JPH0631305U - 走行方向検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】１個の車上子と地上子で移動体の走行方向を確
実に検出する。 【構成】車上子１に移動体の進行方向に対して前後に位
置を一部ずらして同一位置に重複して複数の電力波受信
アンテナ３ａ，３ｂを設け、各電力波受信アンテナ３
ａ，３ｂで受信した電力波による電圧を順次情報発生回
路１１の入力端子に送る。情報発生回路１１は各電力波
受信アンテナ３ａ，３ｂの配置と移動体の走行方向に応
じた情報信号を発生して情報出力回路１２に送る。情報
出力回路１２は送られた情報信号を情報送信アンテナ４
を介して地上に送信する。地上装置２は各電力波受信ア
ンテナ３ａ，３ｂの配置と移動体の走行方向によって異
なる情報を受信し、移動体の走行方向を検出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は無電源車上子を搭載した車両等の移動体の走行方向を検出する走行 方向検出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

車両等の移動体の運行を管理するために、情報伝送用にトランスポンダを使用 した運行管理システムが使用されている。この運行管理システムは、図３の構成 図に示すように、車両に搭載された無電源の車上子１と、地上の所定の位置に設 置された地上装置２とを有する。車上子１には電力波受信アンテナ３と情報送信 アンテナ４，平滑回路５及び個別情報出力回路６とが設けられ、地上装置２には 電力波送信アンテナ７と情報受信アンテナ８とを有する地上子９と地上送受信器 １０とが設けられている。

【０００３】 地上送受信器１０は常時電力波を発生し、地上子９の電力波送信アンテナ７を 介して車両の走行路に送り出している。車両が地上装置２の設置位置に接近し、 車上子１が地上子９の上を通過するときに、車上子１の電力波受信アンテナ３が 地上子９の電力波送信アンテナ７から送信している電力波を受信し、受信した電 力波を平滑回路５で平滑し、平滑した電力を個別情報出力回路６に送る。個別情 報出力回路６は電力が送られるとあらかじめ車両毎に定められている固有の情報 を情報送信アンテナ４に送り、情報送信アンテナ４を介して地上に送信する。地 上子９は車上子１から固有の情報が送信されると、情報受信アンテナ８で受信し て地上送受信器１０に送る。地上送受信器１０は送られた固有の情報により、ど の車両が通過するかを検知する。

【０００４】 このようなトランスポンダを使用したシステムにおいては車上子１から地上装 置２に車両に固有な固定情報のみが送信されるため、車両の走行方向を検出する 場合には、異なる固定情報を有する２個の車上子１を車両の前後に設け、各車上 子から送信される固有情報の地上装置２による検出順序によって走行方向を検出 したり、あるいは地上子９を車両の走行路に沿って２個設け、車上子１から送信 される固有情報の各地上子による検出順序によって走行方向を検出している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように無電源の車上子１を搭載した車両の走行方向を検出する場合には 車両に複数の車上子を搭載したり、地上に複数の地上子を設置する必要があり、 装置が複雑になるとともに保守点検が容易でなかいという短所があった。

【０００６】 この考案はかかる短所を改善するためになされたものであり、１個の車上子と 地上子で移動体の走行方向を確実に検出することができる走行方向検出装置を得 ることを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る走行方向検出装置は、車上子と地上装置とを有する走行方向検 出装置であって、車上子は地上からの電力波を受信し、地上に情報を送信するも のであり、複数の電力波受信アンテナと平滑回路と情報発生回路と情報出力回路 及び情報送信アンテナとを有し、複数の電力波受信アンテナは移動体の進行方向 に対して前後に位置を一部ずらして同一位置に重複して設けられ、地上子から送 られる電力波を受信し、平滑回路は各電力波受信アンテナで受信した電力波をそ れぞれ平滑して情報発生回路と情報出力回路に送り、情報発生回路は電力波受信 アンテナと同じ数の入力端子を有し、各入力端子に電圧が供給される順序により 異なる情報を発生して情報出力回路に送り、情報出力回路は送られた情報を情報 送信アンテナに送り、情報送信アンテナは電力波受信アンテナと同一位置に設け られ、地上に情報を送信し、地上装置は地上子と地上送受信器とを有し、地上子 は車上子に電力波を送信し、車上子から情報を受信するものであり、電力波送信 アンテナと情報受信アンテナとを有し、地上送受信器は移動体に送る電力波を発 生するとともに移動体からの情報を受けて移動体の位置と走行方向を検出するこ とを特徴とする。

