JPH0584476A - 浄水器 - Google Patents

浄水器

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JPH0584476A
JPH0584476A JP3249725A JP24972591A JPH0584476A JP H0584476 A JPH0584476 A JP H0584476A JP 3249725 A JP3249725 A JP 3249725A JP 24972591 A JP24972591 A JP 24972591A JP H0584476 A JPH0584476 A JP H0584476A
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JP
Japan
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filter medium
polymer
constituent
water purifier
monomer
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Pending
Application number
JP3249725A
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English (en)
Inventor
Fumiaki Taguchi
文章 田口
Takashi Owada
尚 大和田
Masato Onishi
誠人 大西
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Publication of JPH0584476A publication Critical patent/JPH0584476A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カチオン性単量体を構成成分とする重合体を
基材表面の少なくとも一部に有する濾材とアニオン性単
量体を構成成分とする重合体を基材表面の少なくとも一
部に有する濾材を有するウイルス捕捉性浄水器。 【効果】 本発明のウイルス捕捉性浄水器は、ポリオウ
イルスを含む各種ウイルスを高い確率で捕捉除去でき、
ウイルス感染の危険性を低減した水を容易に供給でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウイルス捕捉性に優れ
た浄水器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】我々の生活を取り巻く生活環境水中に
は、未処理や部分的に処理された下水の排出あるいは漏
洩等により人や動物などに由来する各種ウイルスが存在
する。特に、上下水道が完備されていない地域や発展途
上国では、飲料水中に存在するウイルスや細菌による疾
患のため、多くの人々が苦しんでいる。また、先進国に
おいても、古い建築物や高層ビルの給水塔・給水管の汚
染、下水の上水への混入、トリハロメタンなどによる飲
料用水の危険性が指摘されるようになっている。
【0003】迅速大量処理が要求される現在の浄水施設
や上水設備では、ウイルスが水道水中に混入することが
懸念されており、今後ますますウイルス感染の危険性が
高くなると考えられる。
【0004】従来の浄水器は、水道水中に含まれる悪臭
物質や細菌を除去し、美味しい水を供給することを目的
としたものが多く、ウイルスについてあまり留意されて
いない。ウイルス感染の危険を防止するためにも水中の
ウイルスを除去することが望まれているが、ウイルスを
積極的に捕捉する機構を取り入れた浄水器は未だ実用化
されていない。
【0005】従来の浄水器は、水中に含まれる悪臭物質
や塩素類の除去を目的とし、活性炭や精密濾過膜が濾材
として用いられているが、活性炭はウイルスの除去性能
が低く、また従来の精密濾過膜は孔径が0.01〜0.
2μm程度であるためサイズの小さいウイルスは透過し
てしまう。
【0006】一方、いわゆる逆浸透膜を用いると水中よ
りウイルスを除去できるが、逆浸透膜法は装置が大がか
りとなり著しい高圧を要し簡便に操作するには不適当で
ある。また、孔径が0.01μm以下の限外濾過膜を用
いてウイルス除去する方法も考えられるが、一般水道の
水圧の程度では通水量が小さくなり実用的ではなくな
る。
【0007】ウイルス捕捉能力を持った浄水器として、
含窒素複素環を分子内に有する単量体を1構成成分とし
た重合体を基材表面に保持させた濾材を用いた浄水器が
提唱されている(特許願平成1年257703号)お
り、多種多様のウイルスを迅速かつ強固に吸着すること
にが可能ではある。しかし、最近、本発明者らにより、
このような表面にも迅速に吸着されないウイルス(例え
ば、ポリオウイルス)も存在することが明らかになっ
た。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した
従来の浄水器の問題点を克服し、簡単な構成で、水また
は水溶液中のウイルス捕捉性に優れた浄水器を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に対し鋭意研究を行った結果、以下の本発明により解
決できることを見いだした。つまり、上記の課題を解決
する手段は、以下の本発明により達成される。
【0010】 カチオン性単量体を構成成分とする重
合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とアニオ
ン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少なく
とも一部に有する濾材を有するウイルス捕捉性浄水器。
【0011】 前記カチオン性単量体を構成成分とす
る重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とア
ニオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少
なくとも一部に有する濾材に、さらに活性炭を構成成分
とする吸着層を有する上記に記載のウイルス捕捉性浄
水器。
【0012】 前記カチオン性単量体を構成成分とす
る重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とア
ニオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少
なくとも一部に有する濾材の少なくとも一方が、最大孔
径0.05〜2.0μmである膜型多孔質フィルターで
ある上記およびに記載のウイルス捕捉性浄水器。
【0013】 前記カチオン性単量体を構成成分とす
る重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とア
ニオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少
なくとも一部に有する濾材、及び前記活性炭を構成成分
とする吸着層に、さらに最大孔径0.05〜2.0μm
である多孔質膜からなる濾材を有する上記およびに
記載のウイルス捕捉性浄水器。
【0014】 前記カチオン性単量体を構成成分とす
る重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とア
ニオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少
なくとも一部に有する濾材のうち少なくともどちらか一
方の基材が、直径100μm以下の多数の交差するフィ
ラメントより形成されたフィルター材の形態を有する上
記、およびのいずれかに記載のウイルス捕捉性浄
水器。
【0015】 前記カチオン性単量体が、分子内に含
窒素複素環を有する単量体である上記〜に記載のウ
イルス捕捉性浄水器。
【0016】 被処理溶液が前記カチオン性単量体を
構成成分とする重合体を基材表面の少なくとも一部に有
する濾材とアニオン性単量体を構成成分とする重合体を
基材表面の少なくとも一部に有する濾材に接触した後、
前記最大孔径0.05〜2.0μmである多孔質膜から
なる濾材に接触される構造を有する上記およびに記
載のウイルス捕捉性浄水器。
【0017】 前記カチオン性単量体を構成成分とす
る重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とア
ニオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少
なくとも一部に有する濾材の各濾材が、少なくとも2段
以上積層されてなる上記およびに記載のウイルス捕
捉性浄水器。
【0018】 カチオン性単量体またはアニオン性単
量体を構成成分とする重合体をプラズマグラフト重合法
により基材表面の少なくとも一部に保持させることによ
り濾材を得て、該濾材を用いて形成するウイルス捕捉性
浄水器の製造方法。
【0019】本発明の浄水器は、通常は、水道水あるい
は井戸水などの天然水よりの不純物を除去し、一般家庭
で美味しくかつ安全な飲料水を得るために蛇口と連結し
て使用される。他の使用形態としては、野外での使用を
目的とした携帯タイプのものや、実験室における理化学
用水を得ることを目的とするものなどがある。
【0020】本発明の浄水器は、カチオン性単量体を構
成成分とする重合体を基材表面に有する濾材と、アニオ
ン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面に有する
濾材よりなるウイルス吸着濾過層を用いることを特徴と
し、カチオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表
面に有する濾材により、ほとんどの多種多様のウイルス
を除去し、さらにアニオン性単量体を構成成分とする重
合体を基材表面に保持させた濾材を積層することにより
カチオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面に
有する濾材表面にも迅速には吸着されないポリオウイル
ス等のウイルスをも捕捉することができる。
【0021】濾材に用いられるカチオン性単量体または
アニオン性単量体を構成成分とする重合体は、濾材の一
部に存在していればよく、必ずしも、全表面に存在ある
いは濾材自体がこのような重合体により構成されている
必要はない。
【0022】本発明に用いるカチオン性単量体として
は、分子内に1級アミン、2級アミン、3級アミン、4
級アンモニウム塩などのカチオン化能を有する官能基を
持つ単量体で、ビニルピリジン、ビニルピリジニウム、
アリルアミン、p−アミノスチレン、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリレート、エチレンイミン、ビニルト
リメチルアンモニウム、N−ビニル−2,3−ジメチル
イミダゾリウム、オキシエチル−1−メチルピリジニウ
ム、N−アクリルアミドプロピル−3−トリメチルアン
モニウム、2−ヒドロキシ−3−メタクロイロキシプロ
ピルトリメチルアンモニウム、N,N−ジメチル−3,
5−メチレンピペリジウム、2−アクリロキシエチルジ
メチルスルホニウム、グリシジルトリブチルホスホニウ
ムなどがある。
【0023】好ましいカチオン性単量体としては、ウイ
ルスや微生物を迅速かつ強固に捕捉できるピリジニウム
構造を分子内に有する単量体がよい。
【0024】また、カチオン性単量体を構成成分とする
重合体とは、カチオン性単量体を含む高分子を構成成分
とする重合体であればよく、他の単量体とのコポリマー
や金属、フィラー、セラミックなどを含有していてもよ
い。
【0025】本発明に用いるアニオン性単量体として
は、分子内にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基
などのアニオン化能を有する官能基を持つ単量体で、ア
クリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、エチレ
ンスルホン酸、ビニルリン酸などがある。
【0026】また、アニオン性単量体を構成成分とする
重合体とは、アニオン性単量体を含む高分子を構成成分
とする重合体であればよく、他の単量体とのコポリマー
や金属、フィラー、セラミックなどを含有していてもよ
い。
【0027】本発明の浄水器に用いる各濾材は、カチオ
ン性単量体およびアニオン性単量体を構成成分とする重
合体を基材表面の少なくとも一部に有するものであれば
特に限定されるものではないが、好ましくは、水に対し
て低膨潤性の基材表面にカチオン性単量体およびアニオ
ン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面に保持さ
