JPH06305045A - 複合管の製造方法 - Google Patents

複合管の製造方法

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JPH06305045A
JPH06305045A JP9947193A JP9947193A JPH06305045A JP H06305045 A JPH06305045 A JP H06305045A JP 9947193 A JP9947193 A JP 9947193A JP 9947193 A JP9947193 A JP 9947193A JP H06305045 A JPH06305045 A JP H06305045A
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pipe
metal
resin
primer
coating
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JP9947193A
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Seiichi Enomoto
聖一 榎本
Hisao Ikeda
尚夫 池田
Yasushi Goto
靖志 五藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属管と樹脂被覆層との接着性、接着耐久性
が良く、二次加工性に優れた複合管を、高い生産性で製
造することのできる方法を提供する。 【構成】 帯状金属板11を連続的に供給しながら、金
属フォーミング装置3で断面がほぼU字形に成形された
金属板12の内面に、プライマー塗布装置4で有機チタ
ネートのプライマー組成物を塗布し、次いで高周波誘導
加熱装置5で350℃に加熱・焼結してプライマー層を
形成する。その後、円管成形機6で断面を円形に成形
し、両側縁部を互いに突き合わせ溶接して金属管15を
製管しながら、形成途上の開口部分から金属管15の内
面に樹脂被覆装置8を挿入して溶融樹脂を押し出し被覆
する。溶融樹脂を被覆する時の金属管の内面温度は、溶
融樹脂の温度よりも50〜200℃高い温度に加熱して
おく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、給水、給湯、排水、空
調用等の流体を移送するために用いられる管のうち、耐
蝕性、耐薬品性等を向上させる目的で、金属管の内面を
樹脂で被覆した複合管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属管の内面を合成樹脂で被覆した複合
管の製造方法としては、従来、ポリ塩化ビニル等の合成
樹脂管の外面に接着剤を塗布した後、鋼管等の金属管内
に挿入し、合成樹脂管を加熱・加圧して膨径させたり、
あるいは金属管を外面から打撃したりあるいはしごきを
かけて縮径させることによって、金属管の内面に合成樹
脂管を密着させ接着する方法や、金属管の内面に接着促
進剤を処理した後に、ポリエチレンやポリフェニレンサ
ルファイド等の合成樹脂を粉体コーティングする方法等
が知られている。
【0003】また、上記のようなバッチ式の生産方式で
はなく、連続的に金属と合成樹脂の複合管を製造する方
法として、例えば特開昭62−198447号等が提案
されている。この技術は、熱間圧延鋼板や冷間圧延鋼板
等の帯状の金属板を円管状に成形し、その両端縁部を例
えばTIG溶接等の溶接手段によって接合して金属管を
製管しながら、製管された金属管内に、成形途上の開口
部分から溶接工程の下流側にまで延びる樹脂押出金型を
挿入して、管内面に溶融樹脂を押し出し被覆する連続式
の複合管製造方法である。
【0004】しかるに、上記のような連続式の複合管製
造方法は、生産性は優れているものの、製造された複合
管における金属管と樹脂被覆層との接着性及び接着耐久
性は必ずしも良好ではなく、長期に使用した場合、金属
管と内面の樹脂被覆層とが剥離したり、樹脂被覆層が収
縮したりして、その結果、管の閉塞、金属管の錆びや腐
食、それに伴う流体の漏洩等の事故が発生することがあ
った。
【0005】そこで、本発明者らは、金属管と樹脂被覆
層との接着性、接着耐久性を向上させるための研究を重
ねた結果、金属管の表面に有機チタネートを焼結したプ
ライマー層を形成することが有効であることを突き止め
た。これは、 金属の表面に塗布された有機チタネートプライマー組
成物を加熱・焼結するとプライマー組成物のアルコキシ
ル基が加水分解し、その際に生成する水酸基によって金
