JPH062983A - 吸収冷凍機の容量制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】冷水出口部の温度の可変制御における応答性を
高める。 【構成】冷水入口温度検出部21の検出温度の変化で冷房
負荷17の増減量を検知して吸収器冷却水流量設定部20に
より冷却水流量を増減させ、冷却水と吸収液の温度差を
加減することで吸収器の吸収能力を増減させる制御系
を、熱源量を増減する制御系11〜15に付加配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、吸収冷凍機の容量制御
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の吸収冷凍機の容量を制御する構成
は図２に示すようになっていた。同図で11は冷水出口部
の温度を検出する例えば温度センサによる冷水出口温度
検出部であり、15は冷水出口部の目標となる温度を予め
設定する冷水出口温度設定部である。冷水出口温度検出
部11の検出温度と冷水出口温度設定部15の設定温度との
偏差12が変化信号としてＰＩＤ部13にて適宜調節された
後に熱源量設定部14へ送られる。この熱源量設定部14で
は、ＰＩＤ部13を介して送られてきた偏差12に対してこ
れをゼロにするべく熱源量を増減設定する。このように
全体の構成としては、冷水出口部の温度を一定に保持す
る制御系となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
吸収冷凍機の容量制御においては、冷水出口部温度の設
定値からの変化信号量（偏差量）に応じて熱源量を増減
することでこの偏差量をなくし、冷水出口部温度を一定
の温度とさせるようになっていた。

【０００４】しかるに冷水出口部の温度は、吸収器の吸
収能力が増大すると蒸発器での冷媒蒸発量もこれに連れ
て増大して冷水出口部温度が下降する一方、吸収器の吸
収能力が減少すると蒸発器での冷媒蒸発量もこれに連れ
て減少して冷水出口部温度が上昇する。吸収器の吸収能
力の増減は吸収液の濃度の高低に依存するが、これは熱
源量の増減で変化させることができる。しかしながらこ
のような制御方法では、系内の保有液量及び熱容量が大
きいために、熱源量を増減することで短時間のうちにを
上昇あるいは下降させることはできず、応答性の低いも
のとなっていた。

【０００５】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、特に冷水出口部の
温度に対する応答性を高めた吸収冷凍機の容量制御装置
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段及び作用】すなわち本発明
は、吸収器の吸収能力の増減が冷却水と吸収液の温度差
にも依存することに着目し、冷房負荷の増減量を冷水入
口部の温度変化で検知して冷却水流量を増減させ、上記
温度差を加減する制御系を従来の熱源量を増減する制御
系に付加配設するようにしたもので、吸収器の吸収能力
の増減により冷水出口部の温度を短時間のうちに可変制
御でき、応答性の良好なものとすることができる。

【０００７】

【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例を説明
する。図１はその構成概念を示すもので、上記図２に示
したものと一部重複するので同一部分には同一符号を付
してその説明は省略する。

【０００８】しかるに、冷水入口部にも温度を検出する
例えば温度センサによる冷水入口温度検出部21を配設
し、その検出温度と冷水出口温度設定部15の設定温度と
の温度差16を得る。この温度差16と、冷水の流量を検出
する例えばフローセンサによる冷水流量検出部22からの
冷水流量とを乗算することで負荷17を得る。

【０００９】また、吸収器の冷却水入口にも温度を検出
する例えば温度センサによる冷却水入口温度検出部23を
配設し、その検出温度に応じた負荷修正係数24を求め
る。この負荷修正係数24をもって上記負荷17に対する増
減量18を定める。

【００１０】この負荷増減量18をＰＩＤ部19にて適宜調
節した後に吸収器冷却水流量設定部20へ送出する。吸収
器冷却水流量設定部20では、ＰＩＤ部19を介して送られ
てきた負荷増減量18に対応して新たに吸収器の冷却水流
量を設定し、該流量を増減制御する。

【００１１】上記のような構成にあって、冷水出口温度
検出部11で得られた検出温度と冷水出口温度設定部15で
の設定温度との偏差12が発生するのは冷水入口部の温度
が変動した場合であり、冷水入口部の温度が上昇すれば
冷水出口部の温度も上昇し、冷水出口部の温度との偏差
が正の方向で大きくなり、熱源量を増加させる結果とな
る。

【００１２】同時に、冷水入口温度検出部21での検出温
度と冷水出口温度設定部15による設定温度設定値との温
度差16が大きくなることで負荷17が増加したこととな
り、負荷増減量18、ＰＩＤ部19を介して吸収器冷却水流
量設定部20が吸収器に流すべき冷却水の流量を増大させ
る。この動作により吸収器での冷却水出口部の温度が降
下することで、冷却水と吸収液との温度差が拡大し、吸
収器の吸収能力が増大して蒸発器での冷媒発生量が増大
し、結果として冷水出口部の温度が降下する。したがっ
て、従来のように熱源量だけを増減する場合に比して冷
水出口部の温度制御の応答性を高めることができる。

【００１３】応答性の改善程度として、例えば冷水入口
部の温度の変動幅が±８％であるとき、従来のように熱
源量だけを増減制御する場合の冷水出口部の温度の変動
幅が±８．６％であるとすると、これに加えて本発明の
ように冷房負荷の増減量を冷水入口部の温度変化で検知
して冷却水流量を増減させるようにすれば、冷水出口部
の温度の変動幅が±６％で制御できるようになり、制御
の応答性が確実に向上していることがわかる。

【００１４】

【発明の効果】以上詳記した如く本発明によれば、吸収
器の吸収能力の増減が冷却水と吸収液の温度差にも依存
することに着目し、冷房負荷の増減量を冷水入口部の温
度変化で検知して冷却水流量を増減させ、上記温度差を
加減する制御系を従来の熱源量を増減する制御系に付加
配設するようにしたので、吸収器の吸収能力の増減によ
り冷水出口部の温度を短時間のうちに可変制御でき、応
答性の良好な吸収冷凍機の容量制御装置を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る構成概念を示すブロッ
ク図。

【図２】従来の吸収冷凍機の容量制御装置の構成概念を
示すブロック図。

【符号の説明】

11…冷水出口温度検出部、12…偏差、13，19…ＰＩＤ
部、14…熱源量設定部、15…冷水出口温度設定部、16…
温度差、17…負荷、18…負荷増減量、20…吸収器冷却水
流量設定部、21…冷水入口温度検出部、22…冷水流量検
出部、23…冷却水入口温度検出部、24…負荷修正係数。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸収器、蒸発器、凝縮器、再生器、溶液
   熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプ及び配管から構成さ
   れる吸収冷凍機の容量制御装置において、 冷水出口部の温度の変化により熱源量を制御する第１の
   制御系と、 冷房負荷の変化を冷水入り口部の温度の変化量で検知
   し、この検知信号により冷却水流量を増減制御する第２
   の制御系とを具備したことを特徴とする吸収冷凍機の容
   量制御装置。