JPH06294130A - 発泡体成形物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 土盛り、埋め立てなどの土木工事に使用する
ために、輸送に便利な発泡体の小片や小塊をセメントス
ラリーなどのバインダーとともに現場で流しこみ固化す
る。 【構成】プラスチックや無機発泡体の小塊やビーズまた
は粉砕物を予め、またはその粉砕時、またはバインダー
類の混合、流しこみ時に界面活性剤で処理し、または／
および共存させて固化することによる軽量（低比重）発
泡体成型物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は発泡体を分散された状態
で含むコンクリート類成型体であって、一般には土木工
事、土地造成、埋め立て、地盤形成に利用する材料に関
する。

【０００２】

【従来の技術】例えば発泡ポリスチレンのブロックなど
が地盤工事などに用いられていたが、嵩高のために輸送
上問題があり、また高価であるなどの難点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】本発明は小塊状発泡
体を工事現場に運びその場に、または現場に合った型枠
に、流しこみ固化成型して、軽量の成型体を形成して利
用するもので、現場成型軽量コンクリートの利点が享受
出来る。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本発明者は上記目的を
達成するため鋭意研究した結果、使用する発泡体を予
め、または施工時に界面活性剤で表面処理、及び／また
は界面活性剤の共存下に、これとコンクリート類、バイ
ンダーと接触し固化し、緻密な一体の成型物が得られる
ことを見出だした。

【０００５】一般には熱可塑性樹脂、熱硬化性樹詣のビ
ーズ発泡体、ブロック発泡体またはその粉砕物が用いら
れる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、それらのコポリマー、それらの
混合、その他のポリマーとの混合が利用出来る。熱硬化
性樹脂としては、尿素樹脂、フェノール樹詣などがあ
り、それらの混合も利用出来る。とくに利用済みの上記
発泡体の利用は環境保護の観点から特に好ましく、利用
の困難な廃棄ポリマーの混合物の発泡体でも利用出来る
ことの意義は大きい。例えば魚用トロ箱、輸送用クッシ
ョン材の廃材はそのまま利用できる。もちろん、無機系
の発泡体、たとえばバーミキュライト、高発泡コンクリ
ート、パーライトなどの使用も可能であり、上記材料を
そのまま、または適切な大きさに粉砕して用いる。その
大きさは使用する成型体の大きさ、場所、条件等によっ
て経験的に決定される。そのサイズは必ずしも均一でな
くともよく、細密充填が得られるように粉砕してもよ
く、不定形であってもよい。限定するものではないが、
その外径は１ミリメートルから５センチメートル、時に
は５０センチメートルに及ぶ。定寸、定形の発泡体は均
一な成型体を与える。

【０００６】ここで使用する界面活性剤にとくに制限は
ない。アニオン系または中性活性剤が特に好ましい。活
性剤の分類に入らなくともプラスチックを水に濡らす機
能を持つものは本発明では同等に扱う。活性剤処理は充
填すべき発泡体の成型時、粉砕時、粉砕後または最終成
型時の何れでもよいが、粉砕時の帯電を防ぎ、輸送の安
全上からも粉砕時の処理が望ましい。もちろん球状、小
塊状の定形の、または不定形にあらかじめ成型した発泡
体の利用は便利である。本発明の成型体とは上記充填す
べき発泡体とセメント、コンクリート、それらと骨材と
の合一物、合一直前のもの、それらの硬化成型物をい
う。これら必須の成分の他に必要に応じ手適切な物質を
介在ないし共存させることができる。その他のバインダ
ー、グラウト材、繊維状材料、硬化促進剤、リグニン、
アルギン酸、それらの誘導体、水溶性ポリマーなど任意
に利用できる。骨材としては砂利、砂、炭酸カルシウ
ム、タルク、粘土などが自由に選択できる。

【０００７】これらの混合時に界面活性剤を共存させる
ことも本方法の重要な実施方法である。発泡体とセメン
ト等バインダーとの割合に特に限定はないが、軽量化の
ためには発泡体の容量は極力多いほうがよい。これらの
混合は比重差のため容易ではないが、このためには発泡
体表面の濡れが重要であって、このための界面活性剤処
理と共存が意外に功を奏する。通常のコンクリートミキ
サーの利用も便利であるが、型枠や充填すべき穴に発泡
体を充填しその上にセメントスラリーを、またセメント
と発泡体との混合スラリーを流しこみ一挙に硬化させて
もよい。成型品の物性は使用する発泡体の種類、形状、
寸法、充填率などによって大きく変化するが、当該技術
者によって多少の実験と経験から容易に実施されるもの
である。

【０００８】

【実施例】

（１）ポリスチレン発泡ビーズ １ リットルを家庭用
中性洗剤の１％水溶液中に入れて表面を充分に濡らせ、
箱に入れた後、金網をのせ、静かにセメントスラリーを
注いだ。そのまま３昼夜放置養生して得られたブロック
は軽く大人が乗っても壊れることはなかった。

【０００９】（２）ポリスチレン製とろ箱を粉砕して、
不定形の小塊（最小径約１ミリメートル、最大径５セン
チメートル）としその約２０リットルを小型据え置き型
ミキサー中でコンクリート用混和剤（花王マイテイ水溶
液；減水材）とノニオン型活性剤を少量添加混合し、後
約１０リットルのセメントスラリーと混合し土に掘った
穴に流し込んだ。金網を乗せその上からさらにセメント
スラリーを静かに流しこみ、放置、４日後穴は発泡体混
合物で充填され人が乗っても凹むことはなかった。

【００１０】

【発明の効果】本発明は樹詣等の発泡体を必要な場所と
時に、必要な量を輸送し現場でセメントおよび／または
骨材をバインダーとして型枠内で固化成型し軽量ブロッ
クとして、または現場に掘削した穴や土盛り枠内に流し
こみ固化させるなどして、埋め立てなど厖大名容積を必
要とする大規模土木工事から、小型ながら形態の複雑な
ものまで、穴埋め、土盛り、基礎工事、埋め立て、砂
防、防水、防波、防油、防雪など環境に悪い影響を与え
ることなく施工できる。また廃プラスチックの有効な再
生、再利用の方法を提供する。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】界面活性剤がその表面に存在する状態の発
   泡体とセメント等のバインダーとからな成る軽量発泡体
   成形物
2. 【請求項２】 粒状、塊状 または小片状の発泡体、ま
   たは発泡体粉砕物を界面活性剤で処理し、及び／または
   界面活性剤の共存下にセメント等のバインダー、及び／
   または骨材と共に固化した軽量発泡体成形物