JPH06300391A - 蒸発圧力調整弁 - Google Patents

蒸発圧力調整弁

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Publication number
JPH06300391A
JPH06300391A JP5083116A JP8311693A JPH06300391A JP H06300391 A JPH06300391 A JP H06300391A JP 5083116 A JP5083116 A JP 5083116A JP 8311693 A JP8311693 A JP 8311693A JP H06300391 A JPH06300391 A JP H06300391A
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JP
Japan
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refrigerant
pressure
temperature
valve
refrigerant evaporator
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Application number
JP5083116A
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English (en)
Inventor
Yasushi Yamanaka
康司 山中
Kenichi Fujiwara
健一 藤原
Hiroki Matsuo
弘樹 松尾
Yoshiaki Takano
義昭 高野
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷媒蒸発器の冷却能力を飛躍的に向上するこ
とができ、且つ冷媒圧縮機の省動力化を達成することが
できると共に、冷凍サイクルの構造の複雑化を防止する
ことができるようにする。 【構成】 温度に応じて冷媒ガスを吸着する吸着材42
を封入した感温筒34、この感温筒34内の圧力変化に
基づいた付勢力にてスライド弁12を付勢するベローズ
32、感温筒34を加熱するPTCヒータ35によって
蒸発圧力調整弁7を構成した。そして、冷房負荷の小さ
い時に冷媒蒸発器6の蒸発温度を上げたい時に、PTC
ヒータ35の加熱量を大きくしてベローズ32の圧力室
40内の圧力を増大することにより、蒸発圧力の設定値
を高くした。逆に、冷房負荷の大きい時や冷媒蒸発器6
の蒸発温度を下げたい時に、PTCヒータ35の加熱量
を小さくしてベローズ32の圧力室40内の圧力を減少
することにより、蒸発圧力の設定値を低くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍サイクルの冷媒蒸
発器での蒸発圧力の設定値を変更可能な蒸発圧力調整弁
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷媒蒸発器の出口と冷媒圧縮
機の吸入口との間に、冷媒蒸発器から冷媒圧縮機へ戻る
冷媒量を調節することによって、冷媒蒸発器での蒸発圧
力を設定値(約2.0kg/cm2 )以上に保ち、フロスト
を防止するための蒸発圧力調整弁を取り付けた冷凍サイ
クルがある。なお、冷凍サイクルにおいては、春、秋等
の中間期の日射の強いときや、冬期の吹出空気を除湿
し、フロントウインドの曇りを除去したいとき等のよう
に冷房負荷が大きいとき、冷媒蒸発器での蒸発圧力の設
定値を通常の設定値より低くして冷媒蒸発器の冷却能力
を向上したいという要求がある。
【0003】そこで、特公昭55−45822号公報に
見られるように、冷媒蒸発器での蒸発圧力の設定値に基
づいた付勢力にてバルブを閉弁方向に付勢するスプリン
グ、冷媒蒸発器での蒸発圧力が加わるとスプリングの付
勢力に抗してバルブを開弁させるベロフロム、このベロ
フロムの圧力室に冷媒蒸発器の入口の冷媒圧力を導く導
入管、およびこの導入管を開閉する電磁弁等を備えた技
術がある。この従来の技術においては、冷房負荷が大き
いときに、電磁弁を開弁して冷媒蒸発器の出口の冷媒圧
