JP2012116963A - ホットメルト型のシーラント剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】常温で密着させることができ、密着後は十分な耐熱性を有し、かつ衝撃や振動を受けても十分な接着性を維持する、ホットメルト型のシーラント剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、1〜30質量%のブチル系ゴムと、5〜30質量%のワックスとを含み、5%の変位を生じさせる外力を付加した状態での応力が初期応力の1/4になるまでに要する時間が10分以内であり、JIS K 6301に準じて測定したA型硬度が13以下である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、1〜30質量%のブチル系ゴムと、5〜30質量%のワックスとを含み、5%の変位を生じさせる外力を付加した状態での応力が初期応力の1/4になるまでに要する時間が10分以内であり、JIS K 6301に準じて測定したA型硬度が13以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は、ホットメルト型のシーラント剤組成物に関する。
従来より、自動車のヘッドランプなどの灯具、照明器具、電子機器、信号機等の製造または自動車のサイドガラス、窓ガラス等の取り付けにおいて、シールを目的としてホットメルト型のシーラント剤組成物が用いられている。
加熱溶融して塗布し、冷却して固化することにより接着力を発揮するホットメルト型のシーラント剤組成物は、揮発物がなく高速接着が可能であり、さらに作業性がよいという利点を有する。
ホットメルト型のシーラント剤組成物としては、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン系ブロック共重合体、ブチル系ゴムなどのベースポリマーに粘着付与剤等を配合したものが用いられる。
ホットメルト型のシーラント剤組成物は、その用途に応じて求められる性質は異なるが、たとえば、自動車のヘッドランプなどの灯具に適用される場合、衝撃や振動を受け易いため、衝撃や振動を受けても接着性が維持される性能が求められる。特開平10−102024号公報(特許文献1)には、ブチル系ゴムを含有するホットメルト接着剤であって、かかる接着剤は応力を受けても短時間に緩和し、また高い接着性を示すことが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載のホットメルト型のシーラント剤組成物は、シーラント剤組成物が常温より高い温度にある状態で被着体を接着させるものであり、常温で密着させることが難しかった。たとえば、第1の被着体にシーラント剤組成物を塗布して一定の時間を経た後に、再度加熱することなく第2の被着体を十分に密着させることは難しかった。したがって、用途や使用条件が限定されるという問題があった。また、再加熱により第1の被着体が変形する等の不都合が生じる場合があった。
本発明は、常温で密着させることができ、密着後は十分な耐熱性を有し、かつ衝撃や振動を受けても十分な接着性を維持する、ホットメルト型のシーラント剤組成物を提供することを目的とする。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、1〜30質量%のブチル系ゴムと、5〜30質量%のワックスとを含み、5%の変位を生じさせる外力を付加した状態での応力が初期応力の1/4になるまでに要する時間が10分以内であり、JIS K 6301に準じて測定したA型硬度が13以下である。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、上記ブチル系ゴムの配合量が5〜25質量%であることが好ましく、上記ワックスの配合量が5〜25質量%であることが好ましい。
また、本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、上記ワックスの融点が90〜170℃であることが好ましい。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物の一つの態様は、成形され、少なくとも一方の面に剥離紙が貼付されているもので、被着体に貼る際に加熱することなく密着させることができる。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、たとえば、建材、自動車または電子機器において、止水また防水のために用いられる。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、常温で密着させることができ、密着後は十分な耐熱性が維持され、かつ衝撃や振動を受けても十分な接着性を維持する。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、ブチル系ゴムと、ワックスとを含み、5%の変位を生じさせる外力を付加した状態での応力が初期応力の1/4になるまでに要する時間が10分以内であり、JIS K 6301に準じて測定したA型の硬度が13以下である。
