JPH06303104A - サブバンド分割フィルタ及びサブバンド合成フィルタ - Google Patents
サブバンド分割フィルタ及びサブバンド合成フィルタInfo
- Publication number
- JPH06303104A JPH06303104A JP8863293A JP8863293A JPH06303104A JP H06303104 A JPH06303104 A JP H06303104A JP 8863293 A JP8863293 A JP 8863293A JP 8863293 A JP8863293 A JP 8863293A JP H06303104 A JPH06303104 A JP H06303104A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pass filter
- filter
- low
- transfer function
- sub
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 フィルタでデータを分割する際に量子化歪を
少なくする。 【構成】 分割フィルタ42及び合成フィルタ46はそれぞ
れ1段につき、第0位相4対1サブサンプラー52を有す
る第1低域通過フィルタ48及び第1高域通過フィルタ49
と、サンプリング周期の1/2 だけシフトしている第1位
相4対1サブサンプラー53を有する第2低域通過フィル
タ50及び第2高域通過フィルタ51からなり、これらを数
段、例えば3段に亘って繰り返し配列している。入力端
子41に入力されたデータは、3段の分割フィルタ42で分
割し、マルチプレクサ43で一本化され、伝送線路44を経
由してデマルチプレクサ45で分配され、3段の合成フィ
ルタ46で合成された後出力端子47に伝送される。
少なくする。 【構成】 分割フィルタ42及び合成フィルタ46はそれぞ
れ1段につき、第0位相4対1サブサンプラー52を有す
る第1低域通過フィルタ48及び第1高域通過フィルタ49
と、サンプリング周期の1/2 だけシフトしている第1位
相4対1サブサンプラー53を有する第2低域通過フィル
タ50及び第2高域通過フィルタ51からなり、これらを数
段、例えば3段に亘って繰り返し配列している。入力端
子41に入力されたデータは、3段の分割フィルタ42で分
割し、マルチプレクサ43で一本化され、伝送線路44を経
由してデマルチプレクサ45で分配され、3段の合成フィ
ルタ46で合成された後出力端子47に伝送される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サブバンド符号化を行
う分割フィルタ及び合成フィルタに関するものである。
う分割フィルタ及び合成フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】映像、音声等の情報を、その特徴をよく
表す形に変換する変換符号化の1つとして、サブバンド
符号化がある。図1に、従来のフィルタを用いたサブバ
ンド符号化システムの概略構成図を示す。図1の符号化
システムは、入力端子1、3段の分割フィルタ2、マル
チプレクサ3、伝送線路4、デマルチプレクサ5、3段
の合成フィルタ6、及び出力端子7を具え、サブバンド
分割、合成に直接関係のない量子化器、エントロピー符
号化器等は省略している。分割フィルタ2はそれぞれ1
段につき、基本要素である高域通過フィルタ(HPF) 8と
低域通過フィルタ(LPF) 9との対からなり、これらを多
段階に亘って(図1の場合3段)繰り返し用い、入力信
号を多数のサブバンド成分に分割している。また、合成
フィルタ6も高域通過フィルタ8と低域通過フィルタ9
との対を基本要素として多段階に亘ってファンイン形に
配列して多数のサブバンド成分を合成するようにしてい
る。
表す形に変換する変換符号化の1つとして、サブバンド
符号化がある。図1に、従来のフィルタを用いたサブバ
ンド符号化システムの概略構成図を示す。図1の符号化
システムは、入力端子1、3段の分割フィルタ2、マル
チプレクサ3、伝送線路4、デマルチプレクサ5、3段
の合成フィルタ6、及び出力端子7を具え、サブバンド
分割、合成に直接関係のない量子化器、エントロピー符
号化器等は省略している。分割フィルタ2はそれぞれ1
段につき、基本要素である高域通過フィルタ(HPF) 8と
低域通過フィルタ(LPF) 9との対からなり、これらを多
段階に亘って(図1の場合3段)繰り返し用い、入力信
号を多数のサブバンド成分に分割している。また、合成
フィルタ6も高域通過フィルタ8と低域通過フィルタ9
との対を基本要素として多段階に亘ってファンイン形に
配列して多数のサブバンド成分を合成するようにしてい
る。
【0003】次にこの分割符号化システムの動作を説明
する。入力端子1に入力されたデータ信号をHPF 出力及
びLPF 出力に分割した後に2対1のサブサンプリングを
2対1サブサンプラ10を用いて行う。これらの動作を
上記HPF 出力及びLPF 出力についても行い、さらに分割
されたHPF 出力及びLPF 出力についても更に分割及びサ
ブサンプリングを行う。上記さらに分割されたHPF 出力
及びLPF 出力は、マルチプレクサ3に伝送された後に一
本化され、伝送線路4を経てデマルチプレクサ5に伝送
される。一本化されたデータ信号は、デマルチプレクサ
5で複数のHPF出力及びLPF 出力に再び分割され(この
場合HPF 出力もLPF 出力も4本)、高域通過フィルタ8
又は低域通過フィルタ9に伝送された後加算器11によ
り上記HPF 出力及びLPF 出力が合成される。合成を3段
に亘っておこなった後出力は出力端子7に伝送される。
する。入力端子1に入力されたデータ信号をHPF 出力及
びLPF 出力に分割した後に2対1のサブサンプリングを
2対1サブサンプラ10を用いて行う。これらの動作を
上記HPF 出力及びLPF 出力についても行い、さらに分割
されたHPF 出力及びLPF 出力についても更に分割及びサ
ブサンプリングを行う。上記さらに分割されたHPF 出力
及びLPF 出力は、マルチプレクサ3に伝送された後に一
本化され、伝送線路4を経てデマルチプレクサ5に伝送
される。一本化されたデータ信号は、デマルチプレクサ
5で複数のHPF出力及びLPF 出力に再び分割され(この
場合HPF 出力もLPF 出力も4本)、高域通過フィルタ8
又は低域通過フィルタ9に伝送された後加算器11によ
り上記HPF 出力及びLPF 出力が合成される。合成を3段
に亘っておこなった後出力は出力端子7に伝送される。
【0004】図1のLPF 及びHPF はディジィタルフィル
タであり、ディジタルフィルタの概略構成図を図2に示
す。このディジタルフィルタは、入力端子12、N個の
1サンプル遅延素子13、N+1 個の係数乗算器14、加
算器15及び出力端子16を具える。離散信号系列を表
すのに適したZ変換の形を用いると、LPF の伝達関数H
0 (Z)とHPF の伝達関数H1 (Z)は、4タップ(係
数が4種類)の場合には式(1)及び(2)の形で表す
ことができる。
タであり、ディジタルフィルタの概略構成図を図2に示
す。このディジタルフィルタは、入力端子12、N個の
1サンプル遅延素子13、N+1 個の係数乗算器14、加
算器15及び出力端子16を具える。離散信号系列を表
すのに適したZ変換の形を用いると、LPF の伝達関数H
0 (Z)とHPF の伝達関数H1 (Z)は、4タップ(係
数が4種類)の場合には式(1)及び(2)の形で表す
ことができる。
【数17】H0(Z)=a00Z0+a01Z-1+a02Z -2+a03Z -3 (1)
【数18】H1(Z)=a10Z0+a11Z-1+a12Z -2+a13Z -3 (2) ここでa00,a01,a02 及びa03 はLPF の各タップの係数で
あり、a10,a11,a12 及びa13 はHPF の各タップの係数で
あって、図2のa0,a1,─,an に相当する。なお、タップ
とは図2において1サンプル遅延素子が多数接続されて
いる各つなぎ目からの取り出し口のことをいう。図2に
おいて係数a0はZ -1を1個も経由していないので、乗算
出力はa0Z0である。係数a1はZ -1を1個経由しているの
で、乗算出力はa1Z -1、係数a2はZ -1を2個経由してい
るので、乗算出力はa2Z -2となる。これらをすべて加算
したものが図2に示すディジィタルフィルタ出力であ
り、a0Z0+a1Z-1+a2Z-2+ ─となる。
あり、a10,a11,a12 及びa13 はHPF の各タップの係数で
あって、図2のa0,a1,─,an に相当する。なお、タップ
とは図2において1サンプル遅延素子が多数接続されて
いる各つなぎ目からの取り出し口のことをいう。図2に
おいて係数a0はZ -1を1個も経由していないので、乗算
出力はa0Z0である。係数a1はZ -1を1個経由しているの
で、乗算出力はa1Z -1、係数a2はZ -1を2個経由してい
るので、乗算出力はa2Z -2となる。これらをすべて加算
したものが図2に示すディジィタルフィルタ出力であ
り、a0Z0+a1Z-1+a2Z-2+ ─となる。
【0005】図3に、従来のフィルタを用いた他のサブ
バンド符号化システムの概略構成図を示す。画像デー
タ、音声データ等を入力したとき、一般にLPF 出力の電
力に比べてHPF 出力の電力は小さいので、HPF 出力をさ
らに分割するようなことはせずにLPF 出力のみを分割す
るようにしている。その他の構成は、図1のサブバンド
符号化システムと同様であり、その動作も同様である。
