JPH06294879A - 原子炉燃料集合体及び上部タイプレート - Google Patents

原子炉燃料集合体及び上部タイプレート

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JPH06294879A
JPH06294879A JP5084875A JP8487593A JPH06294879A JP H06294879 A JPH06294879 A JP H06294879A JP 5084875 A JP5084875 A JP 5084875A JP 8487593 A JP8487593 A JP 8487593A JP H06294879 A JPH06294879 A JP H06294879A
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泰博 相澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】原子炉燃料集合体及び上部タイプレートにおい
て、高燃焼度化を可能としながら反応度を低下させずに
ボイド係数を小さくし、かつ局所出力ピーキングを平坦
化し、合わせて二相流の圧損を効果的に低減する。 【構成】通常の燃料棒2と部分長燃料棒3を10×10
の正方格子状に配列し、中央領域に対角線状に3本の大
型水ロッド4を配置し、部分長燃料棒3は、正方格子状
の燃料棒配列の最外層において水ロッド4の投影面積の
範囲内に配置する。上部タイプレート7は、格子部32
の部分長燃料棒3の延長上に位置する部分においてボス
が取除かれ、冷却材流路の拡大を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉燃料集合体及び上
部タイプレートに係わり、特に高燃焼度化を可能としか
つ燃料経済性の向上、熱的余裕の増大、安定性の向上、
圧力損失の低減に寄与する原子炉燃料集合体及び上部タ
イプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉に装荷される従来の燃料
集合体は、四角筒のチャンネルボックスと、このチャン
ネルボックスの内部に収納された燃料バンドルからな
る。燃料バンドルは、チャンネルボックスの上下部には
めこむ上部タイプレートおよび下部タイプレートと、チ
ャンネルボックス内部で軸方向に沿って間隔を置いて設
置された複数個のスペーサと、このスペーサを貫通しタ
イプレートに両端を固定して正方格子状に配置された多
数の燃料棒及び少なくとも1本の水ロッドとから構成さ
れる。上部タイプレートは、燃料棒及び水ロッドの上端
部を支持するための円筒状のボス及び隣接するボス相互
を連結するウェブからなる格子部、チャンネルボックス
の挿入性を良くするコーナポスト及び燃料集合体の取扱
時の取手となるハンドルで構成されたステンレス鋼鋳鋼
製一体成型品である。
【0003】近年、連続運転期間の延長、ウラン資源の
有効利用、さらに使用済み燃料発生量の低減の観点か
ら、燃料の高燃焼度化が進められている。高燃焼度化の
ためには燃料の濃縮度を高める必要がある。しかし、濃
縮度の増加に伴い、中性子の平均エネルギーが上昇する
ため、ボイド変化に伴う反応度変化が増大したり、核分
裂性燃料の有効利用(燃料経済性)が阻害されたりと云
う問題があった。ボイド変化に伴う反応度変化の増大は
ボイド係数の絶対値を増大させ、炉心安定性を低下させ
ると共に、運転時、冷温時の反応度差が増大するので炉
停止余裕を低下させる。この対応策は、燃料集合体内の
減速材割合(減速材対燃料比)を増大し、中性子の平均
エネルギーを低減(中性子スペクトルをソフトに)する
ことである。
【0004】沸騰水型原子炉ではチャンネルボックスの
外部に制御棒や中性子検出器計装管を配置する構成にな
っており、そのため燃料集合体間にはそれらの装置が挿
入されるだけの間隙が設けられている。上記間隙は飽和
水で満たされているため、燃料集合体周辺部(間隙に近
い領域)の燃料棒と燃料集合体中心部の燃料棒では間隙
の飽和水の影響が異なる。すなわち、間隙に近い燃料集
合体周辺部の燃料棒は、実効的には減速材対燃料比が大
きな領域となり、燃料集合体の核的な特性を決める要因
である減速材対燃料比が位置により異なる。
【0005】減速材対燃料比を増大する方法には、燃料
装荷量を減少する方法と減速材領域あるいは減速材密度
を増大する方法とがある。具体的には、 沸騰水領域の増大(燃料棒本数を減少するか、あるい
は燃料棒径を細くする) 非沸騰水領域(水ロッド領域あるいはギャップ水領
域)の増大 がある。しかし、このような対策を採用した燃料集合体
では、いずれも燃料装荷量が減少するため、減速材対燃
料比増大の面からは燃料経済性が向上するが、燃料装荷
量の面から燃料経済性が損なわれ、結局、燃料経済性の
向上には至らない。また、では、燃料棒の全長が減少
するため線出力密度が増大し熱的余裕が減少し、で
は、冷却材の流路面積が減少するため圧力損失が増大す
ると云う新たな課題が発生する。
【0006】従来の燃料集合体では、燃料棒は8行8列
(8×8)の格子状に配列されているが、燃料棒の格子
配列数を9×9、10×10へと増大させれば、平均線
出力密度を減少しかつ伝熱面積を増大して、熱的余裕が
高まる。また、特開昭52−50498号公報に記載の
ように、燃料棒有効長が短い部分長燃料棒を用いて燃料
集合体を構成することが知られており、摩擦圧損が大き
な二層流部(炉心上部)の流路面積が増大することで、
燃料装荷量を減少することなく圧力損失を低減できる。
したがって、これらの2つの対策を併用した上で、上記
及びを採用すれば、高燃焼度化に適した燃料集合体
となる。
【0007】以上の観点より、燃料棒の外径を細くし
て、本数を増やした9×9、10×10格子の燃料棒配
列にし、水ロッドの横断面積を単位燃料格子の横断面積
より大きくし、かつ複数の部分長燃料棒を配置した燃料
集合体が提案されており、一例として、特開昭64−8
8292号公報、特開昭62−276493号公報、特
開昭64−31089号公報、特開昭64−23195
号公報がある。
【0008】特開昭64−88292号公報には、燃料
棒配列格子数を増加した燃料集合体において、太径水ロ
ッドに隣接して複数の部分長燃料棒をかためて配置した
ものが開示されている。特開昭62−276493号公
報には、燃料棒配列格子数を増加した燃料集合体におい
て、多数の水ロッドまたは太径水ロッドを配置すると共
に、燃料棒格子状配列のコーナ部を含む対角線上に一列
に複数の部分長燃料棒を配置したものが開示されてい
る。特開昭64−31089号公報には、燃料棒配列格
子数を増加した燃料集合体において、太径水ロッドを配
置すると共に、燃料棒格子状配列のコーナ部に複数の部
分長燃料棒をかてめて配置したものが開示されている。
特開昭64−23195号公報には、燃料棒配列格子数
を増加した燃料集合体において、太径水ロッドを配置す
ると共に、燃料棒格子状配列の最外層の各辺を2等分す
る線上、または燃料棒格子状配列のコーナ部を含む対角
線上に一列に複数の部分長燃料棒を配置したものが開示
されている。
【0009】一方、部分長燃料棒を配置した燃料集合体
の上部タイプレートとして、実開昭61−123996
号公報及び特開昭61−196192号公報には、部分
長燃料棒の延長上に位置する部分のボスを取除いたもの
が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】高燃焼度燃料集合体の
開発に当たっては、現行炉心にバックフィトすることを
考え、圧力損失、熱的余裕(線出力密度、限界出力)等
を、現行の燃料集合体のそれと同等にする必要がある。
【0011】燃料棒の外径を細くして、燃料棒の格子配
