JPH06303905A - ロブスタコーヒー豆の品質を高める方法 - Google Patents

ロブスタコーヒー豆の品質を高める方法

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JPH06303905A
JPH06303905A JP6062799A JP6279994A JPH06303905A JP H06303905 A JPH06303905 A JP H06303905A JP 6062799 A JP6062799 A JP 6062799A JP 6279994 A JP6279994 A JP 6279994A JP H06303905 A JPH06303905 A JP H06303905A
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coffee beans
container
beans
steam
column
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JP6062799A
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Walter A Crawley
ウォルター・アルバート・クローリー
Stuart A Stein
スチュアート・アーノルド・ステイン
Helmut Gunther
ヘルムート・ギュンサー
Ronald H Skiff
ロナルド・ハリー・スキッフ
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Kraft General Foods Inc
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23FCOFFEE; TEA; THEIR SUBSTITUTES; MANUFACTURE, PREPARATION, OR INFUSION THEREOF
    • A23F5/00Coffee; Coffee substitutes; Preparations thereof
    • A23F5/02Treating green coffee; Preparations produced thereby

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ロブスタコーヒー豆の品質を高める方法を提供
すること。 【構成】生ロブスタコーヒー豆入り細長垂直容器に高圧
スチームを導入し、容器中の半量未満の豆を下端から抜
き取って残りの豆を下方に移動させ、抜き取った豆の量
と同量の湿らせた生ロブスタコーヒー豆を上端に導入
し、温度を260〜300°F、20〜50psigに
する工程からなる方法であって、豆の滞留時間を60〜
120分とし、容器を通るスチームの流量を豆1ポンド
当たり0.15〜0.65ポンドとしたロブスタコーヒ
ー豆の品質を高める方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロブスタコーヒー豆の
品質を高める方法に関する。さらに詳細には本発明は、
従来の生のロブスタコーヒー豆をスチームで処理してロ
ブスタコーヒー豆の土臭くてかび臭い味質を取り除く、
という方法に基づいた改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ロブスタコーヒー豆は強い味を有し、味
を良くし且つカフェインの含量を増大させるために、し
ばしばマイルドな味のコーヒー豆(例えばアラビカコー
ヒー豆)とブレンドされる。しかしながら、ロブスタコ
ーヒー豆は土臭くてかび臭い味質を有しており、この味
質は多くの国においては望ましくないものとされてお
り、ブレンド物中に比較的少量のロブスタコーヒーが含
まれていても感知することができる。
【0003】ロブスタコーヒー豆の品質はスチーム処理
によって高めることができ、このスチーム処理により、
ロブスタコーヒー豆は望ましくない味質を導入すること
なくブレンド物のかたちで配合できるようになる、とい
うことが長年にわたって知られている。Boltらによ
る米国特許第3,640,726号は、高圧スチームに
よる焙煎(roasting)と、それに続く空気中で
の焙煎を含んだ、ロブスタコーヒー豆の品質向上法を開
