JPH06298895A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH06298895A
JPH06298895A JP5086466A JP8646693A JPH06298895A JP H06298895 A JPH06298895 A JP H06298895A JP 5086466 A JP5086466 A JP 5086466A JP 8646693 A JP8646693 A JP 8646693A JP H06298895 A JPH06298895 A JP H06298895A
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博美 中野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、カルボジイミド結合を有する熱硬
化性樹脂としての欠点を改良した、即ち、優れた耐熱性
を有し、溶融時の流動性が良好で、かつ、硬化時間の短
い熱硬化性樹脂を得るための組成物を提供することにあ
る。 【構成】 (A)分子内に2個以上のカルボジイミド結
合を有するポリカルボジイミド化合物、及び(B)分子
中に少なくとも2個以上のアリル基を有するフェノール
誘導体を必須成分として成る熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れた新規な
熱硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、高分子量の芳香族ポリカルボジ
イミド樹脂は、耐熱性の高い樹脂として知られている。
しかしながら、各種溶媒に溶け難く、且つ熱流動性が悪
いという欠点があるために、実用的な成形加工は困難で
あった。また、ポリカルボジイミドは加熱により、カル
ボジイミド結合同士が自己架橋を起こし硬化するが、硬
化速度が遅いために、硬化樹脂として実用的な成形加工
をさらに困難にしている。そこで、L.M.Alberino ら
(J.Appl.Polym.Sci.,vol.21,1999[1977])は、上記の
問題点を改善すべく、芳香族ジイソシアネートと、分子
量調節剤として有機モノイソシアネートとを、カルボジ
イミド形成触媒の存在下で反応せしめることにより、加
熱加圧下において流動性のあるポリカルボジイミドを得
ている。この方法で得られるポリカルボジイミドは、分
子量を調節することにより流動性は改善されるが、硬化
には著しく長い時間を要し、実用的ではなかった。
【0003】一方、特開昭61−235414および6
1−235415には、硬化時間を短くするために、分
子量を調節したポリカルボジイミドにフェノール誘導体
である4,4’‐イソプロピリデンジフェノール(ビス
フェノール−A)、アミノトリアジン、4,4’‐ジア
ミノジフェニルメタン等の活性水素基を有する架橋剤を
混合し、その組成物を熱硬化させて熱硬化性樹脂を得る
方法を提案している。しかしながら、活性水素基を使用
しているために耐熱性が低下し、本来カルボジイミド結
合の持つ優れた耐熱性を活かすことができず、さらに加
熱下での流動性も低下する。また、ベンゼン、トルエン
等のような汎用の有機溶剤に上記活性水素化合物は溶解
し難いために、熱硬化性樹脂組成物をワニスとして使用
することができない等、未だ満足のいく状態には至って
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カル
ボジイミド結合を有する熱硬化性樹脂としての上記欠点
を改良した、即ち、優れた耐熱性を有し、溶融時の流動
性が良好で、かつ、硬化時間の短い、ワニスとしても使
用可能な熱硬化性樹脂を得るための組成物を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、鋭意研究を行った結果、カルボジイ
ミド結合を有する化合物とアリル基を有するフェノール
誘導体を有する化合物との組成物は、前記目的に適合し
うることを見いだし、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、(A)分子内に2個以上
のカルボジイミド結合を有するポリカルボジイミド化合
物、及び(B)分子中に少なくとも2個以上のアリル基
