JPH06305866A - 溶射皮膜の封孔処理方法及び皮膜複合体 - Google Patents
溶射皮膜の封孔処理方法及び皮膜複合体Info
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- JPH06305866A JPH06305866A JP5091190A JP9119093A JPH06305866A JP H06305866 A JPH06305866 A JP H06305866A JP 5091190 A JP5091190 A JP 5091190A JP 9119093 A JP9119093 A JP 9119093A JP H06305866 A JPH06305866 A JP H06305866A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 導電性セラミックス又は金属からなる母材の
表面に形成された多孔性のセラミックス溶射皮膜に対し
て、空隙を殆んど残すことなく、良好な封孔処理を行な
うことができる方法を提供することである。 【構成】 導電性セラミックス又は金属からなる母材の
表面に形成された多孔性のセラミックス溶射皮膜11
を、金属アルコキシドの重合体の溶液13中に浸して陽
極とし、その溶液13中に浸した陰極12との間に電流
を流し電気泳動によって上記溶射皮膜11表面に上記金
属アルコキシドの重合体を付着させ、上記溶射皮膜を風
乾させることにより更に加水分解と重合を進行させた
後、焼成することを特徴とする溶射皮膜の封孔処理方法
である。
表面に形成された多孔性のセラミックス溶射皮膜に対し
て、空隙を殆んど残すことなく、良好な封孔処理を行な
うことができる方法を提供することである。 【構成】 導電性セラミックス又は金属からなる母材の
表面に形成された多孔性のセラミックス溶射皮膜11
を、金属アルコキシドの重合体の溶液13中に浸して陽
極とし、その溶液13中に浸した陰極12との間に電流
を流し電気泳動によって上記溶射皮膜11表面に上記金
属アルコキシドの重合体を付着させ、上記溶射皮膜を風
乾させることにより更に加水分解と重合を進行させた
後、焼成することを特徴とする溶射皮膜の封孔処理方法
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属酸化物皮膜を形成
することによって溶射皮膜を封孔処理する方法、及び得
られる皮膜複合体に関するものである。
することによって溶射皮膜を封孔処理する方法、及び得
られる皮膜複合体に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】溶射皮膜は、一般には多孔
質であるため、その細孔構造によって、熱や物質の拡散
や透過に関する物性値、機械的強度などが変化して、溶
射材自身の有する性能が劣るという傾向を有している。
従って、何らかの方法によって、細孔を閉じる、即ち封
孔処理する必要がある。
質であるため、その細孔構造によって、熱や物質の拡散
や透過に関する物性値、機械的強度などが変化して、溶
射材自身の有する性能が劣るという傾向を有している。
従って、何らかの方法によって、細孔を閉じる、即ち封
孔処理する必要がある。
【0003】溶射皮膜に対する従来の封孔処理として
は、例えば、アクリル又はエポキシ樹脂系の塗料を、
溶射皮膜表面に刷毛塗りする、無機系封孔剤、例え
ば、アルミナ及びケイ酸ナトリウムからなる低温焼成セ
ラミックスコーティング剤を、溶射皮膜表面に刷毛塗り
し、又は浸漬塗装する、などの方法が知られている。し
かし、上記方法では、塗料は、溶射皮膜表面に塗布され
るだけであるので、細孔の底部までは浸透しない。従っ
て、溶射皮膜中には空隙が残り、溶射皮膜の耐候性は悪
いものであった。
は、例えば、アクリル又はエポキシ樹脂系の塗料を、
溶射皮膜表面に刷毛塗りする、無機系封孔剤、例え
ば、アルミナ及びケイ酸ナトリウムからなる低温焼成セ
ラミックスコーティング剤を、溶射皮膜表面に刷毛塗り
し、又は浸漬塗装する、などの方法が知られている。し
かし、上記方法では、塗料は、溶射皮膜表面に塗布され