せたものが望ましい。
【0028】すなわち、このような水に対して低膨潤性
基材の表面にカチオン性単量体およびアニオン性単量体
を構成成分とする重合体を基材表面に保持させた場合に
は、浄水器の使用時において水により濾材が膨潤して流
路が閉塞し通水性が低下するという虞れが少ないためで
ある。なお、ここで水に対して「低膨潤性」の基材と
は、1×10cmの短冊状のサンプルを蒸留水に24時
間浸漬したときの長手方向における寸法変化(膨潤)率
が5%以下の基材を指すものである。
【0029】このような基材としては、ポリフッ化ビニ
リデン、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリアミド、ポロテトラフル
オロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホン等の
熱可塑性樹脂やこれらの共重合体あるいはこれらのブレ
ンド物などがある。
【0030】このうち、特に、機械的強度、耐薬品性に
優れたポリオレフィンおよび一部もしくは全ての水素が
ハロゲンで置換されたポリオレフィンを主成分としてい
る基材が好ましい。
【0031】このような基材表面へのカチオン性単量体
およびアニオン性単量体を構成成分とする重合体の保持
方法は、予め合成された高分子を溶媒に溶かしコーティ
ングする方法、前記高分子を架橋不溶化する方法、前記
各単量体のグラフト重合法、プラズマ重合法等を用いる
ことができ、特に限定されないが、基材表面に化学的に
保持させる方法が好ましい。
【0032】なお、前記の「化学的に保持させる」と
は、コーティング法のように、予め合成された高分子を
単に基材表面に被覆するのではなく、何らかの化学的作
用、例えば架橋反応やグラフト反応あるいは静電結合や
高分子錯体の形成などを利用して基材表面に堅固に保持
させることを指すものである。
【0033】従って、このようにして得られる濾材を用
いて形成された浄水器は、カチオン性単量体およびアニ
オン性単量体を構成成分とする重合体を単にコーティン
グした濾材を用いたものとは異なり、該高分子の溶出、
剥離という問題が生じることがなく、安全性の高いもの
となる。さらに、単なるコーティング法ではカチオン性
単量体を構成成分とする重合体の一つであるポリビニル
ピリジニウムなどのように親水性の高いものを、ポリオ
レフィンなどの疎水性の基材に均一にコーティングする
ことは困難であるが、化学作用を伴う方法を駆使するこ
とにより所望の濾材が得られることとなるものである。
【0034】さらに、このように化学的に保持する方法
のなかでも、前記単量体がグラフト重合可能な重合開始
点を少なくとも一部の表面に有する高分子基材にガス状
で供給されて表面グラフト重合される方法が特に好まし
い。グラフト重合可能な重合開始点とは、単量体が分子
内に二重結合を有しかつラジカル重合可能なものであれ
ば、高分子ラジカルを膜表面に生成させればよい。高分
子ラジカルの生成法としては、電子線、ガンマ線、紫外
線、プラズマ、オゾン、ラジカル生成剤(水素引抜剤)
等があるが、プラズマを用いる方法が該単量体をガス状
で供給し、固体−気相重合により表面グラフト重合を進
行させ、ドライプロセスでウイルス捕捉可能な濾材を製
造することが可能となるので好ましい。
【0035】さらに、このようなプラズマグラフト法を
用いて化学的に結合させると、基材表面に結合されたウ
イルス捕捉可能なグラフト鎖は、水溶液中において溶解
したような状態で存在することとなり、架橋不溶化法な
どにより固定化されたものと比べてウイルス捕捉能力が
高くなるために好ましい。
【0036】なお、このようにして形成されるカチオン
性単量体およびアニオン性単量体を構成成分とする重合
体を有する合成高分子膜の厚みは5mm以下、好ましく
は10〜200μmである。
【0037】また、本発明の浄水器において用いられる
濾材の形態は、特に限定されず、例えば不織布、織布、
編布、多孔質体、フィルム、微粒子等あるいはこれらの
組み合わせが例示できる。これらの形態のうち、不織布
状、織布状あるいは多孔質体が、浄水器に組み立てやす
くなり、表面積を大きくできウイルス捕捉能力が高める
ことができることから好ましい。なお、多孔質体として
は、平膜状、中空糸膜状などの膜状形状、スポンジ形状
などの塊状形状が好ましい。
【0038】この濾材が、多孔質膜形状を有する場合、
その最大孔径が0.1〜10.0μm、より好ましくは
0.2〜2.0μm、膜厚10〜1000μm、より好
ましくは20〜200μm、空孔率20〜90%、より
好ましくは40〜80%、通水量が1ml/min・m
2・mmHg以上、より好ましくは10ml/min・
2・mmHg以上であることが望まれる。このような
特性を有する多孔質膜形状である場合、孔径による濾過
機能と前記したような親和力によるウイルス捕捉性の2
つの機能を1つの濾材で有することとなり、さらにその
処理速度も優れたものとなる。
【0039】また、これらの濾材に、直径100μm以
下の多数の交差するフィラメントより形成されたフィル
ターを使用すると、通水量に優れ、さらに迅速かつ吸着
能力に優れた濾材になり、さらに直径が30μm以下の
フィラメントよりなるフィルター材であると、濾材の表
面積を大きくできウイルス捕捉性を高めることができ
る。
【0040】吸着層に用いる活性炭とは、木炭、石炭、
骨、ヤシガラ、合成高分子、天然高分子などを高温で焼
いて作製した炭であり、通常、10nm〜10Å程度の
ミクロ孔を有しており、分子量2000以下の低濃度で
存在する有機物を効率よく除去することができ、例え
ば、ピッチ系やヤシガラ系の粒状や粉状の活性炭、活性
炭繊維、活性炭不織布、活性炭スポンジなどを好適に使
用する。
【0041】また、活性炭を構成成分とする吸着層によ
り塩素やカビ臭などの有機物をも除去できる。
【0042】また、3つの濾材を同時に用いることによ
り活性炭だけでは除去できないエンドトキシン等の比較
的分子量の高い有機アニオン性物質や有機カチオン性物
質なども除去可能となる。
【0043】さらに本発明の浄水器は、上記のカチオン
性単量体を構成成分とする重合体を基材表面に有する濾
材とアニオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表
面に有する濾材よりなるウイルス吸着濾過層、および活
性炭を構成成分とする吸着層とに加えて、最大孔径0.