を有するフェノール誘導体を必須成分として成る熱硬化
性樹脂組成物を提供するものである。
【0007】好ましくはポリカルボジイミド化合物は、
下記式(I)で表される構造単位を有する基5〜95当
量部および下記式(II)で表される構造単位を有する基
95〜5当量部を含み、ポリマーの分子の末端が芳香族
基で封止され、かつ重量平均分子量1万以下のカルボジ
イミド共重合体である。
【化5】
【化6】 ポリカルボジイミド化合物の分子末端の芳香族基は、好
ましくはフェニル基、オルソ‐トリル基、メタ‐トリル
基、パラ‐トリル基、ジメチルフェニル基、クロロフェ
ニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、
イソプロピルフェニル基およびジイソプロピルフェニル
基からなる群より選ばれたすくなくとも1種である。
【0008】更に好ましくは、ポリカルボジイミド化合
物は、下記式(III)で表される重量平均分子量が2万以
下である化合物である。
【化7】
【0009】アリル基を有するフェノール誘導体は、好
ましくは下記式(IV)で表される。
【化8】
【0010】以下、構成の詳細な説明をする。本発明で
使用する分子内にカルボジイミド結合を2個以上含む有
機化合物は、分子鎖中に下式(V)の構造を含むものな
らば、何れも使用できるがポリカルボジイミドを使用す
るのが特に好ましい。
【化9】 ポリカルボジイミドは、分子鎖中に多数のカルボジイミ
ド結合を有する高分子化合物であって、この化合物自体
は公知であり、有機ポリイソシアネートからイソシアネ
ートのカルボジイミド化を促進する触媒の存在下に製造
され、ワニスあるいは、粉体として得ることができる。
【0011】ポリカルボジイミドを、トルエン、キシレ
ン等の非プロトン性有機溶媒のワニスとして用いる場合
は、原料としての有機ポリイソシアネートとして2,4
‐TDIと2,6‐TDIの混合物を使用し、重量平均
分子量を1万以下(平均重合度約1〜20)にすること
が好ましい。重量平均分子量が高すぎる場合は、溶媒が
溶けにくくなり、溶液の貯蔵安定性も悪くなる。2,4
‐TDIと2,6‐TDIの使用割合は、全量を100
モル部とした場合、2,4‐TDI5〜95モル部と
2,6‐TDI95〜5モル部を使用することが好まし
く、さらには2,4‐TDI60〜90モル部と2,6
‐TDI40〜10モル部を使用することがより好まし
く、この場合、カルボジイミド共重合体を30重量%以
上含有するより高濃度の溶液を得ることができる。一
方、2,6‐TDIの添加割合が、5モル部以下では数
日後、溶液の一部が析出する等、ワニスの貯蔵安定性が
悪くなる。
【0012】また、ポリカルボジイミドを粉体として用
いる場合は、原料として種々の有機ポリイソシアネート
を使用できるが、溶融成形を行う上では、有機ポリイソ
シアネートとしてジフェニルメタン‐4,4’‐ジイソ
シアネートを使用し、重量平均分子量を2万以下(平均
重合度約1〜20)にすることが好ましい。ワニスとし
て使用される場合の、原料としての有機ポリイソシアネ
ートの例は、上記2,4‐TDIと2,6‐TDIの他
に1‐メトキシベンゼン‐2,4‐ジイソシアネート、
1‐クロロフェニレンジイソシアネート等を挙げること
ができる。
【0013】また、粉体として使用される場合の、原料
としての有機ポリイソシアネートの例は、上記ジフェニ
ルメタン‐4,4’‐ジイソシアネートの他に、フェニ
レン‐1,3‐ジイソシアネート、フェニレン‐1,4
‐ジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシ
アネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシ
リレンジイソシアネート、ジフェニルスルフィド‐4,
4’‐ジイソシアネート、ジフェニルスルホン‐4,
4’‐ジイソシアネート、ジフェニルエーテル‐4,
4’‐ジイソシアネート、ジフェニルエーテル‐3,
4’‐ジイソシアネート、ジフェニルケトン‐4,4’
‐ジイソシアネート、ナフタレン‐2,6‐ジイソシア
ネート、ナフタレン‐1,4‐ジイソシアネート、ナフ
タレン‐1,5‐ジイソシアネート、2,4’‐ビフェ