るだけであるので、細孔の底部までは浸透しない。従っ
て、溶射皮膜中には空隙が残り、溶射皮膜の耐候性は悪
いものであった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、導電性セラミックス又は金属
からなる母材の表面に形成された多孔性のセラミックス
溶射皮膜に対して、空隙を殆んど残すことなく、良好な
封孔処理を行なうことができ、更には、セラミックス溶
射皮膜の特性と金属酸化物皮膜の特性とを併せ持つ新た
な複合材料を提供することができる方法を提供すること
を目的とする。
からなる母材の表面に形成された多孔性のセラミックス
溶射皮膜に対して、空隙を殆んど残すことなく、良好な
封孔処理を行なうことができ、更には、セラミックス溶
射皮膜の特性と金属酸化物皮膜の特性とを併せ持つ新た
な複合材料を提供することができる方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【目的を達成するための手段】本発明の溶射皮膜の封孔
処理方法は、導電性セラミックス又は金属からなる母材
の表面に形成された多孔性のセラミックス溶射皮膜を、
金属アルコキシドの重合体の溶液中に浸して陽極とし、
その溶液中に浸した陰極との間に電流を流し電気泳動に
よって上記溶射皮膜表面に上記金属アルコキシドの重合
体を付着させ、上記溶射皮膜を風乾させることにより更
に加水分解と重合を進行させた後、焼成することを特徴
とするものである。
処理方法は、導電性セラミックス又は金属からなる母材
の表面に形成された多孔性のセラミックス溶射皮膜を、
金属アルコキシドの重合体の溶液中に浸して陽極とし、
その溶液中に浸した陰極との間に電流を流し電気泳動に
よって上記溶射皮膜表面に上記金属アルコキシドの重合
体を付着させ、上記溶射皮膜を風乾させることにより更
に加水分解と重合を進行させた後、焼成することを特徴
とするものである。
【0006】また、本発明の皮膜複合体は、導電性セラ
ミックス又は金属からなる母材の表面に形成された多孔
性のセラミックス溶射皮膜と、この溶射皮膜上に形成さ
れた金属酸化物皮膜とからなることを特徴とするもので
ある。
ミックス又は金属からなる母材の表面に形成された多孔
性のセラミックス溶射皮膜と、この溶射皮膜上に形成さ
れた金属酸化物皮膜とからなることを特徴とするもので
ある。
【0007】母材としての金属としては、例えばアルミ
ニウム、鉄、ステンレス、銅などを用いることができ
る。
ニウム、鉄、ステンレス、銅などを用いることができ
る。
【0008】溶射皮膜を構成するセラミックスとして
は、例えばアルミナ、TiB2、BNなどを用いること
ができる。
は、例えばアルミナ、TiB2、BNなどを用いること
ができる。
【0009】金属アルコキシドとしては、「ゾル−ゲル
法の科学」(著者:作花済夫、発行所:株式会社アグネ
承風社、発行日:1988年7月5日)の20頁の表
3.2に記載のものを用い得る。例えば、Al(OC3
H7)4、Si(OC2H5)4、Ti(OCH3)4等があ
る。
法の科学」(著者:作花済夫、発行所:株式会社アグネ
承風社、発行日:1988年7月5日)の20頁の表
3.2に記載のものを用い得る。例えば、Al(OC3
H7)4、Si(OC2H5)4、Ti(OCH3)4等があ
る。
【0010】金属アルコキシドの重合体の溶液は、金属
アルコキシドを水を含んだアルコール及び適量の酸の混
合溶液中に溶解させて調製する。
アルコキシドを水を含んだアルコール及び適量の酸の混
合溶液中に溶解させて調製する。
【0011】電気泳動は、例えば図1に示すような装置
で行なう。図において、10は電源、11は陽極である
セラミックス溶射皮膜、12は陰極、13は容器14内
の金属アルコキシドの重合体の溶液である。
で行なう。図において、10は電源、11は陽極である
セラミックス溶射皮膜、12は陰極、13は容器14内
の金属アルコキシドの重合体の溶液である。
【0012】風乾即ち空気中に晒す時間は、付着した金
属アルコキシドの重合体の加水分解と重合が更に進行し
て略完了するまでとする。
属アルコキシドの重合体の加水分解と重合が更に進行し
て略完了するまでとする。
