JPH06299957A - ピストン式圧縮機における冷媒ガス吸入構造 - Google Patents

ピストン式圧縮機における冷媒ガス吸入構造

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JPH06299957A
JPH06299957A JP5086564A JP8656493A JPH06299957A JP H06299957 A JPH06299957 A JP H06299957A JP 5086564 A JP5086564 A JP 5086564A JP 8656493 A JP8656493 A JP 8656493A JP H06299957 A JPH06299957 A JP H06299957A
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JP
Japan
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rotary
diameter end
valve
rotary valve
suction
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Application number
JP5086564A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Fujii
俊郎 藤井
Hitoshi Inukai
均 犬飼
Kazuaki Iwama
和明 岩間
Yuichi Kato
友一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 体積効率の高いピストン式圧縮機を提供す
る。 【構成】 シリンダボア13A,14A内の両頭ピスト
ン15Aを前後動する斜板10が回転軸7上に支持され
ている。回転軸7にはロータリバルブ33,34が回転
軸7上に支持されている。ロータリバルブ33,34の
周面33a,34aはテーパ形状であり、ロータリバル
ブ33,34が収容孔43,44内に収容されている。
ロータリバルブ33,34の大径端部33c,34cに
はシール力付与ばね41,42のばね力が作用してい
る。収容品43,44はテーパ周面43a,44aとス
トレート周面43b,44aとからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転軸の周囲に配列さ
れた複数のシリンダボア内にピストンを収容すると共
に、回転軸の回転に連動してピストンを往復動させるピ
ストン式圧縮機における冷媒ガス吸入構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来のピストン式圧縮機では、ピストン
によってシリンダボア内に区画される圧縮室と吸入室と
の間の吸入ポートが圧縮室内のフラッパ弁によって開閉
されるようになっている。吸入室内の冷媒ガスは上死点
側から下死点側へ移動するピストンの吸入動作によって
フラッパ弁を押し開いて圧縮室へ流入する。ピストンが
下死点側から上死点側へ移動する吐出行程ではフラッパ
弁が吸入ポートを閉じ、圧縮室内の冷媒ガスが吐出ポー
トから吐出室へ吐出される。
【0003】フラッパ弁の開閉動作は圧縮室と吸入室と
の間の圧力差に基づくものでり、吸入室の圧力が圧縮室
の圧力よりも高ければフラッパ弁は撓み変形して吸入ポ
ートを開く。吸入室の圧力が圧縮室の圧力よりも高くな
るのは上死点側から下死点側へ移動するピストンの吸入
動作時である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】弾性変形であるフラッ
パ弁の撓み変形は弾性抵抗として作用し、吸入室の圧力
が圧力室の圧力をある程度上回らなければフラッパ弁は
開放しない。即ち、フラッパ弁の開放が遅れる。圧縮機
内の潤滑を行うために冷媒ガス中には潤滑油が混入され
ており、この潤滑油が冷媒ガスとともに圧縮機内の必要
な潤滑部位に送り込まれる。この潤滑油は冷媒ガスの流
通領域ならばどこへでも入り込み可能であり、吸入ポー
トを閉じているフラッパ弁とその密接面との間にも潤滑
油が付着する。この付着潤滑油は前記密接面とフラッパ
