JPH06298229A - 処理装置 - Google Patents

処理装置

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JPH06298229A
JPH06298229A JP11405893A JP11405893A JPH06298229A JP H06298229 A JPH06298229 A JP H06298229A JP 11405893 A JP11405893 A JP 11405893A JP 11405893 A JP11405893 A JP 11405893A JP H06298229 A JPH06298229 A JP H06298229A
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Yasuyuki Sasaki
康行 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インラインに設けられた複数の処理手段を備
えた処理装置において、一つの処理手段が停止しても他
の処理手段の運転は継続可能とする。 【構成】 フリーフローコンベア44、45に沿って上
下流に配置された充填装置57とシール装置70との間
に容器を保持したリテーナ15を適当数、一時的に滞留
させるラインバッファ装置65を設け、上流の充填装置
57を停止した時にはラインバッファ装置65に溜まっ
ているリテーナを下流に送ることで、下流のシール装置
70の運転を継続し、逆に下流のシール装置70を停止
した時には、ラインバッファ装置65にリテーナを溜め
ることで上流の充填装置57の運転を継続し、更に、停
止中の装置の運転再開時には、充填装置57又はシール
装置70の速度を定常時の運転速度よりも増減すること
で、ラインバッファ装置65のリテーナ数を適正数に戻
すことができるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物品に対して複数の処
理、例えば、容器(物品)を搬送用のリテーナに乗せる
という処理、その容器に液体を充填する処理、その容器
を密封する処理等をインラインで行う処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、容器に対する充填、密封等の処理
をインラインで行う装置では、多数の容器を一定ピッチ
で保持して搬送するコンベアと、そのコンベアに沿って
配置された充填手段、シール手段等を備えており、容器
を次々とコンベアに供給して一定ピッチで保持させ、そ
のコンベアで容器を搬送し、その途中で、各充填手段、
シール手段等がそれぞれの処理を施していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
構成では、一つの処理手段、例えば充填手段において何
らかのトラブルが発生したり、或いは充填タンクへの充
填液の供給のため等によってその処理手段の運転を停止
しなければならなくなった時、その処理手段だけを停止
させるということはできず、正常に作動しているコンベ
アや他の処理手段も停止させなければならない。このた
め、複数の処理手段を備えた処理装置では、各処理手段
の停止毎に全体の処理装置を停止させており、装置全体
の稼働率が低くなってしまうという問題があった。
【0004】この問題点を避けるには、インライン方式
を止め、各処理手段をそれぞれ独立させればよい。しか
しながら、その場合には、一つの処理手段で処理を終わ
った物品を蓄えるスペース及びその物品を次の処理手段
に搬送する搬送手段を必要とし、大きいスペースを要す
ると共に搬送手段の構成が複雑となるという問題があっ
た。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、インライン方式でありながら、従来に比べ装置全
体の稼働率を向上させることの可能な処理装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべくな
された本発明は、処理すべき物品を所定の搬送経路に沿
って搬送する搬送手段と、その搬送経路の上流位置と下
流位置にそれぞれ配置され、前記搬送手段で搬送されて
きた物品に対する所定の処理を施す第一処理手段及び第
二処理手段と、前記第一処理手段及び第二処理手段の間
に配置され、物品を一時的に滞留させるラインバッファ
装置と、前記第一処理手段及び第二処理手段の運転速度
を制御する制御装置とを有しており、該制御装置は、前
記第一処理手段と第二処理手段が共に運転中で且つ前記
ラインバッファ装置に予め定めた適正量の物品が滞留し
ている場合には、前記第一処理手段と第二処理手段とを
同一運転速度とするが、前記第一処理手段と第二処理手
段の一方が停止した後の運転再開時において前記ライン
バッファ装置における物品の適正量が前記定常量から外
れていた場合に、その物品の滞留量を前記適正量に戻す
べく、前記第一処理手段又は第二処理手段の運転速度を
変化させる構成となっていることを特徴とする処理装置
を要旨とする。
【0007】ここで、上記の搬送手段として、物品を移
動可能に保持して搬送するフリーフローコンベアを用
い、そのフリーフローコンベア上の物品を適当なストッ
パ装置によってその進行を一時的に停止させ、そのフリ
ーフローコンベア上に物品を滞留させることにより、ラ
インバッファ装置を構成することが好ましい。
【0008】また、前記制御装置には更に、前記第一処
理手段と第二処理手段の一方が停止し、ラインバッファ
装置における物品の滞留量が増減する際、その増減量を
抑制するように、他方の処理手段の運転速度を低下させ
る機能を備えておくことが好ましい。
【0009】更に、フリーフローコンベアによって物品
を搬送するに際し、その物品を、ほぼ直方体形状のリテ
ーナに保持させた状態で搬送し、且つその状態でそれぞ
れの処理手段で物品への処理を行うように構成すること
が好ましい。
【0010】
【作用】本発明は上述のように、第一処理手段と第二処
理手段との間にラインバッファ装置を設けたことによ
り、第一処理手段と第二処理手段のいずれか一方が停止
した場合でも、ラインバッファ装置における物品の滞留
量を増減させることにより他方の処理装置の運転を継続
することができ、装置全体の稼働率低下を防止できる。
また、第一処理手段と第二処理手段のいずれか一方が停
止し、ラインバッファ装置における物品の滞留量が増減
した後の運転再開時には、制御装置が前記第一処理手段
又は第二処理手段の運転速度を定常運転時の速度とは異
なる速度とすることによりラインバッファ装置における
滞留量を所定の適正量に戻すことができ、次の異常発生
時に備えることができる。
【0011】ここで、搬送手段としてフリーフローコン