ブチル系ゴムは、ホットメルト型のシーラント剤組成物にシール性、耐候性、耐水性、耐熱性、衝撃吸収性などを付与する。本発明において使用し得るブチル系ゴムとしては、たとえばイソブチレンに数%のイソプレンを共重合した共重合体および該共重合体のハロゲン化物等が含まれる。ブチル系ゴムは、ムーニー粘度が30〜60(ML1+8(125℃))のものが好ましく用いられる。本発明において、ブチル系ゴムは、ホットメルト型のシーラント剤組成物組成物中1〜30質量%で配合され、好ましくは5〜25質量%で配合される。ブチル系ゴムが1質量%未満であると十分な凝集力が得られない場合があり、30質量%を超えると十分な耐振動性が得られない場合がある。
ブチル系ゴムとしては、たとえば、市販品のブチルゴム268(JSR(株)製)を使用することができる。
ゴム原料はブチル系ゴムのみに限定されることはなく、他のゴムを併用してもよい。ブチル系ゴムと他のゴムを併用する場合、他のゴムとしては、スチレン系ブロック共重合体が好ましく用いられる。具体的には、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレンブロック共重合体や、これらの水素添加変性物、たとえばスチレン−エチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。
ワックスは、シーラント剤組成物の加熱溶融時の流動性を増大させ、かつ耐熱性を向上させる。本発明において使用し得るワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸変性ワックス等が挙げられる。本発明において、ワックスは、シーラント剤組成物中5〜30質量%で、好ましくは5〜25質量%で配合する。5質量%未満であると、十分な耐熱性が得られない場合があり、30質量%を超えると常温での粘着性、耐振動性が十分でない場合がある。本発明で用いるワックスの融点は90〜170℃であることが好ましい。ワックスの融点が90℃未満の場合、耐熱性向上の効果が十分でない場合がある。
ワックスとしては、たとえば、市販品のビスコール660P(商品名、ポリプロピレン(PP)ワックス、融点:140℃、三洋化成工業(株)製)、Hiwax200P(商品名、ポリエチレン(PE)ワックス、融点:122℃、三井化学(株)製)を使用することができる。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物には、さらに粘着付与剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤等を配合することができる。粘着付与剤としては、天然ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステル及び水添ロジンエステル等のロジン系粘着付与剤;ポリテルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂及び水添テルペン樹脂等のテルペン系粘着付与剤;芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂及び水添石油樹脂等の石油樹脂系粘着付与剤;クマロン・インデン系粘着付与剤;スチレン系粘着付与剤が挙げられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、シリカ、カーボンブラック等が例示される。可塑剤としては、流動パラフィン、パラフィン系、ナフテン系、アロマ系等のプロセスオイル、液状ポリイソプレン等の液状ゴム、エステル系可塑剤、植物性油、液状ポリブテン等が例示される。老化防止剤としては、フェノール系、アミン系、アルデヒド系のものが使用される。その他に、各種の酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を配合してもよい。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、構成成分を順次添加し、混合および混練して調製することができるが、種々の成分を同時にまたは段階的に配合し、混合および混練して調製することもできる。ホットメルト型のシーラント剤組成物の混合および混練は、バンバリーミキサー、加熱ニーダー、一軸または二軸エクストルーダーなどを用いて行なうことができる。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、応力が初期応力の1/4になるまでに要する時間が10分以内のものである。このような物性を有することにより、変動を繰り返し加えても高い密着性が維持される。