【0013】焼成は通常の方法により行なう。
【0014】
【作用】金属アルコキシドを水を含んだアルコール及び
適量の酸の混合溶液中に溶解させると、金属アルコキシ
ドは部分的に加水分解された状態で重合し、溶液中には
金属アルコキシドの重合体が生成する。この金属アルコ
キシドの重合体は、数分子の金属アルコキシドの金属同
士が酸素を介して結合し、金属には未だアルコキシル基
が結合してなるものである。
適量の酸の混合溶液中に溶解させると、金属アルコキシ
ドは部分的に加水分解された状態で重合し、溶液中には
金属アルコキシドの重合体が生成する。この金属アルコ
キシドの重合体は、数分子の金属アルコキシドの金属同
士が酸素を介して結合し、金属には未だアルコキシル基
が結合してなるものである。
【0015】図1において、陽極であるセラミックス溶
射皮膜11と陰極12との間に電源10から電流を流す
と、金属アルコキシドの重合体は溶射皮膜11の方へ移
動して、溶射皮膜11表面に付着する。
射皮膜11と陰極12との間に電源10から電流を流す
と、金属アルコキシドの重合体は溶射皮膜11の方へ移
動して、溶射皮膜11表面に付着する。
【0016】溶射皮膜11表面に付着した金属アルコキ
シドの重合体を風乾すると、空気中の水分により更に加
水分解が進行すると同時に重合が進行し、またアルコー
ルが蒸発する。
シドの重合体を風乾すると、空気中の水分により更に加
水分解が進行すると同時に重合が進行し、またアルコー
ルが蒸発する。
【0017】焼成すると、重合体は金属酸化物となる。
こうして金属酸化物の皮膜が得られる。
こうして金属酸化物の皮膜が得られる。
【0018】本発明の方法において、金属アルコキシド
の重合体は、電気泳動して移動するので、溶射皮膜の表
面に万遍なく行き渡り、もちろん細孔の底部までも行き
渡っる。従って、溶射皮膜表面には均一な厚さの金属酸
化物皮膜が形成され、細孔は確実に充填される。即ち、
細孔中に空隙は殆んど残らない。
の重合体は、電気泳動して移動するので、溶射皮膜の表
面に万遍なく行き渡り、もちろん細孔の底部までも行き
渡っる。従って、溶射皮膜表面には均一な厚さの金属酸
化物皮膜が形成され、細孔は確実に充填される。即ち、
細孔中に空隙は殆んど残らない。
【0019】電気泳動させる電圧を変えることによって
任意の膜厚の金属酸化物皮膜が形成され、しかも、泳動
時間は5分以内と非常に短時間となる。
任意の膜厚の金属酸化物皮膜が形成され、しかも、泳動
時間は5分以内と非常に短時間となる。
【0020】公知である電着塗装の装置を用いて行ない
得るので、溶射皮膜11が大面積の基板であっても容易
に用いられ、その表面に均一な厚さの金属酸化物皮膜が
形成される。しかも、装置は簡素であり、金属酸化物皮
膜は安価に形成される。 更に、電着塗装とは異なり、
溶射皮膜11の対極(陰極12)側にネットを設けた
り、液を流動させるための設備を設けたりする必要はな
い。即ち、電着塗装では、水溶液を用いているため、被
塗物の対極側で水素ガス又は酸素ガスが発生し、このガ
スが塗膜中に含まれて欠陥となるので、対極側にガス捕
集用のネットを設けたり、液を流動させたりする必要が
あるが、本発明の方法で用いる溶液13は金属アルコキ
シドの重合体の溶液であるので、ガスの発生はなく、ガ
スによる膜欠陥が生じることはない。
得るので、溶射皮膜11が大面積の基板であっても容易
に用いられ、その表面に均一な厚さの金属酸化物皮膜が
形成される。しかも、装置は簡素であり、金属酸化物皮
膜は安価に形成される。 更に、電着塗装とは異なり、
溶射皮膜11の対極(陰極12)側にネットを設けた
り、液を流動させるための設備を設けたりする必要はな
い。即ち、電着塗装では、水溶液を用いているため、被
塗物の対極側で水素ガス又は酸素ガスが発生し、このガ
スが塗膜中に含まれて欠陥となるので、対極側にガス捕
集用のネットを設けたり、液を流動させたりする必要が
あるが、本発明の方法で用いる溶液13は金属アルコキ
シドの重合体の溶液であるので、ガスの発生はなく、ガ
スによる膜欠陥が生じることはない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。 (実施例1)純アルミニウム材からなる母材をブラスト