ベアを用いると、その上に保持されて搬送されている物
品の進行をストッパ装置によって停止させることによ
り、フリーフローコンベアは運転した状態で、そのフリ
ーフローコンベア上に物品を滞留させることができ、簡
単にラインバッファ装置を形成することができる。ま
た、そのストッパ装置で進行を阻止している物品を解放
することにより、その物品は直ちにフリーフローコンベ
アによって下流に搬送しうるので、ラインバッファ装置
から搬送手段への物品供給機構が必要なく、この点から
も装置構成が簡単となる。
【0012】また、前記制御装置に更に、前記第一処理
手段と第二処理手段の一方が停止し、ラインバッファ装
置における物品の滞留量が増減する際、その増減量を抑
制するように、他方の処理手段の運転速度を低下させる
機能を備えさせておくと、ラインバッファ装置における
物品滞留量の増減量を少なくできる。このため、例え
ば、下流側の第二処理手段が停止した場合にはラインバ
ッファ装置における物品の滞留量が増加するが、その
際、上流の第一処理手段の運転速度を低下させ、ライン
バッファ装置での物品の増加量を小さく抑えることによ
り、物品を滞留させるために必要なスペースを小さくす
ることが可能となる。また反対に、上流側の第一処理手
段が停止した場合にはラインバッファ装置における物品
の滞留量が減少するが、その際、下流の第二処理手段の
運転速度を低下させ、ラインバッファ装置での物品の減
少量を小さく抑えることにより、滞留している物品がな
くなることを防止でき、これにより下流の処理手段の運
転を継続でき、処理手段の運転停止に伴って生じる恐れ
のあるトラブルを回避できる。
【0013】更に、物品をリテーナに保持させた状態で
搬送及び処理を行うように構成すると、取り扱いにくい
形状の物品の取り扱いを容易とすることができ、また、
小型部品では複数の物品を同時に搬送することが可能と
なる。
【0014】
【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説
明する。この実施例は、小さい容器に対して極少量の
(例えば1cc程度或いはそれ以下の)液体を充填し、
その開口をシール材で密封し、且つその容器をカセット
に収容して包装する工程に本発明を適用した処理装置
(以下包装充填ラインという)である。まず、この包装
充填ラインを説明する前に、ここで使用する容器、カセ
ット及びリテーナを説明する。
【0015】図2〜図4はここで使用する容器1を示す
もので、各図における(a)は空の状態の容器を、
(b)は液体を入れ、且つシール材で密封した状態を示
している。全体を参照符号1で示す容器は、樹脂の成型
によって作られたものであり、平板部2とその平板部2
に開口した3個の収容部3a、3b、3cを備えてい
る。平板部2は、3個の収容部3a、3b、3cよりも
外側に長く延びており、その両端部に、この容器1を、
後述する容器移載装置の爪で引っかけて持ち上げるため
の溝4が形成されている。また、その溝4の周囲には、
スカート部5が形成されている。このスカート部5は補
強の役割を果たすと共に、この容器1を後述するカセッ
トに設けている保持用突起6で支持した時に、容器1が
横方向に移動しないよう拘束する役割も果たしている。
【0016】平板部2の上面には、各収容部3a、3
b、3c間に位置するように且つ全幅に渡って溝状の切
れ目7が形成されている。3個の収容部3a、3b、3
cは、内部にそれぞれ異なる液体8a、8b、8cを入
れた後、共通の1枚のシール材9によって密封されてい
る。このシール材9は平板部2の上面に、例えばホット
メルト接着剤により接着され、その両側縁が平板部2の
側面と平行となるように折り込まれている。このように
両側縁を折り込んでおくと、この容器の取り扱い時にシ
ール材9が剥がれることを防止でき好ましい。なお、平
板部2の側面に折り込んだシール材9は、その側面には
接着されておらず、このため切れ目7の端部は容器外部
に連通している。
【0017】平板部2の上面に形成した切れ目7は各収
容部3a、3b、3c間の液の混入を防止するためのも
のである。すなわち、もしこの切れ目7がない場合に
は、平板部2にシール材9を貼り付けた状態において、
万一、平板部2とシール材9とに局部的な接着不良があ
って、二つの収容部を連通させる通路、例えば収容部3
aから隣接した収容部3bに通じる通路が生じた場合、
容器の運搬中等において一方の収容部3aの液体がその
通路を通って他方の収容部3b内に流入することがあ
り、しかも、その際その液体は外部には漏れ出さないた
め、液体の混入を目視で検出することができないが、切
れ目7を設けておくと、一方の収容部3aのの液体が隣
接した収容部3bに向かって流れ出ても、その切れ目7
で遮断され、他の収容部に流入することがなく、しか
も、流れ出た液体は切れ目7を通って容器外面に流れ出
るため、目視にて容易に検出することができる。更に、
この切れ目7は、真空によるリークテストを行った時
に、液漏れの可能性を容易に検出可能とする作用も有し
ている。
【0018】図5、図6、図7は、液体を入れ、密封し
た状態の多数の容器1を収容して搬送するためのカセッ
ト11を示すものである。このカセット11の容器収容
数は任意であるが、本実施例では容器1を3列に且つ各
列に12個ずつ収容する構成となっており、各容器の収
容位置に、容器1の両端を乗せて支持するための保持用
突起6を備えている。更にカセット11の周縁11a
は、収容した容器1よりもわずかに上方となるように形
成されており、容器1を収容した後、その周縁11a
に、図6に二点鎖線で示すようにシール材12を貼り付
けることで、カセット11内の容器1を保持用突起6か
ら外れないように拘束することができる。このカセット
11は、通常、樹脂の成型品によって作られている。
【0019】図8、図9は容器1に対して液体充填やシ
ールを行う工程で使用するリテーナ15を示すものであ
る。このリテーナ15は、カセット11と同数の容器
を、同様の配列(即ち3列×12個)で保持するもので
あり、各容器の収容位置には容器1の両端を乗せて支持
するための保持用突起16と、容器1の収容部3a、3
b、3cを収容する穴17を備えている。リテーナ15
は、各容器1を正確な位置に保持することができ、且つ
容器へのシール材貼り付け時における熱板や冷却板の押
圧力に耐えることができるよう、通常、金属(例えばア
ルミ)で作られている。
【0020】次に、上記構成の容器1、カセット11、
リテーナ15を用いた本発明の実施例による包装充填ラ
インを説明する。図1はこの包装充填ラインの概略平面
図である。図1において、21は容器を3列で搬送する
搬送コンベア、22はその搬送コンベア21に空の容器
1を供給する容器供給機であり、図示実施例では4個設
