JP3517938B2 - 往復動型圧縮機における冷媒ガス吸入構造 - Google Patents

往復動型圧縮機における冷媒ガス吸入構造

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JP3517938B2 JP07600194A JP7600194A JP3517938B2 JP 3517938 B2 JP3517938 B2 JP 3517938B2 JP 07600194 A JP07600194 A JP 07600194A JP 7600194 A JP7600194 A JP 7600194A JP 3517938 B2 JP3517938 B2 JP 3517938B2
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俊郎 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動軸の周囲に配列さ
れた複数のシリンダボア内にピストンを収容すると共
に、駆動軸の回転に連動してピストンを往復動させる往
復動型圧縮機における冷媒ガス吸入構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平5−71467号公
報記載の斜板式圧縮機のように、シリンダブロックに駆
動軸と平行に形成された複数のシリンダボア内で各ピス
トンが往復動することにより、冷媒ガスの圧縮を行う往
復動型圧縮機が知られている。この種の圧縮機では、シ
リンダブロックの中心軸孔内に駆動軸が嵌挿支承され、
各ピストンはこの駆動軸と共同するクランク室内の斜板
に連係されて各シリンダボア内を直動する。シリンダブ
ロックの端面には、弁板を介してハウジングが接合さ
れ、このハウジングにはシリンダボア内でピストンによ
って圧縮された冷媒ガスが吐出される吐出室が形成され
ている。また、シリンダブロック内の各シリンダボアと
中心軸孔との間には、各シリンダボアと中心軸孔とを放
射状に連通する導通路が形成されている。導通路はシリ
ンダブロックの端面に形成された溝部に弁板を接合する
ことによって構成されているため、シリンダボア内を移
動するピストンの上死点付近に開口するように設けられ
ている。また、駆動軸にはその回転に同期して回転を行
うロータリバルブが結合されている。ロータリバルブに
は、吸入行程中のシリンダボアと結ばれた導通路と中心
軸孔内の吸入室とを順次連通する吸入通路が形成されて
いる。そして、駆動軸と同期してロータリバルブが回転
することにより、ピストンが吸入行程にある間、吸入室
の冷媒ガスが順次吸入通路及び導通路を経て各シリンダ
ボア内に吸入される。また、シリンダボア内から吐出室
への冷媒ガスの吐出は、ピストンの上死点位置への移動
により、弁板に形成された吐出ポートと、この吐出ポー
トの吐出室側に設けられてシリンダボア内の圧力に応じ
て吐出ポートを開放する吐出弁とを介して行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の圧縮機では、導通路がシリンダボア内の上死点付近
で開口しているため、ピストンの圧縮行程の終了間際の
ガス、つまりより高圧のガスが導通路に閉じ込められる
こととなり、残留ガス量が増大する。このような残留ガ
スは、ピストンの下死点位置への退動に伴って再膨張す
るため、吸入室からシリンダボア内への冷媒ガス吸入量
の減少を招くことになり、体積効率を悪化させる。
【0004】そこで、シリンダボア内において、導通路
を上死点側から下死点側に若干ずらした位置に開口する
ことによって、残留ガスの減少を図ることが考えられ
る。この場合、導通路はシリンダブロック内において成
形されることになるため、ロータリバルブの吸入通路に
連通する孔部を成形する必要が生じる。そして、加工を
容易にならしめるため、導通路の孔部はドリル等を以て
成形され、その断面及び開口面は円形状に成形されるこ
とになる。このように、導通路の開口面が円形状になっ
ている場合は、ピストンの下死点位置への退動に伴っ
て、導通路の開口面積は徐々に大きくなる。
【0005】そのため、図7に実線(点線と実線で囲ま
れる面積)で示すように、開口面積が変化する区間Aに
おいて、顕著な吸入圧損を確認することができる。これ
は、吸入行程における初期の開口面積が狭いために、導
通路において絞りが生じるためであると考えられる。そ
のため、吸入行程におけるピストンには、絞りによる駆
動抵抗が生じることにより、大きな駆動力が要求される
ことになり、圧縮機の動力損失の原因になるものと考え
られる。その解決策として、シリンダボア側の開口面の