05〜2.0μmの多孔質膜を設けることにより、金属
などの難水溶性不純物を膜濾過により除去できる。
【0044】このとき、カチオン性単量体を構成成分と
する重合体を基材表面に有する濾材およびアニオン性単
量体を構成成分とする重合体を基材表面に有する濾材を
プレフィルターとして用いることにより、多孔質膜を目
詰まりさせる物質、例えば、表面電荷を有するコロイド
粒子や有機高分子物質、細菌などの多くが各濾材により
吸着除去されるため、多孔質膜の寿命が長くなる。
【0045】さらに各濾材よりなる吸着濾過層が多段に
積層させることにより、被処理溶液に一番近いところに
位置する特定の濾材が早く劣化または目詰まりすること
がなく、処理能力が向上する。
【0046】上記の「最大孔径」とは、ASTM−F3
16に記載されているバルブポイント法でイソプロピル
アルコールを溶媒にして、20〜25℃で測定した値で
あり、下記式により算出される。
【0047】最大孔径 d(μm)=0.634/BP
(kg/cm2) フィラメント径は、走査型電子顕微鏡で観察したフィラ
メントの長径と短径の平均値のことであり、異形フィラ
メントであっても多孔質フィラメントであっても良い。
【0048】本発明の浄水器に用いられる各濾材が平膜
状多孔質膜である場合に、該平膜状多孔質膜は、ほぼ完
全に平坦なものでももちろんよいが、例えば図1のa〜
dに示すように、少なくとも一方の面の複数微小突起2
を有するものでもよい。これは該濾材を浄水器に組み込
んだ際に、隣接する濾材相互間に安定した流路を形成で
きることから有利である。
【0049】この平膜状多孔質膜の形態を有する濾材に
おいて微小突起2の設けられる面は、図1のa、および
図1のcのように膜の一方の面のみであっても、図1の
bおよび図1のdに示すように膜の両方の面であっても
良く、浄水器における該濾材の設定位置等に応じて変更
され、また微小突起2の形状もドット状、線状、格子状
等が適用され特に限定されるものではないが、微小突起
2の高さHは20〜1000μm、より好ましくは40
〜200μmであることが望ましく、また微小突起2の
設けられた面の表面積に対する微小突起2部位の占有面
積は0.5〜50%、より好ましくは1.0〜20%で
あることが望ましい。
【0050】すなわち、微小突起2の高さHが20μm
未満であると微小突起2のスペーサーとしての作用が十
分とならず、安定した流路厚を確保することが難しく、
一方微小突起2の高Hが1000μmを越えると微小突
起2の変形が大きく誤差が生じやすくなるためであり、
また微小突起部位2の占有面積が0.5%未満である
と、該濾材自体の変形を十分に規制することができず、
一方占有面積が50%を越えると、有効透過面積が減収
して十分な透過性能を得ることができなくなる虞れが生
じるためである。
【0051】また、この微小突起付平膜型濾材において
微小突起2部位は、図1のa〜bに示すように平膜型濾
材本体1と同一材質により構成することも、また図1の
c〜dに示すように平膜型濾材本体1と別材質により構
成することも可能であるが、好ましくは、微小突起2部
位はそのヤング率1.0×106〜2.0×1010dy
ne/cm2、より好ましくは1.0×106〜1.0×
109である材質により構成せれることが望ましい。
【0052】その理由は、該平膜型濾材を浄水器内にお
いて積層した際、平膜型濾材本体1同志の間隔により形
成される流路厚を押圧により狭めやすくかつ弛緩させた
ときに、流路が可逆的に自己復元し、所望の通水量を得
やすくするためである。
【0053】本発明の浄水器は、上記したようなカチオ
ン性あるいはアニオン性単量体を構成成分とする重合体
を基材表面に保持させた濾材を有し、該浄水器に導入さ
れた処理しようとする水ないし溶液を該濾材と有効に接
触させ、そして処理された水ないし溶液を取り出すこと
のできるものであれば、その構造は特に限定されるもの
ではなく、また濾材として前述したような各種の形態の
ものを用いることができる以外にも、例えば、この前述
した濾材よりも浄水器内部の流路上において前部もしく
は後部あるいはその両方に、濾過膜、活性炭などを配置
することも可能である。
【0054】特に、処理しようとする水中に存在するフ
ミン酸などの有機物によって、カチオン性あるいはアニ
オン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面に保持
させた濾材のウイルス捕捉性能が低下してしまう虞れが
あるために、これらを有効に吸着除去できる活性炭を構
成成分とする吸着層を、浄水器内部の流路上において該
ウイルス捕捉性濾材よりも前部に配置した構成とするこ
とは極めて望ましいものである。なお、この活性炭とし
ては、粒子状のものや、不織布状に加工したものなど任
意の形状のものを用いることができる。
【0055】次に本発明の浄水器の具体的構成を幾つか
の実施態様により例示するが、本発明の浄水器はもちろ
んこれらに何ら限定されるものではない。
【0056】図4は、本発明の浄水器の一実施様態の構
成を示す断面図である。
【0057】この実施態様においては、ウイルス捕捉性
を有するカチオン性単量体を構成成分とする重合体を基
材表面に有する多孔質膜で、アニオン性単量体を構成成
分とする重合体を基材表面に有する不織布を包み込み、
濾材ユニットとし、これをケース内に多数枚積層させ吸