けられている。この容器供給機22としては、容器1を
下向きにして、且つ1列に並べた状態で送り出すことの
可能なパーツフィーダーが使用されている。23は容器
内に無菌空気を吹き込んで洗浄する洗浄装置である。
【0021】図10はこの搬送コンベア21、洗浄装置
23等の概略側面図、図11はその搬送コンベア21
の、容器供給機から容器を受ける部分の概略平面図であ
る。図10、図11において、搬送コンベア21は、容
器1を3列に保持しうる幅を有しており、且つその搬送
コンベア21の長手方向には一定ピッチで仕切り25を
有し、各仕切りの間に容器1を1列に収容する容器保持
部26を形成している。更に、この容器保持部26に
は、そこに保持した容器1の収容部3a〜3c(図2参
照)に対応する位置に開口26aを有している。図11
において、27は、4個の容器供給機22(図1参照)
にそれぞれ接続されたシュートであり、搬送コンベア2
1の互いに隣接した容器保持部26に容器1を下向き状
態で供給するように配列されている。従って、搬送コン
ベア21が停止している際に、各シュート27が3個ず
つの容器1を下向きとした状態で搬送コンベア21に送
り込むことにより、その搬送コンベア21上には3×4
=12個の容器1が供給される。図10において、搬送
コンベア21は一対のホイール29に掛けられており、
その一方には駆動装置(図示せず)が連結されている。
この駆動装置は搬送コンベア21を、容器保持部26の
5ピッチ分ずつ間欠的に移動させる構成となっている。
かくして、搬送コンベア21の停止中に4ピッチ分の容
器保持部26に容器1が供給され、次いで搬送コンベア
21が5ピッチ分移動するという動作を繰り返すことに
より、搬送コンベア21上には、隣接した5個の容器保
持部のうち1個を空とした状態で他の4個に容器を供給
することができる。
【0022】図12、図13はそれぞれ洗浄装置23
を、搬送コンベア21の長手方向から見た概略断面図で
あり、異なる作動状態で示している。図10、図12、
図13において、洗浄装置23は、搬送コンベア21の
容器1を保持している部分の下方に設けられた洗浄チャ
ンバ31と、その中に設けられた静電除去ノズル32
と、その静電除去ノズル32を上下動させる昇降装置
(図示せず)と、搬送コンベア21の上方に設けられた
密閉カバー33と、その密閉カバー33を上下動させる
昇降装置(図示せず)等を備えている。静電除去ノズル
32は、搬送コンベア21上に保持されている3個の容
器1の各収容部3a〜3cに挿入可能な針状ノズル34
を有しており、且つ配管35によって静電気除去洗浄エ
アを供給するエア供給源(図示せず)に接続されてい
る。洗浄チャンバ31には吸引用の配管36が接続さ
れ、外部の吸引装置(図示せず)に接続されている。
【0023】この洗浄装置23による洗浄動作は次のよ
うに行われる。すなわち、密閉カバー33が上方に退避
している間に、搬送コンベア21が移動し、洗浄すべき
容器1を運び込む。次に、搬送コンベア21が停止した
後、密閉カバー33が図10及び図12に示すように下
降し、容器1の周囲を包囲する。次に、図13に示すよ
うに、静電除去ノズル32が上昇し、針状ノズル34が
容器1の収容部3a〜3c内に挿入され、洗浄用の静電
気除去エアを吹き出す。これにより、容器内のごみ、ほ
こり等が静電気除去エアによって吹き飛ばされ、洗浄さ
れる。この際、容器1は下向きとなっているので、ご
み、ほこり等は重力の方向に移動することで容器外に排
出されることとなり、容器の洗浄を確実に行うことがで
きる。この動作と並行して、洗浄チャンバ31内が吸引
用の配管36を通して吸引されており、洗浄チャンバ3
1内の塵埃が吸引、除去され、再度容器内に付着すると
いうことがない。かくして、容器内が良好に洗浄され
る。その後、静電除去ノズル32が元の位置に下降し、
密閉カバー33が上方に退避し、搬送コンベア21が移
動して、洗浄済の容器を排出し、代わりに未洗浄の容器
を運び込む。以下同様の動作が繰り返えされる。
【0024】図10において、洗浄装置23の下流に
は、洗浄済の容器1を反転させる容器反転装置37と、
反転した容器1を下方に送るシュートコンベア38と、
シュートコンベア38から容器1を受け取り、搬送する
直線フィーダ40が設けられている。このシュートコン
ベア38は、各容器1の両端部を支持して滑らせる形式
のものである。また、直線フィーダ40は、各容器1の
両端部を支持して間欠的に搬送するベルトコンベアを備
えたものである。
【0025】図1において、43は、リテーナ15を長
方形状の搬送経路に沿って矢印方向に循環させる搬送手
段であり、本実施例では、複数のフリーフローコンベア
44、45、46、47、48、49で構成されてい
る。各フリーフローコンベア44〜49はそれぞれ同様
な構成のものであり、例えば、図16に示すように、リ
テーナ15を乗せて走行する無端ベルト50と、その駆
動装置(図示せず)を備え、且つ無端ベルト50の表面
を低摩擦としてリテーナ15をベルトの長手方向に移動
可能としたものである。従って、無端ベルト50を走行
させることによって、その上に保持しているリテーナ1
5を走行させることが可能であり、また必要に応じ無端
ベルト50の走行中であってもそのリテーナ15を動か
ないように固定することが可能である。複数のフリーフ
ローコンベア44〜49はそれぞれ独立して駆動可能と
なっており、また、その走行速度は可変となっている。
【0026】図1において、前記した直線フィーダ40
はフリーフローコンベア48を越えてフリーフローコン
ベア44の近傍にまで延びている。直線フィーダ40の
端部からフリーフローコンベア44にかけての上方に
は、直線フィーダ40で保持している容器1をフリーフ
ローコンベア44上のリテーナ15に移載するための容
器移載装置51が設けられている。
【0027】次に、この容器移載装置51を図14、図
15を用いて説明する。図14は、容器移載装置51を
設けた部分のフリーフローコンベア44と直線フィーダ
40とを、フリーフローコンベア44の長手方向に見た
断面図、図15は直線フィーダ40上に保持している容
器1を容器移載装置51の容器保持具で保持する状態を
示す概略断面図である。容器移載装置51は、容器1を
引っかける爪53を開閉可能に保持した容器保持具54
と、その容器保持具54を上下動させ且つ水平に移動さ
せる駆動装置(図示せず)等を備えており、容器保持具
54を直線フィーダ40の上に移動させ且つ下降させ、
その位置で爪53を閉じることにより、その爪53で容
器1を保持し(図15の状態)、次いでその容器保持具
54を上昇させ、所定位置P1で停止しているリテーナ
15上に移動させ、その位置で下降させることにより、
所定位置に停止して待機しているリテーナ15に容器1
