JPH0629379B2 - 自動車用中塗塗料組成物 - Google Patents

自動車用中塗塗料組成物

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JPH0629379B2
JPH0629379B2 JP60259382A JP25938285A JPH0629379B2 JP H0629379 B2 JPH0629379 B2 JP H0629379B2 JP 60259382 A JP60259382 A JP 60259382A JP 25938285 A JP25938285 A JP 25938285A JP H0629379 B2 JPH0629379 B2 JP H0629379B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐チッピング性の改良された自動車用中塗
塗料組成物に関する。
〔従来の技術〕
自動車産業分野では、塗装の耐久性と、とくに衝撃によ
る塗膜剥離に原因する塗膜の耐食性低下と基材の腐食の
進行を防止することが強く望まれている。とくに欧米の
寒冷地等では冬期自動車道路の凍結を防止するために、
岩塩を多量に混入させた砂礫等が敷かれることが多い。
この種の道路を走行する自動車の外面部では、車輪に跳
ね上げられた岩塩粒子や小石が塗膜面に衝突し、その衝
撃により塗膜が局部的に基材から剥離する衝撃剥離現
象、いわゆるチッピングを起こす。この現象により被衝
撃部で金属面が露出し、速やかに発錆するとともに腐食
が進行する。
チッピングならびにこれに原因する腐食の進行を防止す
るために、従来から化成処理、電着プライマー、中塗塗
料、上塗塗料について、各種の検討が加えられた。とく
に中塗塗料に関しては、衝撃力を緩和し、発錆の原因と
なる金属面からの塗膜の剥離を防ぐために、多くの検討
が加えられてきた。例えば、特公昭52-43657号公報に
は、絹雲母を塗料中の全固形分に対して10〜75重量%配
合する自動車用中塗塗料組成物が開示されている。
また、特開昭55-56165号公報には、酸価が10〜50の酸性
樹脂にタルク粉20〜50重量部および防錆顔料10〜50重量
部を必須成分として含有する自動車用中塗塗料組成物が
開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような従来の自動車用中塗塗料組成
物においては、絹雲母やタルク粉のような偏平が形状を
有する顔料を多量に含有し、衝撃力が自動車塗膜に作用
した場合、中塗塗膜層が凝集破壊して、それによって衝
撃力を緩和し、金属面からの塗膜全体の剥離を防ぐよう
になっているため、比較的に小さな衝撃力が作用した場
合でさえも、中塗塗膜の凝集破壊が起こり、しかも、そ
の破壊面積が大きいため、チッピングが生じた場合に発
錆は防止できるものの、かえって車輌の美観が著しく損
なわれるという問題点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされ
たもので、自動車用中塗塗料の有機バインダー成分とし
て、環状脂肪族2価アルコールを含有するポリエステル
樹脂を用いることにより、上記問題点を解決することを
目的としている。
本発明の自動車用中塗塗料組成物は、環状脂肪族2価ア
ルコールを20〜85重量%含有する多価アルコールと多価
カルボン酸の脱水縮合物であって、数平均分子量が2000
〜10000で、1分子中に平均2.1〜2.8個の水酸基を有す
るポリエステル樹脂、および水酸基と反応し得る反応性
基を有する樹脂を、重量比で90:10〜60:40の割合で含
有する自動車用中塗塗料組成物である。
本発明の塗料の第1の成分であるポリエステル樹脂は、
バインダー成分の主成分(主剤成分)となるものであ
り、環状脂肪族2価アルコールを必須成分として含む多
価アルコールと多価カルボン酸との脱水縮合物である。
環状脂肪族2価アルコールとしては、例えばシクロヘキ
サン-1,4-ジメチロール、水添ビスフェノールA、スピ
ログリコール、ジヒドロキシメチルトリシクロデカン等
がある。これらの環状脂肪族2価アルコールはいずれも
1種または2種以上を使用することができるが、とくに
シクロヘキサン-1,4-ジメチロールを用いるのが好適で
ある。
環状脂肪族2価アルコール以外の多価アルコールして
は、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオー
