JPH06298484A - ワークの吊り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吊りワークの中央部に設けた穴に引っ掛けて
ワークを水平に吊る装置において、中央穴の大小に関係
なく対応でき、かつ安全性と作業性の向上を図る。 【構成】 吊り金５に連結される軸６に上下に摺動自在
の支持金７を嵌合し、この支持金７に複数の掛金８ａ，
８ｂを対称に枢着し、この掛金の下端の爪８ｃをワーク
１の穴１ａに挿入するときは掛金が縮小し、吊り作業時
は拡大すると同時に吊りワークの自重でロック状態とな
り、外れないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、搬送物のワークの中
央に設けられた穴に引っ掛けて比較的重量の重いものを
吊り上げるのに使用する吊り装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、搬送物が重量物のワークの場合
は、例えば、図６、図７に示すような作業方法が用いら
れている。図において、１は中央部に穴１ａのある吊り
ワーク、２は吊りワイヤー、３は吊り穴１ａに合せて作
られた内掛けブロック、４はこのブロック３に結合され
るアイボルトである。

【０００３】次に動作について説明する。あらかじめ内
掛ブロック３の中央ネジ部３ａにアイボルト４を螺合
し、このアイボルトにはワイヤ２が係合される。そして
これらの吊り具を、吊りワーク１の中央の穴１ａに斜め
にさし込んで挿入後、穴の空間で水平にし、ワークの穴
に掛ける。この状態で吊り上げ作業を行なう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の吊り具は以上の
ように構成されているので、斜めにさし込み水平に保つ
には、空間が必要であり、また吊り穴が一定のもののみ
しか使用できず、吊り穴の変化に対応できないなどの問
題点があった。

【０００５】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、吊り穴の大小に自由に対応でき
るとともに、作業の安全性と能率向上を図ったものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る吊り装置
は、吊りワイヤーに連結される吊り金に軸を装着し、こ
の軸に上下に摺動自在の支持金を嵌装し、この支持金の
アームに先端に爪を有する複数の掛金を枢着し、この掛
金と上記支持金との間に当金とバネなどによる拡大縮小
機構を備えたものである。

【０００７】

【作用】この発明の吊り装置においては、掛金の先端の
引っ掛け爪が吊りワークの穴に対して縮んだり拡がった
りすることで自由に対応できるとともに、爪部を穴に挿
入して吊り上げるだけで、複数の掛金が拡大しロック状
態で水平に吊り上げられる。

【０００８】

【実施例】

実施例１．図１はこの発明の一実施例を示す正面断面
図、図２，図３はその動作説明図、図４は図１のＡ−Ａ
線の断面図である。これらの図において、５は穴５ａに
吊りワイヤー２を通して吊り下げられる吊り金、６はこ
の吊り金５のめねじ５ｂに螺着される軸、７はこの軸６
に摺動自在に嵌合される筒状の支持金で、下端部に両側
に突き出た２本のアーム７ａ，７ｂを有し、かつこのア
ームにはそれぞれ掛金溝７ｃを有する。８ａ，８ｂは上
記アーム７ａ，７ｂの溝７ｃに挿入されるとともに夫々
ピン９にて枢着される全体がほぼやっとこ状の左右一対
の掛金であり、その下端には外側へ開いた引っ掛け爪８
ｃがあり、また上端部にはバネ受部８ｄが形成されてい
る。１０はこのバネ受部に螺着されたバネ受け、１１は
このバネ受け１０と上記支持金７に設けたバネ受穴７ｄ
との間に掛架されたバネである。１２は上記軸６の下端
部に案内板１３を挟んだ状態でストッパ１４と止めナッ
ト１５にてクランプされ上記掛金８ａ，８ｂの内面と当
接する当金である。なお、上記案内板１３の両側には案
内溝１３ａを有し、これが上記掛金８ａ，８ｂと係合し
ている。

【０００９】次に動作について説明する。クレーンのフ
ックに掛けられた吊り装置は自由状態においてはその自
重により図２で示す状態、即ちストッパー１４が支掛金
７に当った状態まで掛金８ａ，８ｂが開いている。これ
から掛金の先端をワーク１の中央の穴１ａに近付けると
同時に支掛金７の上端の指掛り７ｄ部を持ち上げる。こ
れに伴って掛金７も持ち上げられ、案内板１３、当金１
２は相対的に掛金８ａ，８ｂ間の下方に移動してそのフ
トコロ内に納まり、バネ１０の力により掛金の爪部８ｃ
は放射状に内方へ寄せられる（図１）。この縮んだ状態
で吊りワーク１の中央穴１ａに挿入される。吊りワーク
の穴に挿入後、指掛部７ｄを放すと、自重により吊りワ
ークの穴の中で拡大され爪部８ｃは図３の如く引っ掛
る。そしてこの状態でクレーンを上昇すると、当金１２
と掛金８ａ，８ｂとのカム作用によりロック状態とな
り、外れることはない。所定の搬送作業が終わると、ク
レーンが降下し、ワイヤー２がゆるむ。そこで支掛金７
の指掛け部７ｄを持ち上げると、図１の状態に掛金７は
放射状に縮小し、吊りワークの中央穴より自由に抜き取
ることができるものとなる。

【００１０】実施例２．上記実施例では、掛金７のアー
ムを軸６の両側に２個設けたものを示したが、吊り負荷
に応じて図５のように、放射状に３個配置し、これらに
合せて掛金や案内板などを増設してもよく、これによっ
て掛金やピン９の負担を軽減させることができる。

【００１１】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、吊り金
に連結した軸に摺動自在に筒状の支持金を嵌装し、この
支持金に放射状に開いたり縮んだりする掛金をバネを介
して枢着し、この掛金に当接するロック用当金を備え、
上記支持金を持ち上げると掛金が縮小し、手を放すと掛
金が拡大するように構成したので、ワークの吊り穴の大
小に関係なく、容易かつ安全に吊り作業が行える効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示し、支持金を持ち上げ
た状態の断面図である。

【図２】図１の状態から支持金を放して自由状態にした
ときの断面図である。

【図３】図１の状態から掛金を吊りワークに引っ掛ける
作業行程を示す断面図である。

【図４】図１のＡ−Ａ線の断面図である。

【図５】この発明の他の実施例を示し、図４に対応する
断面図である。

【図６】従来の吊り作業方法を示す断面図である。

【図７】図６の一部切欠の平面図である。

【符号の説明】

１ ワーク ２ 吊りワイヤー ５ 吊り金 ６ 軸 ７ 支持金 ７ａ，７ｂ アーム ７ｃ 掛金溝 ８ａ，８ｂ掛金 ８ｃ 爪 １１ バネ １２ 当金 １３ 案内板 １４ ストッパ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吊りワイヤーに連結される吊り金、この
   吊り金に装着される軸、この軸に上下に摺動自在に嵌め
   込まれた支持金、この支持金の外周に放射状に設けられ
   た複数のアームに枢着され下端に引っ掛け爪を有する複
   数の掛金、この掛金の上端部と上記支持金の間に掛架さ
   れたバネ、及び、上記軸の下端部に装着され、上記掛金
   の内面と当接する当金と該掛金と係合する案内板とを備
   えたワークの吊り装置。
2. 【請求項２】 支持金の外周に放射状に３個以上のアー
   ムを設け、これに合せて掛金及び案内板などを増設する
   ことで、吊り重量に耐え得るように構成したことを特徴
   とする請求項１記載のワークの吊り装置。
3. 【請求項３】 支持金の上端部に指掛け部を設けたこと
   を特徴とする請求項１または２記載のワークの吊り装
   置。