JPH06311400A - 画像処理回路およびそれを用いたビューファインダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 明示的にラスタの範囲をビューファインダー
に表示する画像処理回路およびそれを用いたビューファ
インダーを提供することを目的とする。 【構成】 ビデオカメラ１は撮像対象の画像とともに、
ラスタの範囲を示す白線をビューファインダー１６に表
示する。撮像装置１０は撮像対象からの光学信号を電気
的な画像信号に変換する。画像処理回路１１は画像信号
を処理し、ＶＩＤＥＯ信号およびＶＦ信号を生成する。
同期信号発生回路１２はＨＳＹＮＣ信号、ＶＳＹＮＣ信
号、ＨＢＬＫ信号、および、ＶＢＬＫ信号を生成する。
フレーム信号発生回路１３はラスタの範囲を示す白線を
ビューファインダー１６に表示させるＨＦＲＭ信号、お
よび、ＶＦＲＭ信号を生成する。加算回路１４は上述の
ＶＦ信号、各同期信号、各ブランキング信号、および、
各フレーミング信号を加算する。ビューファインダー駆
動回路１５は加算回路１４の出力信号に基づいてビュー
ファインダー１６を駆動する。ビューファインダー１６
は撮像対象等の映像を表示する。記録装置１７は、撮像
された画像信号を記録する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はビデオカメラのビューフ
ァインダーにフレーム表示を行う画像処理回路に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ビデオカメラのビューファインダーに撮
像対象を表示させる場合、従来は特に走査線の軌跡（ラ
スタ）の範囲を明示的には表示していなかった。ここ
で、ビューファインダーのラスタの範囲は、撮影者が撮
影の際に、ビューファインダーを介して画枠を決めるた
めに重要な情報である。ラスタの範囲内はラスタの範囲
外よりもやや明るくなることを利用して暗黙的にラスタ
の範囲の表示を行い、撮影者はこの明るい範囲内の撮像
対象の画像の位置を判断して画枠を判断していた。

【０００３】図５は、従来のビューファインダーに表示
される画像を示す図である。図５は、例として白色円形
の撮像対象（ａ）をビューファインダーに表示する場合
を示してあり、図５（Ａ）は、画面全体の明度（ブライ
トネス；ＢＲＩＧＨＴＮＥＳＳ）を上げた場合の画像を
示す図であり、図５（Ｂ）は、画面全体の明度を下げた
場合の画像を示す図である。なお、図中の斜線の密度は
画像の明度を示しており、密度が低いほど明度が高いこ
とを示す。

【０００４】図５（Ａ）に示すように画面全体の明度を
比較的高くした場合、ラスタの範囲内ｂはラスタの範囲
外ｃに比べて明るく見え、容易に画枠の判断することが
可能である。しかし、図５（Ｂ）に示すように画面全体
の明度を低くした場合、ラスタの範囲ｂとラスタの範囲
外ｃは同様の明るさに見え、境界がはっきりしなくな
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のビューファイン
ダーの画像には、画枠が明示的に表示されないため、画
面全体の明度が高い場合にはラスタの範囲とその範囲外
を画面の明るさにより判断できるものの、画面全体の明
度が低い場合には、ラスタの範囲内とラスタの範囲外が
はっきりしないという問題があった。例えば、明るい撮
像対象をビューファインダー上に目立たせて表示させる
ために画面全体の明度を下げた場合、この撮像対象がラ
スタの範囲のどの位置にあるかを判断しにくくなるとい
う問題が生じる。

【０００６】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、明示的にラスタの範囲をビュー
ファインダーに表示することができ、全体的にビューフ
ァインダーの明度を比較的低くした場合においても、撮
影者が画枠の判断を容易に行うことができ、しかもこれ
らの機能を実現するために付加される回路が少なくて済
む画像処理回路およびそれを用いたビューファインダー
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の画像処理回路は、映像信号の水平同期信号に
対して所定のタイミングで水平フレーム信号を生成する
水平フレーム生成手段と、前記映像信号の垂直同期信号
に対して所定のタイミングで垂直フレーム信号を生成す
る垂直フレーム生成手段と、前記水平フレーム信号と前
記垂直フレーム信号とを前記輝度信号に加算する加算手
段とを有し、前記輝度信号について所定の範囲を示すフ
レーム情報を付加する。

【０００８】また、前記水平フレーム信号は、前記映像
信号の水平ブランキング信号と該映像信号の有効部分で
発生されるパルス状の白色レベルの輝度信号であり、前
記垂直フレーム信号は、前記映像信号の垂直ブランキン
グ信号と該映像信号の有効部分で発生されるパルス状の
白色レベルの輝度信号であることを特徴とする。

