JPH06312692A

JPH06312692A - ウエットスーツ

Info

Publication number: JPH06312692A
Application number: JP5127853A
Authority: JP
Inventors: Yoshimi Miyamoto; 義海宮本
Original assignee: TANK KK
Current assignee: TANK KK
Priority date: 1993-04-30
Filing date: 1993-04-30
Publication date: 1994-11-08
Anticipated expiration: 2015-07-31
Also published as: JP3072358B2

Abstract

(57)【要約】【構成】発泡性ゴム材料（２ａ）の表裏両面に伸縮性
を有する織編物（２ｂ）が貼着された生地材料（２）か
ら構成され、発泡性ゴム材料（２ａ）の一部分又は全部
分に孔部（２１）が穿設される。【効果】通気性が良好で、真夏の炎天下での競技にお
いて着用しても、着用者に暑苦しさやむさ苦しさ等の不
快感を与えることなく良好な断熱・保温効果を発現し、
しかも水中から地上に移動した際に、浸水によってウエ
ットスーツと身体との間の内部に浸潤された水が空気と
ともに瞬時に外部に排出され、マリンスポーツはもとよ
り、トライアスロンにおいて着用しても、着用者の運動
性を損なわせることがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はウエットスーツに係
り、その目的は通気性が良好で、真夏の炎天下の競技に
おいて着用しても、着用者に不快感を与えることがない
とともに、浸水によって内部に浸潤した水を空気ととも
に瞬時に外部に排出させることができ、ヨット、カヌ
ー、ウインドサーフィン等のマリンスポーツ以外に、ト
ライアストンの競技においても、その競技者の運動性を
損なうことなく好適に着用することができるウエットス
ーツの提供にある。

【０００２】

【従来の技術】ヨット、ウインドサーフィン等のマリン
スポーツにおいて着用されているウエットスーツは、一
般に、ネオプレン（商品名）等の発泡ゴムが単独で、あ
るいは発泡ゴムの表面に収縮自在な生地を貼り合わせた
素材によって、身体の全面を被覆するように構成されて
いる。このウエットスーツは、非常に高い伸縮性を有す
る発泡ゴム材料を主要構成素材として使用しているた
め、非常に軽量で、着用者の身体に密着して良好なフィ
ット感を与えるとともに、発泡ゴム材料によって良好な
断熱・保温効果と保護効果を着用者に与える。同時に、
発泡ゴムの有する水中浮力によって、マリンスポーツを
楽しむ競技者が誤って水中に転落した際に救命用の浮力
体として機能し、マリンスポーツ競技者の安全を確保せ
んとするものであった。すなわち、このようなウエット
スーツを着用して水中に入水すると、水が身体とウエッ
トスーツとの間の内部に浸潤され、着用者の動作が良好
になるとともに、浸潤された水が体温によって保温され
る。一方、保温された水は、発泡ゴム材料の断熱性によ
って、その温度が逸散されることがないため、ウエット
スーツを着用して入水し、その後、地上へ上がっても、
着用者に急激な温度変化を与えることがない。

【０００３】このように、優れた保温性や安全性を備え
たウエットスーツは、ヨット、ウインドサーフィン、カ
ヌー等のマリンスポーツにおいての着用が主流であった
が、近年では、トライアスロンの競技においても着用さ
れることが多くなってきている。トライアスロンは、同
一個人が水泳、自転車、ランニングとの３種目を連続的
にこなし、その総タイムを競い合う競技である。日本で
トライアスロンが注目を集め始めた頃では、上半身だけ
のベストタイプのウエットスーツの着用が殆どであった
が、ウエットスーツの有する浮力が、競技者のタイムア
ップにつながることから、近年では、ノースリーブのロ
ング・ジョンタイプのウエットスーツや、長袖のフルタ
イプ、或いは半袖のシーガルタイプ等種々のタイプのウ
エットスーツがトライアスロン競技に着用されてくるよ
うになってきた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようなウエットスーツでは、このウエットスーツを着
用したまま、真夏の炎天下でマリンスポーツを行なう際
に、或いはトライアスロンの競技において、競技者が心
地よく着用して、その競技を不快感なく行うことのでき
るウエットスーツではないという課題が存在した。すな
わち、前記したように発泡ゴム材料が単独で、或いは発
泡ゴム材料の表面に収縮自在な生地を貼り合わせた素材
によって構成されたウエットスーツでは、真夏の炎天下
において、ウエットスーツを着用したまま潜水等を行な
わず、ヨット等の船上で休息等を行なう場合に、着用者
に対して非常に不快な暑苦しさやむさ苦しさを与えてし
まうという課題が存在した。

