JP2000117714A - 無機粉末射出成形用組成物および無機焼結体の製造方法 - Google Patents

無機粉末射出成形用組成物および無機焼結体の製造方法

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JP2000117714A
JP2000117714A JP10246796A JP24679698A JP2000117714A JP 2000117714 A JP2000117714 A JP 2000117714A JP 10246796 A JP10246796 A JP 10246796A JP 24679698 A JP24679698 A JP 24679698A JP 2000117714 A JP2000117714 A JP 2000117714A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一体的なセラミック焼結体をもってTMモー
ド誘電体共振器の本体部分を製造する際に用意される焼
結前の成形体を、射出成形によって得ようとするとき、
この成形体の特定の箇所にひび割れが生じることがあ
る。 【解決手段】 成形体の金型内での寸法と金型から取り
出した後の寸法とから求めた成形収縮率が0.5%未満
となり、かつ、成形体の、バインダ除去前の曲げ弾性率
が790kgf/mm2 未満となるように設定された、
無機粉末射出成形用組成物を用いて、誘電体共振器の本
体部分となる成形体を射出成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無機粉末射出成
形用組成物、およびそれを用いて実施される無機焼結体
の製造方法に関するもので、特に、無機粉末射出成形用
組成物における特性の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミック材料や金属材料からなる無機
粉末を焼結させて無機焼結体を得る方法は、たとえば電
子部品の製造の技術分野において広く適用されている。
【0003】このような電子部品の分野において製造さ
れる無機焼結体は、単純な形状のものもあるが、電子部
品の小型化や高性能化を図るため、複雑な形状とされな
ければならないこともある。
【0004】複雑な形状の無機焼結体を得ようとする場
合、無機原料粉末に熱可塑性樹脂を含むバインダを混練
することによって、可塑性を付与し、射出成形すること
により成形体を得、この成形体を加熱することにより脱
脂を行ない、その後、焼結可能な温度で成形体を焼成す
ることにより無機焼結体を得る方法が実施されている。
【0005】この射出成形に基づく方法は、プレス成形
法や押出し成形法では成形不可能な複雑形状の製品の製
造が可能であり、また、泥漿鋳込み成形法に比べ量産性
が高く、また、寸法精度の高い製品が得られる、という
利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ば、特公平7−3922号公報に記載されるようなTM
モード誘電体共振器の本体部分、すなわち、内壁面によ
って規定される空間を形成するケース部と、このケース
部の内壁面の相対向する部分間を連結するように空間内
に配置される柱部とを備える構造物を、射出成形に基づ
き得ようとした場合、射出成形後の金型から取り出した
成形体における、ケース部と柱部との連結部分に、ひび
割れが発生することがある。特に、ケース部と柱部との
肉厚の差が比較的大きいとき、このようなひび割れが発
生しやすい。
【0007】そこで、この発明の目的は、射出成形によ
り得られる成形体の形状にかかわらず、上述したような
ひび割れが生じにくいようにされた、無機粉末射出成形
用組成物および無機焼結体の製造方法を提供しようとす
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、まず、無機
粉末とバインダとを含む無機粉末射出成形用組成物に向
けられる。この組成物は、無機焼結体の製造方法におい
て使用されるものであって、この製造方法では、上述し
た無機粉末射出成形用組成物を所望の形状に射出成形す
ることによって、成形体を得、次いで、成形体からバイ
ンダを除去した後、成形体を焼成することによって無機
焼結体を得る、各工程が実施される。
【0009】このような無機焼結体の製造方法におい
て、射出成形によって得られた成形体が有するいくつか
の特性がひび割れを防止するのに重要であることを見出
し、この発明をなすに至ったものである。
【0010】すなわち、この発明では、成形体の金型内
での寸法と金型から取り出した後の寸法とから求めた成
形収縮率が0.5%未満となるとともに、成形体の、バ
インダを除去する前の曲げ弾性率が790kgf/mm