ル、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-
ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、2-ブチル-2-エチル-
1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロ
パンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3- メチル-1,5-
ペンタンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオー
ル、1,8-オクタンジオール、1,10- デカンジオール、1,
12- ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレ
ングリコール、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、
ビスフェノールAビスヒドロキシエチルエーテル、グリ
セリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビット、トリヒドロキ
シエチルイソシアヌレート等があり、これらの1種また
は2種以上を使用することができる。
本発明においては、多価アルコール成分は、環状脂肪族
2価アルコールを20〜85重量%含んでいるものを使用す
る。環状脂肪族2価アルコールの量が20%未満の場合に
は、得られるポリエステル樹脂の硬さを得るために芳香
族環を有する多価アルコールや多価カルボン酸を多く使
用しなければならず、得られるポリエステル樹脂の可と
う性が低下し、耐チッピング性が十分改良されない場合
がある。また環状脂肪族2価アルコールの量が85重量%
を越える場合も、ポリエステル樹脂の可とう性が低下し
てくるので、耐チッピング性が十分改良されない場合が
ある。
次に本発明において用いる多価カルボン酸の例を挙げる
と、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、
デカンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無
水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、パーヒド
ロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリッ
ト酸等があり、これらの1種または2種以上を使用する
ことができる。
本発明において使用するポリエステル樹脂の原料として
は以上の原料のほかに、分子量調節等の目的により必要
に応じて1価アルコール、1価カルボン酸、モノエポキ
シ化合物等を用いることができる。使用し得る材料の例
を挙げると、例えば1価アルコールとしては、2−エチ
ルヘキシルアルコール、ノルマルオクチルアルコール、
ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジル
アルコール等がある。また1価カルボン酸としては、カ
プロン酸、カプリル酸、イソノナン酸、ペラルゴン酸、
ラウリン酸、ステアリン酸、安息香酸、p-tert-ブチル
安息香酸等のほか、各種の動植物油脂肪酸、例えば大豆
油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、菜種
油脂肪酸、米ヌカ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマ
シ油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等がある。モノエポキシ化合
物としては、エピクロルヒドリン、ブチルグリシジルエ
ーテル、フェニルグリシジルエーテル、シェル化学会社
よりカージュラーEの商品名で市販されているバーサチ
ック酸のグリシジルエステル等がある。
本発明において用いるポリエステル樹脂は、前記環状脂
肪族2価アルコールを含有する多価アルコールと、多価
カルボン酸と、要すれば1価アルコール、1価カルボン
酸、モノエポキシ化合物等とを、撹拌下で160〜250℃の
温度に加熱して生成水を分離除去しながら反応させるこ
とにより製造することができる。反応の際に生成水の分
離除去を促進するために少量の共沸溶剤、例えばキシレ
ン等を添加しても良く、また酸化鉛、酢酸亜鉛、テトラ
ブチルチタネート等のエステル化触媒を少量使用しても