図3に示すように、分割されたLPF 出力及びHPF 出力は
それぞれ2対1のサブサンプリングを行った後に伝送さ
れ、受信側で合成フィルタを通過した後に復元される。
2対1のサブサンプリングを行う理由は、2種類のフィ
ルタ出力を同時に伝送するためそれぞれの出力の伝送頻
度が1/2 でよいからである。ただしその場合には、合成
フィルタ及び分割フィルタは以下に示す条件を満たす必
要がある。
バンド符号化システムの概略構成図を示す。画像デー
タ、音声データ等を入力したとき、一般にLPF 出力の電
力に比べてHPF 出力の電力は小さいので、HPF 出力をさ
らに分割するようなことはせずにLPF 出力のみを分割す
るようにしている。その他の構成は、図1のサブバンド
符号化システムと同様であり、その動作も同様である。
図3に示すように、分割されたLPF 出力及びHPF 出力は
それぞれ2対1のサブサンプリングを行った後に伝送さ
れ、受信側で合成フィルタを通過した後に復元される。
2対1のサブサンプリングを行う理由は、2種類のフィ
ルタ出力を同時に伝送するためそれぞれの出力の伝送頻
度が1/2 でよいからである。ただしその場合には、合成
フィルタ及び分割フィルタは以下に示す条件を満たす必
要がある。
【0006】2対1のサブサンプリングを行った後の伝
達関数は、サンプリング位相が2種類あるので、1個の
フィルタ出力に対して2種類存在する。LPF の伝達関数
H0(Z) に対してサブサンプリング後の伝達関数をH00(Z)
及びH01(Z)、HPF の伝達関数H1(Z) に対してサブサンプ
リング後の伝達関数をH10(Z)及びH11(Z)とすると、これ
らの伝達関数は式(3) 〜(6) のようになる。
達関数は、サンプリング位相が2種類あるので、1個の
フィルタ出力に対して2種類存在する。LPF の伝達関数
H0(Z) に対してサブサンプリング後の伝達関数をH00(Z)
及びH01(Z)、HPF の伝達関数H1(Z) に対してサブサンプ
リング後の伝達関数をH10(Z)及びH11(Z)とすると、これ
らの伝達関数は式(3) 〜(6) のようになる。
【数19】H00(Z)=a00Z0+a02Z -2 (3)
【数20】H01(Z)=a01Z -1+a03Z -3 (4)
【数21】H10(Z)=a10Z0+a12Z -2 (5)
【数22】H11(Z)=a11Z -1+a13Z -3 (6)
【0007】さらに、合成LPF の伝達関数をG0(Z) 、合
成HPF の伝達関数をG1(Z) とすると、G0(Z) 及びG1(Z)
は式(7) 及び(8) で表される。
成HPF の伝達関数をG1(Z) とすると、G0(Z) 及びG1(Z)
は式(7) 及び(8) で表される。
【数23】G0(Z)=d00Z0+d01Z-1+d02Z -2+d03Z -3 (7)
【数24】G1(Z)=d10Z0+d11Z-1+d12Z -2+d13Z -3 (8) このとき入力から復号出力までの全系の伝達関数は、2
種類のサブサンプリング位相に対応して式(9) 及び(10)
の左辺として表される。
種類のサブサンプリング位相に対応して式(9) 及び(10)
の左辺として表される。
【数25】H00(Z)G0(Z)+H10(Z)G1(Z)=Z -N (9)
【数26】H01(Z)G0(Z)+H11(Z)G1(Z)=Z -N (10) 入力が歪なしに復元されるためには、式(9) 及び(10)の
右辺がいずれもZ -Nと示されているように、入力に対し
て一定時間遅延の形となる必要がある。ただしNはフィ
ルタのタップ数より1少ない整数であり、この場合N=3
である。式(3)〜(10)により、(11)〜(17)の関係式が導
かれる。
右辺がいずれもZ -Nと示されているように、入力に対し
て一定時間遅延の形となる必要がある。ただしNはフィ
ルタのタップ数より1少ない整数であり、この場合N=3
である。式(3)〜(10)により、(11)〜(17)の関係式が導
かれる。
【数27】a00d00+a10d10=0 (11)
【数28】a00d01+a10d11=a01d00+a11d10=0 (12)
【数29】 a00d02+a02d00+a10d12+a12d10=a01d01+a11d11=0 (13)
【数30】 a00d03+a02d01+a10d13+a12d11=a01d02+a03d00+a11d12+a13d10=1 (14)
【数31】 a02d02+a12d12=a01d03+a03d01+a11d13+a13d11=0 (15)
【数32】 a02d03+a12d13=a03d02+a13d12=0 (16)
【数33】 a03d03+a13d13=0 (17)
【0008】式(11)〜(17)を解くと以下の結果が得られ
る。
る。
【数34】 d00=a10 (18)
【数35】 d01=-a11 (19)
【数36】 d02=a12 (20)
【数37】 d03=-a13 (21)
【数38】 d10=-a00 (22)
【数39】 d11=a01 (23)
【数40】 d12=-a02 (24)
【数41】 d13=a03 (25)
【数42】 a00a11=a01a10 (26)
【数43】 -a00a13-a02a11+a10a03+a12a01=1 (27) 式(18)〜(25)を式(7) 及び(8) に代入すると、式(28)及
び(29)のようになる。
び(29)のようになる。
【数44】 G0(Z)=a10Z0-a11Z-1+a12Z -2-a13Z -3=H1(-Z) (28)
【数45】 G1(Z)=-a00Z0+a01Z -1-a02Z -2+a03Z -3=-H0(-Z) (29)
【0009】上述した式(1) 及び(2) に示す分割フィル
タは以下に示す条件を満たすことが望ましい。 係数列の対称性 係数列の値は、中心に関して線対称又は点対称であるこ
とが望ましい。線対称とは、例えば式(1) においてa01=
a02,a00=a03 であることをいう。点対称とは、例えば式
(2) において-a11=a12,-a10=a13 であることをいう。図
3に示すシステムにおいてデータ圧縮するときは、各分
割フィルタ出力値の丸めを行うことが必要となる。これ
を量子化という。量子化に伴う歪は、復号出力において
ノイズとなって現れる。分割フィルタの係数列の値が対
称でないときは復号後のノイズが偏って現れ、画像符号
化では主観画質が低下する。
タは以下に示す条件を満たすことが望ましい。 係数列の対称性 係数列の値は、中心に関して線対称又は点対称であるこ
とが望ましい。線対称とは、例えば式(1) においてa01=
a02,a00=a03 であることをいう。点対称とは、例えば式
(2) において-a11=a12,-a10=a13 であることをいう。図
3に示すシステムにおいてデータ圧縮するときは、各分
割フィルタ出力値の丸めを行うことが必要となる。これ
を量子化という。量子化に伴う歪は、復号出力において
ノイズとなって現れる。分割フィルタの係数列の値が対
称でないときは復号後のノイズが偏って現れ、画像符号
化では主観画質が低下する。
【0010】係数列間の直交性 2種類のフィルタの係数列を積和演算した結果が0であ
るとき、これらの係数列は直交しているという。係数列
の積和演算とは2つの伝達関数の同じZ -mの係数同士の
すべての和の演算をいう。例えば、式(1) 及び(2) にお
いてa00a10+a01a11+a02a12+a03a13 の演算をいう。2種
類のフィルタの係数列が直交していないときには、第1
の係数列の値に比例したデータ列が入力に与えられた場
合第2の係数列を持つフィルタの出力に0でない値が現
れ、分割効率が悪くなる。したがって各々のフィルタの
係数列間で直交性があることが望ましい。ここでH0(Z)
、H1(Z) の一方が線対称で他方が点対称であれば、H
0(Z) とH1(Z) との間の直交性は確保される。このとき
式(1) 及び(2) は式(31)及び(32)のようになる。
るとき、これらの係数列は直交しているという。係数列
の積和演算とは2つの伝達関数の同じZ -mの係数同士の
すべての和の演算をいう。例えば、式(1) 及び(2) にお
いてa00a10+a01a11+a02a12+a03a13 の演算をいう。2種
類のフィルタの係数列が直交していないときには、第1
の係数列の値に比例したデータ列が入力に与えられた場
合第2の係数列を持つフィルタの出力に0でない値が現
れ、分割効率が悪くなる。したがって各々のフィルタの
係数列間で直交性があることが望ましい。ここでH0(Z)
、H1(Z) の一方が線対称で他方が点対称であれば、H
0(Z) とH1(Z) との間の直交性は確保される。このとき
式(1) 及び(2) は式(31)及び(32)のようになる。
【数46】 H0(Z)=a00Z0+a01Z-1+a01Z -2+a00Z -3 (30)
【数47】 H1(Z)=a10Z0+a11Z-1-a11Z -2-a10Z -3 (31) 式(30)及び(31)の係数列の積和演算は、
【数48】a00a10+a01a11-a01a11-a00a10=0 となるのでH0(Z) とH1(Z) とは直交していることがわか
る。
る。
【0011】図3に示したとおり、2種類のフィルタ出
力はそれぞれ2対1のサブサンプリングを行うので、時
間的に直前の出力を与えるフィルタの伝達関数は、LPF
の伝達関数H0(Z) に対してZ -2H0(Z) 、HPF の伝達関数
H1(Z) に対してZ -2H1(Z) となる。H0(Z) に対してZ -2
H0(Z) となる理由は、2サンプル前に得られた出力を2
サンプル後の現在の値として表すには、2サンプル遅延
