JPH06294033A - 熱可塑性コンポジット用ハイブリッド成形材料 - Google Patents

熱可塑性コンポジット用ハイブリッド成形材料

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JPH06294033A
JPH06294033A JP7951893A JP7951893A JPH06294033A JP H06294033 A JPH06294033 A JP H06294033A JP 7951893 A JP7951893 A JP 7951893A JP 7951893 A JP7951893 A JP 7951893A JP H06294033 A JPH06294033 A JP H06294033A
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JP
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fiber
molding material
composite
fibers
thermoplastic
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JP7951893A
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Toshiaki Kitahora
俊明 北洞
Mikiya Hayashibara
幹也 林原
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量かつ強靭で、表面平滑性やテキスタイル
加工性に優れ、且つコンポジットとしての要求性能を充
分に満たしうる熱可塑性コンポジット用成形材料を提供
する。 【構成】 下記の(a)、(b)及び(c)からなる熱
可塑性コンポジット用ハイブリッド成形材料であって、
少なくとも1種類の(a)と少なくとも2種類の(b)
とが20%以上の混繊度を有しており且つ前記成形材料
に対して1〜10重量%(c)が前記(a)と(b)と
が混繊されたものを捲回被覆してなることを特徴とする
前記成形材料。 (a):実質的に無撚の非連続熱可塑性マトリックス繊
維 (b):実質的に無撚の非連続補強用繊維 (c):熱可塑性マトリックス繊維

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂を繊維化
し補強用繊維と混繊した繊維強化コンポジット用ハイブ
リッド成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続補強用繊維と熱可塑性マトリックス
繊維とを混繊した熱可塑性コンポジット用成形材料は、
特開昭60−209034号公報および特開昭61−1
30345号公報などに開示されている。 しかしなが
ら、これらの従来の成形材料をブレードなどにテキスタ
イル加工する際は、連続補強用繊維と熱可塑性マトリッ
クス繊維の伸度差及びそれらの集束性の欠如が起因して
連続補強用繊維が損傷を受けることにより、操業性が著
しく劣るのみならず、そのテキスタイル加工品を成形し
た場合、得られた成形体に含浸斑が発生したり、その強
靭性が不十分であったり、また表面状態の優れた成形体
を得ることができないなどの問題があった。
【0003】操業性を改良しようとして、上記繊維に多
量の表面処理剤(紡糸オイルなど)を付与すればある程
度操業性は改善されるが、表面処理剤が起因して成形体
の補強用繊維とマトリックス間の界面強力が低くなるな
どの問題があった。
【0004】一方、非連続の補強用繊維とマトリックス
繊維を用いて、いわゆる紡績工程においてそれらの繊維
に撚を付与して集束性を持たせたコンポジット用材料も
存在する。この材料を用いてテキスタイル加工品を作成
した場合、かなりの程度の操業性を確保することは可能
である。しかしながら、得られる成形体の物性は撚に起
因して満足なものを得ることができない。さらに表面状
態においても、やはり撚に起因して補強用繊維の分布が
不均一となるために、いわゆるレジンリッチ部が存在す
るという問題があった。
【0005】また、これらの成形材料は補強用繊維が1
種類であるため、要求性能を満足するための製品設計が
むずかしいという問題もあった。そのために、複数種の
補強用繊維を例えば交織するなどの手段を用いて製品設
計している例もある。しかしながら、成形加工工程での
複雑さを含めて要求性能を満たしているとは言えない現
状にある。
【0006】このように、補強用繊維と熱可塑性マトリ
ックス繊維とが混繊された熱可塑性コンポジット用材料
は、その構成材料である熱可塑性樹脂の高い粘度に起因
する含浸性の難しさを解決するための有効な材料と考え
