JPH0631297B2 - 新規なアントラサイクリン類およびその製造方法 - Google Patents

新規なアントラサイクリン類およびその製造方法

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JPH0631297B2
JPH0631297B2 JP60121633A JP12163385A JPH0631297B2 JP H0631297 B2 JPH0631297 B2 JP H0631297B2 JP 60121633 A JP60121633 A JP 60121633A JP 12163385 A JP12163385 A JP 12163385A JP H0631297 B2 JPH0631297 B2 JP H0631297B2
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    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/24Condensed ring systems having three or more rings
    • C07H15/252Naphthacene radicals, e.g. daunomycins, adriamycins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アントラサイクリングコシド誘導体、それら
の製造方法およびそれらを含有する医薬組成物並びに上
記グリコシドの製造に有用な中間体に関するものであ
る。
本発明は一般式IまたはII [式中、Rは水素原子またはメトキシ基を表し、R
は水素原子または水酸基を表し、Rはアミノ基または
保護されたアミノ基を表し、そしてRはフツ素原子、
ヒドロキシル基またはトリフルオロメチルスルホニルオ
キシ基を表す。] で示されるアントラサイクリングリコシド類または薬学
的に許容されるその酸付加塩を提供するものである。
適当な酸付加塩としては、ハロゲン化水素酸のような無
機酸とりわけ塩化水素酸の塩および有機カルボン酸並び
にスルホン酸とりわけ酢酸の塩を含むものである。
したがって、本発明は糖部分にフツ素原子を有するダウ
ノルビシンおよびドキソルビシン類縁体を提供するもの
であり、より詳細には、天然のアントラサイクリノン
類、ダウノマイシノン類およびアドリアマイシノン類や
全合成法による4−デメトキシダウノマイシノン類およ
び4−デメトキシアドリアマイシノン類のC-7OHが新規
な糖類2,3,4,6,−テトラデオキシ−3−アミノ−4−フ
ルオロ−L−アラビノヘキソピラノースIIIおよび2,3,
5,6−テトラデオキシ−3−アミノ5−フルオロ−L−
アラビノヘキソフラノースまたは2,3,5,6−テトラデオ
キシ−3−アミノ−5−フルオロ−D−キシロヘキソフ
ラノースIVとグリコシド結合したダウノルビシンおよび
ドキソルビシン類縁体を提供するものである。糖IVに対
する上述した命名法は、フツ素原子を有する炭素の絶対
配置が不確定であることによるものである。
本発明は一般式IおよびIIの化合物の製造に有用な、反
応図式に示した化合物をも提供するものである。
更にまた、本発明は、式I′またはII′: (式中、Rは水素原子またはメトキシ基を表し、そし
てRは水素原子または水酸基を表す) で示される化合物の製造方法であって、 式(1a,b) (式中、Rは上記と同義である)で示される化合物の
アミノ基を保護し、これをトリフルオロメタンスルホン
酸無水物で処理して対応する4′−O−トリフルオロメ
タンスルホネートを得、これを無水フッ化n−テトラブ
チルアンモニウムで処理して4′−トリフルオロメタン
スルホニルオキシ基をフッ素に変換して式I′およびI
I′(R2=H)のアミノ基の保護された誘導体の混合物を
得、次いでアミノ保護基を除去する反応に付した後、R
が水素である式I′及びII′の化合物を単離し、要す
れば、9−アセチル基をヒドロキシアセチル基に変換
し、場合によっては、その後、薬学的に許容される酸付
加塩を形成する方法を提供するものである。本発明の方
法は、要約すると下記の反応図式となる。
新規なアントラサイクリン類a,bを製造するた
めの出発物質は、4′−エピ−ダウノルビシン1a[エ
フ・アルカモネら(F.Arcamone et al.),ジェイ・
メド・ケム・(J.Med.Chem.)18,703(1975)参照]
および4−デメトキシ−4′−エピ−ダウノルビシン
b[エイ・ディ・マルコら(A.Di Marco et al.)、カ
ンサー・トリート・レプ(Cancer Treat.Rep.62,375(19
78)参照]である。
フルオロ誘導体を形成するためには、糖部分のアミノ基
をベンゾフェノンシッフ塩基として保護する(2a
)。次いで無水の塩化メチレン中乾燥ピリジンのよう
な有機塩基の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無
水物で処理することにより、ほぼ定量的な収率で対応す
る4′−エピ−4′−O−トリフルオロメタンスルホネ