【０００９】また、本発明のビューファインダーは、ビ
デオカメラの撮像対象を表示する装置であって、映像信
号の水平同期信号に対して所定のタイミングで所定の値
の水平フレーム信号を生成する水平フレーム生成手段
と、前記映像信号の垂直同期信号に対して所定のタイミ
ングで所定の値の垂直フレーム信号を生成する垂直フレ
ーム生成手段と、前記水平フレーム信号と前記垂直フレ
ーム信号とを前記輝度信号に加算する加算手段と、前記
輝度信号を画像表示するＣＲＴ表示手段とを有し、前記
輝度信号について所定の範囲を示すフレーム情報を付加
して画像表示を行うことを特徴とする。

【００１０】また、前記水平フレーム信号は、前記映像
信号の水平ブランキング信号と該映像信号の有効部分で
発生されるパルス状の白色レベルの輝度信号であり、前
記垂直フレーム信号は、前記映像信号の垂直ブランキン
グ信号と該映像信号の有効部分で発生されるパルス状の
白色レベルの輝度信号であることを特徴とする。

【００１１】

【作用】ビューファインダーに表示する輝度信号の水平
帰線消去期間の両端に、所定の信号幅の白色レベルの信
号を付加し、この輝度信号をビューファインダーに表示
させることにより、ラスタの水平方向の範囲の両端に白
線、つまり撮影者から見て２本の縦の白線を表示させ
る。また、垂直ブランキング信号の両端のタイミングで
所定の期間、該輝度信号に白色レベルの信号を付加し、
この輝度信号をビューファインダーに表示させることに
より、ラスタの垂直方向の範囲の両端に白線、つまり撮
影者からみて２本の横の白線を表示させる。以上のよう
に表示される白色の画枠により、ビューファインダーの
ラスタの範囲を明示的に表示し、表示画面の明度にかか
わらず撮影者の画枠の判断を容易にする。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図１は、
本発明の画像処理回路およびそれを用いたビューファイ
ンダーが適用されるビデオカメラ１の構成図である。ビ
デオカメラ１は、撮像対象の画像とともに、ラスタの範
囲（画枠）を示す白線をビューファインダー１６に表示
する。撮像装置１０は、例えば光学系、ＣＣＤ撮像素子
等から構成され、撮像対象からの光学信号を電気的な画
像信号に変換し、画像処理回路１１に入力する。画像処
理回路１１は、撮像装置１０から得られる画像信号を処
理し、記録装置１７に記録する録画信号（ＶＩＤＥＯ）
を生成するとともに、ビューファインダー１６に表示さ
せるビューファインダー用信号（ＶＦ）を生成する。

【００１３】同期信号発生回路１２は、水平同期信号
（ＨＳＹＮＣ）、垂直同期信号（ＶＳＹＮＣ）、水平ブ
ランキング信号（ＨＢＬＫ）、および、垂直ブランキン
グ信号（ＶＢＬＫ）を生成する。フレーム信号発生回路
１３は、ラスタの範囲を示す白線をビューファインダー
１６に表示させる水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）、
および、垂直フレーミング信号（ＶＦＲＭ）を生成す
る。

【００１４】加算回路１４は、上述のビューファインダ
ー用信号（ＶＦ）、各同期信号、各ブランキング信号、
および、各フレーミング信号を加算する。ビューファイ
ンダー駆動回路１５は、加算回路１４の出力信号に基づ
いてビューファインダー１６を駆動し、該信号の画像を
ビューファインダー１６に表示させる。

【００１５】ビューファインダー１６は、例えば白黒表
示のＣＲＴ表示装置等から構成され、撮像対象等の映像
を表示する。記録装置１７は、撮像された画像信号を記
録する。以上の各部分は図中に示すように接続されてい
る。

【００１６】以下、各図を参照してビデオカメラ１の動
作を説明する。図２は、ビューファインダー１６に表示
される輝度信号、水平同期信号（ＨＳＹＮＣ）、水平ブ
ランキング信号（ＨＢＬＫ）、および、水平フレーミン
グ信号（ＨＦＲＭ）信号の波形およびタイミングを示す
図である。図２において、（Ａ）〜（Ｄ）に示す波形
は、それぞれ輝度信号、水平同期信号（ＨＳＹＮＣ）、
水平ブランキング信号（ＨＢＬＫ）、および、水平フレ
ーミング信号（ＨＦＲＭ）信号に対応する。