を乗せることができ、その後、爪53を開いて容器1を
解放し、再び上昇した後、直線フィーダ40の上方に戻
るという動作を数回繰り返すことによって、所定数の容
器1を直線フィーダ40からリテーナ15に移載するこ
とができる。
【0028】なお、フリーフローコンベア44の近傍に
は、フリーフローコンベア44上に支持されているリテ
ーナ15が、容器移載装置51からの容器を受け取る位
置P1に移動して来た時に、リテーナ15をその位置に
停止させるための開閉可能なストッパ装置55(図16
参照)と、位置P1に停止したリテーナ15を所定位置
に位置決めして固定する固定手段(図示せず)が設けら
れており、容器移載時にはフリーフローコンベア44の
移動中にも係わらずリテーナ15を所定位置に固定し、
容器移載終了後は、その固定を解除することにより、リ
テーナ15をフリーフローコンベア44で下流に送り出
すことを可能としている。
【0029】図1において、フリーフローコンベア44
に沿って、容器移載装置51の下流に位置するように、
リテーナ15に収容されている容器に対して所定の液体
を所定量充填する充填装置57が設けられている。この
充填装置57は、容器1の3個の収容部3a、3b、3
c(図2参照)にそれぞれ異なる液体を充填する3個の
充填機58A、58B、58Cを備えている。
【0030】各充填機58A、58B、58Cは、図1
6に示すように、それぞれ所定位置(位置P3、P5、
P7)に停止しているリテーナ15の容器1に液体を充
填する充填ヘッド59A、59B、59Cと、その充填
ヘッド59A〜59Cをそれぞれ水平面内のX−Y方向
に移動させ且つ昇降させる移動機構(図示せず)等を備
えている。各充填ヘッド59A〜59Cは、リテーナ1
5内に1列に収容された容器数(本実施例では12個)
と同数の針状ノズル60をリテーナ15内における容器
ピッチと等しいピッチで備えており、且つ、多数の針状
ノズル60にはそれぞれ、所定量の液体を計量して供給
する計量供給装置(図示せず)が接続されている。ま
た、容器に対する充填を行う各位置P3、P5、P7に
は、それぞれ、フリーフローコンベア44によって送ら
れて来たリテーナ15を停止させる開閉可能なストッパ
装置62A、62B、62Cと、停止したリテーナ15
を所定位置に位置決めして固定する固定手段(図示せ
ず)が設けられている。
【0031】かくして、多数の容器1を保持したリテー
ナ15がフリーフローコンベア44で停止位置P3に送
られてくると、それをストッパ装置62Aで停止させ且
つ固定手段で動かないように固定し、次いで充填ヘッド
59Aがそのリテーナ15の上に移動し、降下して針状
ノズル60を1列に配列されている容器1の収容部3a
(図2参照)に挿入して所定量の液体を充填し、次いで
上昇し、水平に移動した後再度降下し、針状ノズル60
を次の列に配列されている容器1の収容部3aに挿入し
て所定量の液体を充填するという動作を繰り返すことに
より、リテーナ15の各容器1の収容部3aに第一の液
体を充填することができる。充填を終了した後は、固定
手段及びストッパ装置62Aを解除することにより、リ
テーナ15が解放され、そのリテーナ15はフリーフロ
ーコンベア44によって下流に送られ、下流に配置され
ている充填ヘッド59B、59Cによって同様な動作に
より次の液体が充填される。
【0032】容器への充填を行う各位置P3、P5、P
7の上流には、リテーナ15を一時的に停止させて待機
させるための位置P2、P4、P6が設けられており、
それぞれに、リテーナ15の前進を阻止する開閉可能な
ストッパ装置63A、63B、63Cが設けられてい
る。これらのストッパ装置63A、63B、63Cは、
それぞれの下流の充填位置P3、P5、P7にリテーナ
15が停止している時には、フリーフローコンベア44
によって送られて来たリテーナ15を一時的に停止さ
せ、充填位置P3、P5、P7からリテーナ15が送り
出された時点で、一時的に停止させていたリテーナ15
を1個だけ送り出すように作用する構成となっている。
【0033】フリーフローコンベア44に下流に配置さ
れたフリーフローコンベア45の位置Q0には、フリー
フローコンベア45上のリテーナ15の進行を一時的に
停止させ、そのフリーフローコンベア上に適当数のリテ
ーナ15を滞留させる構成としたラインバッファ装置6
5が設けられている。このラインバッファ装置65も、
リテーナ15の進行を止める開閉可能なストッパ装置6
6を備えており、このストッパ装置66は通常閉位置と
なっていて、その上流に複数のリテーナ15を滞留させ
ており、1回の開動作により、1個のリテーナ15のみ
を下流に送り出すことができる構成となっている。
【0034】図1において、フリーフローコンベア45
には、リテーナ15に保持されている容器1の平板部2
(図2参照)の上面にシール材9を貼り付けるためのシ
ール装置70が設けられている。このシール装置70
は、図17にも示すように、フリーフローコンベア45
の上流側から順次配置された、シール材供給及び予備シ
ール装置71と、本シール装置72と、冷却装置73
と、シール材切断及び折込み装置74等を備えている。
【0035】シール材供給及び予備シール装置71は、
位置Q1に停止しているリテーナ15の容器1に対して
シール材9を供給し且つ加熱接着させるためのものであ
り、図18に示すように、長尺のシール材9の先端をつ
かんで、リテーナ15に1列に保持されている容器の上
に引き出すメカチャック76と、そのシール材9を容器
1の上面に押し付けて加熱する熱板77と、シール材9
の両端を切断するカッター78と、それらの駆動装置
(図示せず)等を備えている。熱板77は、リテーナ1
5に保持されている1列の容器全体を同時に押圧できる
長さを有している。ここで使用されるシール材9は、容
器1に面する側に予めホットメルト剤を塗布しており、
従って、シール材9を容器1の上面に押し当て、加熱す
ることにより、容器上面に接着することができる。熱板
77の温度はシール材9の加熱接着に重要な影響を与え
るものであるので、その温度調整は重要であり、本実施
例では、熱板77の加熱ヒーター近傍の温度のみなら
ず、熱板表面の温度を非接触の表面温度計により測定
し、温度制御を行っている。更に熱板77の加熱ヒータ
ーに印加する電力を、熱板の温度のみならず、機械の運
転速度によっても調整しており、運転速度が早く、従っ
て消費熱量が大きい場合にも、熱板温度の低下が生じな
いようにしている。
【0036】図17において、本シール装置72は、位
置Q3に停止しているリテーナ15の容器上面に、上流
のシール材供給及び予備シール装置71によって加熱接
着されたシール材を更に確実に接着させるもので、上記
した熱板77と同様に、リテーナ15に1列に保持され