素子を通過させればよいからである。さらにその前の出
力を与えるフィルタの伝達関数は、Z -4H0(Z) 及びZ -4
H1(Z) となる。したがって4タップフィルタの場合に
は、これらの係数の内H0(Z) 及びH1(Z) と係数列がオー
バーラップしているものとしてZ -2H0(Z) とZ -2H1(Z)
とがある。ここでオーバーラップしている状態とは、2
種類の伝達関数において同一のZ -mの係数が双方とも0
でない状態をいう。これらの相互間が直交するための条
件は以下のようになる。H0(Z) とZ -2H1(Z) との間又は
Z -2H0(Z) とH1(Z) との間については、
力はそれぞれ2対1のサブサンプリングを行うので、時
間的に直前の出力を与えるフィルタの伝達関数は、LPF
の伝達関数H0(Z) に対してZ -2H0(Z) 、HPF の伝達関数
H1(Z) に対してZ -2H1(Z) となる。H0(Z) に対してZ -2
H0(Z) となる理由は、2サンプル前に得られた出力を2
サンプル後の現在の値として表すには、2サンプル遅延
素子を通過させればよいからである。さらにその前の出
力を与えるフィルタの伝達関数は、Z -4H0(Z) 及びZ -4
H1(Z) となる。したがって4タップフィルタの場合に
は、これらの係数の内H0(Z) 及びH1(Z) と係数列がオー
バーラップしているものとしてZ -2H0(Z) とZ -2H1(Z)
とがある。ここでオーバーラップしている状態とは、2
種類の伝達関数において同一のZ -mの係数が双方とも0
でない状態をいう。これらの相互間が直交するための条
件は以下のようになる。H0(Z) とZ -2H1(Z) との間又は
Z -2H0(Z) とH1(Z) との間については、
【数49】a01a10+a00a11=0 (32) H0(Z) とZ -2H0(Z) との間については、
【数50】 a00a01=0 (33) H1(Z) とZ -2H1(Z) との間については、
【数51】 a10a11=0 (34) となる。ここで例えば、式(32)を求めるにはH0(Z) とZ
-2H1(Z) =a10Z -2+a11Z -3-a11Z -4-a10Z -5との各係数
列の積和演算を行えばよいことになる。
-2H1(Z) =a10Z -2+a11Z -3-a11Z -4-a10Z -5との各係数
列の積和演算を行えばよいことになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LPF 出
力の分割を1段につき2分割する場合(図3参照)、式
(33)及び(34)を満足させるためにはa00,a01,a10,a11 の
うちいずれかが0となるので、4タップフィルタが成立
しなくなる。したがって4タップフィルタでは、関連す
る係数列間の直交性を完全に満たすことができない。こ
の現象はタップ数が4以上の場合にも同様に生じ、例え
ば6タップフィルタの場合には、H0(Z) とZ -4H0(Z) と
の間及びH1(Z) とZ -4H1(Z) との間において直交性を満
たすことができない。唯一直交性を満たすことができる
のは、タップ数が2つの場合だけである。しかしなが
ら、タップ数が2つの場合には、H0(Z) とZ -2H0(Z) 又
はH1(Z) とZ -2H1(Z) のそれぞれの係数列がオーバーラ
ップしていない。このようなオーバーラップしていない
係数列を持ったフィルタ出力を量子化して復号した場
合、サブサンプルごと(ブロックごと)の量子化歪がそ
のまま復号出力に現れ、画像の場合視覚的に目立つ歪と
なる。この歪は、離散コサイン変換(DCT) において問題
とされているブロック歪みである。このブロック歪は、
フィルタの各係数列が時間的にオーバーラップしていれ
ば平均化されて視覚的に目立たないものとなる。本発明
は、以上の問題点を解決するものであり、データを圧縮
し、伝達する際に量子化歪が視覚的に目立たないサブバ
ンド分割フィルタ及びサブバンド合成フィルタを提供す
ることを目的とするものである。
力の分割を1段につき2分割する場合(図3参照)、式
(33)及び(34)を満足させるためにはa00,a01,a10,a11 の
うちいずれかが0となるので、4タップフィルタが成立
しなくなる。したがって4タップフィルタでは、関連す
る係数列間の直交性を完全に満たすことができない。こ
の現象はタップ数が4以上の場合にも同様に生じ、例え
ば6タップフィルタの場合には、H0(Z) とZ -4H0(Z) と
の間及びH1(Z) とZ -4H1(Z) との間において直交性を満
たすことができない。唯一直交性を満たすことができる
のは、タップ数が2つの場合だけである。しかしなが
ら、タップ数が2つの場合には、H0(Z) とZ -2H0(Z) 又
はH1(Z) とZ -2H1(Z) のそれぞれの係数列がオーバーラ
ップしていない。このようなオーバーラップしていない
係数列を持ったフィルタ出力を量子化して復号した場
合、サブサンプルごと(ブロックごと)の量子化歪がそ
のまま復号出力に現れ、画像の場合視覚的に目立つ歪と
なる。この歪は、離散コサイン変換(DCT) において問題
とされているブロック歪みである。このブロック歪は、
フィルタの各係数列が時間的にオーバーラップしていれ
ば平均化されて視覚的に目立たないものとなる。本発明
は、以上の問題点を解決するものであり、データを圧縮
し、伝達する際に量子化歪が視覚的に目立たないサブバ
ンド分割フィルタ及びサブバンド合成フィルタを提供す
ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のサブバンド分割
フィルタは、入力信号を、それぞれがサブサンプラーを
有する第1の低域通過フィルタ、第1の高域通過フィル
タ、第2の低域通過フィルタおよび第2の高域通過フィ
ルタに並列的に供給して4分割されたサブバンド成分を
取り出すようにし、前記第1の低域通過フィルタのサブ
サンプラーのサンプリング位相が前記第2の低域通過フ
ィルタのサブサンプラーのサンプリング位相に対してサ
ンプリング周期の1/2 だけシフトするようにし、かつ、
前記第1の高域通過フィルタのサブサンプラーのサンプ
リング位相が前記第2の高域通過フィルタのサブサンプ
ラーのサンプリング位相に対してサンプリング周期の1/
2だけシフトするようにし、これらフィルタのZ変換に
より表された伝達関数を以下のように設定したことを特
徴とするものである。第1の低域通過フィルタのZ変換
により表された伝達係数を、
フィルタは、入力信号を、それぞれがサブサンプラーを
有する第1の低域通過フィルタ、第1の高域通過フィル
タ、第2の低域通過フィルタおよび第2の高域通過フィ
ルタに並列的に供給して4分割されたサブバンド成分を
取り出すようにし、前記第1の低域通過フィルタのサブ
サンプラーのサンプリング位相が前記第2の低域通過フ
ィルタのサブサンプラーのサンプリング位相に対してサ
ンプリング周期の1/2 だけシフトするようにし、かつ、
前記第1の高域通過フィルタのサブサンプラーのサンプ
リング位相が前記第2の高域通過フィルタのサブサンプ
ラーのサンプリング位相に対してサンプリング周期の1/
2だけシフトするようにし、これらフィルタのZ変換に
より表された伝達関数を以下のように設定したことを特
徴とするものである。第1の低域通過フィルタのZ変換
により表された伝達係数を、
【数52】 H0(Z)={1/(1+K) }Z -2(KZ0+Z -1+Z -2+KZ -3) とし、第1の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数53】 H1(Z)={1/(1-K) }Z -2(KZ0+Z -1-Z -2-KZ -3) とし、第2の低域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数54】H2(Z)={1/(1-K) }(-KZ0+Z -1+Z -2-KZ -3) とし、第2の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数55】H3(Z)={1/(1+K) }(-KZ0+Z -1-Z -2+KZ -3) とする。
【0014】また本発明のサブバンド分割フィルタは、
入力信号を、それぞれがサブサンプラーを有する第1の
低域通過フィルタ、第1の高域通過フィルタ、第2の低
域通過フィルタおよび第2の高域通過フィルタに並列的
に供給して4分割されたサブバンド成分を取り出すよう
にし、前記第1の低域通過フィルタのサブサンプラーの
サンプリング位相が前記第2の低域通過フィルタのサブ
サンプラーのサンプリング位相に対してサンプリング周
期の1/2 だけシフトするようにし、かつ、前記第1の高
域通過フィルタのサブサンプラーのサンプリング位相が
前記第2の高域通過フィルタのサブサンプラーのサンプ
リング位相に対してサンプリング周期の1/2 だけシフト
するようにし、これらフィルタのZ変換により表された
伝達関数を以下のように設定したことを特徴とするもの
である。第1の低域通過フィルタのZ変換により表され
た伝達係数を、
入力信号を、それぞれがサブサンプラーを有する第1の
低域通過フィルタ、第1の高域通過フィルタ、第2の低
域通過フィルタおよび第2の高域通過フィルタに並列的
に供給して4分割されたサブバンド成分を取り出すよう
にし、前記第1の低域通過フィルタのサブサンプラーの
サンプリング位相が前記第2の低域通過フィルタのサブ
サンプラーのサンプリング位相に対してサンプリング周
期の1/2 だけシフトするようにし、かつ、前記第1の高
域通過フィルタのサブサンプラーのサンプリング位相が
