JPH06304248A - 血液浄化装置 - Google Patents

血液浄化装置

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JPH06304248A
JPH06304248A JP5097739A JP9773993A JPH06304248A JP H06304248 A JPH06304248 A JP H06304248A JP 5097739 A JP5097739 A JP 5097739A JP 9773993 A JP9773993 A JP 9773993A JP H06304248 A JPH06304248 A JP H06304248A
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JP
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blood
plasma
blood plasma
substance
blood purification
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JP5097739A
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Masato Onishi
誠人 大西
Tatsuya Fujii
立哉 藤井
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】血液流入口、流出口を有するハウジング内に、
少なくとも1枚の血液浄化ユニットを備え、該血液浄化
ユニットが血漿分離膜と血漿流路形成体からなり、該血
漿分離膜表面および/または血漿流路形成体表面に、該
血液中の病因物質を吸着除去もしくは不活化する物質を
固定化した血液浄化装置。 【効果】ウイルスあるいはLDLコレステロール等の病
因物質を高度に除去し、しかも短時間内に多量の血液を
処理することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】血液中もしくは血漿中の病因物質
を吸着除去もしくは不活化する浄化装置。
【0002】
【従来の技術】近年、血液中もしくは血漿中に含まれる
病因物質とみられるウイルス、低密度リポ蛋白質(LD
L)、免疫複合体、ビリルビン、エンドトキシン等を除
去する装置の実用化が進められてきている。
【0003】例えば、特開昭58−173554号、特
開昭63−88007号、特公平4−50054号に
は、病因物質より孔径の小さい膜を利用して、病因物質
を除去する装置が記載されているが、膜孔径が小さいた
め、膜の透過性能(濾過速度)が遅くなり、短時間に大
量の血液を処理することに適していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、病因物質の
除去に優れ、短時間に大量の血液を処理することが可能
な血液浄化装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記発明の目的は以下に
示す血液浄化装置によって達成される。 (1)血液の流入口、流出口を有するハウジング内に、
少なくとも1枚の血液浄化ユニットを積層し、該血液浄
化ユニットが血漿分離膜と血漿流路形成体からなり、該
血漿分離膜表面および/または該血漿流路形成体表面
に、該血液中の病因物質を吸着除去もしくは不活化する
物質を固定化したことを特徴とする血液浄化装置。 (2)血液中の病因物質を吸着除去もしくは不活化する
物質がアミン化合物である上記記載の血液浄化装置。 (3)アミン化合物がアジリジン化合物もしくは1級、
2級アミノ基を分子内に有する単量体の重合体または共
重合体である上記記載の血液浄化装置。 (4)アミン化合物が、材料表面に導入された反応性官
能基を有する表面グラフト鎖を介して材料表面に導入さ
れた上記記載の血液浄化装置。 (5)病因物質がウイルスである上記記載の血液浄化装
置。
【0006】本発明において病因物質とは、肝炎ウイル
スやHIV(エイズウイルス)、動脈硬化や家族性高コ
レステロール血症の病因である低密度リポ蛋白質(LD
L)、自己免疫疾患の病因であるIgGや免疫複合体、
肝不全の病因であるビリルビン、敗血症の病因である細
菌やエンドトキシン等があり、特に本発明の血液浄化装