2 未満となるように設定されることを特徴としている。
【0011】上述した成形収縮率は、より具体的には、
射出成形して得られた成形体を金型から取り出した後、
24±1時間、常温で放置した後、この成形体の寸法を
測定し、この成形体の寸法と金型の寸法とから、以下の
式に基づき算出したものである。 成形収縮率(%)=〔(金型寸法−成形体寸法)/金型
寸法〕×100 また、曲げ弾性率は、JIS K7171に従って3点
曲げ試験により求められるものであり、より具体的に
は、次の式により算出される。 Ef =(σf2−σf1)/(εf2−εf1) ここに、Ef は曲げ弾性率、σf1はたわみs1 で測定し
た曲げ応力、σf2はたわみs2 で測定した曲げ応力、ε
f1はたわみs1 に対応する曲げひずみ、εf2はたわみs
2 に対応する曲げひずみである。
【0012】なお、曲げひずみεfiは、次の式により算
出される。 εfi=6hsi /L2 ここに、Lは支点間距離、hは厚さである。
【0013】上述した成形収縮率は、より好ましくは、
0.3%未満となるように設定される。
【0014】この発明に係る無機粉末射出成形用組成物
において、無機粉末の平均粒径は、好ましくは、0.0
1〜100μmであり、より好ましくは、0.5〜10
μmである。
【0015】また、この発明に係る無機粉末射出成形用
組成物を得るため、バインダが融解した状態で、無機粉
末とバインダとを混練するようにすることが好ましい。
【0016】この発明の特徴となる成形収縮率および曲
げ弾性率を上述のような特定的な範囲に設定するため、
種々の方法があり得るが、たとえば、バインダの添加比
率が調整される。
【0017】好ましくは、バインダは、無機粉末とバイ
ンダとの合計に対して、30体積%以上60体積%以下
添加される。
【0018】この発明は、また、上述したような無機粉
末射出成形用組成物を用いて実施される無機焼結体の製
造方法にも向けられる。この無機焼結体の製造方法で
は、上述した無機粉末射出成形用組成物を所望の形状に
射出成形することによって、成形体を得、次いで、成形
体からバインダを除去した後、成形体を焼成することに
よって無機焼結体を得る、各工程が実施される。
【0019】この発明に係る製造方法によって、代表的
には、セラミック焼結体を得ることができ、この場合に
は、無機粉末射出成形用組成物に含まれる無機粉末は、
セラミック材料から構成される。
【0020】また、上述のようにセラミック焼結体を製
造する場合、内壁面によって規定される空間を形成する
ケース部と、ケース部の内壁面の相対向する部分間を連
結するように空間内に配置される柱部とを備える、TM
モード誘電体共振器の本体部分を製造するのに、この発
明を有利に適用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1には、この発明を適用して有
利に製造されるTMモード誘電体共振器の本体部分1が
斜視図で示されている。
【0022】この本体部分は、内壁面2によって規定さ
れる空間3を形成するケース部4と、このケース部4の
内壁面2の相対向する部分間を連結するように空間3内
に配置される柱部5とを備えている。ここで、ケース部
4の肉厚に比べて、柱部4の肉厚が厚く、これらケース
部4と柱部5との間で比較的大きな肉厚差を有してい
る。
【0023】このような本体部分1を射出成形するた
め、誘電体セラミック粉末とバインダとを含む射出成形
用組成物が用意される。以下に、このような誘電体共振
器の本体部分のための特定的な射出成形用組成物に限ら
ず、無機粉末とバインダとを含む無機粉末射出成形用組
成物について一般的に説明する。
【0024】無機粉末射出成形用組成物に含まれる無機
粉末としては、アルミナ、ジルコニア等の酸化物セラミ
ック材料、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウ
ム、チタン酸ジルコン酸鉛等の複合酸化物セラミック材
料、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素等の非酸化
物系セラミック材料等、種々のセラミック原料およびそ
れらの2種類以上の混合物からなるもの、あるいは、
鉄、ステンレス鋼、カルボニル鉄等の鉄系金属、チタ
ン、銅、アルミニウム等の非鉄金属またはそれらの合金
からなるもの、あるいは、セラミックと金属との複合材
料であるサーメット等からなるもの等、焼結可能な材料
からなる無機粉末であれば、いずれを用いてもよい。
【0025】このような無機粉末の平均粒径は、好まし
くは、0.01〜100μm、より好ましくは、0.5
〜10μmとされる。その理由は、平均粒径がこの範囲
を超えて小さい場合、射出成形に必要な流動性を得るた
めに必要なバインダの添加量が多くなり、後述する脱脂