変動を繰り返し加えても高い密着性が維持される場合、衝撃・振動に対しても高い密着性が維持されることになる。衝撃・振動は、変動が生じたり、変動が繰り返されたりすることを意味するからである。ブチル系ゴムの配合量を1〜30質量%、ワックスの配合量を5〜30質量%とすることにより、このような物性を有するホットメルト型のシーラント剤組成物を調製することが可能となる。本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物において、応力が初期応力の1/4になるまでに要する時間が8分以内であることがより好ましい。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、JIS K 6301に準じて測定したA型の硬度が13以下のものである。硬度がこの範囲内にあることにより、常温で十分に密着させることができ、そして常温で密着した後に変動を繰り返し加えても密着性が維持される。ブチル系ゴムの配合量を1〜30質量%、ワックスの配合量を5〜30質量%とすることにより、このような物性を有するホットメルト型のシーラント剤組成物を調製することが可能となる。JIS K 6301に準じて測定したA型の硬度が13以下であることがより好ましい。
ホットメルト型のシーラント剤組成物は、溶融して被着体に塗布した後に放置すれば空気中で冷却され、被着体上に固形の成形シーラントが形成される。この成形シーラントは、この状態もしくは剥離紙を貼付した状態で長期間保管することができる。また、剥離紙上に成形シーラントを形成し、さらに剥離紙を貼付して剥離紙に挟まれた状態のシーラントとして長期間保管することができる。これらのシーラントは、常温で密着性を有するため、加熱等の煩雑な工程を有することなく被着体に密着させることができる。したがって、接着のための加熱が必要ないため、加熱により被着体が劣化したり、加熱に耐えうる基材の使用に限定されたり、加熱時に余計な時間やエネルギーを必要としたり、という問題が生じない。また、シーラント剤組成物の塗布および成形工程と、接着工程とを独立して行なうことができるため、長い寸法や広い面積、複雑な形状をも容易にシーリングすることができる。
本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物は、プラスチック全般に使用可能である。たとえば、建材、自動車または電子機器において、止水また防水のために用いることができる。より具体的には、自動車照明灯具の製造の際に、レンズとハウジングを接着およびシーリングするのに本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物が用いることができる。このような自動車照明灯具は、本発明のホットメルト型のシーラント剤組成物を用いることにより常温で組み立てることが可能であり、また自動車の振動・衝撃が生じても接着力を保持することができるので、耐久性が良好である。
以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説明する。
[実施例1〜9、比較例1〜8]
下記するゴム、ワックス、粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤を順次、表1に示す配合比率(質量基準)でニーダーに入れ、170℃に加熱して溶融し、1時間混練した。その後、混練物を冷却して、実施例1〜9、比較例1〜8のホットメルト型のシーラント剤組成物を得た。
[実施例1〜9、比較例1〜8]
下記するゴム、ワックス、粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤を順次、表1に示す配合比率(質量基準)でニーダーに入れ、170℃に加熱して溶融し、1時間混練した。その後、混練物を冷却して、実施例1〜9、比較例1〜8のホットメルト型のシーラント剤組成物を得た。
<シーラント剤組成物の成分>
ブチル系ゴム:ブチル268(商品名、JSR(株)製)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS):クインタック3450(商品名、日本ゼオン(株)製)
粘着付与剤:クリアロンP125(商品名、水添化テルペン樹脂、ヤスハラケミカル(株)製)
可塑剤:ポリブテンHV1900(商品名、液状ポリブテン、JX日鉱日石エネルギー(株)製)
ワックス:ビスコール660P(商品名、ポリプロピレン(PP)ワックス、融点:140℃、三洋化成工業(株)製);Hiwax200P(商品名、ポリエチレン(PE)ワックス、融点:122℃、三井化学(株)製)
酸化防止剤:1010F(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)
[物性測定]
上記のようにして得た実施例1〜9、比較例1〜8のホットメルト型のシーラント剤組成物を、それぞれ下記の測定方法に従い、硬度、溶融粘度、応力緩和時間を測定した。測定結果を表1に示す。
