JPH0630418U

JPH0630418U - マニホールド触媒コンバータ

Info

Publication number: JPH0630418U
Application number: JP065653U
Authority: JP
Inventors: 浩二野田
Original assignee: カルソニック株式会社
Priority date: 1992-09-21
Filing date: 1992-09-21
Publication date: 1994-04-22
Anticipated expiration: 2007-09-21
Also published as: JP2587679Y2; US5410877A

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、エンジンの排気系に略垂直に配置
され、排気ガス等の浄化に使用されるマニホールド触媒
コンバータに関し、締付具が筒状容器の外側面から突出
する量を少なくし、エンジン搭載時における周辺部品と
の干渉を防止することを目的とする。【構成】筒状容器４の両側の短径方向の外皮部７，７
に、周方向に沿った一対の帯状の補強板８，８，９，９
を対向して固着した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エンジンの排気系に略垂直に配置され、排気ガス等の浄化に使用されるマニホールド触媒コンバータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、自動車の排気系には、触媒コンバータが装着されており、この触媒コンバータにより例えば排気ガス中のＣＯ成分やＨＣ成分等の未燃焼成分が、排気ガスの熱により燃焼して除去されるが、特に冬期等の外気の温度が低いエンジン運転開始時には排気ガスの温度が低く、触媒コンバータ内の触媒担体が暖めらず、その活性が不充分で、排気ガス中の未燃焼成分の燃焼が不充分となる。

【０００３】そこで、エンジン運転開始時に、排気ガスの温度を上昇させて、触媒コンバータ内の触媒担体を急速に加熱して暖めることが要求され、エンジンのシリンダヘッドにマニホールド触媒コンバータが装着され、例えば、図３，図４に示すように知られている。

【０００４】図において、符号２１は図示しないエンジンのシリンダヘッドに取り付けられるマニホールド触媒コンバータで、このマニホールド触媒コンバータ２１は、フランジ２２，２２と、４つのブランチ管２３，２３，２３，２３と、断面楕円形状の筒状容器２４とを備えている。

【０００５】各フランジ２２にそれぞれ各ブランチ管２３の一端２３Ａが固着され、筒状容器２４の集合部２４Ａに各ブランチ管２３の他端２３Ｂがそれぞれ固着されている。

【０００６】筒状容器２４には、セラミック製の触媒担体２５が収容され、触媒担体２５と筒状容器２４との間にはサポート（図示せず）及び発泡性シール材２６（商品名：インタラムマット）が配置されている。発泡性シール材２６により排気ガスのバイパスが防止される。

【０００７】そして、筒状容器２４の外周面には、断面がＨ型やＩ型のＣ字状部材２７，２７の両端をそれぞれボルト２８Ａ，ナット２９Ｂで一体化してなる締付具２９が上下方向で所定の距離を隔てて２箇所に亘って締め付けられている。締付具２９は、筒状容器２４の短径方向への膨張を規制して、触媒担体２５の保持を確実にするためのものである。なお、筒状容器２４が膨張すると、排気ガスにより発泡性シール材２６が飛散し、隙間が生じて触媒担体２５の保持が不安定になる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来のマニホールド触媒コンバータ２１にあっては、締付具２９は剛性があり、筒状容器２４の短径方向への膨張を規制することができるが、この締付具２９が所定の剛性を得るためには、筒状容器２４の全周をＣ字状部材２７，２７からなる補強部材で囲み且つ所定の断面高さで断面係数を確保する必要がある。そのため、筒状容器２４の外側面から突出する量が多く、特に、ボルト２８Ａ，ナット２９Ｂからなる締付部があるため、マニホールド触媒コンバータ２１をエンジンに装着の際、締付具２９が周辺部品と干渉する虞がある。

【０００９】そこで、例えば、実開昭６３−１１３７１１号公報に示すように、筒状容器にビードを形成してその剛性を上げる対策を施すこともできるが、この場合には、触媒担体に対して、ビードが形成されていない部分で発泡性シール材の面圧を確保することができず、好ましくない。