示している。Ponzoniらによる米国特許第3,7
67,418号は、生のコーヒー豆を水と接触させるこ
と、およびこの混合物を連続的なダイジェスター(これ
を介してコーヒー豆が移送される)中で高温高圧にて処
理することを含んだ、ロブスタコーヒー豆の品質向上法
を開示している。したがって処理されたコーヒー豆は、
約35%の水分を達成する。次いで湿らされた豆が、好
ましくは空気中で乾燥した後に、約15%以下の水分に
なるまで焙じられる。Darらによる米国特許第4,5
40,591号は、1〜5psigにて連続的に排気さ
れる容器中において生のコーヒー豆とスチームとを接触
させ、次いで焙煎または乾燥・焙煎を行う、というロブ
スタコーヒー豆の品質向上法を開示している。
【0004】Davidescuらによる米国特許第
4,671,964号は、ロブスタコーヒー豆を先ずス
チームで処理し、湿分付与処理し、次いでもう一度スチ
ーム処理する、というロブスタコーヒー豆の品質向上法
を開示している。この方法は、閉じた円筒状傾斜容器
(この容器を介してコーヒー豆が搬送される)等の単一
容器中にて行うことができる。
【0005】Beckerらによる米国特許第5,01
9,413号は、ロブスタコーヒー豆を先ず約30〜4
5重量%の水分になるまで湿分付与処理し、次いで温度
135〜140°および圧力3〜4バールで60〜12
0分スチーム処理する、というロブスタコーヒー豆の品
質向上法を開示している。こうした処理を施すことによ
り、ロブスタコーヒー豆のもつ土臭くてかび臭い味質を
効果的に減らすことができる。Beckerらの方法に
よって処理されたロブスタコーヒー豆は、ブラジルコー
ヒー豆(Brazils coffee)やセントラル
コーヒー豆(Centrals coffee)の代わ
りに、10%または15%のレベルにて市販の高品質ブ
レンドコーヒー豆中に配合することができる。しかしな
がら、ロブスタコーヒー豆の品質をさらに高いレベル
に、そしてより効果的に高めることが求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、湿らせ
た生のロブスタコーヒー豆をスチームで処理し、次いで
処理した豆を焙煎する、というロブスタコーヒー豆の品
質向上法が提供される。本発明によれば、前記のスチー
ム処理工程は、 (a) 生のロブスタコーヒー豆を含んだ細長くて実質
的に垂直の容器に高圧のスチームを導入する工程; (b) 前記容器中において前記スチームを前記豆に通
過させる工程; (c) 前記容器中において前記スチームが前記豆を通
過した後、前記容器から前記スチームを排出する工程; (d) 前記容器中の半量未満の豆を前記容器の下端か
ら抜き取る工程; (e) 前記容器中に残っている豆を、抜き取られた豆
の量に対応した程度まで下方に移動させる工程; (f) 前記の湿らせた生のロブスタコーヒー豆を前記
容器の上端に導入する工程、このとき導入される豆の量
は、工程(d)において前記容器から抜き取られた豆の
量と実質的に同じである; (g) 前記容器中の温度を260〜300°Fで且つ
豆上におけるスチームの凝縮を防止するに足る温度に保
持し、そして前記容器中の圧力を20〜50psigに
保持する工程;および (h) 湿らせたコーヒー豆が、スチームと接触した状
態で前記容器を通して下方に定期的に移動されるよう、
工程(a)、(b)、(c)、および(g) を実施し
ながら、工程(d)、(e)、および(f)を定期的に
実施すること、 このとき前記容器中における前記豆の
滞留時間は60〜120分であり、前記 容器を通るス
チームの流量は、前記容器から抜き取られた豆の乾量を
基準とし て、豆1ポンド当たり0.15〜0.65ポ
ンドである;を含む。
【0007】本発明の方法を実施するための適切なパル
スカラム(pulse column)が図面に示され
ている。このタイプの装置は、Katzによる米国特許
第4,820,537号やGottesmanによる米
国特許第5,043,178号(これら特許の開示内容
を参照のこと)にも説明されている。本装置は、生のコ
ーヒー豆が層のかたちで保持され、使用時において実質
的に垂直に配向される細長いカラム10を含む。カラム
の高さと直径は、滞留時間と所望する容量によって異な
る。スチームが、カラム内に保持されたコーヒー豆の層