られ、種々の工夫がなされている。しかしながら製織
性、ブレーディング性などのテキスタイル加工性と成形
して得られたコンポジットの表面平滑性などの物性の両
方を満足できる材料は現状では存在していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、軽量か
つ強靭で、要求性能を満足し、且つ上記のテキスタイル
加工性にも優れた熱可塑性コンポジット用材料を提供す
べく種々検討した結果、予め要求性能により選択され
た、1種類以上の実質的に無撚の非連続熱可塑性マトリ
ックス繊維と2種類以上の実質的に無撚の非連続補強用
繊維が混繊されたものを、さらに熱可塑性マトリックス
繊維で捲回被覆することにより、成形加工が容易に行
え、また補強用繊維の組み合わせ方により所望の物性や
テキスタイル加工性を満足する熱可塑性コンポジット用
材料が得られることを見いだした。
【0008】本発明者らは、かかる知見に基づき更に重
ねて検討した結果、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記の(a)、(b)及び(c)からなる熱可塑性コンポ
ジット用ハイブリッド成形材料であって、少なくとも1
種類の(a)と少なくとも2種類の(b)とが20%以
上の混繊度を有しており且つ前記成形材料に対して1〜
10重量%の(c)が前記(a)と(b)とが混繊され
たものを捲回被覆してなることを特徴とする前記成形材
料。 (a):実質的に無撚の非連続熱可塑性マトリックス繊
維(以下(a)) (b):実質的に無撚の非連続補強用繊維(以下
(b)) (c):熱可塑性マトリックス繊維(以下(c)) を提供するものである。
【0010】なお、ここで混繊度は上記の(a)と
(b)の混繊状態を示すものであり、次式により定義す
る。
【数1】 但し、上記の式において、Nは(b)の総本数を示し、
NcXは(b)がいくつかの群(グループ)に分割され
ているときのそのグループの個数を示し、Xは群の中に
おける特定な1個の群内の繊維数を示す。また、100
(N−X)/(N−1)は混繊状態を意味しXが小さい
程混繊状態が良好であり、NcX/(N/X)は繊維が
混繊糸全体の中で視覚効果上どの程度の重要性を持つか
を意味する。
【0011】本発明で用いられる熱可塑性マトリックス
繊維((a)叉は(c))としては、ナイロン6やナイ
ロン66などのポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタ
レートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレ
フィン系繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリ
フェニレンサルファイド繊維、ポリエーテルイミド繊
維、ポリカーボネート繊維などが挙げられる。但し、
(a)叉は(c)は上記の繊維に限定されるわけではな
い。また、本発明に於いて(a)には、少なくとも1種
類の上記熱可塑性マトリックス繊維を用いることが必要
である。これは要求性能によっては2種類以上の熱可塑
性マトリックス繊維を組み合わせることが必要なためで
ある。なお、本発明に於いて(a)と(c)は必ずしも
同じ種類の熱可塑性マトリックス繊維である必要はな
い。
【0012】本発明に用いられる補強用繊維(b)とし
ては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などが挙げ
られる。但し、(b)は上記の繊維に限定されるわけで
はない。また、本発明に於いて(b)には、少なくとも
2種類の上記補強用繊維を用いることが必要である。一
般的に、コンポジット用の補強用繊維として用いた場
合、無機繊維は剛性が強く反面振動減衰性が低いといっ
た特徴を有し、有機繊維はその逆である場合が多い。よ
って、その組み合せ方を選択することにより要求性能を
満たすため2種類以上が必要であるが、製造方法の複雑
さなどを考慮すれば4種類以下が好ましい。
【0013】本発明に於いて(a)と(b)とは、20
%以上の混繊度を有していることが必要である。これは
混繊度が20%以上で混繊されていれば、溶融時に補強
用繊維中への熱可塑性マトリックス繊維の含浸が短時間
に行われるためである。ここで混繊度が20%未満にな
ると、含浸に時間がかかり不経済であり、また含浸が不
十分になるため成形した時に成形品の機械的物性の低下
が生じる。また、補強用繊維を2種類以上用いた場合、
その種類によっては熱可塑性マトリックス繊維との界面
強度が弱くなる組合せも多いため、それぞれの補強用繊
維が20%以上の混繊度を有する状態とすることにより
界面強度に起因するコンポジット物性の低下を防止する
目的も有している。
【0014】本発明に於いて(a)と(b)は、共に無
