JPH06305820A - セラミック成形用組成物 - Google Patents

セラミック成形用組成物

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JPH06305820A
JPH06305820A JP5101336A JP10133693A JPH06305820A JP H06305820 A JPH06305820 A JP H06305820A JP 5101336 A JP5101336 A JP 5101336A JP 10133693 A JP10133693 A JP 10133693A JP H06305820 A JPH06305820 A JP H06305820A
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JP
Japan
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ceramic
molding
binder
composition
raw material
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JP5101336A
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English (en)
Inventor
Kiyohiro Sakasegawa
清浩 逆瀬川
Hitoshi Matsunosako
等 松之迫
Takehiro Oda
武廣 織田
Motoyuki Fujii
基之 藤井
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バインダー量を削減しても射出成形し得る流動
性を保持し、かつ脱脂が極めて容易に短時間で完了でき
るセラミック成形用組成物を提供する。 【構成】セラミック原料粉末にバインダーとして熱可塑
性樹脂または熱硬化性樹脂を1種以上と解膠剤として1
2−ヒドロキシステアリン酸のエステル重合体を疎水基
とする分散剤を添加混合し、更に有機溶媒を含有させた
り、前記熱可塑性樹脂を特に12−ヒドロキシステアリ
ン酸またはワックスとして調製したセラミック成形用組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形に使用するセラ
ミック成形用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミック材料は、各種電子回路
基板や誘電体、圧電体等の電子部品等は勿論、エンジン
やガスタービン等の熱機関用部品、化学プラント等の構
成部材、更には時計やアクセサリー等の装飾部品にも多
用されるようになってきた。
【0003】しかしながら、前記熱機関用部品をはじめ
として、そのいずれもが従来にない寸法精度を要求され
るようになり、その上、複雑な三次元構造をした形状が
多いことから、セラミック材料が有する優れた特性、即
ち耐熱性、耐食性、耐摩耗性や高強度かつ比較的軽量で
あるというにもかかわらず、焼結時の焼成収縮に伴う変
形を生じたり、加工性に難点がある等、簡単にそれらの
部材を得ることができなかった。
【0004】従来、寸法精度を要するものや複雑な形状
のセラミック部材を得るには、プレス成形法やラバープ
レス成形法等で予め近似形状のセラミック成形体を成形
し、焼成前に機械加工により研磨代を含む形状寸法にし
た後、焼成後、研磨加工して所定の形状寸法に仕上げる
のが一般的であった。
【0005】しかし、このような方法では、成形時にセ
ラミック原料粉末に加わる圧縮応力の不均一性や、粒子
間の摩擦による圧力損失などにより均一な密度の成形体
を得ることができず、焼成収縮に伴う変形は避けられ
ず、焼成後の仕上げ加工が必要不可欠になっており、量
産化することが難しく、製造コストが増大してセラミッ
ク製各種部品の実用化を困難ならしめていた。
【0006】また、その他の成形方法として、セラミッ
ク原料粉末と各種バインダーの混合物を加圧して押し出
す押出成形法や、セラミック原料粉末を溶媒に分散させ
た泥漿を成形型に注入する鋳込成形法等があるが、成形
可能な形状が限定されたり、所期の寸法精度を得るため
には焼成後の仕上げ加工が避けられない等、種々欠点を
有している。
【0007】そこで係る諸問題を解決するために、セラ
ミック原料粉末にバインダーとして高分子材料やワック
ス等の有機物から成る熱可塑性物質等を添加して高温に
て混練し、流動性を付与させて可塑化状態とした後、金
属製の型に加圧注入する射出成形法が提案されている
(特開平4ー193758号公報、特開平4−3381
55号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記射
出成形法では、セラミック原料粉末に有機物系バインダ
ーを35〜50体積%程度添加しないと高粘度の成形材
料を型内に射出注入可能な流動性が得られず、流動性が
不十分だと成形体にジェッティング等の成形不良が発生
し易く、また高圧で成形するために成形体の中心部の密
度が低く成り易い他、成形後は含有する有機物系バイン
ダーを除去するために、極めて遅い昇温速度、例えば2
℃/時間程度で100〜200時間かける長時間の脱脂
工程を設けなければ、得られた脱脂体にクラックやフク
レ等の欠陥を生じる上、製造コストが増大する等、多く
の課題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、前記課題を解消せんとしたも
のであり、バインダー量を削減しても射出成形し得る流
動性を保持し、かつ脱脂が極めて容易に短時間で可能と