列数を増大させることが高燃焼度燃料集合体には有利で
あることは前述した。しかし、燃料格子配列数を増加し
ただけでは、燃料配列に対する自由度が増大する反面、
濡れ縁長さが増大し圧損が増大すると共に、燃料棒外径
が減少し燃料棒の時定数が増大するため、安定性(チャ
ンネル安定性、炉心安定性)が厳しくなるという新たな
課題が生ずる。これを解決するためには、ボイド係数の
絶対値を現行の燃料集合体のそれより小さくする必要が
ある。すなわち、今までは、燃料の濃縮度増大の観点か
らボイド係数の絶対値低減の対策を論じたが、燃料格子
配列数を増加する場合には、ボイド係数の絶対値を更に
小さくする必要がある。
【0012】前述の、の通り、ボイド係数などの反
応度係数は、減速材対燃料比を増大すること、つまり、
水ロッド領域を増大すると共に、燃料装荷量を減少する
ことが必要である。しかし、燃料装荷量の減少は、燃料
経済性を損なうため避けたい対策である。したがって、
高燃焼度燃料集合体の開発に当たっては、燃料装荷量の
減少によらない新たな反応度制御(ボイド係数の絶対値
減少及び運転時−冷温時反応度差の減少)の方法を開発
することが重要となる。
【0013】燃料装荷量の減少によらない反応度制御方
法としては、前述した特開昭64−88292号公報、
特開昭62−276493号公報、特開昭64−310
89号公報、特開昭64−23195号公報に記載のよ
うに、部分長燃料棒の配置位置を選択することがある。
すなわち、特開昭64−88292号公報、特開昭64
−31089号公報では、太径水ロッドに隣接する位置
か、燃料棒格子状配列のコーナ部に複数の部分長燃料棒
をかためて配置しており、特開昭62−276493号
公報、特開昭64−23195号公報では、燃料棒格子
状配列のコーナ部を含む対角線上か、燃料棒格子状配列
の最外層の各辺を2等分する線上に複数の部分長燃料棒
を一列に配置している。これらは、いずれも非沸騰水領
域(水ロッドあるいはギャップ水領域)と部分長燃料棒
を隣接させることで、中性子減速効果を促進し、ボイド
係数の低減及び運転時と冷温時の反応度差低減を狙って
いる。
【0014】しかしながら、これら従来技術の方法で
は、ボイド係数などの反応度係数を低減し、反応度制御
性を向上するが、部分長燃料棒の配置位置による反応度
自体の変化、または局所出力ピーキングについては十分
な配慮がされていない。すなわち、従来技術では、複数
の部分長燃料棒を水ロッドあるいはコーナ部のギャップ
水領域に少なくとも一部が隣接する形でかためて配置し
ているため、共鳴中性子の吸収が増大し、反応度損失が
大きくなり燃料経済性が損なわれるという問題がある。
また、部分長燃料棒より上部の断面では、部分長燃料棒
に隣接する燃料棒の局所出力ピーキングが増大し、熱的
余裕が減少するという問題がある。
【0015】そこで本願出願人は、上記課題を解決する
ため、特願平4−210539号(出願日、平成4年8
月6日)にて、正方格子状に配列された多数の燃料棒2
と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
な少なくとも1本の水ロッド3とを有する燃料集合体に
おいて、(a)前記燃料棒2は、複数の第1燃料棒と、
燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含
むこと、(b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃
料棒配列の最外層においてそのコーナ部以外に配置され
ていること、(c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外
層より内側において、該最外層に隣接した一層に配置さ
れる前記燃料棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に
隣接する燃料棒は前記第1燃料棒であることを特徴とす
る燃料集合体を提案した。
【0016】このように部分長燃料棒である第2燃料棒
の配置位置を最適化したことにより、高燃焼度化を可能
としながら反応度を低下させずにボイド係数を小さく
し、かつ局所ピーキングを平坦化することに成功した。
【0017】本発明は上記先願発明を更に改善し上部タ
イプレートの構造を適切化するものである。すなわち、
燃料集合体のハード面での設計上、燃料棒配列を定める
部材のひとつである上部タイプレートの構造が、上記先
願発明の燃料集合体構造を実現するうえで重要となる。
実開昭61−123996号公報及び特開昭61−19
6192号公報に記載の燃料集合体では、部分長燃料棒
を備えた燃料集合体の上部タイプレートの構造が示され
ているが、部分長燃料棒の配置効果をふまえた燃料集合
体としての性能向上に関しては、特に考慮されていな
い。
【0018】本発明の第1の目的は、高燃焼度化を可能
としながら反応度を低下させずにボイド係数を小さく
し、合わせて二相圧損を低減するのに有効な原子炉燃料
集合体及び上部タイプレートを提供することである。
【0019】本発明の第2の目的は、高燃焼度化を可能
としながら反応度を低下させずにボイド係数を小さく
し、かつ局所出力ピーキングを平坦化し、合わせて二相
圧損を低減するにに有効な原子炉燃料集合体及び上部タ
イプレートを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明は、正方格子状に配列された多数の燃
料棒と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より
大きな少なくとも1本の水ロッドと、前記燃料棒及び水
ロッドの上端部を支持する複数のボス及びこれらボス同
士を結合する複数のウェブで格子部を形成した上部タイ
プレートとを有する原子炉燃料集合体において、(a)
前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長が前記
第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと;(b)前
記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列の最外層
においてそのコーナ部以外に配置されていること;
(c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
棒は前記第1燃料棒であること;(d)前記上部タイプ
レートは、前記格子部の前記第2燃料棒の延長上に位置
する部分において少なくともボスが取除かれているこ
と;を特徴としている。
【0021】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明は、上記原子炉燃料集合体において、前記第2燃
料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列の最外層におい
て、前記中性子減速棒を前記正方格子状の燃料棒配列に
おける直交する2方向に投影させたとき、その投影範囲
の最も外側を含めてそれより内側に配置されていること
を特徴としている。
【0022】上記原子炉燃料集合体において、好ましく
は、前記格子部の第2燃料棒の延長上に位置する部分は
ウェブのみで形成されている。この場合、当該ウェブ
は、前記格子部の外枠の一部を構成する第1ウェブと、
前記第1ウェブにT字状に結合され、前記最外層に隣接
した一層で第2燃料棒に隣接する第1燃料棒の上端部を
支持するボスを前記第1ウェブに結合する第2ウェブと
で形成してもよいし、前記格子部の外枠の一部を構成す
るウェブのみで形成してもよい。
【0023】前記格子部の第2燃料棒の延長上に位置す
る部分は中空領域であってもよい。