開口面積を大きくすることが考えられる。しかし、単純
に導通路の開口面積を大きくすると、シリンダブロック
内のデッドボリュームの増大を招いてしまう。このデッ
ドボリュームの増大は、上述した残留ガス量の増加を促
すことになってしまい、吸入室からシリンダボア内への
冷媒ガス吸入量の減少を招くことになり、体積効率を悪
化させてしまうという問題がある。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は吸入行程において速やか
でかつ安定した冷媒ガス吸入を達成することにより、吸
入圧損による駆動力の負荷を軽減することができる往復
動型圧縮機における冷媒ガス吸入構造を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、シリンダブロックに対し
駆動軸を取り巻くように配列された複数のシリンダボア
内にピストンを収容すると共に、前記駆動軸の回転に連
動して前記ピストンを往復動させることにより、吸入路
から冷媒ガスをシリンダボア内に区画される圧縮室へ吸
入し、圧縮された冷媒ガスを吐出室へ吐出するように構
成した往復動型圧縮機において、前記シリンダブロック
内に設けられ、前記駆動軸と同軸上に位置する収容孔
と、該収容孔に摺接嵌合され、前記駆動軸に対し同期回
転可能に支持されると共に、前記吸入路から吸入行程中
の前記圧縮室へ冷媒ガスを吸入するための吸入通路が形
成されたロータリバルブと、前記収容孔と前記圧縮室と
を連通すると共に、前記ピストンが上死点に到達する前
に該ピストンの外周面により閉鎖される位置に配設さ
れ、且つ上死点側端部の軸方向に対する直交方向の幅が
下死点側の該幅以上に形成された開口面を有する導通路
とを備えたことをその要旨とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
発明において、前記開口面における前記幅は、上死点側
より下死点側が短くなるように形成されていることをそ
の要旨とする。
【0009】
【作用】上記構成を採用したことにより、請求項1、2
に記載の発明では、ロータリバルブに形成した吸入通路
の出口は該ロータリバルブの回転に伴って複数の導通路
に順次連通する。このため、吸入路と圧縮室は吸入通路
及び導通路を通して順次連通される。この連通は各圧縮
室に対するピストンの吸入動作に同期して行われる。吸
入通路と圧縮室とが連通している時に、ピストンが下死
点側へ向かい、圧縮室の圧力が吸入通路の圧力(吸入圧
力)以下まで低下していく。この圧力低下により吸入路
の冷媒ガスが吸入通路及び導通路を介して圧縮室へ流入
する。
【0010】ピストンが上死点側から下死点側に向かう
吸入行程において、吸入通路と連通する導通路の圧縮室
側の開口面積はピストンの退動に伴って増加する。その
開口面積が増加する初期の段階において、導通路の圧縮
室側の開口面は、充分に開口された状態となる。そのた
め、導通路内の冷媒ガスは、ほとんど絞りを受けること
がなく、ピストンの退動による吸入負圧により圧縮室内
に円滑に流入される。
【0011】冷媒ガスの吐出動作時には、吸入通路と圧
縮行程中の圧縮室との連通は、ロータリバルブの外周面
によって遮断される。そのため、圧縮室内に吸入された
ガスは圧縮され、ピストンの移動に伴って圧力が上昇す
る。そして、圧縮ガスの圧力が最大となる上死点にピス
トンが到達する前に吸入通路と圧縮室とを連通する導通
路の圧縮室側の開口面がピストンの外周面により閉鎖さ
れる。そして、圧縮室の冷媒ガスは、設定圧以上になる
と吐出室へ吐出される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図5に基づいて説明する。図2に示すように、接合され
た前後一対のシリンダブロック1、2の中心部には収容
孔1a,2aが貫設されている。又、シリンダブロック
1、2の端面にはフロントハウジング3及びリアハウジ
ング4がバルブプレート5、6を介して接合されてい
る。バルブプレート5、6には支持孔5a、6aが貫設
されている。支持孔5a、6aの周縁には環状の位置決
め突起5b、6bがシリンダブロック1、2側に向けて
突設されており、位置決め突起5b、6bは収容孔1
a,2aに嵌挿されている。シリンダブロック1、2、
バルブプレート5、6及び両ハウジング3、4にはピン
7、8が挿通されており、シリンダブロック1、2に対
するバルブプレート5、6及び両ハウジング3、4の回
動がピン7、8により阻止されている。シリンダブロッ
ク1、バルブプレート5及びフロントハウジング3はボ
ルト9により、又、シリンダブロック2、バルブプレー
ト6及びリアハウジング4はボルト10によって締付固
定されている。