を通過するようカラム中に導入される。スチームが弁つ
きスチーム入口11(カラムの底部またはその近くに配
置されるのが好ましい)を介して導入され、そしてコー
ヒー豆を通過して上方に進んだ後、弁つきスチーム出口
12(カラムの頂部またはその近くに配置される)と凝
縮器22を介して除去される。これとは別に、スチーム
をカラムの頂部またはその近くにて導入し、コーヒー豆
を通して下方に流して、カラムの底部またはその近くの
出口に進めることもできる。さらに別の配置構成におい
ては、スチームの一部または全部を、カラムに沿った1
つ以上の箇所にて導入または排出することができる。
【0008】カラム中のスチーム圧力は、20〜50p
sig(好ましくは20〜40psig)に保持され
る。カラム中のスチーム温度は260〜300°Fに、
且つコーヒー豆上にてスチームの凝縮が起こらないよう
な温度に保持される。スチームの圧力は、実質的に運転
温度における飽和蒸気の平衡圧力であるのが好ましい。
スチームは飽和蒸気として供給するのが好ましく、また
カラム内の温度をコーヒー豆上での凝縮を防止するに足
る温度に保持するために、加熱ジャケットを設けてもよ
い。比較的低温のコーヒー豆が導入されると、カラムの
上端付近にて幾分かの凝縮が起こる。しかしながら、い
ったんコーヒー豆がカラム温度に達すると凝縮は防止さ
れる。
【0009】パルスカラム10中のコーヒー豆の少量
が、圧力ロック(例えば回転弁13)を介してカラムの
底部から抜き取られる。コーヒー豆は弁13を介して大
気中に直接抜き取ってもよいし、あるいは図面に示すよ
うに、高圧(好ましくは、容器10内の圧力と同じか若
干低い圧力)に保持された予備加圧のブローケース容器
(blow case vessel)14中に抜き取
ることもできる。圧力にやや差をつけると、容器10か
らブローケース14へのコーヒー豆の抜き取りが容易と
なる。コーヒー豆の所望量が容器14中に抜き取られた
後、弁13を閉じる。ベント16を介して容器14を大
気に通気し、次いで弁15(例えば回転弁)を介して処
理されたコーヒー豆を抜き取ることができる。次いで弁
15と弁つきベントライン16を閉じ、容器14にスチ
ームで再び圧力をかけてから、次の量のコーヒー豆をカ
ラム10から抜き取る。
【0010】カラム10の底部からコーヒー豆を抜き取
っていくにつれ、カラム中のコーヒー豆の層がそれに対
応した量だけ下方に移動する。次いで対応した量のコー
ヒー豆が、弁17(例えば回転弁)を介してカラム10
の上端に導入される。湿らせた生のコーヒー豆は、あら
かじめ容器10内の圧力よりやや高いか、あるいは実質
的に同等の圧力にされたブローケース18から供給する
のが好ましい。
【0011】パルスカラム中に導入される生のロブスタ
コーヒー豆は、湿ったコーヒー豆の重量を基準として2
5〜45重量%(好ましくは30〜38%重量)の水分
を有する。コーヒー豆は、種々の方法(例えば、ソーキ
ング、スチーミング、またはその両方)によって湿分付
与することができ、いくつかの適切な方法が前記した従
来技術の文献中に開示されている。
【0012】湿らせた生のコーヒー豆が、弁20を介し
て大気圧にてブローケース容器18中に導入される。ブ
ローケース容器18中に導入されるコーヒー豆の量は、
前記にて説明した対応量であるのが好ましい。次いで弁
20が閉じられる。弁17を開く前に、容器18を、カ
ラム10内に圧力よりやや高いかまたは同等の圧力に加
圧しておく。容器18は、弁つきスチーム入口19を介
してスチームを導入することによって適切に加圧するこ
とができる。コーヒー豆をカラム10に移送させた後、
弁17を閉じ、弁つきベントライン21を介して弁18
を大気に通気させる。次いで弁20を開いて、新たな量
の湿らせた生コーヒー豆を受け入れるようにする。
【0013】このように、容器10の頂部に導入された
コーヒー豆は、カラム中を定期的に下方移動し、その際
に前記の条件下にてスチームと接触する。コーヒー豆の
層を通るスチームの流量は、カラム10から抜き取られ
るコーヒー豆1ポンド(乾量基準)当たり0.15〜
0.65ポンドであり、好ましくは0.19〜0.61
ポンドである。スチームの流量が上記範囲より高くなる
と、コーヒーの色がより明るい色となる。しかし風味は
ほとんど変わらない。
【0014】カラム中の滞留時間は60〜120分(好
ましくは75〜120分)であり、各パルスにおけるコ