【0024】また上記原子炉燃料集合体において、好ま
しくは、前記燃料棒は、燃料有効長が前記第1燃料棒よ
り短く、前記最外層に隣接した一層のコーナ部に配置さ
れた第3燃料棒を更に含み、前記上部タイプレート格子
部の第3燃料棒の延長上に位置する部分は中空領域であ
る。
【0025】また、好ましくは、前記燃料棒は、燃料有
効長が前記第1燃料棒より短く、前記水ロッドに隣接し
て配置された第4燃料棒を更に含み、前記上部タイプレ
ート格子部の第4燃料棒の延長上に位置する部分は中空
領域である。
【0026】また、上記第1及び第2の目的を達成する
ため、本発明は、燃料棒及び水ロッドの上端部を支持す
る複数のボスをウェブで結合して格子部を形成した原子
炉燃料集合体の上部タイプレートにおいて、前記格子部
のコーナ部を除いた最外層の一部は少なくともボスが取
除かれていることを特徴としている。
【0027】
【作用】部分長燃料棒である第2燃料棒を正方格子状の
燃料棒配列の最外層に配置することにより、ボイド係数
の低減効果が得られ、反応度制御性が向上する。また、
制御棒価値向上の効果も期待でき、安全性向上に寄与す
る。
【0028】また、部分長燃料棒である第2燃料棒を正
方格子状の燃料棒配列の最外層においてそのコーナ部以
外に配置することにより、反応度損失が低減する。ま
た、第2燃料棒を、正方格子状の燃料棒配列の最外層に
おいて、中性子減速棒を正方格子状の燃料棒配列におけ
る直交する2方向に投影させたとき、その投影範囲の最
も外側を含めてそれより内側に配置することにより、反
応度損失と局所出力ピーキングの両方を改善でき、燃料
経済性の向上と熱的余裕の向上が図れる。
【0029】更に、正方格子状の燃料棒配列の最外層よ
り内側において、該最外層に隣接した一層に配置される
前記燃料棒のうち、前記最外層の第2燃料棒に隣接する
燃料棒は第1燃料棒であることにより、その第1燃料棒
の領域が減速材領域で囲まれる構成となり、その結果、
減速材領域で効率よく減速された熱中性子が、第1燃料
棒の領域に効率よく流入するため、共鳴吸収が減少し、
反応度制御性だけでなく燃料経済性が改善される。この
効果は、第1燃料棒が配置される領域を最外層に隣接し
た一層全体とすることにより更に大きくなり、その層を
2層とすることにより更にまた大きくなる。
【0030】正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側
において、該最外層に隣接した一層のコーナ部に部分長
燃料棒である第3燃料棒を配置することにより、チャン
ネルボックス内の冷却材流量分布及び蒸気体積率分布が
均一になる。即ち、一般に、チャンネルボックスに面し
た領域、特にコーナ部近傍は摩擦抵抗が大きく、冷却材
流量が減少する傾向にある。部分長燃料棒を最外層に隣
接した一層のコーナ部に配置することで、これを解消で
きる。
【0031】また、部分長燃料棒である第4燃料棒を水
ロッドに隣接して配置することで、燃料集合体中央部の
水ロッド領域を大きくしたこととほぼ等価になるので、
燃料集合体の中性子無限増倍率を増加できる効果があ
る。
【0032】以上は先願発明の構成部分の作用である。
本発明は上部タイプレートに関し更に次のような作用が
得られる。
【0033】燃料集合体の圧損に占める上部タイプレー
トの圧損割合は比較的大きく、しかも当該部分では液相
と気相の二相圧損である。上部タイプレート格子部の第
2燃料棒の延長上に位置する部分において少なくともボ
スを取除くことにより、部分長燃料棒の延長上の冷却材
流路が拡大されるので、部分長燃料棒と上部タイプレー
トの冷却材流路拡大との組合せ効果によって、二相圧損
低減の効果が一層高まって、チャンネル安定性及び炉心
安定性が向上する。
【0034】また、管内を流れる流体の速度は、管中央
部で速く、管壁近傍で遅いことが一般的に知られてい
る。燃料集合体の内部を流れる冷却材の速度についても
同様の傾向にある。この結果、燃料集合体の上部におい
ても、上部タイプレートの格子部の中央部において流速
が相対的に速く、チャンネルボックスの壁近傍の流速は
相対的に遅い傾向にある。このことから、非常時に燃料
集合体の上部から注水された冷却水は、上部タイプレー
トの格子中央部よりも流速が相対的に遅いチャンネルボ
ックスの壁近傍領域の方が、カウンタフローの影響が少
なく、内部に流入し易いと考えられる。本発明において
は、第2燃料棒が最外層に配置され、その延長上に位置
する格子部部分の冷却材流路が拡大されるため、非常時
の冷却特性が良好となり安全性が一層向上する。
【0035】更に、上部タイプレート格子部の第3燃料
棒または第4燃料棒の延長上に位置する部分を中空領域
とすることにより、部分長燃料棒の延長上の冷却材流路
が更に拡大されるので、部分長燃料棒と上部タイプレー
トの冷却材流路拡大との組合せ効果によって、二相圧損
低減の効果が更に高まって、チャンネル安定性及び炉心
安定性が更に向上する。
【0036】尚、本願明細書中において、燃料棒の配置
に関して「隣接する」とは行方向、列方向に隣接するこ
とは勿論、斜め方向に隣接することも含むものとしてし
ようする。
【0037】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図12により説明
する。 (構成)図2において、本実施例の燃料集合体1は沸騰
水型原子炉用であり、複数本の燃料棒20と3本の大型
水ロッド4(図3参照)を燃料スペーサ9により水平方
向間隔を一定にして正方格子状に束ね、燃料棒20と水
ロッド4の上下端が上部タイプレート7及び下部タイプ
レート8で支持された燃料束が、角筒状のチャンネルボ
ックス5で覆われた構造である。
【0038】図3において、燃料棒20は10×10の
正方格子状に配列されている。燃料棒20は、通常の全
長型燃料棒である多数の燃料棒2と、この燃料棒の正方
格子状配列の最外層に配置された8本の部分長燃料棒3
と、大型水ロッド4に隣接して配置された4本の部分長
燃料棒3aとで構成されている。燃料棒2と部分長燃料
棒3,3aとの合計は90本である。3本の大型水ロッ
ド4はそれぞれ横断面円形を有し、燃料棒配列の中央部
の4×4の格子領域に対角線状に配置されている。
【0039】部分長燃料棒3,3aは燃料有効長が燃料
棒2より短く、燃料棒2の燃料有効長の15/24であ
る。これは、その上端が5段目のスペーサ9に支持され
る長さである。
【0040】また、最外層に配置された部分長燃料棒3
は、チャンネルボックス5に面する燃料棒配列の最外層
4辺の各々に2本ずつ隣接して配置されている。この部
分長燃料棒3の配置位置は、燃料棒配列の各格子位置を
数学上の行列の手法を用いて表現すると、(1,5),
(1,6);(5,1),(6,1);(5,10),
(6,10);(10,5),(10,6)の各格子位
置に配置されている。ここで、正方格子状の燃料棒配列
の横方向の並びを行、縦方向の並びを列とし、図示上か
らi番目の行で、図示左からj番目の列に位置する格子
位置を(i,j)と表現した。すなわち、部分長燃料棒
3は、燃料棒配列外周形状の2つの対角線のそれぞれに
関して対称的に配置されている。また、正方格子状の燃
料棒配列の最外層より内側においては、最外層に隣接し
た一層及びこれに隣接した一層の合計2層には、通常の
燃料棒2のみが配置されている。
【0041】3本の大型水ロッド4は、燃料棒配列の中
央部の4×4の格子領域中、燃料棒を10本配置可能な
領域に対角線状に少し離れて配置されており、残りの領
域には2本の燃料棒2と4本の部分長燃料棒3aが配置
されている。水ロッド4の外径は20.7mmであり、
水ロッド4の肉厚を考慮すると水ロッド内横断面積の合
計は約9cm2 である。水ロッド4が配置される格子位