力(蒸発圧力)より高い冷媒蒸発器の入口の冷媒圧力を
圧力室に導いて、通常の設定値(例えば約2.0kg/cm
2 )に比べて0.2kg/cm 2 〜0.4kg/cm2 低い設定
値以上に蒸発圧力を保つようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
においては、冷媒蒸発器での蒸発圧力の設定値の可変幅
が最大でも0.4kg/cm2 しかとれず、冷媒蒸発器の冷
却能力の向上効果があまり期待できなかった。また、従
来の技術においては、通常の設定値に比べて高い設定値
に変更することができないので、春、秋等の中間期の日
射の弱いとき等のように冷房負荷が小さいとき、冷媒蒸
発器での蒸発圧力の設定値を通常の設定値より高くし
て、冷媒圧縮機の省動力化を図ることができなかった。
さらに、従来の技術においては、冷媒蒸発器の周囲に導
入管を引き回したり、導入管に電磁弁を組み付けたりす
る必要があるので、冷凍サイクルの構造が複雑となると
いう問題点があった。本発明は、冷媒蒸発器の冷却能力
を飛躍的に向上することができ、且つ冷媒圧縮機の省動
力化を達成することができると共に、冷凍サイクルの構
造の複雑化を防止することができる蒸発圧力調整弁の提
供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷媒蒸発器の
出口と冷媒圧縮機の吸入口とを連通する冷媒通路を有
し、且つこの冷媒通路の途中に、前記冷媒通路の通路断
面を絞る絞り孔を有する弁本体と、前記冷媒蒸発器での
蒸発圧力に基づいて、前記絞り孔の開度を調節する弁体
と、内部に温度変化を圧力変化に変換する媒体が封入さ
れた感温部を有し、この感温部内の圧力変化に基づいた
付勢力にて前記弁体を、前記絞り孔を閉じる方向に付勢
する付勢手段と、前記冷媒蒸発器での蒸発圧力の設定値
の変更信号を出力する信号出力手段と、この信号出力手
段からの変更信号に基づいて、前記感温部内の媒体を加
熱する加熱手段とを備えた技術手段を採用した。
【0006】
【作用】本発明によれば、信号出力手段から変更信号が
出力されると、加熱手段によってその変更信号に基づい
て感温部内の媒体が加熱される。これにより、媒体の温
度変化に基づいて感温部内の圧力が変更されるので、絞
り孔を閉じる方向に弁体を付勢する付勢手段の付勢力が
変わり、冷媒蒸発器での蒸発圧力に対する弁体の開弁圧
が変更される。したがって、冷房負荷の小さいとき、つ
まり冷媒蒸発器にかかる負荷が小さいときに冷媒蒸発器
の蒸発温度を上げたいときに、加熱手段により媒体の温
度を上昇させると、感温部内の圧力が高くなることによ
り付勢手段の付勢力が大きくなるので、冷媒蒸発器での
蒸発圧力の設定値が高くなり、弁本体内の冷媒通路を通
って冷媒蒸発器の出口から冷媒圧縮機の吸入口へ流れる
冷媒量が少なくなる。
【0007】逆に、冷房負荷の大きいとき、つまり冷媒
蒸発器にかかる負荷が大きいときや冷媒蒸発器の蒸発温
度を下げたいときに、加熱手段により媒体の温度を低下
させると、感温部内の圧力が低くなることにより付勢手
段の付勢力が小さくなるので、冷媒蒸発器での蒸発圧力
の設定値が低くなり、弁本体内の冷媒通路を通って冷媒
蒸発器の出口から冷媒圧縮機の吸入口へ流れる冷媒量が
多くなる。これらによって、媒体の温度変化を大きくす
ればする程、冷媒蒸発器での蒸発圧力の設定値を大きく
変更することが可能となる。また、冷媒蒸発器の入口と
蒸発圧力調整弁の弁本体とを接続する導入管やこの導入
管を開閉する電磁弁等が不要となるので、冷凍サイクル
の構造の簡略化を図れる。
【0008】
【実施例】次に、本発明の蒸発圧力調整弁を図に示す実
施例に基づいて説明する。 〔第1実施例の構成〕図1および図2は本発明の第1実
施例を示したもので、図1は冷凍サイクルに組み込まれ
た蒸発圧力調整弁を示した図である。冷凍サイクル1
は、自動車用空気調和装置に使用されるもので、冷媒圧
縮機2、冷媒凝縮器3、レシーバ4、膨張弁5、冷媒蒸
発器6、蒸発圧力調整弁7およびこれらを接続する冷媒
配管8より構成されている。
【0009】冷媒圧縮機2は、エンジンまたは電動モー
タ等の駆動装置(図示せず)によって回転駆動され、冷