置は血液中のウイルスを吸着除去もしくは不活化するこ
とに効果がある。また、その除去率は、少なくとも90
%、好ましくは99%以上であることが望ましい。ウイ
ルスといっても種類が多く、使用目的によっても標的と
なるウイルスは異なるが、「ウイルス除去率」は、例え
ば、指標ウイルスとしてヘルペスウイルス(HSV−
1)、φX174、エイズウイルス(HIV)などを用
いて求めることができる。
【0007】本発明において血液中の病因物質を吸着除
去もしくは不活化する物質とは、病因物質の種類によっ
て異なり、ウイルスではアミン化合物、低密度リポ蛋白
質(LDL)では合成ポリアニオンや硫酸デキストラ
ン、IgGや免疫複合体ではスルファチアゾールやプロ
テインAが好ましい。
【0008】特にアミン化合物では、分子内に複数の1
級もしくは2級アミンを有する化合物が好ましく、その
ような化合物としては、アジリジン化合物や1級、2級
アミノ基を分子内に有する単量体の重合体または共重合
体を好適に例示できる。アジリジン化合物とは、1分子
中にアジリジン基を少なくとも1個含有する化合物を構
成成分とする重合体または共重合体のことであり、その
アジリジン基は、アルキル基その他の置換基で置換され
ているものであっても良い。さらに具体的にはエチレン
イミン、プロピレンイミン、ブチレンイミン、N−ヒド
ロキシエチルエチレンイミン、N−アミノエチルエチレ
ンイミン、アリルアミン、ビニルアミンなどのモノマ−
単位を含んだ化合物、ポリエチレンイミンやポリプロピ
レンイミンなどの重合体、上記のモノマ−の相互または
他の共重合性モノマ−との共重合体を例示できる。ま
た、サイクラムやバイサイクラム系化合物をはじめとす
るアジリジン化合物の環状ポリアミン類やそれらの誘導
体も例示できるが、好ましくは、エチレンイミンの重合
体や共重合体であるポリエチレンイミンや環状ポリアミ
ン化合物である。また、これらアジリジン化合物のアジ
リジン成分量は、少なくとも5%以上、好ましくは20
%以上であり、アジリジン化合物の平均分子量は600
以上が好ましい。
【0009】本発明において血液中の病因物質を吸着除
去もしくは不活化する物質の血液浄化ユニットへの固定
は、血液浄化ユニットを構成する血漿分離膜と血漿流路
形成体の基材の一方の表面でも良いし、両者の表面に行
っても良い。また表面へ固定は、血液中よりウイルスを
選択的に除去する場合には、例えば乾燥時のESCAで
の表面分析において、アジリジン化合物やアミン化合物
の割合が表面において炭素原子換算で60%以下、好ま
しくは40%以下であり、例えば、ポリオレフィン系基
材にポリエチレンイミンを固定化する場合は、窒素原子
/炭素原子(N/C)の比率が、0.005〜0.2で
あることが好ましく、さらに好ましくは、0.01〜
0.1である。N/Cが0.25を超えると、ポリエチ
レンイミンが表面を60%以上を覆うこととなり、血液
中の蛋白質との相互作用が強くなるため、ウイルス選択
的除去能力が低下する。基材自体が窒素原子を含む場合
は、基材の窒素/炭素比で補正して存在比を算出すれば
よい。また、過塩素酸などを用いた滴定法などにより測
定したアミン量での換算では、1×10-4eq/g以上が
好ましい。
【0010】さらに、固定化する方法は公知の方法が適
用可能である。例えば、グラフト重合法、コ−ティング
法、化学修飾法、酸化法などにより、エポキシ基、アミ
ノ基、アルデヒド基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、酸クロライド基などの官能基を基材表面に導入した
後、アミン化合物のアミノ基と直接もしくはカップリン
グ剤やスペ−サ−を介して基材表面に固定化することが
できる。好ましくは、グラフト重合法であり、グリシジ
ルアクリレ−トもしくはグリシジルメタクリレ−トなど
のエポキシ基を有する単量体を構成成分とするグラフト
鎖を基材表面に導入するのが好ましい。
【0011】次に、本発明の血液浄化装置の構造を図
1、図2により説明する。本発明の血液浄化装置1は、
ハウジング2と、ハウジング2内に積層された血液浄化
ユニット55からなっている。ハウジング2は、血液流
入口1A、濾過残液の血液流出口(濃厚赤血球流出口1
B)および瀘液の血液流出口(血漿流出口1C)を有す
る筒状筺体であり、底板3によりこの筒状筺体の開口が