弁との間の密接力を高め、フラッパ弁の撓み変形開始が
一層遅れる。このような撓み変形開始遅れは圧縮室への
冷媒ガス流入量の低下、すなわち体積効率の低下をもた
らす。また、フラッパ弁が開いている場合にもフラッパ
弁の弾性抵抗が吸入抵抗として作用し、冷媒ガス流入量
が低下する。
【0005】本発明は体積効率を向上するピストン式圧
縮機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボア内にピス
トンを収容すると共に、回転軸の回転に連動してピスト
ンを往復動させるピストン式圧縮機を対象とし、ピスト
ンによってシリンダボア内に区画される圧縮室に冷媒ガ
スを導入するための吸入通路をロータリバルブ内に形成
し、前記ロータリバルブの摺接周面をテーパ形状とする
と共に、ロータリバルブを収容する収容孔の内周面をテ
ーパ形状とし、ピストンの往復動に同期して前記圧縮室
と前記吸入通路とを順次連通するように前記ロータリバ
ルブを前記収容孔に収容し、ロータリバルブの小径端部
側の周面には非摺接領域を設け、ロータリバルブを大径
端部側から小径端部側に付勢するシール力をロータリバ
ルブに作用させた。
【0007】
【作用】ロータリバルブ内の吸入通路はロータリバルブ
の回転に伴って複数の圧縮室に順次連通する。この連通
は圧縮室に対するピストンの吸入動作に同期して行われ
る。吸入通路と圧縮室とが連通している時にピストンが
下死点側へ向かい、圧縮室の圧力が吸入通路の圧力(吸
入圧)以下まで低下していく。この圧力低下により吸入
通路の冷媒ガスが圧縮室へ流入する。
【0008】ロータリバルブの大径端部側にはばね力、
あるいは小径端部側よりも高圧の冷媒ガス圧を作用させ
ることにより、ロータリバルブは大径端部側から小径端
部側へ付勢される。この付勢によりロータリバルブのテ
ーパ周面が収容孔のテーパ内周面に押接され、ロータリ
バルブのテーパ周面におけるシール確保が図られる。
【0009】ロータリバルブの回転に伴ってロータリバ
ルブのテーパ周面と収容孔のテーパ周面との間で摩耗が
生じた場合、ロータリバルブはこの摩耗分だけ大径端部
側から小径端部側へ変位する。ロータリバルブのテーパ
周面全体が収容孔のテーパ周面に摺接しているとする
と、前記摩耗に伴ってロータリバルブの小径端部の周縁
が収容孔のテーパ内周面にくい込んでゆく。このような
くい込みはロータリバルブのテーパ周面と収容孔のテー
パ内周面との間のシール性を低下させる。ロータリバル
ブの小径端部側の周面を非摺接領域とすることによって
小径端部の周縁が収容孔のテーパ内周面にくい込むこと
はなくなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を斜板式圧縮機に具体化した一
実施例を図1〜図6に基づいて説明する。
【0011】図1に示すように接合された前後一対のシ
リンダブロック1,2の中心部には収容孔43,44が
貫設されている。シリンダブロック1,2の端面にはバ
ルブプレート3,4が接合されており、バルブプレート
3,4には支持孔3a,4aが貫設されている。支持孔
3a,4aの周縁には環状の位置決め突起3b,4bが
突設されており、位置決め突起3b,4bは収容孔4
3,44に嵌入されている。バルブプレート3,4及び
シリンダブロック1,2にはピン5,6が挿通されてお
り、シリンダブロック1,2に対するバルブプレート
3,4の回動がピン5,6により阻止されている。
【0012】バルブプレート3,4の支持孔3a,4a
には回転軸7が円錐コロ軸受け8,9を介して回転可能
に支持されている。バルブプレート3,4と回転軸7と
の間にはシールリング45,46が介在されている。回
転軸7には斜板10が固定支持されている。斜板室11
を形成するシリンダブロック1,2には導入口12が形
成されており、導入口12には図示しない外部吸入冷媒
ガス管路が接続されている。
【0013】図3及び図4に示すように回転軸7を中心
とする等間隔角度位置には複数のシリンダボア13,1
3A,14,14Aが形成されている。図1に示すよう
に前後で対となるシリンダボア13,14,13A,1
4A(本実施例では5対)内には両頭ピストン15,1
5Aが往復動可能に収容されている。両頭ピストン1