良い。
本発明において用いるポリエステル樹脂は、数平均分子
量が 2000〜10000の範囲であって、1分子中に平均2.1
〜2.8個の水酸基を有することが必要である。数平均分
子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィーを用い
て、ポリスチレン換算分子量から求められる。また1分
子あたりの平均水酸基数は、ASTM -D1957-86に記載され
た方法で測定した水酸基価および数平均分子量から次式
により算出される。
ポリエステル樹脂の数平均分子量が2000未満の場合に
は、得られるポリエステル樹脂の強度が不十分で、耐チ
ッピング性が十分に改良されない。数平均分子量が 100
00を越える場合には、ポリエステル樹脂を有機溶剤で通
常の塗料用樹脂ワニスの濃度に希釈した場合の粘度が高
過ぎ、顔料分散性が低下したり、塗装作業性が低下した
りするので実用的でない。またポリエステル樹脂中の水
酸基の量が1分子中に平均 2.1個未満の場合には、橋か
け硬化した後の塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐薬品性が劣
り、2.8個を越える場合には、塗膜の橋かけ度が高くな
り過ぎ、可とう性が低下するので耐チッピング性の改良
が十分でなくなる。
本発明においてポリエステル樹脂は、有機溶剤で30〜70
%の濃度に希釈して塗料成分とすることができる。使用
し得る有機溶剤の例としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ソルベッソ(エクソン化学株式会社の登録商
標)100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素溶剤;メチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、sec-ブチルアルコール、ノルマルアミルアルコー
ル、イソアミルアルコール、シクロヘキシルアルコー
ル、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶
剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ア
ミル、プロピオン酸メチル、ピロピオン酸エチル、プロ
ピロン酸ブチル等のエステル系溶剤;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソ
プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ピ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコール
モノエチルエーテル等のグリコール系溶剤等があり、こ
れらの1種もしくは2種以上を使用することができる。
次に本発明の塗料の第2の成分である水酸基と反応し得
る反応性基を有する樹脂は、前記ポリエステル樹脂と反
応して硬化させるための硬化剤成分となるものであり、
ポリエステル樹脂の水酸基と反応する反応基を有する樹
脂であれば制限はない。
水酸基と反応し得る反応性基を有する樹脂としては、ア
ミノ樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、フルフラール
樹脂、ポリイソシアネート樹脂、イソシアネート基の全
部または一部が熱解離し得るブロック化剤によって封鎖
された形のブロック化ポリイソシアネート樹脂、エポキ
シ樹脂等があり、とくにアミノ樹脂、ポリイソシアネー
ト樹脂およびブロック化ポリイソシアネート樹脂を用い
るのが好ましい。アミノ樹脂の例を挙げると、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂等があり、本発明においていずれも使用可能
である。次にポリイソシアネート樹脂およびブロック化
ポリイソシアネート樹脂としては、トリレンジイソシア
ネートとトリメチロールプロパンの付加物(バイエル社
よりデスモジュール−Lの商品名で市販されている)、
ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット結合で結
合した形のトリマー(バイエル社よりデスモジュール−
Nの商品名で市販されている)、ヘキサメチレンジイソ
シアネートの環状トリマー(日本ポリウレタン工業(株)
よりコロネート−EHの商品名で市販されている)、イソ
