JPH0629648B2 - 蒸気発生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は浴室等に蒸気を充満させて浴室の空気を加熱
し、サウナ等に利用する蒸気発生装置に関する。

従来の技術 一般に水を蒸発させて蒸気を発生させるこの種の蒸気発
生器は、第５図、第６図に示すように、缶体２３とこの
缶体２３の上部に設けた蒸気取出口２７と、この缶体２
３内にあって、その底面と側面との間に適当な間隙を隔
てて設けられた略Ｕ字状の蒸気上昇板２４を設け、バー
ナ２２の加熱により、缶体２３の外側に設けられた吸熱
フィン２５よりの伝熱により、缶体２３と蒸気上昇板２
４の間の水３４が熱せられ、蒸気泡３５を水３４と共に
缶体２３の上部に導びき蒸気取出口２７より蒸気を取り
出すように構成されておる。そして、この蒸気上昇板２
４と缶体２３の間隙を蒸気泡３５と水３４の二相流３６
が上昇して流れるため内部の水面レベルが低下しても常
にバーナ２２で加熱される缶体２３の内壁をぬらして熱
伝導率が低下しないようになっていた。

この状態を継続することにより、蒸気が外部に導びき出
されるため缶体２３内の水３４は減ってくるが、缶体２
３内に設けられた上水位センサ２８、下水位センサ２９
により水位は常にこの両水位センサの位置する範囲内に
保つようになっていた。また、蒸気は連続して発生する
ため、給水口２６より水が補給されてくるが、水中に含
まれた蒸発残留物（カルシュウム、マグネシュウム、シ
リカ等）が濃縮されて缶体２３の内壁および蒸気上昇板
２４の壁面にスケールとして付着し、堆積する。そこ
で、このスケールの付着、堆積を防止するため、補給さ
れる水は給水口２６に接続した給水路３７の軟水器２３
等により、カルシュウム、マグネシュウム等を除去され
る構成が用いられた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、軟水器２３に用い
られるイオン交換樹脂の機能低下にともなう食塩水によ
る再生作業やイオン交換樹脂の劣化による交換が必要と
なり、このような蒸気発生装置を使用したサウナ装置を
使用する一般のユーザーに対して経済的負担と労働負担
を強いる問題点を有していた。

本発明はかかる従来の問題点を解消するもので、軟水器
等の高価で複雑な装置を設けることなく、簡単な装置
で、スケールの付着を防止することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本発明は、前記問題点を解決するために、蒸気出口、加
熱水の出入口を有する缶体と、この缶体を加熱して内部
の水を沸騰させる加熱源と、前記蒸気出口、加熱水の出
入口から缶体外に流出しないように缶体内に収納し、か
つ加熱源で加熱運転した加熱沸騰水により缶体内を撹乱
運動し、前記加熱水に溶けず所定形状を維持する多数の
固体を備えたものである。

作 用 本発明は、前記構成によって、缶体内の水が沸騰する
と、缶体内に入れた多数の固体が沸騰した熱水と共に散
乱移動し、この時、固体同志および缶体壁に多数の固体
が衝突し、かつこするため付着したスケールを除去する
と共に、はがれ落ちたスケールを粉砕することができ
る。

実施例 以下本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明する。
第１図〜第４図において、缶体２の下方に一定の燃焼ス
ペースを隔てて加熱手段であるバーナ１が配設されてい
る。缶体２の外周面には、バーナ１の熱を吸収する吸熱
フィン４が多数溶接されている。缶体２内には、一定の
間隙を設けて、内筒３が固定されている。この内筒３に
は、上部の長手方向に気水下降穴５と、下部の長手方向
には、缶体２内の水と内筒３内の水位が同一になるよう
にするための同水位穴６が各々、複数個設けてある。ま
た、缶体２の両側面は側面蓋１１，１２で内筒３ととも
に閉塞されている。側面蓋１２には缶体２の最下部に連
通した給水口７が一部内筒３に臨んで開口され、この給
水口７に小さな固体１７の流出防止のフィルタ１３が設
けられている。