媒蒸発器6から蒸発圧力調整弁7を介して吸入した冷媒
を圧縮して高温、高圧の冷媒ガスを吐出する。冷媒凝縮
器3は、冷媒圧縮機2の吐出口から吐出された冷媒ガス
をクーリングファン9の送風を受けて凝縮させて液冷媒
にする。レシーバ4は、冷媒凝縮器3から流入した冷媒
を一時的に蓄えておき、冷房負荷に基づいて液冷媒のみ
を膨張弁5へ流出する。膨張弁5は、レシーバ4の出口
から流入した液冷媒を断熱膨張させて低温、低圧の気液
二相状態の冷媒にする。冷媒蒸発器6は、ブロワ10の
送風を受けて、膨張弁5の出口から流入した気液二相状
態の冷媒を蒸発させて冷媒ガスにする。なお、冷媒との
熱交換によって冷却された空気はブロワ10によって自
動車の車室内へ送られる。
【0010】次に、この実施例の蒸発圧力調整弁7の構
造を詳しく説明する。蒸発圧力調整弁7は、弁本体1
1、この弁本体11内に摺動自在に取り付けられたスラ
イド弁12、および冷媒蒸発器6での蒸発圧力の設定値
を制御する設定値制御装置13等を備えている。弁本体
11は、冷媒蒸発器6の出口と冷媒圧縮機2の吸入口と
を接続する冷媒配管8の一部を構成する弁ケース14
と、この弁ケース14の内周に嵌め込まれたシリンダ1
5とから構成されている。
【0011】弁ケース14は、所定の形状に形成された
アルミニウムダイキャストを切削加工することにより製
造されている。この弁ケース14の一端側の内部には、
冷媒配管8を介して冷媒蒸発器6の出口から冷媒ガスが
流入する入口側冷媒通路16が形成されている。そし
て、弁ケース14の一端側の外周には、冷媒配管8の端
部に形成されためねじ部(図示せず)と螺合するおねじ
部17が形成されている。また、弁ケース14の他端側
の側方部の内部には、冷媒配管8を介して冷媒圧縮機2
の吸入口へ冷媒ガスを流出する出口側冷媒通路18が形
成されている。
【0012】シリンダ15は、絞り孔19の上流側の蒸
発圧力(1次圧)とその絞り孔19の下流側の冷媒圧力
(2次圧)とを隔てており、弁ケース14の内周側にお
いて弁ケース14の軸方向に配設されている。シリンダ
15の一端部は、弁ケース14の内周壁に当接してい
る。絞り孔19は、シリンダ15の周方向に所定の間隔
で複数形成されており、シリンダ15の内周側に形成さ
れる1次圧側冷媒通路20とシリンダ15の外周側に形
成される2次圧側冷媒通路21との間の流路面積を絞る
ように形成されている。
【0013】スライド弁12は、本発明の弁体であっ
て、絞り孔19の開度を調節して冷凍サイクル1の冷媒
量を変化させる弁部22と、後述するベローズ32の一
端部を接合したベローズ押さえ部23との2つの部品か
ら構成されている。弁部22は、筒状に形成されてお
り、絞り孔19と同じ個数の連通孔24、およびベロー
ズ押さえ部23の外周部が係合する段部25を有してい
る。ベローズ押さえ部23の内周側には、冷媒蒸発器6
での蒸発圧力に基づいてシリンダ15内を軸方向に変位
する環状の受圧部26が形成されている。その受圧部2
6の外周側には、受圧部26の外周と弁部22とを繋ぐ
放射状の連結部27が形成されている。
【0014】設定値制御装置13は、スプリング31、
ベローズ32、調節ねじ33、感温筒34、PTCヒー
タ35およびヒータ制御装置36等を備えている。スプ
リング31は、スライド弁12の弁部22に形成された
段部25とベローズ押さえ部23に形成された連結部2
7とが密着する方向に付勢するもので、一端部が調節ね
じ33に保持され、他端部が弁部22の一端側に保持さ
れている。
【0015】ベローズ32は、本発明の付勢手段であっ
て、蛇腹状の筒型に形成され、シリンダ15内に伸縮自
在に取り付けられている。ベローズ32の一端部は、ス
ライド弁12のベローズ押さえ部23に溶接等の手段を
用いて接合されており、他端部は、弁ケース14の他端
部に形成された開口部37を塞ぐ円環板状のカバー38
に溶接等の手段を用いて接合されている。そして、ベロ
ーズ32の内部には、感温筒34の内部とキャピラリチ
ューブ39を介して連通する圧力室40が形成されてい
る。また、ベローズ32は、圧力室40内の冷媒ガス
(フロンR13)の圧力変化に基づいた付勢力にてスラ