封止されている。底板3は図1、2にしめすように、側
面にOリング4を有している。このようなハウジング
2、底板3の構成材料としては、ポリプロピレン、ポリ
カーボネイト、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート等の合成樹脂、ガラスあるいはステン
レス等の金属等が挙げられる。
【0012】血液浄化ユニット55は、片面に多数の凸
部を持った血漿分離膜54と血漿流路形成体53により
形成されている。そして中心に血液流入口1Aと連通す
る開口部51および周辺付近に血漿流出口1Cと連通す
る血漿流通口52を備えた円形血漿流路形成体53を上
下2枚の円形血漿分離膜54により多数の凸部が外側に
なるように被包し、その周辺部および中心開口部の周縁
部を熱融着後、接着剤等によりシールするとともに、血
漿流通口52の外周にシール材56を貼着することによ
り、血液浄化ユニット55が形成されている。
【0013】ここで、血漿分離膜は、無数の細孔が形成
された多孔性部材であり、血漿は通過するが赤血球、白
血球等の血球は実質的に通過しない性質を有する膜であ
り、血漿流路形成体は、通液性を有する材料で構成さ
れ、その内部に血漿流路が形成される。
【0014】また、血漿分離膜および血漿流路形成体
は、最大孔径が0.1μ〜1μの範囲にあるフィルタ−
であり、平膜、中空糸膜、不織布、織布などを例示でき
る。最大孔径が0.1μ以下だと、孔径が小さくなるた
め十分な濾過量が得られなくなるからである。また、フ
ィルタ−の透水量は、10 ml/min/m2/mmHg 以上、好ま
しくは100 ml/min/m2/mmHg 以上であることが、濾過
圧を低くできるため好ましい。さらに、フィルタ−の空
孔部の割合(空孔率)は、20%以上、好ましくは50
%以上である。また、不織布状の基材の場合、フィルタ
−材を形成するフィラメントは、モノフィラメントであ
ってもマルチフィラメントであってもよいが、平均直径
が100μm以下、好ましくは、50μm以下である
と、膜の表面積が大きくなり吸着部位が増加することと
なるため好ましい。
【0015】また血漿分離膜および血漿流路形成体の基
材の材質は、特に限定されず、セルロ−スやその誘導体
などの天然高分子、あるいはポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリサ
ルホン、ポリアクリルニトリルなどの高分子材料を例示
できるが、好ましくは、寸法安定性に優れ水に対して低
膨潤性の材料、例えばポリプロピレンやポリフッ化ビニ
リデンなどである。
【0016】さらに、血漿分離膜および血漿流路形成体
の表面が、アクリルアミド、アルコキシアルキル(メ
タ)アクリレート等の親水性単量体の表面グラフト重合
等により親水性に改質されているものが好ましい。ま
た、血液中よりウイルスを選択的に除去するためには、
低吸着性表面であることが好ましく、さらに、孔を閉塞
せず十分な透過性能を維持できるように、水に非膨潤性
(膨潤率が20%以下)であり、ガラス転移点が290
K以下の柔軟な高分子により表面改質されていることが
好ましい。そのような重合体として、メトキシエチルア
クリレ−トに代表されるアルコキシアルキルアクリレ−
ト類の単量体を主な構成成分とする重合体や共重合体を
例示することができる。
【0017】そして、血漿流路形成体53として不織布
を用いた場合には、繊維径を小さくすることができ、切
断面の剛性が弱くなり、血漿分離膜54を傷付けること
を防止することができる。1枚の不織布により形成して
もよいが、2枚以上の不織布を複数枚重ねて形成するこ
とが好ましい。複数枚重ねることにより、不織布間に空
隙が形成されやすく、血漿の流通抵抗を少なくすること
ができる。不織布層(血漿流路形成体)の厚みは、50
〜500μmが好ましい。50μm以上であれば、血漿
流通口周辺以外の部分を流れるための血漿の抵抗が十分
小さくでき、十分な血漿分離能および血漿浄化能を得る
ことができる。また、500μm以下であれば、装置を
十分に小型化することができる。さらに、血漿流路形成
体53は、上下方向からの圧縮力が加わった時において
も、血漿流路を十分確保できる。十分な血漿分離能およ
び血漿浄化能を維持できるように、特にシール材56を
配した血漿流通口52周辺において、血漿流路形成体5
3が潰れないようにすることが好ましい。