他方の側面蓋１１には内筒３の上部でかつ、水面より上
方空間に連通した蒸気取出口８が設けられ、また内筒３
内に臨ましてハイレベル検知の上水位センサ９とローレ
ベル検知の下水位センサ１０とが設けられている。さら
に缶体２内には、前記した水より比重が重く、かつ水ま
たは熱水に溶けない、そして沸騰水により充分に散乱、
移動可能な重さの多数の固体１７が入れられている。固
体１７は数個の角のある粉子体よりなる。

上記構成において、バーナ１の燃焼によって、吸熱フィ
ン４が加熱され、熱を吸収して缶体２内の水１８および
１８′は沸騰し、蒸気泡２１を発生する。この時、蒸気
泡２１と加熱により波立った缶体２内の熱水と缶体２内
に入れた多数の固体１７は共に缶体２と内筒３の間隙を
上昇し、この間隙の上部の空間で、気水固体混合体１９
となった後、気水下降穴５より、内筒３内に降下する。
この過程で水と固体１７は、そのまま内筒３内の水面に
落下する。また一部の固体１７は、水より比重が重いた
め缶体２と内筒３の間隙を下方にもどる。内筒３内に落
下した水と固体１７は、内筒３の下部に設けられた同水
位穴６を通って缶体２の下部に供給されるサイクルをく
り返す。このように、缶体２内に入れられた多数の固体
１７は、水の沸騰する力で缶体２内を散乱、移動する。
この時、第４図のように固体１７は缶体２の内面と内筒
３の外面に衝突し、かつこすりながら付着したスケール
を除去すると共に、はがれ落ちたスケールを互いに衝突
する固体１７で粉砕する。固体１７は角があるので付着
したスケールを除去しやすく粉砕もしやすい。一方、気
水と固体が分離された蒸気２０は、蒸気取出口８より取
り出され、器外に送り出される。蒸気発生装置を継続し
て使用することにより、缶体２内の水は濃縮され蒸発残
留物（スケール成分）はより濃くなるが、蒸気発生装置
の停止と同時に、給水口７に接続した給水路７ａ、およ
び排水路７ｂの排水弁１５が開かれ、缶体２内の水は給
水口７、給水路７ａ、排水路７ｂを経て缶体外に排出さ
れる。の時、水と一緒にスケール成分も排出されるので
缶体２内に堆積されることはない。

なお、バーナは、ガス、石油、石炭、マキ等を燃料とす
るものでよい。又、加熱源は電気ヒータでもよい。さら
に、実施例では、固体１７の形状として数個の角のつい
た粉子体を使用したが、角のない丸みをおびた粉子体を
使用してもよい。

発明の効果 このように本発明によれば次のような作用効果を期待で
きる。

缶体内に流出不能に収納して缶体内の加熱水に溶けず、
かつ所定形状を維持する多数の固体が加熱源で加熱運転
した加熱沸騰水の力で缶体内を撹乱運動し、缶体内面へ
の衝突および固体相互間の衝突を生じることにより、缶
体へのスケール付着を蒸気発生の加熱運転中に効果的に
防止でき、特別な洗浄作業や洗浄のための装置も不能に
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す蒸気発生装置の縦断面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線の断面図であり、バーナ
により加熱されていない状態を示す。第３図はバーナに
より加熱された状態を示す第１図のＡ−Ａ線の断面図、
第４図は缶体に入れられた多数の固体の動きの説明図で
ある。第５図は従来例の縦断面図であり、第６図は第５
図のＢ−Ｂ線断面図でバーナにより加熱されている状態
を示す。 １……加熱源、２……缶体、１７……固体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】蒸気出口、加熱水の出入口を有する缶体
   と、この缶体を加熱して内部の水を沸騰させる加熱源
   と、前記蒸気出口、加熱水の出入口から缶体外に流出し
   ないように缶体内に収納し、加熱源で加熱運転した加熱
   沸騰水により缶体内を撹乱運動し、前記加熱水に溶けず
   に所定形状を維持する多数の固体を備えた蒸気発生装
   置。