JPH0630264U - 吐水設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 極めて簡単な構造で、キャビネット内に水が
侵入するのを完全に防ぐことができる吐水設備を提供す
る。 【構成】 吐水設備１０は、シヤワーヘツド部１１と、
このシヤワーヘツド部１１に接続され、内部を湯水が通
るシヤワーホース１２と、このシヤワーホース１２に連
結され、湯水を供給する混合栓１３とを備える。天板１
４等の取付面上には、シヤワーヘツド部１１を支持する
ヘツド部用の支持具１５、及び、シヤワーホース１２を
支持するホース用の支持具１６が、一定距離だけ離して
配設され、この一定距離以上の長さのシヤワーホース１
２をその取付面上に配置する。そして、ヘツド部用の支
持具１５とホース用の支持具１６との間に、混合栓１３
を配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、流し台、洗面台、洗髪洗面台などの天板等の取付面上に取り付け られる吐水設備に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来、吐水設備としては、例えば、シヤワーヘツドの基部が、天板等の取付面 上に取り付けたシャワホルダーを介して、出し入れ自在に支持されるタイプのも のがあった。すなわち、そのシャワホルダーは、キャビネット内に収納されて上 下方向に延びる、ガイドパイプと接続されており、そして、このガイドパイプ内 をシヤワーヘツドに接続したシヤワーホースが、長さに余裕をもって挿入されて いるとともに、このシヤワーホースの他端には、シヤワーヘツドへ湯水を供給す る混合栓が接続されている。そして、シャワホルダーよりシヤワーヘツドが持ち 上げられると、シヤワーホースもガイドパイプ内を上方へ移動するようになって いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の吐水設備では、シヤワーヘツドから出た水が水滴と なってシヤワーホースを伝い、キャビネット内に侵入するため、前記シャワホル ダー内に水の侵入を防ぐ機構を設けたりしているが、水の侵入を完全に防ぐこと は困難であった。また、キャビネット内に侵入水を受ける水受けタンクを設ける 構造のものもあるが、溜った水を捨てる面倒があったり、キャビネット内がせま くなるという欠陥があった。

【０００４】 この考案は、上記した欠陥を解決するために案出されたものであり、その目的 とするところは、極めて簡単な構造でキャビネット内に水が侵入するのを完全に 防ぐことができ、また、キャビネット内に侵入水を受ける水受けタンクを設ける 必要がない吐水設備を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る吐水設備は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。 すなわち、シヤワーヘツド部と、このシヤワーヘツド部に接続され、内部を湯水 が通るシヤワーホースと、このシヤワーホースに連結され、湯水を供給する混合 栓とを備えている。そして、前記シヤワーヘツド部を支持するヘツド部用の支持 具、及び前記シヤワーホースを支持するホース用の支持具を、天板等の取付面上 に一定距離だけ離して配設して、この一定距離以上の長さのシヤワーホースを前 記取付面上に配置する。更に、前記ヘツド部用の支持具と前記ホース用の支持具 との間に、混合栓を配置する。

【０００６】 また、前記ヘツド部用の支持具は、前記天板等の取付面に上下移動可能に取り 付けられているのが好ましい。

【０００７】 更に、前記ホース用の支持具は、シヤワーホースの基端部に連結される回動部 と、この回動部を回動自在に支持する支持部とからなるのが好ましい。

【０００８】

【作用】

ヘツド部用の支持具、及び、ホース用の支持具は、天板等の取付面上に一定距 離だけ離して配設されている。そして、ヘツド部用の支持具は、シヤワーヘツド 部を支持するとともに、ホース用の支持具は、シヤワーホースを支持するため、 天板等の取付面上には、前記一定距離以上の長さのシヤワーホースが配置される 。従って、シヤワーヘツドから出た水が水滴となってシヤワーホースを伝って、 天板等の取付面上に滴れて、キャビネット内に侵入しない。更に、混合栓を前記 ヘツド部用の支持具と前記ホース用の支持具との間に配置することにより、天板 等の取付面のスペースを有効に利用できる。

【０００９】 また、ヘツド部用の支持具が、前記天板等の取付面に上下移動可能に取り付け られることにより、シヤワーヘツド部も、天板等の取付面に対して上下移動可能 に支持されるため、洗髪等においては、シヤワーヘツド部の高さを高くすること ができるなど高さ調整ができて使い勝手がよい。

【００１０】 更に、ホース用の支持具が、シヤワーホースの基端部に連結される回動部と、 この回動部を回動自在に支持する支持部とから構成されることにより、シヤワー ホースの基端部が上下に回動するため、シヤワーヘツド部の高さの変化とともに 、シヤワーホースの基端部の位置が変わり、操作性が高まる。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案に係る吐水設備の一実施例を図面を参照して説明する。