ーヒー豆の量は、カラム中のコーヒー豆のトータル量の
5〜20%であるのが好ましい。したがって、コーヒー
豆は、5〜20パルスにてカラム中を下方に移動するの
が好ましい。層中のコーヒー豆の量は従来のコーヒーレ
ベル検出器によって調べることができ、カラム中のコー
ヒー豆の量(各パルスの前と後)は、容器17に導入す
るコーヒー豆の量と、容器13から抜き取るコーヒー豆
の量を制御することによって実質的に一定に保持するの
が好ましい。
【0015】パルスカラム中にてコーヒー豆が下方に移
動される回数と、各パルスの継続時間は、広範囲にわた
って変えることができる。一般には、約5〜20パルス
が好ましく、約7〜15パルスがさらに好ましい。1パ
ルス当たり約3〜25分の継続時間が適切であり、約5
〜15分のパルス継続時間が好ましい。
【0016】スチーム圧力は約20〜50psigであ
り、好ましくは約20〜40psigである。スチーム
の圧力を増大させると、加工されすぎた人工的な味質
(processed and cooked not
e)が強くなり、カラメル色が濃くなり、また甘味が強
くなる。これは、より高いスチーム圧力においては糖の
加水分解が起こりやすくなるからである。
【0017】カラム内の温度は、層におけるコーヒー豆
上でのスチームの凝縮を防止するに足る温度であり、一
般には260〜300°Fの範囲である。温度は、スチ
ームの平衡温度より実質的に上昇しないよう保持するの
が好ましい。温度は、スチームの平衡温度から約15°
Fより高くない温度に保持されるのが好ましい。低温の
コーヒー豆がパルスカラムの頂部に導入されると、幾分
かの凝縮が起こることがある。しかしながら、カラム中
のスチーム温度は、コーヒー豆の温度がカラム温度に達
したときに凝縮が起こらないような温度である。カラム
中のスチーム温度は、1つ以上の適切なヒーター(例え
ばスチームジャケットのような、1つ以上の外部加熱用
ジャケットが適切である)によって保持される。
【0018】
【実施例】実施例1 対照標準 インドネシア産のロブスタコーヒー豆を焙
煎する前に、ロブスタコーヒー豆のスクロース、トータ
ルのクロロゲン酸、および2−メチルイソボルネオール
(“MIB”)に関して分析した。2−メチルイソボル
ネオールは、Beckerらの特許において、ロブスタ
コーヒー豆の“土臭くて”且つ“かび臭い”味質の原因
であるらしいとされている。分析の結果が後記の表Iに
記載してある。焙煎した(そして粉砕した)コーヒー豆
を使用していれたコーヒー飲み物(brew)のロブス
タ芳香特性感覚度(perceived Robust
aaromatic character)を、8人の
専門評価メンバーによって評価した。1〜15の評価尺
度において、総合評価は7.5であった。
【0019】バッチプロセスとの比較 対照標準とし
た生のインドネシア産ロブスタコーヒー豆の一部を、B
eckerらの特許に記載のバッチプロセスにしたがっ
てスチーム処理した。生のロブスタコーヒー豆を容器に
導入し、約284°Fの温度および約38psigの圧
力にて平衡に達するまで、スチームを導入して豆を加熱
し、湿分付与した。約30分後、かきまぜながら豆1k
g当たり約0.13リットルの量の水を豆に噴霧した。
豆の水分は約34%となった。次いで約284°Fの温
度および約38psigの圧力にて再び平衡に達するま
で、スチームを再度導入した。容器を通気し、2時間に
わたって、コーヒー豆1ポンド(乾量基準)当たり約
0.41ポンドのスチーム流量を可能にした。スチーム
処理の完了後、コーヒー豆を同じ容器中にて、約280
〜300°Fの空気で2.5〜3時間乾燥し、次いで対
照標準のコーヒー豆の場合と同じやり方で焙煎した。ス
チーム処理したコーヒー豆を焙煎する前に、スクロース
の含量、クロロゲン酸のトータル含量、およびMIBの
含量に関して分析した。分析結果を表Iに示す。コーヒ
ー豆のMIB含量は、0.86%から0.21%まで約
76%減少した。スクロースの含量とクロロゲン酸のト
ータル含量も減少し、スクロース含量の減少は約80
%、またクロロゲン酸のトータル含量の減少は約9%で
あった。対照標準の場合と同じ仕方で焙煎した後、対照
標準の場合と同じ仕方で8人の専門評価メンバーによっ
てコーヒー飲み物を評価した。得られた結果を表Iに示
す。表Iに示されているように、コーヒー飲み物のロブ