【０００５】またトライアスロン競技では、ウエットス
ーツを着用したままで、水中に入水したり、地上に上が
ったりという行為が連続的に繰り返されるため、競技者
は、浸水によりウエットスーツ内部に浸潤された水を常
に保持しながら激しい種目を行なわなければならず、競
技の運動性が妨げられ、タイムの向上が望まれにくくな
るという課題が存在した。しかも、トライアスロンで
は、競技者は常に激しい運動を行なっているため、体温
の上昇が激しく、ウエットスーツ内部に浸潤した水が、
着用者の運動に伴って上昇された体温によって、或いは
天候の影響等によって過度に暖められすぎてしまい、着
用者に暑苦しさやむさ苦しさなどの不快感を与え、競技
の遂行に悪影響を与えてしまったり、タイムの向上にマ
イナス的な影響を与えてしまうなどの課題が存在した。

【０００６】そこで、このような実情に鑑みて、潜水や
ヨット等のマリンスポーツを楽しむ際に着用者に対して
浮力体となるなどの安全性を有するウエットスーツにお
いて、真夏の炎天下でのスポーツ時に着用しても、通気
性が良好で、着用者に暑苦しさやむさ苦しさ等の不快感
を与えることなく良好な断熱・保温性を発現し、しか
も、水中から地上に移行した際に、浸水によってウエッ
トスーツ内部に浸潤された水が、空気とともに瞬時に外
部に排出され、マリンスポーツはもとより、水中から地
上へと激しく移動するトライアスロン競技においても、
着用者の運動性を阻害することがなく、好適に着用で
き、競技者のタイムアップに貢献することのできる優れ
たウエットスーツの創出が望まれていた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明では、発泡性ゴ
ム材料の表裏両面に伸縮性を有する織編物が貼着された
生地材料から構成され、浸水によって該生地材料と着用
者の身体との間隙に水が湿潤されてなるウエットスーツ
において、前記発泡性ゴム材料の一部分又は全部分に孔
部が設けられてなることを特徴とするウエットスーツを
提供することにより、前記従来の課題を悉く解消する。

【０００８】

【発明の構成】以下、この構成に係るウエットスーツの
構成を図面に基づいて説明する。図１は、この発明に係
るウエットスーツ（１）の一実施例を示す説明図であ
り、図２はウエットスーツ（１）を構成する生地材料
（２）の一部の一実施例を示す断面図であり、図３は図
２に示した実施例でのＡ−Ａ' 線断面図である。図２乃
至図３に示すように、この発明においては、ウエットス
ーツ（１）を構成する生地材料（２）として、独立気泡
を有する発泡性ゴム材料（２ａ）の表裏両面に伸縮性を
有する織編物（２ｂ）が貼着されて構成された生地材料
（２）が使用される。

【０００９】発泡性ゴム材料（２ａ）としては、天然又
は合成の発泡されたゴム材料が特に限定されることなく
好適に使用され、具体的にはネオプレン（商品名）或い
はクロロスルホン化ポリエチレン等の独立気泡を有し、
しかも伸縮性を有するゴム材料がいずれのものでも好適
に使用することができる。また、発泡性ゴム材料（２
ａ）の表裏両面に貼着される伸縮性を有する織編物（２
ｂ）としては、特に限定はされず、ナイロンジャージ、
ポリエステルジャージなど、公知の伸縮性を有し、且つ
通気性の良好な織編物がいずれのものも好適に使用でき
る。このような伸縮性を有する織編物（２ｂ）は、適宜
任意の接着剤により、発泡性ゴム材料（２ａ）の表裏両
面に貼着される。

【００１０】さらに、この発明においては、ウエットス
ーツ（１）を構成する発泡性ゴム材料（２ａ）おいて、
その一部部分又は全部分に孔部（２１）が設けられてい
る。孔部（２１）の孔径としては、ウエットスーツ
（１）の着用目的等に応じて異なるが、通常、０．５〜
３．０ｍｍの範囲とされるのが望ましい。この理由は、
孔部（２１）の孔径が０．５ｍｍ未満であると、この発
明の目的とする良好な通気性と適度な放熱効果が得られ
ず、一方、孔径が３．０ｍｍを超えると、ウエットスー
ツの有する保温性が、孔部によって阻害されてしまうた
め、いずれの場合も好ましくないからである。また、こ
の孔部（２１）の開口比としても、特に限定はされず、
ウエットスーツの着用目的等に応じて適宜任意に設定さ
れればよい。孔部（２１）の穿設方法としても特に限定
はされず、先端が鋭利な尖状物を用いて穿設する方法
や、或いは集光したレーザー光や電子線、ガンマー線な
どのエネルギーを照射して穿設する方法等適宜任意の方
法が好適に採用できる。