着濾過層として浄水器を構成したものである。
【0058】この浄水器10は、上部中央部位に液体流
入口11を備えた円筒状ケース本体12と、底部中央部
に液体流出口13を有し、外周側壁内面にOリング14
を取り付けた底蓋体15とよりなるケースを有してお
り、このケース内には図2に示すように中央に貫通孔4
a,4bを有する円形平膜型のカチオン性単量体を構成
成分とする重合体を基材表面に有する濾材であるウイル
ス捕捉性濾材3aが濾液側スペーサーであるアニオン性
単量体を構成成分とする重合体を基材表面に有する不織
布5bを挟み込んで上下2枚が合わせ、その外周縁部を
シールしてなる濾材ユニット6が、被処理溶液側スペー
サーとしての両面に多数の凹凸を有するドット板16a
を挟み込んで複数積層されており、最上部および最下部
の濾材ユニット6の上部あるいは下部にも片面に凹凸を
有するドット板16b、16cが配してあるものであ
る。
【0059】そして、このケース内において、濾材3a
より外面側の被処理溶液流路と内面側の濾液流路とを区
間形成するために、最上部の濾材ユニット6の上部貫通
孔4aをホットメルト樹脂17a等により閉塞し、各濾
材ユニット6の貫通孔4a,4bと各ドット板16a、
16cの中央貫通孔18とを外周縁部においてホットメ
ルト樹脂17b等でシールするとともに連通させ、さら
に、最下部のドット板16cの中央貫通孔18と整合さ
れた底蓋体15の液体流出口13との間をその外周縁部
において同様にシールされている。
【0060】さらに、この実施態様の浄水器において
は、液体流入口11に水道の蛇口(図示せず)等を挿入
した際に、液密な接続が容易になされるように、液体流
入口11の内周面部には厚肉のパッキン材19が配して
あり、また液体流入口13には、Oリング20を介して
液密にかつ回転自在に蛇口21が取り付けられている。
【0061】また図5は、本発明の浄水器の別の使用態
様の構成を示すものである。
【0062】図5においては、前記のごときウイルス捕
捉性を有するカチオン性およびアニオン性単量体を構成
成分とする重合体を基材表面に有する濾材を、図3に示
すような微小突起付平膜型多孔質膜形状とし、これをケ
ース内に多数枚積層してウイルス捕捉部を形成するとと
もに、このウイルス捕捉部よりも前部に活性炭よりなる
吸着層部を形成して浄水器を構成したものである。
【0063】この浄水器20は、中央部位に液体流入口
11を備え、外周側壁内面にOリング14を取り付けた
上蓋体33と、多数の連通孔34の開けられた隔壁35
aと、中心に連通孔36の開けられた隔壁35bを内部
に有する円筒状ケース本体37と、中央部位に液体流出
口13を有し、外周側壁内面にOリング14を取り付け
た底蓋体39とよりなるケースを有している。
【0064】このケース内の隔壁35aより下方には、
図3に示すように一方の面(各外側面)に微小突起2を
有し、かつ中央部に貫通孔4a,4bを設けられた円形
平膜型のカチオン性単量体を構成成分とする重合体を基
材表面に有する濾材7aを濾液側スペーサーとしての不
織布5cを挟み込んで上下2枚を組み合わせ、その外周
縁側をシールしてなる濾材ユニット8が複数積層されて
おり、また隔壁35bより下方には同じく図3に示すよ
うな微小突起を有し、中央部に貫通孔4a,4bが設け
られた円形平膜状のアニオン性単量体を構成成分とする
重合体を基材表面に有する濾材7bを濾液側スペーサー
としての不織布5cを挟み込んで上下2枚を組み合わ
せ、その外周縁側をシールしてなる濾材ユニット9が複
数積層されている。
【0065】そして、濾材7aより外面側の被処理液流
路と内面側の濾液流路とを区画形成するために、最上部
の濾材ユニット8の上部貫通孔4aをホットメルト樹脂
40a等により閉塞し、また各濾材ユニット8の貫通孔
4a、4bの間を、その外周縁部においてホットメルト
樹脂40b等でシールするとともに連通させ、さらに最
下部の濾材ユニット8の貫通孔40bと隔壁35bの連
通孔36との間をその外周縁部において同様にシールし
ている。
【0066】また、濾材7bより外面側の被処理液流路
と内面側の濾液流路とを区画形成するために、最上部の
濾材ユニット9の上部貫通孔4aをホットメルト樹脂4
0c等により閉塞し、また各濾材ユニット9の貫通孔4
a、4bの間を、その外周縁部においてホットメルト樹
脂40c等でシールするとともに連通させ、さらに最下
部の濾材ユニット9の貫通孔40dと整合された底蓋体
39の液体流出口13との間をその外周縁部において同
様にシールしている。
【0067】濾材として微小突起付平膜型のものを用い
ると、上述したように濾材表面上に存在する複数の微小
突起により濾材ユニット同士は直接接触することなく離
間され、前記図4に示した実施態様におけるようにドッ
ト板等のスペーサーを配さなくとも適正な流路が確保さ
れている。一方、このケース内の隔壁35aより上方に
は、このケースの内径とほぼ同じ直径を有する、円盤状
の活性炭不織布41が複数枚積層され充填されている。
【0068】従って、この浄水器20においては、液体
流入口11より流入した被処理溶液は、まず、このケー
ス内の隔壁35aより上方の空間において活性炭不織布
41に接触し、その後、隔壁35aの連通孔34より下
方の空間へ移動し、次いで、下方の空間において濾材7
a面を通過して、濾材ユニット8の内部へと至る。