処理した後、ホワイトアルミナ(α−Al2O3、純度9
9.6%、平均粒径約20μm)を出力250kwでプ
ラズマ溶射して、厚さ約300μmの溶射皮膜を形成し
た。
処理した後、ホワイトアルミナ(α−Al2O3、純度9
9.6%、平均粒径約20μm)を出力250kwでプ
ラズマ溶射して、厚さ約300μmの溶射皮膜を形成し
た。
【0022】一方、300mlビーカーにジルコニウム
テトラブトキシド(Zr(OC4H9)4)(三津和化学
薬品工業(株)製)15mlと1−ブタノール185m
lを入れて混合し、更に、35%塩酸3mlを添加し
て、ジルコニウムテトラブトキシドの重合体の溶液を調
製した。
テトラブトキシド(Zr(OC4H9)4)(三津和化学
薬品工業(株)製)15mlと1−ブタノール185m
lを入れて混合し、更に、35%塩酸3mlを添加し
て、ジルコニウムテトラブトキシドの重合体の溶液を調
製した。
【0023】そして、上記重合体の溶液に、上記溶射皮
膜を浸して陽極とし、陰極として純チタン板を用い、両
極間に、大気雰囲気下で、4通りの異なる値の直流電圧
(50V、100V、150V、200V)を3分間印
加した。なお、直流電圧を印加しない場合についても検
討した。後処理は、上記溶射皮膜をメタノール溶液に浸
漬した後、水洗し、30分間風乾させた後、電気炉で5
00℃、1時間加熱した。
膜を浸して陽極とし、陰極として純チタン板を用い、両
極間に、大気雰囲気下で、4通りの異なる値の直流電圧
(50V、100V、150V、200V)を3分間印
加した。なお、直流電圧を印加しない場合についても検
討した。後処理は、上記溶射皮膜をメタノール溶液に浸
漬した後、水洗し、30分間風乾させた後、電気炉で5
00℃、1時間加熱した。
【0024】次のような結果が得られた。 直流電圧を50V、100V、200V印加した場合
では、上記溶射皮膜表面に、青色〜淡緑色の均一な厚さ
の酸化ジルコニウム皮膜が得られた。膜厚は0.1〜
0.2μm程度であった。 直流電圧を150V印加した場合が最も良好であり、
上記溶射皮膜表面に、青緑色で0.25μmの均一な厚
さの酸化ジルコニウム皮膜が得られた。 直流電圧を印加しなかった場合では、酸化ジルコニウ
ム皮膜がむら状に僅かに生成した。
では、上記溶射皮膜表面に、青色〜淡緑色の均一な厚さ
の酸化ジルコニウム皮膜が得られた。膜厚は0.1〜
0.2μm程度であった。 直流電圧を150V印加した場合が最も良好であり、
上記溶射皮膜表面に、青緑色で0.25μmの均一な厚
さの酸化ジルコニウム皮膜が得られた。 直流電圧を印加しなかった場合では、酸化ジルコニウ
ム皮膜がむら状に僅かに生成した。
【0025】酸化ジルコニウム皮膜の形成された上記溶
射皮膜に対して、JIS−C2110に基づく絶縁破壊
試験を行なった。その結果、絶縁破壊電圧は、油中で
5.5〜6kv、気中で3.5〜4kvであった。一
方、酸化ジルコニウム皮膜の形成されていない溶射皮膜
に対して、同じく絶縁破壊試験を行なったところ、絶縁
破壊電圧は、油中で3〜3.5kv、気中で2〜3kv
であった。即ち、本実施例の方法によれば、溶射皮膜の
絶縁性が向上している。このことは、溶射皮膜の細孔が
酸化ジルコニウムによって密に充填されており、細孔中
に空隙が殆んど残っていないことを示している。即ち、
封孔処理が良好に行なわれている。
射皮膜に対して、JIS−C2110に基づく絶縁破壊
試験を行なった。その結果、絶縁破壊電圧は、油中で
5.5〜6kv、気中で3.5〜4kvであった。一
方、酸化ジルコニウム皮膜の形成されていない溶射皮膜
に対して、同じく絶縁破壊試験を行なったところ、絶縁
破壊電圧は、油中で3〜3.5kv、気中で2〜3kv
であった。即ち、本実施例の方法によれば、溶射皮膜の
絶縁性が向上している。このことは、溶射皮膜の細孔が
酸化ジルコニウムによって密に充填されており、細孔中
に空隙が殆んど残っていないことを示している。即ち、
封孔処理が良好に行なわれている。
【0026】また、こうして得られたホワイトアルミナ
溶射皮膜と酸化ジルコニウム皮膜とからなる複合材料