【００１２】 吐水設備１０は、図１に示されるように、シヤワーヘツド部１１と、このシヤ ワーヘツド部１１に接続され、内部を湯水が通る合成樹脂製のシヤワーホース１ ２と、このシヤワーホース１２に連結され、湯水を供給する混合栓１３とを備え て、洗髪洗面台等のキャビネット（図示せず）の天板１４等上に設置される。す なわち、洗髪洗面台等のキャビネット上には、図示しない水槽が設けられるとと もに、この水槽近傍の天板１４等の取付面上には、背側が開放された、シヤワー ヘツド部１１を支持するヘツド部用の支持具１５が配設されている。また、同じ く取付面上おいて支持具１５より一定距離だけ離れた位置に、シヤワーホース１ ２の基端部を支持するホース用の支持具１６が配設されており、この一定距離以 上の長さのシヤワーホース１２がその取付面上に配置される。更に、前記ヘツド 部用の支持具１５と前記ホース用の支持具１６との間に、混合栓１３が配置され ている。

【００１３】 シヤワーヘツド部１１は、先端に吐水をシヤワーあるいは直流に切り替えるこ とのできる吐出部１７を備えるとともに、この吐出部１７の流入路には、シヤワ ーホース１２の前端部が接続されている。そして、吐出部１７の下端には、図２ に示されるように、セレーション１８が設けられており、また、前記ヘツド部用 の支持具１５の上部内側にも、そのセレーション１８と嵌合するセレーション（ 図示せず）が設けられている。従って、シヤワーヘツド部１１は、これらセレー ション１８等を介して、ヘツド部用の支持具１５より着脱自在となっている。

【００１４】 また、ヘツド部用の支持具１５が、前記天板１４等の取付面に上下移動可能に 次のように取り付けられている。すなわち、図４に示されるように、天板１４等 の取付面に明けた取付口１４ａには、この取付口１４ａを貫通するように、取付 ソケット１９が嵌め込まれるが、この取付ソケット１９は、基部が螺筒状になっ ているとともに、その内部に通孔１９ａが形成されている。取付ソケット１９の 上部には、取付台２０が、取付ソケット１９を覆うように上方から取り付けられ ているとともに、この取付台２０は、その内部に前記通孔１９ａと連通する通孔 ２０ａを備える。そして、取付ソケット１９の通孔１９ａ及び取付台２０の通孔 ２０ａを、図３及び図４に示されるように、スライドパイプ２１が上下移動可能 に貫通し、このスライドパイプ２１の上端には、インサートナットＳを介して、 ヘツド部用の支持具１５が取り付けられている。取付ソケット１９は、天板１４ の下側に配置されたパツキン２２、および、バネ座金２３を介して、ナツト２４ を締め付けることにより天板１４に固定される。取付ソケット１９及び取付台２ ０の内部には、スライドパイプ２１の外周を押圧して固定するための手段、例え ば、スライドパイプ２１の外周部に当設する複数の支持部材Ｈ１と、これら支持 部材Ｈ１に掛け止められる複数の板バネＨ２とからなる位置決め手段Ｈが配備さ れる。従って、ヘツド部用の支持具１５は、スライドパイプ２１が上下移動して 位置決めされると、天板１４等に対して上下移動して位置決めされる。尚、ヘツ ド部用の支持具１５が、前記天板１４等の取付面に上下移動可能に取り付けられ ていることが望ましいが、必ずしも、ヘツド部用の支持具１５が、上下移動可能 に取り付けられている必要はないし、更に、ヘツド部用の支持具１５を上下移動 可能に支持する構成もこの構成に限る必要はない。

【００１５】 前記混合栓１３は、給水用のハンドル２６、給湯用のハンドル２７、及び混合 栓本体２９を備えている。天板１４等の取付面に明けた取付口（図示せず）には 、この取付口を貫通するように、混合栓本体２９が下方から嵌め込まれるととも に、この混合栓本体２９を上方から覆うように、給水用のハンドル２６及び給湯 用のハンドル２７が、天板１４等の取付面上で取り付けられる。そして、この天 板１４の下側には、取付パツキン２８を介して混合栓本体２９が取り付けられて いる。この混合栓本体２９には、給水用及び給湯用の管（図示せず）が連結され るとともに、混合栓本体２９内で混合された混合水、または、水をシヤワーホー ス１２に供給するためのホース３０の一端が継手ナット３１を介して連結されて いる。尚、混合栓本体２９は、天板１４の下側に隠れるので、パフ仕上げ、及び メッキ処理が施されていない鋳物むきだしであっても美観上の問題はない。