【0069】さらに、隔壁35bの連通孔36より下方
の空間へ移動し、次いで、下方空間において濾材7b面
を通過して濾材ユニット9の内部へと至る。
【0070】つまり被処理溶液は、濾材7a,7b面を
通過することでウイルスを捕捉されて清浄化され濾液と
なり、液体流出口13から浄水器外部へ排出される。
【0071】なお、この実施態様の浄水器においても、
前記図4に示した実施態様におけると同様に液体流入口
11に水道の蛇口(図示せず)等を挿入した際に、液密
な接続が容易になされるように、液体流入口11の内周
面部には厚肉のパッキン材19が配してあり、また液体
流出口13には、Oリング20を介して液密にかつ回転
自在に蛇口21が取り付けられている。
【0072】以下、実施例及び比較例を示し本発明の浄
水器について詳細に説明する。
【0073】
【実施例】
(実施例1)図5にその断面図を示す多孔質膜を濾材の
基材に使用した浄水器20を下記の通りに作製した。
【0074】メルトフローインデックスが30及び0.
3のポリプロピレン混合物(混合重量比100:40)
100重量部当たり、400重量部の流動パラフィン
(数平均分子量324)及び0.3重量部の結晶核形成
剤としての1,3,2,4−ビス(p−エチレンベンジ
リデン)ソルビトールを二軸型押出機により溶融混練し
ペレット化した。
【0075】得られたペレットを上記押出機を用いて1
50〜200℃で溶融し、スリット幅0.6mmのTダ
イスより空気中に押し出して、Tダイス直下に置かれた
冷却液槽のガイドローラーの回転によって冷却固化液中
に導き、冷却固化した後巻き取り、巻き取ったフィルム
状物を一定の長さの切断し、縦横両方向を固定し、1,
1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン
中に10分間×4回(合計40分)浸漬して流動パラフ
ィンの抽出を行い、次いで135℃の空気中で2分間熱
処理し、最大孔径0.8μm、膜厚120μmのポリプ
ロピレン多孔質膜を得た。
【0076】最大孔径は、ASTM−F316に記載さ
れているバルブポイント法でイソプロピルアルコールを
溶媒にして、20〜25℃で測定した値であり、下記式
により算出される。
【0077】最大孔径 d(μm)=0.634/BP
(kg/cm2) フィラメント径は、走査型電子顕微鏡で観察したフィラ
メントの長径と短径の平均値のことであり、異形フィラ
メントであっても多孔質フィラメントであっても良い。
【0078】このようにして得られたポリプロピレン多
孔質膜に、アルゴンプラズマ(100W、0.1Tor
r、15秒間)を照射した後、4−ビニルピリジンガス
を0.8Torrで5分間接触させて表面グラフト重合
を行った。さらに、ベンジルクロライドをガス状で供給
して、0.8Torr、15分間反応させて表面にベン
ジルピリジニウム基を導入した後、メタノールで洗浄し
てカチオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面
に有する濾材を得た。
【0079】一方、アニオン性単量体を構成成分とする
重合体を基材表面に有する濾材として、上記のポリプロ
ピレン多孔質膜にポリメトキシエチルアクリレートを
1.0Torrで3分間、メタクリル酸を2.0Tor
rで2分間表面グラフトしカルボキシル基を導入し、ア
ニオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面に有
する濾材を作成した。
【0080】これら作成した、前記カチオン性単量体を
構成成分とする重合体を基材表面に有する濾材と前記ア
ニオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面に有
する濾材の表面に、ロータリースクリーン印刷器(日本
文化精工(株)製)を用いて紫外線硬化樹脂(大日本イ
ンキ(株)製)を印刷し、直ちに紫外線で硬化させ、直
径0.3mm、高さ0.08mmの半球状の微小突起を
形成させ、カチオン性単量体を構成成分とする重合体を
基材表面に有する濾材7aと、アニオン性単量体を構成
成分とする重合体を基材表面に有する濾材7bを作製し
た。
【0081】続いて、前記各濾材の中央をφ8の貫通孔
を有するφ50のドーナツ状に打ち抜き、濾液側スペー
サーとして不織布を挟み込んで2枚重ねて外周部をヒー
トシールし、濾材ユニット8,9を作製した。
【0082】この各ユニットの内周部をホットメルト樹
脂により接着しながら、各々15層ずつ積層し最上部の
貫通孔を塞いだ。
【0083】前記積層されたカチオン性単量体を構成成
分とする重合体を基材表面に有する濾材よりなる濾材ユ
ニット8の貫通孔を隔壁35bの貫通孔36に流路を塞
ぐことなくホットメルト樹脂により接着し、前記積層さ
れたアニオン性単量体を構成成分とする重合体を基材表
面に有する濾材よりなる濾材ユニット9の液体流入側と
連続するよう隔壁35bにより隔てられた状態で、液体
流入口11と液体流出口13を有するφ55mm、高さ
50mmの円筒状の容器に、液体流出口13と積層され
た濾材ユニット9の最下部が濾液側の貫通孔と一致する
ように接着した。
【0084】液体流入口11よりにウイルス吸着濾層至
る隔壁35aにより隔離された空間に活性炭不織布を積
層して、蓋体33と底蓋体39とをOリング14により