属との密着性の良好なプライマー層が得られる、 有機チタネートを焼結したプライマー層の表面には、
焼結によって無数の微細なクラックが生成しており、こ
のようなクラックの中に溶融樹脂が進入してアンカー効
果が発揮されることによって接着性、接着耐久性が向上
する、 ことによるものと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、有機チタネー
トを焼結したプライマー層(以下「プライマー層」と称
する)を設けた複合管に、配管施工のため管端部のフレ
ア成形、フランジ成形、スリーブ成形、あるいはベンド
加工等の二次加工を加える場合、樹脂被覆層の剥離が生
じることがある。これはプライマー層が硬く脆いため
に、上記のような引っ張りを伴う二次加工を加えること
によって破壊し、その結果プライマー層の上に形成され
ている樹脂被覆層も剥離してしまうためと考えられる。
【0007】一方、製造技術面からは、上記のようなプ
ライマー層を設けた複合管を製造する場合、金属管の内
面となる側の表面に予めプライマー層を設けた帯状金属
板を使用して製管する、あるいは帯状金属板にインライ
ンでプライマー組成物を塗布してプライマー層を形成し
た後製管する方法が考えられる。しかし、帯状金属板を
U字形の断面形状に成形する際、既に形成されているプ
ライマー層にフォーミングロールが高い圧力で接触して
転動するために、プライマー層が破壊されたり剥離して
しまい、その上に樹脂被覆層を形成しても樹脂被覆層が
金属面から容易に剥離するという問題がある。
【0008】本発明はこのような従来技術の問題点に鑑
みてなされたもので、従来技術のこのような問題点を解
消し、生産性に優れた連続的な製造方法でありながら、
金属管との接着性及び接着耐久性が良く、且つ、拡径等
の引っ張りを伴うような二次加工を加えても金属管と樹
脂被覆層の剥離を生じることなく、従ってそれに伴う管
の閉塞、金属管の錆びや腐食、流体の漏洩等の事故が生
じることのない、金属管と樹脂被覆層の接着性に優れた
複合管の製造方法を提供することを目的としたものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の複合管の製造方法は、帯状金属板を、その
両側縁部を互いに突き合わせ、または重ね合わせるよう
に円管状に成形し、両側縁部を溶接して連続的に金属管
を製管しながら、成形途上の帯状金属板の開口部分から
溶接後の金属管の内部に樹脂押出金型を挿入し、金属管
の内面に溶融樹脂を押し出して被覆する複合管の製造方
法において、 断面形状がほぼU字形に成形された帯状金属板の内面
側に有機チタネートのプライマー組成物を塗布する工
程、 塗布された上記プライマー組成物を焼結する工程、 溶融樹脂被覆時の金属管の内表面温度を溶融樹脂の温
度より高い温度に加熱する工程、 を含むことを要旨とするものである。
【0010】本発明において、金属板としては、鋼板、
ステンレス鋼板、メッキ鋼板、アルミニウム板、銅板等
の一般的な金属板が挙げられる。これら金属板の表面に
は、サンドブラスト等の脱スケール処理、アルカリ等に
よる脱脂処理、塩酸、硫酸、硝酸等による酸化膜や錆の
除去処理等の表面処理を施すことが望ましい。
【0011】本発明に用いられる有機チタネートのプラ
イマー組成物(以下「プライマー組成物」と称する)と
しては、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−i−プ
ロポキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキ
シ)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセ
トナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノ
ールアミナト)チタン、プロパンジオキシチタンビス
(エチルアセトアセテート)、プロパンジオキシチタン
(アセチルアセトナト)(エチルアセトアセテート)等
が挙げられる。
【0012】本発明に用いられる被覆用樹脂としては、
シラングラフトポリエチレン、カルボン酸変性ポリエチ
レン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルアルコール、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が挙げら
れ、その製品用途に応じて選定される。
【0013】また、被覆用樹脂には、マイカ、タルク、
ガラス短繊維、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、酸
化チタン等の充填材や、抗酸化剤、カラーマスターバッ
チ等を添加してもよい。
【0014】成形途上の金属管の内面に前記のプライマ
ー組成物を塗布する位置は、プライマー組成物塗布後の
金属管の内面に成形用フォーミングロールが接触しな
い、帯状金属板がほぼU字形の断面形状に成形された位
置とする。これは、塗布されたプライマー組成物にフォ
ーミングロールが接触して塗膜が剥げて薄くなったり、
フォーミングロールに付着して経時変化したプライマー
組成物が再付着するのを避けるためである。
【0015】通常、ロールフォーミングによる管の製造
においては、帯状金属板は、ブレークダウンと呼ばれる
上下一対からなるロールの複数段により平板状からU字
形の断面形状に成形され、その後、外側から支持するサ
イドロール、フィンパスロール、サイジングロール等を
通過して漸次円管状に成形される。従って、上記のプラ
イマー組成物塗布位置は、ブレークダウンを通過した後
の位置である。
【0016】断面形状がほぼU字形に成形された帯状金
属板に、プライマー組成物を塗布する方法としては、ブ
ラシ、スプレー、コーティングロッド等が挙げられる
が、均一な塗布厚が得られ、且つ効率良く塗布できる点
から、金属板の長手方向に沿った軸を中心として回転す
る回転ブラシによって塗布する方法が好適である。
【0017】また、プライマー組成物の好ましい塗布厚
は、焼結後のプライマー層の厚さが0.01〜100μ
m、より好ましくは0.1〜10μmとなるようにす
る。
【0018】次に、このようにして塗布されたプライマ
ー組成物を焼結する方法としては、ガスバーナー加熱、
熱風吹き付け、赤外線ヒーター照射、誘導加熱等が挙げ
られる。焼結時の金属板の加熱温度は、250〜450
℃、好ましくは300〜420℃とする。250℃未満
ではプライマー層の強度が低く、また450℃超ではプ
ライマー層が脆くなり、破壊しやすくなる。
【0019】上記のようにして焼結・形成されたプライ
マー層の上に溶融樹脂を被覆する際の金属管の内表面温
度は、樹脂の熱分解温度や加熱される時間等を考慮して
決める必要があるが、溶融樹脂の温度より30〜200
℃高い温度とすることが好ましい。金属管の内表面温度
と溶融樹脂の温度との差が30℃以下では流動性が充分
上がらずに所期の接着性が得られないことがあり、ま
た、200℃超では樹脂の熱分解や性能の劣化を招くこ
とがある。
【作用】
【0020】本発明の複合管の製造方法においては、帯
状金属板の断面形状がほぼU字形に成形された位置で、
その内面側にプライマー組成物を塗布するので、塗布さ
れたプライマー組成物にフォーミングロールが接触して
塗膜が剥げて薄くなったり、フォーミングロールに付着
して経時変化したプライマー組成物が再付着するのが避
けられるため、充分な厚さを持ち、欠陥のないプライマ
ー組成物の塗膜が形成される。
【0021】その後、プライマー組成物の塗膜の焼結を
行うので、塗膜がフォーミングロールによって破壊ある
いは剥離されることがなく、金属管との密着性の良好な
プライマー層が形成される。なお、塗膜の焼結によって
プライマー層には無数の微細なクラックが形成される。
【0022】更に、樹脂被覆時の金属管の内表面温度を
溶融樹脂の温度より高い温度とすることによって、金属
管に接する溶融樹脂は、粘度が低下してプライマー層の
クラックに隅々まで流れこみ、二次加工時に引張力がか
かって破壊されたプライマー層が浮き上がらないように
結合するとともに、アンカー効果によって、樹脂被覆層
とプライマー層の接着性が向上するものと考えられる。
【実施例】以下、本発明を、実施例により図面を参照し
て説明する。図1は本発明を適用した複合管の製造工程
の一例を示す説明図である。アンコイラー1にセットさ
れた帯状金属板11を順次引き出し、表面処理槽2に供
給する。表面処理槽2は、帯状金属板11とその内面に
塗布されるプライマー組成物との接着性を向上させるた
めの処理槽であって、帯状金属板11の表面に、例え
ば、脱脂処理、除錆処理、防錆処理等を施す。
【0023】表面処理槽2で表面処理した帯状金属板1
1を、次いで金属フォーミング装置3に導き、断面がほ
ぼU字形の金属板12に成形する。この金属フォーミン
グ装置3は、図2に示すような、対向する一対の凹曲面
状の外面フォーミングロール31と凸曲面状の内面フォ
ーミングロール32とを、帯状金属板11の流れる方向
に複数段配列したもので、帯状金属板11の上流側から
下流側に向かって各段のロールの曲率半径が順次小さく
なるように配置されており、帯状金属板11はこれら各
段のフォーミングロール対を通過することにより、平板
状から順次断面がほぼU字形へと成形されていく。
【0024】次いで金属フォーミング装置3を経た断面
略U字形の金属板12を、円管成形機6によって断面を
円形に成形する前に、プライマー塗布装置4に導き、そ
の上面(金属管となった状態で内面となる面)に有機チ
タネート系のプライマー組成物を塗布する。
【0025】図3はプライマー塗布装置4の構成の一例
を示す斜視図で、断面ほぼU字形に成形された金属板1
2の長手方向に沿った軸を中心として回転自在とされた
回転ブラシ41、回転ブラシ41をタイミングベルト4
2を介して駆動するモーター43、回転ブラシ41と金
属板12の上面との間にプライマー組成物を定量供給す
るためのポンプ44を主体として構成されている。ま
た、回転ブラシ41の上方には、その外周面の上部を覆
うような曲板45が配設され、曲板45には余分のプラ
イマー組成物を排出するためのスリット46が形成され
ている。
【0026】プライマー組成物を塗布するに当たって
は、回転ブラシ41を回転させつつ、ポンプ44によっ
てプライマー組成物を供給するが、プライマー組成物が
過剰に供給された場合でも、回転ブラシ41に含まれる
プライマー組成物は適宜スリット46によってしごか
れ、外部に排出されるので、プライマー組成物が金属板
12の底部に垂れ落ちて塗布厚が厚くなったり、あるい
は次第に回転ブラシ41内に蓄積して経時的に酸化、加
水分解等により劣化したプライマー組成物が再塗布され
る恐れが少なく、均一且つ安定的な塗布を実施すること
ができる。
【0027】プライマー組成物を塗布した金属板13
は、高周波誘導加熱装置5を通過させて加熱・焼結し、
プライマー層を形成する。
【0028】このようにしてプライマー層が形成された
断面ほぼU字形の金属板14を、円管成形機6により円
形の断面に成形し、両側縁部同士を突き合わせた状態
で、溶接機7によって溶接・製管し、金属管15とす
る。
【0029】次いで、製管された金属管15の内面に、
樹脂被覆装置8から溶融樹脂を押し出して被覆し、樹脂
被覆層を形成するのであるが、金属管15の内面に溶融
樹脂を被覆する直前に、図示しない高周波誘導加熱装置
等の加熱装置によって、金属管15の内表面温度を溶融
樹脂の温度より高い温度に加熱する。
【0030】樹脂被覆装置8は、図4に示すように、円
管成形機により断面が円形に成形される直前の金属板1
2内に位置する本体部81と、本体部81から片持ち支
持されて金属板搬送方向に延設される樹脂通流管82、
及びその先端に設けられたサイジングコア83等によっ
て構成され、樹脂通流管82には、本体部81の樹脂流
入部81aとサイジングコア83の直前に形成された樹
脂吐出口82aとに連通する樹脂通流部82bが形成さ
れている。そして、樹脂吐出口82a並びにサイジング
コア83は、溶接機7による溶接ポイントを越えて金属
管14の内部にまで達していて、溶融樹脂を溶接後の金
属管14の内面に押出し被覆する。
【0031】なお、樹脂被覆装置8の下流側には、必要
に応じて金属管外面被覆装置91、冷却装置92、およ
び切断装置93が順に配設される。
【0032】なお、溶接工程での溶接熱によって金属と
樹脂の接着を阻害する脆い高温酸化膜ができないよう
に、溶接工程から樹脂被覆工程までの間を不活性ガス中
で行うことが好ましい。また、不活性ガスに0.1〜
5.0体積%の酸素を混合することによって、溶接部で
の樹脂の接着力が更に向上することが確認されている。
【0033】次に、上記の製造工程によって、図5に示
すような、鋼管15の内面に有機チタネート焼結プライ
マー層16、更にその内面にシラン変性ポリエチレンの
樹脂被覆層17が形成された複合管Pを製造する実施例
について説明する。
【0034】(実施例1)肉厚2.3mmの熱間圧延鋼
板をアンコイラー1から連続的に供給し、表面処理槽2
で珪酸ソーダ溶液による脱脂処理及び硝酸による脱錆処
理を施した後、ロールフォーミング装置3により断面を
ほぼU字形に成形し、内面側にプライマー塗布装置4に
よってジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナ
ト)チタン(日本曹達(株)製 T−50)の60%イソ
プロパノール溶液を塗布した後、高周波誘導加熱装置5
により鋼板の温度を350℃に加熱してプライマー組成
物を焼結し、厚さ5μmのプライマー層を形成した。
【0035】次いで、プライマー層の形成された断面が
ほぼU字形の鋼板を円管成形機5を通過させて円形断面
に成形し、TIG溶接機60によって鋼板の両側縁部を
突き合わせ溶接して、外径89mm、肉厚2.3mmの
鋼管を連続的に製管した。
【0036】更に、上記突き合わせ溶接後、500mm