5,15Aと斜板10の前後両面との間には半球状のシ
ュー16,17が介在されている。従って、斜板10が
回転することによって両頭ピストン15,15Aがシリ
ンダボア13,14,13A,14A内を前後動する。
【0014】シリンダブロック1の端面にはフロントハ
ウジング18が接合されており、シリンダブロック2の
端面にもリヤハウジング19が接合されている。図5及
び図6に示すように両ハウジング18,19の内壁面に
は複数の押さえ突起18a,19aが突設されている。
押さえ突起18aと円錐コロ軸受け8の外輪8aとの間
には環状板形状の予荷重付与ばね20が介在されてい
る。押さえ突起19aは円錐コロ軸受け9の外輪9aに
当接している。外輪8a,9aと共にコロ8c,9cを
挟む内輪8b,9bは回転軸7の段差部7a,7bに当
接している。シリンダブロック1、バルブプレート3及
びフロントハウジング18はボルト21により締め付け
固定されている。シリンダブロック2、バルブプレート
4及びリヤハウジング19はボルト22により締め付け
固定されている。円錐コロ軸受け8,9は回転軸7に対
するラジアル方向の荷重及びスラスト方向の荷重の両方
を受け止める。ボルト21の締め付けは予荷重付与ばね
20を撓み変形させ、この撓み変形が円錐コロ軸受け8
を介して回転軸7にスラスト方向の予荷重を与える。
【0015】両ハウジング18,19内には吐出室2
3,24が形成されている。両頭ピストン15,15A
によりシリンダボア13,14,13A,14A内に区
画される圧縮室Pa,Pbはバルブプレート3,4上の
吐出ポート3c,4cを介して吐出室23,24に接続
している。吐出ポート3c,4cはフラッパ弁型の吐出
弁25,26により開閉される。吐出弁25,26の開
度はリテーナ27,28により規制される。吐出弁2
5,26及びリテーナ27,28はボルト29,30に
よりバルブプレート3,4上に締め付け固定されてい
る。吐出室23は排出通路31を介して図示しない外部
吐出冷媒ガス管路に連通している。
【0016】32は回転軸7の周面に沿った吐出室23
から圧縮機外部への冷媒ガス漏洩を防止するリップシー
ルである。回転軸7上の段差部7a,7bにはロータリ
バルブ33,34がスライド可能に支持されている。ロ
ータリバルブ33,34と回転軸7との間にはシールリ
ング35,36が介在されている。ロータリバルブ3
3,34は回転軸7と一体的に図3の矢印Q方向に回転
可能に収容孔43,44内に収容されている。
【0017】図2に示すように収容孔43,44はテー
パ周面43a,44aとストレート周面43b,44b
とからなり、シリンダブロック1,2の端面側から内部
に向かうにつれて拡径となっている。ロータリバルブ3
3,34の周面33a,34aは収容孔43,44テー
パ周面43a,44aと同形のテーパにしてある。ロー
タリバルブ33,34のテーパ周面33a,34aは収
容孔43,44のテーパ周面43a,44aにぴったり
と嵌合可能である。即ち、ロータリバルブ33の小径端
部33bは吐出室23側を向き、ロータリバルブ33の
大径端部33cは斜板室11側を向いている。又、ロー
タリバルブ34の小径端部34bは吐出室24側を向
き、ロータリバルブ34の大径端部34cは斜板室11
側を向いている。小径端部33b,34bはバルブプレ
ート3,4から離間している。
【0018】ロータリバルブ33,34の大径端部33
c,34cと斜板10との間にはシール力付与ばね4
1,42が介在されている。シール力付与ばね41,4
2はロータリバルブ33,34を大径端部33c,34
c側から小径端部33b,34b側へ付勢している。テ
ーパ周面33a,34aはシール力付与ばね41,42
のばね力によって収容孔43,44のテーパ周面43
a,44aに密接する。
【0019】収容孔43,44のストレート周面43
b,44bはテーパ周面43a,44aの小径側に接続
しており、ロータリバルブ33,34の小径端部33
b,34bがテーパ周面43a,44aからストレート
周面43b,44b側へ突出している。従って、小径端
部33b,34bの径はストレート周面43b,44b
の径よりも小さく、小径端部33b,34b側のテーパ