ホロンジイソシアネートの環状トリマー(ヒュルス社よ
りIPDI-T-1890の商品名で市販されている)等のポリイ
ソシアネート樹脂や、これらの樹脂のイソシアネート基
の全部または一部をメチルアルコール、エチルアルコー
ル、ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール
等の低級アルコール、フェノール、メチルエチルケトン
オキシム、ε−カプロラクタム、マロン酸ジメチル、マ
ロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル等のブロック化剤で
封鎖したブロック化ポリイソシアネート樹脂があり、本
発明においていずれも使用可能である。
本発明においては、ポリエステル樹脂および水酸基と反
応し得る反応性基を有する樹脂の割合は、重量比で90:
10〜60:40の範囲であることが必要である。水酸基と反
応し得る反応性基を有する樹脂の割合が10未満の場合に
は塗膜の硬化性が不十分で、耐水性、耐溶剤性、耐薬品
性が劣り、逆に40を越えるとポリエステル樹脂の物性が
十分生かされず、付着性やたわみ性が低下し、耐チッピ
ング性が十分改良されない。
本発明の自動車用中塗塗料組成物は、以上の成分のほ
か、酸化チタン、酸化亜鉛、マピコエロー、ベンガラ、
カーボンブラック、沈降性硫酸バリウム等の着色顔料類
や、クロム酸鉛、塩基性硫酸鉛、モリブデン酸カルシウ
ム、ジンククロメート等の防錆顔料を含有することがで
きる。これらの顔料類の割合はとくに制限されないが、
通常は有機バインダー成分に対して重量比で0.2〜1.4の
割合になるのが好ましい。本発明の自動車用中塗塗料組
成物には、このほかに塗料分野で慣用的に用いている各
種の添加剤、例えば表面張力調整剤、レベリング剤、消
泡剤、沈降防止剤、タレ止め剤、顔料分散剤等を必要に
応じて含有することができる。
上記説明に基づく配合の自動車用中塗塗料組成物は、従
来から行われている塗料製造法と同様にして製造され
る。この場合、ポリエステル樹脂および水酸基と反応し
得る反応性基を有する樹脂は予め1液に配合してもよ
く、また2液に別々に配合したものを、塗装に際して混
合するようにしてもよい。水酸基と反応し得る反応性基
を有する樹脂としてポリイソシアネート樹脂を用いる場
合は2液式が好ましい。
〔作 用〕
本発明の自動車用中塗塗料組成物は、そのままで、もし
くはシンナーで適当な粘度に希釈して塗装に提供され
る。塗装方法としては、従来から自動車用中塗塗料の塗
装に用いられてきた塗装方法が適用できる。
本発明の自動車用中塗塗料組成物は、予め電着プライマ
ーが塗装された自動車車体上に、硬化後の膜厚が10〜70
μmとなるように塗装され、ポリイソシアネート樹脂を
配合したものについては室温〜150℃の温度で 10分間な
いし24時間、アミノ樹脂またはブロック化ポリイソシア
ネート樹脂を用いたものについては100〜200℃の温度で
5分間ないし1時間、加熱硬化させることにより、耐チ
ッピング性が極めて良く、しかも耐水性、耐溶剤性、耐
薬品性等の良い塗膜が得られる。この場合、ポリエステ
ル樹脂の水酸基と他方の成分の樹脂の反応性基が反応し
て橋かけ硬化が起こり、優れた塗膜が形成される。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、本発明の自動車用中塗塗料組
成物は、その構成を環状脂肪族2価アルコールを20〜85
重量%含有する多価アルコールと多価カルボン酸の脱水
縮合物であって、数平均分子量が2000〜10000で、1分
子中に平均2.1〜2.8個の水酸基量を有するポリエステル
樹脂および水酸基と反応し得る反応性基を有する樹脂を
成分としたので、極めて強靭で付着性が良く、耐チッピ
ング性が格段に向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の構成、作用、効果を実施例により詳しく
説明する。各例中の部および%はとくにことわらない限
り重量部および重量%を表わす。
水酸基価は、ASTM−D1957-86記載の方法により以下の通
り測定し、これに基づいて1分子あたりの水酸基の平均
数を算出した。
水酸基価測定方法 250mlの三角フラスコに、約3gのポリエステル樹脂を
正確に秤量する。これに5mlのピリジン/無水酢酸=50
/50溶液をピペットで加え、緩やかに撹拌して溶解す
る。ブランクとして別の三角フラスコにも5mlのピリジ