置は、各々、隣接する4つの燃料格子のうち2つ以上が
水ロッド4が位置する格子位置となっている。
【0042】また、3本の大型水ロッド4が占める最も
外側の格子位置は、4×4の格子領域対角線上の(4,
7)と(7,4)であり、行方向(横方向)に第4〜第
7、列方向(縦方向)にも第4〜第7間にあり、上記部
分長燃料棒3は、これら行または列の範囲内に位置して
いる。すなわち、部分長燃料棒3は、正方格子状の燃料
棒配列の最外層において、水ロッド4を行方向、列方向
に投影させたとき、その投影範囲の最も外側の両格子位
置を含めてそれらの格子位置より内側に配置されてい
る。
【0043】また、部分長燃料棒3,3aは下端を下部
タイプレート8に支持され、上端を5段目のスペーサ9
に支持され、中間部の4箇所を1〜4段のスペーサ9に
より保持されている。
【0044】図1に上部タイプレート7の底面図を示
す。上部タイプレート7は、燃料棒2及び水ロッド4の
上端部を支持する複数の円筒形をしたボス30及びボス
30同士を結合するウェブ31からなる格子部32と、
格子部32の上面に対角状に取付けられ、燃料集合体1
の取扱時の取手となるハンドル33と、格子部32の4
箇所のコーナ部に位置し、チャンネルボックス5の挿入
性をよくするコーナポスト37とで構成されたステンレ
ス鋼鋳鋼製一体成型品である。コーナーポスト37の基
部はボス30を兼ねている。上記のように、部分長燃料
棒3,3aの上端は上部タイプレート7に支持されてお
らず、この部分長燃料棒3,3aの延長上に位置する格
子部32の部分においては少なくともボスが取除かれて
いる。
【0045】すなわち、最外層の部分長燃料棒3の延長
上に位置する格子部32の部分はボスのみが除去され、
格子部32の外枠の一部を構成する第1ウェブ34と、
この第1ウェブ34とT字状に結合され、燃料棒配列の
最外層に隣接した一層で部分長燃料棒3に隣接する燃料
棒2の上端を支持するボス30を第1ウェブ34に結合
する第2ウェブ35とで構成されている。また、水ロッ
ド4に隣接する部分長燃料棒3aの延長上に位置する部
分はボス及びウェブが共に除去され、中空領域36にな
っている。その結果、従来と同様に上部タイプレートの
格子部7には外枠が形成されているため、構造強度を損
なうことなく、部分長燃料棒3,3aの延長線上で上部
タイプレート7の冷却材流路を拡大できる。
【0046】(作用)次に、本実施例の作用を説明す
る。 (1)部分長燃料棒の配置位置等について 燃料棒の格子配列を従来の8×8格子から10×10格
子とすることで、燃料を燃料集合体内に分布させる自由
度が高くなる。したがって、燃料集合体内の燃料あるい
は減速材を局在化して配置することが可能になる。ここ
でいう局在化とは、燃料と減速材の境界線によって囲ま
れる燃料あるいは減速材領域において、その単位体積あ
たりの境界線の長さが短くなることを意味している。
【0047】減速材領域(非沸騰水領域)を局在化する
位置が反応度制御(ボイド率の変化や運転状態から冷温
状態への変化に伴う反応度変化の減少)へ及ぼす効果を
説明する。図4に、燃料装荷量を一定とし、水ロッド領
域(内側領域の減速材)を増大させた場合と、ギャップ
水領域(外側領域の減速材)を増大させた場合のボイド
係数の変化を比較して示す。この図より、反応度制御性
の向上にはチャンネルボックスに面した燃料集合体の外
側領域の方が、水ロッドに面した燃料集合体の内側領域
より効果的である(感度が高い)ことが分かる。
【0048】また、図5に、部分長燃料棒の配置位置に
よる、部分長燃料棒より上部断面でのボイド係数の変化
を示す。この図よりボイド係数低減の感度は、以下の順
であることが分かる。 (1) チャンネルボックスに面した燃料集合体の外側1層
目のコーナ部燃料 (2)(1)以外のチャンネルボックスに面した燃料集合体の
外側1層目燃料 (3) 水ロッドに隣接した燃料集合体の内側領域の燃料 (4) チャンネルボックスにも水ロッドにも隣接しない燃
料 これは、前述の図4で説明した非沸騰水領域の局在化と
同様に、減速材領域を局在化すること(部分長燃料棒を
非沸騰水領域に隣接させること)が反応度制御に効果が
あることを示している。この効果は、水素対重金属原子
数比(H/U)が小さく、中性子減速効果の感度が高い
炉心上部領域(高ボイド率領域)で著しい。
【0049】以上の理由により、本実施例では、燃料棒
2,3,3aを10×10の正方格子状に配列し、部分
長燃料棒3を燃料棒配列の最外層に配置したものであ
り、これによりボイド係数の低減効果が得られ、反応度
制御性が向上する。
【0050】部分長燃料棒を燃料棒配列の最外層に配置
する場合、その配置位置が反応度及び局所出力ピーキン
グに及ぼす影響について説明する。図6は、上記実施例
のように部分長燃料棒をチャンネルボックスに面した最
外層に対称に4本配置する場合において、図示上辺で見
て部分長燃料棒の配置位置を(1,1)〜(1,10)
に変更したときの、各位置における部分長燃料棒より上
部断面での部分長燃料棒位置と中性子無限増倍率(A)
及び局所ピーキング(B及びC)の関係を示したもので
ある。燃料棒配列は上記実施例と同様10×10格子で
あり、3本の水ロッドが、燃料棒配列の中央部の4×4
の格子領域中、燃料棒を10本配置可能な領域に配置さ
れている。なお、Aについては、部分長燃料棒が図示上
辺で見て(1,5)に位置するときを基準としてそれと
の反応度差で示し、Bについては、部分長燃料棒がコー
ナ部に位置するときはそれに隣接した通常燃料棒、それ
以外では部分長燃料棒に図示左側で隣接する通常燃料棒
の局所出力ピーキング係数を示し、Cについては、コー
ナ部に位置する通常燃料棒の局所出力ピーキング係数を
示す。
【0051】図6から分かるように、部分長燃料棒が最
外層のコーナ部に位置するときは反応度損失が大きく、
かつ部分長隣接燃料棒の局所出力ピーキングも大きい。
部分長燃料棒位置が最外層のコーナ部に隣接した格子位
置、例えば図示上辺で見て(1,2)に移動するとき
は、反応度損失は大幅に改善されるが、部分長隣接燃料
棒及びコーナ部燃料棒の局所出力ピーキングは大きい。
部分長燃料棒が最外層のコーナ部からコーナ部を含め3
番目の格子位置、例えば図示上辺で見て(1,3)に位
置するときは、反応度損失は更に改善されるが、部分長
隣接燃料棒及びコーナ部燃料棒の局所出力ピーキングは
依然として大きい。部分長燃料棒が最外層のコーナ部か
らコーナ部を含め4番目またはそれよりも内側に位置す
るとき、例えば図示上辺で見て(1,4)またはそれよ
りも内側に位置するときは、反応度損失はほとんど無く
なり、かつ部分長隣接燃料棒及びコーナ部燃料棒の局所
出力ピーキングも大幅に低下する。
【0052】以上の理由により、本実施例においては、
部分長燃料棒3を燃料棒配列の最外層において、水ロッ
ドの投影範囲の最も外側の両格子位置を含めてそれらの
格子位置より内側に配置したものであり、この配置によ
り反応度損失と局所出力ピーキングの両方を改善でき、
燃料経済性の向上と熱的余裕の向上が図れる。なお、局
所出力ピーキングについては別途対策を講じるのであれ
ば、反応度損失の低減のみを考えれば良く、この場合
は、部分長燃料棒を最外層のコーナ部に隣接した格子位
置、または最外層のコーナ部からコーナ部を含め3番目
の格子位置に配置してもよい。
【0053】部分長燃料棒を燃料棒配列の最外層に配置
する場合、その配置位置が制御価値に及ぼす影響を説明
する。図7は、上記実施例のように部分長燃料棒をチャ
ンネルボックスに面した最外層に対称に4本配置する場
合において、図示上辺で見て部分長燃料棒の配置位置を
(1,1)〜(1,10)に変更したときの、部分長燃
料棒位置と部分長燃料棒より上部断面での制御棒価値と
の関係を示している。制御棒価値は、同じ本数の部分長