周面33a1 ,34a1 とストレート周面43b,44
bとの間には間隙がある。即ち、小径端部33b,34
b側のテーパ周面が収容孔43,44に対して非摺接領
域33a1 ,34a 1 となっている。
【0020】ロータリバルブ33,34内には吸入通路
37,38が形成されている。吸入通路37,38の入
口37a,38aは大径端部33c,34c上に開口し
ており、吸入通路37,38の出口37b,38bはテ
ーパ周面33a,34a上に開口している。
【0021】図3に示すようにロータリバルブ33を収
容する収容孔43の内周面にはシリンダボア13,13
Aと同数の吸入ポート1aが等間隔角度位置に配列形成
されている。吸入ポート1aとシリンダボア13,13
Aとは1対1で常に連通しており、各吸入ポート1aは
吸入通路37の出口37bの周回領域に接続している。
【0022】同様に、図4に示すようにロータリバルブ
34を収容する収容孔44の内周面にはシリンダボア1
4,14Aと同数の吸入ポート2aが等間隔角度位置に
配列形成されている。吸入ポート2aとシリンダボア1
4,14Aとは1対1で常に連通しており、各吸入ポー
ト2aは吸入通路38の出口38bの周回領域に接続し
ている。
【0023】図1、図3及び図4に示す状態では両頭ピ
ストン15Aは一方のシリンダボア13Aに対して上死
点位置にあり、他方のシリンダボア14Aに対して下死
点位置にある。両頭ピストン15Aがシリンダボア13
に対して上死点位置から下死点位置に向かう吸入行程に
入ったときには吸入通路37はシリンダボア13Aの圧
縮室Paに連通する。この連通により斜板室11内の冷
媒ガスが吸入通路37を経由してシリンダボア13Aの
圧縮室Paに吸入される。一方、両頭ピストン15Aが
シリンダボア14Aに対して下死点位置から上死点位置
に向かう吐出行程に入ったときには吸入通路38はシリ
ンダボア14Aの圧縮室Pbとの連通を遮断される。こ
の連通遮断によりシリンダボア14Aの圧縮室Pb内の
冷媒ガスが吐出弁26を押し退けつつ吐出ポート4cか
ら吐出室24に吐出される。
【0024】このような冷媒ガスの吸入及び吐出は他の
シリンダボア13,14の圧縮室Pにおいても同様に行
われる。回転軸7の一端はフロントハウジング18から
外部に突出しており、他端はリヤハウジング19側の吐
出室24内に突出している。回転軸7の軸心部には吐出
通路39が形成されている。吐出通路39は吐出室24
に開口している。フロントハウジング18側の吐出室2
3によって包囲される回転軸7の周面部位には導出口4
0が形成されており、吐出室23と吐出通路39とが導
出口40によって連通されている。従って、前後の吐出
室23,24が吐出通路39によって連通しており、吐
出室24の冷媒ガスは吐出通路39から吐出室23に合
流する。
【0025】フラッパ弁型の吸入弁の場合には、潤滑油
が吸入弁とその密接面との間の吸着力を大きくしてしま
い、吸入弁の開放開始タイミングが前記吸着力によって
遅れる。この遅れ、吸入弁の弾性抵抗による吸入抵抗が
体積効率を低下させる。しかしながら、強制回転される
ロータリバルブ33,34の採用では潤滑油に起因する
吸着力及び吸入弁の弾性抵抗による吸入抵抗の問題はな
く、圧縮室Pa,Pb内の圧力が斜板室11内の吸入圧
をわずかに下回れば冷媒ガスが直ちに圧縮室Pa,Pb
に流入する。従って、ロータリバルブ33,34採用の
場合には体積効率がフラッパ弁型の吸入弁採用の場合に
比して大幅に向上する。
【0026】斜板室11内の冷媒ガスは圧縮室Pa,P
b内の圧力が斜板室11内の圧力を下回ると圧縮室P
a,Pbに吸入される。斜板室11から圧縮室Pa,P
bに到る冷媒ガス流路における流路抵抗、即ち吸入抵抗
が高ければ圧力損失が大きくなり、圧縮効率が低下す
る。ロータリバルブ33,34を採用することにより斜
板室11から圧縮室Pa,Pbに到る冷媒ガス流路長が
短くなり、吸入抵抗が従来より低減する。従って、損失
が減り、圧縮効率が向上する。
【0027】斜板室11は吸入圧領域であり、吐出室2
3,24は吐出圧領域である。そのため、吐出室23,
24の吐出冷媒ガスが収容孔43,44側へ洩れようと
すくが、この漏洩はシールリング45,46によって阻
止される。