【００１０】本考案は、上述の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、締付具が筒状容器の外側面から突出する量を少なくし、エンジン搭載時における周辺部品との干渉を防止することができるマニホールド触媒コンバータを提供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案は、触媒担体を収納する断面略楕円形状の筒状容器を有してなるマニホールド触媒コンバータにおいて、筒状容器の両側の短径方向の外皮部に、周方向に沿った一対の帯状の補強板を対向して固着したことを特徴とする。

【００１２】請求項２記載の考案は、触媒担体を収納する断面略楕円形状の筒状容器を有してなるマニホールド触媒コンバータにおいて、筒状容器の両側の短径方向の外皮部に、周方向に沿った一対の帯状の補強板を上下方向で所定の距離を隔てて複数箇所に亘って固着したことを特徴とする。

【００１３】請求項３記載の考案は、下側の補強板は、筒状容器の下部に位置していることを特徴とする。

【００１４】

【作用】

本考案においては、筒状容器の両側の短径方向の外皮部に、周方向に沿った帯状の補強板が所定の距離を隔てて固着されているので、筒状容器の短径方向の外皮部の短径方向への膨張に対する所定の剛性が確保される。

【００１５】そして、筒状容器は、断面略楕円形状になっているので、高温時、筒状容器の短径方向の外皮部が短径方向に膨張しようとするが、筒状容器の変形がその外皮部の短径方向への変形が特に顕著である性質を利用して、筒状容器の短径方向の外皮部にのみ帯板状の補強板を固着して所定の剛性が得られ、筒状容器の全周を従来例の如き締付具で囲み且つ所定の断面高さで断面係数を確保して補強する必要がなくなる。

【００１６】

【実施例】

以下、図面により本考案の実施例について説明する。図１，図２は本考案の実施例に係わるマニホールド触媒コンバータを示す。

【００１７】図において、符号１は図示しないエンジンのシリンダヘッドに取り付けられるマニホールド触媒コンバータで、このマニホールド触媒コンバータ１は、フランジ２，２と、４つのブランチ管３，３，３，３と、断面楕円形状の筒状容器４とを備えている。

【００１８】各フランジ２にそれぞれ各ブランチ管３の一端３Ａが固着され、筒状容器４の集合部４Ａに各ブランチ管３の他端３Ｂがそれぞれ固着されている。筒状容器４には、セラミック製の触媒担体５が収容され、触媒担体５と筒状容器４との間にはサポート（図示せず）及び発泡性シール材６（商品名：インタラムマット）が配置されている。発泡性シール材６により排気ガスのバイパスが防止される。

【００１９】そして、筒状容器４の両側の短径方向の外皮部７，７に、周方向に沿った帯状の上側補強板８，８及び下側補強板９，９が上下方向で所定の距離を隔てて上下２箇所に亘って固着されている。上側補強板８，８は、筒状容器４の上部に位置し、下側補強板９，９は筒状容器４の下部に位置している。上側補強板８とこれに対向する上側補強板８の取付位置は、筒状容器４の短径方向の外皮部７，７の中心から互いに遠ざかるようにずれている。下側補強板９，９の取付位置も同様である。

【００２０】このように構成された当該マニホールド触媒コンバータ１では、各ブランチ管３からの排気ガスは、筒状容器４内に流入し、触媒担体５を通過する間に浄化され、排気流出管（図示せず）に流出する。

【００２１】しかして、本実施例においては、筒状容器４は、断面略楕円形状になっているので、高温時、筒状容器４の短径方向の外皮部７，７が短径方向に膨張するが、筒状容器４の両側の短径方向の外皮部７，７に、周方向に沿った帯状の上側補強板８，８及び下側補強板９，９が上下方向で所定の距離を隔てて上下２箇所に亘って固着されているので、筒状容器４の短径方向の外皮部７，７の短径方向への膨張に対する所定の剛性が確保される。