液密性を保ちながら前記円筒状の容器に取り付け、さら
に液体流入口11の内周面部には厚肉のパッキン材19
が配し、また液体流出口13には、Oリング20を介し
て液密にかつ回転自在に蛇口21が取り付け浄水器を完
成させた。
【0085】(実施例2)図6にその断面図を示す不織
布を濾材の基材に使用した浄水器60を下記の通りに作
製した。
【0086】フィラメント直径が約26μmであるポリ
プロピレン不織布(東燃石油化学(株)製)に、アルゴ
ンプラズマ(300W、0.1Torr、1分間)を照
射した後、4−ビニルピリジンガスを0.8Torrで
10分間接触させて表面グラフト重合を行った。過剰の
4−ビニルピリジンを減圧除去した後、ベンジルクロラ
イドガスを供給して、0.8Torr、30分間反応さ
せベンジルピリニジウム基を導入し、ポリプロピレン不
織布表面にカチオン性単量体を構成成分とする重合体を
に有する濾材ユニット42を得た。
【0087】次に、上記のポリプロピレン不織布に、ア
ルゴンプラズマ(300W、0.1Torr、1分間)
を照射した後、メタクリル酸を2.0Torrで10分
間接触させて表面グラフト重合を行いカルボキシル基を
導入し、ポリプロピレン不織布表面にアニオン性単量体
を構成成分とする重合体を有する濾材ユニット43を得
た。
【0088】前記濾材ユニット42,43を各10枚、
及び活性炭不織布44(東邦レーヨン製)20枚とを、
同種濾材および前記吸着層が2枚重ねにならないように
交互に重ねた吸着ユニットをさらに5段積層し、複数の
連通孔を有する隔壁35cを有する円筒状の容器に収納
し、蓋体33と底蓋体39とをOリング14により液密
性を保ちながら前記円筒状の容器に取り付け、さらに液
体流入口11の内周面部には厚肉のパッキン材19を配
し、また液体流出口13には、Oリング20を介して液
密にかつ回転自在に蛇口21が取り付け浄水器60を完
成させた。
【0089】(実施例3)図8にその断面図を示す不織
布を濾材の基材に使用し、ポリプロピレン多孔質膜によ
る膜濾過部を有する浄水器70を下記の通りに作製し
た。
【0090】最大孔径0.4μm、膜厚120μmのポ
リプロピレン多孔質膜に、ロータリースクリーン印刷機
(日本文化精工(株)製)を用いて紫外線硬化性樹脂
(大日本インキ(株))を印刷し、直ちに紫外線で硬化
させ、直径0.3mm、高さ0.08mmの半球状の微
小突起を有する多孔質膜7cを作製し、さらに中央をφ
8の貫通孔を有するφ50のドーナツ状に打ち抜き、濾
液側スペーサーとして不織布を5c挟み込んで2枚重ね
て外周部をヒートシールし多孔質膜ユニット45を得
て、該ユニットの内周部をホットメルト樹脂により接着
しながら25層積層し、最上部の貫通孔を塞いで膜濾過
部を作製した。
【0091】液体流出入口を有するφ55mm、高さ5
0mmの円筒状の容器に、液体流出口13と膜濾過部の
濾液側の貫通孔が一致するように接着し、液体流入口1
1より複数の貫通孔を有する隔壁35cで隔てられた膜
濾過部に至る空間に、実施例2で作製したポリプロピレ
ン不織布表面にカチオン性単量体を構成成分とする重合
体を有する濾材ユニット42、ポリプロピレン不織布表
面にアニオン性単量体を構成成分とする重合体を有する
濾材ユニット43及び活性炭不織布44重ねた吸着ユニ
ットを5段積層した。
【0092】そして、円筒状の容器に、蓋体33と底蓋
体39とをOリング14により液密性を保ちながら前記
円筒状の容器に取り付け、さらに液体流入口11の内周
面部には厚肉のパッキン材19が配し、また液体流出口
13には、Oリング20を介して液密にかつ回転自在に
蛇口21が取り付け浄水器70を完成させた。
【0093】(実施例4)実施例1〜3で作成した浄水
器のそれぞれに水道水を10l流した後、ポリオウイル
ス(約104(PFU/ml))とヘルペスウイルス
(約104(PFU/ml))とを含む溶液10lを流
した。
【0094】その結果、各浄水器は、それぞれポリオウ
イルスを99.9%以上、ヘルペスウイルスを99.9
9%以上除去する大変に高いウイルス除去率を示した。
【0095】(比較例)比較例として、ポリエチレン中
空糸膜と抗菌活性炭、不織布よりなる市販の浄水器A
(三菱レーヨン:クリンスイプチJ701)、中空糸膜
と活性炭よりなる市販の浄水器B(東レ:トレビーノミ
ニET.3)、ポリサルフォン中空糸膜と銀活性炭、不
織布よりなる市販の浄水器C(クラレ:クラクールF
1)の3つと本発明による実施例1〜3で作成した浄水
器それぞれに、水道水を10l流した後、ウイルス(φ
×174)を含む溶液(約105(PFU/ml))1
0lを流した。
【0096】その結果、各浄水器のウイルス除去率は、
市販の浄水器A:89%、市販の浄水器B:90%、市
販の浄水器C:87%であるのに対し、本発明に係わる
各浄水器はそれぞれ99.99%以上の他と比べて大変
に高いウイルス除去率を示した。
【0097】
【発明の効果】以上の実施例および比較例より本発明の
よる浄水器はカチオン性単量体を構成成分とする重合体
を基材表面に有する濾材と、アニオン性単量体を構成成
分とする重合体を基材表面に有する濾材とを合わせるこ
とで、水道水程度の低い水圧でポリオウイルスを含む各
種ウイルスを高い確率で捕捉除去できるため、ウイルス
感染の危険性を低減した水を容易に供給できる。
【0098】したがって、本発明の浄水器を水道水や井