【0018】そして、複数枚の血液浄化ユニット55間
には、各ユニットに対応した中心開口部51および血漿
流通口52を備えた円形血液流路形成体57が配設され
ている。血液流路形成体57は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリカーボネイト等の、JI
SZ2243に従って測定したブリネル硬さ10以上の
硬い材料で構成され、厚さは10〜200μm、特に2
0〜50μmであるのが好ましく、厚さが10μm未満
であると均一な血液流路の形成が難しく、200μmを
越えると血液浄化装置が大型化する。また、血液浄化ユ
ニット55の外表面に凸部を形成するかわりに、該血液
流路形成体の外表面に凸部を形成しても良い。
【0019】そして、複数組の血液浄化ユニット55と
円形血液流路形成体57を重ね合わせてハウジング2内
に挿入し、底板3を押圧してハウジング2内に嵌合させ
て、Oリング4により液密状態としている。また、上記
の押圧により、血液浄化ユニット55と血液流路形成体
57とが、前記流通口の外周部にてシール材56により
液密に結合され、各流通口が連通する。ハウジング2の
血液流入口1Aから流入した血液が血漿分離膜54と血
液流路形成体57との間を流れ、血液流出口1Bに至る
血液流路と、血漿分離膜54により濾過された血漿が血
漿分離膜54の内面、血漿流路形成体53の内面を流
れ、血漿流出口1Cに至る血漿流路が形成されている。
【0020】さらに、本発明の血液浄化装置の他の構造
を図3により説明する。本発明の血液浄化装置1'は、
ハウジング2'と、ハウジング2'内に積層された血液浄
化ユニット55'からなっている。ハウジング2'は、血
液流入口1A'と血液流出口1C'を有する。血液浄化ユ
ニット55'は、血漿分離膜54'と血漿流路形成体5
3'により形成されている。そして中心に血液流入口1
A’と連通する開口部51’を備えた円形血漿流路形成
体53'を上下2枚の円形血漿分離膜54'により多数の
凸部が外側になるように被包し、その周辺部を熱融着
後、接着剤等によりシールし、血液浄化ユニット55'
が形成されている。また円形血漿分離膜54'の1枚は
分離膜である必要はなく、円形支持体で構成しても良
い。そして、複数枚の血液浄化ユニット55'間には、
中心開口部を備えた円形血液流路形成体57'が配設さ
れている。複数組の血液浄化ユニット55'と円形血液
流路形成体57'を重ね合わせてハウジング2'内に挿入
し、底板3'を押圧してハウジング2'内に嵌合させて、
Oリング4'により液密状態としている。
【0021】
【作用】本発明の血液浄化装置の作用を、図1、図2を
参照して説明する。人体より公知の採血手段(図示せ
ず)により血液が採取され、ハウジング2の血液流入口
1Aから、血液浄化装置1内の血液浄化ユニット55の
間に血液が流入される。血液浄化ユニット55の血漿分
離膜54に接した血液は血漿成分と濃厚赤血球成分に分
離され、濃厚赤血球成分は血液流出口1Bを通って、公
知の返血手段(図示せず)に流出される。一方、血漿分
離膜54の内面、血漿流路形成体53の内面に分離され
た血漿成分は、該血漿分離膜表面および/または該血漿
流路形成体表面に固定されたアミノ化合物等の物質によ
り、血漿成分中に含まれていた病因物質が吸着あるいは
不活化され、血漿流路形成体53内面を通って血漿流出
口1Cから前記返血手段に流出され、前記濃厚赤血球成
分とともに返血手段により人体内に戻される。その結
果、血液中の病因物質が吸着あるいは不活化され、血液
が浄化される。従って、病因物質に対応した病気の治療
に効果がある。
【0022】次に、本発明の他の血液浄化装置の作用
を、図3を参照して説明する。人体より公知の採血手段
(図示せず)により血液が採取され、ハウジング2'の
血液流入口1A'から、血液浄化装置1'内の血液浄化ユ
ニット55'の間に血液が流入される。血液浄化ユニッ
ト55'の血漿分離膜54'に接した血液は血漿成分と濃
厚赤血球成分に分離され、濃厚赤血球成分は血液浄化ユ
ニット55'間の空隙を通って、血液流出口1B'に向か
って流れる。一方、血液浄化ユニット55'内に分離さ
れた血漿成分は、血漿分離膜54'表面および/または
血漿流路形成体53'表面に固定されたアミノ化合物等
の物質により、血漿成分中に含まれていた病因物質が吸
着あるいは不活化され、再び血漿分離膜54'を通って