【００１６】 前記ホース用の支持具１６は、シヤワーホース１２の基端部に連結される回動 部３２と、この回動部３２を回動自在に支持する支持部３３とからなる。天板１ ４等の取付面に明けた取付口（図示せず）には、その支持部３３がパッキン３４ を介して取付口を貫通するように嵌め込まれる。この支持部３３は、基部が螺筒 状になっているとともに、天板１４の下部に配置されるパツキン３５、および、 バネ座金３６を介して、ナツト３７を締め付けることにより、天板１４に固定さ れている。また、支持部３３の下端には、ホース３０の他端が継手ナット３８を 介して連結されている。従って、ホース３０が、支持部３３及び回動部３２を介 してシヤワーホース１２に連結されるとともに、シヤワーホース１２の基端部に 連結された回動部３３が上下に回動するため、シヤワーヘツド部１１の高さの変 化とともに、シヤワーホース１２の基端部の位置が変わる。尚、シヤワーホース １２の基端部は、回動部３２に取り付けられていることがのぞましいが、必ずし も、回動部３２に取り付けられている必要はないし、更に、シヤワーホース１２ の基端部の位置を変える構成もこの構成に限る必要はない。

【００１７】 そして、取付台２０と給湯用のハンドル２７との距離、給湯用のハンドル２７ と給水用のハンドル２６との距離、及び、給水用のハンドル２６と支持部３３と の距離は、それぞれ例えば、１０センチメートル程度に設定すると、取付台２０ と支持部３３との距離は、およそ３０センチメートルとなる。よって、シヤワー ホース１２は、少なくとも３０センチメートル以上の長さ部分を天板１４等の取 付面上に横たわるように配置することになるが、この長さに限定されるわけでは ない。このように、シヤワーホース１２が天板１４等の取付面上に配置すること により、シヤワーヘツド部１１から出た水が水滴となってシヤワーホース１２を 伝うとしても、天板１４等の取付面上に滴れるのみで、洗髪洗面台等のキャビネ ット内に侵入しない。

【００１８】 スライドパイプ２１の下端には、図１に示されるように、パツキン３９を介し てナツト４０が締め付けられ、同パイプ２１が取付ソケット１９の通孔より抜け ないようにストツパ材として機能する。また、スライドパイプ２１の外周には、 凹部Ｗが形成され、取付ソケット１９の下端がナツト４０に当接するとき、取付 ソケット１９及び取付台２０の内部に配置された位置決め手段Ｈがその凹部Ｗに 嵌合する。そして、ナツト４０の外周部には、突起部４０ａが設けられ、また、 取付ソケット１９の下端外周部には、突起部１９ａが設けられており、スライド パイプ２１が回転する際に、所定角度の位置で、突起部４０ａと突起部１９ａと が当接し、突起部４０ａが、突起部１９ａに当たらない範囲で、ヘツド部用の支 持具１５及びスライドパイプ２１が自由に回転するようになっている。

【００１９】 また、取付台２０の上部には、図３及び図４に示されるように、突起部２０ｂ が設けられ、また、ヘツド部用の支持具１５の基端部内側には、一部切り残され た突部１５ａが設けられている。そして、このヘツド部用の支持具１５の基端部 内側に、突起部２０ｂが嵌められ、この突起部２０ｂが、前記突部１５ａの端面 両側に当たらない範囲で、ヘツド部用の支持具１５及びスライドパイプ２１が自 由に回転できるようになっている。

【００２０】 更に、突起部１９ａ及び突起部４０ａ、突起部２０ｂ及び前記切り残された突 部１５ａが、両方とも相互に係合しない位置においては、ヘツド部用の支持具１ ５及びスライドパイプ２１は、３６０度回転できる。しかしながら、取付ソケッ ト１９及び取付台２０の内部に配置された位置決め手段Ｈが、スライドパイプ２ １の外周部に弾性的に圧接することにより、スライドパイプ２１と前記位置決め 手段Ｈとの間に摩擦抵抗が存在するため、同ヘツド部用の支持具１５及びスライ ドパイプ２１は、容易に回転できず、同ヘッド部１１の不用意な首振りを防止す る。

