JPH0629580Y2 - コア内蔵形管端防食継手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はコア内蔵形管端防食継手に関し、特にたとえ
ば給水，給湯あるいは冷暖房用配管材などの建築設備用
配管材として用いられる、コア内蔵形管端防食継手に関
する。

〔従来技術〕

第５図を参照して、従来のコア内蔵形管端防食継手１
は、コア２を内蔵する略円筒形状の継手本体３を含み、
コア２の受容部４の上部付近に、シリコンシール剤等の
マスチック性（粘弾性）を有するシール剤に炭酸カルシ
ウムやシリカなどのフィラーが配合されてなるシール剤
５を充填するものであった。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような従来のコア内蔵形管端防食継手１には、その
管端外周面にねじ６を有するパイプ７が接続される。こ
のとき、パイプ７のねじ６を極端な長ねじに切った場合
や、標準ねじとしても接続時に締めすぎた場合には、第
６図に示すように、シール剤５がパイプ７内にはみ出し
てしまうことがあった。したがって、はみ出したシール
剤５が通水時にカラン等の管末器具から流れ出したり詰
まったりするという問題点があった。

それゆえに、この考案の主たる目的は、シール剤がパイ
プ内にはみ出さない、コア内蔵形管端防食継手を提供す
ることである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、金属継手の内面に、ライニング管の管端を
受容する受容部を有する樹コアを内蔵したコア内蔵形管
端防食継手において、受容部内に圧縮破壊容易なそれぞ
れが独立気泡を形成する中空バルーンの集結体からなる
パッキンを嵌め込み、パッキンの外側から受容部内にシ
ール剤を塗布するようにしたことを特徴とする、コア内
蔵形管端防食継手である。

〔作用〕

パイプを継手本体に螺入すると、コアの受容部に塗布さ
れたシール剤とともにパッキンが受容部の底部に押し込
まれる。そして、さらにパイプを螺入していくと、パッ
キンは受容部とパイプの管端とに挟まれて圧縮される。
このとき、パッキンを構成する中空バルーンが圧潰（破
壊）されてパッキンの体積が減少するので、受容部とパ
イプとによって挟まれたシール剤とパッキンとが占める
全容積が減少する。

〔考案の効果〕

この考案によれば、シール剤とパッキンとが占める全容
積がこれらにかかる圧縮力に応じて減少するので、シー
ル剤が受ける圧縮力が吸収され、従来のようにシール剤
がパイプ内にはみ出すことはなくなる。

この考案の上述の目的，その他の目的，特徴および利点
は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から
一層明らかとなろう。

〔実施例〕

第１図を参照して、この実施例のコア内蔵形管端防食継
手１０は、その内周面に雌ねじ１２が形成された可鍛鋳
鉄製の略中空円筒形状の継手本体１４を含む。継手本体
１４の外表面には防食のためのエポキシ樹脂がコーティ
ングされている（図示せず）。また、継手本体１４の略
中央部には、中空円筒形状のたとえば耐熱性塩化ビニル
製のコア１６が内蔵される。コア１６の両端縁全周には
パイプ３０（後述する）を受け入れるための受容部１８
が形成されている。

そして、接続時には、受容部１８の底部２０には第２図
に示すようなパッキン２２が嵌め込まれる。このパッキ
ン２２は、たとえば黒曜石，松脂岩，真珠石などの天然
ガラス質の岩石を粉砕して急加熱して得られる中空バル
ーン２４の集結体からなるパーライトを環状に成型して
得られる。このパッキン２２を形成する個々の中空バル
ーン２４は容易に圧潰され得る独立気泡を形成している
ため、パッキン２２の体積は最大で略１／４程度に減少
する。

そして、第１図に示すように、このパッキン２２の外側
（差し込み側）から、たとえばシリコンシール剤などの
マスチック製（粘弾性）を有する材料に炭酸カルシウム
やシリカなどを配合したシール剤２６が受容部１８の全
周に亘って塗布される。