下流位置で、図示しない高周波誘導加熱装置によって、
鋼管の内表面の温度を350℃に連続的に加熱し、その
直後、図示しない押出機で溶融・混練した200℃のシ
ラン変性ポリエチレンを、樹脂被覆装置8から2.5m
mの厚さに吐出して、鋼管15、プライマー層16、シ
ラン変性ポリエチレンの樹脂被覆層17よりなる複合管
Pを得た。
【0037】得られた複合管Pの5mについて、90℃
の熱湯と25℃の水の中に各5分間ずつ10,000サ
イクル繰り返し浸漬する冷熱繰り返し試験を行い、異常
発生の有無を観察したが、管端部の樹脂被覆層の剥離そ
の他の異常は全く見られなかった。
【0038】更に、この複合管の管端部を拡径率30%
でフランジ加工し、異常発生の有無を観察したが、樹脂
被覆層の剥離その他の異常は全く見られなかった。
【0039】(比較例1)溶融樹脂を押出被覆する際の
鋼管の内表面の温度を150℃とした以外は、実施例と
同じ方法で複合管を得た。
【0040】この複合管について、実施例と同じ冷熱繰
り返し試験を行った結果、管端部約50mmにわたって
樹脂被覆層の剥離が観察された。
【0041】次いで、実施例と同じフランジ加工を行っ
たところ、フランジ加工した部分に樹脂被覆層の剥離が
観察された。
【0042】(比較例2)実施例と同じプライマー組成
物を用い、実施例と同じ焼結条件によって予めプライマ
ー層を形成した平板の状態の熱間圧延鋼板を用いて製管
した以外は、実施例の方法に準じて、鋼管、プライマー
層、樹脂被覆層よりなる複合管を得た。
【0043】この複合管について、実施例と同じ冷熱繰
り返し試験を行った結果、管端部約200mmにわたっ
て樹脂被覆層の剥離が観察された。
【0044】次いで、実施例と同じフランジ加工を行っ
たところ、フランジ加工した部分に樹脂被覆層の剥離が
観察された。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば、帯状金属板を連続的に成形し溶接製管しながら、そ
の内面に有機チタネートの焼結プライマー層を形成し、
その上に溶融樹脂を押し出し被覆して複合管を製造する
方法において、帯状金属板が断面ほぼU字形に成形され
たところでその内面側にプライマー組成物を塗布し、次
いで塗膜を焼結することにより、塗布されたプライマー
組成物にフォーミングロールが接触して塗膜に欠陥が生
じることなく、金属管との密着性の良好なプライマー層
が形成される。
【0046】また、溶融樹脂を被覆する時の金属管の内
表面温度を溶融樹脂の温度より高い温度に加熱すること
により溶融樹脂が流動しやすくなってプライマー層に形
成されたクラックに隅々まで流れこみ、引張力等によっ
て破壊されたプライマー層が浮き上がらないように結合
するとともに、アンカー効果が得られて、樹脂被覆層と
プライマー層の接着性が向上する。
【0047】以上の結果、金属管と樹脂被覆層との接着
性及び接着耐久性が良好で、且つ二次加工性に優れた複
合管を、高能率で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法による複合管製造工程の実施例を示
す概略説明図。
【図2】金属フォーミング装置の構成を示す正面図。
【図3】プライマー塗布装置の実施例を示す斜視図。
【図4】樹脂被覆装置の近傍の要部拡大縦断面図。
【図5】本発明方法により製造された複合管の部分縦断
面図。
【符号の説明】
1 アンコイラー 3 金属フォーミング装置 4 プライマー塗布装置 41 回転ブラシ 5 高周波誘導加熱装置 6 円管成形機 7 溶接機 8 樹脂被覆装置 11 帯状金属板 13 断面ほぼU字形に成形された金属板 15 金属管 16 プライマー層 17 樹脂被覆層 P 複合管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状金属板を、その両側縁部を互いに突
    き合わせ、または重ね合わせるように円管状に成形し、
    両側縁部を溶接して連続的に金属管を製管しながら、成
    形途上の帯状金属板の開口部分から溶接後の金属管の内
    部に樹脂押出金型を挿入し、金属管の内面に溶融樹脂を
    押し出して被覆する複合管の製造方法において、 断面形状がほぼU字形に成形された帯状金属板の内面
    側に有機チタネートのプライマー組成物を塗布する工
    程、 塗布された上記プライマー組成物を焼結する工程、 溶融樹脂被覆時の金属管の内表面温度を溶融樹脂の温
    度より高い温度に加熱する工程、 を含むことを特徴とする複合管の製造方法。
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