【００１１】この発明において、前記したような孔部
（２１）は、発泡性ゴム材料（２ａ）の一部分又は全部
分に穿設される。穿設される孔部（２１）の孔径及び開
口比の組合せについて、この発明では特に限定はされ
ず、ウエットスーツの着用目的、着用時の種目、季節、
潜水度合い等により、バランスのよい組合せを任意に採
用することができ、孔径が比較的大きく（約１．０〜
３．０ｍｍ程度）、且つ孔部（２１）の穿設が少ない構
成を採用しても、或いは孔径が比較的小さく（約０．５
〜１．５ｍ程ｍ度）、且つ孔部（２１）の穿設も少ない
構成等、任意の構成が限定されることなく採用できる。
また、この発明では、前記図１に示したような長袖のフ
ルタイプのウエットスーツ以外に、上半身だけのベスト
タイプのウエットスーツやノースリーブのロング・ジョ
ンタイプ、或いは半袖のシーガルタイプ等、種々のタイ
プのウエットスーツを全て包含する。

【００１２】

【実施例】以下、この発明に係るウエットスーツ（１）
の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。但し、この
発明は、以下の実施例により、何ら限定されるものでは
ない。

【００１３】図４乃至図７は、この発明に係るマリンバ
イク用ウエットスーツ（１）の一実施例を示し、図４は
上衣体（１０）の正面図、図５は図４の背面図、図６は
下衣体（１１）の正面図、図７は図６の背面図である。
図示するように、マリンバイク用のウエットスーツ
（１）においては、上衣体（１０）の袖（１０ａ）から
脇腹部分（１０ｂ）の一部分、及び下衣体（１１）の胴
部分（１１ａ）全面及び腰側部から下肢体部の側部（１
１ｂ）及び股間部分（１１ｃ）、膝裏部分（１１ｄ）に
おいて、前記したように孔部（２１）が穿設された発泡
性ゴム材料（２ａ）が使用される。以上のようにマリン
バイク用ウエットスーツ（１）を構成することにより、
上半身の通気性が良好なものとなり、着用者に適度な涼
しさを与えることができ、マリンバイク競技中に着用者
に暑苦しさ等の不快感を与えることがない。また、マリ
ンバイク競技において、比較的激しい動作が強いられる
肘や膝部分に、無数の孔部（２１）が穿設された発泡性
ゴム材料（２ａ）を使用することにより、ウエットスー
ツ（１）を着用したまま入水しても、ウエットスーツ
（１）に浸潤された水が、無数の孔部（２１）を通じて
空気とともに瞬時に外部に排出されてしまうため、着用
者の動作が良好になり、マリンバイクの運転を円滑に行
なうことが可能となる。

【００１４】図８は、この発明に係るトライアスロン用
のロング・ジョンタイプのウエットスーツ（１）の一実
施例を示す外観図である。図示するように、このトライ
アスロン用ウエットスーツ（１）においては、股間部
（１２）に、無数の孔部（２１）が穿設された発泡性ゴ
ム材料（２ａ）が使用される。このように、股間部（１
２）に孔部（２１）が穿設された発泡性ゴム材料（２
ａ）を使用することにより、水中に潜ったり、地上に上
がったりする動作が連続的に行なわれるトライアスロン
競技において、股間部（１２）に水が貯留してしまうこ
とがなく、ランニング等の運動を円滑に行なうことがで
きる。

【００１５】図９は、この発明に係るマリンスポーツ用
ウエットスーツ（１）の一実施例を示す外観図である。
図示するように、マリンスポーツ用ウエットスーツ
（１）においては、半袖のシーガルタイプとされ、袖
（１０ａ）から脇下部分（１０ｂ）の一部分にかけて、
無数の孔部（２１）が穿設された発泡性ゴム材料（２
ａ）が使用される。このように比較的激しい動作が強い
られる脇下部分に孔部（２１）が穿設された発泡性ゴム
材料（２ａ）を使用することにより、入水によってウエ
ットスーツ内部に浸潤した水を空気とともに素早く外部
に排出することができ、マリンスポーツを遂行する着用
者の動きが良好になる。このようなマリンスポーツ用ウ
エットスーツ（１）は、ウインドサーフィン、カヌー、
ボードセーリングなどのスポーツに好適に着用すること
ができる。