前記第2の高域通過フィルタのサブサンプラーのサンプ
リング位相に対してサンプリング周期の1/2 だけシフト
するようにし、これらフィルタのZ変換により表された
伝達関数を以下のように設定したことを特徴とするもの
である。第1の低域通過フィルタのZ変換により表され
た伝達係数を、
【数56】 H10(Z)= {1/(1+a+b-ab)}Z -2(-abZ0+bZ -1+aZ -2+Z -3+Z -4+aZ -5+bZ -6-a bZ -7) とし、第1の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数57】 H11(Z)= {1/(1-a-b-ab)}Z -2(abZ0-bZ -1+aZ -2+Z -3-Z -4-aZ -5+bZ -6-ab Z -7) とし、第2の低域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数58】 H12(Z)= {1/(1-a-b-ab)}(-abZ0-bZ -1-aZ -2+Z -3+Z -4-aZ -5-bZ -6-abZ - 7 ) とし、第2の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数59】 H13(Z)= {1/(1+a+b-ab)}(abZ0+bZ -1-aZ -2+Z -3-Z -4+aZ -5-bZ -6-abZ -7 ) とする。
【0015】本発明のサブバンド合成フィルタは、4分
割されたサブバンド成分をそれぞれ受ける第1の低域通
過フィルタ、第1の高域通過フィルタ、第2の低域通過
フィルタおよび第2の高域通過フィルタと、これらフィ
ルタの出力を合成する加算器とを具え、前記フィルタの
Z変換により表された伝達関数を以下のように設定した
ことを特徴とするものである。第1の低域通過フィルタ
のZ変換により表された伝達係数を、
割されたサブバンド成分をそれぞれ受ける第1の低域通
過フィルタ、第1の高域通過フィルタ、第2の低域通過
フィルタおよび第2の高域通過フィルタと、これらフィ
ルタの出力を合成する加算器とを具え、前記フィルタの
Z変換により表された伝達関数を以下のように設定した
ことを特徴とするものである。第1の低域通過フィルタ
のZ変換により表された伝達係数を、
【数60】 G0(Z)={(1+K)/(1+K2)}(KZ0+Z -1+Z -2+KZ -3) とし、第1の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数61】 G1(Z)={(1-K)/(1+K2)}(-KZ0-Z -1+Z -2+KZ -3) とし、
【数62】第2の低域通過フィルタのZ変換により表さ
れた伝達関数を、 G2(Z)={(1-K)/(1+K2)}Z -2(-KZ0+Z -1+Z -2-KZ -3) とし、第2の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
れた伝達関数を、 G2(Z)={(1-K)/(1+K2)}Z -2(-KZ0+Z -1+Z -2-KZ -3) とし、第2の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
【数63】 G3(Z)={(1+K)/(1+K2)}Z -2(KZ0-Z -1+Z -2-KZ -3) とする。
【0016】また本発明のサブバンド合成フィルタは、
4分割されたサブバンド成分をそれぞれ受ける第1の低
域通過フィルタ、第1の高域通過フィルタ、第2の低域
通過フィルタおよび第2の高域通過フィルタと、これら
フィルタの出力を合成する加算器とを具え、前記フィル
タのZ変換により表された伝達関数を以下のように設定
したことを特徴とするものである。第1の低域通過フィ
ルタのZ変換により表された伝達係数を、
4分割されたサブバンド成分をそれぞれ受ける第1の低
域通過フィルタ、第1の高域通過フィルタ、第2の低域
通過フィルタおよび第2の高域通過フィルタと、これら
フィルタの出力を合成する加算器とを具え、前記フィル
タのZ変換により表された伝達関数を以下のように設定
したことを特徴とするものである。第1の低域通過フィ
ルタのZ変換により表された伝達係数を、
【数64】 G10(Z)= {(1+a+b-ab)/(1+a2+b2+a2b2) }(-abZ0+bZ -1+aZ -2+Z -3+Z -4+aZ -5 +bZ -6-abZ -7) とし、第1の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数65】 G11(Z)= {(1-a-b-ab)/(1+a2+b2+a2b2) }(-abZ0+bZ -1-aZ -2-Z -3+Z -4+aZ -5 -bZ -6+abZ -7) とし、第2の低域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数66】 G12(Z)= {(1-a-b-ab)/(1+a2+b2+a2b2) }Z -2(-abZ0-bZ -1-aZ -2+Z -3+Z -4 -aZ -5-bZ -6-abZ -7) とし、第2の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、
伝達関数を、
【数67】 G13(Z)= {(1+a+b-ab)/(1+a2+b2+a2b2) }Z -2(abZ0+bZ -1-aZ -2+Z -3-Z -4+ aZ -5-bZ -6-abZ -7) とする。
【0017】
【作用】本発明のサブバンド分割フィルタでは、その基
本構成を、第1の低域通過フィルタ(LPF1)、第1の高域
通過フィルタ(HPF1)、第2の低域通過フィルタ(LPF2)、
第2の高域通過フィルタ(HPF2)の4つのフィルタを以て
構成している。これらLPF1,HFP1,LFP2及びHPF1の伝達関
数をそれぞれH0(Z),H1(Z),H2(Z),H3(Z) とすると、4タ
ップの場合式(35)〜(38)のように表される。なお、係数
列の対称性は確保されている。
本構成を、第1の低域通過フィルタ(LPF1)、第1の高域
通過フィルタ(HPF1)、第2の低域通過フィルタ(LPF2)、
第2の高域通過フィルタ(HPF2)の4つのフィルタを以て
構成している。これらLPF1,HFP1,LFP2及びHPF1の伝達関
数をそれぞれH0(Z),H1(Z),H2(Z),H3(Z) とすると、4タ
ップの場合式(35)〜(38)のように表される。なお、係数
列の対称性は確保されている。
【数68】 H0(Z)= {1/(1+K) }Z -2(KZ0+Z -1+Z -2+KZ -3) (35)
【数69】 H1(Z)= {1/(1-K) }Z -2(KZ0+Z -1-Z -2-KZ -3) (36)
【数70】 H2(Z)= {1/(1-K) }(-KZ0+Z -1+Z -2-KZ -3) (37)
【数71】 H3(Z)= {1/(1+K) }(-KZ0+Z -1-Z -2+KZ -3) (38)
【0018】以上の4式において各フィルタ出力間の直
交性が満たされているかどうかを検証する。まず、同一
フィルタ群の出力間の直交性を調べる。式(35)〜(38)か
らわかるように、それぞれのフィルタ群の中でLPF は線
対称、HPF は点対称となっているので、LPF 出力とHPF
出力との間の直交性は確保されている。また、これら4
種のフィルタはタップ数が4であり、各出力はそれぞれ
4対1のサブサンプリングを行うので同一のフィルタ群
において時間的に直前の出力と現在の出力との直交性は
無条件に確保される。
交性が満たされているかどうかを検証する。まず、同一
フィルタ群の出力間の直交性を調べる。式(35)〜(38)か
らわかるように、それぞれのフィルタ群の中でLPF は線
対称、HPF は点対称となっているので、LPF 出力とHPF
出力との間の直交性は確保されている。また、これら4
種のフィルタはタップ数が4であり、各出力はそれぞれ
4対1のサブサンプリングを行うので同一のフィルタ群
において時間的に直前の出力と現在の出力との直交性は
無条件に確保される。
【0019】次にフィルタ群間の直交性を調べる。フィ
ルタ群間では係数列の対称中心の位置が2サンプルだけ
シフトしているので、第1組の1つの出力と第2組の1
つの出力との間でオーバーラップしている係数は2サン
プルだけである。しかも各サンプルの係数の積は互いに
絶対値が同じで極性が異なっている。したがってフィル
タ群間の直交性は完全に満たされている。
ルタ群間では係数列の対称中心の位置が2サンプルだけ
シフトしているので、第1組の1つの出力と第2組の1
つの出力との間でオーバーラップしている係数は2サン
プルだけである。しかも各サンプルの係数の積は互いに
絶対値が同じで極性が異なっている。したがってフィル
タ群間の直交性は完全に満たされている。
【0020】上述したように、フィルタ群間で係数列の
対称中心の位置が2サンプルだけシフトしている。した
がってフィルタバンクを構成するときにフィルタ間でサ
ンプリング位相を2サンプル、すなわちサブサンプリン
グ周期の1/2 だけシフトすることができる。
対称中心の位置が2サンプルだけシフトしている。した
がってフィルタバンクを構成するときにフィルタ間でサ
ンプリング位相を2サンプル、すなわちサブサンプリン
グ周期の1/2 だけシフトすることができる。
【0021】また、サブサンプリング位相を2種に分け
ることにより、第1の高域通過フィルタの出力と第2の
高域通過フィルタの出力及び第1の低域通過フィルタの
出力と第2の低域通過フィルタの出力をそれぞれ1つに
まとめることができ、従来の2分割フィルタと等価な構