ート3aを生成することができる。
3a,bを非プロトン性溶媒中フツ素化物塩と反応させ
ると、生成物4−5aの混合物が得られる。
N−ジフェニルメチレン保護基を穏和な酸性条件で加水
分解することにより、新規なダウノルビシン誘導体6−
7aが得られ、これらはクロマドグラフィーにより
分離される。
化合物6−7aの対応するドキソ類縁体8−9a,
bへの変換は、ダウノルビシンの14−ブロム誘導体を
経てドキソルビシンへの変換について、米国特許第3,80
3,124号に記載されているようにして行なうことができ
る。グリコシド6a(R1=OCH3)、6b(R1=H)、7a
(R1=OCH3)、7b(R1=H)並びにこれらに対応するド
キソ誘導体8a(R1=OCH3)、8b(R1=H)、9a(R1=
OCH3)および9b(R1=H)は抗腫瘍剤として有用であ
る。
更に、本発明は、活性成分としての一般式IまたはIIの
アントラサイクリングリコシド類または薬学的に許容さ
れるこれらの酸付加塩とそれらに対する薬学的に許容さ
れる担体とからなる医薬組成物を提供するものである。
上記組成物は、従来の方式で従来の担体を用いて構成す
ることができる。
式IおよびIIの化合物は、ダウノルビシンおよびドキソ
ルビシンに対して用いられるような従来の用法および用
量で治療学的に有効量投与することができる。
式Iの化合物は、ヒトまたは動物体の治療処置方法にお
いて有用である。特に式IおよびIIの化合物は抗腫瘍剤
として有用である。
以下本発明と実施例に基づき説明する。
実施例1 4′−エピ−N−(ジフェニルメチレン)−ダウノルビ
シン2aの製造 4′−エピ−ダウノルビシン1a 2gの塩化メチレン80ml
溶液を35℃でベンゾフェノンイミン1gで処理した。4時
間後、溶媒を減圧下で除去し、残渣を先ずヘキサンと共
にすりつぶして痕跡量のベンゾフェノンイミンを除去
し、次いでジエチルエーテル−ヘキサンより結晶化させ
ると、2aを生成した。
融点 190-195℃,FD-MSスペクトル691(M+) Rf値 0.35[シリカゲルF254(メルク社製)の
薄層クロマトグラフ上、溶離剤として塩化メチレン/ア
セトンの8/2(V/V)混合溶媒を用いて] 実施例2 4′−エピ−4′−O−トリフルオロメタンスルホネー
ト−N−(ジフェニルメチレン)−ダウノルビシン3a
製造 窒素雰囲気下、-10℃に保持した4′−エピ−N−(ジ
フェニルメチレン)−ダウノルビシン2aの無水塩化メチ
レン40mlおよび乾燥ピリジン0.3ml溶液に、トリフルオ
ロメタンスルホン酸無水物0.6mlの無水塩化メチレン10m
l溶液を加えた。30分後、反応混合物を塩化メチレンで
希釈し、水、冷0.1NHCl、冷5%NaHCO3水溶液および水
で洗浄した。
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し溶媒を減
圧下除去すると3aを生成した。
Rf値 0.6[シリカゲルF254(メルク社製)の薄
層クロマトグラフ上、溶離剤として塩化メチレン/アセ
トンの95/5(V/V)混合溶媒を用いて] PMR スペクトル(200MHz,CDCl3):1.39(d,J=6.2Hz,3
H,CH 3),1.79(dd,J=5.3,13.6Hz,1H,H2′eq)2.07-2.2(m,
1H,H2′ax),2.34(s,3H,COCH3),3.86(ddd,J=5.3,9.5,1
2.0Hz,1H,H-3′),3.96(dq,J=6.2,9.5Hz,1H,H-5′),4.0
7(s,3H,OCH3),4.97(dd,J=9.5,9.5Hz,1H,H-4′),5.26(d
d,J=2.4,3.6Hz,1H,H-7),5.46(dd,J=<1,3.5Hz,1H,H-
1′),7.00-7.63(m,10H,(Ph)2C=N) 実施例3 2′,3′,4′,6′−テトラデオキシ−3′−アミ
ノ−4′−フルオロ−L−アラビノ−ヘキソピラノシル
−ダウノルビシン6aおよび2′,3′,5′,6′−テ
トラデオキシ−3′−アミノ−5′−フルオロ−ヘキソ
フラノシル−ダウノルビシン7aの製造 無水塩化メチレン8ml中に溶解させた4′−エピ−4′
−O−トリフルオロメタンスルホネート−N−(ジフェ
ニルメチレン)−ダウノルビシン3a 1.5gに無水フ
ッ化n−テトラブチルアンモニウム2gの無水アセトニト
リル8ml溶液を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下撹拌
しながら0℃に24時間保持し、次いで酢酸エチル500ml
に注いだ。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。4a および5aを含む粗製の混合物を室温で1時間、0.1
N NC1メタノール溶液で処理し、次いで水で稀釈し、
アグリコン類を除去するために塩化メチレンで抽出し
た。
分離した水層を0.1N NaOHでpH8に調整し、塩化メ
チレンで抽出した。
有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下で溶媒を留去して濃縮した。混合物を0.