【００２１】 さて、シヤワーヘツド部１１を用いて洗髪などする場合には、その吐出高さを 幾分か高め調節する必要がある。そこで、ヘツド部用の支持具１５を片手で掴む とともに、そのまま位置決め手段Ｈの押圧力に抗してスライドパイプ２１ととも に持ち上げる。必要な高さになつたところで手を外せば、再び前記位置決め手段 Ｈの押圧力によつて、調節した位置にてシヤワーヘツド部１１を支持固定するこ とができる。そして、ハンドル２６、２７を操作すれば、適宜の温度のお湯が、 混合栓本体２９、ホース３０、１２等を介してシヤワーヘツド部１１の吐出部１ ７より吐出される。洗髪終了後は、再度ヘツド部用の支持具１５を掴み、そのま ま前記スライドパイプ２１を押し下げさえすれば、前記と同一作用によつて所定 の高さ位置に固定することができる。また、シヤワーヘツド部１１を支持具１５ より離して使用したい場合、セレーション１８の嵌合を外してシヤワーヘツド部 １１を持って使用すればよいが、シヤワーヘツド部１１の高さの変化とともに、 シヤワーホース１２が上下に移動し、その度に、シヤワーホース１２の基端部の 位置が回動部３２の回動により変わるため、操作性が高まる。

【００２２】 本考案は、上述した実施例に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可 能である。例えば、上記支持部３３に蛇口を付設して、この蛇口からも直流水等 を得ることができるようにしてもよい。また、シヤワーヘツド部は、通常のシヤ ワーヘツドのみから構成されていてもよいし、それ以外のものを備えていてもよ い。また、吐水設備は、洗髪洗面台の天板等の取付面に配置される以外に、流し 台、洗面台、その他の水洗台の天板等の取付面に配置されてもよい。また、ヘツ ド部用の支持具及びホースの支持具混合栓との間に配置される混合栓は、２ハン ドル式に限られず、シングルレバー式あるいはサーモスタット式の混合栓であっ ても良い。更に、実施例では、シヤワーホースには、合成樹脂製のものを用いた が、金属製の可撓管を用いてもよい。

【００２３】

【考案の効果】

この考案は、以上の構成からなり、次のような効果を奏する。

【００２４】 請求項１の吐水設備においては、シヤワーヘツドから出た水が水滴としてシヤ ワーホースを伝うとしても、天板等の取付面上に滴れるのみで、キャビネット内 への水の侵入を完全に防ぐことができる。そして、キャビネット内への水の侵入 が防止されることにより、キャビネット内に水受けタンクを配備する必要もなく 、キャビネット内を広く利用できる。また、混合栓をヘツド部用の支持具とホー ス用の支持具との間に配置することにより、天板等の取付面のスペースを有効に 利用できる。

【００２５】 請求項２の吐水設備においては、ヘツド部用の支持具が、前記天板等の取付面 に上下移動可能に取り付けられているため、シヤワーヘツド部も、天板等の取付 面に対して上下移動可能に支持され、洗髪等の際にシヤワーヘツド部の高さを変 えることができ、使い勝手が良くなる。

【００２６】 請求項３の吐水設備においては、シヤワーホースの基端部に連結された回動部 が上下に回動するため、シヤワーヘツド部の高さの変化とともに、シヤワーホー スの基端部の位置が変わり、操作性が高まる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る吐水設備の一実施例を示す正面
図である。

【図２】おなじくシヤワーヘツド部を、ヘツド部用の支
持具から離した状態を省略して示す正面図である。

【図３】おなじくヘツド部用の支持具を、上方にやや持
ち上げた状態を省略して示す正面図である。

【図４】おなじくヘツド部用の支持具等を一部省略して
示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１０ 吐水設備 １１ シヤワーヘツド部 １２
シヤワーホース １３ 混合栓 １４ 天板 １５ ヘツ
ド部用の支持具 １６ ホース用の支持具 ３２ 回動部 ３３
支持部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シヤワーヘツド部（１１）と、このシヤ
   ワーヘツド部（１１）に接続され、内部を湯水が通るシ
   ヤワーホース（１２）と、このシヤワーホース（１２）
   に連結され、湯水を供給する混合栓（１３）とを備えた
   吐水設備であって、 前記シヤワーヘツド部（１１）を支持するヘツド部用の
   支持具（１５）、及び前記シヤワーホース（１２）を支
   持するホース用の支持具（１６）を、天板（１４）等の
   取付面上に一定距離だけ離して配設して、この一定距離
   以上の長さのシヤワーホース（１２）を前記取付面上に
   配置するとともに、 前記ヘツド部用の支持具（１５）と前記ホース用の支持
   具（１６）との間に、混合栓（１３）を配置した吐水設
   備。
2. 【請求項２】 前記ヘツド部用の支持具（１５）が、前
   記天板（１４）等の取付面に上下移動可能に取り付けら
   れている請求項１に記載の吐水設備。
3. 【請求項３】 前記ホース用の支持具（１６）は、シヤ
   ワーホース（１２）の基端部に連結される回動部（３
   ２）と、この回動部（３２）を回動自在に支持する支持
   部（３３）とからなる請求項１または２に記載の吐水設
   備。