燃料棒を水ロッドに隣接させる場合を基準にして、それ
との差で示している。この図から分かるように、チャン
ネルボックスに面した最外層に部分長燃料棒を配置した
方が、水ロッドに隣接して配置するよりも、制御棒価値
はいずれの場合も大きくなる。これは、制御棒(特に吸
収棒)近傍の熱中性子束が増大したことが要因である。
【0054】したがって、本実施例では、部分長燃料棒
3を燃料棒配列の最外層に配置することにより、制御棒
価値向上の効果も期待でき、安全性向上に寄与する。
【0055】部分長燃料棒3を2本隣接することの効果
を図8により説明する。図8は、部分長燃料棒を隣接し
た場合の反応度制御性及び制御棒価値を示している。こ
の図から分かるように、部分長燃料棒3を隣接させるこ
とで、反応度制御性及び制御棒価値共に、1本のみの効
果を単純に足し合わせた以上の効果を得ている。2本以
上を隣接して配置しても(減速材を局在化しても)、図
6で説明したように、局所出力ピーキングに対して平坦
化に寄与する位置に配置すれば、すなわち、水ロッド4
の投影面積の範囲内に配置されていれば、熱的余裕の確
保の点で問題にならない。したがって、本実施例によれ
ば、反応度制御性及び制御棒価値の向上の点で、部分長
燃料棒を最外層4辺の各々に1本づつ配置した場合に比
べて2倍以上の効果を得ることができる。
【0056】また、本実施例においては、部分長燃料棒
3aを水ロッド4に隣接して配置することで、燃料集合
体中央部の水ロッド領域を大きくしたこととほぼ等価に
なるので、燃料集合体1内外の熱中性子束分布の平坦化
に効果があり、図9に示すように燃料集合体の中性子無
限増倍率を増加できる(後述)。この場合、ボイド係数
の低減効果及び制御棒価値の増大効果は、図4及び図7
に示したように、水ロッドより外側領域の方が大きいの
で、本実施例のように、水ロッド4に隣接する部分長燃
料棒3aの本数よりチャンネルボックス5に隣接する部
分長燃料棒3の本数を多くすることで、反応度制御性の
観点から必要となる部分長燃料棒の本数を少なくできる
と共に、制御棒価値を増大する効果が得られる。また、
このようにチャンネルボックスと水ロッドに隣接する部
分長燃料棒3,3aを共存させることで、燃料集合体1
内外の熱中性子束分布の平坦化に効果がある。
【0057】一方、減速材領域の局在化効果を最大限に
活用するためには、通常燃料棒を局在化することが必要
である。通常燃料棒の局在化は、共鳴中性子が吸収され
る確率を低減し、より一層の燃料経済性の向上に寄与す
る。本実施例では、正方格子状の燃料棒配列の最外層よ
り内側において、最外層に隣接した一層で第2燃料棒に
隣接する格子位置には通常の燃料棒2のみが配置され、
中央には水ロッド4を集中して配置し、外側の層(最外
層)に部分長燃料棒3を配置しており、通常燃料棒2の
領域が減速材領域で囲まれた構成になっている。その結
果、減速材領域で効率よく減速された熱中性子が、通常
燃料棒2の領域に効率よく流入するため、共鳴吸収が減
少し、反応度制御性だけでなく燃料経済性が改善され
る。この効果は、第1燃料棒のみが配置される領域を最
外層に隣接した一層全体とすることにより更に大きくな
り、その層を本実施例のように2層とすることにより更
にまた大きくなる。
【0058】(2)水ロッドの大きさ、形状等について 減速材領域(非沸騰水領域)の局在化が燃料経済性へ及
ぼす効果、及び水ロッド横断面積、形状の最適化につい
て説明する。図9に、燃料棒の格子配列数を10×10
とした燃料集合体において、燃料装荷量を一定として、
水ロッド領域(内側領域の減速材)を増大させた場合
と、チャンネルボックス外側のギャップ水領域(外側領
域の減速材)を増大させた場合の反応度の変化を比較し
て示す。横軸には水ロッド領域またはギャップ水領域の
増分(非沸騰水領域の増分)と、水ロッド領域の増分に
関しチャンネルボックス内横断面積に対する水ロッド内
横断面積の割合の2つの指標を示し、縦軸には現在の水
ロッド内横断面積である3cm2 (1.7%)を基準と
した中性子無限増倍率の差を示す。この図より、中性子
無限増倍率の向上、すなわち、反応度または燃料経済性
の向上にはチャンネルボックスに面した燃料集合体の外
側領域より、燃料集合体の内側領域の方が効果的である
(感度が高い)ことが分かる。これは、中性子束分布の
平坦化により、減速材による中性子吸収が減少するため
である。熱中性子束分布の平坦化は、燃料経済性だけで
なく局所出力分布にも影響を及ぼすため、熱的余裕を確
保する点からも重要である。
【0059】このように、10×10格子の燃料集合体
においては、燃料経済性向上のためには水ロッド内横断
面積を増加することが効果があり、そのために水ロッド
内横断面積を現在の3cm2 (1.7%)から増大する
ことが必要である。一方、水ロッド領域の燃料格子数を
増大することは、燃料棒本数の減少になり、高燃焼度化
に反することになる。燃料集合体の対称性を考慮する
と、10×10格子燃料集合体では、水ロッド領域の燃
料格子位置数は、現在の2本から8本〜16本の範囲が
妥当である。10×10格子燃料集合体の燃料単位格子
の面積が、現在の8×8格子の60%程度になること、
また水ロッド領域の燃料格子位置数が上記より4倍〜8
倍になることを考えると、水ロッド内横断面積としては
7(4%)〜14(8%)cm2 の範囲が適切である。
【0060】本実施例では、以上の理由により3本の水
ロッド4の横断面積の合計は約9cm2 となっており、
これによっても反応度を高め、燃料経済性を向上でき
る。
【0061】また、水ロッド内横断面積の最適化には安
定性の観点がある。安定性には、チャンネル安定性と炉
心安定性の2つのモードがある。まず、チャンネル安定
性は、冷却水の流量配分の振動を防止するためのもの
で、炉心内の一番出力の高い燃料集合体に対して評価す
る。炉心安定性は、炉心内の中性子束と熱水力振動とが
カップリングして生じる不安定現象を防止するためのも
のである。それぞれの制限値は減幅比で現わされる。す
なわち、チャンネル安定性、炉心安定性共に、減幅比が
1.0以下になるように制限されている。
【0062】そこで、本願発明者等は、10×10燃料
集合体の安定性について検討した。図10は、ウラン装
荷量と水ロッド内横断面積のマップ上に安定性の限界線
を示したものである。ウラン装荷量とは、燃料集合体1
体当たりに装荷できるウラン装荷量であり、ウラン装荷
量が大きくなることは燃料棒の外径の増加を意味する。
一方、水ロッド内横断面積とは、燃料集合体に位置する
水ロッド内の水流路の横断面積を示し、水ロッド内横断
面積の増加は水ロッドの外径の増加を意味する。したが
って、ウラン装荷量並びに水ロッド内横断面積の増加
は、燃料棒、水ロッドの外径を太くし、燃料集合体内の
流路面積を減少させるため、流路抵抗が増え、チャンネ
ル安定性の余裕を低減させる。そのため、図10に示す
ように、水ロッド内横断面積が大、ウラン装荷量が大の
領域ではチャンネル安定性は厳しくなり、チャンネル安
定性の制限線は右下がりとなる。一方、炉心安定性に対
しては、ウラン装荷量の増大、水ロッド内面積の減少は
炉心安定性を悪化させるため、制限線は右上がりとな
る。そのため、安定性に対する許容領域は、図10の中
央部に存在し、チャンネル安定性の制限線と、炉心安定
性の制限線とに囲まれた山の形をした領域となる。
【0063】ウラン装荷量の増加は燃料サイクル費を減
少させるため、燃料経済上、好ましい。図10の安定性
の許容領域内で、チャンネル安定性制限線と炉心安定性
制限線との交差点付近(山の頂上部分)が、最も燃料サ
イクル費が低く、最適な部分であることが分かる。すな
わち、この頂上部分(水ロッド内横断面積で10cm2
近傍)に近接した範囲がチャンネル安定性及び炉心安定