は、耐熱性、耐熱衝撃性、及び断熱性等の性質を有して
いるので、高温炉部材や熱交換器部材として有効に用い
得る。
溶射皮膜と酸化ジルコニウム皮膜とからなる複合材料
は、耐熱性、耐熱衝撃性、及び断熱性等の性質を有して
いるので、高温炉部材や熱交換器部材として有効に用い
得る。
【0027】(実施例2)軟鋼からなる母材を#24の
直圧式ブラストによりブラスト処理した後、99.5%
の窒化ホウ素(BN;粒径10〜75μm)を出力20
0kWでプラズマ溶射して、厚さ200μmの溶射皮膜
を形成した。
直圧式ブラストによりブラスト処理した後、99.5%
の窒化ホウ素(BN;粒径10〜75μm)を出力20
0kWでプラズマ溶射して、厚さ200μmの溶射皮膜
を形成した。
【0028】一方、シリカアルコキシド(Si(OC2
H5)4)59mlと、エタノール119mlと、水59
mlとの混合溶液に、更に、98%硫酸0.2mlを添
加して、シリカアルコキシドの重合体の溶液を調製し
た。
H5)4)59mlと、エタノール119mlと、水59
mlとの混合溶液に、更に、98%硫酸0.2mlを添
加して、シリカアルコキシドの重合体の溶液を調製し
た。
【0029】そして、上記重合体の溶液に、上記溶射皮
膜を浸して陽極とし、陰極として純チタン板を用い、両
極間に、直流電圧50Vを2分間印加した後、150V
を1分間印加した。そして、実施例1と同様に後処理し
た。その結果、上記溶射皮膜表面に、二酸化ケイ素(S
iO2)の皮膜が形成された。
膜を浸して陽極とし、陰極として純チタン板を用い、両
極間に、直流電圧50Vを2分間印加した後、150V
を1分間印加した。そして、実施例1と同様に後処理し
た。その結果、上記溶射皮膜表面に、二酸化ケイ素(S
iO2)の皮膜が形成された。
【0030】二酸化ケイ素皮膜の形成された上記溶射皮
膜に対して、塩水噴霧試験を行なったところ、2000
時間でも全く変化がなかった。一方、二酸化ケイ素皮膜
を形成しなかった溶射皮膜では、5時間でRN8の点食
が認められた。このことは、溶射皮膜の細孔が二酸化ケ
イ素によって密に充填されており、細孔中に空隙が殆ん
ど残っていないことを示している。即ち、封孔処理が良
好に行なわれている。
膜に対して、塩水噴霧試験を行なったところ、2000
時間でも全く変化がなかった。一方、二酸化ケイ素皮膜
を形成しなかった溶射皮膜では、5時間でRN8の点食
が認められた。このことは、溶射皮膜の細孔が二酸化ケ
イ素によって密に充填されており、細孔中に空隙が殆ん
ど残っていないことを示している。即ち、封孔処理が良
好に行なわれている。
【0031】窒化ホウ素溶射皮膜は高硬度、耐食性等の
性質を有し、二酸化ケイ素皮膜は耐熱衝撃性を有してい
るため、これらからなる複合材料は、研磨部材や研削部
材として有効に用い得る。
性質を有し、二酸化ケイ素皮膜は耐熱衝撃性を有してい
るため、これらからなる複合材料は、研磨部材や研削部
材として有効に用い得る。
【0032】(他の実施例)金属アルコキシドの重合体
の溶液としては、次のものを用いてもよい。 アルミニウムアルコキシド(Al(OC3H7)3)5
9mlと、エタノール119mlと、水59mlとの混
合溶液に、98%硫酸0.2mlを添加して調製したも
の。
の溶液としては、次のものを用いてもよい。 アルミニウムアルコキシド(Al(OC3H7)3)5
9mlと、エタノール119mlと、水59mlとの混
合溶液に、98%硫酸0.2mlを添加して調製したも
の。
【0033】バリウムアルコキシド(Ba(OC
3H7)2)5mlと、チタンアルコキシド(Ti(OC5
H11)4)7mlと、イソプロピルアルコール188m
lとの混合溶液に、98%硫酸3mlを添加して調製し
たもの。
3H7)2)5mlと、チタンアルコキシド(Ti(OC5
H11)4)7mlと、イソプロピルアルコール188m
lとの混合溶液に、98%硫酸3mlを添加して調製し
たもの。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、金属ア
ルコキシドの重合体を電気泳動させるので、導電性セラ
ミックス又は金属からなる母材の表面に形成された多孔