撚の非連続繊維であることが必要である。これはブレー
ドあるいは織物などのテキスタイル品とした後に成形し
コンポジットを作製する場合、これらの繊維が無撚の非
連続繊維であれば成形時に(b)にずれが生じることに
より(b)が3次元的に交錯し、その結果コンポジット
物性及び表面状態の欠点のない製品が得られるためであ
る。なおこの要件が満たされることにより複雑な形状の
製品も無理なく成形することが可能となる。
【0015】本発明に於いて(a)と(b)の平均繊維
長は特に限定されないが、50mm以上であることが好
ましい。
【0016】本発明に於いて(a)と(b)とが混繊さ
れたものは、本発明の熱可塑性コンポジット用ハイブリ
ッド成形材料に対し重量比で1〜10%の(c)で捲回
被覆されていること必要である。これは、この範囲内の
重量比で捲回被覆されている場合、テキスタイル加工性
と得られるコンポジットの物性を両立させることができ
るためである。以下詳述する。
【0017】ここで、重量比は次式により定義する。 重量比={C/(A+B+C)}×100(%) A:(a)の量(g/m) B:(b)の量(g/m) C:(c)の量(g/m)
【0018】本発明での実際の工程においては、熱可塑
性コンポジット用ハイブリッド成形材料は熱と圧力を加
えられることにより、(a)と(c)が溶融し、(b)
に含浸され、冷却過程を経てコンポジットとなる。従っ
てコンポジットの物性及び外観を支配する要因として、
上記の2種((a)及び(c))の熱可塑性マトリック
ス繊維の溶融状態が挙げられる。
【0019】上記の(c)の主たる役割りは、テキスタ
イル加工性にある。すなわち(b)を損傷させることな
く、且つ飛散あるいは配向状態を乱すことなくブレー
ド、織物などを得ることができ、且つ成形に供するため
の材料として所定の形状に裁断そして予備賦形(たとえ
ば金型などへのセットを意味する)が満足になされるこ
とである。いったん予備賦形がなされたならば、その後
のいわゆる成形工程においては、極力スムースに溶融
し、捲回被覆の痕跡を残さないことが重要となる。捲回
被覆の痕跡が残っているならば、主として2つの欠点を
発生させる原因となる。1つは、レジンリッチ部の存在
である。言うまでもなく、これが存在すれば、得られる
成形品の表面外観を損なうのみならず、成形品の機械的
特性も低下する。他の1つは、(c)による拘束力が成
形中、働いていたこととなり、(b)のバラケが不充分
となることに起因する繊維束間の物性の不足である。例
えば、曲げ物性を測定した場合、亀裂は、繊維束間に発
生し、得られる物性値も不充分なものとなる。
【0020】このように、これらの欠点を発生させない
ためには(c)の重量比が10%以下であることが必要
であり、前記したテキスタイル加工性を満足させるため
には(c)の重量比が1%以上であることが必要であ
る。
【0021】さらに、テキスタイル加工性を小量の
(c)で満足させるために、極力細いデニールの(c)
を用いてS方向とZ方向の2方向に捲回被覆することや
(c)の単繊維デニールを(a)のそれよりも細くする
ことも有効である。また、(c)の溶融粘度を(a)の
それより小さくすることや(c)の見掛けの融点を
(a)のそれより低くすることなども有効である。
【0022】一般的に熱可塑性マトリックス繊維には、
繊維製造工程及び後工程通過性を維持するため、表面処
理剤としていわゆる紡糸オイルが付着されている。しか
し、この種の処理剤は、コンポジットの補強用繊維とマ
トリックス界面の接着力を阻害するので本発明に於いて
は極力用いない方が好ましい。
【0023】本発明に於いて(a)と(b)とを混繊す
る手段としては、それぞれの連続繊維を別々に牽切しス
ライバーを得た後、それらのスライバーを混合、牽切し
混合スライバーを得る方法、あるいは連続補強用繊維を
牽切しスライバーを得た後、カード工程などにより得た
非連続マトリックス繊維のスライバーと練条工程あるい
は粗紡工程で混合し、混合スライバーあるいは混合粗糸
を得る方法などいずれの手段でもよい。その後、そのス
ライバーなどに(c)を中空スピンドルなどを利用して
捲回被覆させる。なお、捲回被覆の方法は前記に限定さ
れずいずれの方法でもよい。
【0024】本発明に於いて(b)の混合比率は特に限
定されるわけではないが、本発明の熱可塑性コンポジッ
ト用ハイブリッド成形材料に対し重量比で30〜80%
の範囲が好ましい。
【0025】本発明の熱可塑性コンポジット用成形材料
には、糸条体または該糸条体で構成されたブレード、織
物、編物あるいは多軸積層布を含む。好適な例としてブ
レードと織物を挙げることができる。その製法例として
は、前記スライバー混合方法あるいは、練条工程での混
合方法などが挙げられる。その重量比に関しても、要求
性能に応じて、決めれば良い。