1Mリン酸ナトリウムでpH7に緩衝化させたシリカゲル
のカラムで、溶離液として塩化メチレン−エタノールを
用いてクロマトグラフィーにより分離し、遊離塩基とし
て単離されるフルオロ誘導体6a 融点 215℃ FD-MS スペクトル529(M+) Rf値 0.31[シリカゲルF254(メルク社製)の薄層ク
ロマトグラフ上、溶離剤として塩化メチレン/エタノー
ルの9/1(V/V)混合溶媒を用いて] PMR スペクトル(200MHz,CDCl3):1.31(dd,3H,6.2Hz),1.
59(ddd,1H,J=4.0,13.0,13.0Hz,H-2′ax),2.03(dddd,J
=<1,5.0,5.0,13.0Hz,1H,H-2′eq),2.41(s,3H,COCH3),
3.1-3.3(m,1H,H-3′),3.85(ddd,J=50.0,9.4,9.4Hz,1H,
H-4′),3.9-4.1(m,1H,H-5′),4.07(s,3H,OCH3),5.27(d
d,J=2.2,4Hz,1H,H-7),5.44(ddd,J=<1,3.0,4.0Hz,1H,
H-1′) および遊離塩基としてのフルオロ誘導体7a 融点 210℃(分解) FD-MS スペクトル 529(M+) Rf値 0.20[シリカゲルF254(メルク社製)の薄層ク
ロマトグラフ上、溶離剤として塩化メチレン/エタノー
ルの9/1(V/V)混合溶媒を用いて] PMR スペクトル(200MHz,CDCl3):1.45(dd,J=6.4,24.8H
z,3H,CH 3CHF),1.83-1.96(m,1H,H-2′),2.17(ddb,J=6.
0,13.0Hz,1H,H-2′),2.39(s,3H,COCH3),3.57-3.82(m,2
H,H-3′,H-4′),4.06(s,3H,OCH3),4.78(ddq,J=50.0,6.