【0013】バルブプレート5、6の支持孔5a、6a
には駆動軸11が円錐コロ軸受け12、13を介して回
転可能に支持されている。駆動軸11に対するラジアル
方向の荷重及びスラスト方向の荷重は、該円錐コロ軸受
け12、13によって受け止められる。フロントハウジ
ング3と円錐コロ軸受け12との間には、予荷重付与バ
ネ14が介在されている。駆動軸11にはボルト9の締
付力による該予荷重付与バネ14の撓み変形により、円
錐コロ軸受け12を介してスラスト方向の予荷重が与え
られている。バルブプレート5、6と駆動軸11との間
にはシールリング15、16が介在されている。駆動軸
11には斜板17が固定支持されている。吸入路として
の斜板室18を形成するシリンダブロック1、2には導
入口19が形成されており、導入口19には図示しない
外部吸入冷媒ガス管路が接続されている。
【0014】図3及び図4に示すように駆動軸11を中
心とする等間隔角度位置には複数のシリンダボア20、
21が形成されている。図2に示すように前後で対とな
るシリンダボア20、21(本実施例では5対)内には
両頭ピストン22が往復動可能に収容されている。両頭
ピストン22と斜板17の前後両面との間には半球状の
シュー23、24が介在されている。従って、斜板17
の回転はシュー23、24を介することによって両頭ピ
ストン22のシリンダボア20、21内においての往復
動作に変換される。
【0015】一方、両ハウジング3、4内には吐出室2
5、26が形成されている。両頭ピストン22によりシ
リンダボア20、21内に区画される圧縮室Pa、Pb
はバルブプレート5、6上の吐出ポート5c、6cを介
して吐出室25、26に接続されている。吐出ポート5
c、6cはフラッパ弁型の吐出弁27、28により開閉
される。吐出弁27、28の開度はリテーナ29、30
により規制される。吐出弁27、28及びリテーナ2
9、30は図示しないボルトによりバルブプレート5、
6上に締付固定されている。吐出室25は排出通路31
を介して図示しない外部吐出冷媒ガス管路に連通してい
る。
【0016】駆動軸11の一端はフロントハウジング3
から外部に突出しており、他端はリアハウジング4側の
吐出室26内に突出している。駆動軸11の軸心部には
吐出通路32が形成されている。吐出通路32は吐出室
26に開口している。フロントハウジング3側の吐出室
25によって包囲される駆動軸11の周面部位には導出
口33が形成されており、吐出室25と吐出通路32と
が導出口33によって連通されている。従って、前後の
吐出室25、26は吐出通路32によって連通されるこ
とになり、吐出室26の冷媒ガスは吐出通路32から吐
出室25へと流入する。
【0017】斜板室18の周辺は吸入圧領域であり、吐
出室25、26は吐出圧領域である。そのため、吐出室
25、26の吐出冷媒ガスが収容孔1a、2a側へ洩れ
ようとするが、この漏洩はシールリング15、16によ
って阻止される。
【0018】34は駆動軸11の周面に沿った吐出室2
5から圧縮機外部への冷媒ガス漏洩を防止するリップシ
ールである。駆動軸11上には、テーパ形状を有したロ
ータリバルブ35、36が該駆動軸11に嵌入支承され
ている。ロータリバルブ35、36には駆動軸11に止
着されたキー37、38に係合するキー溝35d、36
dが設けられている。ロータリバルブ35、36は駆動
軸11と図3、4の矢印Q方向へ一体回転可能に、且つ
軸線方向にスライド可能に収容孔1a、2a内に収容さ
れている。
【0019】収容孔1a、2aはテーパ形状を有してお
り、それぞれ斜板室18側に向かうにつれて拡径となっ
ている。そして、ロータリバルブ35、36は、その周
面35a、36aが収容孔1a、2aの内周面に当接さ
れるように嵌合挿入されている。即ち、ロータリバルブ
35の小径端部35bは吐出室25側を向き、ロータリ
バルブ35の大径端部35cは斜板室18側を向いてい
る。又、ロータリバルブ36の小径端部36bは吐出室
26側を向き、ロータリバルブ36の大径端部36cは
斜板室18側を向いている。
【0020】ロータリバルブ35、36の大径端部35
c、36cには、斜板室18に開口する凹部35e、3
6eが形成され、該凹部35e、36eの底壁と斜板1
7との間にはシール力付与バネ39、40が介在されて
いる。そして、そのシール力付与バネ39、40はロー
タリバルブ35、36を大径端部35c、36c側から
小径端部35b、36b側へと付勢している。そのた
め、周面35a、36aはシール力付与バネ39、40
のバネ力によって収容孔1a、2aの内周面に密接する
ことになる。
【0021】又、ロータリバルブ35、36には吸入通