ニルジイソシアネート、4,4’‐ビフェニルジイソシ
アネート、3,3’‐メトキシ‐4,4’‐ビフェニル
ジイソシアネート、アントラキノン‐2,6‐ジイソシ
アネート、トリフェニルメタン‐4,4’‐ジイソシア
ネート、アゾベンゼン‐4,4’‐ジイソシアネートや
これらの有機ポリイソシアネートの二量体以上の多核体
や有機ポリイソシアネートを多官能性活性水素化合物に
対して化学量論的に過剰に用いて得られる、末端イソシ
アネートプレポリマー等を例示することができる。
【0014】本発明において、分子量を規制したポリカ
ルボジイミドを使用することは、熱流動性がより良好に
なることから好ましい。この分子量を規制したポリカル
ボジイミドは、上記有機ポリイソシアネートと分子量調
節剤としての有機モノイソシアネートからイソシアネー
トのカルボジイミド化を促進する触媒の存在下に製造す
ることができる。
【0015】分子量調節剤として使用される有機モノイ
ソシアネートとしては、フェニルイソシアネート、(オ
ルソ、メタ、パラ)‐トリルイソシアネート、ジメチル
フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネー
ト、メチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ク
ロロフェニルイソシアネート、トリフルオロメチルフェ
ニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート、等を例
示することができ、有機ポリイソシアネート100モル
部に対して5〜50モル部使用できる。尚、イソシアネ
ートのカルボジイミド化を促進する触媒には、種々のも
のが使用できるが、1‐フェニル‐2‐ホスホレン‐1
‐オキシド、3‐メチル‐1‐フェニル‐2‐ホスホレ
ン‐1‐オキシド、1‐フェニル‐2‐ホスホレン‐1
‐スルフィド、1‐エチル‐2‐ホスホレン‐1‐オキ
シド、1‐エチル‐3‐メチル‐2‐ホスホレン‐1‐
オキシドや、これらの相当する異性体、3‐ホスホレン
類が良好である。触媒量は、イソシアネート全量に対し
0.01〜1%の間で使用できる。
【0016】本発明において、分子中に2個以上のアリ
ル基を有するフェノール誘導体とは、例えば一般式(V
I)で表される化合物である。
【化10】
【0017】本発明組成物において、(B)成分として
用いられる前記アリル基を有するフェノール誘導体とし
ては、前記一般式(VI)で表される構造を有するもので
あればよく、とくに制限はないが、具体的に例示すれ
ば、3,3’‐ジアリル‐4,4’‐ジヒドロキシビフ
ェニル、ビス(3‐アリル‐4‐ヒドロキシフェニル)
メタン、2,2‐ビス(3‐アリル‐4‐ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(3‐アリル‐4‐ヒドロキシ
フェニル)エーテル、ビス(3‐アリル‐4‐ヒドロキ
シフェニル)チオエーテル、ビス(3‐アリル‐4‐ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、トリス(3‐アリル‐4
‐ヒドロキシフェニル)ホスファイト、トリス(3‐ア
リル‐4‐ヒドロキシフェニル)ホスフェート、および
フェノール樹脂とハロゲン化アリルの反応により得られ
るベンゼン多核体のアリル基含有ヒドロキシ化合物など
を挙げることができる。入手容易でありかつ、成形性及
び最終樹脂に良好な性質を与えるという点から、2,2
‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパンのような2
価フェノール類から誘導された2個のアリル基を有する
フェノール誘導体は、特に好適に使用される。また、フ
ェノールとホルムアルデヒドとの初期縮合物にハロゲン
化アリルを反応させて得られるアリル基を有するフェノ
ール誘導体も有用である。
【0018】本発明の組成物においては、上記アリル基
を有するフェノール誘導体を単独で使用してもよく、ま
た、これらを混合して用いてもよい。本発明のポリカル
ボジイミド化合物とアリル基を有するフェノール誘導体
の配合割合は、重量比で95:5〜40:60の広範な
領域で有用であるが、特に90:10〜50:50の範
囲で使用することができ、最終硬化樹脂の所望とする用
途や要求される性質に応じて前記両成分の組成比を決定
するのがよい。ポリカルボジイミドが40重量%未満で
は本来ポリカルボジイミドの有する優れた耐熱性を損な
うことになる。また95重量%以上使用すると、本発明
の目的である溶融時の流動性向上、硬化時間の短縮等の
効果は得られない。本発明組成物は、外部から加熱する
ことにより容易に硬化するが、所望に応じ硬化触媒や硬
化促進剤を添加し、成形方法や成形品の形状などに応じ
て成形温度あるいは成形時間を制御することができる。
この際、用いられる硬化触媒や硬化促進剤としては、例
えばトリエチレンジアミン、N,N‐ジメチルベンジル
アミン、N‐メチルモルホリン等の第3級アミン類、2
‐メチルイミダゾール、2‐フェニルイミダゾール、2
‐エチル‐4‐メチルイミダゾール等のイミダゾール
類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t‐
ブチルパーベンゾエート、ジクミルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシド等の有機過酸化物などがあげられ
る。
【0019】本発明の組成物は、適当な溶媒、例えば、
クロロホルム、パークレン、THF、トルエン、キシレ
ン、NMP等に溶解あるいは懸濁させ、ワニスとして使
用することも可能である。
【0020】なお、所望に応じ無機充填剤や強化繊維、
例えば破砕シリカ、合成シリカ、アルミナ粉、マイカ、
チタニア、あるいはガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊
維、ボロン繊維などを添加することができるし、さら
に、天然ワックス、合成ワックス、有機脂肪酸、有機脂
肪酸の金属塩などの内部離型剤、ハロゲン化合物、酸化
アンチモンなどの難燃化剤、カーボンブラックなどの着
色剤もその目的に応じて添加することができる。
【0021】本発明の熱硬化性樹脂は、射出成形法、ト
ランスファー成形法、押し出し成形法、圧縮成形法等、
公知の成形法により成形され実用に供される。また、熱
硬化性樹脂をワニスとして用いた場合には、公知である
積層体の製造にも応用できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明の実施の態様を
具体的に説明する。また、実施例および比較例において
得られたポリマーの物性値は以下の方法により測定し
た。 5%分解温度:熱重量分析装置(TGA)を用いて空気
中、昇温速度10℃/minでポリマーの5%重量損失温
度を測定した。 ガラス転移温度:熱機械分析装置(TMA)を用いて膨
張法により、昇温速度5℃/minで、ガラス転移温度を
測定した。 動粘度:高化式フローテスター(島津製)を用いて、所
定の温度で1分間予熱した後、100Kgf/cm2の荷重を
かけ測定した。 鉛筆硬度:JIS K 5400に従い硬化フィルムの
表面硬さを測定した。
【0023】実施例1〜5 ジフェニルメタン‐4,4’‐ジイソシアネートとフェ
ニルイソシアネートを3‐メチル‐1‐フェニル‐2‐
ホスホレン‐1‐オキシド触媒の存在下、キシレン中で
加熱することにより合成した分子量コントロールされた
粉末状ポリカルボジイミド(以下PCIと略す、重量平
均分子量約8000)に、アリル基を有するフェノール
誘導体(BAHP、DAHB、BAHS)の表1記載量
を添加し、十分混合して粉末状樹脂組成物を得た。これ
ら粉末状樹脂組成物の、溶融流動性を評価するために、
動粘度を測定した。次に、これらの樹脂組成物を、25
0℃で所定時間加圧成形することにより、赤褐色透明の
樹脂成形物および硬化フィルムを得た。得られた成形品
のそれぞれの物性値を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】比較例1 アリル基を有するフェノール誘導体を使用しない以外は
実施例1と同様に、動粘度測定による流動性評価を行
い、250℃、30分間加圧成形することにより成形物
を得た。表2に示すように、PCI粉末単独では、アリ
ル基を有するフェノール誘導体を添加したPCI組成物
に比べ、成形品の物性は、ガラス転移温度、鉛筆硬度が
低い等、熱硬化性樹脂としては十分な物性を有していな
かった。