【0026】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 (a)としてナイロン6繊維、(b)として炭素繊維お
よびアラミド繊維を75%:25%の割合で用いた。こ
れらは全て無撚の非連続繊維であり、これらの平均繊維
長は全て100mmであった。これらが無撚で混繊され
たものに70デニール48フィラメントのナイロン6フ
ィラメント(c)をZ方向とS方向に捲回被覆したコン
ポジット用ハイブリッド成形材料を作成した。作成方法
は上記の3種類の連続繊維束を各々牽切して得たスライ
バーを、練状機にて混合ドラフトを2回繰り返し、所定
の混合スライバーをドラフトした後、中空スピンドルに
て(c)を200ターン/mの条件にて、まずZ方向の
捲回被覆を行った。その後、再び200ターン/mの条
件にてS方向の捲回被覆を行ない、Nm1.7のコンポ
ジット用ハイブリッド成形材料を得た。この成形材料の
混繊度は60%であり、この成形材料中の(b)の重量
比率は53%、(c)の重量比率は3.3%であった。
この成形材料を用い、48打の丸打組機にて角度30°
内径20mmの3層からなるブレードを作成した。ブレ
ーティング時にマンドレルの外周にシリコンチューブを
かぶせ、ブレーディング後、ブレードとともにマンドレ
ルから取りはずした。このブレードを内圧成形し厚み
0.8mmの中空パイプを得た。その際の成形条件は、
圧力15kg/cm2 、温度260℃、保持時間30分
であった。得られた中空パイプは表面性に優れ、レジン
リッチ部もなく、良好なパイプであった。このパイプの
特性を表1に示す。
【0028】実施例2 実施例1と同じ方法にて成形材料を作成した。但し炭素
繊維(b)とナイロン6繊維(a)を牽切後、まず練条
機にて混合かつドラフトを2回繰り返し、混合スライバ
ーIを作成し、別にアラミド繊維(b)とナイロン6繊
維(a)も牽切後、練条機にて混合かつドラフトを2回
繰り返し混合スライバーIIを作成した。それらの混合ス
ライバーIとIIをもう一回練条機にて混合し、最終の混
合スライバーを得た。他は実施例1と同じである。混繊
度は、炭素繊維とナイロン6繊維の部分が58%、アラ
ミド繊維とナイロン6繊維の部分が56%であった。得
られたパイプは黄色と黒色の異色効果も加わった良好な
ものであった。特性の結果を表1に併せて示す。
【0029】実施例3 (a)としてポリプロピレン繊維、(b)としてガラス
繊維および炭素繊維を30%:70%の割合で用いた。
これらは全て無撚の非連続繊維であり、これらの平均繊
維長は全て90mmであった。これらが無撚で混繊され
たものにNm70のポリプロピレン紡績糸(撚係数4.
0)(c)をZ方向とS方向に捲回被覆した、Nm1.
0のコンポジット用ハイブリッド成形材料を作成した。
その他は実施例1と同じである。この成形材料の混繊度
は67%であった。ブレードの成形条件は圧力15kg
/cm2 、温度220℃、保持時間20分であった。得
られた 中空パイプは、2種の補強用繊維の長所が活
き、かつ価格的にも炭素繊維だけのものよりも安価であ
った。特性の結果を表1に併せて示す。
【0030】実施例4 実施例1で作製した成形材料を用いて目付、経・緯とも
15本/インチの織物を作製した。この織物を金型の中
で260℃で15kg/cm2 の圧力下で15分間の加
圧を行ない、その後冷却し金型から取り出した。前記成
形材料の製織性は良好であり、得られた成型品(平板)
も表面性が良好で商品価値の高いものであった。この平
板の特性を表1に併せて示す。
【0031】実施例5 実施例1と同じ方法で中空パイプを作成した。但し、
(c)として用いたナイロン6フィラメントの相対粘度
は2.0、(a)として用いたナイロン6繊維の相対粘
度は2.4のものを用いた。成形時に(c)の溶融がス
ムースであったため、成形材料の拡巾が充分に生じ、成
形品は表面性に優れたものであった。
【0032】比較例1 (a)としてナイロン6繊維、(b)として1種類の炭
素繊維のみを用いた。これら繊維は無撚の非連続繊維で
あり、平均繊維長は共に100mmであった。これらが
無撚で混繊されたものに70デニール48フィラメント
のナイロン6フィラメント(c)をS方向とZ方向に捲
回被覆した熱可塑性コンポジット用成形材料を作製し
た。作成方法は、上記(a)と(b)を各々牽切し、ス
ライバーを得、その後それらのスライバーを練条機にて
混合し、ドラフトをかけることにより所定の混合スライ
バーとした。この混合スライバーの重量は500ゲレン
/6ヤードであった。この混合スライバーに中空スピン
ドルにて(c)を200ターン/mの条件にて捲回し、
Nm1.7の熱可塑性コンポジット用成形材料を得た。
この成形材料の混繊度は60%であり、この成形材料中
の(b)の重量比率は53%、(c)の重量比率は3.
