JPH06306277A - 低フォギング性難燃ポリウレタン用組成物 - Google Patents

低フォギング性難燃ポリウレタン用組成物

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JPH06306277A
JPH06306277A JP9987093A JP9987093A JPH06306277A JP H06306277 A JPH06306277 A JP H06306277A JP 9987093 A JP9987093 A JP 9987093A JP 9987093 A JP9987093 A JP 9987093A JP H06306277 A JPH06306277 A JP H06306277A
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範昭 徳安
Katsumi Kameda
勝美 亀田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I): 【化1】 で表される有機燐化合物に対し、必要に応じ難燃性可塑
剤として作用する非反応性有機燐化合物を含有する液体
として使用可能な低フォギング性難燃ポリウレタン用組
成物。上記組成物は、ポリオール100重量部に対して
2〜6重量部含有する。 【効果】 この組成物は、優れた低フォギング性を有し
かつ耐熱性、耐スコーチ性及び難燃効果を示す。又ポリ
ウレタンフォームの劣化が起こらず、物性を低下させる
ことが極めて少ない成形体を形成し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低フォギング性難燃ポリ
ウレタン用組成物に関する。詳しくは、ポリウレタンに
難燃性を付与し、かつ極めて低いフォギング性の液状組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱硬化
性樹脂として代表的なポリウレタン有機重合体は、比較
的安価に得られ、かつ成形が容易であるなどの優れた特
性を有する為、自動車部品をはじめ、生活用品全般にわ
たり広く使用されている。しかし、これらの有機重合体
は、可燃性で、一度着火したら制御不能の燃焼をするた
め、難燃性のフォームを製造することについて、この業
界において、いろいろ努力がかさねられてきた。今日で
は自動車内装品等、ポリウレタンの利用分野の一部では
法律で難燃化が義務づけられている。さらに、近年環境
問題が社会的にもクローズアップされ、ダイオキシン問
題やフロン問題が騒がれている中、ポリウレタンフォー
ムの自動車部品においてもフォギング性が問題視されて
いる。
【0003】ポリウレタンに難燃性を付与する為には、
一般に含ハロゲン系リン酸エステルの難燃剤を添加する
方法がとられているが、その難燃剤が夏場車内温度上昇
の際、モノマー成分や分解して形成したアミンの塩酸塩
が飛散しガラスを曇らせ、又人体にも悪影響を及ぼすこ
とが判明した。一般に難燃剤としてトリス(クロロエチ
ル)ホスフェートやトリス(クロロプロピル)ホスフェ
ート等のモノマー成分を主としたものが使用されている
が、分子量が小さい為飛散しやすく、又その為フォーム
の難燃性が低下するという欠点がある。
【0004】また分子量を上げる為に、含ハロゲン系縮
合リン酸エステルが提供されているが、これらは全てオ
リゴマーとして構成され、約5〜20%のトリス(クロ
ロエチル)ホスフェートやトリス(クロロプロピル)ホ
スフェートを含有している為、上記と同様な傾向とな
る。
【0005】またさらに縮合度を上げ、モノマー成分を
極力少なくした難燃剤が提供されているが、逆に粘度が
高くなり作業性が困難、又分解しやすい為アミンの塩酸
塩が形成し、飛散又はスコーチ性等他の物性に悪影響を
及ぼすことがあげられる。
【0006】従って本発明は、低分子量の成分を含有せ
ず、耐熱性を有し、優れた難燃性が付与できる液状の低
フォギング性難燃ポリウレタン用組成物を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、式
(I):
【0008】
【化4】 (式中、R1及びR2は同一または異なる低級アルキル基
または水素原子、Zは−CH2CH2−、−CH2CH2
CH2CH2−、
【0009】
【化5】 で表される有機燐化合物50〜100重量部と、難燃性
可塑剤として作用する非反応性有機燐化合物50〜0重
量部と、酸化防止剤0〜5重量部とからなる液状の低フ
ォギング性難燃ポリウレタン用組成物が提供される。上
記式(I)においてR1及びR2で示される低級アルキル
基としては、炭素数1〜4の直鎖または分枝状アルキル
基、例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピルブ
チルが含まれる。
【0010】上記式(I)の有機燐化合物としては、C
R−733S〔m−フェニレンビス(ジフェニルホスフ
ェート〕(大八化学社製)、m−フェニレンビス(ジク
レジルホスフェート)、2,2−ビス〔4−〔ビス(メ
チルフェノキシ)ホスホリルオキシ〕フェニル〕プロパ
ン、テトラキス(フェニル)エチレンジホスフェート、
テトラキス(フェニル)ジエチレンジホスフェートなど