スタ芳香特性感覚度(perceived degre
e of Robusta aromatic cha
racter)は7.5から7に減少した。
【0020】パルスカラムによる実験 本実験におい
ては、対照標準とした生のインドネシア産ロブスタコー
ヒー豆の一部を、本発明にしたがってパルスカラムにて
スチーム処理した。先ず、冷却水ジャケット(40分の
湿分付与サイクルの完了後に、コーヒー豆を210°F
から120°Fに冷却するのに使用される)を備えた撹
拌機つきバッチ容器を使用して、コーヒー豆をスチーム
で湿らせた。コーヒー豆の水分は、湿らせた豆の重量を
基準として34重量%であった。この湿らせたコーヒー
豆を、図1に示すタイプのパルスカラム(高さ33フィ
ート、内径4インチでスチームジャケットを装備し、そ
れぞれ高さが2フィートの上部ブローケースと下部ブロ
ーケースが取り付けられている)中でスチーム処理し
た。
【0021】各実験の前に、約2つのカラム装入物をカ
ラムに通してパルスしてカラムが平衡に達することがで
きるよう、カラムをパルスした。パルスの継続時間は1
0分であり、滞留時間は120分であり、各パルスにお
けるコーヒー豆の量は、カラム中のコーヒー豆のトータ
ル量の約8.3%であった。ブローケースには、コーヒ
ー豆をカラム中に装入する直前に、そしてカラムからコ
ーヒー豆を抜き取る直前に、ブローケースとカラムとの
間の圧力差を最小にするためのスチーム入口が設けられ
ている。パルスの完了後(この間に、同量のコーヒー豆
がカラム中に装入され、下方に移動され、そしてカラム
から抜き取られる)、スチームをブローケースから大気
中に排気した。飽和蒸気をパルスカラムの底部に導入
し、湿ったコーヒー豆の層を通して上方に流した。カラ
ムを出たスチームは水冷熱交換器中にて凝縮し、計量タ
ンク中に捕集される。捕集される凝縮物の凝縮速度を使
用して、パルスカラムを通るスチームの流れを制御し
た。カラム中のスチーム温度を、コーヒー豆の層中でス
チームが凝縮しないような充分に高い温度に保持した。
【0022】下方のブローケースから抜き取ったスチー
ム処理済みコーヒー豆を、流動床エアドライヤー中にお
いて、180°Fの空気を使用して約40分間、水分が
トータルのコーヒー豆重量を基準として約39重量%か
ら約10.5重量%になるよう乾燥した。次いで乾燥し
たコーヒー豆を、対照標準の場合と同じやり方で焙煎し
た。
【0023】スチーム処理したコーヒー豆を焙煎する前
に、スクロースの含量、クロロゲン酸のトータル含量、
およびMIBの含量に関して分析した。得られた結果を
表Iに示す。コーヒー豆は、対照標準の場合と同じ仕方
で焙煎した。スチーム処理・焙煎(粉砕)を施したコー
ヒー豆を使用してコーヒー飲み物をつくり、同じ8人の
専門評価メンバーによって評価した。得られた結果を表
Iに示す。
【0024】結果 表Iからわかるように、パルスカ
ラムにより処理したコーヒー豆のロブスタ芳香特性感覚
度は約0.5だけ減少(7.0から6.5)しており、
これは未処理の対照標準に関してバッチプロセスによっ
て達成される減少量とほぼ同じであった。MIB含量の
減少は、バッチプロセスでもパルスカラムプロセスでも
ほぼ同じであるが、加水分解(スクロース含量にて示さ
れる)は、バッチプロセスに比較してパルスカラムプロ
セスにおいては大幅に減少した。パルスカラムにより処
理したコーヒー豆のスクロース含量は、バッチプロセス
により処理したコーヒー豆のスクロース含量の約2倍で
あった。同様に、バッチプロセスにより処理したコーヒ
ー豆のトータルのクロロゲン酸含量は9%以上減少した
が、パルスカラムにより処理したコーヒー豆では全く減
少しなかった。したがって本発明は、ロブスタコーヒー
の風味を高いレベルに向上させるための有効な方法を提
供する。
【0025】
【表1】 実施例2 表IIに記載の種々の条件下で、コニロン(Conni
lon)ロブスタコーヒーを使用して実施例1のパルス
カラムプロセスを実施した。スチーム処理したコーヒー
豆のスクロース含量に関する分析結果、および焙煎した
コーヒー豆を使用していれたコーヒー飲み物の風味評価
の結果を表IIに示す。対照標準であるコニロンロブス
タコーヒー豆のスクロース含量は乾量基準にて2.13
%であり、これは実施例1のインドネシア産ロブスタコ
ーヒー豆のスクロース含量より大幅に低く、またスチー