ブチル系ゴム:ブチル268(商品名、JSR(株)製)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS):クインタック3450(商品名、日本ゼオン(株)製)
粘着付与剤:クリアロンP125(商品名、水添化テルペン樹脂、ヤスハラケミカル(株)製)
可塑剤:ポリブテンHV1900(商品名、液状ポリブテン、JX日鉱日石エネルギー(株)製)
ワックス:ビスコール660P(商品名、ポリプロピレン(PP)ワックス、融点:140℃、三洋化成工業(株)製);Hiwax200P(商品名、ポリエチレン(PE)ワックス、融点:122℃、三井化学(株)製)
酸化防止剤:1010F(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)
[物性測定]
上記のようにして得た実施例1〜9、比較例1〜8のホットメルト型のシーラント剤組成物を、それぞれ下記の測定方法に従い、硬度、溶融粘度、応力緩和時間を測定した。測定結果を表1に示す。
<硬度>
JIS K 6301に基づき、A型硬度を測定した。
JIS K 6301に基づき、A型硬度を測定した。
<溶融粘度>
180℃におけるB型粘度計による粘度を測定した。
180℃におけるB型粘度計による粘度を測定した。
<応力緩和試験>
テンシロン引張り試験機(オリエンテック(株)製)を用いて、25℃にて下記の試験片の厚み方向に0.5mm/minの引張り速度で5%の変位(0.1mm)となるよう外力を加えた。その際に生じた初期応力を測定した。その後、5%の変位を生じさせる外力を付加した状態で応力を測定し続けて、かかる応力が初期応力の1/2、1/4になるまでの時間を測定した。
テンシロン引張り試験機(オリエンテック(株)製)を用いて、25℃にて下記の試験片の厚み方向に0.5mm/minの引張り速度で5%の変位(0.1mm)となるよう外力を加えた。その際に生じた初期応力を測定した。その後、5%の変位を生じさせる外力を付加した状態で応力を測定し続けて、かかる応力が初期応力の1/2、1/4になるまでの時間を測定した。
(試験片)
実施例1〜9、比較例1〜8の各ホットメルト型のシーラント剤組成物を、基材(アルミ板、50mm×50mm×3mm厚)の上に短冊状(30mm長×5mm幅×2mm厚)の3本のシーラントを形成するように、180℃で塗布および成形した。その後室温に24時間放置してから、シーラントを形成したものと同様の基材をシーラント上に貼り付けた。このようにしてシーラントを2枚の基材で挟み込んだ試験片を作製した。
実施例1〜9、比較例1〜8の各ホットメルト型のシーラント剤組成物を、基材(アルミ板、50mm×50mm×3mm厚)の上に短冊状(30mm長×5mm幅×2mm厚)の3本のシーラントを形成するように、180℃で塗布および成形した。その後室温に24時間放置してから、シーラントを形成したものと同様の基材をシーラント上に貼り付けた。このようにしてシーラントを2枚の基材で挟み込んだ試験片を作製した。
[評価]
上記のようにして得た実施例1〜9、比較例1〜8のホットメルト型のシーラント剤組成物の性能を評価した。評価は以下に説明するETC試験、垂下性試験、指触タック試験により行なった。試験結果を表1に示す。
上記のようにして得た実施例1〜9、比較例1〜8のホットメルト型のシーラント剤組成物の性能を評価した。評価は以下に説明するETC試験、垂下性試験、指触タック試験により行なった。試験結果を表1に示す。
<ETC試験>
応力緩和試験と同様の方法で作製した試験片を用い、23℃下にてテンシロン引張り試験機(オリエンテック(株)製)を用いて試験片を厚み方向に3mm引張り(2枚の基材の間隔が3mm広くなるように引張る)、その後元に戻した。この動作を100回繰り返した。速度は、1回の動作当たり5秒とした。そして、以下の基準で評価を行なった。ETC試験は、引張りおよび引張りの繰り返しに関して通常の使用ではほとんど生じることがない過酷な条件下に晒すように設定しているため、ETC試験において剥離が生じない場合は、通常の使用における衝撃および振動においても高い接着性を維持するものであると予測される。
○:100回の動作中に剥離がなかった
△:100回の動作中にシーラントの一部が基材から剥がれた
×:シーラントが完全に基材から剥がれた。
応力緩和試験と同様の方法で作製した試験片を用い、23℃下にてテンシロン引張り試験機(オリエンテック(株)製)を用いて試験片を厚み方向に3mm引張り(2枚の基材の間隔が3mm広くなるように引張る)、その後元に戻した。この動作を100回繰り返した。速度は、1回の動作当たり5秒とした。そして、以下の基準で評価を行なった。ETC試験は、引張りおよび引張りの繰り返しに関して通常の使用ではほとんど生じることがない過酷な条件下に晒すように設定しているため、ETC試験において剥離が生じない場合は、通常の使用における衝撃および振動においても高い接着性を維持するものであると予測される。