成をとることができる。なお、タップ数が4の場合に
は、以下説明する8の場合に比べて画像の局所的な特徴
を検出できる。
ることにより、第1の高域通過フィルタの出力と第2の
高域通過フィルタの出力及び第1の低域通過フィルタの
出力と第2の低域通過フィルタの出力をそれぞれ1つに
まとめることができ、従来の2分割フィルタと等価な構
成をとることができる。なお、タップ数が4の場合に
は、以下説明する8の場合に比べて画像の局所的な特徴
を検出できる。
【0022】次に、8タップの場合の伝達関数を示す。
なお、係数列の対称性は確保されている。
なお、係数列の対称性は確保されている。
【数72】 H10(Z)= {1/(1+a+b-ab)}Z -2(-abZ0+bZ -1+aZ -2+Z -3+Z -4+aZ -5+bZ -6-a bZ -7) (39)
【数73】 H11(Z)= {1/(1-a-b-ab)}Z -2(abZ0-bZ -1+aZ -2+Z -3-Z -4-aZ -5+bZ -6-ab Z -7) (40)
【数74】 H12(Z)= {1/(1-a-b-ab)}(-abZ0-bZ -1-aZ -2+Z -3+Z -4-aZ -5-bZ -6-abZ - 7 ) (41)
【数75】 H13(Z)= {1/(1+a+b-ab)}(abZ0+bZ -1-aZ -2+Z -3-Z -4+aZ -5-bZ -6-abZ -7 ) (42) 以上の4式において各フィルタ出力間の直交性が満たさ
れているかどうかを検証する。まず、同一フィルタ群の
出力間の直交性を調べる。式(39)〜(42)からわかるよう
に、それぞれのフィルタ群の中でLPF は線対称、HPF は
点対称となっているので、LPF 出力とHPF 出力との間の
直交性は確保されている。また、これら4種のフィルタ
はタップ数が8であり、各出力はそれぞれ4対1のサブ
サンプリングを行うので同一のフィルタ群において時間
的に直前の出力と現在の出力との直交性だけを調べれば
よい。直交性が満たされる場合は全部で4種類あるが、
例えばZ -4H10(Z)とH10(Z)との間で調べればよい。式(3
9)〜(42)からこれらの間の直交性はすべて満たされてい
ることがわかる。
れているかどうかを検証する。まず、同一フィルタ群の
出力間の直交性を調べる。式(39)〜(42)からわかるよう
に、それぞれのフィルタ群の中でLPF は線対称、HPF は
点対称となっているので、LPF 出力とHPF 出力との間の
直交性は確保されている。また、これら4種のフィルタ
はタップ数が8であり、各出力はそれぞれ4対1のサブ
サンプリングを行うので同一のフィルタ群において時間
的に直前の出力と現在の出力との直交性だけを調べれば
よい。直交性が満たされる場合は全部で4種類あるが、
例えばZ -4H10(Z)とH10(Z)との間で調べればよい。式(3
9)〜(42)からこれらの間の直交性はすべて満たされてい
ることがわかる。
【0023】次にフィルタ群間の直交性を調べる。フィ
ルタ群間では係数列の対称中心の位置が2サンプル又は
6サンプルだけシフトしているので第1組の1つの出力
と第2組の1つの出力との間でオーバーラップしている
係数は6サンプル又は2サンプルである。まず、オーバ
ーラップが2サンプルの場合、H10(Z),H11(Z),H12(Z)
,H13(Z)とオーバーラップしている係数列は全部で4種
類あり、各サンプルの係数の積は互いに絶対値が等し
く、かつ、極性が異なっている。したがってこの場合直
交性はすべて満たされている。さらにオーバーラップが
6サンプルの場合、H10(Z),H11(Z),H12(Z) ,H13(Z)と
オーバーラップしている係数列は全部で4種類あり、各
サンプルの係数の積は互いに絶対値が等しく、かつ、極
性が異なっているものがいずれの場合も3組ずつある。
したがってこの場合も直交性はすべて満たされている。
ルタ群間では係数列の対称中心の位置が2サンプル又は
6サンプルだけシフトしているので第1組の1つの出力
と第2組の1つの出力との間でオーバーラップしている
係数は6サンプル又は2サンプルである。まず、オーバ
ーラップが2サンプルの場合、H10(Z),H11(Z),H12(Z)
,H13(Z)とオーバーラップしている係数列は全部で4種
類あり、各サンプルの係数の積は互いに絶対値が等し
く、かつ、極性が異なっている。したがってこの場合直
交性はすべて満たされている。さらにオーバーラップが
6サンプルの場合、H10(Z),H11(Z),H12(Z) ,H13(Z)と
オーバーラップしている係数列は全部で4種類あり、各
サンプルの係数の積は互いに絶対値が等しく、かつ、極
性が異なっているものがいずれの場合も3組ずつある。
したがってこの場合も直交性はすべて満たされている。
【0024】8タップフィルタの場合でも、フィルタ群
間で係数列の対称中心の位置が2サンプルだけシフトし
ている。したがってフィルタバンクを構成するときにフ
ィルタ間でサンプリング位相を2サンプル、すなわちサ
ブサンプリング周期の1/2 だけシフトすることができ、
また、サブサンプリング位相を2種に分けることによ
り、第1の高域通過フィルタの出力と第2の高域通過フ
ィルタの出力及び第1の低域通過フィルタの出力と第2
の低域通過フィルタの出力をそれぞれ1つにまとめるこ
とができ、従来の2分割フィルタと等価な構成をとるこ
とができる。
間で係数列の対称中心の位置が2サンプルだけシフトし
ている。したがってフィルタバンクを構成するときにフ
ィルタ間でサンプリング位相を2サンプル、すなわちサ
ブサンプリング周期の1/2 だけシフトすることができ、
また、サブサンプリング位相を2種に分けることによ
り、第1の高域通過フィルタの出力と第2の高域通過フ
ィルタの出力及び第1の低域通過フィルタの出力と第2
の低域通過フィルタの出力をそれぞれ1つにまとめるこ
とができ、従来の2分割フィルタと等価な構成をとるこ
とができる。
【0025】以上の説明から明らかなように、本発明の
サブバンド分割フィルタ及びサブバンド合成フィルタで
は、第1の低域通過フィルタの伝達関数H0(Z) の係数列
と、第1の高域通過フィルタの伝達関数H1(Z) の係数列
と、第2の低域通過フィルタの伝達関数H2(Z) の係数列
と、第2の高域通過フィルタの伝達関数H3(Z) の係数列
とがすべて直交しているので、分割効率がよくなる。
サブバンド分割フィルタ及びサブバンド合成フィルタで
は、第1の低域通過フィルタの伝達関数H0(Z) の係数列
と、第1の高域通過フィルタの伝達関数H1(Z) の係数列
と、第2の低域通過フィルタの伝達関数H2(Z) の係数列
と、第2の高域通過フィルタの伝達関数H3(Z) の係数列
とがすべて直交しているので、分割効率がよくなる。
【0026】また、係数の値を選択することにより、第
1の低域通過フィルタ又は第2の低域通過フィルタのい
ずれかを直流分を通さない帯域通過フィルタに変えても
よい。例えば、式(41)に示すLPF2は、
1の低域通過フィルタ又は第2の低域通過フィルタのい
ずれかを直流分を通さない帯域通過フィルタに変えても
よい。例えば、式(41)に示すLPF2は、
【数76】 1-a-b-ab=0 (43) とすることにより、第2の低域通過フィルタの代わりに
直流分を通さない帯域通過フィルタ(BPF1)となる。この
とき式(40)に示すHPF1も帯域フィルタ(BPF2)になる。こ
の理由は、式(43)が成立するとき入力のサンプリング周
波数の1/2 に等しいナイキスト周波数すなわち使用でき
る帯域の上限の周波数におけるHPF1のレスポンスがゼロ
になるからである。
直流分を通さない帯域通過フィルタ(BPF1)となる。この
とき式(40)に示すHPF1も帯域フィルタ(BPF2)になる。こ
の理由は、式(43)が成立するとき入力のサンプリング周
波数の1/2 に等しいナイキスト周波数すなわち使用でき
る帯域の上限の周波数におけるHPF1のレスポンスがゼロ
になるからである。
【0027】式(40)及び(41)はこのままでは右辺の最初
の係数の分母が式(43)によりゼロとなるので、式(39)の
右辺の最初の係数と同じにする。したがってBPF1及びBP
F2として使うときの伝達関数H11 ′(Z) とH12 ′(Z) は
式(44)及び(45)で表される。
の係数の分母が式(43)によりゼロとなるので、式(39)の
右辺の最初の係数と同じにする。したがってBPF1及びBP
F2として使うときの伝達関数H11 ′(Z) とH12 ′(Z) は
式(44)及び(45)で表される。
【数77】 H11 ′(Z)={1/(1+a+b-ab)}Z -2(abZ0-bZ -1+aZ -2+Z -3-Z -4-aZ -5+bZ -6- abZ -7) (44)
【数78】 H12 ′(Z)={1/(1+a+b-ab)}(-abZ0-bZ -1-aZ -2+Z -3+Z -4-aZ -5-bZ -6-abZ -7 ) (45) フィルタを上述したようにして使用する場合には、帯域
を4分割することになり、フィルタバンクの構成として
はLPF 出力のみを次段で再び4分割する形になる。な
お、式(36)に示すHPF1及び式(37)に示すLPF2においても
同様に上述したような使い方をすることができる。
を4分割することになり、フィルタバンクの構成として
はLPF 出力のみを次段で再び4分割する形になる。な
お、式(36)に示すHPF1及び式(37)に示すLPF2においても
同様に上述したような使い方をすることができる。
【0028】
【実施例】以下本発明のサブバンド分割フィルタ及びサ
ブバンド合成フィルタの実施例を図面を参照して詳細に