3%であった。この成形材料を用いて48打の丸打組機
にて角度30°内径20mmの3層からなるブレードを
作成した。ブレーティング時にマンドレルの外周にシリ
コンチューブをかぶせ、ブレーディング後、プレードと
ともにマンドレルから取りはずした。このブレードを内
圧成形し厚み0.8mmの中空パイプを得た。その際の
成形条件は、圧力15kg/cm2 、温度260℃、保
持時間30分であった。得られた中空パイプは、良好な
パイプであったが、衝撃時に若干耐久性に欠けるもので
あった。
【0033】比較例2 実施例1と同じ方法にて成形材料、ブレードを作成し
た。但し、(c)として40デニール12フィラメント
のナイロン6フィラメント1本をS方向のみ捲回被覆し
た。従って(c)の重量比率は0.7%であった。この
熱可塑性コンポジット用成形材料はブレーディング性が
悪く、ブレーディング時に炭素繊維が損傷・切断し、著
しく作業環境を悪化させるとともに、得られたブレード
表面状態も毛羽が非常に多く、繊維配列の乱れたもので
あり、中空パイプを作成することができなかった。
【0034】比較例3 実施例1と同じ方法にて成形材料、ブレードを作成し
た。但し成形材料の混繊度は12%であった。この成形
材料はブレーディング時、炭素繊維の損傷・切断が見ら
れたが、一応ブレードにすることは可能であった。該ブ
レードを用い、実施例1と同じ方法で中空パイプを作成
した。得られたパイプは含浸不足の個所が存在し、表面
性も不良であった。特性の結果を併せて表1に示す。
【0035】比較例4 実施例1と同じ方法にて成形材料、ブレード、中空パイ
プを作成した。但し(c)として300デニール60フ
ィラメントのナイロン6フィラメントを2本用い、1本
はS方向に、他の1本はZ方向に捲回被覆した成形材料
とした。又、捲回数も180ターン/mとした。従っ
て、(c)の重量比率は16%であった。この成形材料
のブレーディング性は良好であったが、全般的に糸が硬
くフレキシビリティに欠けるものであった。このブレー
ドを用い成形を実施したが、(c)の拘束力が強すぎる
ため中空パイプ表面に多数のレジンリッチ部を生じ、実
用に耐えないものであった。特性の結果を併せて表1に
示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】上記で説明したように本発明は、軽量か
つ強靭で、表面平滑性に優れ要求性能を充分満足すると
共に製織性、ブレーディング性などのテキスタイル加工
性にも優れた熱可塑性コンポジット成形に有用な熱可塑
性コンポジット用ハイブリッド成形材料を提供するもの
である。すなわち、本発明は補強用繊維や熱可塑性マト
リックス繊維を複数種類用い、またその混合比率を柔軟
且つ微妙に変えられることから、要求品質に応じた品質
設計が容易であり、さらに補強用繊維の分散状態が良好
なため物性の低下が生じにくいという特徴を有する。具
体的には、本発明の熱可塑性コンポジット用ハイブリッ
ド成形材料は、丸打組機にて丸打ブレードを製作し、そ
の中にシリコンチューブなどのいわゆるバグ材を挿入
し、内圧成形法などによりテニスやバドミントンのラケ
ット用フレームあるいはバットなどを作ることができ
る。又、円型織機などを用いて、所望の形状に織ること
により、上記と同じような用途の成形品を作ることもで
きる。さらに、通常の2軸の織機などを用いて織物を得
て、それをレイアップ成形したり、プレス成型機などを
用いて平板化した後深絞り成形することによりヘルメッ
トなどを作ることも可能である。このように、本発明の
熱可塑性コンポジット用ハイブリッド成形材料は広範囲
の成形方法及び成形品に適用可能であり、その効果は極
めて大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(a)、(b)及び(c)からな
    る熱可塑性コンポジット用ハイブリッド成形材料であっ
    て、少なくとも1種類の(a)と少なくとも2種類の
    (b)とが20%以上の混繊度を有しており且つ前記成
    形材料に対して1〜10重量%の(c)が前記(a)と
    (b)とが混繊されたものを捲回被覆してなることを特
    徴とする前記成形材料。 (a):実質的に無撚の非連続熱可塑性マトリックス繊
    維 (b):実質的に無撚の非連続補強用繊維 (c):熱可塑性マトリックス繊維
JP7951893A 1993-04-06 1993-04-06 熱可塑性コンポジット用ハイブリッド成形材料 Pending JPH06294033A (ja)

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