性のセラミックス溶射皮膜を、細孔中に空隙を殆んど残
すことなく、良好に封孔処理することができる。
ルコキシドの重合体を電気泳動させるので、導電性セラ
ミックス又は金属からなる母材の表面に形成された多孔
性のセラミックス溶射皮膜を、細孔中に空隙を殆んど残
すことなく、良好に封孔処理することができる。
【0035】更に、セラミックス溶射皮膜と金属酸化物
皮膜とからなる新たな複合材料を提供することができ
る。
皮膜とからなる新たな複合材料を提供することができ
る。
【図1】 本発明の封孔処理方法を実施するための装置
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
11 セラミックス溶射皮膜 12 陰極 13 (金属アルコキシドの重合体の)溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 13/06 Z
Claims (2)
- 【請求項1】 導電性セラミックス又は金属からなる母
材の表面に形成された多孔性のセラミックス溶射皮膜
を、金属アルコキシドの重合体の溶液中に浸して陽極と
し、その溶液中に浸した陰極との間に電流を流し電気泳
動によって上記溶射皮膜表面に上記金属アルコキシドの
重合体を付着させ、上記溶射皮膜を風乾させることによ
り更に加水分解と重合を進行させた後、焼成することを
特徴とする溶射皮膜の封孔処理方法。 - 【請求項2】 導電性セラミックス又は金属からなる母
材の表面に形成された多孔性のセラミックス溶射皮膜
と、この溶射皮膜上に形成された金属酸化物皮膜とから
なることを特徴とする皮膜複合体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5091190A JP2547936B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 溶射皮膜の封孔処理方法及び皮膜複合体 |
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JPH06305866A true JPH06305866A (ja) | 1994-11-01 |
JP2547936B2 JP2547936B2 (ja) | 1996-10-30 |
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JP (1) | JP2547936B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6863798B2 (en) * | 2001-12-28 | 2005-03-08 | Omega Co., Ltd. | Method of producing washing, cleaning and sterilizing solution and system using such solution |
JP2008066365A (ja) * | 2006-09-05 | 2008-03-21 | Nichia Chem Ind Ltd | 発光装置の形成方法 |
JP2010138047A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Nagoya Electrical Educational Foundation | 複合活性炭の製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05246701A (ja) * | 1992-03-04 | 1993-09-24 | Sekisui Chem Co Ltd | 金属酸化物被覆体の製造方法 |
-
1993
- 1993-04-19 JP JP5091190A patent/JP2547936B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2547936B2 (ja) | 1996-10-30 |
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