た容器1の上面全体を押圧して加熱する熱板80と、そ
の熱板を容器上面に押し付けるための駆動装置(図示せ
ず)等を備えている。この熱板80の温度制御も、シー
ル材供給及び予備シール装置71の熱板77の温度制御
と同様に行っている。
【0037】冷却装置73は、位置Q5に停止している
リテーナ15の容器上面に先に加熱接着されたシール材
を、再度容器上面に押し付け、且つ冷却することにより
接着を確実とするためのもので、リテーナ15に1列に
保持された容器1の上面全体を押圧して冷却する冷却板
82と、その冷却板を容器上面に押し付けるための駆動
装置(図示せず)等を備えている。
【0038】シール材切断及び折込み装置74は、位置
Q7に停止しているリテーナ15の容器上面に接着され
ている長いシール材9を個々の容器に対応させて切り離
すためのものであり、図19に示すように、昇降板84
と、それに取り付けられた多数のカッター85と、昇降
板84を昇降させる駆動装置(図示せず)等を備えてい
る。このカッター85は、リテーナ15に保持されてい
る容器1の各間隙に対応する位置に設けられ、且つ隣接
した容器間の間隙にほぼ等しい厚さを有している。かく
して、図20(a)、(b)に示すように、容器1に接
着された長いシール材9の上方からカッター85を下降
させることにより、カッター85が隣接した容器1、1
につながっているシール材9を切り離し、且つその端部
を容器1の側面に折り込むことができ、カッター85を
元の位置に戻した後には、図20(c)に示すように、
シール材9の端部が容器1の側面に押し付けられた状態
となる。
【0039】図17において、容器に対してそれぞれの
処理を行う位置Q1、Q3、Q5、Q7には、それぞ
れ、フリーフローコンベア45によって送られて来たリ
テーナ15を停止させる開閉可能なストッパ装置87
A、87B、87C、87Dと、停止したリテーナ15
を所定位置に位置決めして固定する固定手段(図示せ
ず)が設けられている。また、位置Q3、Q5、Q7の
上流には、リテーナ15を一時的に停止させて待機させ
るための位置Q2、Q4、Q6が設けられており、それ
ぞれに、リテーナ15の前進を阻止する開閉可能なスト
ッパ装置88B、88C、88Dが設けられている。こ
れらのストッパ装置88B、88C、88Dは、それぞ
れの下流の位置Q3、Q5、Q7にリテーナ15が停止
している時には、フリーフローコンベア45によって送
られて来たリテーナ15を一時的に停止させ、位置Q
3、Q5、Q7からリテーナ15が送り出された時点
で、一時的に停止させていたリテーナ15を1個だけ送
り出すように作用する構成となっている。なお、位置Q
1の上流には、ラインバッファ装置65が設けられリテ
ーナ15を待機させており、位置Q1からリテーナ15
が送り出された時点でラインバッファ装置65のストッ
パ装置66が開いてリテーナ15を1個だけ送り出すよ
うになっている。
【0040】図1において、フリーフローコンベア47
には、印刷装置90が配置されている。この印刷装置
は、リテーナに保持されている容器に接着したシール材
表面にロット番号、品名等を印刷するものである。この
印刷装置90の上流にも、フリーフローコンベア47上
のリテーナを適当数滞留させるためのラインバッファ装
置91が設けられている。
【0041】フリーフローコンベア47に続くフリーフ
ローコンベア48上にもラインバッファ装置92が設け
られ、その直ぐ下流に容器移載装置95が設けられてい
る。また、この容器移載装置95の下には、カセット1
1を搬送する別のフリーフローコンベアコンベア96が
配置されており、カセット置場98からカセット11を
コンベア99を介して供給される構成となっている。前
記した容器移載装置95は、フリーフローコンベア48
上に保持されているリテーナ15から、フリーフローコ
ンベア96上に保持されているカセット11に容器を移
載するためのものであり、図14、図15で説明した容
器移載装置51と同様な構成となっている。
【0042】フリーフローコンベア96の下流には、更
に別のフリーフローコンベア100が接続され、その途
中に、カセット11にシール材12(図6参照)を貼り
付けるカセットシール装置102が設けられ、更にその
下流には、シール材を貼り付けたカセットを集積するパ
レタイザー(図示せず)が設けられている。
【0043】図1に示す包装充填ラインを構成する充填
装置57、シール装置70、印刷装置90、容器移載装
置95等はそれぞれ運転速度が可変となっており、ま
た、それぞれに組み合わせられているフリーフローコン
ベアの走行速度も対応する運転速度に応じて可変となっ
ている。これらの運転速度、走行速度は制御装置(図示
せず)によって、以下の動作説明で示すように制御され
る構成となっている。
【0044】次に上記構成の包装充填ラインについて、
その動作を説明する。図1において、容器供給機22に
よって空の容器1が搬送コンベア21上に供給され、図
10に示すように、その搬送コンベア21が容器1を下
向きに保持して走行する途中において、洗浄装置23に
よって容器1内に洗浄空気が吹き込まれ、内部のゴミや
ほこりが除去される。その後、容器1は上向き状態で直
線フィーダ40に供給され、直線フィーダ40でフリー
フローコンベア44の近傍にまで搬送される。
【0045】次に、直線フィーダ40で搬送されてきた
容器1は、フリーフローコンベア44上で停止している
空のリテーナ15に、容器移載装置51によって移載さ
れる(図14参照)。容器を受け取ったリテーナ15は
その後、フリーフローコンベア44によって搬送され、
図16に示すように、位置P3、P5、P7を次々と通
過し、容器の各収容部にそれぞれ所定の液体が所定量ず
つ充填される。その後、その容器を保持したリテーナ1
5はフリーフローコンベア45に送られ、図17に示す
ように、位置Q1、Q3、Q5、Q7を次々と通過し、
容器1の上に長いシール材9が引き出され且つ接着さ
れ、その後、図20に示すように、長いシール材9が個
々の容器に合わせて切断され、且つ両端が容器側面に折
り込まれる。
【0046】このようにシールされた容器を保持したリ
テーナ15は、その後、フリーフローコンベア46、4
7によって印刷装置90に送られ、必要な印刷が施され
た後、容器移載装置95の下に送られる。この動作と並
行して、容器移載装置95の下方には、空のカセット1
1が送り込まれており、この位置で容器がリテーナ15
からカセット11に移載される。容器を収容したカセッ
ト11はその後、カセットシール装置102に送られ、
そこでカセット11の上面にシール材12(図6参照)
が貼り付けられ、そのカセット11は次いでパレタイザ
ー(図示せず)に送られ、集積される。一方、容器を取