ム処理したコーヒー豆の残留スクロース含量もそれに対
応して低かった。実験1と3では、残留スクロース含量
は高かった。実験2ではスクロース含量が低かったが、
スクロース含量の減少程度は、実施例1のバッチプロセ
スの場合の減少ほど大きくはなかった。さらに、これら
すべての実験からみられる傾向は、バッチプロセスにて
スチーム処理されるコーヒー豆に比べて、本発明の方法
では、高いスクロース含量が得られること、およびそれ
に対応してロブスタコーヒー豆の品質をより高めること
ができるということである。
【0026】
【表2】 実施例3 実施例1のパルスカラム装置を使用し、表IIIに記載
の種々の条件下にて、湿らせたコニロンロブスタコーヒ
ー豆(水分34%)をスチーム処理した。生のコーヒー
豆に湿分付与して水分34%とし、パルスカラムに装入
する前に110°Fに冷却した。スチーム処理と焙煎
(粉砕)を施したコーヒー豆を使用していれたコーヒー
飲み物を評価した。得られた結果を表IIIに示す。こ
のコーヒー飲み物のロブスタ芳香特性感覚度は、実施例
1のパルスカラム処理によるコーヒー豆と同等であっ
た。
【0027】
【表3】 実施例4 ある市販の焙煎・粉砕コーヒー豆ブレンド物と、前記ブ
レンド物中の10〜15重量%の量のブラジルを、パル
スカラムにてスチーム処理、焙煎、および粉砕した同じ
量の実施例1のインドネシア産ロブスタコーヒー豆で置
き換えて得られたブレンド物との間で、消費者テストを
行った。テストは4種の異なった調製物を使用して行っ
た: 75カップ/缶,ブラック; 105カップ/
缶,ブラック; 145カップ/缶,ブラック; およ
び105カップ/缶,添加物入り。これら4種の調製物
いずれにおいても、2杯のテストコーヒー間に大きな差
は認められなかった。
【0028】ある市販の焙煎・粉砕コーヒー豆ブレンド
物と、前記ブレンド物中の10重量%の量のブラジル
を、パルスカラムにてスチーム処理、焙煎、および粉砕
した実施例2の実験2の同量のコニロンロブスタコーヒ
ー豆で置き換えて得られたブレンド物との間で、同じ消
費者テストを行った。この場合も、これら4種の調製物
いずれにおいても、2杯のテストコーヒー間に大きな差
は認められなかった。
【0029】風味の評価に基づいてスチーム処理時間を
長くすると、風味が弱くなり、このときスチーム処理時
間が増大するにつれて人工的な味質が強くなってくる。
さらに、スチーム処理時間が増大するにつれて、コーヒ
ーらしくない味質をとりはじめる。また化学分析の点か
らは、処理時間が増大するにつれてスクロースの加水分
解が増大する。したがってスチーム処理時間は120分
を越えてはならない。ロブスタコーヒー豆の土臭くてか
び臭い味質を大幅に減少させるためには、少なくとも6
0分のスチーム処理時間が必要とされ、少なくとも75
分のスチーム処理時間が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するのに適したパルスカラ
ムの概略立面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スチュアート・アーノルド・ステイン アメリカ合衆国ニューヨーク州10033,ニ ュー・ヨーク,フォート・ワシントン・ア ベニュー 447,ナンバー62 (72)発明者 ヘルムート・ギュンサー ドイツ連邦共和国デー−2815 ラングヴェ デル,メメラー・ヴェーク 15 (72)発明者 ロナルド・ハリー・スキッフ アメリカ合衆国ニュージャージー州07981, ホイッパニー,マーリン・ドライブ 28

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿らせた生のロブスタコーヒー豆をスチ
    ーム処理し、次いで処理した豆を焙煎することによって
    ロブスタコーヒー豆の品質を高める方法であって、この
    とき前記スチーム処理工程が、 (a) 生のロブスタコーヒー豆を含んだ細長くて実質
    的に垂直の容器に高圧のスチームを導入する工程; (b) 前記容器中において前記スチームを前記豆に通
    過させる工程; (c) 前記容器中において前記スチームが前記豆を通
    過した後、前記容器から前記スチームを排出する工程; (d) 前記容器中の半量未満の豆を前記容器の下端か