【００１７】図３は、垂直同期信号（ＶＳＹＮＣ）、垂
直ブランキング信号（ＶＢＬＫ）、垂直フレーミング信
号（ＶＦＲＭ）、および、垂直フレーミング信号（ＶＦ
ＲＭ）がアサートされている期間の輝度信号を示す図で
ある。図３において、（Ａ）〜（Ｄ）に示す波形は、そ
れぞれ垂直同期信号（ＶＳＹＮＣ）、垂直ブランキング
信号（ＶＢＬＫ）、垂直フレーミング信号（ＶＦＲ
Ｍ）、および、輝度信号に対応する。

【００１８】まず、水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）
信号の生成について説明する。図２（Ｃ）に示す水平ブ
ランキング信号（ＨＢＬＫ）の両端で、図２（Ｄ）に示
す水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）信号を生成する。
この水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）信号の幅ｔ
₁ は、ビューファインダー１６に表示する画枠の幅によ
り決まり、例えば３画素に相当する幅である。この水平
フレーミング信号（ＨＦＲＭ）信号の幅は、水平同期を
乱さない程度の幅である必要がある。

【００１９】この水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）信
号は水平ブランキング信号（ＨＢＬＫ）に基づいて、図
２（Ｄ）に示す遅延時間ｔ₁ の遅延素子、および、遅延
時間ｔ₂ の遅延素子を使用することにより容易に生成可
能である。以下に水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）信
号の生成方法を説明する。

【００２０】垂直ブランキング信号（ＶＢＬＫ）を遅延
時間（垂直フレーミング信号（ＶＦＲＭ）の信号幅）ｔ
₁ 遅延させた信号と垂直ブランキング信号（ＶＢＬＫ）
とでＯＲ演算を行い、この演算結果を反転した信号が図
２（Ｄ）ａに示す水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）信
号となる。垂直ブランキング信号（ＶＢＬＫ）を遅延時
間ｔ₂ 遅延させた信号と垂直ブランキング信号（ＶＢＬ
Ｋ）とでＯＲ演算を行い、この演算結果を反転させた信
号が図２（Ｄ）ｂに示す水平フレーミング信号（ＨＦＲ
Ｍ）信号になる。

【００２１】図２に示す水平同期信号（ＨＳＹＮＣ）、
水平ブランキング信号（ＨＢＬＫ）、および、上述した
ように生成された水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）信
号は、加算回路１４で加算され、図２（Ａ）に示す水平
フレーミング信号（ＨＦＲＭ）信号が付加された輝度信
号が生成される。なお、図２（Ａ）に示す輝度信号の波
形は、後述する図４の画面のＹ１〜Ｙ１の走査線の波形
である。

【００２２】つぎに、垂直フレーミング信号（ＶＦＲ
Ｍ）の生成方法を説明する。図３（Ｂ）に示す垂直ブラ
ンキング信号（ＶＢＬＫ）に基づいて、両端に垂直フレ
ーミング信号（ＶＦＲＭ）を生成する。図３（Ｃ）に示
す垂直フレーミング信号（ＶＦＲＭ）の信号幅は、ビュ
ーファインダー１６に表示する画枠の幅によって決定さ
れ、例えば水平走査線２ライン分に相当する幅である。
この垂直フレーミング信号（ＶＦＲＭ）の幅は、垂直同
期を乱さない程度の幅である必要がある。

【００２３】垂直フレーミング信号（ＶＦＲＭ）は、図
中に示す遅延時間ｔ₃ 、および、遅延時間ｔ₄ に基づい
て水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）信号と同様な方法
により生成される。図３（Ａ）に示す垂直同期信号（Ｖ
ＳＹＮＣ）、垂直ブランキング信号（ＶＢＬＫ）、垂直
フレーミング信号（ＶＦＲＭ）、および、ビューファイ
ンダー用信号（ＶＦ）は加算回路１４で加算され、図３
（Ｄ）に示す垂直フレーミング信号（ＶＦＲＭ）が付加
された輝度信号が生成される。

【００２４】なお、図３（Ｄ）に示す輝度信号は、点線
で対応を示した垂直フレーミング信号（ＶＦＲＭ）の部
分に相当するものであり、また、この輝度信号の波形
は、例えば後述する図４の画面のＹ２〜Ｙ２間で生成さ
れる。以上の各処理により、ビューファインダー１６に
画枠を表示するために使用される垂直／水平フレーミン
グ信号（ＶＦＲＭ／ＨＦＲＭ）が生成され輝度信号に付
加される。

【００２５】以上のように加算回路１４において垂直／
水平フレーミング信号（ＶＦＲＭ／ＨＦＲＭ）が付加さ
れた輝度信号は、ビューファインダー駆動回路１５を介
してビューファインダー１６に表示される。図４は、ビ
ューファインダー１６に表示される画像を示す図であ
る。図４において、画像は全体的に明度が低く設定され
ており、白色円形の撮像対象ａが表示されている。