ン/無水酢酸溶液をとり、さらに10mlのピリジンを加え
ておく。三角フラスコに還流冷却管を取付け、ウオータ
ーバスで加熱して、1時間還流させる。1時間還流後、
冷却管の上部から三角フラスコ中へ10mlの純水を加え
て、さらに10分間還流を続ける。三角フラスコをウオー
ターバスから下ろし、冷却管を取付けたまま室温まで冷
却する。室温まで冷却後、25mlの中性n-ブチルアルコー
ルを加える。この時、半分は還流冷却管をつけたまま、
冷却管の上部から冷却管の内壁を洗い落とすように加
え、残りの半分は三角フラスコの内壁を洗い落とすよう
にして加える。指示薬としてフェノールフタレイン溶液
を加えて、0.5Nのアルコール性KOH溶液で滴定する。ポ
リエステル樹脂の酸価を別に測定して、次式により水酸
基価を算出する。
S=アセチル化に用いたポリエステル樹脂のサンプル量
(g) V=アセチル化された試料の中和に要した KOH溶液の滴
定量(ml) C=酸価測定に用いたポリエステルの樹脂のサンプル量
(g) A=酸価測定に要したKOH溶液の滴定量(ml) B=ブランクの中和に要した KOH溶液の滴定量(ml) N=KOH溶液のファクター 実施例では、ポリエステル樹脂を溶剤で希釈したワニス
にて水酸基価の測定を行ったので、ポリエステル樹脂自
体の水酸基価は、上記による溶液の水酸基価を樹脂不揮
発分(%)で除して、次式により算出した。
このようにして求めた水酸基価およびゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィーによりポリスチレン換算分子量
から求めた数平均分子量の値により、ポリエステル樹脂
1分子あたりの平均水酸基数を次式により算出した。
実施例1 (A)ポリエステル樹脂ワニスの製造 撹拌装置、温度計、反応水の分離管が付属した還流冷却
管および窒素ガス導入管を備えた反応器に以下の成分を
入れ混合した。
シクロヘキサン-1,4-ジメチロール 10.0部 ネオペンチルグリコール 27.9〃 トリメチロールプロパン 5.8部 アジピン酸 6.3〃 イソフタル酸 50.0〃 混合物を 120℃に加熱して溶融した後、撹拌しながら温
度を160℃に上昇させた。1時間160℃に保った後、徐々
に温度を上げ3時間かけて 230℃まで温度を上げた。温
度を 230℃に保ち、反応水分離管にキシレンを満たし
て、反応水を共沸によって系外に除去するようにした。
230℃で反応を続けて1時間後より、サンプルを約1g
三角フラスコに採取し、中性キシレン/n-ブチルアルコ
ール溶液10ml溶液にて溶解して、フェノールフタレイン
指示薬を用いて0.1Nのアルコール性KOH溶液にて滴定し
て次式により酸価を測定した。
N=KOH溶液のファクター 230℃に温度を保って反応を続け、1時間毎に酸価を測
定した。 230℃での反応を6時間継続したところで、酸
価が5となったので反応を終了して冷却した。反応水の
量は12部であった。 120℃まで冷却後、以下の溶剤で希
釈して樹脂ワニスとした。
キシレン 17.6部 ソルベッソ150 (既出) 17.6〃 エチレングリコールモノエチルエーテル 11.7〃 シクロヘキサノン 11.7〃 得られたポリエステル樹脂ワニスは、不揮発分が60%、
ガードナー泡粘度計で25℃の温度で測った粘度がL〜M
であった。このポリエステル樹脂ワニス約3gを250ml
の三角フラスコに取り、先に示した水酸基価測定方法に
よって、樹脂の水酸基価を測定したところ、76.2mgKOH
/gであった。またゲルパーミエイションクロマトグラ
フィーを用いて平均分子量を測定したところ、数平均分
子量は2080であった。これより1分子当たりの平均水酸
基数を算出すると、2.82であった。
(B)塗料化 以下の配合で中塗塗料を製造した。
(A)で製造したポリエステル樹脂ワニス 48.5部 スーパーベッカミンL-116-70 18.3〃 (大日本インキ科学工業(株)製のブチル化メラミン樹脂
ワニス、不揮発分68%) ルチル酸化チタン 31.6〃 マピコエロー 1.2〃 カーボンブラック 0.4〃 ポリエステル樹脂ワニス、ルチル酸化チタン、マピコエ
ローおよびカーボンブラックをボールミル分散機のベッ
セルに入れ、セラミックボールを用いて48時間分散し
た。分散後、セラミックボールを篩でこし分け、スーパ
ーベッカミンL-116-70を加えてディゾルバーで混合して
塗料を製造した。
(C)塗装 (B)で製造した中塗塗料を、ソルベッソ150:ノルマルブ
チルアルコール=95:5の組成のシンナーで、フォード