性と燃料経済性を両立させる最適点であり、その範囲と
しては水ロッド内横断面積で9〜11cm2 が好まし
い。
【0064】従来の技術では、安定性を増すため、燃料
集合体の直下部にオリフィス板を設け、このオリフィス
板での抵抗を増やすことや、低圧損型スペーサを採用す
ることも提案されている。したがって、オリフィス抵抗
を増大、あるいは、低圧損型スペーサを採用すると、安
定性が向上するため、安定性の制限線が移動し、許容領
域が拡大する。しかし、この場合、両制限線は共に上に
移動するため、最適点(山の頂上部分)に対する水ロッ
ド内横断面積はほとんど変化しない。したがって、燃料
集合体の水ロッド内横断面積を9〜11cm2 にするこ
とは、この点からも燃料経済性上、望ましい。
【0065】以上の理由から、本実施例では水ロッド4
の横断面積の合計は約9cm2 となっており、最適点に
漸近した位置にあることが分かる。そのため、本実施例
では、チャンネル安定性、炉心安定性、及び燃料経済性
が向上する。更に、安定性が向上したことにより、安定
性向上用に設けられていた機器が不要となる。
【0066】また、水ロッドの横断面積を増加するに
は、大型水ロッドの採用が、犠牲にしなくてはならない
燃料棒本数を減少できる点、更に燃料棒冷却効果の小さ
な冷却材流路面積が減少できる(限界出力を増大する)
点で有利である。水ロッドと水ロッドに隣接する燃料棒
との間隔を一定とすると、円形水ロッドの場合には、上
記スペースの有効利用の点で、2×2の燃料格子を水ロ
ッドにすることが最も優れている。
【0067】したがって、本実施例では、中性子減速効
果が小さな燃料集合体中央領域の10セル分を水ロッド
領域としており、水ロッド領域の燃料格子位置を、隣接
する4つの燃料格子のうち少なくとも2つ以上が水ロッ
ド領域に隣接するようにすることで、2×2相当の大き
さの大型円形水ロッドを3本配置し、燃料棒冷却効果の
小さな冷却材流路面積が減少した構成となっている。こ
れは、限界出力を増大することになる。
【0068】(3)部分長燃料棒の長さについて 次に、部分長燃料棒3,3aの長さがチャンネル安定性
及び炉心安定性に及ぼす影響を説明する。図11及び図
12に、ウラン装荷量一定の条件で、部分長燃料棒3の
長さを変えて、チャンネル安定性及び炉心安定性を評価
した結果を示す。図の横軸は、部分長燃料棒3の上端位
置を、縦軸は減幅比を示す。部分長燃料棒の上端を下か
ら7段目スペーサ位置(図の右端)から短くすると、集
合体上部での流路面積が広がるため、圧力損失が減少
し、チャンネル安定性、炉心安定性とも向上する。しか
し、部分長燃料棒の長さを、下から3段目のスペーサ以
下にすると、ウラン装荷量一定の条件で解析しているた
め、燃料棒の外径が増大し、集合体下部での圧力損失が
増え、不安定化していることが分かる。また、燃料棒外
径が増大すると、燃料棒同士の隙間がなくなり、熱的に
厳しくなる。そのため、部分長燃料棒の上端位置は、4
段目スペーサ、5段目スペーサが最適となり、6段目も
使用可能である。これ等スペーサの段数を全長燃料棒の
燃料有効長に対する比率で表現すれば、1段目スペーサ
の下には下部タイプレートがあり、7段目スペーサの上
には上部タイプレートがあるので、4段目スペーサは燃
料有効長が4/8、すなわち1/2の位置に相当し、6
段スペーサは燃料有効長が6/8、すなわち、3/4の
位置に相当する。したがって、部分長燃料棒3の燃料有
効長が通常燃料棒2の燃料有効長の1/2から3/4の
範囲にあれば、チャンネル安定性及び炉心安定性向上の
効果が得られる。
【0069】以上の理由により、本実施例では、部分長
燃料棒3,3aの長さを全長型燃料棒2のの燃料有効長
の15/24、すなわち、上端が5段目スペーサに支持
される長さとし、これによりチャンネル安定性及び炉心
安定性が向上する。なお、上端を4段目スペーサで支持
する長さとすれば、更に安定性余裕が増大する。
【0070】(4)上部タイプレートについて 最後に、上部タイプレート7に関する作用を説明する。
本実施例において、部分長燃料棒3の延長上に位置する
格子部32の部分は、第1ウェブ34に第2ウェブ35
をT字状に結合した構成とし、水ロッド4に隣接する部
分長燃料棒3aの延長上に位置する部分は中空領域36
とし、部分長燃料棒3,3aの延長線上で上部タイプレ
ート7の冷却材流路を拡大している。燃料集合体1の圧
損に占める上部タイプレート7の圧損割合は比較的大き
く、しかも当該部分では液相と気相の二相圧損であり、
部分長燃料棒3,3aと上部タイプレート7の冷却材流
路拡大との組合せ効果によって、二相圧損低減の効果が
一層高まって、チャンネル安定性及び炉心安定性がより
向上する。
【0071】また、管内を流れる流体の速度は、管中央
部で速く、管壁近傍で遅いことが一般的に知られてい
る。燃料集合体1の内部を流れる冷却材の速度について
も同様の傾向にある。この結果、燃料集合体1の上部に
おいても、上部タイプレート7の格子部32の中央部に
おいて流速が相対的に速く、チャンネルボックス5の壁
近傍の流速は相対的に遅い傾向にある。このことから、
例えば緊急炉心冷却装置作動時に燃料集合体1の上部か
ら注水された冷却水は、上部タイプレート7の格子中央
部よりも流速が相対的に遅いチャンネルボックス5の壁
近傍領域の方が、カウンタフローの影響が少なく、内部
に流入し易いと考えられる。本実施例の燃料集合体1に
おいては、部分長燃料棒3を燃料棒配列の最外層に配置
しており、しかも上部タイプレート7の格子部32にお
いては、チャンネルボックス5の壁近傍領域の流路面積
がより広く確保されるため、非常時の冷却特性上も好ま
しい燃料集合体構造が得られる。
【0072】(効果)本実施例によれば、燃料棒格子配
列及び水ロッドと部分長燃料棒の配置を最適化すること
で、ボイド係数の低減効果が得られ、反応度制御性が向
上すると共に、反応度損失と局所出力ピーキングの両方
を改善でき、燃料経済性の向上と熱的余裕の向上が図れ
る。また、制御棒価値向上の効果も期待でき、安全性が
向上すると共に、チャンネル安定性及び炉心安定性も向
上する効果がある。
【0073】また、本実施例によれば、部分長燃料棒
3,3aと上部タイプレート7の冷却材流路拡大との組
合せ効果によって、二相圧損低減の効果が一層高まっ
て、チャンネル安定性及び炉心安定性がより向上する。
また、非常時に燃料集合体の上部から注水された冷却水
が内部に流入し易くなり、安全性が更に向上する効果が
ある。
【0074】本発明の第2及び第3の実施例をそれぞれ
図13及び図14により説明する。これら実施例は、上
部タイプレートの構成を除いて図1の実施例と同じであ
り、図中、図1に示す部材と同等の部材には同じ符号を
付している。
【0075】図13及び図14において、上部タイプレ
ート7A,7Bの部分長燃料棒3,3a(図3参照)の
延長上に位置する格子部32A,32Bの部分は、図1
に示す実施例と同様に少なくともボスが取除かれてい
る。すなわち、図13に示す第2の実施例では、最外層
の部分長燃料棒3の延長上に位置する格子部32Aの部
分はボスとウェブの一部が除去され、格子部の外枠の一
部を構成するウェブ34のみで形成されている。図14
に示す第3の実施例では、最外層の部分長燃料棒3の延
長上に位置する格子部32Bの部分はボスとウェブがと
もの除去され、中空領域38になっている。そして第2
及び第3の実施例とも、水ロッド4(図3参照)に隣接
する部分長燃料棒3aの延長上に位置する部分は、図1
の実施例と同様にボス及びウェブが共に除去され、中空
領域36になっている。
【0076】このような第2及び第3の実施例によれ
ば、部分長燃料棒3の延長線上で上部タイプレートの冷
却材流路が図1に示す実施例よりも拡大され、二相流圧
