【実施例】

実施例１ スチレン系ブロックコポリマ−として、クレイトンＧ１
６５２（シェル化学社製）１００重量部（以下、部と示
す）、ポリフェニレンオキシドとして、ＧＥ製ノリルＣ
ＲＮ５２０ ３０部、可塑剤としてポリブテンＨＶ３０
０（日本石油化学社製）５０部を、２軸エクストル−ダ
−にて２２０℃で混練してペレット化して表１に示す如
き灯具用ホットメルト型シ−ル剤とした。

【００１３】比較例１ 実施例１にて、ポリフェニレンオキシドの代わりにＲ＆
Ｂ軟化点１５０℃の芳香族石油樹脂（日本石油化学社
製）ネオポリマ−１５０を使用した以外は同様にして表
１に示す如きシ−ル剤を得た。

【００１４】次に、ノ−ドソン社製のエクストル−ダ−
タイプのホットメルトアプリケ−タ−にて、自動車用ヘ
ッドランプのハウジング部溝に２００℃で塗布した。放
冷後、ガラスレンズを溝部に圧着し、クリップ式のばね
を掛けて固定する。このヘッドランプを５０℃雰囲気中
で１０００時間連続点灯した後に、水中に浸漬して水も
れの有無を測定した。また、クリップ式のばねを外し
て、ガラスレンズとハウジングの間を軽くゴムハンマ−
でたたいて、レンズとハウジングの脱着性が容易か困難
かを測定した結果を表１に示す。

【００１５】

【表１】

【００１６】

【発明の効果】以上の如く、本発明の灯具用ホットメル
ト型シ−ル剤は、自動車用灯具のレンズとハウジングボ
ディ−をシ−ルすることができ、かつ分離も容易である
ので、灯具用シ−ル剤の他に、分別回収して再使用する
ガラス、金属、プラスチックなどのホットメルト型シ−
ル剤として有用である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スチレン系ブロックコポリマ−及びポリ
   フェニレンオキシドを必須成分とすることを特徴とする
   灯具用ホットメルト型シ−ル剤。