工程において、長い時間が必要となるためであり、他
方、平均粒径が上述の範囲を超えて大きい場合には、緻
密な焼結体を得ることが困難になるためである。
【0026】無機粉末射出成形用組成物に含まれるバイ
ンダとしては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂
等の樹脂、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、蜜蝋等のワックス、ステアリン酸、パルミチ
ン酸等の高級脂肪酸、あるいは、フタル酸エステル等の
可塑剤等、現在、バインダとして知られている種々のも
のを、適宜、単独でまたは組み合わせて使用することが
できる。
【0027】上述したような無機粉末とバインダとは、
十分に混練される。この混練には、加圧式ニーダのよう
な強力なせん断作用が及ぼされる設備を用い、バインダ
を融解させた状態で行なうことが望ましい。この操作に
より、バインダは無機粉末間に均一に分散し、得られた
混練物は、バインダの融点以上の高温下で流動性を持つ
ようになる。なお、この混練の際に、無機粉末とバイン
ダとの分散性を高めかつ流動性を向上させるために、高
級脂肪酸や高級脂肪酸エステル等からなる分散剤を添加
してもよい。
【0028】また、バインダの添加量は、無機粉末とバ
インダとの合計に対して、30体積%以上60体積%以
下であることが望ましい。その理由は、次のとおりであ
る。バインダの添加量が30体積%未満の場合には、無
機粉末とバインダとの混練物の流動性が悪く、目的とす
る形状に成形できないことがあり、また、成形可能な場
合でも、得られた焼結体にウェルドラインやフローマー
クといった成形に起因する欠陥が発生しやすい。他方、
バインダの添加量が60体積%を超える場合には、成形
体の密度が低くなるため、脱脂および焼成時における変
形やひび割れが発生しやすくなる。
【0029】この発明では、上述したような無機粉末と
バインダとの混練物、すなわち無機粉末射出成形用組成
物の成形収縮率が0.5%未満であり、かつ、成形体の
曲げ弾性率が790kgf/mm2 未満であることが特
徴である。
【0030】成形収縮率を0.5%未満に設定するの
は、次の理由による。
【0031】すなわち、たとえば、大きなアンダーカッ
トを持つ形状の成形体を射出成形する場合、射出成形し
た成形体が金型内で冷却され固化する際、アンダーカッ
ト部分を形作るための金型のコア部が成形体の収縮の邪
魔をすることになるが、成形収縮率が0.5%以上であ
ると、このようなコア部による収縮の邪魔によって成形
体の特定の部分にひび割れを発生させることがある。図
1に示した誘電体共振器の本体部分1について言えば、
成形収縮率が0.5%以上になると、成形体におけるケ
ース部4と柱部5との連結部分にひび割れが発生しやす
い。
【0032】他方、上述した成形収縮率は、これが小さ
くなると、成形体と金型のキャビティ部との密着性が高
くなり、型開き時に働く引張り応力により、成形体の特
定の部分にひび割れが発生しやすくなる。図1に示した
誘電体共振器の本体部分1について言えば、成形体にお
けるケース部4の部分にひび割れが発生しやすい。
【0033】これを解決するためには、成形体に柔軟性
を与えればよく、そのため、成形体の3点曲げ試験にお
ける曲げ弾性率が790kgf/mm2 未満となるよう
な無機粉末射出成形用組成物を用いることにより、この
ようなひび割れを防止することができる。
【0034】このようにして得られた混練物、すなわち
無機粉末射出成形用組成物は、射出成形において取り扱
いやすい大きさに造粒される。その方法としては、混練
物を加熱しながら、直径3mm程度の大きさのダイスか
ら押し出し、その直後にカッターにてカットするホット
カット法、あるいは、同様にダイスから押し出し、冷却
した後に、カッターにてカットするストランドカット
法、さらには、平板状等の形状にした後、破砕する破砕
法等がある。
【0035】上述のような方法で造粒されかつ大きさが
揃えられた混練物は、次いで、射出成形機に導入され
る。混練物は、射出成形機における加熱されたシリンダ
内に送られ、溶融状態となった後、金型内に射出成形さ
れる。その後、金型が開かれ、成形体が取り出される。
【0036】次いで、この成形体からバインダから除去
される。その方法としては、成形体を加熱してバインダ
を分解し除去するのが一般的であるが、バインダ成分の
一部を溶解するような溶媒や特殊な気相中に成形体を放
置してバインダを除去する方法を用いることもできる。
【0037】バインダを除去した後の成形体は、そこに
含まれる無機粉末の焼結可能な温度に加熱され、それに
よって焼成される。このとき、特に、非酸化物系のセラ
ミックや非金属、合金、サーメットからなる無機粉末を