損低減の効果が大きくなり、特に図14の実施例ではそ
の効果が大きくなる。ただし、上部タイプレートの構造
強度の観点では、図1に示す実施例の方が有利であると
考えられる。
【0077】本発明の第4の実施例を図15及び図16
により説明する。本実施例は、本発明を9×9格子燃料
集合体に適用したものである。
【0078】図15において、本実施例の燃料集合体1
Cは、9×9の正方格子状に配置された多数の全長型燃
料棒22および部分長燃料棒23,23aと、これら燃
料棒配列の中央部の3×3の格子領域に対角線状に配置
された横断面円形の2本の大型水ロッド24とを有し、
これら燃料棒及び水ロッドはその周囲を横断面矩形のチ
ャンネルボックス25で取り囲まれている。燃料棒22
および部分長燃料棒23,23aの合計は74本であ
る。部分長燃料棒23は(1,5),(5,1),
(9,5),(5,9)の最外層中心位置に4本配置さ
れ、部分長燃料棒23aは最外層より一層内側のコーナ
部に4本配置されている。部分長燃料棒23,23aの
有効長は、第1の実施例と同様、通常燃料棒2の15/
24である。水ロッド内横断面積の合計は第1の実施例
と同様、約9cm2 となっている。
【0079】図16に上部タイプレート7Cの底面図を
示す。上部タイプレート7Cは、燃料棒22及び水ロッ
ド24の上端部を支持する複数のボス40及びボス40
同士を結合するウェブ41からなる格子部42と、格子
部42の上面に対角状に取付けたハンドル43と、格子
部42の4箇所のコーナ部に位置しボス40を兼ねるコ
ーナーポスト47とを有している。部分長燃料棒23,
23aの上端は上部タイプレート7Cに支持されておら
ず、この部分長燃料棒23,23aの延長上に位置する
格子部42の部分においては少なくともボスが取除かれ
ている。
【0080】すなわち、最外層の部分長燃料棒23の延
長上に位置する格子部42の部分はボスのみが除去さ
れ、格子部42の外枠の一部を構成する第1ウェブ44
と、この第1ウェブ44とT字状に結合され、燃料棒配
列の最外層に隣接した一層で部分長燃料棒23に隣接す
る燃料棒22の上端を支持するボス40を第1ウェブ4
4に結合する第2ウェブ45とで構成されている。ま
た、最外層より一層内側のコーナ部に配置された部分長
燃料棒23aの延長上に位置する部分はボス及びウェブ
が共に除去され、中空領域46になっている。その結
果、従来と同様に上部タイプレートの格子部7Cには外
枠が形成されているため、構造強度を損なうことなく、
部分長燃料棒23,23aの延長線上で上部タイプレー
ト7Cの冷却材流路を拡大できる。
【0081】本実施例によれば、反応度制御効果は、部
分長燃料棒本数の割合が減少することにより、図1に示
した実施例より減少する。しかし、10×10格子を9
×9格子にすることで、圧力損失の低減、安定性性能の
改善が図れるため、燃料装荷料をさらに増大できる利点
がある。
【0082】また、本実施例においては、部分長燃料棒
23aを最外層に隣接した一層のコーナ部に配置するこ
とで、チャンネルボックス内の冷却材流量分布及び蒸気
体積率分布を均一にする効果がある。一般に、チャンネ
ルボックスに面した領域、特にコーナ部近傍は摩擦抵抗
が大きく、冷却材流量が減少する傾向にある。部分長燃
料棒を最外層に隣接した一層のコーナ部に配置すること
で、これを解消できる。さらに、部分長燃料棒23a
を、最外層に配置された8本の部分長燃料棒に隣接させ
ないようにすることで、部分長燃料棒に隣接する通常燃
料棒2の局所出力ピーキングの増大を抑制できることが
できる。その結果、図1の実施例に比べ熱的余裕の指標
である限界出力を増大できる。
【0083】更に、本実施例によれば、図1に示す実施
例と同様に、部分長燃料棒23,23aと上部タイプレ
ート7Cの冷却材流路拡大との組合せ効果によって、二
相圧損低減の効果が一層高まって、チャンネル安定性及
び炉心安定性がより向上する。また、非常時に燃料集合
体の上部から注水された冷却水が内部に流入し易くな
り、安全性が更に向上する効果がある。
【0084】本発明の第5及び第6の実施例をそれぞれ
図17及び図18により説明する。これら実施例は、図
16に示す実施例を図13及び図14の実施例と同様に
それぞれ修正したものである。
【0085】図17及び図18において、上部タイプレ
ート7D,7Eの部分長燃料棒23,23a(図15参
照)の延長上に位置する格子部32D,32Eの部分
は、図16に示す実施例と同様に少なくともボスが取除
かれている。すなわち、図17に示す第5の実施例で
は、最外層の部分長燃料棒23の延長上に位置する格子
部32Dの部分はボスとウェブの一部が除去され、格子
部の外枠の一部を構成するウェブ34のみで形成されて
いる。図18に示す第6の実施例では、最外層の部分長
燃料棒23の延長上に位置する格子部32Eの部分はボ
スとウェブがともの除去され、中空領域48になってい
る。そして第5及び第6の実施例とも、最外層より一層
内側のコーナ部に配置された部分長燃料棒23aの延長
上に位置する部分は、図16の実施例と同様にボス及び
ウェブが共に除去され、中空領域46になっている。
【0086】このような第5及び第6の実施例によれ
ば、部分長燃料棒23の延長線上で上部タイプレートの
冷却材流路が図16に示す実施例よりも拡大され、二相
流圧損低減の効果が大きくなり、特に図18の実施例で
はその効果が大きくなる。ただし、上部タイプレートの
構造強度の観点では、図16に示す実施例の方が有利で
あると考えられる。
【0087】なお、以上述べた実施例では、上部タイプ
レートのボスによって支持されない最外周の部分長燃料
棒が最外周各辺の中央にある場合の例である、最外層の
コーナ部以外の位置であれば、本発明を適用して同様の
効果が得られる。
【0088】また、上記実施例では、9×9及び10×
10の燃料棒配列について説明したが、11×11また
はそれ以上の燃料棒配列にも、本発明を適用し同様の効
果が得られる。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、高燃焼度化を目指した
燃料集合体において、反応度を低下させることなくボイ
ド係数を小さくするとともに、部分長燃料棒と上部タイ
プレートの冷却材流路拡大との組合せによって二相流の
圧損低減効果を高め、燃料経済性を向上し、かつチャン
ネル安定性及び炉心安定性を向上することができる。
【0090】また、本発明によれば、高燃焼度化を目指
した燃料集合体において、反応度を低下させることなく
ボイド係数を小さくしかつ局所ピーキングを平坦化する
とともに、部分長燃料棒と上部タイプレートの冷却材流
路拡大との組合せによって二相流の圧損低減効果を高
め、燃料経済性を向上しかつチャンネル安定性及び炉心
安定性を向上するとともに、熱的余裕の増大及び炉停止
余裕の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による原子炉燃料集合体
の上部タイプレートの底面図である。
【図2】本発明の第1の実施例による原子炉燃料集合体
の縦断面図である。
【図3】図2に示す原子炉燃料集合体の横断面図であ
る。
【図4】減速材領域増大によるボイド係数低減効果(絶
対値)を示す線図である。
【図5】部分長燃料棒位置とボイド係数低減効果(絶対
値)を示す線図である。
【図6】部分長燃料棒位置と反応度の変化及び局所出力
ピーキングとの関係を示す線図である。
【図7】部分長燃料棒位置と制御棒価値との関係を示す
線図である。
【図8】部分長燃料棒を隣接させた場合の効果を示す図
である。
【図9】減速材領域増大による反応度向上効果を示す線
図である。
【図10】10×10の燃料棒配列を持つ燃料集合体に
おける安定性マップを示す線図である。