血液浄化ユニット55'間の空隙に流れ出し、該空隙の
濃厚赤血球成分と共に血液流出口1B'に向かって流
れ、公知の辺血手段(図示せず)により人体内に戻され
る。その結果、血液中の病因物質が吸着あるいは不活化
され、血液が浄化される。従って、病因物質に対応した
病気の治療に効果がある。
【0023】
【実施例】以下実施例をあげて、本発明を具体的に説明
する。実施例における特性は、以下の条件あるいは方法
で測定した。
【0024】1.透水量 25℃±2℃で測定した値である。
【0025】2.空孔率 下式(A)により算出した。
【0026】
【数1】
【0027】3.膜の最大孔径 ASTM−F316を参考にしてバブルポイント法によ
り求めた値である。最大孔径は、製膜後の膜全体に均一
に存在する孔の最大孔径を表わす値であり、ピンホ−ル
や製膜後に作られた該最大孔径より大きな孔などは含ま
れない。
【0028】4.フラメント直径 走査型電子顕微鏡で観察したフィラメントの長径と短径
の平均値のことであり、異形フィラメントであっても多
孔質フィラメントであっても同様である。
【0029】5.ウイルスの定量 プラ−ク(溶菌斑)法により行った。すなわち、検体を
宿主細胞もしくは宿主細菌と接触させてたのち、ウイル
スに感染することにより生成するプラ−ク(溶菌斑)数
を測定することにより求めた。ウイルス除去(捕捉)率
は、下式(B)により算出した。
【0030】
【数2】
【0031】<実施例1> 1)血漿分離膜 最大孔径0.55μm、空孔率58%、膜厚120μm
のポリプロピレン製平膜の血液接触面上に、スクリーン
版を用いて紫外線硬化型樹脂(大日本インク社製、商品
名:ダイキュアMV)を所定のパターンにて印刷し、直
ちに紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂を膜面上に付
着硬化させることにより、高さ80μm、底部直径30
0μm、頂部間隔750μmである均一な凸部を形成し
たものを用いた。
【0032】2)血漿流路形成体 ポリプロピレン製不織布(三井石油化学、PK−10
3)に、アルゴンプラズマ(100W、0.1Tor
r、1.5秒間)を照射した後、2−メトキシアクリレ
ートガス(1.0Torr)に3分間、グリシジルアク
リレートガス(0.7Torr)に5分間接触させて表
面グラフト重合を行い、続いて、1wt%のポリエチレ
ンイミン(分子量1200)と0.5wt%のピリジン
を含む水溶液に、60℃、18時間浸漬し、表面にポリ
エチレンイミンを固定した。
【0033】3)血液浄化ユニットの製造 上記2枚の血漿分離膜に上記5枚の血漿流路形成体を挟
装し、その外周縁部および中央開口の周縁部を、2mm
の幅で超音波融着法(ブランソン製、超音波ウェルダー
モデル8700使用)により融着し、血漿流通口周縁部
をホットメルト系接着剤(東亜合成工業社製:PPET
−1009)によりシールした。尚、血液浄化ユニット
の各所の寸法は、次の通りである。 外径: 102mm 中央開口径: 22mm 血漿流通口径: 5mm
【0034】4)血液浄化装置の製造 血液流入口、血漿流出口および血球成分流出口を有する
ポリカーボネイト製のハウジング内に、上記血液浄化ユ
ニットとポリカーボネイト製の円形血液流路形成体(外
形102mm、厚さ50μm、ブリネル硬さ40)を交
互に積層し、血漿流出口と血漿流通口が一致するように
収納し、シリコーン製のOリングを有するポリカーボネ
イト製の底板でハウジング下端開口を密封した。
【0035】5)血液浄化装置の性能評価 ヘルペスウイルス(type I H.F.株)を、約10
4(PFU/ml)となるように添加した人新鮮血を、
50ml/minで、上記血液浄化装置に流した。血液
浄化装置に流す前後の血漿に含まれるウイルスをプラー
ク法で測定し、ウイルスの除去率を算出したところ、9
7.2%であった。また、φX174を指標ウイルスと
して、同様に試験を行った結果、人新鮮血中で94.3
%の除去率を示した。
【0036】<実施例2> 1)血漿分離膜 上記実施例1の血漿分離膜に、アルゴンプラズマ(10
0W、0.1Torr、1.5秒間)を照射した後、2
−メトキシアクリレートガス(1.0Torr)に3分
間、グリシジルアクリレートガス(0.7Torr)に
5分間接触させて表面グラフト重合を行い、続いて、1
wt%のポリエチレンイミン(分子量1200)と0.
5wt%のピリジンを含む水溶液に、60℃、18時間
浸漬し、表面にポリエチレンイミンを固定した。この膜
をφ25mmのフィルターホルダーにセットし、指標ウ
イルスを添加した血漿10mlを濾過したところ、ヘレ
ペスウイルスの除去率が99.2%、φ174の除去率
が99.9%、HIVの除去率が98.9%であった。
【0037】2)血漿流路形成体 表面グラフト重合およびポリエチレンイミンの固定をし
ない以外は、実施例1と同様のポリエステル製不織布を
用いた。
【0038】3)血液浄化ユニットの製造 上記血漿流路形成体を使用する以外は、実施例1と同
様。
【0039】4)血液浄化装置の製造 実施例1と同様。
【0040】5)血液浄化装置の性能評価 実施例1と同様に試験した結果、ヘルペスウィルスの除
去率99.6%、φX174の除去率99.8%。
【0041】<実施例3> 1)血漿分離膜 上記実施例1と同様。
【0042】2)血漿流路形成体 ポリプロピレン製不織布(三井石油化学、PK−10
3)に、アルゴンプラズマ(100W、0.1Tor
r、1.5秒間)を照射した後、メタクリル酸ガス
(1.0Torr)に2分間接触させて表面グラフト重
合を行い、表面にポリアニオンを固定させた。
【0043】3)血液浄化ユニットの製造 上記血漿流路形成体を使用する以外は、実施例1と同
様。
【0044】4)血液浄化装置の製造 実施例1と同様。
【0045】5)血液浄化装置の性能評価 人新鮮血を50ml/minで、上記血液浄化装置に流
し、血液浄化装置に流す前後の血漿中の総コレステロー
ルを酵素法(コレステロールオキシダーゼ法)で測定し
た結果、280mg/dlから120mg/dlと減少
していた。しかし、HDL−コレステロール値はヘパリ
ン−マンガン沈殿法により測定した結果、血液浄化装置
に流す前後で、約60〜70mg/mlでありほとんど
変化がなかった。従って、選択的にLDLコレステロー
ルが吸着されていることがわかった。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の血液浄化装
置によれば、ウイルスあるいはLDLコレステロール等
の病因物質を高度に除去し、しかも短時間内に多量の血
液を処理することが可能となる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液浄化装置の構成例を示す分解斜視
図。
【図2】図1に示す血液浄化装置の断面側面図。
【図3】本発明の血液浄化装置の他の構成例を示す分解
斜視図。
【符号の説明】
1、1’・・・血液浄化装置 1A、1A’・・・血液流入口 1B、1B’・・・血液流出口 1C・・・血液流出口 2、2’・・・ハウジング 3、3’・・・底板 4、4’・・・Oリング 51、51’・・・開口部 52・・・血漿流通口 53、53’・・・血漿流路形成体 54、54’・・・血漿分離膜 55、55’・・・血液浄化ユニット 56、56’・・・シール材 57、57’・・・血液流路形成体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血液の流入口、流出口を有するハウジング
    内に、少なくとも1枚の血液浄化ユニットを備え、該血
    液浄化ユニットが血漿分離膜と血漿流路形成体からな
    り、該血漿分離膜表面および/または該血漿流路形成体
    表面に、該血液中の病因物質を吸着除去もしくは不活化
    する物質を固定化したことを特徴とする血液浄化装置。
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