イド弁12を、絞り孔19を閉じる方向に付勢してい
る。なお、弁ケース14の他端部の内周とカバー38の
外周との間には、弁ケース14外への冷媒の漏洩を防止
するためのOリング38aが装着されている。
【0016】調節ねじ33は、円環板状に形成されてお
り、冷媒蒸発器6の蒸発圧力の設定値を調節するもの
で、スプリング31のばね力を変更する。また、調節ね
じ33には、入口側冷媒通路16と1次圧側冷媒通路2
0とを連通する複数の連通口41が形成されている。
【0017】感温筒34は、本発明の感温部であって、
弁ケース14の軸方向外方に設けられ、内部に冷媒ガス
(フロンR13)と多数の吸着材(本例では活性炭を使
用)42とを収容する感温室43を有している。この感
温室43内は、キャピラリチューブ39を介してベロー
ズ32の圧力室40内に連通している。感温室43内の
圧力は、感温筒34の周囲の温度に応じて変動する。
【0018】PTCヒータ35は、本発明の加熱手段で
あって、抵抗値急変域(キュリー点)での電流制限作用
による表面温度を一定に保つPTC特性を持つ電気ヒー
タである。このPTCヒータ35は、感温筒34の感温
室43内の吸着材42および冷媒ガスと熱的に接触して
いる。
【0019】ヒータ制御装置36は、冷凍サイクル1の
運転中に、ポジションセンサ44からの冷媒蒸発器6で
の蒸発圧力の設定値を高くする変更信号を入力すると、
PTCヒータ35へ電流値I1 の電流を流して、図2に
示したように、冷媒蒸発器6での蒸発圧力の設定値を通
常の設定値(例えば2.0kg/cm2 )より高い設定値
(例えば2.9kg/cm2 )にする。また、ヒータ制御装
置36は、冷凍サイクル1の運転中に、ポジションセン
サ44からの冷媒蒸発器6での蒸発圧力の設定値を低く
する変更信号を入力すると、PTCヒータ35へ電流値
I2 (<電流値I1 )の電流を流して、図2に示したよ
うに、冷媒蒸発器6での蒸発圧力の設定値を通常の設定
値(例えば2.0kg/cm2 )より低い設定値(例えば
1.5kg/cm 2 )にする。ここで、電流値を制御する方
法として、一定電圧をかけそのデューティ比を変える方
法を採用している。
【0020】ポジションセンサ44は、本発明の信号出
力手段であって、図2に示した温度調整レバー45の設
定位置を検出するものである。この温度調整レバー45
は、車室内前面に設けられた自動車用空気調和装置の操
作パネル46に設置されている。そして、ポジションセ
ンサ44は、春、秋等の中間期の冷房運転時に乗員によ
って温度調整レバー45が図2において図示破線領域内
に設定されたことを検出すると、冷媒蒸発器6での蒸発
圧力の設定値を高くする変更信号をヒータ制御装置36
に出力する。また、ポジションセンサ44は、夏期の冷
房運転時、冬期の除湿運転時に乗員によって温度調整レ
バー45が図2において図示破線領域外に設定されたこ
とを検出すると、冷媒蒸発器6での蒸発圧力の設定値を
低くする変更信号をヒータ制御装置36に出力する。
【0021】〔第1実施例の作用〕次に、この実施例の
作用を図1に基づいて簡単に説明する。自動車用空気調
和装置の冷房負荷、つまり冷媒蒸発器6にかかる負荷が
大きくなり、冷媒蒸発器6での蒸発圧力が上昇すると、
その圧力がスライド弁12の受圧部26に加わり、スラ
イド弁12の弁部22の連通孔24とシリンダ15の絞
り孔19とが重なって絞り孔19が全開する。これによ
り、冷媒蒸発器6の出口から入口側冷媒通路16、1次
圧側冷媒通路20、2次圧側冷媒通路21、出口側冷媒
通路18を通って冷媒圧縮機2の吸入口へ戻る冷媒量、
つまり冷凍サイクル1を循環する冷媒量が最大となる。
逆に、自動車用空気調和装置の冷房負荷、つまり冷媒蒸
発器6にかかる負荷が小さくなり、冷媒蒸発器6での蒸
発圧力が低下すると、スライド弁12の弁部22が絞り
孔19を閉じる方向へ変位して冷凍サイクル1を循環す
る冷媒量が絞られる。
【0022】次に、この実施例の蒸発圧力の設定値の変
更方法を図1および図2に基づいて簡単に説明する。温
度調整レバー45の設定位置に基づいて、PTCヒータ
35の通電量を調整することによって、感温筒34の温
度が変更される。これにより、感温筒34内の吸着材4