カップNo.4を用い20℃で測定した時の粘度が25秒になる
よう希釈した。厚さ0.8mm、長さ150mm、幅70mmの自動車
用鋼板(JIS-G-3141)に、ボンデライトNo.3004(日本
パーカーライジング(株)製のリン酸亜鉛皮膜処理の商品
名)処理を施し、次いでパワートップU-100(日本ペイ
ント(株)製のカチオン型電着プライマーの商品名)を15
〜20μmの厚さに塗装した試験板に、希釈した中塗塗料
を焼き付け後の膜厚が35〜40μmとなるようにエアース
プレー塗装し、10分間室温にセッチングした後、30分
間、140℃の温度で焼き付けて硬化させた。次いで、こ
の試験板に上塗塗料としてメラミNo.1500レッドエナメ
ル(日本油脂(株)製、自動車用上塗塗料)を乾燥後の膜
厚が35〜40μmとなるようにエアースプレー塗装し、10
分間室温にセッチングした後、30分間、140℃の温度で
焼き付けて硬化させた。かくして得た試験板についてJI
S-D-0202の自動車部品の塗膜通則に基づいて塗膜性能試
験を行うとともに、グラベロメーターによる下記試験方
法の耐チッピング性試験を行い、耐チッピング性を評価
した。
耐チッピング性試験方法: ASTM-D-3170“Standard Methd of Test for Chip Resis
tance of Coatings”に準拠して、以下の通り耐チッピ
ング性の試験、評価を行う。
(1) 試験機器;Q-G-R グラベロメーター (Q-Panel 会社製品) (2) チップ材;直径約10〜15mmの大理石粒 (3) チップ材の量;約250個 (4) 吹き付けエアー圧;約4.8kg/cm2 (5) 試験温度;20℃ (6) 評価方法;試験板の中央部40mm×40mmを残して周囲
をガムテープで被覆して試験板ホルダーに取りつけ、約
4.8kg/cm2の圧力でチップ材を噴射し、衝突によって生
じた疵の数、疵の面積を測定して40mm×40mmの面積にお
ける剥離個数、平均剥離面積を記録する。次いでJIS-Z-
2371によって48時間塩水噴霧試験を行い、被衝撃部から
発錆数を記録する。
実施例2〜5、および比較例1〜3 (A) ポリエステル樹脂ワニスの製造 表1に示したポリエステル樹脂の配合に基づいて、実施
例1(A) と同様にしてポリエステル樹脂を合成し、キシ
レン:ソルベッソ150:エチレングリコールモノエチル
エーテル:シクロヘキサノンの混合比が30:30:20:20
である混合溶剤で不揮発分を60%にした。
(B) 塗料化 表2に示した通り、ポリエステル樹脂が異なる以外は同
じ配合で、実施例1(B) と同様にして中塗塗料を製造し
た。
(C) 塗装 (B)で製造した中塗塗料を実施例1(C)と同様にして希釈
して、実施例1(C) と同じ電着プライマーで被覆された
試験板に乾燥後の膜厚が35〜40μmとなるように塗装
し、30分間、140℃の温度で焼き付けて硬化させた後、
以下実施例1(C) と同様にして上塗塗料を塗装して試験
板を作成し、実施例1(C) と同じ試験を行った。
参考例1 実施例1(C) と同様に電着プライマー塗装まで施された
試験板に、市販の自動車用中塗塗料エピコNo.1500チッ
ピングシーラー(日本油脂(株)製)を乾燥後の膜厚が35
〜40μmとなるようにエアースプレー塗装し、30分間、
140℃の温度で焼き付けて硬化させた。以下、実施例1
(C) と同様にして上塗塗料を塗装し、試験板を作成し塗
膜性能試験および耐チッピング性試験を行った。
以上の結果をまとめて表3に示す。
実施例6〜8、および比較例4〜5 (B) 塗料化 実施例2(A) で製造したポリエステル樹脂ワニスを用い
て表4に示した配合によってポリエステル樹脂とメラミ
ン樹脂の割合が異なる中塗塗料を実施例1(B)と同様に
して製造した。
(C) 塗装 実施例1(C) と同様にして試験板を作成して塗膜性能試
験および耐チッピング性試験を行って表5に示した結果
を得た。
実施例9〜12 (B) 塗料化 実施例1(A)および実施例2(A)で製造したポリエステル
樹脂ワニスを用いて表6の配合によりデスモジュール-N
-70(バイエル社から市販されているポリイソシアネート
樹脂、不揮発分=70%)およびデスモジュールLS-2800
(バイエル社から市販されているブロック化ポリイソシ
アネート樹脂、不揮発分=75%)を配合した中塗塗料を
製造した。
(C) 塗装 (B) で製造した中塗塗料をそれぞれキシロール:酢酸ブ