【０００８】

【作用】

この考案においては、車上子に移動体の進行方向に対して前後に位置を一部ず らして同一位置に重複して複数の電力波受信アンテナを設け、各電力波受信アン テナで受信した電力波による電圧を順次情報発生回路の入力端子に送る。情報発 生回路は入力端子に電圧が入力される順序、すなわち各電力波受信アンテナの配 置と移動体の走行方向に応じた情報信号を発生して情報出力回路に送り、情報送 信アンテナを介して地上に送信する。地上装置は各電力波受信アンテナの配置と 移動体の走行方向によって異なる情報を受信して移動体の走行方向を検出する。

【０００９】

【実施例】

図１はこの考案の一実施例を示す構成図である。図に示すように、走行方向検 出装置は車両に搭載された無電源の車上子１と、地上の所定の位置に設置された 地上装置２とを有する。

【００１０】 車上子１には複数例えば２個の電力波受信アンテナ３ａ，３ｂと情報送信アン テナ４，平滑回路５，情報発生回路１１及び情報出力回路１２とを有する。２個 の電力波受信アンテナ３ａ，３ｂは車両の進行方向に対して前後に位置を一部ず らして同一位置に重複して設けられ、地上から送られる電力波を受信する。平滑 回路５は各電力波受信アンテナ３ａ，３ｂで受信した電力波をそれぞれ平滑して 動作回路１１と情報出力回路１２に送る。情報発生回路１１は電力波受信アンテ ナ３ａ，３ｂと同じ数の入力端子を有し、各入力端子に電圧が供給される順序に より異なる情報を発生して情報出力回路１２に送る。情報出力回路１２は送られ た情報を情報送信アンテナ４に送る。情報送信アンテナ４は電力波受信アンテナ ３ａ，３ｂの内部に設けられ、情報出力回路１２から送られた情報を地上に送信 する。

【００１１】 地上装置２には電力波送信アンテナ７と情報受信アンテナ８とを有する地上子 ９と地上送受信器１０とが設けられている。地上送受信器１０は電力波を発生し て電力波送信アンテナ７に送り、情報受信アンテナ８で受信した車上子１からの 情報を受けて車両の位置と走行方向を検出する。

【００１２】 上記のように構成された走行方向検出装置により、車両が矢印Ａ方向に進行す るときの走行方向を検出する動作を図２のタイムチャ−トを参照して説明する。

【００１３】 地上送受信器１０は常時電力波を発生し、地上子９の電力波送信アンテナ７を 介して車両の走行路に送り出している。車両がＡ方向に進行して地上装置２の設 置位置に接近し、車上子１が地上子９の上を通過するときに、まず車上子１の電 力波受信アンテナ３ａが電力波送信アンテナ７から送信している電力波を受信す る。電力波受信アンテナ３ａで受信した電力波は平滑回路５で平滑され、図２に 示すように、電圧１３を情報発生回路１１と情報出力回路１２に送る。情報発生 回路１１は電圧１３が送られると、例えば（１，０）の情報信号を発生して情報 出力回路１２に送る。情報出力回路１２は電源電圧として電圧１３が送られると 起動し、情報発生回路１１から送られている情報信号（１，０）を情報送信アン テナ４を介して地上に送信する。