説明する。図4に、本発明のサブバンド分割フィルタ及
びサブバンド合成フィルタを用いたサブバンドフィルタ
バンクの概略構成図を、図5に、本発明のサブバンド分
割フィルタ及びザブバンド合成フィルタを用いたサブバ
ンド符号化システムのブロックダイヤグラムをそれぞれ
示す。
ブバンド合成フィルタの実施例を図面を参照して詳細に
説明する。図4に、本発明のサブバンド分割フィルタ及
びサブバンド合成フィルタを用いたサブバンドフィルタ
バンクの概略構成図を、図5に、本発明のサブバンド分
割フィルタ及びザブバンド合成フィルタを用いたサブバ
ンド符号化システムのブロックダイヤグラムをそれぞれ
示す。
【0029】図5の符号化システムは、入力端子61
(図4の入力端子41に相当)、A/D変換器62、分割
フィルタバンク63(図4の3段の分割フィルタ42に
相当)、量子化器64、マルチプレクサ65(図4のマ
ルチプレクサ43に相当)、エントロピー符号器66、
チェックデータ生成及び付加回路67、ディジタル変調
回路68、伝送線路69(図4の伝送線路44に相
当)、ディジタル復調回路70、誤り訂正回路71、エ
ントロピー復号器72、デマルチプレクサ73(図4の
デマルチプレクサ43に相当)、逆量子化器74、合成
フィルタバンク75(図4の3段の合成フィルタ46に
相当)、D/A 変換器76及び出力端子77(図4の出力
端子47に相当)を具える。図1及び図3と同様に、図
4においてサブバンド分割、合成に直接関係のない量子
化器、エントロピー符号化器等は省略している。
(図4の入力端子41に相当)、A/D変換器62、分割
フィルタバンク63(図4の3段の分割フィルタ42に
相当)、量子化器64、マルチプレクサ65(図4のマ
ルチプレクサ43に相当)、エントロピー符号器66、
チェックデータ生成及び付加回路67、ディジタル変調
回路68、伝送線路69(図4の伝送線路44に相
当)、ディジタル復調回路70、誤り訂正回路71、エ
ントロピー復号器72、デマルチプレクサ73(図4の
デマルチプレクサ43に相当)、逆量子化器74、合成
フィルタバンク75(図4の3段の合成フィルタ46に
相当)、D/A 変換器76及び出力端子77(図4の出力
端子47に相当)を具える。図1及び図3と同様に、図
4においてサブバンド分割、合成に直接関係のない量子
化器、エントロピー符号化器等は省略している。
【0030】分割フィルタ42はそれぞれ1段につき、
基本要素である第1高域通過フィルタ(HPF1)48、第1
低域通過フィルタ(LPF1) 49、第2高域通過フィルタ
(HPF2) 50、第2低域通過フィルタ(LPF2)51とから
なり、これらを多段階に亘って(この場合3段)繰り返
してファンアウト形に配列している。すなわち、各段の
低域通過フィルタの出力を次段の第1高域通過フィルタ
48、第1低域通過フィルタ49、第2高域通過フィル
タ50及び第2低域通過フィルタ51に並列に供給する
ように構成する。また、第1高域通過フィルタ48及び
第1低域通過フィルタ49には第0位相サプサンプラー
52が、第2高域通過フィルタ50及び第2低域通過フ
ィルタ51には第1位相サプサンプラー53がそれぞれ
接続されており、第1高域通過フィルタ48と第2高域
通過フィルタ50との間及び第1低域通過フィルタ49
と第2低域通過フィルタ51との間では、サンプリング
位相を2サンプルすなわちサンプリング周期の1/2 だけ
シフトする。
基本要素である第1高域通過フィルタ(HPF1)48、第1
低域通過フィルタ(LPF1) 49、第2高域通過フィルタ
(HPF2) 50、第2低域通過フィルタ(LPF2)51とから
なり、これらを多段階に亘って(この場合3段)繰り返
してファンアウト形に配列している。すなわち、各段の
低域通過フィルタの出力を次段の第1高域通過フィルタ
48、第1低域通過フィルタ49、第2高域通過フィル
タ50及び第2低域通過フィルタ51に並列に供給する
ように構成する。また、第1高域通過フィルタ48及び
第1低域通過フィルタ49には第0位相サプサンプラー
52が、第2高域通過フィルタ50及び第2低域通過フ
ィルタ51には第1位相サプサンプラー53がそれぞれ
接続されており、第1高域通過フィルタ48と第2高域
通過フィルタ50との間及び第1低域通過フィルタ49
と第2低域通過フィルタ51との間では、サンプリング
位相を2サンプルすなわちサンプリング周期の1/2 だけ
シフトする。
【0031】一方、サブバンド合成フィルタ46の各段
は、第1高域通過フィルタ48、第1低域通過フィルタ
49、第2高域通過フィルタ50及び第2低域通過フィ
ルタ51及びこれらのフィルタの出力を合成する加算器
53を以て構成し、複数の段をファンイン形に配列す
る。また、各段の加算器の出力を次段の第1低域通過フ
ィルタ49及び第2低域通過フィルタ51に供給するよ
うに構成するとともに多数の入力サブバンド成分を、第
1段の4つのフィルタ48〜51及び2段以降の第1及
び第2高域通過フィルタ48及び50に供給するように
構成する。
は、第1高域通過フィルタ48、第1低域通過フィルタ
49、第2高域通過フィルタ50及び第2低域通過フィ
ルタ51及びこれらのフィルタの出力を合成する加算器
53を以て構成し、複数の段をファンイン形に配列す
る。また、各段の加算器の出力を次段の第1低域通過フ
ィルタ49及び第2低域通過フィルタ51に供給するよ
うに構成するとともに多数の入力サブバンド成分を、第
1段の4つのフィルタ48〜51及び2段以降の第1及
び第2高域通過フィルタ48及び50に供給するように
構成する。
【0032】図5の符号化システムの動作を説明する。
まず、入力端子61に映像信号を入力する。この映像信
号はA/D 変換器62に伝送され、ここでディジタルデー
タに変換される。このディジタルデータは分割フィルタ
バンク63に伝送され、ここで多数のサブバンド成分に
分割される。これらのサブバンド成分はフィルタ出力と
して量子化器64に伝送される。量子化器64では、上
記フィルタ出力の丸め即ちデータの精度(桁数)を必要
最小限まで減らす処理を行う。量子化器64での量子化
はデータを圧縮するために行われる。なお量子化器64
は、分割フィルタ42(図4)ごとに挿入し、精度をサ
ブバンドごとに設定できるようにする。
まず、入力端子61に映像信号を入力する。この映像信
号はA/D 変換器62に伝送され、ここでディジタルデー
タに変換される。このディジタルデータは分割フィルタ
バンク63に伝送され、ここで多数のサブバンド成分に
分割される。これらのサブバンド成分はフィルタ出力と
して量子化器64に伝送される。量子化器64では、上
記フィルタ出力の丸め即ちデータの精度(桁数)を必要
最小限まで減らす処理を行う。量子化器64での量子化
はデータを圧縮するために行われる。なお量子化器64
は、分割フィルタ42(図4)ごとに挿入し、精度をサ
ブバンドごとに設定できるようにする。
【0033】量子化された各段の上記フィルタ出力は、
マルチプレクサ65に伝送されてから一本化され、時間
的に直列に並べられる。上記フィルタ出力は、マルチプ
レクサ65からエントロピー符号器66に伝送されてか
らエントロピー符号化を行う。エントロピー符号化と
は、入力データ値の発生確率に応じて出力符号の長さを
変化させる符号化のことをいう。即ちエントロピー符号
器66では、発生確率の高いデータには短い符号を割り
当て、発生確率の低いデータには長い符号を割り当てる
ことによって統計的にデータ量の削減を行っている。し
たがってエントロピー符号器66では、各データ値の発
生確率を測定し、それに基づいて変換表を作製してい
る。
マルチプレクサ65に伝送されてから一本化され、時間
的に直列に並べられる。上記フィルタ出力は、マルチプ
レクサ65からエントロピー符号器66に伝送されてか
らエントロピー符号化を行う。エントロピー符号化と
は、入力データ値の発生確率に応じて出力符号の長さを
変化させる符号化のことをいう。即ちエントロピー符号
器66では、発生確率の高いデータには短い符号を割り
当て、発生確率の低いデータには長い符号を割り当てる
ことによって統計的にデータ量の削減を行っている。し
たがってエントロピー符号器66では、各データ値の発
生確率を測定し、それに基づいて変換表を作製してい
る。
【0034】エントロピー符号器66に伝送された上記
フィルタ出力は、チェックデータ生成及び付加回路67
に伝送される。ここでは、伝送線路69で発生する誤り
が主としてランダム誤りであるか、又はバースト誤りで
あるかによって、上記フィルタ出力をそれぞれに適した
誤り訂正を行う。上記フィルタ出力は、さらにディジタ
ル変調回路68に伝送される。ここでは、上記フィルタ
出力の直流分に近い低周波域及び高周波域の周波数領域
の成分が少ない形に符号を変換する。このような変換を
行うのは、記録システムも含めて通常の伝送線路は伝送
周波数帯域の両端、即ち直流分に近い低周波域と高周波
域の伝送特性がよくないからである。
フィルタ出力は、チェックデータ生成及び付加回路67
に伝送される。ここでは、伝送線路69で発生する誤り
が主としてランダム誤りであるか、又はバースト誤りで
あるかによって、上記フィルタ出力をそれぞれに適した
誤り訂正を行う。上記フィルタ出力は、さらにディジタ
ル変調回路68に伝送される。ここでは、上記フィルタ
出力の直流分に近い低周波域及び高周波域の周波数領域
の成分が少ない形に符号を変換する。このような変換を
行うのは、記録システムも含めて通常の伝送線路は伝送
周波数帯域の両端、即ち直流分に近い低周波域と高周波
域の伝送特性がよくないからである。
【0035】上記フィルタ出力は、さらに伝送線路69