この継手本体１４には、その管端外表面に雄ねじ２８が
形成されたパイプ３０が接続される。このパイプ３０の
内表面にはたとえば耐熱性塩化ビニル樹脂３２がライニ
ングされ、また、パイプ３０の外表面には、図示しない
が、防食のためにエポキシ樹脂によるコーティングが施
されている。

このパイプ３０が継手本体１４に接続されるのである
が、まず、雄ねじ２８を標準ねじとし、パイプ３０の標
準ねじ込み長さを守った場合を説明する。

まず、パイプ３０の雄ねじ２８を継手本体１４の雌ねじ
１２に螺合していくと、第３Ａ図に示すようにパイプ３
０の管端３４がシール剤２６およびパッキン２２をコア
１６の受容部１８の底部２０に押し込む。さらにパイプ
３０を標準ねじ込み長さまで螺入すると、第３Ｂ図に示
すように、パッキン２２が受容部１８の底部２０に達す
るまでシール剤２６およびパッキン２２は押し込まれ、
パイプ３０内にシール剤２６がはみ出すことなくパイプ
３０は継手本体１４に接続される。

一方、雄ねじ２８を極端な長ねじに切ったり、標準ねじ
としても接続時に締めすぎた場合には、第３Ｃ図に示す
ように、パイプ３０はさらに螺入される。したがって、
シール剤２６およびパッキン２２はコア１６と管端３４
とに挟まれて圧縮される。このとき、パッキン２２を構
成する中空バルーン２４（第２図）が圧縮力に応じて圧
潰されるので、パッキン２２の体積が減少する。その結
果、パッキン２２とシール剤２６とが占める全容積が減
少するので、シール剤２６が受ける圧縮力が吸収され、
シール剤２６がパイプ３０内にはみ出すことなくパイプ
３０は接続される。

なお、パッキン２２を受容部１８の底部２０に押し込む
過程あるいは他の過程において、パッキン２２にはこれ
を捩じろうとする力が働くが、この力は中空バルーン２
４が圧潰されることによって吸収されるので、パッキン
２２が捩じれることはない。

また、従来では、受容部１８内に直接シール剤２６を充
填していたが、シール剤２６は柔らかいので第４Ａ図に
示すようにしか充填できなかった。したがって、受容部
１８の内周面３６からねじ１２にかけてシール剤２６を
全面に塗布するためにはシール剤２６が多量に必要であ
った。

この点、この実施例によれば、第４Ｂ図に示すように、
パッキン２２の一方側面の全周に亘ってシール剤２６を
塗布すればよいので、シール剤２６の所要量を減らすこ
とができるとともに、その塗布作業が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図解図である。 第２図は第１図実施例のパッキンの一例を示す斜視図で
ある。 第３Ａ図ないし第３Ｃ図は第１図実施例においてパイプ
を挿入した状態を段階的に示す図解図であり、第３Ａ図
はパイプを挿入しはじめた状態を示す一部断面図、第３
Ｂ図はパイプを標準ねじ込み長さまで挿入した状態を示
す一部断面図、第３Ｃ図はさらにパイプを挿入した状態
を示す一部断面図である。 第４Ａ図および第４Ｂ図はコアの受容部にシール剤を充
填した状態を示す図解図であり、第４Ａ図は従来の場合
を示す一部断面図、第４Ｂ図は第１図実施例の場合を示
す一部断面図である。 第５図は従来技術を示す断面図解図である。 第６図は従来技術においてパイプを挿入した状態を示す
一部断面図である。 図において、１０はコア内蔵形管端防食継手、１４は継
手本体、１６はコア、１８は受容部、２０は底部、２２
はパッキン、２４は中空バルーン、２６はシール剤、３
０はパイプ、３４は管端を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属継手の内面に、ライニング管の管端を
   受容する受容部を有する樹脂コアを内蔵したコア内蔵形
   管端防食継手において、 前記受容部内に圧縮破壊容易なそれぞれが独立気泡を形
   成する中空バルーンの集結体からなるパッキンを嵌め込
   み、前記パッキンの外側から前記受容部内にシール剤を
   塗布するようにしたことを特徴とする、コア内蔵形管端
   防食継手。