チル:酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル=5
0:40:10の混合比のシンナー、フォードカップNo.4を
用いて25℃の温度で測った粘度が25秒になるように希釈
した。
実施例1(C) と同じ電着プライマーまで塗装した試験板
に、中塗塗料を乾燥後の膜厚が35〜40μmになるように
塗装し、実施例9および10については、120℃の温度
で、実施例11および12については、140℃の温度で、各
々30分間焼き付けて硬化させた。以下、実施例1(C) と
同様にして試験板を作成し、塗膜性能試験および耐チッ
ピング性試験を行って表7の結果を得た。
以上の実施例、比較例および参考例において、環状脂肪
族2価アルコールを多価アルコール成分中20〜85%含有
し、平均分子量が 2000〜10000で1分子中に平均して2.
1〜2.8個の水散基を有するポリエステル樹脂70部および
ブチル化メラミン樹脂30部を有機バインダー成分とする
自動車用中塗塗料は、表3の実施例1〜5の結果より明
らかなように、耐チッピング性が極めて良好である。こ
れに対して、環状脂肪族2価アルコールを含有しない比
較例1、平均分子量が1500の比較例2、および従来の自
動車用中塗塗料を用いた参考例1は耐チッピング性が不
十分である。平均分子量が15000で、1分子中の水酸基
の量が2.0個のポリエステル樹脂を用いた比較例3の場
合は、塗膜の外観が劣り、耐食性、耐湿性、耐油性、耐
ガソリン性および耐酸性が不十分である。
また本発明のポリエステル樹脂および水酸基と反応し得
る反応性基を有する樹脂の割合が90:10〜60:40の範囲
である実施例6〜8および実施例9〜12は各れも塗膜物
性が良好で、耐チッピング性が極めて優れている。これ
に対して、水酸基と反応し得る反応性基を有する樹脂の
割合が10部未満の比較例4は外観、耐食性、耐湿性、耐
油性、耐ガソリン性、耐酸性および付着性が不十分で耐
チッピング性も劣り、40部を越える比較例5でも、耐食
性、耐湿性および付着性が不十分で耐チッピング性が劣
っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 宏昭 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 木村 均 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 志村 和夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−47454(JP,A) 特開 昭57−36149(JP,A) 特開 昭57−137364(JP,A) 特公 昭57−24389(JP,B2) 特公 昭59−50266(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状脂肪族2価アルコールを20〜85重量%
    含有する多価アルコールと多価カルボン酸の脱水縮合物
    であって、数平均分子量が2000〜10000で、1分子中に
    平均2.1〜2.8個の水酸基を有するポリエステル樹脂、お
    よび水酸基と反応し得る反応性基を有する樹脂を、重量
    比で90:10〜60:40の割合で含有する自動車用中塗塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】環状脂肪族2価アルコールが、シクロヘキ
    サン-1,4-ジメチロール、水添ビスフェノールA、スピ
    ログリコール、およびジヒドロキシメチルトリシクロデ
    カンから選ばれる1種以上のものである特許請求の範囲
    第1項記載の自動車用中塗塗料組成物。
  3. 【請求項3】水酸基と反応し得る反応性基を有する樹脂
    が、アミノ樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、フルフ
    ラール樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ブロック化ポリ
    イソシアネート樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる
    1種以上のものである特許請求の範囲第1項または第2
    項記載の自動車用中塗塗料組成物。
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