JPH06298617A - 交信攪乱剤 - Google Patents

交信攪乱剤

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JPH06298617A
JPH06298617A JP5113677A JP11367793A JPH06298617A JP H06298617 A JPH06298617 A JP H06298617A JP 5113677 A JP5113677 A JP 5113677A JP 11367793 A JP11367793 A JP 11367793A JP H06298617 A JPH06298617 A JP H06298617A
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JP
Japan
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communication
sex pheromone
decenyl
pheromone
oxacyclopentan
Prior art date
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Pending
Application number
JP5113677A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Saiga
健 雜賀
Kenji Komori
研二 古森
Shuji Senda
修治 千田
Giichi Musa
義一 撫佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光学活性なマメコガネ(Popillia
japonica Newman)の性フェロモン
(R,Z)−5−(1−デセニル)オキサシクロペンタ
ン−2−オンと、このフェロモンの鏡像に相当する対掌
体(R,Z)−5−(1−デセニル)オキサシクロペン
タン−2−オンとが含有される。対掌体は、光学活性な
性フェロモンに対して5〜95%の重量範囲で含有され
ることが好ましい。 【効果】 芝害虫マメコガネ(Popillia ja
ponica newman)に対して誘引作用を示す
ことなく、攪乱作用のみを発現させて防除を行なうこと
ができ、実用性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は交信攪乱剤に係り、そ
の目的は芝害虫マメコガネ(Popillia jap
onica Newman)に対して誘引作用を示すこ
となく攪乱効果のみを発現して、マメコガネ(Popi
llia japonica Newman)の防除を
行なうことができる交信攪乱剤の提供にある。
【0002】
【従来の技術】性フェロモンによる害虫の防除方法は、
従来の殺虫剤散布による方法と比べると、天敵や人間な
ど他の動物に対する影響がほどんどなく、しかも作物へ
の残留毒性も無いため極めて安全であり、そのうえ抵抗
性昆虫を出現させることもない等の優れた利点を有して
いる。このような背景において、近年、数多くのフェロ
モンが分離・同定されてきた。これらのフェロモンの中
には、光学活性体であるものも多く、最近の光学活性体
合成技術の進歩によって、複雑なフェロモンも化学的・
光学的に純粋に合成することが可能となってきた。ま
た、近年では、昆虫の性フェロモンをマイクロカプセル
中に充填したり、或いはアラビアゴム、デキストリン等
に含浸させて包接物を形成し、常時その匂いが少しずつ
発散されるような施用形態で用いて、昆虫の性フェロモ
ンを大気中に徐放放散させることにより雄雌の交尾を阻
害する交信攪乱剤としてのフェロモンの利用が研究さ
れ、茶害虫などにおいて一部実用化されるようになって
きている。この交信攪乱剤を用いた防除方法とは、雌が
性フェロモンを放出している際に、それと同じ物質を用
いて覆ってしまう方法で、同じ性フェロモンを全面に放
散し、雄の雌への定位による交尾を阻害せんとするもの
である。
【0003】一般に、昆虫が放出する性フェロモンは種
によって異なるが、通常数種類で構成されて誘引活性を
発現するものである。しかし、前記した交信攪乱剤とし
て使用する場合には、性フェロモンの少なくとも一種以
上が使用される。具体的に、性フェロモンを構成する複
数成分のうちの一種だけを高い濃度で与えると、その単
一成分だけでも昆虫の嗅覚気管が間違えて受容器にとり
いれてしまい、他の構成成分、或いは性フェロモン混合
物を受け入れる余地がなくなってしまう。このため、雌