なるセラミック成形用組成物を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミック成形
用組成物は、セラミック原料粉末にバインダーとして熱
可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を1種以上含むセラミッ
ク成形用組成物であって、該組成物中には解膠剤として
12−ヒドロキシステアリン酸のエステル重合体を疎水
基とする分散剤を含有することを特徴とするものであ
り、とりわけ前記組成物が有機溶媒を含有したり、前記
熱可塑性樹脂が12−ヒドロキシステアリン酸またはワ
ックスであればより好適である。
【0011】
【作用】セラミック原料粉末に加えた12−ヒドロキシ
ステアリン酸のエステル重合体を疎水基とする分散剤
は、セラミック原料粉末とバインダーの親和性を増し、
少ないバインダー量で射出成形可能な流動性が得られ、
バインダー量の低減と脱脂時間の短縮を可能とし、脱脂
時に発生し易い欠陥を防止するように作用する。
【0012】
【実施例】以下、本発明のセラミック成形用組成物を実
施例に基づき詳細に説明する。本発明のセラミック成形
用組成物は、先ずセラミック原料粉末とバインダ−とし
て熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を1種以上、及び1
2−ヒドロキシステアリン酸のエステル重合体を疎水基
とする分散剤を加えて混練機を使用して混練トルクが一
定になるまで十分に混練する。次いで、得られた混練物
をペレタイザ−等の押し出し造粒機により押し出した
後、カットして造粒し、射出成形用原料とする。
【0013】かくして調製した射出成形用原料は、一般
の射出成形機により従来の射出成形条件は勿論、更に低
圧で射出成形してもセラミック成形体を得ることが可能
となる。
【0014】次に、得られたセラミック成形体を、緩や
かな昇温速度で含有するバインダ−が完全に揮散する温
度、即ち約500℃前後まで昇温して脱脂する。尚、そ
の際、必要に応じて減圧下で行うことも可能である。脱
脂後、所定の焼成温度で焼成してセラミック焼結体を得
る。
【0015】前記セラミック原料粉末は、その粒子径が
大き過ぎるとバインダーとの親和性を付与させるのに長
時間の混練が必要となり、逆に小さ過ぎると混練したセ
ラミック成形用組成物の溶融粘度が高くなり過ぎて好ま
しくないことから、粒子径は0.5〜10μmであるこ
とが望ましい。
【0016】また、本発明のセラミック成形用組成物
は、アルミナやチタン酸バリウム等に代表される酸化物
系セラミックスや、窒化珪素や炭化珪素等に代表される
非酸化物系セラミックスのいずれにも適用でき、セラミ
ック原料粉末には必要に応じて適宜、焼結助剤を添加さ
せても良い。
【0017】本発明の熱可塑性樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリブチラ−ル、アクリル系樹脂、12−ヒドロ
キシステアリン酸やワックス等があり、とりわけ12−
ヒドロキシステアリン酸またはワックスが好適であり、
一方、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリエステ
ル変性樹脂、フェノール樹脂およびこれら樹脂のモノマ
−、オリゴマ−等が挙げられる。
【0018】尚、本発明の熱可塑性樹脂または熱硬化性
樹脂の含有量は、セラミック原料粉末100重量部に対
して2〜30重量部の範囲で用いることが望ましく、前
記含有量が2重量部未満の場合、流動性がダイラタンシ
−性を示してしまい、また30重量部を越えると、成形
体の脱脂変形や収縮が大きくなって好ましくない。
【0019】更に、前記熱可塑性樹脂または熱硬化性樹
脂の一部を有機溶媒に置き換えると脱脂が極めて容易
に、かつ短時間で完了でき好適である。尚、前記有機溶
媒としては、ジオクチルフタレートやジノニルフタレ−
ト等の一般にプラスチックの可塑剤とされる溶媒や、エ
チレングリコールやプロピレングリコ−ル、グリセリ
ン、ステアリン酸エステル等の極性溶媒、あるいは流動
パラフィン等の無極性溶媒が挙げられる。
【0020】また、本発明に用いる解膠剤は、12−ヒ
ドロキシステアリン酸のエステル重合体を疎水基とする
分散剤であるが、エステル重合度は3〜7量体が望まし
く、重合鎖の末端はステアリン酸でも良い。
【0021】一方、分散剤の親水基は、界面活性剤とし
て公知の親水性原子団のいずれでもよく、構造式が下記
化1で示される様なアニオン系、同じく化2で示される
様なカチオン系、同じく化3または化4で示される様な
ノニオン系、または同じく化5で示されるベタイン系の
いずれでも良く、好ましくはイオン性のアニオン系、カ
チオン系、あるいはベタイン系であり、特に好ましくは
アミン系または/およびカルボン酸系の官能基を有する
親水基である。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】前記分散剤の最適添加量はセラミック原料
粉末の表面特性及び表面積により異なるが、添加量が少
な過ぎると組成物の流動性向上の効果が少なく、添加量
が多過ぎると添加量の割りに流動性が向上せず、むしろ
流動性が悪化する傾向があるため、その添加量はセラミ
ック原料粉末100重量部に対して0.05〜5重量
部、より好ましくは0.1〜3重量部となる。
【0028】次に、本発明のセラミック成形用組成物の
評価について以下詳述する。 (実施例1)平均粒径0.7μmのチタン酸バリウムを
原料とし、該原料粉末100重量部に対して30重量部
のワックス、12−ヒドロキシステアリン酸(12HS
A)又はエポキシ樹脂のいずれかと、12−ヒドロキシ
ステアリン酸のエステル重合体を疎水基とする分散剤の