【図11】部分長燃料棒長さとチャンネル安定性との関
係を示す線図である。
【図12】部分長燃料棒長さと炉心安定性との関係を示
す線図である。
【図13】本発明の第2の実施例による原子炉燃料集合
体の上部タイプレートの底面図である。
【図14】本発明の第3の実施例による原子炉燃料集合
体の上部タイプレートの底面図である。
【図15】本発明の第4の実施例による原子炉燃料集合
体の横断面図である。
【図16】本発明の第4の実施例による原子炉燃料集合
体の上部タイプレートの底面図である。
【図17】本発明の第5の実施例による原子炉燃料集合
体の上部タイプレートの底面図である。
【図18】本発明の第6の実施例による原子炉燃料集合
体の上部タイプレートの底面図である。
【符号の説明】
1…燃料集合体 2…(第1)燃料棒 3 部分長燃料棒(第2燃料棒) 3a 部分長燃料棒(第4燃料棒) 4…水ロッド 5…チャンネルボックス 7…上部タイプレート 8…下部タイプレート 9…チャンネルボックス 22…(第1)燃料棒 23 部分長燃料棒(第2燃料棒) 23a 部分長燃料棒(第3燃料棒) 24…水ロッド 25…チャンネルボックス 30…ボス 31…ウェブ 32…格子部 33…ハンドル 34…第1ウェブ 35…第2ウェブ 36…中空領域 38…中空領域 40…ボス 41…ウェブ 42…格子部 43…ハンドル 44…第1ウェブ 45…第2ウェブ 46…中空領域 48…中空領域
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9216−2G G21C 3/30 GDB Y 9216−2G 3/32 GDB S (72)発明者 青山 肇男 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の水ロッドと、前記燃料棒及び水ロッ
    ドの上端部を支持する複数のボス及びこれらボス同士を
    結合する複数のウェブで格子部を形成した上部タイプレ
    ートとを有する原子炉燃料集合体において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部以外に配置されているこ
    と; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
    棒は前記第1燃料棒であること; (d)前記上部タイプレートは、前記格子部の前記第2
    燃料棒の延長上に位置する部分において少なくともボス
    が取除かれていること;を特徴とする原子炉燃料集合
    体。
  2. 【請求項2】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の水ロッドと、前記燃料棒及び水ロッ
    ドの上端部を支持する複数のボス及びこれらボス同士を
    結合する複数のウェブで格子部を形成した上部タイプレ
    ートとを有する原子炉燃料集合体において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層において、前記中性子減速棒を前記正方格子状
    の燃料棒配列における直交する2方向に投影させたと
    き、その投影範囲の最も外側を含めてそれより内側に配
    置されていること; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
    棒は前記第1燃料棒であること; (d)前記上部タイプレートは、前記格子部の前記第2
    燃料棒の延長上に位置する部分において少なくともボス
    が取除かれていること;を特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の原子炉燃料集合体
    において、前記格子部の第2燃料棒の延長上に位置する
    部分はウェブのみで形成されていることを特徴とする原
    子炉燃料集合体。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の原子炉燃料集合体
    において、前記格子部の第2燃料棒の延長上に位置する
    部分は、前記格子部の外枠の一部を構成する第1ウェブ
    と、前記第1ウェブにT字状に結合され、前記最外層に
    隣接した一層で第2燃料棒に隣接する第1燃料棒の上端
    部を支持するボスを前記第1ウェブに結合する第2ウェ
    ブとからなることを特徴とする原子炉燃料集合体。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の原子炉燃料集合体
    において、前記格子部の第2燃料棒の延長上に位置する
    部分は、前記格子部の外枠の一部を構成するウェブのみ
    で形成されていることを特徴とする原子炉燃料集合体。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の原子炉燃料集合体
    において、前記格子部の第2燃料棒の延長上に位置する
    部分は中空領域であることを特徴とする原子炉燃料集合
    体。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の原子炉燃料集合体
    において、前記燃料棒は、燃料有効長が前記第1燃料棒
    より短く、前記最外層に隣接した一層のコーナ部に配置
    された第3燃料棒を更に含み、前記上部タイプレート格
    子部の第3燃料棒の延長上に位置する部分は中空領域で
    あることを特徴とする原子炉燃料集合体。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載の原子炉燃料集合体
    において、前記燃料棒は、燃料有効長が前記第1燃料棒
    より短く、前記水ロッドに隣接して配置された第4燃料
    棒を更に含み、前記上部タイプレート格子部の第4燃料
    棒の延長上に位置する部分は中空領域であることを特徴
    とする原子炉燃料集合体。
  9. 【請求項9】 燃料棒及び水ロッドの上端部を支持する
    複数のボスをウェブで結合して格子部を形成した原子炉
    燃料集合体の上部タイプレートにおいて、 前記格子部のコーナ部を除いた最外層の一部は少なくと
    もボスが取除かれていることを特徴とする原子炉燃料集
    合体の上部タイプレート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001024196A1 (fr) * 1999-09-29 2001-04-05 Hitachi, Ltd. Ensemble combustible
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US6735267B2 (en) 2001-12-28 2004-05-11 Hitachi, Ltd. Fuel assembly
JP2005195589A (ja) * 2003-12-31 2005-07-21 Global Nuclear Fuel Americas Llc 原子炉燃料集合体の部分長ロッドを集団化して分散配置する方法

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US8559586B2 (en) 2003-12-31 2013-10-15 Global Nuclear Fuel-Americas, Llc Distributed clumping of part-length rods for a reactor fuel bundle

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