り出されたリテーナ15は、フリーフローコンベア4
8、49を通って元のフリーフローコンベア44上に戻
され、次に容器を収容するために使用される。以上のよ
うにして、連続的に容器に対する充填、シール、その容
器のカセットへの収容、カセット上面のシール、カセッ
トの集積等の動作が自動的に行われる。
【0047】次に、上記の動作を行う際の運転速度制御
を説明する。充填包装ラインを構成する各装置が正常に
運転されている定常運転状態では、各装置の運転速度
(単位時間当たりの処理個数)は同一となっており(以
下この時の運転速度を定常運転速度という)、また、各
フリーフローコンベアは一定速度で運転されている。更
に、各装置間に設けられているラインバッファ装置6
5、91、92にはそれぞれ適正量のリテーナ15(及
び容器1)が滞留しており、且つその滞留量は、その上
下流に配置されている装置の運転速度が等しいので、一
定に保たれている。
【0048】この状態から、何らかの理由(例えば、故
障或いは充填液の補充、シール材の補充等)により、ど
れかの装置、例えばシール装置70が停止する時には、
充填包装ライン全体が停止することなく、当該装置のみ
が停止し、その他の装置は運転を継続する。そして、停
止した装置の停止理由が無くなった時点でその装置が再
度運転を開始する。かくして、充填包装ラインは停止す
ることなく、常時運転を継続する。ただし、一つの装置
の運転が停止した時或いはその後の運転再開時には各装
置の運転速度が制御装置によって変化させられている。
この運転速度の変化を、充填装置57及びシール装置7
0を例にとって説明する。
【0049】充填装置57及びシール装置70のみに着
目した場合、この充填装置57はシール装置70に対し
て上流側に配置されているので、請求項に記載した第一
処理手段に相当し、シール装置70は第二処理手段に相
当する。まず、上流側の第一処理手段即ち充填装置57
を停止する場合を図21のタイミングチャートも参照し
て説明する。なお、図21のタイミングチャートは充填
装置57、シール装置70の運転速度の経時変化、及び
ラインバッファ装置65におけるリテーナの滞留量の経
時変化を示すものである。
【0050】定常運転中、充填装置57及びシール装置
70は共に定常運転速度V0 となっており、ラインバッ
ファ装置65に滞留しているリテーナ量は適正量Mとな
っている。いま、充填液補充等のために、時間t1 にお
いて充填装置57が停止すると、当然、充填処理を行わ
ないので、下流のラインバッファ装置65には充填済の
容器を収容したリテーナ15が送られない。一方、下流
の第二処理手段即ちシール装置70は、充填装置57の
停止にかかわらず運転を継続する。このため、シール装
置70へは、ラインバッファ装置65に蓄えていたリテ
ーナ15が順次送られ、ラインバッファ装置65に滞留
するリテーナ15の量は減少してゆく。ここで、シール
装置70の運転速度は、充填装置57が停止した後、通
常の定常運転速度よりも減速され、低速VL で運転され
る。このため、ラインバッファ装置65に蓄えているリ
テーナ15を消費する速度が遅くなり、ラインバッファ
装置65のリテーナ15が無くなって、その下流のシー
ル装置70以下の装置の運転を停止させなければないな
いという状況が避けられる。なお、ラインバッファ装置
65における滞留量を十分大きくとれる場合には、シー
ル装置70の減速は必要ない。
【0051】次に、停止していた充填装置57に対する
必要な処理(例えば、充填液の補充等)を終了すると、
充填装置57の運転を再開し(時間t2 )、同時に下流
のシール装置70は元の定常運転速度V0 に増速され
る。この時、ラインバッファ装置65に溜まっているリ
テーナの量は、定常状態の適正量よりも当然減少してい
る。充填装置57の運転再開時には、その充填装置57
を定常運転速度よりも高い速度VH で運転する。これに
より、ラインバッファ装置65に充填装置57から送り
込まれるリテーナ量が、下流のシール装置70に送り出
されるリテーナ量よりも多くなり、ラインバッファ装置
65のリテーナ量が増加する。このリテーナ量が元の適
正量Mに到達した時点(t3 )において、各充填装置5
7及びシール装置70の運転速度が元の定常運転速度V
0 に戻され、以後はその速度で運転される。このように
して、充填包装ラインを停止することなく、充填装置5
7のみを停止させることができる。
【0052】次に、下流側の第二処理手段即ちシール装
置70を停止する場合を説明する。熱板清掃等のため
に、時間t4 においてシール装置70が停止すると、当
然、処理を行わないので、上流のラインバッファ装置6
5に溜まっているリテーナ15を消費しない。一方、上
流の第一処理手段即ち充填装置57は、シール装置70
の停止にかかわらず運転を継続する。このため、ライン
バッファ装置65へリテーナ15が順次送られ、そこに
蓄えられ、ラインバッファ装置65に滞留するリテーナ
15の量は増加してゆく。ここで、充填装置57の運転
速度は、シール装置70が停止した後、通常の定常運転
速度よりも減速され、低速VL で運転される。このた
め、ラインバッファ装置65に蓄えられるリテーナ15
の増加速度が遅くなり、ラインバッファ装置65からリ
テーナ15があふれるということが防止される。なお、
ラインバッファ装置65における滞留量を十分大きくと
れる場合には、充填装置57の減速は必要ない。
【0053】次に、停止していたシール装置70に対す
る必要な処理(例えば、熱板清掃等)を終了すると、シ
ール装置70の運転を再開し(時間t5 )、同時に上流
の充填装置57は元の定常運転速度V0 に増速される。
この時、ラインバッファ装置65に溜まっているリテー
ナの量は、定常状態の適正量Mよりも当然増加してい
る。シール装置70の運転再開時には、そのシール装置
70を定常運転速度よりも高い速度VH で運転する。こ
れにより、ラインバッファ装置65に充填装置57から
送り込まれるリテーナ量よりも、下流のシール装置70
に送り出されるリテーナ量が多くなり、ラインバッファ
装置65のリテーナ量が減少する。このリテーナ量が元
の適正量Mに到達した時点(t6 )において、各充填装
置57及びシール装置70の運転速度が元の定常運転速
度V0 に戻され、以後はその速度で運転される。このよ
うにして、充填包装ラインを停止することなく、シール
装置70のみを停止させることができる。
【0054】なお、以上の動作説明では、停止していた
充填装置57或いはシール装置70の運転を再開した後
直ちに、他方の装置の運転速度を元の定常運転速度V0
に戻しているが、これに限らず適当な時間、低速VL
ままとしておいてもよい。ただし、早く元の速度に戻し
た方が生産量を多くすることができ、好ましい。また、
上記した動作説明では、停止していた装置の運転を再開