○:100回の動作中に剥離がなかった
△:100回の動作中にシーラントの一部が基材から剥がれた
×:シーラントが完全に基材から剥がれた。
<垂下性試験>
実施例1〜9、比較例1〜8の各シーラント剤組成物を、10mm角の立方体のシーラントとなるように140℃で成形した。このシーラントを室温に24時間放置した後、垂直に支持したアルミニウム板(2mm厚)の表面に押圧し接着させた。そして、このシーラントが接着されたアルミニウム板を60℃の温度の雰囲下に24時間放置した後、以下の基準で垂下性を評価した。さらに、放置する温度が80℃、100℃、120℃であること以外は同様の方法で試験を行なった。垂下する場合、その温度において耐熱性が十分でないことを意味する。
○:シーラントに変化なし
△:シーラントが少し垂下する
×:シーラントが涙型状になる、または流れる。
実施例1〜9、比較例1〜8の各シーラント剤組成物を、10mm角の立方体のシーラントとなるように140℃で成形した。このシーラントを室温に24時間放置した後、垂直に支持したアルミニウム板(2mm厚)の表面に押圧し接着させた。そして、このシーラントが接着されたアルミニウム板を60℃の温度の雰囲下に24時間放置した後、以下の基準で垂下性を評価した。さらに、放置する温度が80℃、100℃、120℃であること以外は同様の方法で試験を行なった。垂下する場合、その温度において耐熱性が十分でないことを意味する。
○:シーラントに変化なし
△:シーラントが少し垂下する
×:シーラントが涙型状になる、または流れる。
<指触タック試験>
厚み2mmに成形(成形温度:140℃)したシーラント剤組成物を常温下で24時間放置し、エチルアルコールで洗浄した指先で表面の3箇所に軽く触れ、以下の基準で濡れ性を評価した。指触タック試験は、常温下での濡れ性を確認しており、濡れ性がある場合は常温下で被着体を密着させることができることを意味する。
○:指先に付着する
△:指先に少し付着する
×:指先に付着しない。
厚み2mmに成形(成形温度:140℃)したシーラント剤組成物を常温下で24時間放置し、エチルアルコールで洗浄した指先で表面の3箇所に軽く触れ、以下の基準で濡れ性を評価した。指触タック試験は、常温下での濡れ性を確認しており、濡れ性がある場合は常温下で被着体を密着させることができることを意味する。
○:指先に付着する
△:指先に少し付着する
×:指先に付着しない。
表1に示されるように、実施例1〜9のホットメルト型のシーラント剤組成物は、全て5%の変位を生じさせる外力を付加した状態での応力が初期応力の1/4になるまでに要する時間が10分以内であり、JIS K 6301に準じて測定したA型硬度が13以下であった。
また、表1に示されるように、ブチル系ゴムの配合量が1質量%未満である比較例1は耐熱性が十分ではなく、ブチル系ゴムの配合量が30質量%より大きい比較例2は、ETC試験により剥離が発生した。また、ワックスの配合量が5質量%未満である比較例3,6は、100℃で24時間放置すると垂下が生じるため十分な耐熱性を有さず、ワックスの配合量が30質量%を超える比較例4,5,7は、ETC試験により剥離が生じた。また、比較例4,5,7は、指触タック試験においてもタックがない結果となっており、したがって常温での密着性が低いものとなる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
Claims (6)
- 1〜30質量%のブチル系ゴムと、5〜30質量%のワックスとを含み、
5%の変位を生じさせる外力を付加した状態での応力が初期応力の1/4になるまでに要する時間が10分以内であり、
JIS K 6301に準じて測定したA型硬度が13以下である、ホットメルト型のシーラント剤組成物。 - ブチル系ゴムの配合量が5〜25質量%である、請求項1に記載のホットメルト型のシーラント剤組成物。
- ワックスの配合量が5〜25質量%である、請求項1または2に記載のホットメルト型のシーラント剤組成物。
- ワックスの融点が90〜170℃である、請求項1〜3のいずれかに記載のホットメルト型のシーラント剤組成物。
- 成形され、少なくとも一方の面に剥離紙が貼付されているもので、被着体に貼る際に加熱することなく密着させることができる、請求項1〜4のいずれかに記載のホットメルト型のシーラント剤組成物。
- 建材、自動車または電子機器において、止水また防水のために用いられる、請求項1〜5のいずれかに記載のホットメルト型のシーラント剤組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017190428A (ja) * | 2016-04-15 | 2017-10-19 | 旭化成株式会社 | 粘接着剤組成物 |
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