が挙げられる。
【0011】難燃性可塑剤で平均分子量350以上のも
のとしては、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、アンチフレーズ78〔塩素化ポリホスホネート〕
(A&W社製),サーモリン101〔テトラキス(2−
クロロエチル)エチレンジホスフェート〕(オーリン社
製)、フォスガード2XC20〔2,2−ビス(クロロ
メチル)−1,3−プロパンビス(クロロエチル)ジホ
スフェート(モンサント社製)、CR−530,CR−
507,CR−509〔含ハロゲン系ホスフェートホス
ホネート オリゴマーエステル〕(大八化学社製)(特
願昭57−61762号)、CR−504〔テトラキス
(クロロプロピル)オキシジエチレンジホスフェート〕
(大八化学社製),クレジルジフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェートがあげられる。
【0012】本発明の組成物に用いられる酸化防止剤と
しては、式(II)
【0013】
【化6】 (式中、R′1、R′2、R′3及びR′4は、それぞれ水
素原子またはC1〜C14のアルキル基を表す。)で示さ
れるハイドロキノン化合物および/または3価の有機燐
化合物である。
【0014】上記ハイドロキノン化合物の具体例として
は、ハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイド
ロキノン、2,5−ジオクチルハイドロキノン、tert−
アミルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、
オクチルハイドロキノン等が挙げられ、特に耐熱性に優
れたハイドロキノン化合物として、2,5−ジ−tert−
アミルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイ
ドロキノン等が挙げられる。
【0015】上記3価の有機燐化合物の具体例として
は、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、テトラキス−(2,
4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレ
ンジホスホナイト等の化合物が挙げられる。
【0016】本発明の低フォギング性難燃ポリウレタン
用組成物は、式(I)の有機燐化合物50〜100重量
部に、所望により難燃性可塑剤50〜0重量部、さらに
所望により酸化防止剤0〜5重量部を加えて、55〜6
5℃に加熱、攪拌して、溶解して製剤化できる。
【0017】本発明の一つの観点によれば、低フォギン
グ性難燃ポリウレタンフォームの製造法が提供される。
すなわち、ポリオールとトルエンジイソシアネート(T
DI)の反応に、触媒、水または発泡剤、分散剤等の共
存下、上記組成物を添加、攪拌加熱して製造する。この
場合、触媒としては、第3級アミン触媒(トリエチレン
ジアミン、ジメチルエタノールアミン、N−エチルモル
ホリン等)及び錫系触媒(SnC14 等)が用いられ
る。発泡剤としては、水、フロロカーボン、メチレンク
ロライドのような低沸点化合物がある。原料のポリオー
ル100重量部に対して上記組成物は、2〜60重量部
用いられる。
【0018】また本発明の一つの観点によれば、低フォ
ギング性難燃ポリウレタンフォームが提供される。
【0019】本発明の上記組成物によるポリウレタンフ
ォームは、従来の含ハロゲン系リン酸エステルまたはオ
リゴマーと比べ、難燃性は維持したまま極めて少ないフ
ォギング性を有し、且つ組成物自身、高い耐熱性を有す
る為、フォーム内部のやけ(スコーチ)を抑えることが
できる。
【0020】このように、難燃性、フォギング性、スコ
ーチ性に優れていて自動車及び家具工業用に、好ましい
物性を有する製品が得られる。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、こ
れらの実施例は本発明の範囲を限定する為のものではな
い。又特に指定しない限り、部は全て重量である。 〈液調製〉
【0022】実施例1 難燃剤 CR−733S(大八化学社製)95gを混合容器に入
れ、約60℃に加熱した。連続攪拌しながらハイドロキ
ノン5gを追加した。得られた混合物を攪拌し減圧下約
1時間、60℃に加熱した。次に液体混合物を徐々に約
25℃に冷却し該温度に約24時間保持した。混合物を
検査して固体のハイドロキノンが冷却時に析出沈澱した
か否かを測定した。混合物は、固形分を含有せず25℃
で820センチポイズの粘度を有していた。
【0023】実施例2〜5 難燃剤として表1記載のものを用いること以外は、実施
例1と同様に調製した。
【0024】実施例6 難燃剤として表1記載のもののみ用いた。
【0025】比較例A〜E 本発明の範囲外の成分を用いて、実施例1と同様に調製
及び単独で使用した。実施例及び比較例の各処方で得ら
れた液体の状態を表1に記載する。
【0026】
【表1】
【0027】次に、上記処方で得られた難燃性組成物の
難燃性及びフォギング性を試験し、表2に示した。