【0028】圧縮室P,Pa,Pbが吐出行程にあると
きには吸入ポート1a,2aと吸入通路37,38との
連通が遮断されるが、圧縮室P,Pa,Pbに連通する
吸入ポート1a,2a内は圧縮室P,Pa,Pb内と同
じように昇圧する。そのため、収容孔43,44のテー
パ周面43a,44aとロータリバルブ33,34のテ
ーパ周面33a,34aとの間のシール性が高くなけれ
ば圧縮室P,Pa,Pbの冷媒ガスが斜板室11側へ漏
洩する。しかし、テーパ周面33a,43a間及びテー
パ周面34a,44a間はシール力付与ばね41,42
のばね力によってシール性を高められており、テーパ周
面33a,43a間及びテーパ周面34a,44a間か
らの冷媒ガス漏洩は生じない。このような冷媒ガス漏洩
防止は体積効率の向上に寄与する。
【0029】収容孔43,44のテーパ周面43a,4
4aとロータリバルブ33,34のテーパ周面33a,
34aとの摺接は摺接周面における摩耗をもたらす。摩
耗の進行に伴い、ロータリバルブ33,34はシール力
付与ばね41,42のばね力によって大径端部33c,
34c側から小径端部33b,34b側へ前記摩耗分だ
け変位する。即ち、ロータリバルブ33,34はテーパ
周面33a,34a,43a,44aの摺接摩耗の進行
に伴ってバルブプレート3,4へ接近してゆく。
【0030】仮に、収容孔43,44の内周面が全てテ
ーパ周面であるとすると、収容孔43,44の最小径は
ロータリバルブ33,34の小径端部33b,34bの
径よりも小さくなる。そのため、小径端部33b,34
bの周縁も摺接摩耗することになり、摺接摩耗が進行す
ると小径端部33b,34bの周縁が収容孔の周壁にく
い込んでゆくことになる。このようなくい込み部が生じ
ると、シール力付与ばね41,42のばね力が前記くい
込み部に集中することになり、ロータリバルブ33,3
4のテーパ周面33a,34aと収容孔のテーパ周面と
の間の密接力が低下する。テーパ周面33a,34aと
収容孔のテーパ周面との間の密接力の低下は両者間のシ
ール性低下を意味する。
【0031】しかし、本実施例では収容孔43,44の
小径側にストレート周面43b,44bが設けられてお
り、このストレート周面43b,44bの径はロータリ
バルブ33,34の小径端部33b,34bの径よりも
大きくなっている。このような構成のため、摺接摩耗に
よってロータリバルブ33,34がバルブプレート3,
4に接近していっても、小径端部33b,34bの周縁
が収容孔43,44の周面にくい込むことはない。従っ
て、テーパ周面33a,43a間及びテーパ周面34
a,44a間はシール力付与ばね41,42のばね力に
よって常に一定圧で密接し、テーパ周面33a,43a
間及びテーパ周面34a,44a間は常に良好に摺接す
る。即ち、ロータリバルブ33,34と収容孔43,4
4との間のシールは自己補充機能を有し、シール性が低
下することはない。
【0032】ロータリバルブ33,34の線膨張係数と
シリンダブロック1,2の線膨張係数とが異なっていて
もシールの自己補充機能は常に確保される。従って、圧
縮機内の温度変化に対してもシール性能は変化しない。
しかも、ロータリバルブ33,34を合成樹脂製とする
こともでき、ロータリバルブ33,34の摺接周面33
a,34aのテーパ構成は圧縮機の軽量化にも寄与す
る。
【0033】本発明は勿論前記実施例にのみ限定される
ものではなく、例えば図7に示す実施例も可能である。
この実施例では、ロータリバルブ47,48のテーパ周
面47a,48aが前記実施例とは逆向きであり、前記
実施例のシールリング45,46が省略してある。従っ
て、ロータリバルブ47,48の小径端部47b,48
bは吸入圧領域に露出しており、大径端部47c,48
cは吐出圧領域に露出している。即ち、ロータリバルブ
47,48は吐出冷媒ガス圧によって大径端部47c,
48c側から小径端部47b,48b側に向けて付勢さ
れる。この付勢によりロータリバルブ47,48のテー
パ周面47a,48aが収容孔49,50のテーパ周面
49a,50aに押接され、ロータリバルブ47,48
と収容孔49,50との間のシール性が確保されてい
る。収容孔49,50の小径側にはストレート周面49