    ら抜き取る工程; (e) 前記容器中に残っている豆を、抜き取られた豆
    の量に対応した程度まで下方に移動させる工程; (f) 前記の湿らせた生のロブスタコーヒー豆を前記
    容器の上端に導入する工程、このとき導入される豆の量
    は、工程(d)において前記容器から抜き取られた豆の
    量と実質的に同じである; (g) 前記容器中の温度を260〜300°Fで且つ
    豆上におけるスチームの凝縮を防止するに足る温度に保
    持し、そして前記容器中の圧力を20〜50psigに
    保持する工程;および (h) 湿らせたコーヒー豆が、スチームと接触した状
    態で前記容器を通して下方に定期的に移動されるよう、
    工程(a)、(b)、(c)、および(g) を実施し
    ながら、工程(d)、(e)、および(f)を定期的に
    実施すること、 このとき前記容器中における前記豆の
    滞留時間は60〜120分であり、前記 容器を通るス
    チームの流量は、前記容器から抜き取られた豆の乾量を
    基準とし て、豆1ポンド当たり0.15〜0.65ポ
    ンドである;を含むことに改良点がある前記方法。
  2. 【請求項2】 前記生のロブスタコーヒー豆の水分が、
    前記ロブスタコーヒー豆の重量を基準として25〜45
    重量%である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記生のロブスタコーヒー豆の水分が3
    0〜38重量%である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記容器が、前記容器中の温度が飽和蒸
    気の平衡温度から15°Fより高くない温度に保持され
    るよう加熱される、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記スチームが前記容器中に飽和蒸気と
    して導入され、このときカラム圧力は実質的に、前記容
    器において保持されている作動温度での飽和蒸気の平衡
    圧力である、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 スチームの流量が、前記容器から抜き取
    られるコーヒー豆1ポンド当たり0.19〜0.61ポ
    ンドである、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記容器中における滞留時間が90〜1
    20分である、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 各パルスの継続時間が3〜25分であ
    る、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 パルス継続時間が5〜15分である、請
    求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 各パルスにおけるコーヒー豆の量が、
    前記容器中のコーヒー豆の全量の5〜20%である、請
    求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 個々のパルスのコーヒー豆を前記容器
    を通して移動させるために5〜20パルスが必要とされ
    る、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 工程(f)が、前記生のロブスタコー
    ヒー豆を、前記容器中の圧力と少なくとも同じ高さの圧
    力に保持されたブローケースから前記容器中に導入する
    ことによって行われる、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 工程(d)が、前記コーヒー豆を前記
    容器から前記容器中の圧力以下の圧力に保持されたブロ
    ーケース中に抜き取ることによって行われる、請求項1
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 請求項目1記載の方法によって品質が
    高められたロブスタコーヒー豆。
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