路41、42が形成されている。吸入通路41、42の
入口41a、42aは凹部35e、36eに向けて開口
しており、吸入通路41、42の出口41b、42bは
ロータリバルブ35、36の周面35a、36a上に開
口している。ロータリバルブ35、36の周面35a、
36a上には、吸入通路41、42に接続された案内溝
43、44が周方向に沿って設けられている。
【0022】さて、図3に示すように、ロータリバルブ
35を収容する収容孔1aの内周面には、シリンダボア
20と同数の導通路45が等間隔角度位置に配列形成さ
れている。導通路45とシリンダボア20とは一対一で
常に連通しており、各導通路45は、吸入通路41の出
口41bの周回領域内に接続されている。
【0023】同様に、図4に示すようにロータリバルブ
36を収容する収容孔2aの内周面には、シリンダボア
21と同数の導通路46が等間隔角度位置に配列形成さ
れている。導通路46とシリンダボア21とは一対一で
常に連通しており、各導通路46は、吸入通路42の出
口42bの周回領域内に接続されている。
【0024】図1に示すように、導通路45のシリンダ
ボア20側の開口面45aは、略T字形をしており、下
死点側の開口部45b面積に対して上死点側の開口部4
5c面積が大きくなる形状に形成されている。上死点側
の開口部45cは、上死点側端部45d及び下死点側端
部45eと軸方向に延びる側端部45fとによって略長
方形に構成されている。又、下死点側の開口部45b
は、下死点側端部45e及び下死点側端部45gと軸方
向に延びる側端部45hとによって構成され、上記開口
部45cと共に連続した開口面を形成している。開口面
45aの上死点側端部45dは上死点から所定距離L離
れた位置に設定されており、上死点側端部45d、下死
点側端部45e及び下死点側端部45gが両頭ピストン
22の端面22aに対して平行になるように形成されて
いる。そして、導通路45の開口面45aの面積は、シ
リンダボア20内で必要とされる吸入ガス量に応じた安
定したガス吸入を可能とする値に設定されている。又、
各シリンダボア20、21についての導通路45、46
も前記と同形状の開口面を備えている。
【0025】次に、上記構成の往復動型圧縮機における
冷媒ガス吸入構造の作用について説明する。斜板室18
内に供給された冷媒ガスは、圧縮室Pa、Pb内の圧力
が斜板室18内の圧力を下回ると吸入通路41、42及
び案内溝43、44と連通状態にある導通路45、46
を介して圧縮室Pa、Pbに吸入される。
【0026】図2、図3及び図4に示す状態では両頭ピ
ストン22は一方のシリンダボア20に対して上死点位
置にあり、他方のシリンダボア21に対して下死点位置
にある。両頭ピストン22がシリンダボア20に対して
上死点位置から下死点位置に向かう吸入行程に入ったと
きには、吸入通路41はシリンダボア20の圧縮室Pa
に連通する。この連通により斜板室18内の冷媒ガスが
吸入通路41及び案内溝43、導通路45を経由してシ
リンダボア20の圧縮室Paに吸入される。
【0027】一方、両頭ピストン22がシリンダボア2
1に対して下死点位置から上死点位置に向かう圧縮行程
に入ったときには吸入通路42及び案内溝44はシリン
ダボア21の圧縮室Pbとの連通を遮断される。この連
通遮断によりシリンダボア21の圧縮室Pb内の冷媒ガ
スは両頭ピストン22の移動に伴って圧縮され、所定圧
力まで圧縮されると吐出弁28を押し退けつつ吐出ポー
ト6cから吐出室26に吐出される。
【0028】このような冷媒ガスの吸入及び吐出は他の
シリンダボア20、21の圧縮室Pa、Pbにおいても
同様に行われる。上記吸入行程において、両頭ピストン
22の退動が進み、両頭ピストン22の端面22aが導
通路45、46の開口部45aにさしかかると、冷媒ガ
スは広く開口した開口部45cを介して圧縮室Pa,P
b内に円滑に流入される。このとき、図5に実線で示す
ように、初期の開口面の面積は、2点鎖線で示す断面円
形状の導通路に比較して充分に広い状態に設定されてい
るので、各シリンダボア20、21では、冷媒ガスの吸
入動作が速やかに、且つ安定して継続されることにな
る。その結果、斜板室18から圧縮室Pa、Pbに到る
冷媒ガス流路における流路抵抗、即ち吸入抵抗を軽減す
ることができ、図7に2点鎖線(点線と2点鎖線で囲ま
れる面積)で示すように、吸入における圧力損失を極め
て小さく抑えることができる。
【0029】以上詳述したように、本実施例の往復動型
圧縮機における冷媒ガス吸入構造によれば、斜板室18
から圧縮室Pa、Pbに到る冷媒ガス流路における吸入
抵抗を軽減できるため、両頭ピストン22の駆動を円滑
に行うことが可能になる。従って、駆動軸の駆動力に