【００１４】 車両が進行し、車上子１の電力波受信アンテナ３ｂも電力波送信アンテナ７か ら送信している電力波を受信すると、平滑回路５からは電力波受信アンテナ３ｂ で受信した電力波による電圧１４も情報発生回路１１と情報出力回路１２に送ら れる。情報発生回路１１は電力波受信アンテナ３ａの受信による電圧１３と電力 波受信アンテナ３ｂによる電圧１４が同時に送られると、先に発生して送り出し ている情報信号（１，０）を情報信号（１，１）に変更して情報出力回路１２に 送る。情報出力回路１２は送られた情報信号（１，１）を情報送信アンテナ４を 介して地上に送信する。

【００１５】 さらに車両が進行し、車上子１の電力波受信アンテナ３ａが電力波送信アンテ ナ７の上を通過してしまうと、電力波受信アンテナ３ａの受信による電圧１３は 零になり、情報発生回路１１には電力波受信アンテナ３ｂによる電圧１４のみが 送られる。情報発生回路１１は電圧１４のみが送られると情報信号（１，１）を 情報信号（０，１）に変更して情報出力回路１２に送る。情報出力回路１２は送 られた情報信号（０，１）を情報送信アンテナ４を介して地上に送信する。

【００１６】 このようにして車両がＡ方向に進行する場合には、車両の進行にともない順次 （１，０），（１，１），（０，１）と変化する情報信号を車上子１から地上に 送信する。また、車両がＡ方向と逆方向に進行する場合には、車両の進行にとも ない順次（０，１），（１，１），（１，０）と変化する情報信号を車上子１か ら地上に送信する。

【００１７】 地上子９の情報受信アンテナ８は車両の進行にともない順次変化する情報信号 を受信して地上送受信器１０に送る。地上送受信器１０は順次変化する情報信号 の内容により車両がＡ方向に進行するか、逆方向に進行するかを検出する。

【００１８】

【考案の効果】

この考案は以上説明したように、車上子は移動体の進行方向に対して前後に位 置を一部ずらして同一位置に重複して設けた複数の電力波受信アンテナの配置と 移動体の走行方向に応じた情報信号を発生して地上に送信するようにしたから、 １個の車上子と地上子により移動体の走行方向を確実に検出することができる。

【００１９】 また、１個の車上子と地上子により移動体の走行方向を検出することができる から、装置自体を簡単な構成にすることができ、保守，点検等を容易に行なうこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す構成図である。

【図２】上記実施例の動作を示すタイムチャ−トであ
る。

【図３】無電源車上子を使用した運行管理システムの構
成図である。

【符号の説明】

１ 車上子 ２ 地上装置 ３ａ，３ｂ 電力波受信アンテナ ４ 情報送信アンテナ ５ 平滑回路 ７ 電力波送信アンテナ ８ 情報受信アンテナ ９ 地上子 １０ 地上送受信器 １１ 情報発生回路 １２ 情報出力回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車上子と地上装置とを有する走行方向検
   出装置であって、 車上子は地上からの電力波を受信し、地上に情報を送信
   するものであり、複数の電力波受信アンテナと平滑回路
   と情報発生回路と情報出力回路及び情報送信アンテナと
   を有し、 複数の電力波受信アンテナは移動体の進行方向に対して
   前後に位置を一部ずらして同一位置に重複して設けら
   れ、地上子から送られる電力波を受信し、平滑回路は各
   電力波受信アンテナで受信した電力波をそれぞれ平滑し
   て情報発生回路と情報出力回路に送り、情報発生回路は
   電力波受信アンテナと同じ数の入力端子を有し、各入力
   端子に電力が供給される順序により異なる情報を発生し
   て情報出力回路に送り、情報出力回路は送られた情報を
   情報送信アンテナに送り、情報送信アンテナは電力波受
   信アンテナと同一位置に設けられ、地上に情報を送信
   し、 地上装置は地上子と地上送受信器とを有し、 地上子は車上子に電力波を送信し、車上子から情報を受
   信するものであり、電力波送信アンテナと情報受信アン
   テナとを有し、地上送受信器は移動体に送る電力波を発
   生するとともに移動体からの情報を受けて移動体の位置
   と走行方向を検出することを特徴とする走行方向検出装
   置。