b,50bが設けられており、小径端部47b,48b
がストレート周面49b,50b内に入り込んでいる。
ロータリバルブ47,48は摺接摩耗に伴って前記吐出
冷媒ガス圧によって大径端部47c,48c側から小径
端部47b,48b側へ変位する。しかし、ストレート
周面49b,50bと小径端部47b,48b側の周面
との間に間隙ができ、小径端部47b,48b側の周面
が非摺接領域47a1 ,48a1 となる。従って、小径
端部47b,48bの周縁が収容孔49,50の周面に
くい込むことはなく、ロータリバルブ47,48と収容
孔49,50との間のシール性は前記実施例と同様に常
に良好である。
【0034】又、図8及び図9に示すように可変容量型
の揺動斜板式圧縮機に本発明を具体化した実施例も可能
である。図8に示すようにシリンダブロック51及びフ
ロントハウジング52には回転軸54が円錐コロ軸受け
66A,66Bを介して回転可能に支持されている。回
転軸54に止着された回転支持体55には回転駆動体5
6がアーム55a上の長孔55bとピン57との係合に
より傾斜角可変に連結支持されている。回転駆動体56
は回転軸54上のガイドスリーブ58の左右両側に突設
された軸ピン58aにより揺動可能に支持されており、
回転駆動体56上には揺動斜板59が相対回転可能に支
持されている。
【0035】複数のシリンダボア51a(本実施例では
6つ)内の各ピストン60,60A,60Bはピストン
ロッド60aを介して揺動斜板59に連結されている。
回転軸54の回転運動は回転支持体55及び回転駆動体
56を介して揺動斜板59の前後往復揺動に変換され、
ピストン60,60A,60Bがシリンダボア51a内
を前後動する。
【0036】シリンダブロック51とリヤハウジング5
3との間にはバルブプレート61、弁形成プレート62
及びリテーナ形成プレート63が挟まれている。リヤハ
ウジング53内の吐出室53aと圧縮室P,P1 ,P2
とはバルブプレート61上の吐出ポート61aを介して
繋がっている。弁形成プレート62上の吐出弁62aは
吐出室53a側で吐出ポート61aを開閉し、リナーナ
形成プレート63上のリテーナ63aは吐出弁62aの
撓み変形量を規制する。
【0037】シリンダブロック51及びリヤハウジング
53の対向端面中心部には収容凹部51b,53bが形
成されており、回転軸54の端部が収容凹部51b内に
突出している。両収容凹部51b,53bは回転軸54
の軸方向に軸芯を持つ円錐形状の収容室を形成し、収容
室51b,53b内にはロータリバルブ64が回転可能
に収容されている。ロータリバルブ64の周面64aは
テーパになっており、収容室51bも同様のテーパとな
っている。収容室53bの周面はストレート形状であ
る。
【0038】収容凹部53bの端面とロータリバルブ6
4の小径端部64bとの間には間隙が設けられており、
ロータリバルブ64の大径端部64cにはカップリング
65が嵌入固定されている。収容凹部51b内に突出す
る回転軸54の突出端部54aとカップリング65とは
相対回転不能かつスライド可能に嵌合している。ロータ
リバルブ64は回転軸54と一体的に収容室51b,5
3b内で図9の矢印R方向に回転する。
【0039】ロータリバルブ64内には吸入通路67が
形成されている。ロータリバルブ64の小径端部64b
には吸入通路67の入口67aが形成されており、ロー
タリバルブ64のテーパ周面64aには吸入通路67の
出口56bが形成されている。リヤハウジング53の中
心部には導入口53cが収容凹部53bに接続するよう
に形成されており、吸入通路67の入口67aが導入口
53cに連通している。
【0040】収容凹部51bの周面には圧縮室P,
1 ,P2 と同数の吸入ポート51cが等間隔角度位置
に配列形成されている。各吸入ポート51cは吸入通路
67の出口67bの周回領域に接続している。図8及び
図9に示す状態ではピストン60Aは上死点位置にあ
り、180°の回転対称位置にあるピストン60Bは下
死点位置にある。
【0041】圧縮室P,P1 ,P2 内へ吸入された冷媒
ガスはピストンが下死点位置から上死点位置に向かう吐
出動作によって圧縮されつつ吐出室53a吐出される
が、クランク室52a内の圧力と圧縮室内の吸入圧との