は、過度の抵抗が作用しないため、吸入行程において消
費される動力の損失の軽減を図ることができる。又、導
通路45、46の開口面45aの面積は、下死点側に対
して上死点側の方が、大きく形成されているため、同面
積の円形状開口面に対して軸方向の長さを短くすること
ができる。従って、吸入行程において必要とされている
冷媒ガスを早期に圧縮室Pa,Pb内に吸入することが
できる。
【0030】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに構成することもできる。 (1) 上記実施例では、導通路45、46の開口面4
5aを略T字形に形成したが、これに限定されることは
なく、例えば、図6の(a)、(b)に示すような開口
面を持つ導通路45、46としてもよい。又、開口面を
略正方形や、略長方形に形成しても同様の効果を得るこ
とができる。略長方形の場合には、軸方向に短辺がくる
ように形成することが好ましく、短辺の長さは冷媒ガス
の粘性抵抗による吸入ガスの平均流速を考慮して所定の
長さにする。
【0031】(2) 導通路45、46の断面形状は吸
入通路41、42側の開口面から圧縮室Pa、Pb側の
開口面までにおいて、一定でも、途中で変更されていて
もどちらでもよい。
【0032】(3) 上記実施例では、斜板式両頭ピス
トン圧縮機に本発明を具体化したが、斜板式片側ピスト
ン圧縮機、可変容量型斜板式圧縮機、揺動斜板式圧縮
機、或いは特開平5−026158公報に開示されたよ
うなウェーブプレート式圧縮機等に具体化してもよい。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1、2に記載
の発明によれば、導通路の圧縮室側の開口面の形状をデ
ッドボリュームを増やすことなく、ピストンの退動初期
の開口面積が大きくなるように形成したことにより、吸
入行程において速やかでかつ安定した冷媒ガス吸入を達
成することができ、吸入圧損による駆動力の負荷を軽減
することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導通路の開口面を示す要部斜視図であ
る。
【図2】圧縮機全体を示す断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】導通路の開口面積と駆動軸回転角度との関係を
示すグラフである。
【図6】変更例の導通路の開口面の形状を示す概略斜視
図である。
【図7】円形状の開口面における圧縮室内の圧力と駆動
軸回転角度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2…シリンダブロック、1a,2a…収容孔、11
…駆動軸、18…吸入路としての斜板室、20,21…
シリンダボア、22…両頭ピストン、Pa,Pb…圧縮
室、25,26…吐出室、35,36…ロータリバル
ブ、41,42…吸入通路、45,46…導通路、45
a…開口面。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/10 F04B 27/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックに対し駆動軸を取り巻
    くように配列された複数のシリンダボア内にピストンを
    収容すると共に、前記駆動軸の回転に連動して前記ピス
    トンを往復動させることにより、吸入路から冷媒ガスを
    シリンダボア内に区画される圧縮室へ吸入し、圧縮され
    た冷媒ガスを吐出室へ吐出するように構成した往復動型
    圧縮機において、 前記シリンダブロック内に設けられ、前記駆動軸と同軸
    上に位置する収容孔と、 該収容孔に摺接嵌合され、前記駆動軸に対し同期回転可
    能に支持されると共に、前記吸入路から吸入行程中の前
    記圧縮室へ冷媒ガスを吸入するための吸入通路が形成さ
    れたロータリバルブと、 前記収容孔と前記圧縮室とを連通すると共に、前記ピス
    トンが上死点に到達する前に該ピストンの外周面により
    閉鎖される位置に配設され、且つ上死点側端部の軸方向
    に対する直交方向の幅が下死点側の該幅以上に形成され
    た開口面を有する導通路とを備えた往復動型圧縮機にお
    ける冷媒ガス吸入構造。
  2. 【請求項2】 前記開口面における前記幅は、上死点側
    より下死点側が短くなるように形成されている請求項1
    に記載の往復動型圧縮機における冷媒ガス吸入構造。
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