種類と添加量を種々設定し、更に有機溶媒としてミネラ
ルスピリッツ(MS)を12−ヒドロキシステアリン酸
(12HSA)と1対1の割合で添加した配合例も加え
て、それらの混合原料を100℃に加熱した加圧式混練
機で混練し、該混練機の回転羽根の駆動軸に直結したト
ルクセンサーからの電気信号より混練トルクを求め、分
散剤の添加による流動性を評価した。
【0029】尚、分散剤として不飽和カルボン酸にはオ
レイン酸を、シランカップリング剤にはトリメトキシメ
チルシランを添加したものを比較例とした。
【0030】次いで、得られた混練物をペレタイザ−で
チップ化した後、20×20×20mmの直方体の成形
体を射出成形し、金型内への原料の充填状態により、完
全に充填した良品の成形体が得られたものを○、充填は
しているが若干のフローマーク等の不良が認められるも
のを△、流動性不足で未充填のものを×として成形性を
評価した。
【0031】また、前記射出成形体各100個を使用し
て、従来より極めて早い昇温速度である15℃/時間で
脱脂し、クラックやフクレ等の欠陥を生じた個数から不
良率を求めた。以上の結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、比較例では混練
トルクが高く、成形時の流動性が悪いのに対して、本発
明の組成物では混練トルクが非常に低く、流動性の改善
が認められ、従来より極めて短時間で欠陥のない脱脂が
でき、更に、本発明のセラミック成形用組成物では20
重量部までバインダ−を削減できることも明らかとなっ
た。
【0034】(実施例2)平均粒径1μmの窒化珪素を
主原料とし、焼結助剤としてイッテリビア等を添加した
原料粉末にバインダーと分散剤を種々組合せ、実施例1
と同様に混練した後、射出成形して同様の成形体を得て
同様に各種評価を実施した。以上の結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果からも明らかなように、本発明
のセラミック成形用組成物は、種々のバインダーを用い
ても、流動性を低減させる効果が非常に大きく、かつ脱
脂効率も極めて良好であることが分かる。尚、本発明は
何ら前記実施例に限定されるものではない。
【0037】
【発明の効果】叙上の如く、本発明のセラミック成形用
組成物によれば、少ないバインダー量で射出成形し得る
流動性に優れたセラミック原料粉末とバインダーとの混
合物を得ることができ、その結果、脱脂が極めて容易に
短時間で完了できるとともに、脱脂時に発生し易いクラ
ックやフクレ等の欠陥を防止できる他、射出成形機や型
の摩耗を著しく低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 基之 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック原料粉末にバインダーとして熱
    可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を1種以上含むセラミッ
    ク成形用組成物であって、該組成物中に12−ヒドロキ
    システアリン酸のエステル重合体を疎水基とする分散剤
    を含有することを特徴とするセラミック成形用組成物。
  2. 【請求項2】前記セラミック成形用組成物が、有機溶媒
    を含有することを特徴とする請求項1記載のセラミック
    成形用組成物。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性樹脂が、12−ヒドロキシス
    テアリン酸またはワックスであることを特徴とする請求
    項1記載のセラミック成形用組成物。
JP5101336A 1993-04-27 1993-04-27 セラミック成形用組成物 Pending JPH06305820A (ja)

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JP5101336A JPH06305820A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 セラミック成形用組成物

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JP5101336A JPH06305820A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 セラミック成形用組成物

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021123904A1 (en) * 2019-12-17 2021-06-24 Momentive Performance Materials Gmbh Polymeric fatty acid compounds for the treatment of fibrous amino acid-based substrates, especially hair

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021123904A1 (en) * 2019-12-17 2021-06-24 Momentive Performance Materials Gmbh Polymeric fatty acid compounds for the treatment of fibrous amino acid-based substrates, especially hair

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