ピストンを介した差圧に応じてピストンのストロークが
変わり、圧縮容量を左右する揺動斜板59の傾斜角が変
化する。クランク室52a内の圧力は、吐出圧領域の冷
媒ガスをクランク室52aへ供給するとともに、図示し
ない制御弁機構によってクランク室52a内の冷媒ガス
を吸入圧領域へ放出制御することによって行われる。即
ち、クランク室52aは吸入圧領域よりも高圧の圧力領
域となる。
【0042】クランク室52a内の圧力はロータリバル
ブ64の大径端部64cに作用しており、導入口53c
内の圧力はロータリバルブ64の小径端部64bに作用
している。この圧力作用によりロータリバルブ64は大
径端部64c側から小径端部64b側へ付勢され、ロー
リバルブ64のテーパ周面64aが収容室51b,53
bのテーパ周面に押接される。ストレート周面形状の収
容室53bとテーパ周面64aとの間に間隙ができ、小
径端部64b側の周面が非摺接領域64a1 となる。従
って、小径端部64bの周縁が収容孔53bの周面にく
い込むことはなく、ロータリバルブ64とテーパ周面の
収容室51bとの間のシール性は前記各実施例と同様に
常に良好である。従って、圧縮室の高圧冷媒ガスがロー
タリバルブ64の摺接周面64aから導入口53cある
いはクランク室52a側へ漏洩することはない。
【0043】さらに本発明では、収容孔全体をテーパ周
面とし、ロータリバルブの小径端部側の周面をロータリ
バルブの軸線方向に向かうにつれて湾曲する曲面とした
実施例も可能である。この曲面部位と収容孔のテーパ周
面との間には間隙ができ、前記曲面部位が非摺接領域と
なる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、ロータリ
バルブ内の吸入通路を経て圧縮室に冷媒ガスを導入し、
ロータリバルブの摺接周面をテーパ形状とする共に、ロ
ータリバルブの小径端部側の周面には非摺接領域を設
け、ロータリバルブを大径端部側から小径端部側に付勢
するシール力をロータリバルブに作用させたので、ロー
タリバルブの周面におけるシール性が常に高い状態に確
保され、体積効率を向上し得るという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した一実施例を示す圧縮機全
体の側断面図である。
【図2】 要部拡大側断面である。
【図3】 図1のA−A線断面図である。
【図4】 図1のB−B線断面図である。
【図5】 図1のC−C線断面図である。
【図6】 図1のD−D線断面図である。
【図7】 別例を示す圧縮機全体の側断面図である。
【図8】 別例を示す圧縮機全体の側断面図である。
【図9】 図8のE−E線断面図である。
【符号の説明】
7…回転軸、33,34…ロータリバルブ、33a,3
4a…テーパ周面、33b,34b…小径端部、33
c,34c…大径端部、33a1 ,34a1 …非摺接領
域、37,38…吸入通路、41,42…シール力付与
ばね、43,44…収容孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 友一 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸の周囲に配列された複数のシリンダ
    ボア内にピストンを収容すると共に、回転軸の回転に連
    動してピストンを往復動させるピストン式圧縮機におい
    て、 ピストンによってシリンダボア内に区画される圧縮室に
    冷媒ガスを導入するための吸入通路をロータリバルブ内
    に形成し、前記ロータリバルブの摺接周面をテーパ形状
    とすると共に、ロータリバルブを収容する収容孔の内周
    面をテーパ形状とし、ピストンの往復動に同期して前記
    圧縮室と前記吸入通路とを順次連通するように前記ロー
    タリバルブを前記収容孔に収容し、ロータリバルブの小
    径端部側の周面には非摺接領域を設け、ロータリバルブ
    を大径端部側から小径端部側に付勢するシール力をロー
    タリバルブに作用させたピストン式圧縮機における冷媒
    ガス吸入構造。
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