含む場合には、雰囲気の制御が重要である。また、この
焼成工程を、上述したバインダ除去工程すなわち脱脂工
程に続けて、一連の工程として実施することも可能であ
る。
【0038】このようにして、目的とする形状の無機焼
結体、たとえば、図1に示すような誘電体共振器の本体
部分1のようなセラミック焼結体が得られる。
【0039】なお、前述した射出成形の直後に、ゲート
を除去するための後加工を行なう場合が多いが、たとえ
ば大きなアンダーカットのように、金型のみによっては
付与することが困難な形状を付与するための加工等を、
成形体または焼結体に対して適宜施すようにしてもよ
い。
【0040】また、得られた焼結体に対して、その表面
を研磨したり、めっきまたはスパッタリング等による金
属膜の成膜を行なったりして、焼結体の表面に必要な処
理を適宜施すようにしてもよい。図1に示した誘電体共
振器の本体部分1の場合には、焼結体としての本体部分
1の表面には、実電流路となる導電性の金属膜が形成さ
れる。
【0041】
【実施例】無機粉末として、誘電体セラミック材料のた
めの前駆体粉末、より特定的には、酸化チタン、酸化ジ
ルコニウムおよび酸化錫の各粉末を、焼結後において誘
電体としての電気的特性が得られるような比率で混合し
た後、微細な粒径の粉末となるように粉砕を行なったも
のを準備した。
【0042】次に、バインダとして、表1に示すよう
に、アクリル−ポリスチレン−エチレン酢酸ビニル共重
合体(EVA)−ステアリン酸またはパラフィンワック
ス−可塑剤を含み、これらを加熱下で溶解して混合した
混合バインダを6種類準備した。ここで、より具体的に
は、アクリルとして、ポリメタクリル酸イソブチルを用
い、可塑剤として、フタル酸ジブチルを用いた。
【0043】
【表1】 これらセラミック原料粉末とバインダとを、セラミック
原料粉末とバインダとの混練物になった場合に、バイン
ダが占める割合が40体積%になるように調合し、加圧
式リーダを用いて、5kgf/cm2 の加圧下および1
50℃の温度下で60分間混練した。次に、得られた混
練物を、押出し造粒機を用いてホットカット法により、
直径3mm、長さ5mm程度の大きさの円柱状にそれぞ
れ造粒した。
【0044】得られた円柱状の各造粒物を横型射出成形
機に投入し、25mm×40mm×4mmの板状に射出
成形し、金型から取り出した後、成形収縮率、ならびに
成形体の曲げ強さおよび曲げ弾性率を測定した。表1に
示すように、6種類の射出成形用組成物についての成形
収縮率、曲げ強さおよび曲げ弾性率は、互いに異なるこ
とを確認した。
【0045】また、同じ造粒物を、図1に示した誘電体
共振器の本体部分1を成形するための横型射出成形機に
投入し、射出成形を行なった。図1に示した本体部分1
において、柱部5の最大肉厚は12mmであり、ケース
部4の肉厚は2.5mmであった。また、射出成形の条
件は、いずれの試料においても、ノズル温度170〜2
00℃、射出圧力1000〜1500kgf/cm2
および金型温度20℃に設定した。
【0046】得られた成形体を観察したところ、表1に
示すように、試料1、2および6において、何らかの欠
陥が生じていた。
【0047】次に、各試料に係る成形体を、昇温速度2
℃/h、最高温度500℃の条件で脱脂した後、最高温
度1300〜1400℃で焼成し、焼結体を得た。焼結
体の外観およびダイヤモンドカッターを用いて切断した
切断面の観察を行ったところ、脱脂および焼成工程が原
因と考えられるひび割れは発生しなかった。
【0048】表1に示すように、成形収縮率が0.5%
未満および曲げ弾性率が790kgf/mm2 未満の双
方の条件を満たす試料3〜5によれば、成形時に発生す
るひび割れを少なく、またはなくすことができた。特
に、成形収縮率については、0.3%未満であることが
さらに好ましく、この条件を満たす試料4および5につ
いては、良品率を100%とすることができた。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、成形
収縮率が0.5%未満となるように設定された無機粉末
射出成形用組成物を用いて射出成形されるので、成形収
縮による成形体内部の残留応力を緩和することができ
る。他方、上述のように成形収縮率を小さく設定するこ
とにより、離型時に金型のキャビティ部への成形体の食
いつきが起こり、ひび割れ等の欠陥を招くことがある
が、この発明では、成形体に柔軟性を与えるため、曲げ
弾性率が790kgf/mm2 未満になるように設定さ
れるので、成形収縮率を小さくしたために生じるひび割
れ等の欠陥も防止することができる。
【0050】したがって、この発明が、内壁面によって
規定される空間を形成するケース部と、ケース部の内壁
