JPH0630693Y2 - 可変式定量容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、液体やクリーム状溶液を収納するのに適した
スクイズ性を有する可変式定量容器に関し、詳しくは容
器胴部を圧迫することによって定量分だけ取り出すこと
の出来る定量容器であってその一回の吐出量を可変式に
した容器に関するものである。

〈従来の技術並びに解決すべき問題点〉 従来、胴部を圧迫することによって容器内部に収納した
溶液を定量分だけノズルから抽出するようにしたものは
種々知られている。

しかし、内容物、特に粘性の高いクリーム状内容物を定
量分だけ正確にしかもスムースに取り出すことができる
ようにするためには複雑な機構を必要とし、容器コスト
が高くついた。

そこで本考案は簡単な構造で安価に製作出来るものであ
りながら操作性並びに正確性の面で優れた定量取り出し
機能を持ち、併せて簡単な操作によって一回の吐出量を
自在に変更することのできる定量容器を新規な機構で提
供することを主たる目的とするものである。

〈問題を解決する為の手段〉 上記目的を達成するために、本考案に係る可変式定量容
器にあっては、先端部に口部２を備えたスクイズ性を有
する合成樹脂製容器１において、前記容器口部２に装着
された第１シリンダー３と、該第１シリンダー３に対し
て同軸的に一体連設された第２シリンダー４と、一端部
に前記第１シリンダー３に沿って所定ストロークだけ摺
動する第１ピストン６を有し他端部に第２シリンダー４
に沿って摺動する第２ピストン７を備えたピストン部材
５と、該ピストン部材５を常時容器内方に弾圧するスプ
リング８とからなり、前記ピストン部材５がスプリング
８によって容器内方に押し込まれた時、第２ピストン７
が第２シリンダー４の内端開口部から離反してこれを開
口し、反対にピストン部材５がスプリングに抗してノズ
ル方向に押しつけられた時第２ピストン７が第２シリン
ダー４の内端開口部を閉じると共に第１ピストン６が第
１シリンダー３の吐出口側開口部から離反してこれを開
口すべく夫々のシリンダー並びにピストン部材の寸法が
設定されており、更に先端にノズル口９ａを備え且つ内
部に前記ピストン部材５の吐出側への移動を規制するス
トッパー11を備えたノズル体９が螺合手段を介して前記
第１シリンダー４の先端側に取付け位置変更自在に連結
されている構造としたものである。

〈作用〉 上記のごとく構成された定量容器では、例えば第１図に
示すようにスタンド10に倒立姿勢で載置して使用され
る。この際、第２ピストン７が第２シリンダー４から離
れて開口しているので、第２シリンダー４内に一定量の
溶液が溜られる。使用時において、容器１を持ち上げて
これの胴部を圧迫すると、ピストン部材５の第２ピスト
ン７が圧迫されて、内容物を両ピストン６、７の間に抱
き込んでスプリング８に抗して下方に移動する。そして
第１ピストン６が第１シリンダー３の下端開口部から離
反するとこの開口部からシリンダー内の内容物がノズル
９内に押し出される。これにより一定量の内容物を取り
出すことが出来る。

又、ノズル体９を回動してストッパー11の位置を変更す
れば、ピストン部材５のストロークが変化するので一回
の吐出量を希望に応じて任意に変えることが出来る。

〈実施例〉 以下図面について本考案の実施例を説明する。

図において符号１は手で胴部を圧迫すると内容物が押し
出され、外圧を解除すると容器胴部が元の姿に復帰する
ところの所謂スクイズ性を有する合成樹脂製の容器であ
って、倒立容器としての実施態様が示されており、これ
の口部２に第１シリンダー３と、該第１シリンダー３に
対して同軸的に一体連設された第２シリンダー４とが装
着されている。

而して符号５はピストン部材であって、その一端に前記
第１シリンダー３に沿って所定ストロークだけ摺動する
第１ピストン６を有し、他端に第２シリンダー４に沿っ
て摺動する第２ピストン７を備えている。そしてこのピ
ストン部材５はスプリング部材８によって常時容器内方
（図中上方）に弾圧されている。

又、図に示した実施例では、前記第２ピストン７は比較
的大径に形成されていて広い受圧面を備えており、これ
により容器に対する少しの圧迫力でも確実に作動するよ
うに形成されている。

更に、前記ピストン部材５がスプリング８によって容器
内方に押し込まれた時、第２ピストン７が第２シリンダ
ー４の内端開口部４ａから離反してこれを開口し、反対
にピストン部材５がスプリングに抗してノズル方向に押
しつけられた時第２ピストン７が第２シリンダー４の内
端開口部４ａを閉じると共に第１ピストン６が第１シリ
ンダー３のノズル側開口部３ａから離反してこれを開口
すべく夫々のシリンダー長さ及び両ピストンの間隔が予
め設定されている。