【００２２】従って、高温時、筒状容器４の短径方向の外皮部７，７の短径方向への膨張が防がれ、エンジンによる当該マニホールド触媒コンバータ１の振動があっても、筒状容器４内に触媒担体５が確実に保持される。

【００２３】以上の如き構成によれば、筒状容器４の変形がその外皮部７，７の短径方向への変形が特に顕著である性質を利用して、筒状容器４の短径方向の外皮部７，７にのみ帯板状の上側補強板８，８及び下側補強板９，９を固着すれば従来の締付具に比して薄くても所定の剛性を得ることができ、筒状容器４の全周を従来の如き締付具で囲み且つ所定の断面高さで断面係数を確保して補強する必要がなくなる。

【００２４】そして、筒状容器４の外側面に帯状に固着された上側補強板８，８及び下側補強板９，９は、従来の締付具に比して薄いので、従来例の如き筒状容器４の外側面から突出する量を僅かにすることができ、また、従来例の如き締付部もないのでボルト，ナットを使用する必要がなくなり、従って、エンジン搭載時における周辺部品との干渉を防止することができる。

【００２５】なお、本実施例においては、上側補強板８（９）とこれに対向する上側補強板８（９）の取付位置は、筒状容器４の短径方向の外皮部７，７の中心から互いに遠ざかるようにずれているが、筒状容器４の短径方向の外皮部７の中心にあっても良いこは勿論である。

【００２６】また、本実施例においては、筒状容器の断面を楕円形状としているが、かかる形状に限定されることなく、例えば、長円形状でも良い。さらに、本実施例においては、筒状容器４の両側の短径方向の外皮部７，７に、上側補強板８，８及び下側補強板９，９が上下方向で所定の距離を隔てて上下２箇所に亘って固着されているが、下側補強板９，９のみ筒状容器４に固着することもでき、これにより、筒状容器４の保持を確実にしている。また、３組以上の補強板を筒状容器４に固着することもできる。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、筒状容器の変形がその外皮部の短径方向への変形が特に顕著である性質を利用して、筒状容器の短径方向外皮部にのみ帯板状の補強板を固着すれば従来の締付具に比して薄くても所定の剛性を得ることができ、筒状容器の全周を締付具で囲み且つ所定の断面高さで断面係数を確保して補強する必要がなくなる。

【００２８】そして、筒状容器の外側面に帯状に固着された補強板は、従来の締付具に比して薄いので、従来例の如き筒状容器の外側面から突出する量を僅かにすることができ、従って、エンジン搭載時における周辺部品との干渉を防止することができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係わるマニホールド触媒コン
バータの正面図である。

【図２】図１の筒状容器の外皮部における横断面図であ
る。

【図３】従来におけるマニホールド触媒コンバータの正
面図である。

【図４】図３の筒状容器の外皮部における横断面図であ
る。

【符号の説明】

１マニホールド触媒コンバータ４筒状容器５触媒担体７短径方向の外皮部８上側補強板９下側補強板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】触媒担体（５）を収納する断面略楕円形
状の筒状容器（４）を有してなるマニホールド触媒コン
バータにおいて、筒状容器（４）の両側の短径方向の外皮部（７，７）
に、周方向に沿った一対の帯状の補強板（８，８，９，
９）を対向して固着したことを特徴とするマニホールド
触媒コンバータ。
【請求項２】触媒担体（５）を収納する断面略楕円形
状の筒状容器（４）を有してなるマニホールド触媒コン
バータにおいて、筒状容器（４）の両側の短径方向の外皮部（７，７）
に、周方向に沿った一対の帯状の補強板（８，８，９，
９）を上下方向で所定の距離を隔てて複数箇所に亘って
固着したことを特徴とするマニホールド触媒コンバー
タ。
【請求項３】下側の補強板（９，９）は、筒状容器
（４）の下部に位置していることを特徴とする請求項２
記載のマニホールド触媒コンバータ。