【００２６】図５（ｂ）に示した従来のビューファイン
ダーに表示される画像と同様に全体的に明度が低く設定
されているため、撮影者にはラスタの範囲内ｂとラスタ
の範囲外ｃは同じ明るさに見えるが、白色の画枠ｄが表
示されるので、画枠の判断が容易であり、従って、画像
の構図をとりやすくなっている。また、画枠はラスタの
範囲外に表示されるので、撮像対象の表示について障害
になることはない。

【００２７】以上述べた本発明の画像処理回路およびそ
れを用いたビューファインダーは、上述した他、例えば
カラーＣＲＴ表示装置を使用し、所定の色により画枠を
表示するように構成する、あるいは、垂直／水平フレー
ミング信号（ＶＦＲＭ／ＨＦＲＭ）の生成方法を変更す
る等、種々の構成をとることができる。

【００２８】

【発明の効果】以上述べた用に本発明の画像処理回路お
よびそれを用いたビューファインダーによれば、画枠を
ビューファインダーに明示的に表示することができるの
で、画枠の判断を確実に行うことが可能であり、従って
撮像対象について構図をとりやすい。また、この画枠の
表示のために必要となる装置の量が少なく、ビデオカメ
ラの装置構成に大きな影響を与えず、また、大幅にハー
ドウェア量を増加させることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像処理回路およびそれを用いたビュ
ーファインダーが適用されるビデオカメラの構成図であ
る。

【図２】ビューファインダーに表示される輝度信号、水
平同期信号（ＨＳＹＮＣ）、水平ブランキング信号（Ｈ
ＢＬＫ）、および、水平フレーミング信号（ＨＦＲＭ）
信号の波形およびタイミングを示す図である。

【図３】垂直同期信号（ＶＳＹＮＣ）、垂直ブランキン
グ信号（ＶＢＬＫ）、垂直フレーミング信号（ＶＦＲ
Ｍ）、および、垂直フレーミング信号（ＶＦＲＭ）がア
サートされている期間の輝度信号を示す図である。

【図４】ビューファインダーに表示される画像を示す図
である。

【図５】従来のビューファインダーに表示される画像を
示す図である。

【符号の説明】

１・・・ビデオカメラ １０・・・撮像装置 １１・・・画像処理回路 １２・・・同期信号発生回路 １３・・・フレーム信号発生回路 １４・・・加算回路 １５・・・ビューファインダー駆動回路 １６・・・ビューファインダー １７・・・記録装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】映像信号の水平同期信号に対して所定のタ
   イミングで水平フレーム信号を生成する水平フレーム生
   成手段と、 前記映像信号の垂直同期信号に対して所定のタイミング
   で垂直フレーム信号を生成する垂直フレーム生成手段
   と、 前記水平フレーム信号と前記垂直フレーム信号とを前記
   輝度信号に加算する加算手段とを有し、 前記輝度信号について所定の範囲を示すフレーム情報を
   付加する画像処理回路。
2. 【請求項２】前記水平フレーム信号は、前記映像信号の
   水平ブランキング信号と該映像信号の有効部分で発生さ
   れるパルス状の白色レベルの輝度信号であり、 前記垂直フレーム信号は、前記映像信号の垂直ブランキ
   ング信号と該映像信号の有効部分で発生されるパルス状
   の白色レベルの輝度信号であることを特徴とする請求項
   １に記載の画像処理回路。
3. 【請求項３】ビデオカメラの撮像対象を表示する装置で
   あって、 映像信号の水平同期信号に対して所定のタイミングで所
   定の値の水平フレーム信号を生成する水平フレーム生成
   手段と、 前記映像信号の垂直同期信号に対して所定のタイミング
   で所定の値の垂直フレーム信号を生成する垂直フレーム
   生成手段と、 前記水平フレーム信号と前記垂直フレーム信号とを前記
   輝度信号に加算する加算手段と、 前記輝度信号を画像表示するＣＲＴ表示手段とを有し、 前記輝度信号について所定の範囲を示すフレーム情報を
   付加して画像表示を行うことを特徴とするビューファイ
   ンダー。
4. 【請求項４】前記水平フレーム信号は、前記映像信号の
   水平ブランキング信号と該映像信号の有効部分で発生さ
   れるパルス状の白色レベルの輝度信号であり、 前記垂直フレーム信号は、前記映像信号の垂直ブランキ
   ング信号と該映像信号の有効部分で発生されるパルス状
   の白色レベルの輝度信号であることを特徴とする請求項
   ３に記載のビューファインダー。