【００１６】図１０は、この発明に係るヨット競技用ウ
エットスーツ（１）の一実施例を示す外観図である。図
示するようにヨット競技用ウエットスーツ（１）におい
ては、ノースリーブのロング・ジョンタイプとされ、そ
の全部分に無数の孔部（２１）が穿設された発泡性ゴム
材料（２ａ）が使用される。このように、ウエットスー
ツ（１）の全部分に孔部（２１）が穿設された発泡性ゴ
ム材料（２ａ）を使用することにより、真夏の炎天下で
の競技に着用しても、通気性が極めて良好で、潜水は行
なわず、このウエットスーツを着用したままで、ヨット
等の船上で休息を行なっていても、着用者に対して暑苦
しさやむさ苦しさ等を感じさせることがない。

【００１７】

【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は発泡性ゴ
ム材料の表裏両面に伸縮性を有する織編物が貼着された
生地材料から構成され、浸水によって該生地材料と着用
者の身体との間隙に水が湿潤されてなるウエットスーツ
において、前記発泡性ゴム材料の一部分又は全部分に孔
部が設けられてなることを特徴とするウエットスーツで
あるから、通気性が良好で、真夏の炎天下の競技におい
て着用しても、着用者に暑苦しさやむさ苦しさ等の不快
感を与えることなく良好な断熱・保温性を発現し、しか
も、水中から地上に移動した際に、浸水によって内部に
浸潤された水が、空気とともに瞬時に外部に排出され、
マリンスポーツはもとより、水中から地上へと連続的に
激しく移動するトライアスロン競技においても、その運
動性に支障を及ぼすことなく好適に着用でき、競技者の
タイムアップに貢献することができる優れたウエットス
ーツであるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るウエットスーツの一実施例を示
す外観図である。

【図２】図１に示したウエットスーツの一部の構成素材
を示す断面図である。

【図３】図２に示した実施例でのＡ−Ａ' 線断面図であ
る。

【図４】この発明の一実施例に係るマリンバイク用ウエ
ットスーツの上衣体の正面図である。

【図５】図４に示したマリンバイク用ウエットスーツの
上衣体の背面図である。

【図６】この発明の一実施例に係るマリンバイク用ウエ
ットスーツの下衣体の正面図である。

【図７】図６に示した下衣体の背面図である。

【図８】この発明の一実施例に係るトライアスロン用ウ
エットスーツの外観図である。

【図９】この発明の一実施例に係るマリンスポーツ用ウ
エットスーツの外観図である。

【図１０】この発明の一実施例に係るヨット競技用ウエ
ットスーツの外観図である。

【符号の説明】

１ウエットスーツ２生地材料２ａ発泡性ゴム材料２１孔部２ｂ伸縮性を有する織編物

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】発泡性ゴム材料の表裏両面に伸縮性を有
する織編物が貼着された生地材料から構成され、浸水に
よって該生地材料と着用者の身体との間隙に水が湿潤さ
れてなるウエットスーツにおいて、前記発泡性ゴム材料
の一部分又は全部分に孔部が設けられてなることを特徴
とするウエットスーツ。
【請求項２】上衣体と下衣体とから構成されるウエッ
トスーツにおいて、下衣体の胴体部分全面と腰から下肢
体の側部及び股間部、膝裏部並びに上衣体の袖から脇下
の一部分において、前記無数の孔部が穿設されてなるこ
とを特徴とするマリンバイク用ウエットスーツ。
【請求項３】ノースリーブのロング・ジョンウエット
スーツにおいて、その股間部に前記無数の孔部が穿設さ
れてなることを特徴とするトライアスロン用ウエットス
ーツ。
【請求項４】半袖のシーガルウエットスーツにおい
て、その袖から脇下部において前記無数の孔部が穿設さ
れてなることを特徴とするマリンスポーツ用ウエットス
ーツ。
【請求項５】ノースリーブのロング・ジョンウエット
スーツにおいて、その全面に前記無数の孔部が穿設され
てなることを特徴とするヨット競技用ウエットスーツ。