した時、その運転速度を定常運転速度V0 よりも高い速
度VH で運転している。しかしながら、運転状態によっ
ては、定常運転速度がその装置の最高速度となってお
り、増速できない場合がある。その場合には、その装置
の速度を増速せず、他方の装置の速度を低速とすればよ
く、その動作により、ラインバッファ装置65における
リテーナ量を元の適正量に戻すことができる。
【0055】ここで、ラインバッファ装置65に滞留さ
せるリテーナの適正量及び最大量は、その上下流の処理
手段の停止時間やラインバッファ装置に割きうるスペー
スを考慮して定めるものである。一般に、充填装置やシ
ール装置では、液の補充とか、シール材の補充等のため
に、故障以外にも定期的に短時間(例えば数分)の停止
を必要とし、また、簡単な故障で数分程度の停止を必要
とする場合が多いので、このような短時間の停止をまか
なえるように、ラインバッファ装置のリテーナ滞留量を
定めればよい。なお、処理手段がそれ以上に停止した場
合には、ライン全体を停止させる。
【0056】以上に、充填装置57とシール装置70の
みを取り出して運転速度制御を説明したが、図示した充
填包装ラインには、更に他の装置が上流、下流に設けら
れているので、例えば、充填装置57に対してシール装
置70を増速したり、減速したりする際には、その下流
に配置されている各装置も同時に増速又は減速すること
は言うまでもない。また、シール装置70とその下流に
配置されている印刷装置90を考えた場合には、シール
装置70が上流側の第一処理手段となり、印刷装置90
が第二処理手段となり、このシール装置70と印刷装置
90のいずれかが停止する場合も、上記した充填装置5
7とシール装置70の場合と同様に速度制御が行われ
る。
【0057】以上のように、各装置の速度制御を行うこ
とにより、充填包装ライン全体を停止させることなく、
装置の一つのみを停止させることができ、充填包装ライ
ンの稼働率を高く保つことができる。
【0058】なお、上記実施例では、リテーナ15の搬
送を行う搬送手段として、充填装置57に対応するフリ
ーフローコンベア44、シール装置70に対応するフリ
ーフローコンベア45というように、各処理手段に対応
して分割された複数のフリーフローコンベアを用い、そ
の走行速度を対応する処理手段の速度に応じて変化させ
ているが、この代わりに、複数の処理手段に共通のフリ
ーフローコンベアを用い、常時一定速度で走行させる構
成としてもよい。ただし、実施例のようにフリーフロー
コンベアの速度を可変とすると、処理手段の運転再開時
に、それに組み合わせたフリーフローコンベアが高速で
運転され、最初のリテーナを処理手段に送るまでの時間
を短縮でき好ましい。更に、搬送手段は、必ずしもフリ
ーフローコンベアに限らず、一般に用いられている搬送
手段を用いることも可能である。ただし、その場合に
は、フリーフローコンベアのように単にコンベア上にリ
テーナ15を停止させてラインバッファ装置を構成する
ことができないので、搬送手段とは別にラインバッファ
装置を設け、搬送手段からそのラインバッファ装置に対
してリテーナの出し入れを行う構成とする必要がある。
【0059】上記実施例では、容器へ充填した後、直ち
にシールを行っているが、充填装置57とシール装置7
0との間に、充填液量の検査装置を配置し、インライン
で充填液量のチェックを行う構成としてもよい。また、
シール装置70の下流にリーク検査機を配置し、インラ
インでリークテストを行う構成としてもよい。
【0060】更に、上記実施例ではリテーナを用いて容
器を搬送したが、容器自体が大きく且つ単体で搬送手段
に乗せることができるものである場合には、リテーナを
省略してもよい。また、本発明で行う処理は、容器に対
する充填、シール等に限らず、任意の処理とすることが
できる。
【0061】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の処理装
置では、第一処理手段と第二処理手段との間にラインバ
ッファ装置を設けているので、第一処理手段と第二処理
手段のいずれか一方が停止した場合でも、ラインバッフ
ァ装置における物品の滞留量を増減させることにより他
方の処理装置の運転を継続することができ、また、第一
処理手段と第二処理手段のいずれか一方が停止し、ライ
ンバッファ装置における物品の滞留量が増減した後の運
転再開時には、制御装置によって前記第一処理手段又は
第二処理手段の運転速度を定常運転時の速度とは異なる
速度とすることによりラインバッファ装置における滞留
量を所定の適正量に戻し、次の異常発生時に備えること
ができ、従来のように、処理ライン内の一つの処理手段
が停止した時に処理ライン全体を停止させる必要がなく
なり、処理装置全体の稼働率を高くすることができると
いう効果を有している。
【0062】ここで、搬送手段としてフリーフローコン
ベアを用いると、その上に保持されて搬送されている物
品の進行をストッパ装置によって停止させることによ
り、フリーフローコンベアは運転した状態で、そのフリ
ーフローコンベア上に物品を滞留させることができ、簡
単にラインバッファ装置を形成することができ、また、
そのストッパ装置で進行を阻止している物品を解放する
ことにより、その物品は直ちにフリーフローコンベアに
よって下流に搬送しうるので、ラインバッファ装置から
搬送手段への物品出し入れのための機構が必要なく、結
局装置構成を簡単にできるという効果が得られる。
【0063】更に、前記制御装置に、前記第一処理手段
と第二処理手段の一方が停止し、ラインバッファ装置に
おける物品の滞留量が増減する際、その増減量を抑制す
るように、他方の処理手段の運転速度を低下させる機能
を備えさせておくと、ラインバッファ装置における物品
滞留量の増減量を少なくでき、このため、例えば、下流
側の第二処理手段が停止した場合には、上流の第一処理
手段の運転速度を低下させ、ラインバッファ装置での物
品の増加量を小さく抑えることにより、物品を滞留させ
るために必要なスペースを小さくすることができ、また
反対に、上流側の第一処理手段が停止した場合には、下
流の第二処理手段の運転速度を低下させ、ラインバッフ
ァ装置での物品の減少量を小さく抑えることにより、滞
留している物品がなくなることを防止でき、これにより
下流の処理手段の運転を継続でき、処理手段の運転停止
に伴って生じる恐れのあるトラブルを回避できる等の効
果が得られる。
【0064】更に、物品をリテーナに保持させた状態で
搬送及び処理を行うように構成すると、取り扱いにくい
形状の物品の取り扱いを容易とすることができ、また、
小型の物品では複数の物品を同時に搬送することが可能
となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による処理装置(充填包装ラ