を経てディジタル復調回路70に伝送され、ここで変調
された上記フィルタ出力を復調する。復調された上記フ
ィルタ出力は、誤り訂正回路71に伝送され、ここで伝
送線路69を通過したことにより発生した誤りを検出し
た後訂正する。その後上記フィルタ出力はエントロピー
復号器72に伝送される。ここでは、エントロピー符号
器66で符号化された上記フィルタ出力の復号を行う。
復号された上記フィルタ出力は、デマルチプレクサ73
に伝送され、マルチプレクサ65で一本化された上記フ
ィルタ出力の直列データを並列にして複数本に分配す
る。分配された上記フィルタ出力は、逆量子化器74に
伝送され、量子化器64によって減らしたデータの桁数
を元に戻す。さらに上記フィルタ出力は合成フィルタバ
ンク75に伝送されて合成された後D/A 変換器76に伝
送され、ここでアナログデータに変換して出力端子77
に伝送する。出力端子77では、上記フィルタ出力の復
号出力を得る。
を経てディジタル復調回路70に伝送され、ここで変調
された上記フィルタ出力を復調する。復調された上記フ
ィルタ出力は、誤り訂正回路71に伝送され、ここで伝
送線路69を通過したことにより発生した誤りを検出し
た後訂正する。その後上記フィルタ出力はエントロピー
復号器72に伝送される。ここでは、エントロピー符号
器66で符号化された上記フィルタ出力の復号を行う。
復号された上記フィルタ出力は、デマルチプレクサ73
に伝送され、マルチプレクサ65で一本化された上記フ
ィルタ出力の直列データを並列にして複数本に分配す
る。分配された上記フィルタ出力は、逆量子化器74に
伝送され、量子化器64によって減らしたデータの桁数
を元に戻す。さらに上記フィルタ出力は合成フィルタバ
ンク75に伝送されて合成された後D/A 変換器76に伝
送され、ここでアナログデータに変換して出力端子77
に伝送する。出力端子77では、上記フィルタ出力の復
号出力を得る。
【0036】本実施例では、分割フィルタ段数が3の場
合について説明したが、段数は任意である。また本実施
例では、映像信号の入出力について説明したが、音声信
号の入出力についても同様に実施できる。なお、映像信
号の入出力を行う場合には伝送線の代わりに記録システ
ム(例えばVTR )を用いてもよい。
合について説明したが、段数は任意である。また本実施
例では、映像信号の入出力について説明したが、音声信
号の入出力についても同様に実施できる。なお、映像信
号の入出力を行う場合には伝送線の代わりに記録システ
ム(例えばVTR )を用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明のサブバンド分割フィルタ及びサ
ブバンド合成フィルタによれば、第1の低域通過フィル
タの伝達関数H0(Z) の係数列と、第1の高域通過フィル
タの伝達関数H1(Z) の係数列と、第2の低域通過フィル
タの伝達関数H2(Z) の係数列と、第2の高域通過フィル
タの伝達関数H3(Z) の係数列とがすべて直交しているの
で、分割効率がよいという効果を有する。
ブバンド合成フィルタによれば、第1の低域通過フィル
タの伝達関数H0(Z) の係数列と、第1の高域通過フィル
タの伝達関数H1(Z) の係数列と、第2の低域通過フィル
タの伝達関数H2(Z) の係数列と、第2の高域通過フィル
タの伝達関数H3(Z) の係数列とがすべて直交しているの
で、分割効率がよいという効果を有する。
【図1】従来のフィルタを用いたサブバンド符号化シス
テムの概略構成図を示す。
テムの概略構成図を示す。
【図2】ディジタルフィルタの概略構成図を示す。
【図3】従来のフィルタを用いた他のサブバンド符号化
システムの概略構成図を示す。
システムの概略構成図を示す。
【図4】本発明のサブバンド分割フィルタ及びサブバン
ド合成フィルタの概略構成図を示す。
ド合成フィルタの概略構成図を示す。
【図5】本発明のサブバンド分割フィルタ及びサブバン
ド合成フィルタを用いたサブバンド符号化システムのブ
ロックダイヤグラムを示す。
ド合成フィルタを用いたサブバンド符号化システムのブ
ロックダイヤグラムを示す。
1,12,21,41,61 入力端子 2,22,42 分割フィルタ 3,23,43,65 マルチプレクサ 4,24,44,69 伝送線路 5,25,45,73 デマルチプレクサ 6,26,46 合成フィルタ 7,16,27,47,77 出力端子 8,28 高域通過フィルタ 9,29 低域通過フィルタ 10,30 2対1サブサンプラ 11,15,31,54 加算器 13 1サンプル遅延素子 14 係数乗算器 48 第1高域通過フィルタ 49 第1低域通過フィルタ 50 第2高域通過フィルタ 51 第2低域通過フィルタ 52 第0位相4対1サブサンプラ 53 第1位相4対1サブサンプラ 62 A/D 変換器 63 分割フィルタバンク 64 量子化器 66 エントロピー符号器 67 チェックデータ生成及び付加回路 68 ディジタル変調回路 70 ディジタル復調回路 71 誤り訂正回路 72 エントロピー復号器 74 逆量子化器 75 合成フィルタバンク 76 D/A 変換器
Claims (4)
- 【請求項1】入力信号を、それぞれがサブサンプラーを
有する第1の低域通過フィルタ、第1の高域通過フィル
タ、第2の低域通過フィルタおよび第2の高域通過フィ
ルタに並列的に供給して4分割されたサブバンド成分を
取り出すようにし、前記第1の低域通過フィルタのサブ
サンプラーのサンプリング位相は前記第2の低域通過フ
ィルタのサブサンプラーのサンプリング位相に対してサ
ンプリング周期の1/2だけシフトしており、かつ、前記
第1の高域通過フィルタのサブサンプラーのサンプリン
グ位相は前記第2の高域通過フィルタのサブサンプラー
のサンプリング位相に対してサンプリング周期の1/2 だ
けシフトしており、これらフィルタのZ変換により表さ
れた伝達関数を以下のように設定したことを特徴とする
サブバンド分割フィルタ。第1の低域通過フィルタのZ
変換により表された伝達係数を、 【数1】 H0(Z)={1/(1+K) }Z -2(KZ0+Z -1+Z -2+KZ -3) とし、第1の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数2】 H1(Z)={1/(1-K) }Z -2(KZ0+Z -1-Z -2-KZ -3) とし、第2の低域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数3】H2(Z)={1/(1-K) }(-KZ0+Z -1+Z -2-KZ -3) とし、第2の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数4】H3(Z)={1/(1+K) }(-KZ0+Z -1-Z -2+KZ -3) とする。 - 【請求項2】入力信号を、それぞれがサブサンプラーを
有する第1の低域通過フィルタ、第1の高域通過フィル
タ、第2の低域通過フィルタおよび第2の高域通過フィ
ルタに並列的に供給して4分割されたサブバンド成分を
取り出すようにし、前記第1の低域通過フィルタのサブ
サンプラーのサンプリング位相は前記第2の低域通過フ
ィルタのサブサンプラーのサンプリング位相に対してサ
ンプリング周期の1/2だけシフトしており、かつ、前記
第1の高域通過フィルタのサブサンプラーのサンプリン
グ位相は前記第2の高域通過フィルタのサブサンプラー
のサンプリング位相に対してサンプリング周期の1/2 だ
けシフトしており、これらフィルタのZ変換により表さ
れた伝達関数を以下のように設定したことを特徴とする
サブバンド分割フィルタ。第1の低域通過フィルタのZ
変換により表された伝達係数を、 【数5】 H10(Z)= {1/(1+a+b-ab)}Z -2(-abZ0+bZ -1+aZ -2+Z -3+Z -4+aZ -5+bZ -6-a bZ -7) とし、第1の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数6】 H11(Z)= {1/(1-a-b-ab)}Z -2(abZ0-bZ -1+aZ -2+Z -3-Z -4-aZ -5+bZ -6-ab Z -7) とし、第2の低域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数7】 H12(Z)= {1/(1-a-b-ab)}(-abZ0-bZ -1-aZ -2+Z -3+Z -4-aZ -5-bZ -6-abZ - 7 ) とし、第2の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数8】 H13(Z)= {1/(1+a+b-ab)}(abZ0+bZ -1-aZ -2+Z -3-Z -4+aZ -5-bZ -6-abZ -7 ) とする。 - 【請求項3】4分割されたサブバンド成分をそれぞれ受
ける第1の低域通過フィルタ、第1の高域通過フィル
タ、第2の低域通過フィルタおよび第2の高域通過フィ
ルタと、これらフィルタの出力を合成する加算器とを具
え、前記フィルタのZ変換により表された伝達関数を以
下のように設定したことを特徴とするサブバンド合成フ
ィルタ。第1の低域通過フィルタのZ変換により表され