面の相対向する部分間を連結するように空間内に配置さ
れる柱部とを備える、TMモード誘電体共振器の本体部
分の射出成形に適用されると、肉厚の比較的薄いケース
部と肉厚の比較的厚い柱部との連結部分において発生し
やすいひび割れを有利に防止することができるととも
に、金型のキャビティ部への食いつきによって発生しや
すいケース部でのひび割れも防止することができ、誘電
体共振器の本体部分を高い良品率をもって能率的に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用して有利に製造されるTMモー
ド誘電体共振器の本体部分1を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 誘電体共振器の本体部分 2 内壁面 3 空間 4 ケース部 5 柱部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粉末とバインダとを含む無機粉末射
    出成形用組成物であって、 当該組成物を所望の形状に射出成形することによって、
    成形体を得、次いで、前記成形体から前記バインダを除
    去した後、前記成形体を焼成することによって無機焼結
    体を得る、各工程を備える、無機焼結体の製造方法にお
    いて使用され、 前記成形体の金型内での寸法と当該金型から取り出した
    後の寸法とから求めた成形収縮率が0.5%未満とな
    り、かつ前記成形体の、前記バインダを除去する前の曲
    げ弾性率が790kgf/mm 2 未満となるように設定
    されたことを特徴とする、無機粉末射出成形用組成物。
  2. 【請求項2】 前記成形収縮率は、0.3%未満となる
    ように設定される、請求項1に記載の無機粉末射出成形
    用組成物。
  3. 【請求項3】 前記無機粉末の平均粒径は、0.01〜
    100μmである、請求項1または2に記載の無機粉末
    射出成形用組成物。
  4. 【請求項4】 前記無機粉末の平均粒径は、0.5〜1
    0μmである、請求項3に記載の無機粉末射出成形用組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記バインダが融解した状態で、前記無
    機粉末と前記バインダとを混練して得られたものであ
    る、請求項1ないし4のいずれかに記載の無機粉末射出
    成形用組成物。
  6. 【請求項6】 前記バインダは、前記無機粉末と前記バ
    インダとの合計に対して、30体積%以上60体積%以
    下添加されている、請求項1ないし5のいずれかに記載
    の無機粉末射出成形用組成物。
  7. 【請求項7】 前記無機粉末は、セラミック材料からな
    る、請求項1ないし6のいずれかに記載の無機粉末射出
    成形用組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の無
    機粉末射出成形用組成物を所望の形状に射出成形するこ
    とによって、成形体を得、次いで、前記成形体から前記
    バインダを除去した後、前記成形体を焼成することによ
    って無機焼結体を得る、各工程を備える、無機焼結体の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記無機粉末は、セラミック材料からな
    り、前記無機焼結体は、セラミック焼結体である、請求
    項8に記載の無機焼結体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記セラミック焼結体は、内壁面によ
    って規定される空間を形成するケース部と、前記ケース
    部の前記内壁面の相対向する部分間を連結するように前
    記空間内に配置される柱部とを備える、TMモード誘電
    体共振器の本体部分である、請求項9に記載の無機焼結
    体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010090329A1 (ja) * 2009-02-09 2010-08-12 株式会社Ihi サイアロンセラミックス焼結品の製造方法
EP3192628A1 (de) * 2016-01-15 2017-07-19 CeramTec GmbH Herstellung von dickwandigen bauteilen mittels spritzgiessen
WO2021227603A1 (zh) * 2020-05-11 2021-11-18 深圳顺络电子股份有限公司 一种微波陶瓷介质滤波器及其加工成型方法

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