から放出された性フェロモンは、前記単一成分と混じり
合って異常比率として雄に受け止められしまい、雌雄の
交尾が阻害される。
【0004】しかし、ゴルフ場での被害が報告されてい
る芝害虫であるマメコガネ(Popillia jap
onica Newman)の場合、性フェロモン構成
物質は、一般式1(化1)で示される(R,Z)−5−
(1−デセニル)オキサシクロペンタン−2−オンの1
種類のみである。
【化1】
【0005】この(R,Z)−5−(1−デセニル)オ
キサシクロペンタン−2−オンは光学活性体であり、雄
成虫を誘引する作用を示すが、このフェロモンの鏡像に
相当する対掌体、一般式2(化2)で示される(S,
Z)−5−(1−デセニル)オキサシクロペンタン−2
−オンは、非常に強く前記フェロモン活性を阻害するこ
とが知られている。実際に、わずか2%の対掌体の混入
によりそのフェロモン活性は1/3以下に減少する。
【化2】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高い光
学純度の(R,Z)−5−(1−デセニル)オキサシク
ロペンタン−2−オンは、極めて高価な薬剤として提供
されるので、比較的多量のフェロモンを使用する交信攪
乱剤としての実用化はなされていなかった。そこで業界
では、日本において、特にゴルフ場での被害が深刻化さ
れている芝害虫マメコガネ(Popillia jap
onica Newman)の雌雄の交尾を阻害するこ
とのできる優れた交信攪乱剤の提供が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明では光学活性な
マメコガネ(Popillia japonicaNe
wman)の性フェロモン(R,Z)−5−(1−デセ
ニル)オキサシクロペンタン−2−オンと、この性フェ
ロモンの鏡像に相当する対掌体(S,Z)−5−(1−
デセニル)オキサシクロペンタン−2−オンとが含有さ
れてなることを特徴とする交信攪乱剤を提供することに
より上記従来の課題を悉く解消する。
【0008】
【作用】光学活性なフェロモンとその対掌体とを混合さ
せることにより、芝害虫であるマメコガネ(Popil
lia japonica Newman)に対して、
誘引作用は示さずに、優れた交信攪乱効果のみが発現さ
れる。
【0009】
【発明の構成】以下、この発明に係る交信攪乱剤の構成
について詳述する。この発明において使用される一般式
3(化3)で示される(R,Z)−5−(1−デセニ
ル)オキサシクロペンタン−2−オンは、芝害虫として
被害が深刻化されているマメコガネ(Popillia
japonica Newman)の光学活性な性フ
ェロモンであり、雄成虫の誘引活性を示す物質である。
【化3】
【0010】この(R,Z)−5−(1−デセニル)オ
キサシクロペンタン−2−オンは、(R)−(−)−グ
ルタミン酸を出発原料として合成する方法が最初に報告
されているが、この方法以外にも、例えば、酵素を用い
たヒドロキシエステルラセミ体の立体選択的ラクトン化
反応、或いはリパーゼを用いたアシル化及びラクトン化
の両反応等、任意の方法により合成することができる。
【0011】また、この発明では、上記した光学活性な
性フェロモン(R,Z)−5−(1−デセニル)オキサ
シクロペンタン−2−オンの鏡像に相当する対掌体、一
般式4(化4)で示される(S,Z)−5−(1−デセ
ニル)オキサシクロペンタン−2−オンが含有される。
この対掌体は、性フェロモンの特徴である雄成虫の誘引
活性は低いが、優れた交信攪乱効果を有するとともに、
性フェロモンの成分濃度が低下した場合に、フェロモン
単独の交信攪乱剤のような誘引作用を発現させない作用
を有する特徴がある。
【化4】
【0012】この発明において、上記対掌体は、光学活
性な性フェロモンに対して5〜95%の重量範囲で含有
されることが好ましい。この理由は、対掌体の含有割合
が光学活性な性フェロモンに対して5%未満であると誘
引活性が発現されてしまい、一方、95%を超えて含有
されても充分な交信攪乱効果が発現されないため、いず
れの場合も好ましくないからである。
【0013】以上のような光学活性な性フェロモン及び
この性フェロモンの鏡像に相当する対掌体の調製は、光
学活性なフェロモンの合成過程における光学分割などに
より得られた性フェロモンとその対掌体とを混合しても
よいが、光学分割などの手法を省略できるラセミ体を用
いるほうが工業的には有利であるため好ましいが、特に
限定されるものではない。
【0014】
【実施例】以下、この発明に係る交信攪乱剤の効果を実