2による冷媒ガスの吸着量が変化して、その吸着量の変
化に基づいて感温筒34の感温室43内の圧力が変更さ
れる。このため、シリンダ15の絞り孔19を閉じる方
向にスライド弁12の弁部22を付勢するベローズ32
の付勢力が変わるので、冷媒蒸発器6での蒸発圧力に対
するスライド弁12の弁部22の開弁圧が変更される。
【0023】したがって、春、秋等の中間期のように自
動車用空気調和装置の冷房負荷の小さいときに冷媒蒸発
器6の蒸発温度を上げたいとき、すなわち、温度調整レ
バー45の設定位置が図2において図示破線領域内のと
きに、PTCヒータ35により感温筒34の温度を上昇
させると、吸着材42から冷媒ガスが離脱して感温筒3
4の感温室43内の圧力が高くなることによりベローズ
32が伸長する。このため、スプリング31が押し戻さ
れることにより、図2にも示したように、通常の設定値
(例えば約2.0kg/cm2 )に比べて高い蒸発圧力の設
定値(例えば約2.9kg/cm2 )になり、スライド弁1
2が絞り孔19を開き難くなる。したがって、冷房負荷
の小さいときに、冷凍サイクル1の冷媒量が少なくなる
ので、冷媒蒸発器6の冷却能力が抑えられることによ
り、冷媒圧縮機2の省動力化を達成することができる。
【0024】逆に、夏期の冷房運転時のように自動車用
空気調和装置の冷房負荷の大きいときや冬期の除湿運転
のときに冷媒蒸発器6の蒸発温度を下げたいとき、すな
わち、温度調整レバー45の設定位置が図2において図
示破線領域外のときに、PTCヒータ35により感温筒
34の温度を低下させると、吸着材42に冷媒ガスが吸
着されて感温筒34の感温室43内の圧力が低くなるこ
とによりベローズ32が縮む。このため、スプリング3
1が伸長することにより、図2にも示したように、通常
の設定値(例えば約2.0kg/cm2 )に比べて低い蒸発
圧力の設定値(例えば約1.5kg/cm2 )になり、小さ
い蒸発圧力でもスライド弁12が絞り孔19を開くよう
になる。したがって、冷房負荷の大きいときや冬期の除
湿運転のときに、冷凍サイクル1の冷媒量が多くなるの
で、冷媒蒸発器6の冷却能力を向上することができる。
【0025】〔第1実施例の効果〕以上のように、この
実施例では、温度調整レバー45の設定位置に基づい
て、PTCヒータ35の通電量を調整することによっ
て、感温筒34の温度を変更することによって吸着材4
2による冷媒ガスの吸着量が変わる。このため、ベロー
ズ32の圧力室40内の圧力が変化し、ベローズ32に
よるスライド弁12の付勢力が変わる。これにより、温
度調整レバー45の設定位置、すなわち、季節毎の冷房
負荷に基づいて、冷媒蒸発器6での蒸発圧力の設定値を
変更することができる。そして、感温筒34の温度変化
を大きくすればする程、冷媒蒸発器6での蒸発圧力の設
定値を大きく変更することができる。また、従来の技術
のように、冷媒蒸発器の入口と蒸発圧力調整弁とを接続
する導入管やこの導入管を開閉する電磁弁等が不要とな
るので、部品点数を減少でき、冷凍サイクル1の構造の
簡略化を達成することができる。
【0026】〔第2実施例〕図3は本発明の第2実施例
を示したもので、PTCヒータのヒータ制御装置を示し
た図である。この実施例のPTCヒータ35のヒータ制
御装置47は、冷媒蒸発器6の温度やPTCヒータ35
の表面温度を検出する温度センサ48を有している。こ
のヒータ制御装置47は、温度センサ48からの検出温
度が、冷媒蒸発器6での蒸発圧力の目標設定値(例えば
ポジションセンサ44の出力値)に関する目標温度にな
るように、PTCヒータ35の通電量(加熱量)を調整
するフィードバック制御を行う。
【0027】〔変形例〕本実施例では、媒体として吸着
材(活性炭)42と冷媒ガス(フロンR13)を用いた
が、媒体として気液二相状態の冷媒等のようなものを用
いても良い。本実施例では、感温筒34とPTCヒータ
35をベローズ32の外部に設けたが、ベローズ32等
の筒状の付勢手段内に感温部と加熱手段を設けても良
い。本実施例では、加熱手段としてPTCヒータ35を
用いたが、加熱手段としてニクロム線式電気ヒータやペ
ルチェ素子等の他の加熱手段を用いても良い。なお、加
熱手段として、例えば40℃、60℃、80℃のように
キュリー点の異なる複数個のPTCヒータを感温部に熱
的に接触させて、それぞれのPTCヒータをオンするこ
とにより冷媒蒸発器の蒸発圧力の設定値を数段階に変更
しても良い。本実施例では、信号出力手段としてポジシ
ョンセンサ44を用いたが、信号出力手段として冷房負
荷の大小を手動により入力する操作スイッチや外気温、
内気温等の環境条件を検出してその検出値に基づいて変
更信号を出力する制御回路等を用いても良い。
【0028】
【発明の効果】本発明は、冷媒蒸発器での蒸発圧力の設
定値の可変幅を任意に変更できるので、冷媒蒸発器の冷
却能力を飛躍的に向上することができる。また、春、秋
等の中間期のように冷房負荷が小さいとき、通常の設定
値に比べて高い設定値に変更することもできるので、冷
媒圧縮機の省動力化を達成することができる。さらに、
冷凍サイクルの構造の複雑化を防止することにより、冷
凍サイクルの構造の簡略化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる冷凍サイクルに組
み込まれた蒸発圧力調整弁を示した断面図である。
【図2】(a)は温度調整レバーを示した正面図で、
(b)は蒸発圧力の設定値と季節との関係を示すグラフ
である。
【図3】本発明の第2実施例にかかる冷凍サイクルに組
み込まれた蒸発圧力調整弁を示した断面図である。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル 2 冷媒圧縮機 6 冷媒蒸発器 7 蒸発圧力調整弁 11 弁本体 12 スライド弁(弁体) 16 入口側冷媒通路 18 出口側冷媒通路 19 絞り孔 20 1次圧側冷媒通路 21 2次圧側冷媒通路 32 ベローズ(付勢手段) 34 感温筒(感温部) 35 PTCヒータ(加熱手段) 44 ポジションセンサ(信号出力手段) 45 温度調整レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 義昭 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)冷媒蒸発器の出口と冷媒圧縮機の
    吸入口とを連通する冷媒通路を有し、且つこの冷媒通路
    の途中に、前記冷媒通路の通路断面を絞る絞り孔を有す
    る弁本体と、 (b)前記冷媒蒸発器での蒸発圧力に基づいて、前記絞
    り孔の開度を調節する弁体と、 (c)内部に温度変化を圧力変化に変換する媒体が封入
    された感温部を有し、この感温部内の圧力変化に基づい
    た付勢力にて前記弁体を、前記絞り孔を閉じる方向に付
    勢する付勢手段と、 (d)前記冷媒蒸発器での蒸発圧力の設定値の変更信号
    を出力する信号出力手段と、 (e)この信号出力手段からの変更信号に基づいて、前
    記感温部内の媒体を加熱する加熱手段とを備えた蒸発圧
    力調整弁。
JP5083116A 1993-04-09 1993-04-09 蒸発圧力調整弁 Pending JPH06300391A (ja)

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JP5083116A JPH06300391A (ja) 1993-04-09 1993-04-09 蒸発圧力調整弁

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100456520B1 (ko) * 2002-09-16 2004-11-10 기아자동차주식회사 차량용 에어컨의 팽창밸브 시스템
KR101222507B1 (ko) * 2006-09-19 2013-01-15 한라공조주식회사 차량용 듀얼타입 공조장치의 후방 팽창밸브
CN114846285A (zh) * 2020-02-04 2022-08-02 株式会社电装 制冷循环装置
WO2023032481A1 (ja) * 2021-09-03 2023-03-09 株式会社不二工機 圧力調整弁

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