た伝達係数を、 【数9】 G0(Z)={(1+K)/(1+K2)}(KZ0+Z -1+Z -2+KZ -3) とし、第1の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数10】 G1(Z)={(1-K)/(1+K2)}(-KZ0-Z -1+Z -2+KZ -3) とし、第2の低域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数11】 G2(Z)={(1-K)/(1+K2)}Z -2(-KZ0+Z -1+Z -2-KZ -3) とし、第2の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数12】 G3(Z)={(1+K)/(1+K2)}Z -2(KZ0-Z -1+Z -2-KZ -3) とする。 - 【請求項4】4分割されたサブバンド成分をそれぞれ受
ける第1の低域通過フィルタ、第1の高域通過フィル
タ、第2の低域通過フィルタおよび第2の高域通過フィ
ルタと、これらフィルタの出力を合成する加算器とを具
え、前記フィルタのZ変換により表された伝達関数を以
下のように設定したことを特徴とするサブバンド合成フ
ィルタ。第1の低域通過フィルタのZ変換により表され
た伝達係数を、 【数13】 G10(Z)= {(1+a+b-ab)/(1+a2+b2+a2b2) }(-abZ0+bZ -1+aZ -2+Z -3+Z -4+aZ -5 +bZ -6-abZ -7) とし、第1の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数14】 G11(Z)= {(1-a-b-ab)/(1+a2+b2+a2b2) }(-abZ0+bZ -1-aZ -2-Z -3+Z -4+aZ -5 -bZ -6+abZ -7) とし、第2の低域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数15】 G12(Z)= {(1-a-b-ab)/(1+a2+b2+a2b2) }Z -2(-abZ0-bZ -1-aZ -2+Z -3+Z -4 -aZ -5-bZ -6-abZ -7) とし、第2の高域通過フィルタのZ変換により表された
伝達関数を、 【数16】 G13(Z)= {(1+a+b-ab)/(1+a2+b2+a2b2) }Z -2(abZ0+bZ -1-aZ -2+Z -3-Z -4+ aZ -5-bZ -6-abZ -7) とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5088632A JP2945239B2 (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | サブバンド分割フィルタバンク及びサブバンド合成フィルタバンク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5088632A JP2945239B2 (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | サブバンド分割フィルタバンク及びサブバンド合成フィルタバンク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06303104A true JPH06303104A (ja) | 1994-10-28 |
JP2945239B2 JP2945239B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=13948190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5088632A Expired - Fee Related JP2945239B2 (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | サブバンド分割フィルタバンク及びサブバンド合成フィルタバンク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2945239B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101314642B1 (ko) * | 2012-08-01 | 2013-10-07 | 동국대학교 산학협력단 | 싱글 필터 뱅크 및 이의 설계방법 |
JP2015527779A (ja) * | 2012-06-19 | 2015-09-17 | インスティテュート フューア ランドファンクテクニック ゲーエムベーハー | サブバンドスプリッタ部、及びサブバンドスプリッタ部を備えた包絡線検出器 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05206963A (ja) * | 1992-01-24 | 1993-08-13 | Nec Corp | サブバンド分割方式 |
-
1993
- 1993-04-15 JP JP5088632A patent/JP2945239B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05206963A (ja) * | 1992-01-24 | 1993-08-13 | Nec Corp | サブバンド分割方式 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015527779A (ja) * | 2012-06-19 | 2015-09-17 | インスティテュート フューア ランドファンクテクニック ゲーエムベーハー | サブバンドスプリッタ部、及びサブバンドスプリッタ部を備えた包絡線検出器 |
KR101314642B1 (ko) * | 2012-08-01 | 2013-10-07 | 동국대학교 산학협력단 | 싱글 필터 뱅크 및 이의 설계방법 |
WO2014021666A1 (ko) * | 2012-08-01 | 2014-02-06 | 동국대학교 산학협력단 | 싱글 필터 뱅크 및 이의 설계방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2945239B2 (ja) | 1999-09-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4815023A (en) | Quadrature mirror filters with staggered-phase subsampling | |
JP2022000951A (ja) | オールパスフィルタを用いるロスレスバンドスプリッティング及びバンドジョイニング | |
US4212028A (en) | Processing pal color television signals | |
JPH04281620A (ja) | サブバンドコーディング方式及びエンコーディング/ディコーディングシステム | |
JPS60501486A (ja) | フィルタ及びそれを用いるデータ伝送システム | |
JPH04233883A (ja) | 映像信号の3x3サブバンドコーディング・ディコーディング回路及び方式 | |
JP3687101B2 (ja) | データ処理方法及びデータ処理装置 | |
JP2945239B2 (ja) | サブバンド分割フィルタバンク及びサブバンド合成フィルタバンク | |
US5784378A (en) | Method and apparatus for time shaped finite impulse response filter with multiple signal stream capability | |
JP2945233B2 (ja) | サブバンド分割フィルタバンク及びサブバンド合成フィルタバンク | |
US6160502A (en) | Interpolation digital filter for audio CODEC | |
JP3619534B2 (ja) | サブバンド分離及び結合方式 | |
CN100486113C (zh) | 多速率滤波器以及显示系统和包括所述多速率滤波器的移动电话 | |
JP2856439B2 (ja) | 画像信号符号化復号化方式 | |
JPH03244210A (ja) | ディジタルフィルタ回路および送受信装置 | |
JPH05300489A (ja) | 画像信号の符号化/復号化装置 | |
JP2846206B2 (ja) | サブバンド符号化装置 | |
JPH06283971A (ja) | 帯域分離合成フィルタ | |
JPH0319488A (ja) | ブロック符号化装置と復号化装置 | |
JPH0771009B2 (ja) | ディジタルフィルタ回路および帯域分割伝送方式 | |
Rosenbaum et al. | Two-channel linear-phase FIR filter banks utilizing the frequency response masking approach | |
JPH0779251B2 (ja) | サブバンドフィルタ及びサブバンド符号化方式 | |
JPH09181612A (ja) | サブバンド符号化方法、サブバンド復号方法、サブバンド符号化装置、サブバンド復号装置及びサブバンド符号化復号装置 | |
JPH09246982A (ja) | ウェーブレット変換装置およびその方法並びにウェーブレット逆変換装置およびその方法 | |
KR101089724B1 (ko) | QMF(quadrature mirror filter) 필터의 설계 방법, 그 필터를 이용한 채널 분리 및 합성 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |