JPH06298624A - エマルション系美爪用組成物 - Google Patents

エマルション系美爪用組成物

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JPH06298624A
JPH06298624A JP1781694A JP1781694A JPH06298624A JP H06298624 A JPH06298624 A JP H06298624A JP 1781694 A JP1781694 A JP 1781694A JP 1781694 A JP1781694 A JP 1781694A JP H06298624 A JPH06298624 A JP H06298624A
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孝弘 志熊
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誠之 川本
Noriyuki Uejima
則行 上島
Tadashi Gomi
正 五味
Chie Miyamoto
智恵 宮本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 エマルションの分散粒子が下記の二相:(A)
直鎖、分枝又は環状のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類、芳香族ビニル化合物、及び
分子中に重合性不飽和基を2個以上有する単量体から選
ばれた少なくとも一種類の単量体による重合体からなる
A−相;および(B) 直鎖、分枝又は環状のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳香族
ビニル化合物、及び分子中に重合性不飽和基を2個以上
有する単量体から選ばれた少なくとも一種類の単量体と
カルボキシル基、アミド基及び/又は水酸基を有する単
量体との共重合体からなるB−相からなるエマルション
を含有することを特徴とする水性美爪用組成物。 【効果】 塗布後の乾燥性が良好で、乾燥初期の被膜の
硬度の立ち上がりが速い水性の美爪用組成物で、従来の
水性美爪用組成物に比べて、耐久性、耐水性、特に、耐
温水性及び耐洗剤性に優れた皮膜を与えるので有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性美爪用組成物に関
する。さらに詳しくは、乾燥性、耐水性、光沢等に優
れ、かつ、耐久性に優れた被膜を与える水性エマルショ
ン系の美爪用組成物に関するものである。
【従来の技術】マニキュアと呼ばれる美爪剤は、一般
に、有機溶剤にニトロセルロース系のラッカー及び色素
等を混合することにより製造されている。しかしなが
ら、有機溶剤は、吸引による健康上の問題や、爪や皮膚
の生理機能を低下させるという問題がある。そこで、有
機溶剤の代わりに、水を溶剤とする水性のマニキュアの
開発が望まれている。
【0002】例えば、特開平3-133916号公報及び特開平
4-297408号公報には、多層構造を有する水性複合ポリマ
ーエマルションを含む水系美爪料が開示されている。ま
た、特開平4-103513号公報には、ガラス転移温度の差が
10℃以上である2種以上のアクリル系ポリマーエマルシ
ョンを含有する水系美爪料が開示されている。しかしな
がら、これらの水性美爪料は、有機溶剤を使用した従来
の美爪料に比較して、塗布後の乾燥性が悪く、乾燥初期
の被膜の硬度の立ち上がりが遅いという欠点を有してい
た。さらに、塗布後に得られた被膜が、耐久性、耐水
性、特に耐温水性及び耐洗剤性に乏しいという問題を有
しており、日常生活においても、被膜が容易に剥がれて
しまうという欠点があった。その原因の一つは、上記の
水系美爪料が、いずれも、最初に溶液重合をして得られ
たポリマーを保護コロイドとしてエマルション化した
後、さらに重合を行う方法(いわゆる保護コロイド重合
法)により得られたものであるということにある。
【0003】溶液重合を行うにあたっては、ポリマーを
水に溶解させ、さらに、保護コロイド重合の際には、ポ
リマーを水に分散させねばならないので、ポリマーの分
子量を低く抑えるとともに、その親水性を高める必要が
ある。ポリマーの親水性を高めるために、上記の公報に
記載された方法では、塩形成基を有するモノマーの含有
率を高めたり、親水性の高いモノマーを多量に用いて共
重合する方法を採用している。しかしながら、このよう
に親水性の高いポリマーのエマルションを含む組成物を
マニキュア剤として使用した場合には、ポリマーの保水
性が高いことから、乾燥時の水離れが悪く、乾燥に時間
を要し、また、形成された被膜の耐水性も劣るという欠
点が生じてしまうのである。さらに、被膜が主として低
分子量のポリマーからなるので、耐久性の点でも劣った
ものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、水性
のエマルション系美爪用組成物であって、塗布後の乾燥
性が良好であり、かつ、乾燥初期の被膜の硬度の立ち上
がりが早く、得られた被膜の耐久性、耐水性、特に耐温
水性及び耐洗剤性に優れた組成物を提供することを目的
としている。また、本発明は、容易に剥れない耐久性に
優れた被膜を与える水性エマルション系美爪用組成物を
提供するも目的としている。
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、乳化重合によっ
てエマルションの分散粒子に二相構造を付与することに
より、上記の課題を解決することができることを見出
し、本発明を完成するに至った。本発明のエマルション
の分散粒子は、重合体の製造にあたり溶液重合を用いな
いので、上記のような問題を生じることがない。
【0005】すなわち本発明は、エマルションの分散粒
子が下記の二相:(A) 直鎖、分枝又は環状のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳香
族ビニル化合物、及び分子中に重合性不飽和基を2個以
上有する単量体から選ばれた少なくとも一種類の単量体
による重合体からなるA−相;及び(B) 直鎖、分枝又は
環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
エステル類、芳香族ビニル化合物、及び分子中に重合性
不飽和基を2個以上有する単量体から選ばれた少なくと
も一種類の単量体とカルボキシル基、アミド基及び/又
は水酸基を有する単量体との共重合体からなるB−相を