4,6.4Hz,1H,H-5′),5.17(dd,J=2.9,4.0Hz,1H,H-7),5.68
(bd,J=5.5Hz,1H,H-1′). を得た。
遊離のアミノ塩基6aおよび7aをHClメタノール溶液で処
理することにより対応する塩酸塩に変換した。
実施例4 2′,3′,4′,6′−テトラデオキシ−3′−アミ
ノ−4′−フルオロ−L−アラビノヘキソピラノシル−
ドキソルビシン8aの製造 米国特許第3,803,124号に記載されているように、メタ
ノールとジオキサンとの混合物中の6aの溶液を臭素で処
理すると14−ブロモ誘導体が得られ、これを蟻酸ナトリ
ウムで処理すると8aを生成し、8aをHClメタノール溶液
で処理して塩酸塩に変換した。
実施例5 2′,3′,5′,6′−テトラデオキシ−3′−アミ
ノ−5′−フルオロ−ヘキソフラノシル−ドキソルビシ
9aの製造 実施例4に記載した操作法に従って、7aをそのドキソル
ビシン類縁体に変換し、これをHClメタノール溶液で処
理して塩酸塩として単離した。
実施例6 4−デメトキシ−4′−エピ−4′−O−トリフルオロ
メタンスルホネート−N−(ジフェニルメチレン)−ダ
ウノルビシン3bの製造 4−デメトキシ−4′−エピ−ダウノルビシン1bを出発
物質とし、実施例1に記載したようにして製造されるそ
のN−ジフェニルメチレン誘導体2bを経て標記化合物を
製造した。2b を無水塩化メチレンおよび乾燥ピリジン中トリフルオ
ロメタンスルホン酸無水物で処理し、溶媒を除去する
と、4−デメトキシ−4′−エピ−4′−O−トリフル
オロメタンスルホネート−N−(ジフェニルメチレン)
ダウノルビシン3bが得られた。
実施例7 4−デメトキシ−2′,3′,4′,6′−テトラデオ
キシ−3′−アミノ−4′−フルオロ−L−アラビノ−
ヘキソピラノシル−ダウノルビシン6bおよび4−デメト
キシ−2′−3′−5′−6′−テトラデオキシ−3′
−アミノ−5′−フルオロヘキソフラノシル−ダウノル
ビシン7bの製造 化合物3bを、実施例3に記載したように、無水塩化メチ
レンと無水アセトニトリルとの混合物中、無水フツ化n
−テトラブチルアンモニウムで処理することによりその
フルオロ誘導体6bおよび7bに変換した。
混合物を酸性で加水分解し、ph7に緩衝化させたシリ
カゲルのカラムで、溶離液として塩化メチレン−エタノ
ールを用いてクロマトグラフィーにより分離した後、純
粋な4−デメトキシ−2′,3′,4′,6′−テトラ
デオキシ−3′−アミノ−4′−フルオロ−L−アラビ
ノ−ヘキソピラノシル−ダウノルビシン6bおよび4−デ
メトキシ−2′,3′,5′,6′−テトラデオキシ−
3′−アミノ−5′−フルオロ−ヘキソフラノシル−ダ
ウノルビシンン7bを得た。
両化合物をHClメタノール溶液で処理することにより塩
酸塩誘導体に変換した。
実施例8 4−デメトキシ−2′,3′,4′,6′−テトラデオ
キシ−3′−アミノ−4′−フルオロ−L−アラビノ−
ヘキソピラノシル−ドキソルビシン8bの製造 標記化合物を米国特許第3,803,124号に記載された操作
に従って6bから製造し、HClメタノール溶液で処理する
ことにより塩酸塩に変換した。
実施例9 4−デメトキシ−2′,3′,5′,6′−テトラデオ
キシ−3′−アミノ−5′−フルオロ−ヘキサフラノシ
ル−ドキソルビシン9bの製造 標記化合物を米特許第3,803,124号に記載された操作に
従って7bから製造し、HClメタノール溶液で処理するこ
とにより塩酸塩に変換した。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式IまたはII [式中、Rは水素原子またはメトキシ基を表し、R
    は水素原子または水酸基を表し、Rはアミノ基または
    保護されたアミノ基を表し、そしてRはフツ素原子、
    ヒドロキシル基またはトリフルオロメチルスルホニルオ
    キシ基を表す。] で示されるアントラサイクリングリコシド類または薬学
    的に許容されるその酸付加塩。
  2. 【請求項2】Rがアミノ基であり、Rがフツ素原子
    である特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】Rがアミノ基であり、Rがヒドロキシ
    基であり、Rが水素原子である式Iで示される特許請
    求の範囲第1項記載の化合物。
  4. 【請求項4】Rがジフェニレンイミノ基であり、R
    が水素原子である特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  5. 【請求項5】上記化合物が2′,3′,4′,6′−テ
    トラデオキシ−3′−アミノ−4′−フルオロ−L−ア
    ラビノヘキソピラノシル−ダウノルビシンまたは薬学的
    に許容されるその酸付加塩である特許請求の範囲第1項
    記載の化合物。
  6. 【請求項6】上記化合物が4′−デメトキシ−2′,