施例を挙げて一層明確なものとする。但し、この発明は
以下の実施例により何ら限定はされない。
【0015】(実施例1)マメコガネ(Popilli
a japonica Newman)性フェロモン
(R,Z)−5−(1−デセニル)オキサシクロペンタ
ン−2−オンと、その対掌体である(S,Z)−5−
(1−デセニル)オキサシクロペンタン−2−オンとの
等量混合物であるラセミ体10mgを含有したエチレン
酢酸ビニル共重合体シート(3×1.5cm)を調製
し、このシートの両面をさらにポリエステルフィルムで
ラミネートして実施例1の交信攪乱剤を作製した。 (実施例2)前記マメコガネ(Popillia ja
ponica Newman)性フェロモンの対掌体を
5%含有させた以外は実施例1と同様の交信攪乱剤を作
製した。 (実施例3)前記マメコガネ(Popillia ja
ponica Newman)性フェロモンの対掌体を
95%含有させた以外は実施例1と同様の交信攪乱剤を
作製した。
【0016】(比較例1)マメコガネ(Popilli
a japonica Newman)性フェロモン
(R,Z)−5−(1−デセニル)オキサシクロペンタ
ン−2−オンのみを用いた以外は実施例1と同様の交信
攪乱剤を作製した。
【0017】(試験例)50m以上離れた5aのノシバ
4カ所を試験地とし、この試験地に前記実施例1〜3及
び比較例1で作製された交信攪乱剤をそれぞれ設置し
た。尚、対照区として、交信攪乱剤を設置しない試験地
を設けた(比較例2)。前記試験地の中央にそれぞれフ
ェロモントラップ(商品名:ニトルアーマメコガネ、日
東電工(株)製)を配置して、月別誘殺数を調べた。こ
の月別誘殺数を交信攪乱効果の指標とした。(実施例及
び比較例の交信攪乱剤とフェロモントラップとは、それ
ぞれ5月30日に設置した。) この結果を表1に示す(尚、誘殺数が少ない程、優れた
交信攪乱効果があることを示す)。
【表1】
【0018】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は光学活性
なマメコガネ(Popillia japonica
Newman)の性フェロモン(R,Z)−5−(1−
デセニル)オキサシクロペンタン−2−オンと、この性
フェロモンの鏡像に相当する対掌体(S,Z)−5−
(1−デセニル)オキサシクロペンタン−2−オンとが
含有されてなることを特徴とする交信攪乱剤であるか
ら、前記試験例の結果からも明らかな如く、フェロモン
単独の交信攪乱剤とは異なり、芝害虫であるマメコガネ
(Popillia japonica Newma
n)に対して、誘引作用は示さずに、交信攪乱作用のみ
を発現して防除を行なうことができ、実用性に優れると
いう効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 撫佐 義一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性なマメコガネ(Popilli
    a japonica Newman)の性フェロモン
    (R,Z)−5−(1−デセニル)オキサシクロペンタ
    ン−2−オンと、この性フェロモンの鏡像に相当する対
    掌体(S,Z)−5−(1−デセニル)オキサシクロペ
    ンタン−2−オンとが含有されてなることを特徴とする
    交信攪乱剤。
  2. 【請求項2】 前記対掌体が性フェロモンに対して5〜
    95%の重量範囲で含有されてなることを特徴とする請
    求項1に記載の交信攪乱剤。
JP5113677A 1993-04-15 1993-04-15 交信攪乱剤 Pending JPH06298617A (ja)

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JP5113677A JPH06298617A (ja) 1993-04-15 1993-04-15 交信攪乱剤

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JP5113677A JPH06298617A (ja) 1993-04-15 1993-04-15 交信攪乱剤

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JP5113677A Pending JPH06298617A (ja) 1993-04-15 1993-04-15 交信攪乱剤

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