含み、A−相とB−相との重量比率が5/95〜95/5で
あり、A−相とB−相のガラス転移温度(以下、本明細
書においてTgという。)がそれぞれ−20〜+70℃及び
−60〜+70℃であり、両相のTg差は0〜60℃であり、
かつ、A−相のTgがB−相のTg以上であるエマルシ
ョンを含有することを特徴とする水性美爪用組成物を提
供するものである。本発明の一態様によれば、カルボキ
シル基、アミド基及び/又は水酸基を有する単量体の割
合がB−相に用いる全単量体 100重量部に対して0.5か
ら90重量部である上記水性美爪用組成物が提供される。
【0006】また、本発明によれば、直鎖、分枝又は環
状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル類、芳香族ビニル化合物、及び分子中に重合性不
飽和基を2個以上有する単量体から選ばれた少なくとも
一種類の単量体を乳化重合してA−相の重合体を得、つ
いで、A−相の重合体の存在下、直鎖、分枝又は環状の
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル類、芳香族ビニル化合物、及び分子中に重合性不飽和
基を2個以上有する単量体から選ばれた少なくとも一種
類の単量体とカルボキシル基、アミド基及び/又は水酸
基を有する単量体とを重合してB−相の共重合体を得る
ことにより製造され、エマルションの分散粒子がA−相
とB−相とを含み、A−相とB−相との重量比率が5/
95〜95/5であり、A−相とB−相のTgがそれぞれ−
20〜+70℃及び−60〜+70℃であり、両相のTg差は0
〜60℃であり、かつA−相のTgがB−相のTg以上で
あるエマルションを含有することを特徴とする水性美爪
用組成物が提供される。本発明の一態様によれば、カル
ボキシル基、アミド基及び/又は水酸基を有する単量体
をB−相に用いる全単量体 100重量部に対して0.5から
90重量部の割合で用いてB−相を得る上記水性美爪用組
成物が提供される。
【0007】さらに本発明によれば、B−相の共重合体
の重量平均分子量が20万以上である上記の美爪用組成
物、および顔料又は染料を含有する上記の美爪用組成物
も提供される。
【0008】A−相は、直鎖、分枝又は環状のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳
香族ビニル化合物、及び分子中に重合性不飽和基を2個
以上有する単量体から選ばれた少なくとも一種類の単量
体を重合することにより製造される重合体を含むもので
ある。本明細書において、(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸、及び(メタ)アクリルアミドは、それ
ぞれメタクリレート、アクリレート;メタクリル酸、ア
クリル酸;メタクリルアミド、アクリルアミドを意味す
る。
【0009】A−相において、直鎖、分枝又は環状のア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、
イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オク
チル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アク
リレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート
等が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、 p-tert-ブチルスチレン、p-
メチルスチレンのようなスチレン及びその誘導体が挙げ
られる。
【0010】また、分子中に重合性不飽和基2個以上有
する単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等が挙げ
られる。
【0011】B−相は、直鎖、分枝又は環状のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳
香族ビニル化合物、及び分子中に重合性不飽和基を2個
以上有する単量体から選ばれた少なくとも一種類の単量
体と、カルボキシル基、アミド基及び/又は水酸基を有
する単量体とを共重合することにより製造される共重合
体を含む。すなわち、B−相に含まれる共重合体は、A
−相の製造に用いられる単量体に加えて、カルボキシル
基、アミド基及び/又は水酸基のような官能基を有する
単量体とを共重合することにより製造されるものであ
る。
【0012】カルボキシル基を含有する単量体として
は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類が挙げられ
る。アミド基を含有する単量体としては、(メタ)アク
リルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド等があ
る。また、水酸基を含有する単量体としては、2-ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が
ある。
【0013】本発明に用いるエマルションの製造にあた
って、A−相及びB−相に含まれる重合体は、いずれも
乳化重合により製造される。従って、溶液重合とは異な
り、B−相の重合体に高い水溶性を付与する必要はな
い。B−相に含まれる重合体は、例えば、重量平均分子
量が20万以上、好ましくは25万以上であることが、乾燥
性、耐水性、耐久性等の観点から好ましい。B−相に含
まれる重合体の重量平均分子量の上限には特に制限はな
いが、成膜性を考慮すれば、例えば、200 万以下、より
一般的には100 万以下であることができる。なお、B−
相に含まれる重合体の分子量は、B−相に含まれる重合
体のみを同一条件で製造し、得られた重合体を乾燥して
テトラヒドロフラン(THF)に溶解した後、ゲルパー
ミエイション(GPC)法〔装置:SYSTEM−11
(Shodex製)、カラム:KF804×3本〕によ
り、ポリスチレンを標準物質として測定することにより
決定することができる。
【0014】特定の理論に拘泥するわけではないが、B
−相に含まれる重合体の製造に用いる単量体のカルボキ
シル基、アミド基及び/又は水酸基は、A−相及びB−
相を含むエマルション粒子の安定性を高める作用を有す
るものである。B−相に含まれる重合体の製造に用いる
カルボキシル基、アミド基及び/又は水酸基を有する単
量体は、B−相に用いる全単量体 100重量部に対して0.
5から90重量部、好ましくは1から50重量部、さらに好
ましくは2から20重量部の割合で用いればよい。
【0015】カルボキシル基、アミド基及び/又は水酸
基を有する単量体の割合が、B−相に用いる全単量体 1
00重量部に対して0.5重量部を下回ると、重合安定性が
悪くなり、重合中にゲル化したり、あるいは他の添加剤
の配合性が悪化するという問題が生じる。一方、カルボ
キシル基、アミド基及び/又は水酸基を有する単量体の
割合が、B−相に用いる全単量体 100重量部に対して90
重量部を越えると、被膜の耐水性が著しく悪化するとい
う問題が生じる。
【0016】A−相とB−相の重量比率は、5/95〜95
/5の範囲であればよい。この重量比率が5/95未満に
なると、得られる被膜を水に浸漬した場合に柔軟性が失
われ被膜が非常に脆くなる。また、この重量比率が95/
5を超えると、A−相の重合体の存在下にB−相の重合
体を乳化重合する際に、カルボキシル基、アミド基及び
/又は水酸基を有する単量体が粒子間で凝集剤として作
用するので、重合が困難になるという問題が生じる。優
れた乾燥性、成膜性及び密着性の観点から、A−相とB
−相との重量比率(A/B)は、好ましくは10/90〜70
/30、より好ましくは20/80〜50/50の範囲とすること
ができる。
【0017】また、A−相のTgは−20〜+70℃の範囲
であり、B−相のTgは−60〜+70℃の範囲である。A
−相のTgが−20℃未満では、本発明の組成物により形
成される被膜が水浸漬により白化を起こす場合があり、
爪を保護する作用が失われるので好ましくない。一方、
A−相のTgが+70℃を越えると、A−相の重合にあた
って官能基を含有しない単量体のみを用いるため、重合
途中のエマルションの安定性が悪くゲル化してしまう傾
向がある。これを防ぐために界面活性剤等を多量に用い
ると、かえって被膜の耐水性が悪くなるという問題が生
じる。B−相のTgが−60℃未満では、得られる被膜の
耐水性が悪くなり、一方、+70℃を越えると、得られる
被膜が硬くなる傾向がある。被膜の硬化防止のために架
橋剤等を使用することもできるが、架橋剤を使用すると
成膜性が悪くなり、耐水性の悪化の原因となるので多量
に配合することは好ましくない。
【0018】また、A−相とB−相のTg差が0〜60℃
の範囲であり、かつ、A−相のTgはB−相のTgと同
じであるか、あるいはB−相のTgよりも高い。A−相
のTgの方がB−相のTgより低い場合、またはTg差
が60℃を越える場合には、被膜の耐水性が悪くなるので
好ましくない。A−相のTgが+20〜+70℃の範囲であ
ることが、高い硬度で耐久性に優れた被膜を得るという
観点から好ましい。さらに、B−相のTgは−10〜+50
℃の範囲であることが、成膜性に優れた組成物を得るこ
とができ、かつ得られた被膜の密着性が優れるという観
点から好ましい。なお、Tgとは、共重合体を構成する
単量体それぞれのホモポリマーのTgと共重合の重量比
率からFoxの式を用いて算出することができる。Fo
xの式は以下に示す通りである。
【0019】
【数1】 Tg :計算Tg(絶対温度) W(i):各単量体の重量比率 Tg(i) :各単量体のホモポリマーのTg(絶対温度)
【0020】本発明に用いるエマルション組成物は、乳
化重合方法により製造される。乳化重合方法は特に限定
されず、公知の乳化重合方法ならばいかなる方法を用い
てもよい。本発明に用いるエマルション組成物は、まず
A−相を構成する重合体を乳化重合し、次いでA−相の
存在下でB−相を構成する重合体を乳化重合することに
より製造することができる。A−相及びB−相を構成す
る重合体の製造原料となる単量体を反応系に添加するに
は、いずれの重合においても、単量体を一括、連続、ま
たは分割して反応系に滴下すればよい。この場合、予め
単量体を水及び界面活性剤と混合し、乳化物として滴下
してもよい。また、B−相の重合を行う際には、必要に
応じて重合開始剤を添加することもできる。
【0021】重合温度は、使用する単量体や重合開始剤
の種類により異なるが、一般的には、30〜90℃の範囲で
ある。さらに、乳化重合を行う際に、分子量を調節する
ためにメルカプタン等の連鎖移動剤を添加することもで
きる。得られる被膜の緻密さ等の観点から、エマルショ
ン組成物の粒子径は、0.01〜0.3 μm 程度とすることが
最適である。
【0022】本発明の美爪用組成物は、上記のエマルシ
ョン組成物を含み、一般には、pHが6ないし10の範囲の
水性組成物として製造される。pHの調節にはアンモニ
ア、トリエタノールアミン等のアミン類や水酸化ナトリ
ウム等のpH調節剤を使用すればよい。さらに、本発明の
美爪用組成物は、上記のエマルション組成物以外に、パ
ール顔料、顔料ペースト等の顔料;有機染料等の染料;
ベントナイト、モンモリロナイト等の分散助剤(沈降防
止剤);ビタミンE等の薬剤;紫外線吸収剤;殺菌剤;
防腐剤;香料;例えばフタル酸系やリン酸系の可塑剤;
例えばグリコール系の被膜形成剤;例えばシリコン系の
被膜平滑剤;又は例えばアクリル系の合成増粘剤や例え
ばキサンダンガム等の天然系増粘剤等を含んでもよい。
これらの添加剤は、通常の美爪剤に使用される割合で添
加することができ、例えば 0.001〜10重量%、好ましく
は0.1 〜3重量%の範囲で使用される。
【0023】また本発明の水性美爪用組成物は、水性樹
脂として、例えば、カルボキシル基等を有するアニオン
系のポリウレタン及びこれらの塩基付加塩であるポリウ
レタン;第一級、第二級、第三級アミン等のカチオン基
を有するポリウレタン及びこれらの酸付加塩や第四級ア
ンモニウム塩であるカチオン性ポリウレタン;アミノ酸
型若しくはベタイン型等の両性ポリウレタン;ポリエチ
レングリコールや多価アルコール等をモノマー成分とし
て製造されるノニオン性ポリウレタン;汎用の乳化重合
法で製造された水性アクリル樹脂、水性スチレン樹脂、
水性アクリル−スチレン樹脂;水性ポリエチレン乳化
物;またはアルカリ可溶性樹脂等の水性樹脂組成物をさ
らに含んでもよい。これらの水性樹脂は、硬度、光沢、
耐候性、密着性、または静電防止等を改善する目的で、
美爪剤組成物の総重量に対して、30重量%以下、好まし
くは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下で使用
される。
【0024】本発明の美爪用組成物は、実質的に水性組
成物として提供されるが、該樹脂の製造や上記の水性樹
脂の製造にあたり使用された有機溶剤が、皮膚刺激等を
惹起しないかぎりにおいて微量含有されていてもよい。
この様な有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケ
トン等を例示することができる。また、本発明の美爪用
組成物の樹脂被膜の乾燥を促進する目的や殺菌の目的
で、微量の揮発性水性有機溶剤を添加することもでき
る。このような揮発性水性有機溶剤として、エタノール
やイソプロパノールを例示することができる。これらの
有機溶剤は、美爪用組成物の総重量に対して通常10重量
%以下で使用される。
【0025】本発明の美爪用組成物を使用するには、爪
にハケ塗りすればよく、塗布後の美爪剤組成物は短時間
で乾燥硬化して、強靱な樹脂被膜を与える。爪に0.04ミ
リ程度の厚さで本発明の美爪剤組成物を塗布した場合、
樹脂被膜の硬化時間は、一般に室温で約30〜80秒であ
る。本発明の美爪用組成物を塗布して形成される樹脂被
膜は、従来徐光液として使用されているトルエン、キシ
レン、アセトン、酢酸エチル、エタノール等の有機溶剤
により容易に除去することができる。また、硬化後の被
膜は、上記の有機溶剤を単独で使用することなく、水、
若しくは水及び有機溶剤の均一混合物によっても除去可
能である。有機溶剤を単独で使用すると皮膚刺激や肝臓
障害を惹起することもあるので、徐光液として水、若し
くは水及び有機溶剤の均一混合物を使用することが好ま
しい。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び参考例により本発明をさら
に具体的に説明する。実施例及び参考例中、使用するエ
チレン性不飽和単量体は、次の略号で示す。MMA:メ
チルメタクリレート、ST:スチレン、n−BA:n−
ブチルアクリレート、2EHA:2−エチルヘキシルア
クリレート、MAc:メタクリル酸、HEMA:2ヒド
ロキシエチルメタクリレート、AAm:アクリルアマイ
ド、DVB:ジビニルベンゼン、t−DM:t−ドデシ
ルメルカプタン、DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム。なお、各単量体のホモポリマーのTgは、
以下の数値で計算する。MMA:381K;ST:37
8K;nBA:217K;2EHA:203K;MA
c:458K;AAm:438K;HEMA:328K
【0027】参考例1 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次に、A−相として、MMA27g、
n−BA23gを純水17.0g及びDBS0.1gで乳化
したものを、1時間にわたって連続的に反応容器に滴下
した。滴下終了後、1時間熟成した。更に、B−相とし
て、ST125.0g、MMA150.0g、n−BA15
5.0g、MAc10.0g、HEMA5.0g、t−DM0.
45gを純水153.0g、AAm5.0g及びDBS0.9
gで乳化したものを、3時間にわたって連続的に反応容
器中に滴下した。滴下終了後、1時間熟成させた。その
後、常温まで冷却し、中和剤としてアンモニア水を添加
しpHを7.5に調整し、さらに純水で固形分50%に調
整してエマルション組成物を得た。原料の単量体組成と
Tgを表1に示す。尚、B−相の分子量は、B−相と同
一の組成のモノマーを同一条件で重合した重合体サンプ
ルを乾燥し、テトラヒドロフラン(THF)に溶解した
後、ゲルパーミエイション(GPC)法〔装置:SYS
TEM−11(Shodex製)、カラム:KF804
×3本〕により、ポリスチレンを標準物質として測定し
た。
【0028】参考例2 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次に、A−相として、ST150.0
g、MMA191.0g、2EHA109.0gを純水15
3.0g及びDBS0.9gで乳化したものを、3時間にわ
たって連続的に反応容器に滴下した。滴下終了後、1時
間熟成した。更に、B−相として、ST20.5g、n−
BA19.5g、MAc5.0g、HEMA5.0g、t−D
M0.05gを純水17.0g及びDBS0.1gで乳化した
ものを、1時間にわたって連続的に反応容器中に滴下し
た。滴下終了後、1時間熟成させた。その後、常温まで
冷却し、中和剤としてアンモニア水を添加してpHを7.
5に調節し、さらに純水で固形分50%に調整してエマ
ルション組成物を得た。原料の単量体組成とTgを表1
に示す。B−相の分子量は、参考例1と同様にして求め
た。
【0029】参考例3 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次に、A−相として、MMA186.0
g、n−BA59.0g、DVB5.0gを純水85.0g及
びDBS0.5gで乳化したものを、2時間にわたって連
続的に反応容器に滴下した。滴下終了後、1時間熟成し
た。更に、B−相として、ST141.5g、n−BA8
3.5g、MAc10.0g、HEMA10.0g、t−DM
0.25gを純水85.0g、AAm5.0g及びDBS0.5
gで乳化したものを、2時間にわたって連続的に反応容
器中に滴下した。滴下終了後、1時間熟成させた。その
後、常温まで冷却し、中和剤としてアンモニア水を添加
してpHを7.5に調節し、さらに純水で固形分50%に
調整してエマルション組成物を得た。原料の単量体組成
とTgを表1に示す。B−相の分子量は、参考例1と同
様にして求めた。
【0030】参考例4 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。つぎに、A−相として、ST205.0
g、n−BA45.0gを純水85.0g及びDBS0.5g
で乳化したものを、2時間にわたって連続的に反応容器
に滴下した。滴下終了後、1時間熟成した。さらに、B
−相として、MMA117.5g、2EHA112.5g、
MAc10.0g、HEMA10.0g、t−DM0.25g
を純水85.0g及びDBS0.5gで乳化したものを、2
時間にわたって連続的に反応容器中に滴下した。滴下終
了後、1時間熟成させた。その後、常温まで冷却し、中
和剤としてアンモニア水を添加してpHを7.5に調節
し、さらに純水で固形分50%に調整してエマルション
組成物を得た。原料の単量体組成とTgを表1に示す。
B−相の分子量は、参考例1と同様にして求めた。
【0031】参考例5 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水318.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム2.
5gを添加した。次に、A−相として、MMA188.5
g、2EHA61.5gを純水85.0g及びDBS0.5g
で乳化したものを、2時間にわたって連続的に反応容器
に滴下した。滴下終了後、1時間熟成した。更に、B−
相として、ST160.5g、n−BA69.5g、MAc
5.0g、HEMA5.0g、t−DM0.25gを純水85.
0g、AAm10.0g及びDBS0.5gで乳化したもの
を、2時間にわたって連続的に反応容器中に滴下した。
滴下終了後、1時間熟成させた。その後、常温まで冷却
し、中和剤としてアンモニア水を添加してpHを7.5に
調節し、さらに固形分50%に調整してエマルション組
成物を得た。原料の単量体組成とTgを表1に示す。B
−相の分子量は、参考例1と同様にして求めた。
【0032】参考例6 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次に、A−相として、ST50.0g、
MMA62.5g、2EHA37.5gを純水51.0g及び
DBS0.3gで乳化したものを、2時間にわたって連続
的に反応容器に滴下した。滴下終了後、1時間熟成し
た。更に、B−相として、ST100.0g、MMA10
0.0g、n−BA130.0g、MAc10.0g、HEM
A5.0g、t−DM0.35gを純水119.0g、AAm
5.0g及びDBS0.7gで乳化したものを、2時間にわ
たって連続的に反応容器中に滴下した。滴下終了後、1
時間熟成させた。その後、常温まで冷却し、中和剤とし
てアンモニア水を添加してpHを7.5に調節し、さらに
純水で固形分50%に調整してエマルション組成物を得
た。原料の単量体組成とTgを表1に示す。B−相の分
子量は、参考例1と同様にして求めた。
【0033】比較参考例1 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次に、ST150.0g、MMA193.
5g、n−BA70.0g、2EHA61.5g、MAc1
0.0g、HEMA10.0g、t−DM0.5gを純水17
0.0g、AAm5.0g及びDBS1.0gで乳化したもの
を、4時間にわたって連続的に反応容器に滴下した。滴
下終了後、1時間熟成した。その後、常温まで冷却し、
中和剤としてアンモニア水を添加しpHを7.5及び純水
で固形分50%に調整し、エマルション組成物を得た。
原料の単量体組成とTgを表1に示す。分子量は、参考
例1と同様にして求めた。
【0034】比較参考例2 撹拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、撹拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次に、ST150.0g、MMA155.
0g、2EHA170.0g、MAc10.0g、HEMA
10.0g、t−DM0.5gを純水170.0g、AAm5.
0g及びDBS1.0gで乳化したものを、4時間にわた
って連続的に反応容器に滴下した。滴下終了後、1時間
熟成した。その後、常温まで冷却し、中和剤としてアン
モニア水を添加しpHを7.5及び純水で固形分50%に
調整し、エマルション組成物を得た。原料の単量体組成
とTgを表1に示す。分子量は、参考例1と同様にして
求めた。
【0035】比較参考例3 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、攪拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次にA−相としてST237g、n−
BA13gを純水85.0g及びDBS0.5gで乳化した
ものを、1時間にわたって連続的に反応容器に滴下し
た。滴下終了後、1時間熟成した。更に、B−相とし
て、MMA117.5g、2EHA112.5g、MAc1
0g、HEMA10g、t−DM0.25gを純水85g
及びDBS0.5gで乳化したものを、2時間にわたって
連続的に反応容器中に滴下した。滴下終了後、1時間熟
成させた。その後、常温まで冷却し、中和剤としてアン
モニア水を添加してpH7.5に調節し、さらに純水で固
形分50%に調整してエマルション組成物を得た。原料
の単量体組成とTgを表2に示す。B−相の分子量は、
参考例1と同様にして求めた。
【0036】比較参考例4 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、攪拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次にA−相としてMMA163g、n
−BA87gを純水85.0g及びDBS0.5gで乳化し
たものを、1時間にわたって連続的に反応容器に滴下し
た。滴下終了後、1時間熟成した。更に、B−相とし
て、MMA167g、2EHA58g、MAc10g、
HEMA10g、t−DM0.25gを純水85g、AA
m5g及びDBS0.5gで乳化したものを、2時間にわ
たって連続的に反応容器中に滴下した。滴下終了後、1
時間熟成させた。その後、常温まで冷却し、中和剤とし
てアンモニア水を添加してpH7.5に調節し、さらに純
水で固形分50%に調整してエマルション組成物を得
た。原料の単量体組成とTgを表2に示す。B−相の分
子量は、参考例1と同様にして求めた。
【0037】比較参考例5 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、攪拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次にA−相としてMMA188.5g、
2EHA61.5gを純水85g及びDBS0.51gで乳
化したものを、1時間にわたって連続的に反応容器に滴
下した。滴下終了後、1時間熟成した。更に、B−相と
して、ST160.5g、n−BA69.5g、MAc5
g、HEMA5g、t−DM1.00gを純水85g、A
Am10g及びDBS0.5gで乳化したものを、3時間
にわたって連続的に反応容器中に滴下した。滴下終了
後、1時間熟成させた。その後、常温まで冷却し、中和
剤としてアンモニア水を添加してpH7.5に調節し、さ
らに純水で固形分50%に調整してエマルション組成物
を得た。原料の単量体組成とTgを表2に示す。B−相
の分子量は、参考例1と同様にして求めた。
【0038】比較参考例6 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、攪拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次にA−相としてMMA88.5g、2
EHA161.5gを純水85.0g及びDBS0.5gで乳
化したものを、1時間にわたって連続的に反応容器に滴
下した。滴下終了後、1時間熟成した。更に、B−相と
して、MMA73.5g、2EHA161.5g、MAc5
g、HEMA5g、t−DM0.25gを純水85g、A
Am5g及びDBS0.5gで乳化したものを、3時間に
わたって連続的に反応容器中に滴下した。滴下終了後、
1時間熟成させた。その後、常温まで冷却し、中和剤と
してアンモニア水を添加してpH7.5に調節し、さらに
純水で固形分50%に調整してエマルション組成物を得
た。原料の単量体組成とTgを表2に示す。B−相の分
子量は、参考例1と同様にして求めた。
【0039】比較参考例7 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水314.0g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、攪拌下、温度70℃で過硫酸カリウム1.
5gを添加した。次にA−相としてST50g、MMA
62.5g、2EHA37.5gを純水51.0g及びDBS
0.3gで乳化したものを、1時間にわたって連続的に反
応容器に滴下した。滴下終了後、1時間熟成した。更
に、B−相として、MMA74g、2EHA256g、
MAc10g、HEMA5.0g、t−DM0.35gを純
水119g、AAm5.0g及びDBS0.7gで乳化した
ものを、3時間にわたって連続的に反応容器中に滴下し
た。滴下終了後、1時間熟成させた。その後、常温まで
冷却し、中和剤としてアンモニア水を添加してpH7.5
に調節し、さらに純水で固形分50%に調整してエマル
ション組成物を得た。原料の単量体組成とTgを表2に
示す。B−相の分子量は、参考例1と同様にして求め
た。
【0040】比較例参考例8 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下装置を取り付け
た反応容器に純水695.2g、DBS1.5gを仕込み、
窒素雰囲気中、攪拌下、温度70℃で過硫酸カリウム0.
9gを添加した。次にMMA213.6g、n−BA86.
1gを純水120g及びDBS0.9gで乳化したもの
を、3時間にわたって連続的に反応容器に滴下した。滴
下終了後、1時間熟成した。その後、常温まで冷却し、
中和剤としてアンモニア水を添加してpH7.5に調節
し、さらに純水で固形分30%に調整し、エマルション
組成物を得た。原料の単量体組成とTgを表2に示す。
B−相の分子量は、参考例1と同様にして求めた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】実施例1〜6 ホモミキサー付のビーカーに、表3に示す組成になるよ
うに膜形成剤、可塑剤、界面活性剤及び水を入れ、攪拌
しながら、顔料又は染料等を少しずつ加えて、完全に分
散させた。次いで、参考例のエマルションを加えて均一
な本発明の美爪用組成物を得た。得られた美爪用組成物
について、初期のつや、乾燥速度、1日後のつやと密着
性、初期硬度、耐水性、耐洗剤性、汚染性及び擦り傷性
について下記の要領で試験を行った。結果を表6に示
す。
【0044】
【表3】
【0045】比較例1 ホモミキサー付のビーカーに、表4に示す組成になるよ
うに膜形成剤、可塑剤、界面活性剤及び水を入れ、攪拌
しながら、顔料又は染料等を少しずつ加えて、完全に分
散させた。次いで、比較参考例1及び2のエマルション
を加えて均一な比較例1の美爪用組成物を得た。得られ
た美爪用組成物について、実施例と同様に試験を行った
結果を表6に示す。 比較例2 ホモミキサー付のビーカーに、表4に示す組成になるよ
うに膜形成剤、可塑剤、界面活性剤及び水を入れ、攪拌
しながら、顔料又は染料等を少しずつ加えて、完全に分
散させた。次いで、特開平3−133916号に記載の
合成例1と同様にして得た水性複合ポリマーエマルショ
ンを加えて均一な比較例2の美爪用組成物を得た。得ら
れた美爪用組成物について、実施例と同様に試験を行っ
た結果を表6に示す。
【0046】比較例3〜7 ホモミキサー付きのビーカーに表5に示す組成になるよ
うに膜形成剤、可塑剤、界面活性剤及び水を入れ、攪拌
しながら、顔料又は染料等を少しずつ加えて、完全に分
散させた。次いで、比較参考例のエマルションを加えて
均一な比較例3から7の美爪用組成物を得た。得られた
美爪用組成物について、実施例と同様に試験を行った結
果を表7に示す。 比較例8 ホモミキサー付きのビーカーに表5に示す組成になるよ
うに膜形成剤、可塑剤、界面活性剤及び水を入れ、攪拌
しながら、顔料又は染料等を少しずつ加えて、完全に分
散させた。次いで、比較参考例2及び8のエマルション
を加えて均一な比較例8の美爪用組成物を得た。得られ
た美爪用組成物について、実施例と同様に試験を行った
結果を表7に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】試験方法 (1)初期のつや 900×300mmの無反射黒色メラミン樹脂板を均等
に4等分し、美爪用組成物5ミリリットルを塗布した。
温度20℃、相対湿度60%の条件下で60分間放置し
た後に入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射
率を光沢計を用いて、JIS Z 8741(鏡面光沢
測定方法)に準じて被膜の光沢を測定した(単位:
%)。 (2)乾燥速度 上記(1)と同様に、美爪用組成物を黒色メラミン樹脂
板に塗布した後、上記(1)と同様にして温度20℃、
相対湿度60%の条件下で指触乾燥時間を測定した(J
IS K 5400)(単位:秒)。
【0051】(3)1日後のつやの減少率と密着性 人指し指、中指及び薬指の各指の爪に一定量の美爪用組
成物をエナメル刷毛にて塗布して、被膜のつや(G1
を測定した。次に、日常の炊事及び入浴等を行って1日
経過後の被膜のつや(G2 )を測定して、塗布直後のつ
や(G1 )と比較して1日後のつやの減少率〔((G1
−G2 )/G1 )×100〕(単位:%)を求めた。1
日経過後に被膜のつやを測定した後、爪の被膜にセロハ
ンテープを貼り、強く剥がしたときの被膜の剥離の有無
を肉眼で観察した。 (4)初期硬度 (1)と同様に美爪用組成物を無反射黒色メラミン樹脂
板に塗布し、2時間経過後の被膜の硬度をヌープ硬度計
を用いて測定した(単位:KHN)。
【0052】(5)耐水性 10人のモニターを選び、温度20℃、相対湿度60%
の条件下で、人指し指、中指、薬指の各指の爪に一定量
の美爪用組成物をエナメル刷毛にて塗布した。常温にて
2時間乾燥後、43℃の温水中に30分間美爪用組成物
を塗布した爪を浸漬し、次に水道水に10分間浸漬し
た。さらに60分間常温下に置いて水道水に10分間浸
漬する試験を2回繰り返した。その後、直ちに洗爪用ブ
ラシを用い爪に塗布した被膜の上から均一な力で30回
擦り、常温に30分間放置し、被膜を乾燥した後、爪と
被膜との密着性、被膜の白化性、傷付き性、光沢低下を
比較した。
【0053】(6)耐洗剤性 耐水性試験と同様に美爪用組成物を爪に塗布し、常温に
て2時間乾燥した後、43℃の5%石鹸水中に30分間
美爪用組成物を塗布した爪を浸漬した。次に洗爪用ブラ
シを用い爪に塗布した被膜の上から均一な力で30回擦
った(頭髪洗浄と同様な条件)。この操作を2回繰り返
した後、常温に30分間放置し、被膜を乾燥させた後、
爪と被膜との密着性、被膜の白化、傷付き性、光沢低下
を比較した。 (7)汚染性 (3)と同様に美爪用組成物を爪に塗布し、24時間経
過後に、塗布した被膜の上に一定量のカーボンブラック
を載せ、一定の力で10回擦ったときのカーボンブラッ
クの付着状態を肉眼で観察した。 3(優):影響なし。 2(可):僅かに被膜が黒くなる。 1(劣る):被膜にカーボンブラックが入り込み黒色に
なる。
【0054】(8)擦り傷性 (1)と同様に美爪用組成物を黒色無反射メラミン樹脂
板に5回塗布し、24時間常温で経過した後の被膜のに
ついて、テーバー試験摩耗輪C−17を乗せ、50サイ
クル行った後の摩耗量をmgで表示した。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、塗布後の乾燥性が良好
で、乾燥初期の被膜の硬度の立ち上がりが速い水性の美
爪用組成物が提供される。本発明の組成物は、従来の水
性美爪用組成物に比べて、耐久性、耐水性、特に、耐温
水性及び耐洗剤性に優れた被膜を与えるので有用であ
る。
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上島 則行 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 五味 正 東京都中央区八丁堀2丁目30番17号 ユー ホーケミカル株式会社内 (72)発明者 宮本 智恵 東京都中央区八丁堀2丁目30番17号 ユー ホーケミカル株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エマルションの分散粒子が下記の二相: (A) 直鎖、分枝又は環状のアルキル基を有する(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル類、芳香族ビニル化合物、
    及び分子中に重合性不飽和基を2個以上有する単量体か
    ら選ばれた少なくとも一種類の単量体による重合体から
    なるA−相;および(B) 直鎖、分枝又は環状のアルキル
    基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳
    香族ビニル化合物、及び分子中に重合性不飽和基を2個
    以上有する単量体から選ばれた少なくとも一種類の単量
    体とカルボキシル基、アミド基及び/又は水酸基を有す
    る単量体との共重合体からなるB−相を含み、A−相と
    B−相との重量比率が5/95〜95/5であり、A−相と
    B−相のガラス転移温度がそれぞれ−20〜+70℃及び−
    60〜+70℃であり、両相のガラス転移温度差は0〜60℃
    であり、かつ、A−相のガラス転移温度がB−相のガラ
    ス転移温度以上であるエマルションを含有することを特
    徴とする水性美爪用組成物。
  2. 【請求項2】 エマルションの分散粒子が下記の二相: (A) 直鎖、分枝又は環状のアルキル基を有する(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル類、芳香族ビニル化合物、
    及び分子中に重合性不飽和基を2個以上有する単量体か
    ら選ばれた少なくとも一種類の単量体による重合体から
    なるA−相;および(B) 直鎖、分枝又は環状のアルキル
    基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳
    香族ビニル化合物、及び分子中に重合性不飽和基を2個
    以上有する単量体から選ばれた少なくとも一種類の単量
    体と、B−相に用いる全単量体100重量部に対して0.
    5から90重量部のカルボキシル基、アミド基及び/又は
    水酸基を有する単量体との共重合体からなるB−相を含
    み、A−相とB−相との重量比率が5/95〜95/5であ
    り、A−相とB−相のガラス転移温度がそれぞれ−20〜
    +70℃及び−60〜+70℃であり、両相のガラス転移温度
    差は0〜60℃であり、かつ、A−相のガラス転移温度が
    B−相のガラス転移温度以上であるエマルションを含有
    することを特徴とする水性美爪用組成物。
  3. 【請求項3】 直鎖、分枝又は環状のアルキル基を有す
    る(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳香族ビニ
    ル化合物、及び分子中に重合性不飽和基を2個以上有す
    る単量体から選ばれた少なくとも一種類の単量体を乳化
    重合してA−相を得、ついで、A−相の重合体の存在
    下、直鎖、分枝又は環状のアルキル基を有する(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル類、芳香族ビニル化合物、
    及び分子中に重合性不飽和基を2個以上有する単量体か
    ら選ばれた少なくとも一種類の単量体と、カルボキシル
    基、アミド基及び/又は水酸基を有する単量体とを重合
    してB−相の共重合体を得ることにより製造され、エマ
    ルションの分散粒子がA−相とB−相とを含み、A−相
    とB−相との重量比率が5/95〜95/5であり、A−相
    とB−相のガラス転移温度がそれぞれ−20〜+70℃及び
    −60〜+70℃であり、両相のガラス転移温度差は0〜60
    ℃であり、かつA−相のガラス転移温度がB−相のガラ
    ス転移温度以上であるエマルションを含有することを特
    徴とする水性美爪用組成物。
  4. 【請求項4】 直鎖、分枝又は環状のアルキル基を有す
    る(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳香族ビニ
    ル化合物、及び分子中に重合性不飽和基を2個以上有す
    る単量体から選ばれた少なくとも一種類の単量体を乳化
    重合してA−相を得、ついで、A−相の重合体の存在
    下、直鎖、分枝又は環状のアルキル基を有する(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル類、芳香族ビニル化合物、
    及び分子中に重合性不飽和基を2個以上有する単量体か
    ら選ばれた少なくとも一種類の単量体と、B−相に用い
    る全単量体100重量部に対して0.5から90重量部であ
    るカルボキシル基、アミド基及び/又は水酸基を有する
    単量体とを重合してB−相の共重合体を得ることにより
    製造され、エマルションの分散粒子がA−相とB−相と
    を含み、A−相とB−相との重量比率が5/95〜95/5
    であり、A−相とB−相のガラス転移温度がそれぞれ−
    20〜+70℃及び−60〜+70℃であり、両相のガラス転移
    温度差は0〜60℃であり、かつA−相のガラス転移温度
    がB−相のガラス転移温度以上であるエマルションを含
    有することを特徴とする水性美爪用組成物。
  5. 【請求項5】 B−相の共重合体の重量平均分子量が20
    万以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    水性美爪用組成物。
  6. 【請求項6】 顔料又は染料を含有する請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の水性美爪用組成物。
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