【0028】 (低フォギング性難燃ポリウレタンフォームの製造) 処方 ポリオール(三井東圧化学社製、ポリエーテルポリオール、分子量3000) 100 部 イソシアネート(三井東圧化学社製、トルレンジイソシアネート2,4/2, 6 80/20) 55.1部 シリコン油(日本ユニカ株式会社 商品名L-520 ) 1.2部 錫系触媒(三共有機合成株式会社 オクチル酸スズ) 0.3部 アミン系触媒(米国エアプロダクツ社 トリエチレンジアミン) 0.2部 水 4.5部 メチレンクロライド 所要部 難燃剤 所要部 (表2に記載の量) 上記の処方でワンショット法によって、軟質ウレタン発
泡体を製造した。
【0029】製造法 ポリオール、シリコン油、触媒、水及び難燃剤を上記の
処方に示した数量を配合し、3000rpmの回転数を
持つ攪拌機で1分間攪拌して均一に混和した後、イソシ
アネートを加えて、更に3000rpmで5〜7秒間攪
拌後、内容物を手早く正方形のボール箱に注いだ。直ち
に発泡が起こり、数分後最大の容積に達した。このもの
を更に30分間80℃の炉内で硬化せしめた。得られた
発泡体は、白色軟質通気泡型セル組織であった。上記の
方法で得た各種発泡体より、試料を切り取り燃焼試験
(燃焼試験方法MVSS−302)を行った。更にフォ
ギンク性の調査において、DIN75201(欧州のフ
ォギングテスト法)に基づき110℃、 3及び16時
間で行い、ガラスへの付着量の測定を行った。又物性に
おいては、密度(JIS K−7222)〔Kg/
3〕と通気度(JIS L−1004,ASTM D
−737−46)〔ml/cm2/sec〕の測定を行っ
た。
【0030】その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】これらの結果より、比較例に比べて、本
発明の難燃剤を使用した低フォギング性難燃ポリウレタ
ンフォームは、難燃性を維持し、極めて良好なフォギン
グ性を有している。又、該フォームには独立気泡がな
く、通気性が良く、その結果物性は良好である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、R1及びR2は同一または異なる低級アルキル基
    または水素原子、Zは−CH2CH2−、−CH2CH2
    CH2CH2−、 【化2】 で表される有機燐化合物50〜100重量部と、難燃性
    可塑剤として作用する非反応性有機燐化合物50〜0重
    量部と、酸化防止剤0〜5重量部とからなる液状の低フ
    ォギング性難燃ポリウレタン用組成物。
  2. 【請求項2】 非反応有機燐化合物が、塩素化ホスフェ
    ートエステルあるいはそのオリゴマー、塩素化ホスホネ
    ートエステルあるいはそのオリゴマー、または非ハロゲ
    ン系リン酸エステルあるいはそのオリゴマーで、平均分
    子量が350以上で構成される化合物である請求項1に
    記載の低フォギング性難燃ポリウレタン用組成物。
  3. 【請求項3】 酸化防止剤が、式(II): 【化3】 (式中、R′1、R′2、R′3及びR′4は、それぞれ水
    素原子またはC1〜C14のアルキル基を表す。)で示さ
    れるハイドロキノン化合物および/または3価の有機燐
    化合物である請求項1に記載の低フォギング性難燃ポリ
    ウレタン用組成物。
  4. 【請求項4】 ポリウレタン製造時にポリウレタン形成
    用のポリオール原料100重量部に対して2〜60重量
    部使用される請求項1に記載の低フォギング性難燃ポリ
    ウレタン用組成物。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996006885A1 (en) * 1994-08-30 1996-03-07 Akzo Nobel N.V. Fog reduction in polyurethane foam using phosphate esters
US6380273B1 (en) 1999-06-16 2002-04-30 Clariant Gmbh Process for producing flame-retardant flexible polyurethane foams
WO2003055940A1 (en) * 2001-12-21 2003-07-10 Akzo Nobel N.V. Non-halogenated phosphate anti-scorch additive for polyurethane foam
JP2009051996A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Inoac Corp 軟質ポリウレタン発泡体
JP2010043262A (ja) * 2008-08-16 2010-02-25 Lanxess Deutschland Gmbh 低スコーチレベルの、ハロゲンを含まない難燃性ポリウレタン発泡体
JP2014024843A (ja) * 2012-07-20 2014-02-06 Lanxess Deutschland Gmbh ハロゲンフリーなポリ(アルキレンホスフェート)

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