【0026】比較例2,3 アリル基を有するフェノール誘導体のかわりに、活性水
素化合物(BPA,MDA)を使用する以外は実施例1
と同様に組成物を調製した。動粘度測定による流動性評
価を行い、250℃、30分間加圧成形することにより
成形物を得た。表2に示すように、活性水素化合物を添
加したPCI組成物は、動粘度測定の結果、まったく流
動性を示さず著しく流動性が悪く、さらに5%分解温度
も低いことがわかる。
【0027】
【表2】
【0028】実施例6 2,4‐TDI80モル部と2,6‐TDI20モル部
の混合物(商品名:TDI 80、三井東圧化学(株)
製)92g、フェニルイソシアネート9gをトルエンに
溶解させ、3‐メチル‐1‐フェニル‐2‐ホスホレン
‐1‐オキシド触媒0.36gを添加し、110℃で重
合を行い、分子量のコントロールされたポリカルボジイ
ミド樹脂ワニスを得た(平均分子量約1000、固形分
30wt%)。このワニスにBAHPを19g加え均一に
溶解し、組成物ワニスを調製した(重量比80/2
0)。得られた組成物ワニスをガラス板上にキャスト
し、120℃、3時間乾燥し、フィルムを得た。このフ
ィルムを、250℃、30分間熱処理することにより硬
化フィルムを得た。このもののの物性は以下の通りであ
った。 5%分解温度 473℃ 鉛筆硬度 4H
【0029】比較例4 BAHPを使用しない以外は実施例6と同様に行い、硬
化フィルムを得た。この硬化フィルムの、5%分解温度
は488℃であり、40℃付近で軟化した。また、硬化
フィルムの鉛筆硬度は、Hであり、熱硬化性樹脂として
は十分な物性を有していなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の熱硬化性組成物は、前述したよ
うにポリカルボジイミド化合物とアリル基を有するフェ
ノール誘導体を配合したものであって、加熱することに
より溶解時の流動性が良好であり、かつ、容易に硬化す
るものであるが、原料とするカルボジイミド結合を有す
る化合物のポリマーの耐熱性、硬化時間、ワニスとして
の利用性を大幅に改良しており、産業上の利用価値は極
めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内に2個以上のカルボジイミ
    ド結合を有するポリカルボジイミド化合物、及び(B)
    分子中に少なくとも2個以上のアリル基を有するフェノ
    ール誘導体を必須成分として成る熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリカルボジイミド化合物が、下記式
    (I)で表される構造単位を有する基5〜95当量部お
    よび下記式(II)で表される構造単位を有する基95〜
    5当量部を含み、ポリマーの分子の末端が芳香族基で封
    止され、かつ重量平均分子量1万以下のカルボジイミド
    共重合体であることを特徴とする請求項1記載の熱硬化
    性樹脂組成物。 【化1】 【化2】
  3. 【請求項3】 ポリカルボジイミド化合物の分子末端の
    芳香族基が、フェニル基、オルソ‐トリル基、メタ‐ト
    リル基、パラ‐トリル基、ジメチルフェニル基、クロロ
    フェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル
    基、イソプロピルフェニル基およびジイソプロピルフェ
    ニル基からなる群より選ばれたすくなくとも1種である
    請求項2に記載のカルボジイミド共重合体であることを
    特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリカルボジイミド化合物が、下記式(I
    II)で表される重量平均分子量が2万以下であることを
    特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。 【化3】
  5. 【請求項5】 アリル基を有するフェノール誘導体が、
    下記式(IV)で表されることを特徴とする請求項1記載
    の熱硬化性樹脂組成物。 【化4】
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