更に前記第１シリンダー３の先端側にノズル口９ａを備
えたノズル体９が螺合手段を介して取り付け位置変更自
在に連結されている。このノズル体９は第１シリンダー
３の開口部周囲を適当な空間をもって取り囲むように形
成されており、且つ第１ピストン６のノズル口方向への
移動を規制するストッパー11を内部に備えている。

上記のごとく構成された定量容器では、例えば第１図に
示すようにスタンド10に倒立姿勢で載置して使用される
が、通常の容器と同じようにして使用することも勿論可
能である。而して今、第１図の状態では、第２ピストン
７が第２シリンダー４の内端開口部４ａから離れて開口
しているので、第２シリンダー４内に一定量の溶液が溜
られる。使用時において、容器１を持ち上げてこれの胴
部を圧迫すると、ピストン部材５の第２ピストン７が圧
迫されて、内容物を両ピストン６、７の間に抱き込んで
スプリング８に抗して下方に移動する。そして第１ピス
トン６が第１シリンダー３の下端開口部３ａから離反す
るとこの開口部からシリンダー内の内容物がノズル体９
内に押し出される。これにより一定量の内容物がノズル
口９ａから注出されるものである。

又、一回の吐出量を変更したいときは、第１図の仮想線
で示すように、ノズル体９を回動してノズル体を上下に
移動させればよい。これによりストッパー11の位置が変
わって、ピストン部材５のストロークが変化するので希
望の吐出量を簡単に得ることが出来る。尚、最大吐出量
を得る為にこのストッパー11の位置を最大限に引き下げ
た時、前記第２シリンダー４は前記最大吐出量に対応出
来るに充分なストローク寸法に設定しておく必要のある
ことは勿論である。

〈考案の効果〉 本考案は上記のごとく構成されたものであるから、ノズ
ル体９を回動するだけで希望する吐出量を容易に得る事
が出来、且つ定量取り出し部の機構は簡単な成型部品と
スプリングによる簡潔な構成部材で形成されているか
ら、トラブル発生がなくなると共に組み立てならびに部
品代が安くなってトータルコストを下げることができ、
しかも内容物取り出し時において、前記ピストン部材５
がノズル方向に移動した時、第２ピストン７が第２シリ
ンダー４の開口部を閉じると共に第１ピストン６が第１
シリンダー３の開口部から離反してこれを開口すべく構
成されているので、これらシリンダー並びにピストンの
寸法によって予め設定された定量の内容物を正確に取り
出すことができ、加えて内容物は容器圧迫による内圧に
よって動作するピストンの作動によって押し出されるも
のであるから、多少粘度の高い内容物でも澱みなくスム
ースに注出させることが出来る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図で閉鎖状態を示
すものであり、 第２図は取り出し状態を示す断面図である。 １は容器、２は容器の口部、３は第１シリンダー、４は
第２シリンダー、５はピストン部材、６は第１ピスト
ン、７は第２ピストン、８はスプリング、９はノズル
体、９ａはノズル口、11はストッパーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先端部に口部２を備えたスクイズ性を有す
   る合成樹脂製容器１において、前記容器口部２に装着さ
   れた第１シリンダー３と、該第１シリンダー３に対して
   同軸的に一体連設された第２シリンダー４と、一端部に
   前記第１シリンダー３に沿って所定ストロークだけ摺動
   する第１ピストン６を有し他端部に第２シリンダー４に
   沿って摺動する第２ピストン７を備えたピストン部材５
   と、該ピストン部材５を常時容器内方に弾圧するスプリ
   ング８とからなり、前記ピストン部材５がスプリング８
   によって容器内方に押し込まれた時、第２ピストン７が
   第２シリンダー４の内端開口部から離反してこれを開口
   し、反対にピストン部材５がスプリングに抗してノズル
   方向に押しつけられた時第２ピストン７が第２シリンダ
   ー４の内端開口部を閉じると共に第１ピストン６が第１
   シリンダー３の吐出口側開口部から離反してこれを開口
   すべく夫々のシリンダー並びにピストン部材の寸法が設
   定されており、更に先端にノズル口９ａを備え且つ内部
   に前記ピストン部材５の吐出側への移動を規制するスト
   ッパー11を備えたノズル体９が螺合手段を介して前記第
   １シリンダー４の先端側に取付け位置変更自在に連結さ
   れている、可変式定量容器。