イン)の概略平面図
【図2】上記実施例に用いる容器を示すもので、(a)
は空の状態の容器を示す概略断面図、(b)はその容器
に液体を入れ、且つシール材で密封した状態を示す概略
断面図
【図3】(a)は空の状態の容器の概略平面図、(b)
はその容器に液体を入れ、且つシール材で密封した状態
を示す概略平面図
【図4】(a)は空の状態の容器の概略端面図、(b)
はその容器をシール材で密封した状態を示す概略端面図
【図5】上記の容器を多数、収容するカセットを示す概
略斜視図
【図6】そのカセットの概略断面図
【図7】そのカセットの一部の概略平面図
【図8】上記実施例の充填包装ラインに用いるリテーナ
の概略斜視図
【図9】そのリテーナに容器を保持させた状態を示す概
略断面図
【図10】上記実施例の充填包装ラインにおける搬送コ
ンベア21、洗浄装置23等の概略側面図
【図11】その搬送コンベア21の、容器供給機から容
器を受ける部分の概略平面図
【図12】洗浄装置23を、容器洗浄前の状態で示す概
略断面図
【図13】洗浄装置23を、容器洗浄中の状態で示す概
略断面図
【図14】上記実施例において、容器移載装置51を設
けた部分のフリーフローコンベア44と直線フィーダ4
0とを、フリーフローコンベア44の長手方向に見た概
略断面図
【図15】直線フィーダ40上に保持している容器1を
容器移載装置51の容器保持具で保持する状態を示す概
略断面図
【図16】フリーフローコンベア44及びその近傍に配
置された各部品を概略的に示す側面図
【図17】フリーフローコンベア45及びその近傍に配
置された各部品を概略的に示す側面図
【図18】リテーナ15及びその上に位置するシール材
供給及び予備シール装置71の要部の概略断面図
【図19】リテーナ15及びその上に位置するシール材
切断及び折込み装置74の要部の概略断面図
【図20】(a)、(b)、(c)はそのシール材切断
及び折込み装置74の動作を説明する要部の概略断面図
【図21】充填装置57、シール装置70の運転速度、
及びラインバッファ装置65におけるリテーナの滞留量
の経時変化の1例を示すタイミングチャート
【符号の説明】
1 容器 2 平板部 3a、3b、3c 収容部 9 シール材 11 カセット 15 リテーナ 21 搬送コンベア 22 容器供給機 23 洗浄装置 40 直線フィーダ 43 搬送手段 44〜49 フリーフローコンベア 51 容器移載装置 57 充填装置 58A、58B、58C 充填機 65 ラインバッファ装置 70 シール装置 71 シール材供給及び予備シール装置 72 本シール装置 73 冷却装置 74 シール材切断及び折込み装置 90 印刷装置 91、92 ラインバッファ装置 95 容器移載装置 102 カセットシール装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理すべき物品を所定の搬送経路に沿っ
    て搬送する搬送手段と、その搬送経路の上流位置と下流
    位置にそれぞれ配置され、前記搬送手段で搬送されてき
    た物品に対する所定の処理を施す第一処理手段及び第二
    処理手段と、前記第一処理手段及び第二処理手段の間に
    配置され、物品を一時的に滞留させるラインバッファ装
    置と、前記第一処理手段及び第二処理手段の運転速度を
    制御する制御装置とを有しており、該制御装置は、前記
    第一処理手段と第二処理手段が共に運転中で且つ前記ラ
    インバッファ装置に予め定めた適正量の物品が滞留して
    いる場合には、前記第一処理手段と第二処理手段とを同
    一運転速度とするが、前記第一処理手段と第二処理手段
    の一方が停止した後の運転再開時において前記ラインバ
    ッファ装置における物品の滞留量が前記適正量から外れ
    ていた場合に、その物品の滞留量を前記適正量に戻すべ
    く、前記第一処理手段又は第二処理手段の運転速度を変
    化させる構成となっていることを特徴とする処理装置。
  2. 【請求項2】 処理すべき物品を搬送するフリーフロー
    コンベアと、そのフリーフローコンベアの上流位置と下
    流位置にそれぞれ配置され、前記フリーフローコンベア
    で搬送されてきた物品に対する所定の処理を施す第一処
    理手段及び第二処理手段と、前記第一処理手段及び第二
    処理手段の間のフリーフローコンベア上の物品の進行を
    一時的に停止させ、そのフリーフローコンベア上に物品
    を滞留させる構成としたラインバッファ装置と、前記第
    一処理手段及び第二処理手段の運転速度を制御する制御
    装置とを有しており、該制御装置は、前記第一処理手段
    と第二処理手段が共に運転中で且つ前記ラインバッファ
    装置に予め定めた適正量の物品が滞留している場合に
    は、前記第一処理手段と第二処理手段とを同一運転速度
    とするが、前記第一処理手段と第二処理手段の一方が停
    止した後の運転再開時において前記ラインバッファ装置
    における物品の滞留量が前記適正量から外れていた場合
    に、その物品の滞留量を前記適正量に戻すべく、前記第
    一処理手段又は第二処理手段の運転速度を変化させる機
    能を備えていることを特徴とする処理装置。
  3. 【請求項3】 前記制御装置は更に、前記第一処理手段
    と第二処理手段の一方が停止し、ラインバッファ装置に
    おける物品の滞留量が増減する際、その増減量を抑制す
    るように、他方の処理手段の運転速度を低下させる機能
    を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    処理装置。
  4. 【請求項4】 前記フリーフローコンベアが、前記第一
    処理手段に組み合わせられる第一のフリーフローコンベ
    アと、その下流に接続され、前記第二処理手段に組み合
    わせられる第二のフリーフローコンベアとに分割されて
    おり、第一及び第二の各フリーフローコンベアの運転速
    度が、それぞれ対応する第一処理手段及び第二処理手段
    の運転速度に対応した速度となっていることを特徴とす
    る請求項2記載の処理装置。
  5. 【請求項5】 処理すべき物品が、ほぼ直方体形状のリ
    テーナに保持され、その状態でフリーフローコンベア上
    を搬送され、且つ各処理手段で処理されるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項2又は4に記載の処理
    装置。
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