    3′,4′,6′−テトラデオキシ−3′−アミノ−
    4′−フルオロ−L−ヘキソピラノシル−ダウノルビシ
    ンまたは薬学的に許容されるその酸付加塩である特許請
    求の範囲第1項記載の化合物。
  7. 【請求項7】上記化合物が2′,3′,4′,6′−テ
    トラデオキシ−3′−アミノ−4′−フルオロ−L−ア
    ラビノヘキソピラノシル−ドキソルビシンまたは薬学的
    に許容されるその酸付加塩である特許請求の範囲第1項
    記載の化合物。
  8. 【請求項8】上記化合物が4−デメトキシ−2′,
    3′,4′,6′−テトラデオキシ−3′−アミノ−
    4′−フルオロ−L−アラビノヘキソピラノシル−ドキ
    ソルビシンまたは薬学的に許容されるその酸付加塩であ
    る特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  9. 【請求項9】上記化合物が2′,3′,5′,6′−テ
    トラデオキシ−3′−アミノ−5′−フルオロ−ヘキソ
    フラノシル−ダウノルビシンまたは薬学的に許容される
    その酸付加塩である特許請求の範囲第1項記載の化合
    物。
  10. 【請求項10】上記化合物が4−デメトキシ−2′,
    3′,5′,6′−テトラデオキシ−3′−アミノ−
    5′−フルオロ−ヘキソフラノシルーダウノルビシンま
    たは薬学的に許容されるその酸付加塩である特許請求の
    範囲第1項記載の化合物。
  11. 【請求項11】上記化合物が2′,3′,5′,6′−
    テトラデオキシ−3′−アミノ−5′−フルオロ−ヘキ
    ソフラノシル−ドキソルビシンまたは薬学的に許容され
    るその酸付加塩である特許請求の範囲第1項記載の化合
    物。
  12. 【請求項12】上記化合物が4−デメトキシ−2′,
    3′,5′,6′−テトラデオキシ−3′−アミノ−
    5′−フルオロ−ヘキソフラノシルードキソルビシンま
    たは薬学的に許容されるその酸付加塩である特許請求の
    範囲第1項記載の化合物。
  13. 【請求項13】式I′またはII′: (式中、Rは水素原子またはメトキシ基を表し、そし
    てRは水素原子または水酸基を表す)で示される化合
    物の製造方法であって、 式(1a,b) (式中、Rは上記と同義である)で示される化合物の
    アミノ基を保護し、これをトリフルオロメタンスルホン
    酸無水物で処理して対応する4′−O−トリフルオロメ
    タンスルホネートを得、これを無水フツ化n−テトラブ
    チルアンモニウムで処理して、4′−トリフルオロメタ
    ンスルホニルオキシ基をフツ素に変換して式I′および
    II′(R=H)のアミノ基の保護された誘導体の混合
    物を得、次いでアミノ保護基を除去する反応に付した
    後、Rが水素である式I′及びII′の化合物を単離
    し、要すれば、9−アセチル基をヒドロキシアセチル基
    に変換し、場合によっては、その後、薬学的に許容され
    る酸付加塩を形成することを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】4′−エビ−ダウノルビシンまたはその
    4−デメトキシ類縁体を塩化メチレンに溶解して、35
    ℃でベンゾフェノンイミンと反応させて対応する4′−
    エピ−N−(ジフェニルメチレン)誘導体を得;次いで
    この誘導体を窒素雰囲気下−10℃の温度で無水塩化メ
    チレン中乾燥ピリジンを存在させて、トリフルオロメタ
    ンスルホン酸無水物で処理して対応する4′−エピ−N
    −(ジフェニルメチレン)−4′−O−トリフルオロメ
    タンスルホネートを得;これを窒素雰囲気下0℃の温度
    で無水塩化メチレン中無水フツ化n−テトラブチルアン
    モニウムと24時間反応させることにより、トリフルオ
    ロメタンスルホニルオキシ基をフッ素原子に置換させ
    て、式I′およびII′(R=H,OCH;R
    H)のアミノ基の保護された誘導体の混合物を得;この
    混合物を穏和な酸性条件で加水分解し;このようにして
    得られた遊離のグリコシド塩基を緩衝させたシリカゲル
    のカラムでクロマトグラフィーにより分離し、これらを
    それぞれの塩酸塩として単離し;もし必要であれば、こ
    れらを9−ブロモアセチル誘導体を経、次いで蟻酸ナト
    リウムによる加水分解でそれぞれの対応する9−ヒドロ
    キシアセチル誘導体として単離する式I′およびII′
    (R=H,OCH;R=OH)のドキソルビシン
    類縁体を製造する特許請求の範囲第13項記載の方法。
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