戸水などの天然水の蛇口に取り付けることにより安全な
飲料水を、また研究室等において使用することによりウ
イルス含有率の少ない理化学用水を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1のa〜dは本発明の浄水器において濾材ユ
ニットと濾材ユニットの間に用いるドット板の一例を模
式的に示す拡大断面図。
【図2】
【図3】図2および図3は本発明の浄水器において用い
られる濾材ユニットの一例の構成を模式的に示す一部断
面斜視図。
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】図4図5図6および図7は、本発明の浄水器の
一実施態様および実施例により作成した構造を示す一部
破断断面図である。
【符号の説明】
10,30,60,70・・・浄水器、 11・・・液体流入口、13・・・液体流出口、 14,20・・・Oリング、19・・・パッキン材、2
1・・・蛇口 33・・・蓋体、15,39・・・底蓋体、 6,8,9・・・多孔質膜濾材ユニット、42,43,
44・・・不織布濾材ユニット

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性単量体を構成成分とする重合
    体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とアニオン
    性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少なくと
    も一部に有する濾材を有するウイルス捕捉性浄水器。
  2. 【請求項2】 前記カチオン性単量体を構成成分とする
    重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とアニ
    オン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少な
    くとも一部に有する濾材に、さらに活性炭を構成成分と
    する吸着層を有する請求項1に記載のウイルス捕捉性浄
    水器。
  3. 【請求項3】 前記カチオン性単量体を構成成分とする
    重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とアニ
    オン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少な
    くとも一部に有する濾材の少なくとも一方が、最大孔径
    0.05〜2.0μmである膜型多孔質フィルターであ
    る請求項1および2に記載のウイルス捕捉性浄水器。
  4. 【請求項4】 前記カチオン性単量体を構成成分とする
    重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とアニ
    オン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少な
    くとも一部に有する濾材、及び前記活性炭を構成成分と
    する吸着層に、さらに最大孔径0.05〜2.0μmで
    ある多孔質膜からなる濾材を有する請求項1および2に
    記載のウイルス捕捉性浄水器。
  5. 【請求項5】 前記カチオン性単量体を構成成分とする
    重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とアニ
    オン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少な
    くとも一部に有する濾材のうち少なくともどちらか一方
    の基材が、直径100μm以下の多数の交差するフィラ
    メントより形成されたフィルター材の形態を有する請求
    項1、2および4のいずれかに記載のウイルス捕捉性浄
    水器。
  6. 【請求項6】 前記カチオン性単量体が、分子内に含窒
    素複素環を有する単量体である請求項1〜5に記載のウ
    イルス捕捉性浄水器。
  7. 【請求項7】 被処理溶液が前記カチオン性単量体を構
    成成分とする重合体を基材表面の少なくとも一部に有す
    る濾材とアニオン性単量体を構成成分とする重合体を基
    材表面の少なくとも一部に有する濾材に接触した後、前
    記最大孔径0.05〜2.0μmである多孔質膜からな
    る濾材に接触される構造を有する請求項2および4に記
    載のウイルス捕捉性浄水器。
  8. 【請求項8】 前記カチオン性単量体を構成成分とする
    重合体を基材表面の少なくとも一部に有する濾材とアニ
    オン性単量体を構成成分とする重合体を基材表面の少な
    くとも一部に有する濾材の各濾材が、少なくとも2段以
    上積層されてなる請求項1および2に記載のウイルス捕
    捉性浄水器。
  9. 【請求項9】 カチオン性単量体またはアニオン性単量
    体を構成成分とする重合体をプラズマグラフト重合法に
    より基材表面の少なくとも一部に保持させることにより
    濾材を得て、該濾材を用いて浄水器を形成する浄水器の
    製造方法。
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